JP2512571B2 - 被覆体の製造方法 - Google Patents

被覆体の製造方法

Info

Publication number
JP2512571B2
JP2512571B2 JP1308664A JP30866489A JP2512571B2 JP 2512571 B2 JP2512571 B2 JP 2512571B2 JP 1308664 A JP1308664 A JP 1308664A JP 30866489 A JP30866489 A JP 30866489A JP 2512571 B2 JP2512571 B2 JP 2512571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isocyanate
resin
parts
solid content
reactive acrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1308664A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH038479A (ja
Inventor
弘 阿部
顕隆 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP1308664A priority Critical patent/JP2512571B2/ja
Publication of JPH038479A publication Critical patent/JPH038479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2512571B2 publication Critical patent/JP2512571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、表面に硬質の被膜が設けられた被覆体の製
造方法に関し、詳しくは装飾、表示用等として被着体表
面に熱硬化性樹脂液が塗布・硬化された被覆体の製造方
法に関する。
(従来の技術) プラスチック成形体、または金属成形体などの美観向
上および防食を目的とした被覆、あるいは各種の表示に
は一般に塗料が用いられてきた。
また、プレコートメタル(以下PCMと略す)と呼ばれ
る樹脂塗装鋼板を所望とする形状に成形加工する方法も
提案されている。ところが、PCMを折曲げ、あるいは絞
り加工等の二次加工を行う際に、塗膜硬度が高い場合や
塗膜の膜厚が厚い場合には、加工時に塗膜が割れるおそ
れがあつて二次加工することができず、また塗膜硬度を
低くしたり、膜厚を薄くすると、表面に傷が付き易いと
いう欠点があるので、PCMの利用に関してかなり制限さ
れているのが実状である。
特公昭55−41152号公報には、金属板の表面に線状ポ
リマーと2個以上の不飽和結合を有する反応性可塑剤と
を主成分とする塗料を塗装し、次いで加熱乾燥させた
後、所望形状に成形加工し、その後電子線を照射するこ
とにより、塗膜を硬化させる技術が開示されており、こ
の技術によれば、塗膜が完全に硬化する前に機械的に加
工するので、塗膜の厚みや硬さに影響されることなく耐
擦傷性に優れた塗膜を有する所望形状の物品を得ること
ができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記技術において、凹凸や曲面を有す
る物品表面に硬質の被膜を形成する場合には、光が一様
に照射されないため均一に硬化した被膜が得られないと
いう欠点があつた。
本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的と
するところは、硬質で耐擦傷性(表面硬度)に優れた被
膜を形成することができ、また加工性に優れていると共
に、凹凸や曲面を有する物品に対しても均一に硬化した
皮膜を形成することができる被覆体の製造方法を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の被覆体の製造方法は、(a)重量平均分子量
が100,000〜1,000,000であり常温で固体状の反応性アク
リル樹脂と、(b)ブロツクイソシアネートと、(c)
ブロツクされていないイソシアネートとを主成分として
含有し、(a)に含まれる官能基(水酸器とアミノ基と
カルボキシル基との総和。官能基価は水酸基価とアミノ
基価と酸価の総和であり、アミノ基価は、重合時に添加
するアミノ基の量を水酸基価と同様に計算もしくは、ア
ミノ基を亜硝酸と反応させ水酸基に変えて定量した値。
酸価は、重合時に添加するカルボキシル基の量を水酸基
の量と同様に計算もしくは、カルボキシル基をKOH等で
定量した値)に対する(c)に含まれるイソシアネート
基の比が0.1〜0.9となるよう(a)と(c)との含有割
合が設定されている熱硬化性樹脂液を被着体に塗布・乾
燥して樹脂層を形成し、次いで賦形した後、加熱するこ
とによつて反応硬化させることを特徴としており、その
ことにより上記目的が達成される。
本発明で用いられる熱硬化性樹脂液は、上記(a)、
(b)及び(c)の3成分を主成分として含有してい
る。
上記熱硬化性樹脂液を被着体(物品)表面に塗布・乾
燥することにより、ブロツクされていないイソシアネー
トによつて反応性アクリル樹脂が一部架橋(半硬化)さ
れ、被着体表面に半硬化状態の樹脂層が形成される。こ
の樹脂層は可撓性、伸び性を有しているので、樹脂層で
被覆された被着体を賦形する際でも、ヒビ割れ等の樹脂
層の損傷を生じることがない。そして、このものをブロ
ツクイソシアネートのブロツク剤の脱離温度以上、すな
わちブロツクイソシアネートと反応性アクリル樹脂との
反応温度以上に加熱することにより、ブロツクイソシア
ネートと反応性アクリル樹脂とを反応硬化させて硬質の
被膜を被着体表面に形成することができる。
被着体としては、プラスチック材料、金属材料、木
材、無機材料及び塗装面等の板状部材、立体状部材があ
げられる。
プラスチック材料としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、4−メチルペンテン−1−樹脂、ポリスチレ
ン、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリスルフオン等の
熱可塑性樹脂や、フエノール樹脂、ユリア樹脂、メラミ
ン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポ
キシ樹脂、アニリン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化
性樹脂があげられる。金属としては、鉄、銅、アルミニ
ウム、ニツケル及びその合金等があげられ、合金として
は例えば、ニツケル・クロム鋼、ニツケル・クロム・モ
リブデン鋼、クロム・モリブデン鋼、ステンレス鋼、ア
ルミニウム・クロム・モリブデン鋼等があげられる。無
機材料としては、ガラス、煉瓦、モルタル、アルミナセ
メント材料、陶磁器等あげられる。
上記熱硬化性樹脂液に含有される反応性アクリル樹脂
(a)は、複数の水酸基、アミノ基、又は/及びカルボ
キシル基を有するアクリル系ポリマーであり、常温(25
℃)で固体状の重合体である。このような反応性アクリ
ル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーと、スチレンモノマーと、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートのような水酸基を有する(メタ)アク
リル酸エステルモノマーと、2−アミノエチル(メタ)
アクリレートのようなアミノ基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルモノマー又は/及び(メタ)アクリル酸の
ようなカルボキシル基を有するモノマーを共重合させて
得られる。反応性アクリル樹脂の重量平均分子量(
w)は、開始剤を用いて重合反応を行う場合の条件によ
り変化させることが可能であり、反応性アクリル樹脂
は、その重量平均分子量が100,000〜1,000,000の範囲の
ものが選択される。重量平均分子量が100,000を下回る
と、被着体を賦形する時のヒビ割れ発生を防ぐためには
Tg(ガラス転移点)を低下させる必要があり、そのため
加熱後に充分な硬度を得ることが困難となる。また、重
量平均分子量が1,000,000を上回ると、高粘度となつて
被着体への塗布が困難となり、しかも硬化後の皮膜の光
沢及び鮮映性が低下してしまう。従つて、反応性アクリ
ル樹脂は、硬化後の硬度の関係からTg(ガラス転移点)
が−20℃〜80℃の範囲で、官能基価が20〜200の範囲の
ものが好ましい。また、反応性アクリル樹脂は、これら
の分子量範囲であれば、異なる種類の反応性アクリル樹
脂を組み合わせて用いてもよい。
上記反応性アクリル樹脂を硬化させるために(b)ブ
ロツクイソシアネートが加熱反応型硬化剤として用いら
れる。(b)ブロツクイソシアネートとは、分子内に2
個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物
のイソシアネート基を、フエノール、オキシム、ε−カ
プロラクタム、マロン酸エステルなどのブロツク剤でブ
ロツクした化合物を意味する。上記イソシアネート化合
物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフ
エニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートなどの単量
体、またはこれらのトリメチロールプロパン付加体、イ
ソシアヌネート変性体、カルボジイミド変性体などがあ
げられる。ブロツクイソシアネートは、加熱により上記
ブロツク剤が脱離し、生じたイソシアネート基が反応性
アクリル樹脂の官能基と架橋反応を起こす。
さらに、熱硬化性樹脂を被着体に塗布した後、常温で
熱硬化性樹脂を半硬化させて可撓性及び伸び性に優れた
樹脂層を形成するために、(c)ブロツクされていない
イソシアネートが添加される。
上記ブロツクされていないイソシアネートとは、分子
内に2個以上のイソシアネート基を持つ化合物で、例え
ば、トリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイ
ソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、トリフエニルメタンジイソシアネー
ト、トリス(イソシアネートフエニル)チオフオスフエ
ート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、
ジシクロヘキシルジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどの単量体、またはこれら単量体のトリメチ
ロールプロパン付加体、イソシアヌレート変性体、カル
ボジイミド変性体、ウレタン変性体、アロフアネート変
性体、ビユウレツト変性体などがあげられる。これら
は、常温でそのイソシアネート基が反応性アクリル樹脂
の官能基と架橋反応を起こす硬化剤であり、このブロツ
クされていないイソシアネートの添加量を調整すること
によつて、樹脂層の伸び、可撓性等を任意に変えること
が可能である。
反応性アクリル樹脂(a)とブロツクされていないイ
ソシアネート(c)との含有割合は、反応性アクリル樹
脂(a)に含まれる官能基に対するブロツクされていな
いイソシアネート(c)に含まれるイソシアネート基の
比(NCO/官能基)が0.1〜0.9となるよう設定される。ま
た、反応性アクリル樹脂(a)に対する、ブロツクイソ
シアネート(b)及びブロツクされていないイソシアネ
ート(c)の含有割合は、反応性アクリル樹脂(a)の
官能基に対する(b)及び(c)に含まれるイソシアネ
ート基の比(NCO/官能基)が0.5〜1.5になるように調整
されるのが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2の範囲で
ある。
(c)の添加量が上記範囲より少ないと、樹脂層が形
成された被着体を賦形する際に、樹脂層表面に傷が発生
し易い。また、(c)の添加量が上記範囲より多いと、
樹脂層の可撓性、伸び性が低下し、樹脂層が形成された
被着体の賦形性が低下する。(c)の添加量は(a)の
ガラス転移点、官能基価等によつて上記範囲内で調整さ
れるのが好ましい。
シートの柔軟性及び伸びがさらに必要な場合には、上
記熱硬化性樹脂液に複数の水酸基、アミノ基、又は/及
びカルボキシル基を有する反応性アクリルオリゴマーを
添加するのが好ましい。このような反応性アクリルオリ
ゴマーは、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ーと、スチレン誘導体モノマーと、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルモノマーや、2−アミノエチル
(メタ)アクリレートのようなアミノ酸を有する(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー又は/及び(メタ)ア
クリル酸のようなカルボキシル基を有するモノマーとを
共重合させて得られる。
反応性アクリルオリゴマーの分子量は、開始剤を用い
て重合反応を行う場合の条件により変化させることが可
能であり、本発明に用いられる反応性アクリルオリゴマ
ーは、その重量平均分子量(w)が10,000以下のも
の、例えば、1,000〜10,000の範囲のものが好ましく使
用される。反応性アクリルオリゴマーは通常上記分子量
範囲のものであれば実用上問題はないが、反応性アクリ
ルオリゴマーの重量平均分子量が10,000を上回ると可塑
化効果が充分に得られ難い。反応性アクリルオリゴマー
は、これらの分子量範囲内のものであれば、複数種の反
応性アクリルオリゴマーを組み合わせて用いてもよい。
また、官能基価は硬化後の皮膜硬度との関係から決定さ
れるものであるので、どの範囲のものを用いてもよい。
上記のような官能基を有する反応性アクリルオリゴマ
ーを添加した場合には、ブロツクイソシアネート、ブロ
ツクされていないイソシアネートの添加量が、硬化前及
び硬化後の熱硬化性樹脂液の状態が最適になるように調
整される。つまり、反応性アクリル樹脂(a)及び反応
性アクリルオリゴマーに対する、ブロツクイソシアネー
ト(b)及びブロツクされていないイソシアネート
(c)の含有割合は、反応性アクリル樹脂(a)及び反
応性アクリルオリゴマーを合わせた官能基に対する
(b)及び(c)に含まれるイソシアネート基の比(NC
O/官能基)が好ましくは0.5〜1.5になるように調整さ
れ、より好ましくは0.8〜1.2の範囲である。
熱硬化性樹脂液には、必要に応じて着色剤が含有され
る。着色剤としては、通常の塗装で用いられる顔料、染
料等が使用できる。例えば、顔料では、酸化チタン、酸
化鉄、カーボンブラツク、シアニン系顔料、キナクリド
ン系顔料などがあり、染料ではアゾ系染料、アントラキ
ノン系染料、インジゴイド系染料、スチルベン系染料な
どがあり、またアルミフレーク、ニツケル粉、金粉、銀
粉等の金属粉などを添加してもよい。高隠蔽性を有する
着色剤を用いる場合には、総着色剤の量は、樹脂の固形
分100重量部(以下、単に部と記す)に対して、2〜100
部の範囲が好ましい。上記熱硬化性樹脂液には、さらに
充填剤、老化防止剤等が添加されてもよい。
熱硬化性樹脂液は、例えば、反応性アクリル樹脂、ブ
ロツクされてないイソシアネート、ブロツクイソシアネ
ート及び必要に応じて適当な有機溶剤を混合することに
より調製することができる。上記反応性アクリル樹脂な
どは有機溶剤として市販されている場合が多く、そのと
きは上記有機溶剤を必要としない。このようにして得ら
れた熱硬化性樹脂液は、保存時及び使用時に所望の粘度
特性を有し、ポツトライフ以内で被着体に塗布される。
そして、熱硬化性樹脂液を被着体に塗布した後、乾燥す
ることにより半硬化状態の樹脂層を形成し、その後被着
体は種々の形状に賦形される。
熱硬化性樹脂液を塗布するには、スプレー、ハケ、ロ
ーラー等の任意の塗布手段によつて行つてもよく、ある
いは熱硬化性樹脂液中に被着体を浸漬することによつて
行つてもよい。さらに、一度塗りに限らず、二度、三度
と重ね塗りが可能であり、塗膜の厚膜化はもとより、透
明層/着色層の二層化やスクリーン印刷、グラビア等の
印刷等の複合化も可能である。樹脂層の厚みは通常は、
10〜500μmの範囲である。
樹脂層で被覆された被着体の賦形は、一般に行われて
いる方法によつて行うことができ、例えば、以下の方法
があげられる。
剪断加工…打ち抜き、穴あけ、剪断 これらは通常ポンチとダイスの一対の工具を用いて行
うことができる。
曲げ加工…三本ローラー、溝形ローラー、引抜機、万
能折り曲げ機などで行うことができる。
…絞り加工…槌打ちする方法、ヘラ絞り等。
また、樹脂層で被覆された被着体に曲げ等の加工を行
う時に、樹脂層の汚れ、傷の発生を防ぐために、樹脂層
の表面には表面保護層(支持層)が設けられてもよい。
上記表面保護層は、樹脂層が被覆された被着体を賦形
する際にヒビ割れ等の変形が生じないように柔軟性を有
するフイルム(例えば、熱可塑性樹脂フイルムやゴムフ
イルム)やシートで構成されるのが好ましい。上記熱可
塑性樹脂としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、アクリル系樹脂、ポリエステル、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どがあげられる。ゴムフイルムの素材としては、例え
ば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン、クロロ
プレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、アクリルゴ
ムなどがあげられる。これら熱硬化性樹脂及びゴムの混
合物を用いることもできる。あるいはこれらを積層させ
てフイルム層とすることもできる。熱可塑性樹脂フイル
ムは、加熱下で展延性が得られる場合が多いが、ゴムフ
イルムを用いれば、常温においても展延性を得ることが
できる。表面保護層には、これら樹脂等の劣化防止のた
めの充填剤、老化防止剤等が含まれたり、表面保護性を
向上するために、表面に耐候性、熱線反射性(赤外線反
射)、耐薬品性等の性能を付与することもできる。表面
保護層の厚みは通常は10〜500μmである。
本発明では、上記のようにして賦形された樹脂層被覆
被着体を、樹脂層に含まれるブロツクイソシアネートの
ブロツク剤の脱離温度以上、すなわち硬化温度以上に加
熱することにより、被着体表面に硬質の皮膜を形成する
ことができる。樹脂層加熱硬化させた後、表面保護層は
剥離して除去されてもよい。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(A)熱硬化性樹脂液の調製 実施例1 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40−145、Tg=40℃、重量平均分子量339,000、固形分30
%、固形分100%での水酸基価80)100部(以下すべて固
形分とする) アクリルポリオールオリゴマー(日本カーバイド
(株)製、ニカライトH870、Tg=−45℃、重量平均分子
量2200〜2500、固形分99.2%、水酸基価200)30部 ブロツクイソシアネート(武田薬品工業(株)製、タ
ケネートB870N、固形分60%、イソホロンジイソシアネ
ートのオキシムブロツク体、イソシアネート12.6%)2
5.0部(これは上記アクリルポリオールとアクリルポリ
オールオリゴマーのすべての水酸基に対して0.5当量の
イソシアネート基を有する) ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製、コロネートL:3モルのトリレンジイ
ソシアネート(TDI)と1モルのトリメチロールプロパ
ンとを反応させたポリイソシアネートの酢酸エチル溶
液、固形分75%、イソシアネート13%)30.3部(これは
上記アクリルポリオールとアクリルポリオールオリゴマ
ーのすべての水酸基に対して0.5当量のイソシアネート
基を有する) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
実施例2 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40−132、Tg=20℃、重量平均分子量365,000、固形分39
%、固形分100%での水酸基価80)100部 ブロツクイソシアネート(武田薬品工業(株)製、タ
ケネートB870N、固形分60%、イソホロンジイソシアネ
ートのオキシムブロツク体、イソシアネート12.6%)1
1.4部(これは上記アクリルポリオールの水酸基に対し
て0.4当量のイソシアネート基を有する) ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製、コロネートL、固形分75%、イソシ
アネート13%)20.8部(これは上記アクリルポリオール
の水酸基に対して0.6当量のイソシアネート基を有す
る) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
実施例3 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40−133、Tg=0℃、重量平均分子量440,000、固形分41
%、固形分100%での水酸基価80)100部 ブロツクイソシアネート(武田薬品工業(株)製、タ
ケネートB870N、固形分60%、イソホロンジイソシアネ
ートのオキシムブロツク体、イソシアネート12.6%)1
1.4部(これは上記アクリルポリオールの水酸基に対し
て0.4当量のイソシアネート基を有する) ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製、コロネートL、固形分75%、イソシ
アネート13%)20.8部(これは上記アクリルポリオール
の水酸基に対して0.6当量のイソシアネート基を有す
る) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
実施例4 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40−138、Tg=0℃、重量平均分子量約460,000、固形分
27%、固形分100%での水酸基価120)100部 ブロツクイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製、コロネート2513、固形分80%、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートのイソシアヌレートをアセト酢酸エ
チルでブロツクしたもの、イソシアネート10.2%)、3
5.3部(これは上記アクリルポリオールの水酸基に対し
て0.5当量のイソシアネート基を有する) ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製、コロネートEH、固形分100%、ヘキ
サメレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソシ
アネート21.3%)21.1部(これは上記アクリルポリオー
ルの水酸基に対して0.5当量のイソシアネート基を有す
る) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
(B)熱硬化性樹脂液の塗布及び賦形 実施例1〜4で得られた熱硬化性樹脂液を、平板鋼板
上に塗工し、80℃で10分間乾燥して半硬化状態の樹脂層
を形成した。樹脂層の膜厚は70μmであつた。
(C)性能評価 樹脂層で被覆された平板鋼板を、樹脂層が外側に位置
する状態で90°折曲げ加工した。折曲部の曲率半径は5m
mとした。
このとき、樹脂層の傷、ヒビ割れの発生は得られなか
つた。その後、140℃で20分間加熱することにより樹脂
層を充分硬化させて強固な皮膜を有する被覆体を得た。
皮膜の硬度試験をJISK5400に準拠して行つた。その結果
を表1に示す。
比較例1 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
40−147、Tg=40℃、重量平均分子量300,000、固形分30
%、固形分100%での水酸基価120)100部 アクリルポリオールオリゴマー(日本カーバイド
(株)製、ニカライトH870、Tg=−45℃、重量平均分子
量2200〜2500、固形分99.2%、水酸基価200)40部 ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製、コロネートL:3モルのトリレンジイ
ソシアネート(TDI)と1モルのトリメチロールプロパ
ンとを反応させたポリイソシアネートの酢酸エチル溶
液、固形分75%、イソシアネート13%)8.6部(これは
上記アクリルポリオールとアクリルポリオールオリゴマ
ーのすべての水酸基に対して1.0当量のイソシアネート
基を有する) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
比較例2 アクリルポリオール(日本触媒(株)製、アロタン20
60、Tg=40℃、重量平均分子量9,400、固形分60%、固
形分100%での水酸基価80)100部 ブロツクイソシアネート(武田薬品工業(株)製、タ
ケネートB870N、固形分60%、イソシアネート12.6%)
2.9部(これは上記アクリルポリオールの水酸基に対し
て0.1当量のイソシアネート基を有する) ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製コロネートEH、固形分100%、ヘキサ
メチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソシ
アネート21.3%)35.2部(これは上記アクリルポリオー
ルの水酸基に対して0.5当量のイソシアネート基を有す
る) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
比較例3 アクリルポリオール(日本ニカライト工業(株)製、
ニカライトH270、Tg=−19℃、重量平均分子量2,500、
固形分99%、固形分100%での水酸基価200)100部 ブロツクイソシアネート(武田薬品工業(株)製、タ
ケネートN870N、固形分60%、イソシアネート12.6%)3
5.7部(これは上記アクリルポリオールの水酸基に対し
て0.5当量のイソシアネート基を有する) ブロツクされていないイソシアネート(日本ポリウレ
タン工業(株)製コロネートEH、固形分100%、ヘキサ
メチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソシ
アネート21.3%)35.2部(これは上記アクリルポリオー
ルの水酸基に対して0.5当量のイソシアネート基を有す
る) 以上を撹拌しながら混合して熱硬化性樹脂液を得た。
次に、比較例1〜3で得られた熱硬化性樹脂液を実施
例1と同様に平板鋼板上に塗布した後、80℃で10分間乾
燥して厚膜70μmの樹脂層を形成し、実施例1と同様
に、曲げ試験及び鉛筆硬度試験を行つた。その結果を表
2に示す。
(A)熱硬化性樹脂液の混合 実施例5 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸とアクリル酸2−アミノ
エチルとアクリル酸ブチルとの共重合体、Mw=632,00
0、Tg25℃、COOH価40とNH2価40)固形分100部に、ブロ
ツクイソシアネート(武田薬品工業製、タケネートB−
870N、イソホロンジイソシアネートのオキシムブロツク
NCO=12.6%)34部(この架橋剤は上記反応性アクリル
樹脂の官能基に対し、0.9当量のイソシアネート基を有
する)とイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)
製、コロネートL、3モルのトリレンジイソシアネート
と1モルのトリメチロールプロパンとを反応させたポリ
イソシアネート、NCO=13.0%、固形分75%)を固形分
で10部(反応性アクリル樹脂の官能基の0.3当量のイソ
シアネート基を有する)を加え撹拌しながら混合した。
実施例6 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸とアクリル酸2−アミノ
エチル、アクリル酸ブチルとの共重合体、Mw=565,00
0、Tg10℃、COOH価40とNH2価40)を固形分100部に、反
応性アクリルオリゴマー(アクリル酸メチル、メタアク
リル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ブチル、メタ
アクリル酸の共重合体、Mw=4,000、Tg−10℃、OH価10
0、COOH価40)を固形分50部ブロツクイソシアネート
(武田薬品工業製、タケネートB−815N、水添ジフエニ
ルメタンジイソシアネートのケトオキシムブロツクNCO
7.3%)37部(この架橋剤は上記反応性アクリル樹脂と
反応性アクリルオリゴマーとの官能基に対し、0.5当量
のイソシアネート基を有する)とイソシアネート(1に
同じ)を固形分で26部(反応性アクリル樹脂と反応性ア
クリルオリゴマーの官能基の0.4当量のイソシアネート
基を有する)をよく撹拌しながら混合した。
実施例7 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
アクリル酸エチルの共重合体、Mw=650,000、Tg15℃、O
H価40とCOOH価20)を固形分100部に、反応性アクリルオ
リゴマー(2に同じ)を固形分40部、ブロツクイソシア
ネート(2に同じ)27部(この架橋剤は上記反応性アク
リル樹脂と反応性アクリルオリゴマーとの官能基に対
し、0.5当量のイソシアネート基を有する)とイソシア
ネート(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートH
L、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレー
ト、NCO=21.3%、固形分100%)を29部(反応性アクリ
ル樹脂と反応性アクリルオリゴマーの官能基の0.7当量
のイソシアネート基を有する)をよく撹拌しながら混合
した。
実施例8 酢酸エチル300部に、反応性アクリル樹脂(メタアク
リル酸メチルとメタアクリル酸2−ヒドロキシエチルと
アクリル酸とアクリル酸プロピルとの共重合体、Mw=25
0,000、Tg15℃、OH価40とCOOH価40)固形分100部に、反
応性アクリルオリゴマー(アクリル酸メチルとメタアク
リル酸2−アミノエチルとアクリル酸とメタアクリル酸
メチルとの共重合体、Mw=8,000、Tg−10℃、NH260、CO
OH価30)を固形分10部、ブロツクイソシアネート(1に
同じ)55部(この架橋剤は上記反応性アクリル樹脂と反
応性アクリルオリゴマーとの官能基に対し、1.0当量の
イソシアネート基を有する)とイソシアネート(3に同
じ)を固形分で3.1部(反応性アクリル樹脂と反応性ア
クリルオリゴマーの官能基の0.1当量のイソシアネート
基を有する)をよく撹拌しながら混合した。
(B)熱硬化性樹脂液の塗布及び賦形 実施例5〜8で得られた熱硬化性樹脂液を、平板鋼板
上に塗工し、80℃で10分間乾燥して半硬化状態の樹脂層
を形成した。樹脂層の膜厚は70μmであつた。
(C)性能評価 樹脂層で被覆された平板鋼板を、樹脂層が外側に位置
する状態で90°折曲げ加工した。折曲部の曲率半径は5m
mとした。
このとき、樹脂層の傷、ヒビ割れの発生は見られなか
つた。その後、140℃で20分間加熱することにより樹脂
層を充分硬化させて強固な皮膜を有する被覆体を得た。
皮膜を硬度試験をJIS K5400に準拠して行つた。その結
果を表3に示す。
(発明の効果) 本発明の被覆体の製造方法の構成は上記の通りであ
り、被覆体上に塗布・乾燥された樹脂層は、加熱前では
可撓性及び伸び性に優れており、従つて、、賦形の際に
樹脂層に割れ等に発生することなく、所望形状に賦形す
ることができる。また、樹脂層は加熱によつて硬度及び
耐擦傷性に優れた被膜を形成することができ、耐擦傷性
に優れた均一な硬度皮膜を有する被膜体を得ることがで
きる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)重量平均分子量が100,000〜1,000,0
    00であり常温で固体状の反応性アクリル樹脂と、 (b)ブロツクイソシアネートと、 (c)ブロツクされていないイソシアネートとを主成分
    として含有し、 (a)に含まれる官能基に対する(c)に含まれるイソ
    シアネート基の比が0.1〜0.9となるよう(a)と(c)
    との含有割合が設定されている熱硬化性樹脂液を被着体
    に塗布・乾燥して樹脂層を形成し、次いで賦形した後、
    加熱することによつて反応硬化させることを特徴とする
    被覆体の製造方法。
JP1308664A 1989-03-31 1989-11-27 被覆体の製造方法 Expired - Fee Related JP2512571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1308664A JP2512571B2 (ja) 1989-03-31 1989-11-27 被覆体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8330389 1989-03-31
JP1-83303 1989-03-31
JP1308664A JP2512571B2 (ja) 1989-03-31 1989-11-27 被覆体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH038479A JPH038479A (ja) 1991-01-16
JP2512571B2 true JP2512571B2 (ja) 1996-07-03

Family

ID=26424349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1308664A Expired - Fee Related JP2512571B2 (ja) 1989-03-31 1989-11-27 被覆体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2512571B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4982870B2 (ja) * 2005-12-28 2012-07-25 国立大学法人横浜国立大学 伝熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH038479A (ja) 1991-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4104432A (en) Plastic articles having on the surface thereof a protected metal film
JPH0334845A (ja) 硬化性シート
JP2512571B2 (ja) 被覆体の製造方法
US5981652A (en) One-liquid low temperature hardenable type colored enamel paint and clear paint
JPH0715015B2 (ja) 熱硬化性被覆用シートと被覆物
JP3249053B2 (ja) 一液低温硬化型クリヤー塗料
JPH0741629B2 (ja) 被覆体の製造方法
JP4874583B2 (ja) プライマー塗料および塗装品
JP2688105B2 (ja) 熱硬化性被覆用シート
JP2003019462A (ja) 塗膜形成方法及び塗装物品
JPH03155938A (ja) 熱硬化性被覆用シート
JPH02223427A (ja) 被覆体の製造方法
JPH0715014B2 (ja) 熱硬化性被覆用シートと被覆物
JPH02243339A (ja) 熱硬化性被覆用シート
JPH03155939A (ja) 熱硬化性被覆用シート
JP2688092B2 (ja) 熱硬化性被覆用シート
JPS5921334B2 (ja) 表面高硬度化プラスチツク製品
JPH05263026A (ja) めっき素材に適する紫外線硬化型カチオン電着塗料組成物
JPH0335027A (ja) 熱硬化性被覆用シートと被覆物
JPH01294723A (ja) 熱硬化性被覆用シート
JPS6245611A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP3095400B2 (ja) 積層成形品の製造方法
JPH1134248A (ja) 着色兼表面保護シートと表面強度を有する着色成形品の製造方法
JPH0735095B2 (ja) 被覆体の製造方法
JPS61115967A (ja) 塗料用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees