JPH1134248A - 着色兼表面保護シートと表面強度を有する着色成形品の製造方法 - Google Patents

着色兼表面保護シートと表面強度を有する着色成形品の製造方法

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JPH1134248A
JPH1134248A JP21010797A JP21010797A JPH1134248A JP H1134248 A JPH1134248 A JP H1134248A JP 21010797 A JP21010797 A JP 21010797A JP 21010797 A JP21010797 A JP 21010797A JP H1134248 A JPH1134248 A JP H1134248A
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JP
Japan
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colored
resin
protective layer
active energy
molding
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JP21010797A
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English (en)
Inventor
Yuzo Nakamura
祐三 中村
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Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面強度を有する着色成形品を低コストで得
ることができ、かつ成形品表面への接着時に成形品曲面
部においてクラックを発生させない表面強度を有する着
色成形品の製造方法を提供する。 【構成】 着色フィルム基材1の片面に、(メタ)アク
リル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平
均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イソシアネー
トとを有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線
硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなる保護層2
が設けられ、その上に接着層3が設けられたた着色兼表
面保護シート4を用い、成形金型内に挟み込み、キャビ
テイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同
時にその表面に着色兼表面保護シートを接着させた後、
活性エネルギー線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、表面強度を有す
る着色成形品を低コストで得ることができ、かつ成形品
曲面部においてクラックを発生させない着色兼表面保護
シートと表面強度を有する着色成形品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のセンターピラーやテ
ールランプ等の外装部品、ダッシュボード、サイドボー
ド、メータゲージなどの内装部品に使用される表面強度
を有する着色成形品を得る方法としては、着色フィルム
基材の片面に保護層が設けられ、反対面に接着層が設け
られた着色兼表面保護シートを成形金型内に挟み込み、
キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形
品を得るのと同時にその面に着色兼表面保護シートを接
着させるインサート成形法がある。
【0003】着色兼表面保護シートの保護層を構成する
樹脂としては、一般に活性エネルギー線硬化性樹脂が使
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、保護層
として活性エネルギー線硬化性樹脂を用い、着色兼表面
保護シート作製時に活性エネルギー線を照射して活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物を架橋硬化させると、耐薬
品性、耐摩耗性などの表面強度は得られるが、その反
面、保護層が脆くなり、成形品への着色兼表面保護シー
ト接着時に成形品曲面部に位置する保護層にクラックが
発生する。
【0005】そこで、保護層として活性エネルギー線硬
化性樹脂を用いる他の方法として、着色兼表面保護シー
ト作製時に活性エネルギー線を第一段照射して活性エネ
ルギー線硬化性樹脂を半ば架橋硬化させ、成形品表面へ
接着後に再度、活性エネルギー線を第二段照射して活性
エネルギー線硬化性樹脂を完全に架橋硬化させる方法も
提案されている。第一段照射において活性エネルギー線
照射が足りないと、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む
インキに流動性や粘着性が残るため、保護層をタックフ
リーの状態にするには相当量の照射が必要となる。一
方、照射量が過剰であると、接着時に成形品曲面部に位
置する保護層にクラックが発生しやすくなる。上記問題
点が発生しないようにするには、第一段照射の照射量を
調節すればよいが、ラジカル重合は、一般に反応速度が
大であり、活性エネルギー線照射後も暗反応が進むた
め、照射量の抑制が容易でない。また、活性エネルギー
線の光源ランプの劣化により照射条件が不安定になり易
いという不利もある。
【0006】また、広幅の着色兼表面保護シート作製時
に活性エネルギー線を照射する場合、大掛かりな照射装
置を必要とし、コストがかかる。
【0007】したがって、本発明は、以上のような問題
点を取り除き、表面強度を有する着色成形品を低コスト
で得ることができ、かつ成形品表面への接着時に成形品
曲面部においてクラックを発生させない表面強度を有す
る着色成形品の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の着色兼表面保護シートは、着色フィルム基
材の片面に、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、
水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマ
ーと多官能イソシアネートとを有効成分として含有する
熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応
生成物からなる保護層が設けられているように構成し
た。
【0009】上記構成において、ポリマーを、グリシジ
ル(メタ)アクリレート系重合体にα,β−不飽和モノ
カルボン酸を付加反応させた反応生成物とするように構
成した。
【0010】また、上記構成において、グリシジル(メ
タ)アクリレート系重合体を、グリシジル(メタ)アク
リレートの単独重合体、またはグリシジル(メタ)アク
リレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和
単量体からなる共重合体とするように構成した。
【0011】また、上記構成において、保護層が、
【0012】
【化1】
【0013】で示すハイドロキシフェニルベンゾトリア
ゾールまたは
【0014】
【化2】
【0015】で示すハイドロキシフェニル−S−トリア
ジンを紫外線吸収剤として含有するように構成した。
【0016】また、上記構成において、着色フィルム基
材の保護層が設けられた面と反対の面に、接着層が設け
られているように構成した。
【0017】本発明の表面強度を有する着色成形品の製
造方法は、上記の着色兼表面保護シートを用い、成形金
型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、
樹脂成形品を得るのと同時にその表面に着色兼表面保護
シートを接着させた後、活性エネルギー線を照射するよ
うに構成した。
【0018】また、本発明の表面強度を有する着色成形
品の製造方法は、上記の着色兼表面保護シートのうち接
着層を有するものを用い、成形品表面に配置し、着色フ
ィルム基材を加熱して軟化させ、下方より真空吸引する
ことにより成形品表面に着色兼表面保護シートを接着さ
せた後、活性エネルギー線を照射するように構成した。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の表面強度を有する着色成形品の製造方法について詳細
に説明する。図1は本発明に係る着色兼表面保護シート
の一実施例を示す断面図、図2は本発明に係る表面強度
を有する着色成形品の製造工程の一実施例を示す断面
図、図3は本発明に係る表面強度を有する着色成形品の
製造工程の他の実施例を示す断面図である。図中、1は
着色フィルム基材、2は保護層、3は接着層、4は着色
兼表面保護シート、5は成形品、6はヒーター、7は真
空吸引、8は可動型、9は固定型、10は溶融樹脂をそ
れぞれ示す。
【0020】まず、本発明で使用する着色兼表面保護シ
ート4について説明する。
【0021】着色兼表面保護シート4は、着色フィルム
基材1の片面に(メタ)アクリル当量100〜300g/e
q、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポ
リマーと多官能イソシアネートとを有効成分として含有
する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋
反応生成物からなる保護層2が設けられ、反対面に接着
層3が設けられたものである。
【0022】着色フィルム基材1としては、アクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウ
レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂シートか
らなり適切な色の顔料または染料を着色剤として含有す
るものを使用することができる。なお、着色フィルム基
材1の種類に因りそのままでは保護層2が密着しにくい
場合には、着色フィルム基材1の保護層2を形成する面
にコロナ処理を施すとよい。
【0023】保護層2は、薬品や摩擦から成形品5や絵
柄層を保護するための層である。保護層2のポリマー
は、活性エネルギー線照射前後の保護層2の物理的・化
学的要求性能を考慮して、特定の配合量とされる。すな
わち、活性エネルギー線照射時の硬化性の点から、(メ
タ)アクリル当量100〜300g/eq、好ましくは150〜3
00g/eqとされる。(メタ)アクリル当量が300g/
eqよりも大きい場合は、活性エネルギー線照射後の耐
摩耗性が不十分であり、また100g/eq未満のものは
得ることが難しい。また、併用する多官能イソシアネー
トとの反応性の点から、ポリマーの水酸基価は20〜50
0、好ましくは100〜300とされる。水酸基価が20未満の
場合には、多官能イソシアネートとの反応が不十分であ
り、活性エネルギー線照射前の保護層2の架橋度が低
い。そのため粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足した
りすることにより、着色兼表面保護シート4を巻き取る
ことが難しくなり、鮮明な絵柄が得られないなどの不利
がある。また、水酸基価が500を越えるものは得ること
が難しい。ポリマーの重量平均分子量は、5000〜5000
0、好ましくは8000〜40000である。ポリマーの重量平均
分子量が5000未満では活性エネルギー線照射前の保護層
2の粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足するため、や
はり着色兼表面保護シート4を巻き取ることが難しくな
る。また、50000を越える場合には樹脂粘度が高くなり
過ぎ、インキの塗布作業性が低下する。
【0024】ポリマーの製造方法としては、特に限定は
なく、従来公知の方法を採用できる。例えば、[1]水
酸基を含有する重合体の側鎖の一部に(メタ)アクリロ
イル基を導入する方法、[2]カルボキシル基を含有す
る共重合体に水酸基を含有するα,β−不飽和単量体を
縮合反応させる方法、[3]カルボキシル基を含有する
共重合体にエポキシ基を含有するα,β−不飽和単量体
を付加反応させる方法、[4]エポキシ基含有重合体に
α,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法などがあ
る。
【0025】方法[4]を例にとり、本発明で用いるポ
リマーの製造方法をより具体的に説明する。例えば、グ
リシジル基を有するポリマーにアクリル酸などのα,β
−不飽和カルボン酸を反応させる方法により本発明で用
いるポリマーを容易に得ることができる。グリシジル基
を有するポリマーとして好ましいのは、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレートの共重合体、およびグリシジ
ル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しない
α,β−不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。こ
のカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体と
しては、各種の(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが例示できる。
カルボキシル基を含有するα,β−不飽和単量体を用い
ると、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合反応
時に架橋が生じ、高粘度化やゲル化するため、好ましく
ない。
【0026】いずれにしろ、前記[1]〜[4]の各方法
を採用する際、ポリマーに関わる前記数値限定範囲を満
足するよう、適宜に使用単量体や重合体の種類、これら
の使用量などの条件設定を適宜行う必要がある。かかる
操作は当事者に周知である。
【0027】本発明においてポリマーと併用する多官能
イソシアネートとしては、格別の限定はなく、公知各種
を使用できる。たとえば、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニー
ルメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサンジイソシアネ
ート、上記の3量体、多価アルコールと上記ジイソシア
ネートを反応させたプレポリマーなどを用いることがで
きる。本発明で、多官能イソシアネートをポリマーと併
用する理由は、活性エネルギー線照射前の保護層2の粘
着性を低く保つことにある。すなわち、ポリマーに含有
される水酸基と、多官能イソシアネートのイソシアネー
ト基とを反応させ、軽度の熱架橋物を形成させて、上記
性能を付与せんとするものである。
【0028】ポリマーと多官能イソシアネートの使用割
合は、ポリマー中の水酸基数とイソシアネート基数との
割合が1/0.01〜1/1、好ましくは1/0.05〜1/0.
8となるように決定される。
【0029】また、保護層2に用いる熱及び活性エネル
ギー線硬化性樹脂組成物は、ポリマーおよび多官能イソ
シアネート以外に、必要に応じて以下のような成分を含
有することができる。すなわち、反応性希釈モノマー、
溶剤、着色剤などである。また、活性エネルギー線照射
に際して電子線を用いる場合には、光重合開始剤を用い
ることなく充分架橋硬化を発揮することができるが、紫
外線を用いる場合には、公知各種の光重合開始剤を添加
する必要がある。
【0030】保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線
硬化性樹脂組成物には、必要に応じて滑剤を含有させて
もよい。保護層2の表面が粗面化されるので、シートと
して巻きやすくなり、ブロッキングが生じ難くなるため
である。また、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増すこ
とができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワッ
クス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワ
ックス等のワックス類、シリコーン系、フッ素系等の合
成樹脂類を用いうる。滑剤は、0.5〜15重量%、好まし
くは1〜6重量%の量で含有させる。滑剤の量が0.5重
量%を下回るとブロッキングの防止や摩擦引っ掻き抵抗
の効果が少なくなり、15重量%を上回ると保護層2の透
明性が極端に悪くなる。
【0031】保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線
硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基と水酸基とイ
ソシアネート基とを含む。この熱及び活性エネルギー線
硬化性樹脂組成物を加熱すると水酸基とイソシアネート
基とが反応し、樹脂が架橋される。また、この熱及び活
性エネルギー線硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線に
露出するとエチレン性不飽和基が重合し、樹脂が架橋さ
れる。つまり、保護層2に用いる熱及び活性エネルギー
線硬化性樹脂組成物は、熱および活性エネルギー線の両
方により架橋される。
【0032】保護層2の形成方法としては、グラビアコ
ート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコー
ト法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷
法などの印刷法がある。一般に、保護層2は0.5〜30μ
m、好ましくは1〜6μmの厚さに形成する。保護層2
の厚さが0.5μmを下回ると耐摩耗性、耐薬品性が弱
く、30μmを上回るとコスト高となる。
【0033】以上のようにして形成された保護層2を加
熱することにより、保護層2は熱及び活性エネルギー線
硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物となる。この熱架
橋反応生成物はタックフリーの状態にあるため、保護層
2上に他の層を刷り重ねたり着色兼表面保護シートを巻
き取ったりすることが容易になる。この加熱しただけの
段階では、熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に
含まれるエチレン性不飽和基は架橋されていないので、
樹脂は完全に架橋硬化していない。状態換言すれば半ば
架橋硬化の状態となる。したがって、保護層2は成形品
の曲面に適応でき、クラックを生じない程度の可撓性を
有する。加熱による架橋反応は、活性エネルギー線照射
による架橋反応に比して制御が容易である。したがっ
て、保護層2を架橋させる程度は、用いる熱及び活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物の種類、及び成形品の曲率
等に応じて適宜定めうる。
【0034】接着層3は、成形品5表面に上記の各層を
接着するものである。接着層3としては、成形品5の素
材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用す
る。たとえば、成形品5の材質がポリアクリル系樹脂の
場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形
品5の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹
脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹
脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さら
に、成形品5の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩
素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用
可能である。接着層3の形成方法としては、グラビアコ
ート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート
法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法が
ある。
【0035】なお、着色兼表面保護シート4の構成は、
上記した態様に限定されるものではなく、たとえば、着
色フィルム基材1と保護層2との間に絵柄層を設けても
よい。また、着色フィルム基材1が有色透明な場合に
は、着色フィルム基材1と接着層3との間に絵柄層を設
けてもよい。絵柄層は、通常は印刷層として形成する。
印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、
アルキッド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色
の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを
用いるとよい。絵柄層の形成方法としては、オフセット
印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常
の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表
現を行なうには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が
適している。また、絵柄層は、金属蒸着層からなるも
の、あるいは印刷層と金属蒸着層との組合せからなるも
のでもよい。
【0036】また、成形品に転写した後の保護層2に耐
光性を付与するために、紫外線吸収剤を保護層に含有さ
せてもよい。ただし、この場合、熱及び活性エネルギー
線硬化性樹脂組成物に適した紫外線吸収剤を保護層2に
含有させないと、充分な紫外線吸収効果が得られない。
それどころか紫外線吸収剤を含有させたことにより保護
層2の耐摩耗性や透明性の維持さえできなくなる。好ま
しい紫外線吸収剤としては、
【0037】
【化1】
【0038】で示すハイドロキシフェニルベンゾトリア
ゾールまたは
【0039】
【化2】
【0040】で示すハイドロキシフェニル−S−トリア
ジンがある。これらの紫外線吸収剤は、本発明の熱及び
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に適したものである
ので、従来の紫外線吸収剤を本発明に用いる熱及び活性
エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させた場合に比べ
紫外線吸収効果(耐光性)に優れている。また、この熱
及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との相溶性に優
れているため、保護層2の耐摩耗性や透明性を維持した
まま多量に含有させうる。紫外線吸収剤は、5〜30重
量%、好ましくは8〜20重量%で含有させる。紫外線
吸収剤の量が5重量%を下回ると保護層の耐光性が不十
分となり、30重量%を上回ると(1)保護層2の透明
性を阻害したり、(2)流動性の低下によりコート適性
が悪くなったり、(3)コート時に保護層2の表面強度
が低下したりする。
【0041】また、保護層2に用いる熱及び活性エネル
ギー線硬化性樹脂組成物には、紫外線吸収剤と共に光安
定剤を含有させることが好ましい。成形品に転写した後
の保護層2の耐光性が更に向上するからである。光安定
剤としては、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレー
ト系、アミン系等を用いうる。光安定剤は、0.2〜5重
量%、好ましくは0.5〜2重量%で含有させる。光安定
剤の量が0.2重量%を下回ると保護層の耐光性が不十分
となり、5重量%を上回ると(1)保護層の透明性を阻
害したり、(2)流動性の低下によりコート適性が悪く
なったり、(3)コート時に保護層の表面強度が低下し
たりする。好ましい光安定剤は、ヒンダーアミン系のも
のである。具体的には、チバガイギー社製の「チヌビン
292」、「チヌビン123」及び「チヌビン144」
等を用いうる。
【0042】また、各層間に、アンカー層を設けてもよ
い。アンカー層は、各層間の密着性を高めたり、薬品か
ら成形品5や絵柄層を保護するための樹脂層であり、た
とえば、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系やエポキ
シ系などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂など
の熱可塑性樹脂を用いることができる。アンカー層の形
成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、
コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスク
リーン印刷法などの印刷法がある。
【0043】次に、前記した着色兼表面保護シート4を
用いて成形品5表面に色、耐摩耗性および耐薬品性を付
与する方法について説明する(図2参照)。まず、着色
兼表面保護シートを、接着層3側を下にして成形品5表
面に配置する。次に、ヒーター6などにより着色フィル
ム基材1を加熱して軟化させた後、下方より真空吸引7
する。こうすることにより、接着層3が成形品5表面に
接着される。最後に、活性エネルギー線を照射すること
により保護層2を完全に架橋硬化させる。なお、下方よ
り真空吸引7するともに、上方より加圧してもよい。着
色兼表面保護シート4への加圧は、流体などにより直
接、あるいは可撓性シートを介して行なう。
【0044】活性エネルギー線としては、電子線、紫外
線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、熱及
び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められ
る。
【0045】成形品5としては、材質を限定されること
はないが、特に樹脂成形品5、木工製品もしくはこれら
の複合製品などを挙げることができる。樹脂としては、
ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹
脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることが
できる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチ
レン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホ
ン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェ
ニレンオキシド系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル
樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニア
リング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊
維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使
用できる。
【0046】次に、前記した着色兼表面保護シート4を
用い、射出成形によるインサート成形法を利用して樹脂
成形品5表面に色、耐摩耗性および耐薬品性を付与する
方法について説明する(図3参照)。まず、可動型8と
固定型9とからなる成形用金型内に、保護層2が固定型
9に接するように、着色兼表面保護シート4を送り込
む。この際、枚葉の着色兼表面保護シート4を1枚づつ
送り込んでもよいし、長尺の着色兼表面保護シート4の
必要部分を間欠的に送り込んでもよい。成形用金型を閉
じた後、可動型8に設けたゲートより溶融樹脂10を金
型内に射出充満させ、成形品5を形成するのと同時にそ
の面に着色兼表面保護シート4を接着させる。樹脂成形
品5を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品5を
取り出す。最後に、活性エネルギー線を照射することに
より保護層2を完全に架橋硬化させる。
【0047】なお、着色フィルム基材1が成形品5に対
して充分接着性を有する場合、たとえばインサート成形
法において着色フィルム基材1と成形樹脂が同じ材質の
場合には、接着層3を設けなくてもよい。
【0048】
【実施例】以下の実施例および比較例をあげて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、以下、部および%は重量
基準である。
【0049】実施例1 着色フィルム基材として黒色の着色剤(カーボンブラッ
ク)を含有した厚さ125μmのポリカーボネート樹脂
フィルムを用い、着色フィルム基材の片面にコロナ処理
を施した後、その上に下記ワニスA200部(固形分100
部)、1,6-ヘキサンジイソシアネート3量体(商品名コ
ロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社製)5部
および光重合開始剤(商品名イルガキュアー184、チ
バガイギー社製)5部を配合した保護層をリップコート
法にて印刷形成した。保護層の厚さは5μmとした。1
30℃で30秒間加熱することにより保護層を半ば架橋
硬化させて着色兼表面保護シートを得た。
【0050】なお、ワニスAは、以下のようにして得
た。まず、撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導
入管を備えた反応装置に、グリシジルメタアクリレート
(以下、GMAという)175部、メチルメタクリレート
(以下、MMAという)75部、ラウリルメルカプタン1.
3部、酢酸ブチル1000部および2,2'−アゾビスイソブチ
ロニトリル(以下、AIBNという)7.5部を仕込んだ
後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約90℃にな
るまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめG
MA525部、MMA225部、ラウリルメルカプタン3.7部
およびAIBN22.5部からなる混合液を仕込んだ滴下ロ
ートより、窒素気流下に混合液を約2時間を要して系内
に滴下し、3時間同温度に保温後、AIBN10部を仕込
み、1時間保温した。その後、120℃に昇温し、2時間
保温した。60℃まで冷却後、窒素導入管を空気導入管に
つけ替え、アクリル酸(以下、AAという)355部、メ
トキノン2.0部およびトリフェニルフォスフィン5.4部を
仕込み混合した後、空気バブリング下にて、110℃まで
昇温した。同温度にて8時間保温後、メトキノン1.4部
を仕込み、冷却して、不揮発分が50%となるよう酢酸エ
チルを加え、ワニスAを得た。ワニスAに含まれるポリ
マーは、アクリル当量270g/eq、水酸基価204、重量
平均分子量18000(GPCによるスチレン換算による)
であった。
【0051】この着色兼表面保護シートを用いインサー
ト成形法を利用して成形品の表面に接着した後、紫外線
を照射した。なお、成形条件は、樹脂温度220℃、金型
温度55℃、樹脂圧力約300kg/cm2とした。成形品は、材
質をポリカーボネート樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち
上がり4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状に成形し
た。照射条件は、120w/cm、1灯、ランプ高さ10c
m、照射時間は6秒とした。
【0052】実施例2 着色フィルム基材としてオレンジ蛍光色の着色剤(BA
SF社製 ルモゲン#240)を含有した厚さ125μ
mのアクリル樹脂フィルムを用い、着色フィルム基材の
片面に、絵柄層としてアクリル系インキ、接着層として
アクリル樹脂をグラビア印刷法にて順次印刷形成し、反
対面に前記ワニスA200部(固形分100部)、1,6-ヘキサ
ンジイソシアネート3量体(商品名コロネートHX、日
本ポリウレタン工業株式会社製)10部および光重合開
始剤(商品名イルガキュアー184、チバガイギー社
製)5部を配合した保護層をグラビアコート法にて形成
した。保護層の厚さは3μmとした。80℃で30秒間
加熱することにより保護層を半ば架橋硬化させて着色兼
表面保護シートを得た。
【0053】この着色兼表面保護シートを用い、実施例
1と同様にインサート成形法を利用して成形品の表面に
接着した後、紫外線を照射した。
【0054】実施例3 実施例1のワニスAに代えて、ワニスBを用いた外は実
施例1と同様に実施した。ワニスBは、初期仕込みでの
単量体使用量をGMA250部、後仕込みでの単量体使用
量をGMA750部に変え、AAの使用量を507部に変化さ
せた。ワニスBに含まれるポリマーは、アクリル当量21
4g/eq、水酸基価262、重量平均分子量20000であっ
た。
【0055】比較例A−1 シリコン系樹脂(東芝シリコーン株式会社製「TPR6
701」)を配合した保護層をグラビア印刷法にて形成
した後、着色兼表面保護シート作製時に加熱により保護
層を完全に架橋硬化させたこと、インサート成形後に紫
外線を照射しないことの外は実施例1と同様に実施し
た。
【0056】比較例A−2 重合性二重結合を有するウレタンアクリレートと反応性
希釈剤および光重合開始剤を配合した保護層をグラビア
印刷法にて形成した後、着色兼表面保護シート作製時に
紫外線照射により保護層を完全に架橋硬化させたこと、
インサート成形後に紫外線を照射しないことの外は実施
例1と同様に実施した。着色兼表面保護シート作製時の
照射条件は、120w/cm、2灯、ランプ高さ5cm、ベ
ルトスピード20m/minとした。
【0057】比較例A−3 重合性二重結合を有するウレタンアクリレートと熱可塑
性アクリル樹脂および光重合開始剤を配合した保護層を
グラビア印刷法にて形成した後、着色兼表面保護シート
作製時に紫外線を第一段照射して熱及び活性エネルギー
線硬化性樹脂を半ば架橋硬化させ、インサート成形後に
再度、紫外線を第二段照射して熱及び活性エネルギー線
硬化性樹脂を完全に架橋硬化させる外は実施例1と同様
に実施した。着色兼表面保護シート作製時の照射条件
は、120w/cm、1灯、ランプ高さ10cm、ベルトスピ
ード50m/minとした。
【0058】比較例B 実施例のワニスAやワニスBに代えて、ワニスCを用い
た外は実施例1と同様に実施した。ワニスCは、初期仕
込みでの単量体使用量を、GMA125部、MMA125部、
後仕込みでの単量体使用量をGMA375部、MMA375部
に変え、AAの使用量を254部に変化させた。ワニスC
に含まれるポリマーは、アクリル当量355g/eq、水
酸基価158、重量平均分子量17000であった。
【0059】性能評価 上記着色兼表面保護シートを用いた実施例1〜3および
比較例A1〜3、比較例Bについて、それぞれクラック
の有無、耐薬品性、耐摩耗性の性能評価を行なった(表
1)。
【0060】クラックの有無は、成形品曲面の状態を観
察し、目視判定により、○発生なし、△やや発生、×か
なり発生のいずれかで評価した。
【0061】耐薬品性は、ガーゼにメタノールを含浸さ
せ、50往復擦った後の表面の状態を観察し、目視判定
により、◎全く発生なし、○ほとんど発生なし、△やや
発生、×かなり発生のいずれかで評価した。
【0062】耐摩耗性は、1cm角の#000スチール
ウールに荷重(100g、300g)をかけ、可動距離2c
m、2往復/秒で、200往復後の表面の傷つき程度を
観察し、目視判定により、◎極めて良好、○良好、△や
や不良、×不良のいずれかで評価した。
【0063】
【表1】
【0064】表1の評価結果から、次のことが明らかで
ある。最外層にアクリル当量100〜300g/eq、水酸基
価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多
官能イソシアネートとを有効成分として含有する熱及び
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物
からなる保護層を有する実施例1〜3は、耐摩耗性およ
び耐薬品性に優れ、成形品曲面部においてクラックが発
生していない。これに対して、比較例A1はクラック、
耐摩耗性、耐薬品性のいずれも満足すべき結果が得られ
ず、比較例A2は耐摩耗性、耐薬品性で優れていてもク
ラックが多く発生し、比較例A3はクラックが発生しな
いが耐摩耗性、耐薬品性で劣るものであった。また、実
施例1〜3と同じく熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物の熱架橋反応生成物からなる保護層を有する比較
例Bも、熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含
有されるポリマーのアクリル当量が特定範囲を超えてい
るため、耐摩耗性が劣っている。
【0065】実施例4 着色フィルム基材として黒色の着色剤(カーボンブラッ
ク)を含有した厚さ125μmのポリカーボネート樹脂
フィルムを用い、着色フィルム基材の片面に実施例3の
ワニスB200部(固形分100部)、1,6-ヘキサンジイソシ
アネート3量体(商品名コロネートHX、日本ポリウレ
タン工業株式会社製)10部および光重合開始剤(商品
名イルガキュアー184、チバガイギー社製)5部に下
記の紫外線吸収剤a8部、光安定剤2部を配合した保護
層をリップコート法にて順次形成した。保護層の厚さは
5μmとした。130℃で30秒間加熱することにより
保護層を半ば架橋硬化させて着色兼表面保護シートを得
た。
【0066】紫外線吸収剤aは、次の化学式で表わされ
るハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールである。
【0067】
【化1】
【0068】この着色兼表面保護シートを用い、実施例
2と同様にインサート成形法を利用して成形品の表面に
接着した後、紫外線を照射した。
【0069】実施例5 実施例4の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤
bを用いた以外は実施例4と同様にして、成形品を作製
した。
【0070】紫外線吸収剤bは、次の化学式で示される
ハイドロキシフェニル−S−トリアジンである。
【0071】
【化2】
【0072】比較例C−1 実施例4の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤
c:2-(2′-ヒドロキシ-5′-メタクリロキシエチルフ
ェニル)-2H-ベンソトリアゾールを用いた以外は実施
例4と同様にして、成形品を作製した。
【0073】比較例C−2 実施例4の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤
d:エタンジアミド-N-92-エトキシフェニル)-N′-
(4-イソドデシルフェニル)-(オキサリックアニリ
ド)を用いた以外は実施例4と同様にして、成形品を作
製した。
【0074】比較例C−3 実施例4の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤
e:2,2′,4,4′-テトラヒドロキシベンゾフェノン
を用いた以外は実施例4と同様にして、成形品を作製し
た。
【0075】比較例D 紫外線吸収剤を全く用いない以外は実施例4と同様にし
て、成形品を作製した。
【0076】性能評価 上記着色兼表面保護シートを用いた実施例4、5及び比
較例C−1〜3、Dについて、紫外線吸収剤の含有に係
る耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性の性能評価を
行なった(表2参照)。
【0077】耐黄変性(耐光性)は、分光式色差計 S
Z−Σ80(日本電色工業株式会社製)にて耐光性試験
前後のL、a、b値をそれぞれ測定し、試験前後のΔ
L、Δa、Δbより色差ΔE=√(ΔL2+Δa2+Δb
2)を求めた。
【0078】耐光性試験条件 機種 アイスーパーUVテスター(岩崎電機製) 紫外線強度 100mw/cm2 雰囲気温度 75℃ 時間 80時間
【0079】耐摩耗性は、1cm角の#000のスチー
ルウールに荷重300gをかけ、距離2cm、2往復/
秒で、200往復後の表面の傷つき程度を観察し、目視
判定により、◎極めて良好、○良好、△やや不良、×不
良のいずれかで評価した。
【0080】透明性は、同じ割合で紫外線吸収剤を添加
したときの保護層の透明程度を観察し、目視判定によ
り、○透明、△やや濁りあり、×かなり濁りありのいず
れかで評価した。
【0081】
【表2】
【0082】表2の評価結果から、次のことが明らかで
ある。すなわち、紫外線吸収剤aを保護層中に含有する
実施例4や紫外線吸収剤bを保護層中に含有する実施例
5は、耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性のすべて
において優れている。これに対して、比較例C1〜3は
耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性のいずれも満足
すべき結果が得られず、比較例Dは耐摩耗性で優れてい
ても耐黄変性(耐光性)で劣るものであった。
【0083】
【発明の効果】本発明の表面強度を有する着色成形品の
製造方法は、使用する着色兼表面保護シートの保護層
が、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価
20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官
能イソシアネートとを有効成分として含有する熱及び活
性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物か
らなり、成形品の表面に形成されたこの保護層が活性エ
ネルギー線照射により架橋硬化されるので、表面強度を
有する着色成形品を得ることができ、かつ成形品曲面部
においてクラックを発生させない。また、着色兼表面保
護シート作製時に加熱により保護層を半ば架橋硬化させ
るため、活性エネルギー線照射に際し巨大な活性エネル
ギー線照射装置が不要であり、低コストで済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る着色兼表面保護シートの一実施例
を示す断面図である。
【図2】本発明に係る表面強度を有する着色成形品の製
造工程の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る表面強度を有する着色成形品の製
造工程の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 着色フィルム基材 2 保護層 3 接着層 4 着色兼表面保護シート 5 成形品 6 ヒーター 7 真空吸引 8 可動型 9 固定型 10 溶融樹脂

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色フィルム基材の片面に、(メタ)ア
    クリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量
    平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イソシアネ
    ートとを有効成分として含有する熱及び活性エネルギー
    線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなる保護層
    が設けられていることを特徴とする着色兼表面保護シー
    ト。
  2. 【請求項2】 ポリマーが、グリシジル(メタ)アクリ
    レート系重合体にα,β−不飽和モノカルボン酸を付加
    反応させた反応生成物である請求項1記載の着色兼表面
    保護シート。
  3. 【請求項3】 グリシジル(メタ)アクリレート系重合
    体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、
    またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル
    基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体
    である請求項2記載の着色兼表面保護シート。
  4. 【請求項4】 保護層が、 【化1】 で示すハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたは 【化2】 で示すハイドロキシフェニル−S−トリアジンを紫外線
    吸収剤として含有する請求項1〜3のいずれかに記載の
    着色兼表面保護シート。
  5. 【請求項5】 着色フィルム基材の保護層が設けられた
    面と反対の面に、接着層が設けられている請求項1〜4
    のいずれかに記載の着色兼表面保護シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の着色兼表面保護シー
    トを用い、成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂
    を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面
    に着色兼表面保護シートを接着させた後、活性エネルギ
    ー線を照射することを特徴とする表面強度を有する着色
    成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の着色兼表面保護シートを
    用い、成形品表面に配置し、着色フィルム基材を加熱し
    て軟化させ、下方より真空吸引することにより成形品表
    面に着色兼表面保護シートを接着させた後、活性エネル
    ギー線を照射することを特徴とする表面強度を有する着
    色成形品の製造方法。
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Cited By (4)

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