JP2688092B2 - 熱硬化性被覆用シート - Google Patents

熱硬化性被覆用シート

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JP2688092B2 JP1296884A JP29688489A JP2688092B2 JP 2688092 B2 JP2688092 B2 JP 2688092B2 JP 1296884 A JP1296884 A JP 1296884A JP 29688489 A JP29688489 A JP 29688489A JP 2688092 B2 JP2688092 B2 JP 2688092B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、家具、鋼板等の物品表面の保護、装飾、表
示用等として、それら物品の表面に貼付け熱硬化して用
いられる被覆用シートに関するものである。
(従来の技術) 家具、鋼板等の表面に装飾あるいは表示を施す場合に
は、一般には塗料が用いられている。ところが、溶剤系
の塗料を用いる場合には、有機溶剤が作業中に揮散する
ため作業環境を悪くし、環境衛生上の問題となつてい
る。水性塗料を用いる場合には、作業環境を損ねること
はないが、塗料の乾燥時間が長くなるか、塗料の乾燥の
ために多大なエネルギーを必要とするといつた問題があ
る。
そこで、近時では、これらの問題を解決するために、
塗料に代わるシート状の被覆材料が提案されている。例
えば、ポリ塩化ビニルを主体としたシート状の被覆材料
が提案されている。この被覆材料は、家具、鋼板等の物
品表面に貼付け形成するものであり、このような被覆材
料を用いるときは、作業環境への汚染や安全衛生上の問
題がなく、かつ貼付け後に乾燥する必要もないため、作
業が簡素化される利点がある。しかしながら、その素材
の主成分が軟質ポリ塩化ビニルであるため、得られた被
膜が耐摩傷性に劣り、クラツクが発生し易いという欠点
がある。
これら軟質ポリ塩化ビニル系のシート材料に代わるも
のとして、熱または光硬化性のシート材料が提案されて
いる。このシート材料は、物品表面への貼付け時または
貼付け後に、加熱するかまたは光を照射することによ
り、硬化して硬質の被膜を形成するものである。例え
ば、特公昭57-13425号公報には、反応性不飽和ポリマ
ー、オリゴマーおよびモノマーなどを含有する層と、ラ
ジカル反応開始剤を有する層とが積層された2層構造の
熱硬化型複合シートが開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記公報に開示された複合シートは、重合反
応を起こす成分と、反応開始剤とが異なる層に含有され
ているため、加熱、加圧時に均一な硬化反応を行わせる
には、両層を均一に接触させる必要があつて、硬化時の
加熱及び加圧の制御が難しく、従つて、均一に硬化した
被膜が得られない。さらに、上記ラジカル反応開始剤を
含浸させるシート状基材として、紙、織布、不織布等を
用いているため、複合シートを凹凸や曲面を有する物品
の表面へ被覆する場合には、延伸しながら貼付けするこ
とが困難であり、良好な硬化被膜が得られないなどの欠
点がある。
本発明は上記従来の欠点を解決するものであり、その
目的とするところは、硬化前では良好な延展性、可撓性
を有していて凹凸や曲面を有する物品の表面へも良好に
被覆することができ、しかも硬化後では均一で耐衝撃性
に優れ、かつ硬度の高い被膜を形成することができる熱
硬化性被覆用シートを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の熱硬化性被覆用シートは、熱硬化性樹脂組成
物にて形成される未硬化状態で且つシート形状を保持し
得る状態の熱硬化性被覆用シートであって、前記熱硬化
性樹脂組成物が、重量平均分子量が250,000〜565,000で
あり常温で固体状の反応性アクリル樹脂と、ブロックイ
ソシアネートと、重量平均分子量が1,000〜10,000であ
る反応性アクリルオリゴマーを主成分とすることを特徴
としており、そのことにより上記目的が達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記反応性アクリル樹脂は、複数の水酸基、アミノ基
又は/及びカルボキシル基を有するアクリル系ポリマー
であり、常温(25℃)で固体状の重合体である。このよ
うな反応性アクリルは、例えば、(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーと、スチレン誘導体モノマーと、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を
有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、2−アミ
ノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルモノマー又は/及び(メ
タ)アクリル酸のようなカルボキシル基を有するモノマ
ーとを共重合させて得られる。反応性アクリル樹脂の重
量平均分子量は、開始剤を用いて重合反応を行う場合の
条件により変化させることが可能であり、本発明に用い
られる反応性アクリル樹脂は、その重量平均分子量が25
0,000〜565,000の範囲のものが選択される。重量平均分
子量が250,000を下回ると、得られた熱硬化性被覆用シ
ートはシート形状を保持することが困難となる。従つ
て、例えば、貼付け作業時の延伸に対して充分な伸びが
得られず、場合によつては割れやヒビ割れが発生する。
逆に、重量平均分子量が565,000を上回ると、ブロツク
イソシアネート等と混合された上記樹脂組成物は成形性
に劣り、被覆用シートを調製することが困難となる。
上記ブロツクイソシアネートは、反応性アクリル樹脂
及び反応性アクリルオリゴマーを硬化させるために、加
熱反応型硬化剤として用いられる。ここで、ブロツクイ
ソシアネートとは、分子内に二個以上のイソシアネート
基を持つイソシアネート化合物のイソシアネート基を、
フエノール、オキシム、ε−カプロラクタム、マロン酸
エステルなどのブロツク剤でブロツクした化合物を意味
する。上記イソシアネート化合物としては、例えば、ト
リレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートなどの単量体、またはこれらのトリメ
チロールプロパン付加体、イソシアヌレート変性体、カ
ルボジイミド変性体などがある。ブロツクイソシアネー
トは、加熱により上記ブロツク剤が脱離し、生じたイソ
シアネート基が反応性アクリル樹脂及び反応性アクリル
オリゴマーの水酸基または、アミノ基、カルボキシル基
と架橋反応を起こす。ブロツクイソシアネートの含有量
は、該反応性アクリル樹脂及び反応性アクリルオリゴマ
ーに含まれる水酸基または、アミノ基、カルボキシル基
と、該ブロツクイソシアネートに含まれるイソシアネー
ト基との比が0.5〜1.5となるような範囲に調整されるの
が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2の範囲である。
上記反応性アクリルオリゴマーは、熱硬化性被覆用シ
ートの可撓性を向上させてシートの取り扱い性を良くす
るために用いられる。この反応性アクリルオリゴマー
は、前述の反応性アクリル樹脂同様複数の水酸基また
は、アミノ基、カルボキシル基を有するアクリル系ポリ
マーであり、常温で固体、もしくは固溶体状の重合体が
好ましい。このような反応性アクリルオリゴマーは、例
えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、スチレ
ン誘導体モノマーと、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートのような水酸基を有する(メタ)アクリル酸
エステルモノマー、2−アミノエチル(メタ)アクリレ
ートのようなアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル又は/及び(メタ)アクリル酸のようなカルボキシ
ル基を有するモノマーとを共重合させて得られる。
この反応性アクリルオリゴマーは、主としてアクリレ
ート繰り返し単位からなり、その分子鎖に水酸基、アミ
ノ基又は/及びカルボキシル基を有するオリゴマーであ
つて、重量平均分子量が1,000〜10,000のものが用いら
れる。反応性アクリルオリゴマーの重量平均分子量が1,
000を下回ると、得られた熱硬化性被覆用シートの柔軟
性が低下し、貼付け作業時に割れや、ヒビを生じ易い。
逆に、重量平均分子量が10,000を上回ると、可塑化効果
ができなくなる。また、反応性アクリルオリゴマーは、
反応性アクリル樹脂の固形分100重量部に対して、1〜1
00重量部添加されるのが好ましく、より好ましくは1〜
50重量部である。オリゴマーの添加量が1重量部より少
なくなると熱硬化性被覆用シートの柔軟性が乏しくな
る。逆に、オリゴマーの添加量が100重量部より多くな
ると粘度が低下して流動性が高くなるため、シート形状
を保持することが困難となる。
上記反応性アクリルオリゴマーは単独で使用されても
よいし、併用されてもよい。また、熱硬化性樹脂組成物
には、必要に応じて、充填剤、防錆剤、老化防止剤、着
色剤などが含有されてもよい。
また、反応性アクリル樹脂として、重量平均分子量が
250,000〜492,000であり常温で固体状のものを用いた以
外は前記と同様の熱硬化性樹脂組成物には、ブロツクさ
れていないイソシアネート、メラミン系架橋剤、エポキ
シ系架橋剤からなる群から選ばれた少なくとも一種の架
橋剤がさらに含まれていてもよい。反応性アクリル樹脂
の重量平均分子量が250,000を下回ると、得られる熱硬
化性被覆用シートはシート形状を保持することが困難と
なる。従って、例えば、貼付け作業時の延伸に対して充
分な伸びが得られず、場合によっては割れやヒビ割れが
発生する。逆に、重量平均分子量が492,000を上回る
と、ブロックイソシアネート及び上記架橋剤等と混合さ
れた上記樹脂組成物は成形性に劣り、被覆用シートを調
製することが困難となる。この樹脂組成物から得られる
熱硬化性被覆用シートは常温で架橋剤が反応性アクリル
樹脂の官能基の一部と反応することにより半硬化状態と
なつている。そして、このシートを物品に貼付けた後、
ブロツクイソシアネートの反応温度に加熱することによ
り、シート中の反応性アクリル樹脂の官能基とブロツク
イソシアネートのイソシアネート基とを反応させてシー
トを完全に硬化させることができる。このように、半硬
化状態のシートを用いることにより、シートに展延性及
び可撓性をさらに付与して加工時のひび、割れ等を防止
すると共に、平面性を付与して硬化後の外観性を高める
ことができる。
上記ブロツクされていないイソシアネートは、分子内
に2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化
合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフ
エニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシア
ネート、トリジンジイソシアネート、トリフエニルメタ
ントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフエニ
ル)チオフオスフアイト、P−フエニレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネ
ートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シク
ロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等の単量体、ま
たはこれら単量体のトリメチロールプロパン付加体、イ
ソシアヌレート変性体、ビユウレツト変性体、カルボジ
イミド変性体、ウレタン変性体、アロフアネート変性体
等があげられる。
このイソシアネートの添加量は、シートの成形方法に
より異なるが、反応性アクリル樹脂の官能基価に対し、
そのNCOが、官能基価:NCO=1:0.01〜0.9となる量が好ま
しい。
上記メラミン系架橋剤は、メラミンをはじめ、尿素、
チオ尿素、グアニジン、グアナミン、アセトグアナミ
ン、ベンゾグアナミン、ジシアンジアミド等の多官能の
アミノ基を有する材料とホルムアルデヒドとを反応させ
たトリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミ
ン、ジメチロール尿素、ジメチロールグアニジン、ジメ
チロールアセトグアニジン、ジメチロールベンゾグアン
ジン等をブチルアルコールやプロピルアルコール等のア
ルコールと反応させたエーテル化メラミン樹脂のことで
ある。これらメラミン系架橋剤の添加量は、イソシアネ
ートのように反応性アクリル樹脂の官能基に対して決つ
た値がなく、添加する際はシート作成の前に予備実験を
行い添加量を決めるのが好ましいが、例えば、反応性ア
クリル樹脂の官能基価に対して官能基価:OR(エーテル
価)=1:0.1〜1.2となる量が好ましい。
上記エポキシ系架橋剤は、多価アルコールのグリシジ
ル化合物のことであり、ルイス酸触媒とともに用いられ
る。例えば、ブタジエンジオキサイド、ヘキサジンジオ
キサイドやフタル酸のジグリシジルエステル、ビスフエ
ノールAのジグリシジルエーテル、ビスフエノールFの
ジグリシジルエーテル、パラアミノフエノールのトリグ
リシジルエーテルアミン、アニリンのジグリシジルエー
テル、フエニレンジアミンのテトラグリシジルエーテ
ル、スルホンアミドのジグリシジルエーテル、グリセリ
ンのトリグリシジルエーテル等のグリシジル化合物やポ
リエーテル変性ジグリシジル、ポリエステル変性ジグリ
シジル、ウレタン変性ジグリシジル化合物(重合体)が
あげられる。
このエポキシ系架橋剤の添加量は、官能基価に対し
て、官能基:CH2CH2O(エポキシ基)=1:0.01〜0.9とな
る量が好ましい。また、このエポキシ系架橋剤は、官能
基と反応してOH基を生成するので、同時に添加するブロ
ツクイソシアネートの添加量は、反応性アクリル樹脂の
官能基の残りと生成する水酸基の当量の3〜8割程度を
合わせた量を添加するのが好ましい。
上記した架橋剤の添加量は、上述した範囲が好ましい
が、実際には用いる反応性アクリル樹脂の反応性によつ
て架橋剤同士の反応、例えば、メラミン系架橋剤とエポ
キシ系架橋剤との反応や、これら反応物と反応性アクリ
ル樹脂の官能基との反応等が起こるので、実際の添加量
については、予備実験を行つてから決定するのが好まし
い。
本発明の熱硬化性被覆用シートは、このように組成物
に含まれるアクリル系樹脂の官能基が反応していない未
硬化状態のシートとして、あるいはそのうちの一部を反
応させた半硬化状態のシートとして用いることができ
る。半硬化状態のシートとして用いる場合には、ブロツ
クイソシアネートを反応温度に所定時間加熱することに
より行え、あるいは上記架橋剤を添加することにより行
える。
半硬化状態のシートにおいて、シートに含まれる反応
性アクリル樹脂の官能基は反応前の反応性アクリル樹脂
の官能基の総数の0.01%〜80%が反応しているものが好
ましい。すなわち、この官能基の反応率(初期硬化率)
はシートの使用方法により異なる。例えば、貼付けする
被着体が凸状部分や垂直部分を有する場合やシートの被
着作業がかなり高温(30℃以上)の場合は、そのシート
成形温度で100%以上の伸びが得られるように、0.01〜4
0%、より好ましくは1〜30%の官能基をイソシアネー
トで架橋するのがよい。また、被覆用シートをプレス成
形やインサートインジエクシヨン等のようにシートに高
圧が作用する箇所で用いる場合は、成形温度及び樹脂圧
力に耐えられるよう20〜80%の官能基が反応しているも
のを用いるのがよい。これら官能基の反応率の値は、成
形する温度により多少適正範囲が変化することがある。
本発明の熱硬化性被覆用シートの膜厚は、シートの被
着体への貼付け性や被着体への機能付与により異なる
が、凹凸のある被着体表面へ貼付ける場合を考慮する
と、20〜500μm程度が好ましいが、平面への貼付けで
は5〜1,000μm程度でも構わない。
着色剤としては、通常の塗装で用いられる顔料、染料
等が使用できる。例えば、顔料では、酸化チタン、酸化
鉄、カーボンブラック、シアニン系顔料、キナクリドン
系顔料など、染料ではアゾ系染料、アントラキノン系染
料、インジゴイド系染料、スチルベン系染料などがあ
り、またアルミフレーク、ニツケル粉、金粉、銀粉等の
金属粉などを添加してもよい。高隠蔽性を有する着色剤
を用いる場合には、総着色剤の量は、樹脂の固形分100
重量部に対して、2〜100重量部の範囲が好ましい。
上記各成分を混合して熱硬化性樹脂組成物が得られ、
この熱硬化性樹脂組成物にて熱硬化性被覆用シートが形
成される。
このようにして構成される熱硬化性被覆用シートは任
意の方法で製造されて良い。例えば、反応性アクリル樹
脂と、ブロックイソシアネートと、反応性アクリルオリ
ゴマーと、適当な有機溶剤とを混合する。上記反応性ア
クリル樹脂及び反応性アクリルオリゴマーは有機溶剤溶
液として市販されている場合が多いので、その場合には
有機溶剤を特に添加する必要はない。次に、このように
して得られた混合物をシリコーン離型剤で離型処理され
たフイルム上に塗工し、次いで加熱乾燥し、その後フイ
ルムを剥離することにより、熱硬化性被覆用シートが得
られる。
このようにして得られる熱硬化性被覆用シートが、被
覆すべき物品に対して充分な粘着力を有していない場合
には、第1図に示すように、シート1の裏面に接着剤層
2を設けてもよく、この接着剤層2を介して物品表面に
シート1を貼付けることにより、硬化後の硬質被膜と物
品との接着性を向上させることができる。上記接着剤層
2を形成する接着剤としては、感圧型接着剤やホツトメ
ルト型接着剤、後硬化型接着剤などが好適に用いられ
る。これらの接着剤の混合物や積層物を用いることもで
きる。また、複数の異なる種類の接着剤を順次積層させ
て、接着剤層2を形成してもよい。
上記接着剤のうち、感圧性接着剤としては、ゴム系、
アクリル系、ウレタン系、シリコーン系などの粘着剤が
挙げられる。ホツトメルト型接着剤としては、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体系、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロツク共重合体系、アクリル系などの接
着剤があげられる。後硬化型接着剤層には、例えば、マ
イクロカプセル硬化型の接着剤があり、その素材として
は、例えば、未架橋型不飽和ポリエステル系接着剤、自
己架橋型アクリル系接着剤等が包含される。上記接着剤
層の厚みは通常30〜100μmが好ましい。
接着剤2を積層する方法は任意の方法が採用されてよ
く、例えば、上記と同様の方法で剥離性基材上に熱硬化
性被覆用シート1を形成し、次いで接着剤を含む溶液を
異なる離型性基材表面に塗布して加熱乾燥することによ
り接着剤層2を形成し、このようにして得られた熱硬化
性被覆用シート1及び接着剤層2を積層し、その後、例
えば、ロールプレスで圧力を加えて両者を圧着させ、そ
の後剥離性基材を除去することにより、接着剤層付きの
熱硬化性被覆用シートが得られる。
第2図に示すように、シート1に支持層3を設けるこ
とにより、シート1の形状保持性を向上させることがで
きる。さらに、第3図に示すように、シート1の一方の
面に接着剤層2を設けると共に、シート1の他方の面に
支持層3を設けてもよい。支持層3は熱硬化性被覆用シ
ート1全体を保形するために用いられるものであるが、
この支持層3を有する状態で、シート1を三次元曲面を
有する物品表面に貼付ける際には、この支持層3に柔軟
性を付与して所望の延展性を確保するために必要に応じ
て加熱させる。熱硬化性被覆用シート1を物品に貼付け
て硬化させた後に、その支持層3は剥離して除去されて
もよい。
支持層3は、少なくとも加熱下で延展性のあるフイル
ム(例えば、熱可塑性樹脂のフイルムやゴムフイルム)
で構成されるものが好ましい。フイルムを構成する熱可
塑性樹脂としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、アクリル系樹脂、ポリエステル、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どが挙げられる。ゴムフイルムの素材としては、例え
ば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコンコム、アクリ
ルゴムなどが挙げられる。これら熱可塑性樹脂及びゴム
の混合物を用いることもでき、あるいは、これらを積層
させて支持層3を形成することもできる。熱可塑性樹脂
フイルムは、加熱下で展延性が得られる場合が多いが、
ゴムフイルムを用いれば、常温において延展性を得るこ
とができる。支持層3は熱硬化性被覆用シート1に予め
積層してもよく、熱硬化性被覆用シート1を形成した
後、支持層3を構成する上記熱可塑性樹脂フイルムや、
ゴムフイルムを積層してもよい。支持層3の厚みは通常
10〜500μmが好ましい。
本発明の熱硬化性被覆用シートは、例えば、以下のよ
うに使用することによつて、物品表面に硬質の被膜を形
成することができる。上記したように熱硬化性被覆用シ
ートは常温である程度の柔軟性を有するので、加熱する
ことなく引き伸ばし、物品の表面に沿わせてその表面に
貼付ける。次いで、熱硬化性被覆用シートを貼付けた物
品の少なくとも貼付け部分をシートに含有されるブロツ
クイソシアネートの分解温度以上に加熱し、反応性アク
リル樹脂及び反応性アクリルオリゴマーと反応させてシ
ートを完全に硬化させる。このようにして物品表面に硬
質の被膜が形成される。また、物品に嵌合する型を用い
てホツトプレスすることにより、物品表面に熱硬化性被
覆用シートの貼付けと同時にそのシートを硬化させても
よい。この方法によれば凹凸の表面を有する物品であつ
てもシートを容易に被覆することができる。上記熱硬化
性被覆用シートが、被覆すべき物品に対して接着性に劣
る場合には、上記したように接着剤層を有するシートを
使用することにより、物品に対して充分な接着力が得ら
れる。支持層を有するシートの貼付け時には、支持層に
柔軟性を付与し、所望の延展性を確保するため、必要に
応じて加熱が行われる。熱硬化性被覆用シートを物品に
貼付け、加熱硬化させた後に支持層は剥離して除去され
てもよい。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40-145:ガラス転移温度40℃、重量平均分子量339,000、
OH価80)を固形分で100重量部(以下部という)、アク
リルポリオールオリゴマー(日本カーバイド(株)製、
ニカライトH870:ガラス転移点−45℃、重量平均分子量2
200〜2500、OH価200)を固形分で30部及びブロツクイソ
シアネート(武田薬品工業(株)製、タケネートB815N:
水添ジフエニルメタンジイソシアネートのオキシム体、
NCO%7.3)を固形分で86部(上記のアクリルポリオール
及びアクリルポリオールオリゴマーの水酸基に対し、1.
0当量のイソシアネート基を有する)を撹拌しながら混
合した。
この混合物をシリコーン離型剤で離型処理されたポリ
エチレンテレフタレートフイルム(創研化工(株)製、
膜厚50μm)の離型面に乾燥後の膜厚が100μmとなる
ように塗工し、80℃で5分間乾燥させ、その後フイルム
を剥離することにより、未硬化状態の熱硬化性被覆用シ
ートを得た。得られた熱硬化性被覆用シートの厚みは約
50μmであつた。
このようにして得られた熱硬化性被覆用シートの引張
り試験、被覆試験及び硬度を測定した。
引張り試験は、熱硬化性被覆用シートから短冊状の試
験片(20×100mm)を裁断し、この試験片を室温及び80
℃の雰囲気条件下で長さ方向に100%伸長させ、シート
に引き裂けを生じたか否かを調べた。その結果、100%
の伸びにおいても割れやヒビは生じなかつた。
被覆試験は、凸レンズ状に湾曲した鋼板(曲率半径50
cm、底面の直径は30cm)の凸面上に、熱硬化性被覆用シ
ート(20×20cm)を被覆して80℃にて真空成形した。そ
の結果、シートにシワが発生することもなく良好に被覆
することができた。次いで、この被覆鋼板を160℃にて3
0分間加熱し、アクリルポリオール及びアクリルポリオ
ールオリゴマーを硬化させることにより、強固な被膜
(膜厚約40μm)を得た。硬度の測定はJIS K5400に準
じた鉛筆硬度試験で行つた。その結果、Hの硬度を示し
た。
実施例2 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40-140:ガラス転移温度20℃、重量平均分子量369,000、
OH価120)を固形分で100部、アクリルポリオールオリゴ
マー(日本カーバイド(株)製、ニカライトH470:ガラ
ス転移点−37℃、重量平均分子量2200〜2500、OH価20
0)を固形分で30部及びブロツクイソシアネート(武田
薬品工業(株)製、タケネートB815N)を固形分で111部
(上記のアクリルポリオール及びアクリルポリオールオ
リゴマーの水酸基に対し、1.0当量のイソシアネート基
を有する)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱硬
化性被覆用シートを得た。
得られた熱硬化性被覆用シートを実施例1と同様に試
験した。その結果、引つ張試験は、室温及び80℃におい
て、100%の延伸において割れやヒビは生じなかった。
被覆試験は、凸面上にシワが発生するとなく良好に被
覆することができた。加熱硬化させた後の被膜の鉛筆硬
度はHを示した。
比較例1 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40-144:ガラス転移温度20℃、平均分子量104,000、OH価
80)を固形分で100部、アクリルポリオールオリゴマー
(日本カーバイド(株)製、ニカライトH870:ガラス転
移点−20℃、重量平均分子量2200〜2500、OH価200)を
固形分で30部及びブロツクイソシアネート(武田薬品工
業(株)製、タケネートB815N)を固形分で86部(上記
のアクリルポリオール及びアクリルポリオールオリゴマ
ーの水酸基に対し、1.0当量のイソシアネート基を有す
る)を用いた以外は、実施例1と同様にして熱硬化性被
覆用シートを得た。
得られた熱硬化性被覆用シートを実施例1と同様に試
験した。その結果、引つ張試験は、室温及び80℃におい
て、100%の伸びを得ることができなかつた。また、被
覆試験では、シート形状の保形性に劣り、真空成形によ
る貼付けを行うことが困難であつた。
比較例2 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40-136:ガラス転移温度40℃、平均分子量28,600)を固
形分で100部とブロツクイソシアネート(武田薬品工業
(株)製、タケネートB815N)を固形分で49部(上記の
アクリルポリオールの水酸基に対し、1.0当量のイソシ
アネート基を有する)を用いた以外は、実施例1と同様
にして熱硬化性被覆用シートを得た。
得られた熱硬化性被覆用シートを実施例1と同様に試
験した。その結果、引つ張試験は、80℃において、100
%の伸びに対して割れやヒビは発生せず均一な伸びを示
した。室温では100%の伸びを得ることはできなかつ
た。
また、被覆試験では、凸レンズ状に湾曲した鋼板の凸
面上にシワが発生することなく、良好に被覆することが
できた。加熱硬化させた後の被膜の鉛筆硬度は2Hを示し
た。
比較例3 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40-145:ガラス転移温度40℃、平均分子量339,000)を固
形分で100部、アクリルポリオール(日本触媒(株)
製、アロタン2040-136:ガラス転移温度40℃、平均分子
量28,000、OH価80)を固形分で30部及びブロツクイソシ
アネート(武田薬品工業(株)製、タケネートB815N)
を固形分で64部(上記のアクリルポリオールの水酸基に
対し、1.0当量のイソシアネート基を有する)を用いた
以外は、実施例1と同様にして熱硬化性被覆用シートを
得た。
得られた熱硬化性被覆用シートを実施例1と同様に試
験した。その結果、引つ張試験は80℃においては100%
の伸びに対して割れやヒビは発生せず均一な伸びを示し
た。室温では100%の伸びを得ることはできなかつた。
また、被覆試験では、凸レンズ状に湾曲した鋼板の凸面
上にシワが発生することなく、良好に被覆することがで
きた。加熱硬化させた後の被膜の鉛筆硬度はHを示し
た。
実施例3〜8 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40-145:ガラス転移温度40℃、平均分子量339,000)を固
形分で100重量部、アクリルポリオールオリゴマー(日
本カーバイド(株)製、ニカライトH870)を固形分で30
部、アクリル樹脂(協和ガス化学工業(株)製、パラペ
ツトビーズGI98又はEH-1000P)の酢酸エチル溶液を固形
分で表1に示す通りの部数(得られる熱硬化性被覆用シ
ートの可撓性を向上させてシートの取り扱い時にヒビ割
れ等の発生を減少させ、取り扱い性を良くするために任
意成分として用いられる)及びブロツクイソシアネート
(武田薬品工業(株)製、タケネートB815N)を固形分
で86部(上記のアクリルポリオール及びアクリルポリオ
ールオリゴマーの水酸基に対し、1.0当量のイソシアネ
ート基を有する)を撹拌しながら混合した。
この混合物をシリコーン離型剤で離型処理されたポリ
エチレンテレフタレートフイルム(創研化工(株)製、
膜厚40μm)の離型面に乾燥後の膜厚が100μmとなる
ように塗工し、70℃で1時間乾燥させてフイルム付きの
熱硬化性被覆用シートを得た。
次に、このシートの強靱性を調べるために、落球試験
を行つた。落球試験は、上記で得られたフイルム付きの
熱硬化性被覆用シートからフイルムを剥がし取り、その
シートを第4図に示すように、直径10cmの円筒の上に張
り、所定重量の球を所定高さから落下させてシートが破
れたものを○、破れないものを×で表した。なお、球は
ボールタツク測定用の16番の鋼球(直径1/2インチ、重
さ8.35g)を使用した。
また、上記の混合物を塗装鋼板の上に塗工して70℃で
1日間乾燥した後、60℃で30分間加熱硬化させ、その後
鉛筆硬度試験を行つた。鉛筆硬度試験は、試験体を25℃
と80℃雰囲気下での場合についてそれぞれ行つた。それ
らの結果を表1に示した。
比較例4 アクリルポリオールとして、重量平均分子量の小さい
アロタン2040-134(平均分子量9300、日本触媒(株)
製)を用いた以外は、実施例1と同様にして混合物を
得、実施例1と同様な試験を行つた。得られた熱硬化性
被覆シートはシート形状を保持することが困難であつ
た。
実施例9 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸とアクリル酸2−アミノ
エチルの共重合体、Mw=565,000、Tg35℃、COOH価40とN
H2価40)を固形分100部に、反応性アクリルオリゴマー
(アクリル酸メチル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸の共重合体、
Mw=4,000、Tg-10℃、OH価100、COOH価40)を固形分30
部、ブロツクイソシアネート(武田薬品工業製、タケネ
ートB-815N、水添ジフエニルメタンジイソシアネートの
ケトオキシムブロツクNCO7.3%)75部(この架橋剤は上
記反応性アクリル樹脂と反応性アクリルオリゴマーとの
官能基に対し、1.0当量のイソシアネート基を有する)
をよく撹拌しながら混合した。この混合物をシリコーン
離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フイ
ルムの離型面にアプリケーターで塗工し、80℃にて5分
間乾燥し熱硬化性シートを作成した。シートの厚みは、
80μmであつた。
次に、このシートをアクリルメラミン塗装処理した半
径15cmの半球に真空密着成形(真空包装成形)によりシ
ートを50℃に加熱し到達真空度が10Torrになつた時点で
貼付した。それを160℃30分間加熱硬化し被覆物を作成
した。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でH、密着性は1mm
幅碁盤目試験で100/100であつた。
実施例10 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
アクリル酸エチルの共重合体、Mw=250,000、Tg15℃、O
H価40とCOOH価20)を固形分100部に、反応性アクリルオ
リゴマー(同上)を固形分20部、ブロツクイソシアネー
ト(同上)54部(この架橋剤は上記反応性アクリル樹脂
と反応性アクリルオリゴマーとの官能基に対し、1.0当
量のイソシアネート基を有する)をよく撹拌しながら混
合した。この混合物をシリコーン離型処理したPETフイ
ルムの離型面にアプリケーターで塗工し、80℃にて5分
間乾燥し熱硬化性シートを作成した。シートの厚みは、
100μmであつた。
次に、このシートを半径10cm高さ6cm底の半径6cmの瀬
戸物の皿に真空密着成形(真空包装成形)によりシート
を100℃に加熱し到達真空度が6Torrになつた時点で貼付
した。それを160℃30分間加熱硬化し被覆物を作成し
た。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でHB、密着性は1mm幅
碁盤目試験で100/100であつた。
実施例11 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
メタアクリル酸4−アミノブチルの共重合体、Mw=368,
000、Tg10℃、OH価40とNH2価40)固形分100部に、アク
リルポリカルボン酸オリゴマー(メタアクリル酸ステア
リルとメタアクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体、
Mw=5,000、Tg-20℃、酸価80)固形分で20部、ブロツク
イソシアネート(日本ポリウレタン工業製、コロネート
2513、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレ
ートのアセト酢酸エチルブロツク、NCO=10.2%)62部
(この架橋剤は上記反応性アクリル樹脂とアクリルポリ
カルボン酸オリゴマーとの官能基に対し、1.2当量のイ
ソシアネート基を有する)をよく撹拌しながら混合し
た。この混合物をシリコーン離型処理したPETフイルム
の離型面にアプリケーターで塗工し、70℃にて10分間乾
燥し熱硬化性シートを作成した。シートの厚みは、100
μmであつた。
次に、このシートを半径15cmのポリプロピレン製半球
に真空密着成形(真空包装成形)によりシートを60℃に
加熱し到達真空度が5Torrになつた時点で貼付した。そ
れを120℃2分および70℃1時間加熱硬化した被覆物を
作成した。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でB、密着性は
1mm幅碁盤目試験で100/100であつた。
実施例12 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとアクリル酸メチルとメタアクリル酸2−
ヒドロキシエチルとアクリル酸とメタアクリル酸2−ア
ミノエチルとの共重合体、Mw=360,000、Tg20℃、OH価2
0とCOOH価20とNH2価40)を固形分100部に、反応性アク
リルオリゴマー(実施例9に同じ)を固形分で30部、ブ
ロツクイソシアネート(実施例11に同じ)72部(この架
橋剤は上記反応性アクリル樹脂と反応性アクリルオリゴ
マーとの官能基に対し、1.0当量のイソシアネート基を
有する)をよく撹拌しながら混合した。この混合物をシ
リコーン離型処理したPETフイルムの離型面にアプリケ
ーターで塗工し、60℃にて20分間乾燥し、さらに、160
℃5分間初期硬化処理を行い熱硬化性シートを作成し
た。この熱硬化性シートの初期硬化は、赤外線吸光分析
(IR)等の定量より総官能基の25%が初期硬化してい
た。シートの厚みは、50μmであつた。
次に、このシートを半径10cm高さ6cmの筒状に成形す
るインジエクシヨンの金型にシートが金型に対して平面
になるように固定しポリエーテルイミド樹脂を射出しシ
ートを貼付した。それを160℃20分間加熱硬化し被覆物
を作成した。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でHB、密着性
は1mm幅碁盤目試験で100/100であつた。
実施例13 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸とアクリル酸2−アミノ
エチルの共重合体、Mw=492,000、Tg35℃、COOH価40とN
H2価40)を固形分100部に、反応性アクリルオリゴマー
(実施例9に同じ)を固形分で20部、ブロツクイソシア
ネート(実施例9に同じ)53部(この架橋剤は上記反応
性アクリル樹脂と反応性アクリルオリゴマーとの官能基
に対し、0.8当量のイソシアネート基を有する)、エポ
キシ架橋剤(チバーガイギー製、アラルダイドCY175、
エポキシ当量160、官能基価に対応させたエポキシ価22
0)6.6部(反応性アクリル樹脂の官能基の10%が初期硬
化する)をよく撹拌しながら混合した。この混合物をシ
リコーン離型処理したポリエチレンテレフタレート(PE
T)フイルムの離型面にアプリケーターで塗工し、80℃
にて5分間乾燥し熱硬化性シートを作成した。シートの
厚みは、80μmであつた。
次に、このシートをアルキドメラミン塗装処理した半
径10cmの半球に真空密着成形(真空包装成形)によりシ
ートを60℃に加熱し到達真空度が6Torrになつた時点で
貼付した。それを160℃30分間加熱硬化し被覆物を作成
した。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でH、密着性は1mm
幅碁盤目試験で100/100であつた。
実施例14 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
アクリル酸の共重合体、Mw=250,000、Tg15℃、OH価40
とCOOH価40)固形分100部に、反応性アクリルオリゴマ
ー(アクリル酸メチルとメタアクリル酸2−アミノエチ
ルとアクリル酸とメタアクリル酸メタルとの共重合体、
Mw=8,000、Tg-10℃、NH2価60、COOH価30)を固形分10
部、ブロツクイソシアネート(実施例9に同じ)55部
(この架橋剤は上記反応性アクリル樹脂と反応性アクリ
ルオリゴマーとの官能基に対し、1.0当量のイソシアネ
ート基を有する)と、イソシアネート(日本ポリウレタ
ン工業製、コロネートL、3モルのトリレンジイソシア
ネートと1モルのトリメチロールプロパンとを反応させ
たポリイソシアネート、NCO=13.0%)を固形分で12部
(反応性アクリル樹脂の官能基の30%が初期硬化)をよ
く撹拌しながら混合した。この混合物をシリコーン離型
処理したPETフイルムの離型面にアプリケーターで塗工
し、80℃にて5分間乾燥し熱硬化性シートを作成した。
シートの厚みは、200μmであつた。
次に、このシートを半径15cm高さ8cm底の半径10cmの
鋼板製(SS41)の皿状物に真空プレス(皿状の金型)に
よりシートを110℃に加熱し貼付した。それを160℃30分
間加熱硬化し被覆物を作成した。この被覆物の硬度は鉛
筆硬度でH、密着性は1mm幅碁盤目試験で100/100であつ
た。
実施例15 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
メタアクリル酸4−アミノブチルの共重合体、Mw=368,
000、Tg10℃、OH価40とNH2価40)固形分100部に、反応
性アクリルオリゴマー(実施例14と同じ)固形分で50
部、ブロツクイソシアネート(実施例11と同じ)74部
(この架橋剤は上記反応性アクリル樹脂とブロツク反応
性アクリル樹脂との官能基に対し、1.0当量のイソシア
ネート基を有する)と、イソシアネート(日本ポリウレ
タン工業製、コロネートL)固形分で5.4部(上記反応
性アクリル樹脂とブロツク反応性アクリル樹脂と、反応
性アクリルオリゴマーとの総官能基の10%が初期硬化す
る)をよく撹拌しながら混合した。この混合物をシリコ
ーン離型処理したPETフイルムの離型面にアプリケータ
ーで塗工し、70℃にて10分間乾燥し熱硬化性シートを作
成した。シートの厚みは、100μmであつた。
次に、このシートを半径12cmのポリプロピレン製半球
に真空密着成形(真空包装成形)によりシートを60℃に
加熱し到達真空度が10Torrになつた時点で貼付した。そ
れを120℃2分および70℃で1時間加熱硬化し被覆物を
作成した。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でB、密着性は
1mm幅碁盤目試験で100/100であつた。
実施例16 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
アクリル酸とメタアクリル酸2−アミノエチルとの共重
合体、Mw=480,000、Tg35℃、OH価20とCOOH価20とNH2
40)固形分100部に、反応性アクリルオリゴマー(実施
例14と同じ)を固形分で30部、ブロツクイソシアネート
(実施例9に同じ)53部(この架橋剤は上記反応性アク
リル樹脂と反応性アクリルオリゴマーとの官能基に対
し、0.8当量のイソシアネート基を有する)と、メラミ
ン架橋剤(大日本インキ化学製、スーパーベツカミン
(ブツル化メラミン樹脂)J-820-60)固形分で75部(反
応性アクリル樹脂の官能基の60%が初期硬化する量)を
よく撹拌しながら混合した。この混合物をシリコーン離
型処理したPETフイルムの離型面にアプリケーターで塗
工し、80℃にて5分間乾燥し熱硬化性シートを作成し
た。シートの厚みは、60μmであつた。
次に、このシートを半径10cm高さ3cmの筒状に成形す
るインジエクシヨンの金型にシートが金型に対して平面
になるように固定しポリエーテルイミド樹脂を射出しシ
ートを貼付した。それを160℃20分間加熱硬化し被覆物
を作成した。この被覆物の硬度は鉛筆硬度でHB、密着性
は1mm幅碁盤目試験で100/100であつた。
(発明の効果) 本発明の熱硬化性被覆シートの構成は上記の通りであ
り、硬化温度以下の状態では、延展性、可撓性に優れて
おり、平面はもちろん、多少の凹凸や曲面を有する物品
表面に“しわ”を生じることなく良好に被覆することが
できる。また、熱硬化性被覆用シートは、加熱すること
によつて硬度、耐摩傷性に優れた強固で均一な被膜を形
成することができる。
従つて本発明の熱硬化性被覆用シートは、家具、プラ
スチツク成形体、鋼板等の表面の装飾、表示用シート材
料等として幅広い用途に使用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例の概略断面図、第2図は同上の
他の実施例の概略断面図、第3図は同上のさらに他の実
施例の概略断面図、第4図はシートの落球テストを示す
説明図である。 1……熱硬化性被覆用シート、2……接着剤層、3……
支持層、4……容器、5……鋼球。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/18 CFF C08J 5/18 CFF (56)参考文献 特開 平1−98612(JP,A) 特開 平1−98679(JP,A) 特開 平1−247413(JP,A) 特開 昭61−87719(JP,A) 特開 昭62−45611(JP,A) 特開 平1−154739(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂組成物にて形成される未硬化
    状態で且つシート形状を保持し得る状態の熱硬化性被覆
    用シートであって、前記熱硬化性樹脂組成物が、重量平
    均分子量が250,000〜565,000であり常温で固体状の反応
    性アクリル樹脂と、ブロックイソシアネートと、重量平
    均分子量が1,000〜10,000である反応性アクリルオリゴ
    マーを主成分とすることを特徴とする熱硬化性被覆用シ
    ート。
  2. 【請求項2】ブロックされていないイソシアネート、メ
    ラミン系架橋剤及びエポキシ系架橋剤からなる群から選
    ばれた少なくとも一種の架橋剤と、重量平均分子量が25
    0,000〜492,000であり常温で固体状の反応性アルリル樹
    脂と、ブロックイソシアネートと、重量平均分子量が1,
    000〜10,000である反応性アクリルオリゴマーとを主成
    分とする熱硬化性樹脂組成物からなる半硬化状態で且つ
    シート形状を保持し得る状態の熱硬化性被覆用シート。
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