JP2005120445A - プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】めっき層が主としてη相からなる溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき表面にZn系酸化物及び/またはZn系水酸化物が存在し、該Zn系酸化物及び/または該Zn系水酸化物は、凸部と凸部より囲まれる不連続な凹部からなる微細凹凸を有する。さらに、前記微細凹凸は、粗さ曲線の局部山頂の平均間隔(S)が10nm以上1000nm以下、平均粗さ(Ra)が1nm以上100nm以下であることことが好ましい。また、前記めっき表面は、前記Zn系酸化物及び/または前記Zn系水酸化物が有する前記凸部及び前記凹部よりも大なる凸状部分及び凹状部分を有しており、前記Zn系酸化物及び/または前記Zn系水酸化物は、前記めっき表面の凸状部分に存在することが好ましい。
【選択図】図1
Description
また、さらなる防錆性の向上を目指し、自動車メーカーでは厚目付けの亜鉛系めっき鋼板に対する要望が強くなりつつあるが、前述した合金化溶融亜鉛めっき鋼板で厚目付け化を実施すると、合金化に長時間を要し、合金化不良いわゆる焼けムラが発生しやすく、逆にめっき層全体で合金化を完了させようとすると、過合金化となり、めっき−鋼板界面で脆いΓ相が生成し、加工時にめっき剥離が発生しやすくなるため、厚目付けの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することは非常に困難である。
また、溶融亜鉛めっき鋼板の摺動性は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板と異なり、めっきが軟質であるため摺動時の面圧依存性が大きい。面圧が高い場合、摺動性は良好であるが、面圧を低くすると、摺動性が劣る傾向が認められ、面圧が低い条件では、めっき表面の変形が少ない為、めっき表面の凸状部分を主体に金型と接触する。そこで、溶融亜鉛めっき鋼板の低面圧条件での摺動特性をさらに向上させるためには、凸状部分にも上述した酸化物を形成させる必要があることを見出した。
このような溶融亜鉛めっき鋼板と金型との凝着を抑制するためには、表面に厚い酸化物層を形成することが有効である。すなわち、めっき鋼板表面に存在するAl系酸化物層の一部を破壊し、酸化処理を行うことによりZn系酸化物層を形成することがめっき鋼板の摺動特性の向上に対して重要である。さらに、めっき表面に形成させるZn系酸化物に微細な凹凸を付与することにより、さらなる摺動抵抗の低下を実現できる。ここで微細凹凸とは、凸部と凸部より囲まれる不連続な凹部からなるものであり、微細な凹部が分散していればよく、凹部の周囲の凸部は同じ高さである必要はなく、ある程度の高さ変動があってもかまわない。そして、好ましくは、微細凹凸は、粗さ曲線のRaで1nm以上100 nm以下、Sで10nm以上1000 nm以下の表面粗さとなっていることである。微細凹凸の構成例としては、Zn系酸化物の表面が微細凹凸を有しているもの、あるいは、めっき表面上に、粒状、板状、リン片状などの形状を有するZn系酸化物が分布することで微細凹凸が形成されているものである。
微細な凹凸により摺動抵抗が低下する理由は、微細凹凸の凹部が微細なオイルピット群として働き、ここに潤滑油を効果的に保持できることによるものと考えられる。すなわち、前述の酸化物としての摺動抵抗低減効果に加えて、潤滑油を摺動部に効果的に保持できる微細な油だめ効果により更なる摺動抵抗低減効果が発現される。このような微細凹凸の潤滑油保持効果は、マクロ的な視点で比較的平滑な表面を有しておりマクロ的に潤滑油を保持しにくく、圧延などにより潤滑性を狙ってマクロな表面粗さを安定して付与することが困難な、溶融亜鉛めっきの安定した摺動抵抗低減に特に有効である。また、摺動条件としては接触面圧の低い摺動条件下で特に有効である。
また溶融亜鉛めっきでは、後述するように、調質圧延時、調圧ロールと接触しためっき表面の凹状部分の方が、平坦な凸状部分よりも活性であるためZn系酸化物が生成し易い傾向にある。そのため、凹状部分に形成されるZn系酸化物の方が、凸状部分のZn系酸化物より粗大になる場合がある。そのような不均一性は本発明の効果を損ねるものではないが、凸状部分のZn系酸化物は摺動時に工具と直接接触するため、めっき鋼板の摺動性に大きく影響する。ゆえにできるだけZn系酸化物は、めっき表面の凸状部分に存在することが好ましい。また、前述のように、酸化物の破壊抵抗が大きくならないように、めっき表面の凸状部分に形成されるZn系酸化物の微細凹凸のRaは1nm以上100nm以下、Sは10nm以上500nm以下(より好ましくは10nm以上300nm以下)とすることが、より安定的に摺動抵抗低減効果を得る上で特に重要であり好ましい。
めっき鋼板表面のAl系酸化物は完全に除去する必要は無く、ある程度、めっき表面のZn系酸化物と混在している状態で良いが、表面の凸状部分のZn系酸化物に平均的に含まれるAl濃度が20at%未満となる状態にすることが好ましい。ここで示したAl濃度は、オージェ電子分光(AES)とArスパッタリングによる深さ方向分析により、2μm×2μm程度の領域における平均的な酸化物厚さとAl濃度の深さ方向分布を測定したときの、酸化物の厚さに相当する深さまでの範囲におけるAl濃度の最大値である。
Al濃度が20at%以上となると、局部的に微細凹凸構造を有するZn系酸化物が形成され難くなり、70%以上の被覆率で、微細凹凸構造を有するZn系酸化物をめっき表面に被覆することが困難となる。この結果、摺動特性、特に低面圧条件での摺動特性、化成処理性、接着接合性が低下する。
表面のAl系酸化物を適正量とする為には、例えば、アルカリ性溶液に接触させる場合は、溶液のpHは11以上、浴温は50℃以上とし、アルカリ溶液との接触時間は1秒以上とすることが好ましい。上記範囲内であればアルカリ溶液の種類に制限はなく、水酸化ナトリウムや水酸化ナトリウム系の脱脂剤などを用いることができる。
なお、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに関しては、めっき浴中にAlが添加されていることが必要であるが、Al以外の添加元素成分は特に限定されない。すなわち、Alの他に、Pb、Sb、Si、Sn、Mg、Mn、Ni、Ti、Li、Cuなどが含有または添加されていても、本発明の効果が損なわれるものではない。また、酸化処理中に不純物が含まれることにより、P、S、N、B、Cl、Na、Mn、Ca、Mg、Ba、Sr、Siなどが酸化物層中に微量取り込まれても、本発明の効果が損なわれるものではない。
得られた結果を表1に示すとともに、以下に、特性評価方法、及び皮膜解析方法について記述する。
プレス成形性を評価するために、各供試材の摩擦係数を以下のようにして測定した。
図2は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、供試材から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、スギムラ化学社製のプレス用洗浄油プレトンR352Lを試料1の表面に塗布して試験を行った。
供試材とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
(2)Zn系酸化物の被覆率測定
Zn系酸化物の被覆率を測定するために、走査電子顕微鏡(LEO社LEO1530)を用い、加速電圧0.5 kVでインレンズタイプの二次電子検出器を用いて低倍率の二次電子像を観察した。この観察条件で、Zn系酸化物が形成された部分は暗いコントラストとして、このような酸化物が形成されていない部分と明瞭に区別することができる。得られた二次電子像を画像処理ソフトウエアにより二値化し、暗い部分の面積率を求めてZn系酸化物の形成された被覆率とした。
(3)Zn系酸化物の微細凹凸の形状及び粗さパラメータの測定
Zn系酸化物の微細凹凸が形成されていることは、走査電子顕微鏡(LEO社LEO1530)を用い、加速電圧0.5 kVで試料室内に設置されたEverhart-Thornly型の二次電子検出器を用いて高倍率の二次電子像を観察することにより確認した。
一方、活性化処理及び酸化物形成処理を行っていない溶融亜鉛めっきままのNo.8は、酸化物が十分に形成されておらず、摩擦係数も高く、摺動特性が劣っている。
2 試料台
3 スライドテーブル
4 ローラ
5 スライドテーブル支持台
6 ビード
7 第1ロードセル
8 第2ロードセル
N 押付荷重
F 摺動抵抗力
Claims (5)
- めっき層が主としてη相からなる溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき表面にZn系酸化物及び/またはZn系水酸化物が存在し、該Zn系酸化物及び/または該Zn系水酸化物は、凸部と凸部より囲まれる不連続な凹部からなる微細凹凸を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
- 前記微細凹凸は、粗さ曲線の局部山頂の平均間隔(S)が10nm以上1000nm以下、平均粗さ(Ra)が1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
- 前記めっき表面は、前記Zn系酸化物及び/または前記Zn系水酸化物が有する前記凸部及び前記凹部よりも大なる凸状部分及び凹状部分を有しており、
前記Zn系酸化物及び/または前記Zn系水酸化物は、前記めっき表面の凸状部分に存在することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。 - 前記めっき表面の凸状部分に存在する前記Zn系酸化物及び/または前記Zn系水酸化物の微細凹凸は、粗さ曲線の局部山頂の平均間隔(S)が10nm以上500nm以下、平均粗さ(Ra)が1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
- 前記Zn系酸化物及び/または前記Zn系水酸化物が存在する部分は、前記めっき表面に占める割合が面積率で70%以上であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
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