JP3397150B2 - 溶融亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

溶融亜鉛系めっき鋼板

Info

Publication number
JP3397150B2
JP3397150B2 JP33432798A JP33432798A JP3397150B2 JP 3397150 B2 JP3397150 B2 JP 3397150B2 JP 33432798 A JP33432798 A JP 33432798A JP 33432798 A JP33432798 A JP 33432798A JP 3397150 B2 JP3397150 B2 JP 3397150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
plating layer
hot
oxide
galvanized steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33432798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000160358A (ja
Inventor
保 土岐
雅彦 堀
浩史 竹林
洋三 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP33432798A priority Critical patent/JP3397150B2/ja
Publication of JP2000160358A publication Critical patent/JP2000160358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397150B2 publication Critical patent/JP3397150B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電製
品、建築物等の素材として好適な、プレス成形性に優れ
た亜鉛系めっき鋼板に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車、家電製品、建築物等の素材は、
プレス成形され、組み立てられ、塗装されて使用される
ことが多い。これらに使用される素材としては安価で耐
食性に優れる溶融亜鉛系めっき鋼板が広く使用されてい
る。溶融亜鉛系めっき鋼板には、耐食性に加えて、プレ
ス成形性、塗装性または塗装下地としての化成処理性、
溶接性または接着性などの諸性能が優れていることが重
要とされている。 【0003】亜鉛系めっき鋼板の内、溶融亜鉛めっき鋼
板はそのめっき層が軟質であるので、プレス成形などの
加工時に金型表面を鋼板が摺動する際に、めっき層と金
型表面間に凝着現象が生じ、めっき表面にすり傷などの
表面損傷が発生し、剥離しためっき片が押込み欠陥の原
因になるなどの問題がある。溶融亜鉛めっき鋼板を自動
車の外装部品などに使用する場合、塗膜密着性やスポッ
ト溶接性を改善するために、めっき層をFe−Zn合金
とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用される。合金化
溶融亜鉛めっき鋼板はプレス成形時に、めっき層の粉化
(パウダリング)や、薄片状に剥離する現象(フレーキ
ング)が発生し、金型に剥離片が付着し押込み疵の原因
となることがある。 【0004】このような問題点を解決するために、めっ
き層表面にさらに金属めっきを施したり、各種の酸化物
を付着させるなどの方法で、金型とめっき層との間の摺
動性を向上させる技術が開示されている。 【0005】特開平3−287784号公報には、Zn
酸化物、Mn酸化物およびリン酸とMo酸化物、W酸化
物、V酸化物からなる群の1種または2種以上を含む皮
膜を表面に備えた亜鉛系めっき鋼板が開示されている。
この鋼板はプレス成形性、化成処理性、溶接性を兼ね備
えることを目的としたものであるが、一部の金属酸化物
が溶解して化成処理液を汚染するという問題がある。 【0006】特開平4−202786号公報および特開
平4−202787号公報には、合金化溶融亜鉛めっき
層の上に鉄系合金電気めっき層を形成するめっき鋼板の
製造方法が開示されている。これらは、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の上に、表面に微細な凹凸を有する電気めっ
き層を中間めっき層として設け、その上に鉄系合金電気
めっきを施す方法であり上記中間めっき層の効果によ
り、プレス成形時に生じやすいめっき層の亀裂発生を防
止し、電着塗装性と成形性を向上させることを目的とし
たものである。しかしながら、ここに開示されている技
術では、溶融めっき層の上に多層の電気めっき層を設け
る必要があるため製造コストが高いという問題があっ
た。 【0007】特開平8−158066号公報には、亜鉛
系めっき層の上にFe−Ni−O系皮膜を備えた亜鉛系
めっき鋼板が開示されている。この鋼板は上記皮膜の付
着量が上記皮膜中の金属元素の合計量換算で10〜15
00mg/m2 の範囲内にあり、酸素を0.5〜30%
含有する皮膜を備えるものである。しかしながら、ここ
に開示されている鋼板は、酸化剤や大気とオゾンの混合
雰囲気中で加熱して、酸素含有量を調整するとあり、酸
化剤の補給管理や加熱処理に必要な工程数の増加などの
ために製造コストが高くなる。また、酸素含有量の管理
精度もよくないためプレス成形性の改善効果が十分では
ないという問題がある。 【0008】従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板はプレス
成形後の化成処理性やスポット溶接性が良好であり、プ
レス成形性を除けば、自動車の外装用途や家電製品など
の素材として良好な性能を持っている。 【0009】合金化溶融亜鉛めっき鋼板が備えている良
好な性能を維持しつつプレス成形性を向上させるのが好
ましいのであるが、以上述べたように、これまでに開示
されている技術では、その改善効果が十分ではなかっ
た。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プレ
ス加工に際してその表面の損傷が無く、成形性、化成処
理性などが総合的に優れた溶融亜鉛めっき系鋼板を提供
することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】めっき層表面をめっき層
よりも硬質な皮膜で覆うことにより、金型によるめっき
層の変形抵抗を少なくし、摺動性を向上させると共に、
めっき層との金属接触を防止し、めっき層と金型との間
の凝着現象を防止することができる。 【0012】溶融亜鉛めっき層の摺動性の改善のみを目
的とするのであれば、硬質でプレス油との相性がよい皮
膜、例えばNi、Mn酸化物、あるいは極圧添加剤とし
て実績がある硫化油脂などのS化合物、塩素化パラフィ
ンなどのCl化合物、リン酸亜鉛カルシウムなどのCa
化合物などを含有する皮膜をめっき層表面に備えれさせ
ればよい。しかしながらこの方法では、これらの皮膜を
施した後、化成処理性能の確認、接着剤による接着性能
の確認、耐食性の確認など、諸性能を確認する必要があ
る。例えば自動車外装用の素材であれば、素材の性能の
最終的な確認には実車試験評価など多大の費用、工数を
要する上、評価結果を得るまでには長期間を要する。 【0013】金属元素の酸化皮膜は極めて硬質なものが
あることが知られている。従って、プレス成形性以外の
性能を低下させないで摺動性を改善するには、従来から
化成処理性やスポット溶接性に対する実績がある合金化
溶融亜鉛めっき層と同一または類似の化学組成を有する
酸化皮膜を備えるのがよい。 【0014】このような観点から本発明者らは、プレス
成形性以外の性能を低下させずに、摺動性を改善でき、
しかも設備改造などを必要とせず安価に施せる酸化皮膜
として、Fe系、Al系、およびZn系の酸化物に着目
し、これらの酸化物の存在状態とめっき鋼板としての各
種の性能との関係を詳細に研究した。その結果、これら
の酸化物が特定の割合で混在する酸化皮膜とすることで
プレス成形性、化成処理性、電着塗装性が共に良好で、
しかもコストが安く製造できる条件があることを知見し
た。 【0015】化成処理性などを良好に維持するには、酸
化皮膜の元素を上記のように選択した上で、さらにプレ
ス成形完了までこれらの酸化皮膜が破壊されないように
するのが重要である。酸化皮膜の破壊は特に、皮膜上の
凸部で金型との面圧が局所的に増加する部位で発生し易
い。このような局所的な部位での面圧増加を少なくする
には、平滑で接触面積の大きいめっき表面とするのがよ
い。 【0016】本発明はこれらの知見を基にして完成され
たものであり、その要旨は下記の亜鉛系めっき鋼板にあ
る。 【0017】亜鉛系めっき層の上に酸化皮膜を備えた亜
鉛系めっき鋼板であって、該酸化皮膜はFe系酸化物と
Zn系酸化物および/またはAl系酸化物からなり、そ
の付着量がFeとして1〜500mg/m2 、Znおよ
び/またはAlの量が下記式の関係を満たすものであ
り、かつ、該酸化皮膜の表面粗さが算術平均粗さで1.
2μm以下であることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板; 1mg/m2 ≦(Zn/50+Al/2)≦30mg/m2 、 ただし、ZnおよびAlの単位はmg/m2 である。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。 【0019】(1)酸化皮膜; Fe系酸化物:酸化皮膜中にFe系酸化物を含有させる
とめっき層表面の硬さを増し、かつめっき層の金型に対
する凝着現象を抑制する作用があるので、酸化皮膜の主
成分として含有させる。Fe系酸化物の形態としては例
えばFe2 3、Fe3 4 などがあるがこれらに限定
する必要はない。 【0020】Fe系酸化物の含有量がFeとして1mg
/m2 に満たない場合には、めっき層が金型に接触した
際に破壊されることがあるためにプレス成形性改善効果
がない。好ましくは10mg/m2 以上である。 【0021】Fe系酸化物の含有量がFeとして500
mg/m2 を超えると、短時間でこれだけの付着量を得
るための、Feイオンの供給が必要となり、コスト的に
不利になる。このため、Feとして500mg/m2
下とする。好ましくは、400mg/m2 以下である。 【0022】Zn系酸化物およびAl系酸化物:Zn系
酸化物とAlの系酸化物はいずれもめっき層の摺動性を
向上させてプレス成形性を向上させる作用がある。この
ため、これらの酸化物付着量は、mg/m2 単位で表し
た酸化物中のZnおよび/またはAlの量から、(Zn
/50+Al/2)で求められる値が1mg/m2 以上
とする。好ましくは5mg/m2 以上である。 【0023】Zn系酸化物およびAl系酸化物の付着量
が過度に多くなると化成処理性が劣化する。このため、
これらの酸化物の付着量は、前述の(Zn/50+Al
/2)で計算される値として30mg/m2 以下とす
る。好ましくは20mg/m2以下である。ここでZn
およびAlの単位はmg/m2 である。 【0024】上記式は、酸化物の組成を種々変更しため
っき鋼板についてその摺動性および化成処理性を調査
し、それらの結果から経験的に求められたものである。
上記の係数には、Zn系酸化物よりもAl系酸化物の方
が10倍前後硬いことなどが影響しているものと推測さ
れる。 【0025】Zn系酸化物としては例えばZnO、Zn
(OH)2 など、Al系酸化物としてはAl2 3 など
があるがこれらに限定する必要はない。 【0026】(2)酸化皮膜の表面粗さ;酸化皮膜表面
の凹凸が激しい場合には、プレス成形時などでその凸部
が金型で押しつぶされ、その変形抵抗が摩擦係数の増加
につながる場合がある。また、凸部の酸化皮膜が金型と
接触した際に破壊されめっき層が露出すると、摺動性改
善効果が著しく損なわれる。このような不具合を避ける
ためには、酸化皮膜の表面を平滑にし、局所的な面圧増
加が生じないようにする必要がある。 【0027】本発明ではこれを実現するために、酸化皮
膜の表面粗さを、JIS−B0601で定義される算術
平均粗さ(Ra )で、1.2μm以下とする。好ましく
は、0.9μm以下である。 【0028】(3)めっき層;本発明の酸化皮膜を備え
るめっき層としては、公知の各種の亜鉛系めっきが適用
できる。例えばめっき層の金属種は、Znの他に、Zn
と、Fe、Mg、Ni、Cr、Si、Mnおよびミッシ
ュメタルからなる群の内の1種または2種以上とからな
る亜鉛系合金めっきが適用できる。 【0029】母材鋼板とめっき層界面での合金層の発達
を抑制してめっき層の成形性をよくするために、めっき
層にはAlを含有させるのがよい。その場合のAl含有
量は0. 05〜0. 30重量%とするのが好ましい。ま
た、めっき層の耐食性を向上させるために、Alを70
重量%以下含有させたものでも構わない。 【0030】めっき層がFe−Zn合金化溶融亜鉛めっ
きの場合は、めっき層中のFe含有量がめっき層の重量
に対して8〜15重量%とするのがよい。Fe含有量が
8重量%に満たない場合には、めっき層の表面近傍にζ
相が残存する可能性が高い。ζ相は粗大な柱状晶を形成
しやすく、その場合にはめっき層の表面が粗くなり、め
っき鋼板のプレス成形性が損なわれることがある。より
好ましくは9重量%以上である。Fe含有量が15重量
%を超えるとプレス成形時にパウダリングが発生しやす
くなる。より好ましくは12重量%以下である。 【0031】めっき層がFe以外の合金元素を含有する
亜鉛系合金めっき層である場合には、その合金元素の含
有量は1種当たりで5重量%以下、2種以上の場合には
その合計が10重量%以下とするのがよい。 【0032】めっきの付着量は任意であるが、付着量制
御の容易さやパウダリングが発生しないことなどの制約
から片面当たり30〜150g/m2 とするのが好まし
い。めっきの種類は任意であるが、安価であるので溶融
めっきが好適である。しかしながら電気めっき、蒸着め
っき、無電解めっきなどでも構わない。 【0033】めっき母材となる鋼板の種類は冷間圧延鋼
板や熱間圧延鋼板が好適である。母材の化学組成はT
i、Nbなどを必要に応じて含有させた極低炭素鋼、低
炭素鋼あるいは高強度鋼板を製造するためにSi、M
n、P、Cr、Ni、Cu、Ti、Nb、Vなどを適宜
含有させた合金鋼などが適用できる。溶融亜鉛めっきお
よび合金化処理は公知の方法でおこなえばよい。溶融亜
鉛めっきを施すのは母材の両面または片面のみのいずれ
でもよい。 【0034】本発明の亜鉛系めっき鋼板における酸化皮
膜形成方法は特に規定するものではないが、以下の方法
で製造するのが容易であり好適である。 【0035】まず、めっき層表面にFe系酸化物を備え
させるには、基材となる亜鉛系めっき鋼板を、Feイオ
ンを含有させたpH2〜4程度の酸性溶液に1〜30秒
程度浸漬してFeをめっき層表面に置換析出させるの
が、処理が容易でコストも安価であるので好ましい。所
定の付着量を短時間で得るために、Feイオンを含有さ
せた酸性溶液中で電気めっきしても良い。 【0036】Zn系酸化物は、めっき層表面にFe系酸
化物を所定量形成させた後、30〜250℃に加熱した
鋼板を、温度:30〜250℃、相対湿度:80%以上
の高温高湿雰囲気で保持したり、ZnO、Zn(OH)
2 等の亜鉛系酸化物を水に分散させた溶液を塗布し乾燥
して施す方法も好適である。 【0037】Al系酸化物を形成するには、亜鉛系酸化
物の場合と同様にAl2 3 、Al(OH)3 などのA
l系酸化物を分散させたエマルジョン水溶液を塗布し乾
燥するのが良い。基材となる亜鉛系めっき鋼板がめっき
層をFe−Zn合金とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板で
ある場合には、溶融亜鉛めっき後に施す合金化処理中
に、めっき層に含有されているAlが優先的に酸化され
るので、この現象を利用してもよい。その場合には、A
l系酸化物の量はめっき層中のAl含有量にも依存する
ので、溶融亜鉛めっきする際のめっき浴のAl濃度を
0.09重量%以上とするのがよい。 【0038】酸化皮膜の表面粗さを平滑にするには、め
っきする前の母材の表面を平滑にしたり、酸化皮膜を設
ける前の合金化溶融亜鉛めっき層の表面を平滑にするな
どの方法が好適である。平滑にするには、表面の研削
や、表面粗度が小さいロールを用いて軽度の圧延を施す
等の方法によれば容易である。 【0039】 【実施例】表1に示す化学組成を有する厚さが0.7m
mの冷間圧延鋼板(母材)に、縦型溶融亜鉛めっき装置
を用いて以下に記す条件で溶融亜鉛めっきを施した。 【0040】 【表1】 【0041】上記母材に、以下の条件で溶融亜鉛めっき
または溶融Zn−Al系合金めっきを施した。溶融亜鉛
めっきは、母材を75℃のNaOH溶液で脱脂洗浄し、
水素ガス20体積%、残部が窒素ガスからなり露点−4
0℃の雰囲気中で820℃に加熱し60秒間保持する焼
鈍を施した。その後、溶融亜鉛めっき浴温度近傍まで鋼
板を冷却し、Alを0.07〜0.3重量%含有する4
60℃の溶融亜鉛めっき浴に2秒間浸漬した後、高圧ガ
スを吹き付けて付着量を片面当たりで60g/m2 に調
整し、常温まで冷却して溶融亜鉛めっき鋼板を製造し
た。一部の亜鉛めっき鋼板には、さらに、500℃の塩
浴に浸漬して15〜30秒間保持する合金化処理を施
し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とした。 【0042】また、他の母材を使用して、Zn−5重量
%AlまたはZn−55重量%Al−1.6重量%Si
からなる溶融めっき浴に浸漬して、溶融Zn−Al系合
金めっき鋼板を作製した。上記の各種の鋼板はいずれも
その後、表面粗さが0.3〜1.5μmの圧延ロールを
用いて調質圧延を施した。その際の伸び率は0.8%と
した。 【0043】調質圧延後の鋼板を、pH2とした硫酸水
溶液に、FeSO4 を種々の割合で溶解してFeイオン
を10〜100g/リットルの範囲で含有させた溶液に浸漬
して、めっき層表面にFeを付着させた。上記溶液の温
度を20〜60℃とし、浸漬時間を変化させて付着量を
種々変更した。次いで、上記鋼板温度を30〜200℃
の範囲で種々の温度に大気中で加熱し、相対湿度98
%、温度60℃の大気ガス雰囲気を有する処理槽に装入
して10秒間保持して、FeとZnの酸化を促進させ
た。また、酸化物中のAl量は、めっき浴のAl濃度を
変化させて調整した。 【0044】めっき層の化学組成は、それぞれの調質圧
延後のめっき鋼板から25mmφの試料片を採取し、H
Clを10重量%と市販のインヒビターを0.5体積%
含有する塩酸溶液を用いてめっき層を溶解し、これをI
CP分光分析法により測定した。 【0045】酸化皮膜の付着量は、Br2 −CH3 OH
を0.5重量%含有する水溶液(温度は室温)に試験片
を浸漬してめっき層を溶解し、残査を分離し、それを塩
酸で再溶解し、これをICP分光分析法により測定し
た。 【0046】それぞれのめっき鋼板の性能を下記の方法
で評価した。 耐パウダリング性:めっき鋼板から直径60mmの円盤
状の試験片を採取し、その両面に市販の防錆油を2g/
2 の割合で塗油し、ポンチ直径:30mm、ダイス孔
直径:35.4mm、ダイス肩半径:3mm、しわ押さ
え力:500kgfの条件で円筒絞りした。成形品に付
着しためっき剥離片を洗浄除去して成形品の重量を測定
し、円筒絞り試験前の試験片重量との差をめっき層のパ
ウダリング量として評価した。 【0047】摺動性:めっき鋼板から幅30mm、長さ
270mmの試験片を採取し、高面圧U型成形試験を実
施した。 【0048】図1は高面圧U型成形試験に使用する試験
装置の概要を示す斜視図である。図1で符号1は試験
片、2はダイス、5はポンチ、4はビード、6はしわ押
さえである。試験片1をダイス2面上に置き、しわ押さ
え6の下面に設けられたビード4を介して試験片1に種
々のしわ押さえ力を作用させて試験片1をダイス面に押
し付け、ポンチ5を下降させてダイス溝3に試験片1を
押込むことにより試験片1をU型に成形する。試験片1
の両面には市販の防錆油を2g/m2 の割合で塗布し、
ポンチ5の押込み速度は60mm/分とし、しわ押さえ
力(P)を750〜1500kgfの範囲で種々変更し
てU成形した際のポンチ5に作用させた成形力(F)を
測定し、しわ押さえ力の変化に伴う成形力の変化から鋼
板表面と工具間の摩擦係数(μ)を求め、その大小でめ
っき層の摺動性を評価した。 【0049】化成処理性:試験片を脱脂し、所定の手順
にしたがって、市販の処理液を用いて化成処理をおこな
った。化成皮膜の均一性をSEMにより観察し下記の基
準で化成処理性を評価した。 【0050】 ○:均一に皮膜が形成されている。 △:皮膜が形成されていない箇所がある。 ×:全く皮膜が形成されていない。 表2に得られた結果を示す。 【0051】 【表2】 【0052】表2からわかるように本発明が規定する条
件を満たすものはいずれも摩擦係数が低く、パウダリン
グ量が僅かで化成処理性が優れていた。これに対し、い
ずれかの条件が外れるものは総合的に良好な結果が得ら
れなかった。 【0053】 【発明の効果】本発明の亜鉛系めっき鋼板はプレス成形
時にめっき層が損傷しないのでプレス成形が容易である
上、表面外観が優れたプレス成形品が得られる。また、
化成処理性が優れているので、自動車、家電製品、建築
材料などの用途に好適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】高面圧U型成形試験に使用する試験装置の概要
を示す斜視図である。 【符号の説明】 1:試験片、2:ダイス、 3:ダイス溝、4:ビード、
5:ポンチ、6:しわ押さえ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 洋三 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友 金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−63394(JP,A) 特開 平10−30162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 亜鉛系めっき層の上に酸化皮膜を備えた
    亜鉛系めっき鋼板であって、該酸化皮膜はFe系酸化物
    とZn系酸化物および/またはAl系酸化物からなり、
    その付着量がFeとして1〜500mg/m2 、Znお
    よび/またはAlの量が下記式の関係を満たすものであ
    り、かつ、該酸化皮膜の表面粗さが算術平均粗さで1.
    2μm以下であることを特徴とする摩擦係数および耐パ
    ウダリング性で評価されるプレス成形性に優れた溶融亜
    鉛系めっき鋼板; 1mg/m2 ≦(Zn/50+Al/2)≦30mg/m2 、 ただし、ZnおよびAlの単位はmg/m2
JP33432798A 1998-11-25 1998-11-25 溶融亜鉛系めっき鋼板 Expired - Fee Related JP3397150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33432798A JP3397150B2 (ja) 1998-11-25 1998-11-25 溶融亜鉛系めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33432798A JP3397150B2 (ja) 1998-11-25 1998-11-25 溶融亜鉛系めっき鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000160358A JP2000160358A (ja) 2000-06-13
JP3397150B2 true JP3397150B2 (ja) 2003-04-14

Family

ID=18276125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33432798A Expired - Fee Related JP3397150B2 (ja) 1998-11-25 1998-11-25 溶融亜鉛系めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3397150B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100434564C (zh) 2001-10-23 2008-11-19 住友金属工业株式会社 热压成型方法,其电镀钢材及其制备方法
MXPA05002680A (es) * 2003-04-18 2005-05-05 Jfe Steel Corp Placa de acero galvanizada revestida con zinc por bano caliente, excelente en formabilidad de prensado y metodo para su elaboracion.
EP1630244B2 (en) 2003-04-23 2016-08-17 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Hot press formed product and method for production thereof
WO2005021823A1 (ja) * 2003-08-29 2005-03-10 Jfe Steel Corporation 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP4525252B2 (ja) * 2003-08-29 2010-08-18 Jfeスチール株式会社 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP4529592B2 (ja) * 2003-08-29 2010-08-25 Jfeスチール株式会社 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
JP4849501B2 (ja) * 2003-10-17 2012-01-11 Jfeスチール株式会社 プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP4604712B2 (ja) * 2004-12-27 2011-01-05 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板
JP5211642B2 (ja) * 2007-10-31 2013-06-12 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
CN104388870B (zh) 2009-12-29 2017-04-12 Posco公司 一种热压模塑部件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000160358A (ja) 2000-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1439240A1 (en) METHOD FOR PRESS WORKING, PLATED STEEL PRODUCT FOR USE THEREIN AND METHOD FOR PRODUCING THE STEEL PRODUCT
CA2605486C (en) Hot dip galvannealed steel sheet and method of production of the same
JP5251078B2 (ja) 容器用鋼板とその製造方法
JP3397150B2 (ja) 溶融亜鉛系めっき鋼板
JP3346338B2 (ja) 亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法
KR100206669B1 (ko) 아연계 도금강판 및 그 제조방법
JP3879266B2 (ja) 成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2007231375A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板
WO2001015894A1 (fr) Tole d'acier traitee en surface
JP2005256042A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2005097742A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
JP2000073183A (ja) 成形性と溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法
JP3111903B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法
JP3240987B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP3111889B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板
JP3191687B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板
JP2001329352A (ja) 摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JP3279198B2 (ja) プレス成形性および接着性に優れた亜鉛系メッキ鋼板
JP5124928B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP3191635B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板
JP3303768B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法
JP3314606B2 (ja) 潤滑性に優れた亜鉛系めっき鋼板及びその製法
JP3191647B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法
JP3111888B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法
JP3111929B2 (ja) 亜鉛系メッキ鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100214

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110214

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130214

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130214

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130214

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140214

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees