JP2004003004A - プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス成形時の摺動抵抗が小さく、安定して優れたプレス成形性を示す溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供する。
【解決手段】めっき層が主としてη相からなる溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき表面にZn系酸化物およびAl系酸化物を含む酸化物が存在し、その平均厚さが10nm以上である。前記めっき表面に存在する酸化物は、厚さが不均一な皮膜である。前記皮膜は、厚さの厚い部分はZn系酸化物が主体であり、薄い部分はAl系酸化物が主体である。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレス成形時における摺動性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、防錆性の向上の観点から、自動車用パネル部品には亜鉛系めっき鋼板、特に溶融亜鉛系めっき鋼板の使用比率が増加している。溶融亜鉛系めっき鋼板には亜鉛めっき後に合金化処理を施したものと施さないものとがあり、一般に前者は合金化溶融亜鉛めっき鋼板、後者は溶融亜鉛めっき鋼板と称される。通常、自動車用パネルに使用される溶融亜鉛系めっき鋼板は、溶接性および塗装性に優れている特性を生かして、溶融亜鉛めっき後に500℃程度に加熱して合金化処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用されている。
【0003】
また、さらなる防錆性の向上を目指し、自動車メーカーでは厚目付けの亜鉛系めっき鋼板に対する要望が強くなりつつあるが、前述した合金化溶融亜鉛めっき鋼板で厚目付け化を実施すると、合金化に長時間を要し、合金化不良いわゆる焼けムラが発生しやすく、逆にめっき層全体で合金化を完了させようとすると、過合金化となり、めっき−鋼板界面で脆いΓ相が生成し、加工時にめっき剥離が発生しやすくなるため、厚目付けの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することは非常に困難である。
【0004】
このため、厚目付け化には溶融亜鉛めっき鋼板が有効である。しかしながら、溶融亜鉛めっき鋼板を自動車用パネルにプレス成形する際には、前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板と比較すると、金型との摺動抵抗が大きく、また表面の融点が低いことにより凝着を生じやすく、プレス割れが起こりやすいという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する手法として、特許文献1および特許文献2には、溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗度を制御して、プレス成形時の型かじりを抑制する手法や、深絞り性を改善する手法が提案されている。しかしながら、このような溶融亜鉛めっき鋼板について詳細な検討を行ったところ、金型との摺動距離が短い場合には、金型との凝着を抑制する効果があるものの、摺動距離が長くなるほどこの効果は小さくなり、摺動条件によっては改善効果が得られない。また、上記提案では、このような粗さを付与する手法として、スキンパス圧延のロール条件・圧延条件を制御する方法があげられているが、実際には、ロールに亜鉛が目詰まりを起こすため、溶融亜鉛めっき鋼板表面に所定の粗さを安定的に付与することは困難である。
【0006】
また、特許文献3には、めっき表面にZnOを主体とする酸化膜を形成した亜鉛めっき鋼板が提案されている。しかしながら、この技術を溶融亜鉛めっき鋼板に適用することは困難である。通常、溶融亜鉛めっき鋼板の製造の際には、亜鉛浴に浸漬した際に、過剰なFe−Zn合金化反応を抑制し、めっき密着性を確保するために、亜鉛浴中には微量なAlが添加されている。この微量に含まれるAlのために、溶融亜鉛めっき鋼板表面にはAl系酸化物が緻密に生成しているため、表面が不活性でありZnOを主体とする酸化膜を形成することができない。仮に、このような酸化膜を緻密に生成したAl系酸化物層の上層に付与したとしても、付与した酸化膜と下地との密着性が悪く十分な効果が得られないだけでなく、加工時にプレス金型に付着し、押しキズを作るなどプレス品への悪影響をもたらす問題がある。
【0007】
この他にも、特許文献4にはMo酸化物皮膜を、特許文献5にはCo系酸化物皮膜を、特許文献6にはNi酸化物皮膜を、特許文献7にはCa系酸化物皮膜を、表面に形成した亜鉛めっき鋼板が提案されているが、前述したZnO主体の酸化膜と同じ理由で、十分な効果を得ることができない。
【0008】
以下に先行技術文献情報について記載する。なお、非特許文献1については、説明の都合上、発明の実施の形態の項で説明する。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−4019号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2002−4020号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平2−190483号公報
【0012】
【特許文献4】
特開平3−191091号公報
【0013】
【特許文献5】
特開平3−191092号公報
【0014】
【特許文献6】
特開平3−191093号公報
【0015】
【特許文献7】
特開平3−191094号公報
【0016】
【非特許文献1】
名越正泰,他2名,「極低加速走査電子顕微鏡でみた実材料表面」,表面技術,2003年、54巻、第1号,p.31−34
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を考慮して、プレス成形時の摺動抵抗が小さく、安定して優れたプレス成形性を示す溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、種々の検討を加えた結果、溶融亜鉛めっき鋼板表面に特有のAl系酸化物とともにZn系酸化物を形成することにより、広範な摺動条件で良好なプレス性が得られることを知見した。これは次のような理由による。
【0019】
前述したように、溶融亜鉛めっき鋼板表面にはAl系酸化物層が形成されていることから、プレス成形時の金型との凝着をある程度抑制することができる。このため、さらにプレス時の摺動特性を改善するためには、より厚いAl系酸化物層を形成することは有効であると考えられるが、Al系酸化物層を厚く成長させるためには、高温で長時間酸化させる必要があり、実用上困難であることに加え、この際に、徐々にFe−Zn合金化反応が進行し、めっき密着性を劣化させるという欠点がある。逆に、Zn系酸化物層を形成させるためには、表面のAl系酸化物層を完全に除去する必要があるため、この処理に長時間を要するという欠点がある。
【0020】
一方、Al系酸化物層を一部破壊し、新生面を露出させた後に、表面を酸化させる処理を行うと、この新生面上ではZn系酸化物が形成され、またこの新生面上へのZn系酸化物層は容易に付与できる。このようにして形成されためっき表面の酸化物層はZn系酸化物とAl系酸化物とが共存し、これによりプレス金型との凝着抑制が強化されるため、広範な摺動条件で良好なプレス成形性を得ることができる。また、このようなZn系酸化物層はめっき表面に形成した凹凸の少なくとも凹部に形成させることで摺動抵抗の低減効果があることがわかった。
【0021】
また、このような酸化処理としては、溶融亜鉛めっき鋼板を酸性溶液に浸漬し、酸性溶液膜を鋼板表面に形成した後に、所定時間放置することで、Zn系酸化物を効果的に形成できる。また、調質圧延後、アルカリ性溶液に接触させ、一部のAl系酸化物層を破壊・溶解することで、さらに効果的に上記酸化物層を形成できる。
【0022】
また、発明者らは、めっき表面に形成させるZn系酸化物に微細な凹凸を付与することにより、摺動性をさらに向上できることを見出した。ここで微細凹凸とは、粗さ曲線の平均粗さRa(以下、単に「S」とも記載する。)で100 nm以下、局部凹凸の平均間隔S(以下、単に「S」とも記載する。)で、1000 nm以下の表面粗さのことで、前記特許文献1および前記特許文献2に記載されている表面粗度(Ra: 1 μm前後)とは一桁以上小さいサイズである。従って、本発明におけるRaなどの粗さパラメータは、長さがミリメートルオーダー以上の粗さ曲線について測定されるミクロン(μm)オーダーかそれ以上の凹凸を定義する一般的な粗さパラメータと異なり、数ミクロン長さの粗さ曲線から算出されるものである。また、前記先行文献は、溶融亜鉛めっき鋼板表面の粗さを規定したものであり、本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板表面に付与した酸化物層の粗さを規定するものである。
【0023】
発明者らは、さらにZn系酸化物に微細な凹凸を付与するためには、Zn系酸化物にFeを含有させることが有効であることを知見した。前記の酸性溶液膜を鋼板表面に形成した後に所定時間放置することによりZn系酸化物を付与する方法において、酸性溶液中にFeを添加しておくことにより、Zn系酸化物をZnとFeを含む酸化物とすることで、該酸化物に効果的に微細凹凸を付与することができる。
【0024】
本発明は、以上の知見に基いてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
【0025】
第1発明は、めっき層が主としてη相からなる溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき表面にZn系酸化物およびAl系酸化物を含む酸化物が存在し、その平均厚さが10nm以上であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0026】
第2発明は、第1発明において、前記めっき表面に存在する酸化物は、厚さが不均一な皮膜であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0027】
第3発明は、第2発明において、前記皮膜は、厚さの厚い部分はZn系酸化物が主体であり、薄い部分はAl系酸化物が主体であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0028】
第4発明は、第1〜3発明において、めっき表面に凹部を有し、少なくともその凹部にZn系酸化物が存在することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0029】
第5発明は、第1〜第4発明において、前記Zn系酸化物は、微細凹凸を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0030】
第6発明は、第1〜第5発明において、前記Zn系酸化物は、ZnおよびFeを含む酸化物からなることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0031】
第7発明は、第1〜第6発明において、前記Zn系酸化物が存在する部分は、めっき表面に占める割合が面積率で15%以上であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
【0032】
第8発明は、鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、さらに調質圧延を施した後に、pH緩衝作用を有する酸性溶液に接触させ、水洗までの保持時間が1〜30秒である酸化処理を行うことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【0033】
第9発明は、第8発明において、pH緩衝作用を有する酸性溶液鋼板として、Feを含むpH緩衝作用を有する酸性溶液を用いることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【0034】
第10発明は、第8、第9発明において、調質圧延後、酸化処理前に、アルカリ性溶液に接触させ、表面を活性化する処理を行うことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【0035】
なお、本発明において、めっき表面に存在する「Zn系酸化物」とは、Zn系の酸化物だけでなく、Zn系の水酸化物を含んでいても良いし、すべてがZn系の水酸化物であってもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、微量のAlを含んだ亜鉛浴に浸漬することにより製造されるため、めっき皮膜は主としてη相からなり、また表層には、亜鉛浴に含まれているAlによるAl系酸化物層が形成された皮膜である。このη相は、合金化溶融亜鉛めっき皮膜の合金相であるζ相、δ相と比較すると軟らかく、かつ融点が低いことから、凝着が発生しやすく、プレス成形時の摺動性に劣る。ただし、溶融亜鉛めっき鋼板の場合、表面にAl系酸化物層が形成されていることにより、金型の凝着を抑制する効果がわずかに見られるため、特に金型との摺動距離が短い場合には、摺動特性の劣化が見られないことがある。しかしながら、この表面に形成されているAl系酸化物層は薄いため、摺動距離が長くなると凝着が発生しやすくなり、広範な摺動条件で満足するプレス成形性を得ることができない。
【0037】
このような溶融亜鉛めっき鋼板と金型との凝着を抑制するためには、表面に厚い酸化物層を形成することが有効である。このため、めっき鋼板表面に存在するAl系酸化物層の一部を破壊し、酸化処理を行うことによりZn系酸化物層を形成し、最終的にZn系酸化物とAl系酸化物が共存した酸化物層を形成することは溶融亜鉛めっき鋼板の摺動特性の向上に有効である。
【0038】
この理由については明確ではないが、次のようなメカニズムにより摺動特性が向上していると推定できる。めっき鋼板表面に存在するAl系酸化物層の一部を破壊し、新生面が露出した部分では反応が活性になり、Zn系酸化物を容易に生成することができるのに対して、Al系酸化物層が残存している部分では不活性であるため、酸化反応が進行しない。このうちZn系酸化物が形成される部分では、酸化膜厚を容易に制御できるため、摺動特性の向上に必要な酸化膜厚を付与することが可能である。実際のプレス成形時には、金型はこのZn系酸化物とAl系酸化物とが存在した酸化物層に接触するが、摺動条件によりAl系酸化物層が削り取られ、凝着が生じやすい状況が発生しても、共存するZn系酸化物層が凝着の抑制効果を発揮することができるため、プレス成形性を向上することができる。
【0039】
また、酸化膜厚を制御するにあたり、厚く生成させようとすると、Zn系酸化物が存在する部分では厚くなり、逆にAl系酸化物層が残存した部分では厚くならないため、めっき鋼板表面全体を見ると、酸化膜厚の厚い部分と薄い部分とが共存する厚さの不均一な酸化物層が形成されるが、前述したメカニズムと同じ理由で摺動性の向上を得ることができる。加えて、何らかの理由で薄い部分の一部で酸化物層の形成されていない部分が存在していたとしても、同様のメカニズムで摺動性の向上を得ることができる。
【0040】
このめっき表層における酸化物層については、その平均厚さを10nm以上とすることにより良好な摺動性が得られるが、酸化物層の平均厚さを20nm以上とするとより効果的である。これは、金型と被加工物の接触面積が大きくなるプレス成形加工において、表層の酸化物層が摩耗した場合でも残存し、摺動性の低下を招くことがないためである。一方、摺動性の観点から酸化物層の平均厚さに上限はないが、厚い酸化物層が形成されると、表面の反応性が極端に低下し、化成処理皮膜を形成するのが困難になるため、200nm以下とするのが望ましい。
【0041】
なお、酸化物層の平均厚さは、Arイオンスパッタリングと組み合わせたオージェ電子分光(AES)により求めることができる。この方法においては、所定厚さまでスパッタした後、測定対象の各元素のスペクトル強度から相対感度因子補正により、その深さでの組成を求めることができる。このうち、酸化物に起因するOの含有率は、ある深さで最大値となった後(これが最表層の場合もある)、減少し、一定となる。Oの含有率が最大値より深い位置で、最大値と一定値との和の1/2となる深さを、酸化物の厚さとする。
【0042】
また、オージェ電子分光(AES)での測定結果により、厚さの不均一な酸化物層の有無を判断することができる。これは、厚い部分が主としてZn系酸化物からなり、薄い部分がAl系酸化物からなることに起因するものであるが、これを表層でのZn/Al比(at比)により評価することができる。すなわち、Zn/Al比が1.0を超える部分が厚い部分であり、Zn/Al比が1.0以下の部分が薄い部分とするものである。また、この判断は、任意の点について分析を実施し、1箇所でもZn/Al比が1.0以下の部分が存在すれば、厚さの不均一な酸化物層が形成していると判断できる。また、この厚い部分と薄い部分の存在割合については、特に規定しないが、薄い部分が多いと、酸化物の平均厚さが10nm未満となり、摺動性の改善効果が得られないため、平均厚さが本発明範囲内にあれば特性を満足することができる。
【0043】
ここまで、Zn系酸化物が存在する領域の形状について特に限定していないが、めっき表面に凹凸を形成させ、少なくともその凹部にZn系酸化物を存在させることで良好な摺動抵抗の低減効果があることが分かった。ここでめっき表面の凹部とは、Zn酸化物の微細凹凸とは異なり、サイズとして例えば凹部を同面積の円に置き換えた場合の直径で数μm〜100μm程度のマクロな凹凸のことである。
【0044】
摺動抵抗が低減される理由は下記のように考えている。前述のごとく溶融亜鉛めっき表面にはAl系の酸化物層が存在するために摺動距離が短い場合には摺動抵抗は比較的低いが、長い摺動で摺動抵抗が増大する。長摺動条件では、冷延鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板と比較してやわらかく変形しやすいZnのη層が主である溶融亜鉛めっきの場合、表面の凸部のみならず凹部の大部分もつぶされ摺動面積が大幅に増加するために摺動抵抗の増大が生じる。めっき表面の凹部に摺動抵抗低減効果の高いZn系酸化物を形成させることで、摺動面積の広がりを抑制することができ、長摺動における摺動抵抗の増大を低減することができる。
【0045】
走査電子顕微鏡を用いて、加速電圧1 kV以下の電子線を用いることで酸化物層の厚さ分布を直接的に観察することができる(非特許文献1参照)。この方法により、酸化物の厚い部分と薄い部分を容易に区別できる二次電子像を得ることができ、画像処理などにより両者の存在割合を計算できる。本方法を用いて溶融亜鉛めっき鋼板に付与した酸化物の厚い部分の存在割合を評価した結果、酸化物の厚い部分が、面積率でめっき表面の少なくとも15%以上存在すれば摺動抵抗を下げる効果があることがわかった。摺動抵抗低減効果に酸化物の厚い部分の存在割合に上限はない。
【0046】
このような酸化物層を形成する手法としては、溶融亜鉛めっき鋼板をpH緩衝作用を有する酸性溶液に接触させ、その後、1〜30秒放置した後、水洗・乾燥することが有効である。
【0047】
この酸化物層形成メカニズムについては明確でないが、次のように考えることができる。溶融亜鉛めっき鋼板を酸性溶液に接触させると、鋼板側からは亜鉛の溶解が生じる。この亜鉛の溶解は、同時に水素発生反応を生じるため、亜鉛の溶解が進行すると、溶液中の水素イオン濃度が減少し、その結果溶液のpHが上昇し、溶融亜鉛めっき鋼板表面にZn系酸化物層を形成すると考えられる。このように、Zn系酸化物の形成のためには、亜鉛の溶解とともに、鋼板に接触している溶液のpHが上昇することが必要であるため、鋼板を酸性溶液に接触させた後に水洗までの保持時間を調整することは有効である。この際、保持時間が1秒未満であると、鋼板に接触している溶液のpHが上昇する前に液が洗い流されるために酸化物を形成できず、一方、30秒以上放置しても酸化物生成に変化が見られないためである。
【0048】
このような酸化処理に使用する酸性溶液のpHは1.0〜5.0の範囲にあることが望ましい。これはpHが5.0を超えると、亜鉛の溶解速度が遅く、一方1.0未満では、亜鉛の溶解の促進が過剰となり、酸化物の形成速度がいずれも遅くなるためである。また、酸性溶液には、pH緩衝効果をもった薬液を使用するとよい。これは、実際の製造時に処理液のpH安定性をもたせるのみでなく、酸化物の生成に必要なpH上昇を活性化させ、厚い酸化膜を効率よく生成させることができるためである。
【0049】
このようなpH緩衝性を有する薬液としては、酸性領域でpH緩衝性を有すれば、その薬液種に制限はないが、例えば、酢酸ナトリウム(CHCOONa)などの酢酸塩、フタル酸水素カリウム((KOOC))などのフタル酸塩、クエン酸ナトリウム(Na)やクエン酸二水素カリウム(KH)などのクエン酸塩、コハク酸ナトリウム(Na)などのコハク酸塩、乳酸ナトリウム(NaCHCHOHCO)などの乳酸塩、酒石酸ナトリウム(Na)などの酒石酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩のうちの一種以上を用いることができる。
【0050】
また、その濃度としては、それぞれ5〜50g/lの範囲であることが望ましい、これは、5g/l未満であると、pH緩衝効果が不十分で、所定の酸化物層を形成できないためであり、50g/lを超えても、効果が飽和するだけでなく、酸化物の形成に長時間を要するためである。酸性溶液には、めっき鋼板を接触させることにより、めっきよりZnが溶出混入するが、これはZn系酸化物の形成を著しく妨げるものではない。従って、酸性溶液中のZn濃度は特に規定しない。
【0051】
酸性溶液に接触させる方法には特に制限はなく、めっき鋼板を酸性溶液に浸漬する方法、めっき鋼板に酸性溶液をスプレーする方法、塗布ロールを介して酸性溶液をめっき鋼板に塗布する方法等があるが、最終的に薄い液膜状で鋼板表面に存在することが望ましい。これは、鋼板表面に存在する酸性溶液の量が多いと、亜鉛の溶解が生じても溶液のpHが上昇せず、次々と亜鉛の溶解が生じるのみであり、酸化物層を形成するまでに長時間を有するだけでなく、めっき層の損傷も激しく、本来の防錆鋼板としての役割も失うことが考えられるためである。この観点から、液膜の量は、3g/m以下に調整することが望ましく、液膜量の調整は、絞りロール、エアワイピング等で行うことができる。
【0052】
このような酸化物層を形成する処理を行う前には、溶融亜鉛めっき鋼板に調質圧延を施す必要がある。これは、通常は材質調整が主目的であるが、本発明では同時に鋼板表面に存在するAl系酸化物層の一部を破壊する効果もあるためである。
【0053】
発明者らが、酸化物形成処理前、該処理後のめっき鋼板の各々の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、Zn系酸化物皮膜は、主に調質圧延の際に圧延ロールがめっき表面に接触することで圧延ロールのダル目の凸部で押圧されてAl系酸化物層が破壊された部分に生成していることがわかった。従って、Zn系酸化物皮膜の面積率および分布は、調質圧延の圧延ロールの粗さや伸長率を制御することで、Al系酸化物層が破壊される面積を制御し、それによって、Zn系酸化物が形成される面積率を制御することができる。また、このような調質圧延は、同時にめっき表面に凹部を形成させることができる。
【0054】
ここでは調質圧延による例を示したが、めっき表面のAl系酸化物層を機械的に破壊できる手法であれば、Zn系酸化物を形成させること、および面積率の制御に有効である。その手法には、例えば、金属ブラシによる処理やショットブラストなどがある。
【0055】
また、調質圧延後、酸化処理を行う前に、アルカリ性溶液に接触させ、表面を活性化する処理を行うと有効である。この目的は、さらにAl系酸化物を除去し、表面に新生面を露出するためである。前述した調質圧延時には、材質上制限される伸長率のために、鋼板の種類によっては、十分にAl系酸化物層を破壊できない場合がある。そこで、鋼板の種類によらず、安定的に摺動性に優れた酸化物層を形成するには、さらにAl系酸化物層を除去する処理を行い、表面を活性化することが必要なためである。
【0056】
アルカリ性溶液に接触させる方法には特に制限はなく、浸漬あるいはスプレーなどで処理することで効果が得られる。アルカリ性溶液であれば、表面の活性化は可能であるが、pHが低いと反応が遅く処理に長時間を有するため、pH10以上であることが望ましい。上記範囲内のpHであれば溶液の種類に制限はなく、水酸化ナトリウムなどを用いることができる。
【0057】
これまで、めっき表面に形成させるZn系酸化物の形状については述べなかったが、Zn系酸化物に微細な凹凸付与することにより、さらなる摺動抵抗の低下を実現できる。ここで微細凹凸とは、粗さ曲線の平均粗さ(Ra)が100 nm程度以下、局部凹凸の平均間隔(S)が1000 nm程度以下の表面粗さを有することを意味する。
【0058】
微細な凹凸により摺動抵抗が低下する理由は、微細凹凸の凹部が微細なオイルピット群として働き、ここに潤滑油を効果的に保持できることによると考えている。すなわち、前述の酸化物としての摺動抵抗低減効果に加えて、潤滑油を摺動部に効果的に保持できる微細な油だめ効果により更なる摺動抵抗低減効果が発現されると考えている。このような微細凹凸の潤滑油保持効果は、マクロ的な視点で比較的平滑な表面を有しておりマクロ的に潤滑油を保持しにくく、圧延などにより潤滑性を狙ってマクロな表面粗さを安定して付与することが困難な、溶融亜鉛めっきの安定した摺動抵抗低減に特に有効である。また、摺動条件としては接触面圧の低い摺動条件下で特に有効である。
【0059】
微細凹凸の構成は、例として、Zn系酸化物層の表面が微細凹凸を有しているもの、あるいは、めっき表面に直接あるいは層状の酸化物層および/または水酸化物層の上に、粒状、板状、リン片状などの形状を有するZn系酸化物が分布することで微細凹凸が形成されていても良い。微細凹凸は、Raは100 nm以下、Sは800 nm以下が望ましい。RaやSをこれ以上大きくしても、油だめ効果の大幅な改善は見られなく、また酸化物を厚く付ける必要があり製造することが難しくなる。これらのパラメータの下限は特に規定しないが、Raは3 nm以上、Sは50 nm以上で摺動抵抗低減効果があることを確認した。なお、Raは4 nm以上であることがより望ましい。Raは3 nm以上、微細凹凸が小さすぎると平滑表面に近づき、粘性のある油の油だめとしての効果が低減するため、好ましくないと考えられる。
【0060】
RaおよびSを制御する有効な一つの方法は、後述するようにZn系酸化物にFeを含ませることである。Zn系酸化物にFeを含ませると、Zn酸化物はその含有量に応じて除除に微細となり数が増加する。このFe含有量と成長時間を制御することで、Zn酸化物の大きさや分布を調整でき、従ってRaとSの調整が可能である。微細凹凸の形状は、これを限定するものではない。
【0061】
Ra、Sの表面粗さパラメータは、Zn系酸化物の表面の形状を、三次元形状計測機能を有する走査電子顕微鏡や走査プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡など)を用いて数値化し抽出した長さ数μmの粗さ曲線より、日本工業規格の「表面粗さ−用語」B−0660−1998等に記載されている数式に従って計算することができる。また、微細凹凸の形状は高分解能の走査電子顕微鏡を用いて観察することができる。酸化物の厚さは数十nm程度と薄いため、低い加速電圧、例えば1 kV以下、を用いて観察することが有効である。特に、電子のエネルギーとして数eVを中心とする低エネルギーの二次電子を除いて二次電子像の観察を行うと、酸化物の帯電により生じるコントラストを低減することができるため、微細凹凸の形状の良好な観察を行うことができる(非特許文献1参照)。
【0062】
Zn系酸化物に微細な凹凸を付与する方法は特に限定されないが、効果的な方法の一つは、Zn系酸化物を、ZnとFeを含む酸化物とすることである。Zn系酸化物にFeを含有させることにより、Zn系酸化物のサイズを微細なものとすることができる。その微細なサイズの酸化物の集合として、微細凹凸を形成できる。ZnとFeを含む酸化物が微細な凹凸を有する酸化物となる理由は明らかになっていないが、Zn酸化物の成長がFeあるいはFeの酸化物によって抑制されるためと推定している。ZnとFeの和に対するFeの好適割合(百分率)は明確になっていないが、発明者らは、少なくともFeが1at%以上、50at%以下の範囲で有効であることを確認している。
【0063】
このような、ZnとFeを含む酸化物は、前述のpH緩衝作用を有する酸性溶液に接触させるZn系酸化物の形成方法において、その酸性溶液にFeを添加することで形成することができる。その濃度は特に限定されないが、一例として、その他の条件は前述のとおりとして、硫酸第一鉄(7水和物)を5〜400g/lの範囲で添加することで製造可能である。
【0064】
本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに関しては、めっき浴中にAlが添加されていることが必要であるが、Al以外の添加元素成分は特に限定されない。すなわち、Alの他に、Pb、Sb、Si、Sn、Mg、Mn、Ni、Ti、Li、Cuなどが含有または添加されていても、本発明の効果が損なわれるものではない。
【0065】
また、酸化処理中に不純物が含まれることにより、P、S、N、B、Cl、Na、Mn、Ca、Mg、Ba、Sr、Siなどが酸化物層中に微量取り込まれても、本発明の効果が損なわれるものではない。
【0066】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
板厚0.8mmの冷延鋼板上に、溶融亜鉛めっき皮膜を形成し、更に調質圧延を行った。引き続き、50℃、pH2.0の酢酸ナトリウム水溶液(20g/l)に浸漬し、しばらく放置した後、水洗、乾燥することにより、めっき表面に酸化物層を形成させる処理を行った。この際、放置時間を種々変化させて、平均酸化膜厚を調整した。また上記処理前に、一部では、pH12の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する処理を行った。
【0067】
次いで、上記方法で作製した供試材について、プレス成形性試験、ならびに酸化物層の厚さ、の測定を行った。プレス成形性試験、酸化物層の厚さの測定は次のようにして行った。
【0068】
(1)プレス成形性評価試験(摩擦係数測定試験)
プレス成形性を評価するために、各供試材の摩擦係数を以下のようにして測定した。
図1は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、供試材から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、スギムラ化学社製のプレス用洗浄油プレトンR352Lを試料1の表面に塗布して試験を行った。
【0069】
図2は使用したビードの形状・寸法を示す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に押し付けられた状態で摺動する。図2に示すビード6の形状は幅10mm、試料の摺動方向長さ69mm、摺動方向両端の下部は曲率4.5mmRの曲面で構成され、試料が押し付けられるビード下面は幅10mm、摺動方向長さ60mmの平面を有する。このビードを用いると、摺動距離が長い条件での摩擦係数を評価できる。摩擦係数測定試験は、押し付け荷重N:400kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):20cm/minとした。
供試材とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
【0070】
(2)酸化物層厚さの測定
オージェ電子分光(AES)により平坦部の各元素の含有率(at%)を測定し、引き続いて所定の深さまでArスパッタリングした後、AESによりめっき皮膜中の各元素の含有率の測定を行い、これを繰り返すことにより、深さ方向の各元素の組成分布を測定した。酸化物、水酸化物に起因するOの含有率はある深さで最大となった後、減少し一定となる。Oの含有率が、最大値より深い位置で、最大値と一定値との和の1/2となる深さを、酸化物の厚さとし、任意の5点で測定した結果の平均値により平均酸化膜厚とした。なお、予備処理として30秒のArスパッタリングを行って、供試材表面のコンタミネーションレイヤーを除去した。
【0071】
なお、このようにして、任意の点で各元素の深さ方向分布を測定したところ、いずれも表層のZn/Al比が1を越えるものとZn/Al比が1以下のものが存在していた。さらにこれらについて酸化膜厚との関係を調査したところ、Zn/Al比が1を超える部分(Zn系酸化物が主体である部分)の方が、1以下の部分(Al系酸化物が主体である部分)よりも酸化膜厚が厚くなっていた。このため、平均酸化膜厚は、これらの平均値を使用した。
【0072】
試験結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004003004
【0074】
表1に示す試験結果から下記事項が明らかである。
(1)No.1は調質圧延後に酸化処理を行っていないため、摩擦係数が高い。
(2)No.2は調質圧延後に酸化処理を行っているものの、水洗までの保持時間が本発明範囲に入っていないため、めっき表面の平均酸化膜厚が本発明範囲内に入っておらず、No.1より摩擦係数は低下するものの不十分である。
(3)No.3〜7は、調質圧延後に酸化処理を行い、しかも水洗までの保持時間が本発明範囲に入っているため、めっき表面の平均酸化膜厚も本発明範囲内に入っており、摩擦係数が低い。
(4)No.8〜12は、さらに酸化処理の前にアルカリ性溶液に浸漬した例であり、No.3〜7の同じ水洗までの保持時間で比較すると、摩擦係数が低くなっている。
【0075】
(実施例2)
板厚0.8mmの冷延鋼板上に、Zn付着量60g/mの溶融亜鉛めっき皮膜を形成し、更に調質圧延を行った。調質圧延には2種類の調質圧延を行った。調質圧延タイプXでは、粗さRaが3.4μmの放電ダルロールを用いて伸長率が0.8%となるように圧延した。調質圧延タイプYでは、ショットダルによる粗さRaが1.4μmの調圧ロールにより伸長率が0.7%となる様に圧延した。なお、調質圧延タイプYでは、調圧ロールの接触面積率を、酸化物形成処理を行わなかった鋼板について、加速電圧0.5 kV 〜 2 kVの走査電子顕微鏡観察により評価したところ、20%程度であった。ロールの接触面積率は、走査電子顕微鏡の二次電子像よりロールが接触した領域の面積を測定することで求めた。ロールが接触していないめっき表面は非常に平滑であるのに対して、ロールが接触した領域は、表面が荒れて平滑でないことで、両者を容易に識別できる。
【0076】
引き続き、使用温度でのpHが1.7の酢酸ナトリウム水溶液(40g/l)に3秒間浸漬し、5秒間放置した後、水洗、乾燥することにより、めっき表面に酸化物層を形成させる処理を行った(処理液A)。この際、一部の試料では、前記処理液に代えて、硫酸第一鉄(7水和物)を添加したpH2.0の酢酸ナトリウム水溶液(40g/l)を用いて、前記と同様の処理を行った。硫酸第一鉄(7水和物)の添加量が5g/lの処理液B、40g/lの処理液C、および450g/lの処理液Dを用いた。なお、処理液の温度は、処理液A〜Cが30 ℃、処理液Dが20℃である。また上記処理前に、一部では、pH12の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する処理を行った。
【0077】
次いで、上記方法で作製した供試材について、プレス成形性試験、ならびに酸化物層の平均厚さの測定、Zn系酸化物の皮膜構成元素の評価、Zn系酸化物の形成された面積率の測定、Zn系酸化物の微細凹凸の観察、およびZn系酸化物の表面粗さの計測を行った。
【0078】
プレス成形性試験および酸化物層の厚さの測定は実施例1と同様の方法で行った。オージェ電子分光で酸化物層の厚さを評価する際に、定性分析によりZn系酸化物の皮膜構成元素を評価した。なお、実施例1のプレス成形性評価試験は、接触面圧の低い摺動条件下での摩擦係数の評価方法でもある。
【0079】
Zn系酸化物の形成された面積率を測定するために、走査電子顕微鏡(LEO社LEO1530)を用い、加速電圧0.5 kVでインレンズタイプの二次電子検出器を用いて低倍率の二次電子像を観察した。この観察条件で、Zn系酸化物が形成された部分は暗いコントラストとして、このような酸化物が形成されていない部分と明瞭に区別することができる。得られた二次電子像を画像処理ソフトウエアによりニ値化し、暗い部分の面積率を求めてZn系酸化物の形成された面積率とした。
【0080】
Zn系酸化物の微細凹凸が形成されていることは、走査電子顕微鏡(LEO社LEO1530)を用い、加速電圧0.5 kVで試料室内に設置されたEverhart−Thornly型の二次電子検出器を用いて高倍率の二次電子像を観察しすることにより確認した。
【0081】
Zn系酸化物の表面粗さの計測は、電子線三次元粗さ解析装置(エリオニクス社製ERA−8800FE)を用いた。測定は加速電圧5kV、ワーキングディスタンス(作動距離)15mmにて行い、測定時の面内方向のサンプリング間隔は5 nm以下とした(観察倍率は40000倍以上)。なお、電子線照射による帯電を避けるため金蒸着を施した。Zn系酸化物が存在する領域一箇所当たり電子線の走査方向から長さ3μm程度の450本以上の粗さ曲線を切出した。測定した場所は一試料当たり3箇所以上である。
【0082】
上記の粗さ曲線から装置に付属の解析ソフトウエアを用いて、粗さ曲線の平均粗さ(Ra)と粗さ曲線の局部凹凸の平均間隔(S)を計算した。ここで、Ra、Sは、それぞれ、微細凹凸の粗さ、周期を評価するパラメータである。これらの一般的な定義に関しては、日本工業規格の「表面粗さ−用語」B−0660−1998等に記載されている。本発明例は、数μmの長さの粗さ曲線についての粗さパラメータであるが、そのRa、Sは、上記文献で定義される数式に従って計算されている。
【0083】
電子線を試料表面に照射するとカーボン主体のコンタミネ−ションが成長し、それが測定データに現れる場合がある。この影響は今回のように測定領域が小さい場合顕著になりやすい。そこでデータ解析に当たっては、測定方向の長さ(約3μm)の半分をカットオフ波長とするSplineハイパーフィルターをかけて、この影響を除去した。本装置の較正には、米国の国立研究機関NISTにトレーサブルなVLSIスタンダード社のSHS薄膜段差スタンダード(段差18nm、88nm、450nm)を用いた。
【0084】
結果を表2に示す。
【0085】
【表2】
Figure 2004003004
【0086】
(1)本発明例1〜7は、オージェ電子分光での測定結果から、めっき表面にZn系酸化物およびAl系酸化物が存在することが確認された。また、本発明例1〜7は、酸化物形成処理を行っていない比較例1および2よりも摩擦係数が低く、摺動抵抗が低減されており、高いプレス成形性を有することがわかる。
(2)走査電子顕微鏡により、本発明例1〜6のZn系酸化物の存在する領域には明確な微細凹凸が観察された。一方、本発明例7は多少の突起物などは存在するが、前記発明例1〜6と比較してより平滑な表面を有していた。本発明例1〜6はRaが4μm以上であり、本発明例7はRaが3.1nmであった。Zn系酸化物の存在する領域に微細凹凸が存在し、Raが4μm以上であると、摩擦係数がより低く、摺動抵抗がより低減されており、高いプレス成形性を有することがわかる。
(3)微細凹凸を有する本発明例3〜6は、Feを添加した酸性溶液を用いて作製され、酸化皮膜はZnとFeを含む酸化物で構成されていた。これらの例のように、適度にFeを添加した酸性溶液を用いることにより、微細凹凸のサイズを制御でき、摺動抵抗低減効果の高い微細凹凸を有するZnとFeを含む酸化物を形成させることができる。
(4)全ての本発明例は、Zn系酸化物が存在する面積率が15%以上であるので、摺動抵抗低減効果が優れる。
(5)本発明例5〜7のZn系酸化物の大部分は、調質圧延により形成されためっき表面の凹部に存在していた。これらの発明例は、同じ調質圧延を施した、すなわち同じめっき表面の凹部を有する比較例2と比較して低い摩擦係数を示しており、めっき表面の凹部に形成させたZn系酸化物が摺動抵抗低減効果を有することを示している。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、プレス成形時の摺動抵抗が小さく、安定して優れたプレス成形性を示す溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦係数測定装置を示す概略正面図。
【図2】図1中のビード形状・寸法を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1  摩擦係数測定用試料
2  試料台
3  スライドテーブル
4  ローラ
5  スライドテーブル支持台
6  ビード
7  第1ロードセル
8  第2ロードセル
9  レール
N  押付荷重
F  摺動抵抗力
P  引張荷重

Claims (10)

  1. めっき層が主としてη相からなる溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき表面にZn系酸化物およびAl系酸化物を含む酸化物が存在し、その平均厚さが10nm以上であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記めっき表面に存在する酸化物は、厚さが不均一な皮膜であることを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記皮膜は、厚さの厚い部分はZn系酸化物が主体であり、薄い部分はAl系酸化物が主体であることを特徴とする請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. めっき表面に凹部を有し、少なくともその凹部にZn系酸化物が存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 前記Zn系酸化物は、微細凹凸を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  6. 前記Zn系酸化物は、ZnおよびFeを含む酸化物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  7. 前記Zn系酸化物が存在する部分は、めっき表面に占める割合が面積率で15%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  8. 鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、さらに調質圧延を施した後に、pH緩衝作用を有する酸性溶液に接触させ、水洗までの保持時間が1〜30秒である酸化処理を行うことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  9. pH緩衝作用を有する酸性溶液鋼板として、Feを含むpH緩衝作用を有する酸性溶液を用いることを特徴とする請求項8に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  10. 調質圧延後、酸化処理前に、アルカリ性溶液に接触させ、表面を活性化する処理を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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