JP3936772B2 - 転写材、表面保護シートおよびこれらを用いた耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法 - Google Patents

転写材、表面保護シートおよびこれらを用いた耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品を低コストで得ることができ、かつ成形品曲面部においてクラックを発生させない転写材、表面保護シートおよびこれらを用いた耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品を製造する方法としては、離型性を有する基体シート上に保護層が形成された転写材を成形品表面に接着させ、基体シートを剥離する方法、及び離型性を有しない基体シートの片面に保護層が設けられ反対面に少なくとも接着層が設けられた表面保護シートを成形品表面に接着させる方法等がある。
【0003】
かかる転写材及び表面保護シートのようなシート材に用いる保護層には、一般に熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂が使用されており、また耐光性を付与するために紫外線吸収剤が含有されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、保護層として熱硬化性樹脂を用い、シート材作製時に加熱して熱硬化性樹脂を架橋硬化させる場合には、成形品表面の耐薬品性、耐磨耗性が一般的に劣る。
【0005】
一方、保護層として活性エネルギー線硬化性樹脂を用い、シート材作製時に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性樹脂を架橋硬化させた場合には、樹脂の架橋密度を高めることにより耐薬品性、耐磨耗性を改良できるが、その反面、保護層が脆くなり、シート材の接着時に成形品曲面部に位置する保護層にクラックが発生する。
【0006】
そこで、保護層として活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる他の方法として、シート材作製時に活性エネルギー線を第一段照射して活性エネルギー線硬化性樹脂を半ば架橋硬化させ、シート材の接着後に再度、活性エネルギー線を第二段照射して活性エネルギー線硬化性樹脂を完全に架橋硬化させる方法も提案されている。ただ、この方法では、第一段照射において活性エネルギー線照射が足りないと、シート材の保護層表面に流動性や粘着性が残る。その結果、シート材の取り扱いが不便となる。一方、照射量が過剰であると、シート材の接着時に成形品曲面部に位置する保護層にクラックが発生しやすくなる。上記問題点が発生しないようにするには、第一段照射の照射量を調節すればよいが、ラジカル重合は、一般に反応速度が大であり、活性エネルギー線照射後も暗反応が進むため、照射量の抑制が容易でない。また、活性エネルギー線の光源ランプの劣化により照射条件が不安定になり易いという不利もある。
【0007】
また、広幅のシート材作製時に活性エネルギー線を照射するとなると、大掛かりな照射装置を必要とし、コストがかかる。
【0008】
さらに、以上のような問題点を取り除くことのできる保護層に用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られたとして、その熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に適した紫外線吸収剤を保護層に含有させないと、充分な紫外線吸収効果が得られない。それどころか紫外線吸収剤を含有させたことにより保護層の耐摩耗性や透明性の維持さえできなくなる。
【0009】
したがって、本発明は、耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品を低コストで得ることができ、かつ接着時に成形品曲面部においてクラックを発生させない転写材および表面保護シートを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の転写材は、離型性を有する基体シートの片面に
(a)(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと
(b)多官能イソシアネートと
(c)紫外線吸収剤として、式
【0011】
【化5】
Figure 0003936772
【0012】
で示すハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたは
【0013】
【化6】
Figure 0003936772
【0014】
で示すハイドロキシフェニル−S−トリアジンとを;
有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、加熱して半ば架橋硬化させた、熱架橋反応生成物からなる保護層が設けられているように構成した。
【0015】
また、上記転写材の構成において、ポリマーを、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体にα,β−不飽和モノカルボン酸を付加反応させた反応生成物であるように構成した。
【0016】
また、上記転写材の構成において、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体を、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体であるように構成した。
【0017】
また、上記転写材の構成において、保護層の上に絵柄層および接着層を順次設けるように構成した。
【0018】
本発明の耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法は、上記転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経るように構成した。
【0019】
また、本発明の耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法は、上記転写材を成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に転写材を接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経るように構成した。
【0020】
本発明の表面保護シートは、離型性を有しない基体シートの片面に、
(a)(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと
(b)多官能イソシアネートと
(c)紫外線吸収剤として、上記式(I)で示すハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたは上記式( II で示すハイドロキシフェニル−S−トリアジンとを;
有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、加熱して半ば架橋硬化させた、熱架橋反応生成物からなる保護層が設けられ、その反対面に接着層が設けられているように構成した。
【0021】
また、上記表面保護シートの構成において、ポリマーを、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体にα,β−不飽和モノカルボン酸を付加反応させた反応生成物であるように構成した。
【0022】
また、上記表面保護シートの構成において、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体を、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体であるように構成した。
【0023】
また、上記表面保護シートの構成において、基体シートと接着層との間に絵柄層を設けるように構成した。
【0024】
また、本発明の耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法は、上記表面保護シートを成形品表面に配置し、基体シートを加熱して軟化させ、下方より真空吸引することにより成形品表面に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線を照射する工程を経るように構成した。
【0025】
また、本発明の耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法は、上記表面保護シートを成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線を照射する工程を経るように構成した。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。図1は本発明に係る転写材の一実施例を示す模式断面図、図2は本発明に係る転写材の他の実施例を示す模式断面図、図3は本発明に係る転写材を用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式図、図4は本発明に係る転写材を用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を示す模式図、図5は本発明に係る表面保護シートの一実施例を示す模式断面図、図6は本発明に係る表面保護シートの他の実施例を示す模式断面図、図7は本発明に係る表面保護シートを用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式図、図8は本発明に係る表面保護シートを用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を示す模式図である。図中、1は基体シート、2は保護層、3は絵柄層、4は接着層、5は転写層、6は転写材、7は成形品、8は耐熱ゴム状弾性体、9は可動型、10は固定型、11は溶融樹脂、12は表面保護シート、13はヒーター、14は真空吸引をそれぞれ示す。
【0027】
まず、本発明の転写材6について説明する(図1参照)。
【0028】
離型性を有する基体シート1としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シートの複合体など、通常の転写材6の基体シートとして用いられるものを使用することができる。
【0029】
基体シート1からの転写層5の剥離性が良い場合には、基体シート1上に転写層5を直接設ければよい。基体シート1からの転写層5の剥離性を改善するためには、基体シート1上に転写層5を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい。一般に、離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シート1を剥離した際に、基体シート1とともに転写層5から離型する。離型層の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法、リップコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0030】
保護層2は、転写後または成形同時転写後に基体シート1を剥離した際に基体シート1または離型層から剥離して転写物の最外層となり、光や薬品、摩擦から成形品7や絵柄層3を保護するための層である。この保護層2を形成するには、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イソシアネートとを有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に上記式(I)で示すハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたは上記式( II で示すハイドロキシフェニル−S−トリアジンを紫外線吸収剤として含有させたものを用いる。
【0031】
保護層2のポリマーは、活性エネルギー線照射前後の保護層2の物理的・化学的要求性能を考慮して、特定の配合量とされる。すなわち、活性エネルギー線照射時の硬化性の点から、(メタ)アクリル当量は100〜300g/eq、好ましくは150〜300g/eqとされる。(メタ)アクリル当量が300g/eqよりも大きい場合は、活性エネルギー線照射後の耐磨耗性が不十分であり、また100g/eq未満のものは得るのが難しい。また、併用する多官能イソシアネートとの反応性の点から、ポリマーの水酸基価は20〜500、好ましくは100〜300とされる。水酸基価が20未満の場合には、多官能イソシアネートとの反応が不十分であり、転写材6の保護層2の熱架橋度が低い。そのため粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足したりすることにより、保護層2上に他の層を刷り重ねたり転写材6を巻き取ったりすることが難しくなるなどの不利がある。また、水酸基価が500を越えるものは得ることが難しい。ポリマーの重量平均分子量は、5000〜50000、好ましくは8000〜40000である。ポリマーの重量平均分子量が5000未満では転写材6の保護層2の粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足したりするため、やはり転写材6を刷り重ねたり巻き取ったりすることが難しくなり、鮮明な絵柄が得られないなどの不利がある。また、50000を越える場合には樹脂粘度が高くなり過ぎ、インキの塗布作業性が低下する。
【0032】
ポリマーの製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用できる。例えば、[1]水酸基を含有する重合体の側鎖の一部に(メタ)アクリロイル基を導入する方法、[2]カルボキシル基を含有する共重合体に水酸基を含有するα,β−不飽和単量体を縮合反応させる方法、[3]カルボキシル基を含有する共重合体にエポキシ基を含有するα,β−不飽和単量体を付加反応させる方法、[4]エポキシ基含有重合体にα,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法などがある。
【0033】
方法[4]を例にとり、本発明で用いるポリマーの製造方法をより具体的に説明する。例えば、グリシジル基を有するポリマーにアクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法により本発明で用いるポリマーを容易に得ることができる。グリシジル基を有するポリマーとして好ましいのは、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体である。グリシジル(メタ)アクリレート系重合体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、およびグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。このカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体としては、各種の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが例示できる。カルボキシル基を含有するα,β−不飽和単量体を用いると、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合反応時に架橋が生じ、高粘度化やゲル化するため、好ましくない。
【0034】
いずれにしろ、前記[1]〜[4]の各方法を採用する際、ポリマーに関わる前記数値限定範囲を満足するよう、使用単量体や重合体の種類、これらの使用量などの条件設定を適宜に行う必要がある。かかる操作は当事者に周知である。
【0035】
本発明においてポリマーと併用する多官能イソシアネートとしては、格別の限定はなく、公知の各種を使用できる。たとえば、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサンジイソシアネート、上記の3量体、多価アルコールと上記ジイソシアネートを反応させたプレポリマーなどを用いることができる。本発明で、多官能イソシアネートをポリマーと併用する理由は、保護層2上への絵柄層3や接着層4の積層に際して、活性エネルギー線照射前の保護層2の粘着性を低く保ち、かつ絵柄層3や接着層4の形成インキに含まれる溶剤への耐性をある程度満足させることにある。すなわち、ポリマーに含有される水酸基と、多官能イソシアネートのイソシアネート基とを反応させ、軽度の熱架橋物を形成させて、上記性能を付与せんとするものである。
【0036】
ポリマーと多官能イソシアネートの使用割合は、ポリマー中の水酸基数とイソシアネート基数との割合が1/0.01〜1/1、好ましくは1/0.05〜1/0.8となるように決定される。
【0037】
保護層2に用いる前記式で示す紫外線吸収剤は、成形品に転写した後の保護層に耐光性を付与するものであり、従来の紫外線吸収剤を本発明に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させた場合に比べ紫外線吸収効果(耐光性)に優れている。また、この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との相溶性に優れているため、保護層2の耐摩耗性や透明性を維持したまま多量に含有させうる。紫外線吸収剤は、5〜30重量%、好ましくは8〜20重量%で含有させる。紫外線吸収剤の量が5重量%を下回ると保護層の耐光性が不十分となり、30重量%を上回ると(1)保護層の透明性を阻害したり、(2)流動性の低下によりコート適性が悪くなったり、(3)コート時に保護層の表面強度が低下したりする。
【0038】
また、保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、紫外線吸収剤と共に光安定剤を含有させることが好ましい。成形品に転写した後の保護層の耐光性が更に向上するからである。光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート系、アミン系等を用いうる。光安定剤は、0.2〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%で含有させる。光安定剤の量が0.2重量%を下回ると保護層の耐光性が不十分となり、5重量%を上回ると(1)保護層の透明性を阻害したり、(2)流動性の低下によりコート適性が悪くなったり、(3)コート時に保護層の表面強度が低下したりする。好ましい光安定剤は、ヒンダーアミン系のものである。具体的には、チバガイギー社製の「チヌビン292」、「チヌビン123」及び「チヌビン144」等を用いうる。
【0039】
また、保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ポリマー、多官能イソシアネートおよび紫外線吸収剤以外に、必要に応じて以下のような成分を含有することができる。すなわち、反応性希釈モノマー、溶剤、着色剤などである。また、活性エネルギー線照射に際して電子線を用いる場合には、光重合開始剤を用いることなく充分な効果を発揮することができるが、紫外線を用いる場合には、公知各種の光重合開始剤を添加する必要がある。また、保護層2は、着色したものでも、未着色のものでもよい。
【0040】
保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に滑剤を含有させると、保護層2の表面が粗面化されるので、シートとして巻きやすくなり、ブロッキングが生じ難くなる。また、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増すことができる。滑剤としては、たとえば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワックス等のワックス類、シリコーン系、フッ素系等の合成樹脂類を用いうる。滑剤は、0.5〜15重量%、好ましくは1〜6重量%の量で含有させる。滑剤の量が0.5重量%を下回るとブロッキングの防止や摩擦引っ掻き抵抗の効果が少なくなり、15重量%を上回ると保護層の透明性が極端に悪くなる。
【0041】
保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基と水酸基とイソシアネート基とを含む。この熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を加熱すると水酸基とイソシアネート基とが反応し、樹脂が架橋される。また、この熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線に露出するとエチレン性不飽和基が重合し、樹脂が架橋される。つまり、保護層2に用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、熱および活性エネルギー線の両方により架橋される。
【0042】
保護層2の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。一般に、保護層2は0.5〜30μm、好ましくは1〜6μmの厚さに形成する。保護層2の厚さが0.5μmを下回ると耐摩耗性、耐薬品性が弱く、30μmを上回るとコスト高となり、転写材6の場合には基体シート1の剥離時に箔切れが悪くなり不必要な部分に保護層2が残ってバリとなる。
【0043】
以上のようにして形成された保護層2を加熱することにより、保護層2は熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物となる。この熱架橋反応生成物はタックフリーの状態にあるため、保護層2上に他の層を刷り重ねたり転写材6を巻き取ったりすることが容易になる。この加熱しただけの段階では、熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれるエチレン性不飽和基は架橋されていないので、熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は完全には架橋硬化していない。状態換言すれば半ば架橋硬化の状態となる。したがって、保護層2は成形品の曲面に適応でき、クラックを生じない程度の可撓性を有する。加熱による架橋反応は、活性エネルギー線照射による架橋反応に比して制御が容易である。したがって、保護層2を架橋させる程度は、用いる熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の種類、及び成形品の曲率等に応じて適宜定めうる。
【0044】
絵柄層3は、保護層2の上に、通常は印刷法により形成する。絵柄層3の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。絵柄層3の形成方法としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法を採用することもできる。絵柄層3は、表現したい絵柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。また、絵柄層3は、金属蒸着層からなるもの、あるいは印刷層と金属蒸着層との組み合わせからなるものでもよい。
【0045】
接着層4は、成形品7表面に上記の各層を接着するものである。接着層4は、保護層2または絵柄層3上の、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、接着層4を全面的に形成する。また、接着させたい部分が部分的なら、接着層4を部分的に形成する。接着層4としては、成形品7の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形品7の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形品7の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形品7の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層4の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。なお、保護層2や絵柄層3が成形品7に対して充分接着性を有する場合には、接着層4を設けなくてもよい。
【0046】
なお、転写層5の構成は、上記した態様に限定されるものではなく、たとえば、成形品7の地模様や透明性を生かし、表面保護処理だけを目的とした転写材6を用いる場合には、基体シート1の上に保護層2、および接着層4を上述のように順次形成して転写層5より絵柄層3を省略することができる(図2参照)。
【0047】
また、転写層5間に、アンカー層を設けてもよい。アンカー層は、転写層5間の密着性を高めたり、薬品から成形品7や絵柄層3を保護するための樹脂層であり、たとえば、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系やエポキシ系などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0048】
以下、前記した層構成の転写材6を用い、本発明に係る耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法について説明する。
【0049】
まず、接着層4側を下にして、成形品7上に転写材6を配置する(図3参照)。次に、耐熱ゴム状弾性体8例えばシリコンラバーを備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体8を介して転写材6の基体シート1側から熱または/および圧力を加える。こうすることにより、接着層4が成形品7表面に接着する。次いで、冷却後に基体シート1を剥がすと、基体シート1と保護層2との境界面で剥離が起こる。また、基体シート1上に離型層を設けた場合は、基体シート1を剥がすと、離型層と保護層2との境界面で剥離が起こる。最後に、活性エネルギー線を照射することにより、成形品7に転写された保護層2を完全に架橋硬化させる。なお、活性エネルギー線を照射する工程を、基体シート1を剥離する工程の前に行なってもよい。
【0050】
活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【0051】
成形品7としては、材質を限定されることはないが、特に樹脂成形品7、木工製品もしくはこれらの複合製品などを挙げることができる。これらは、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、成形品7は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
【0052】
次に、前記した転写材6を用い、射出成形による成形同時転写法を利用して樹脂成形品7表面に耐光性、耐磨耗性、耐薬品性を付与する方法について説明する(図4参照)。まず、可動型9と固定型10とからなる成形用金型内に転写層5を内側にして、つまり、基体シート1が固定型10に接するように転写材6を送り込む。この際、枚葉の転写材6を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材6の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の転写材6を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写材6の絵柄層3と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、転写材6を間欠的に送り込む際に、転写材6の位置をセンサーで検出した後に転写材6を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写材6を固定することができ、絵柄層3の位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、可動型9に設けたゲートより溶融樹脂11を金型内に射出充満させ、成形品7を形成するのと同時にその面に転写材6を接着させる。樹脂成形品7を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品7を取り出す。最後に、基体シート1を剥がした後、活性エネルギー線を照射することにより保護層2を完全に架橋硬化させる。また、活性エネルギー線を照射した後、基体シート1を剥がしてもよい。
【0053】
本発明の他の態様として、表面保護シート12を用いて耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品を製造する別の方法もある。この方法では、離型性を有しない基体シートの片面に保護層2が設けられ、反対面に絵柄層3および接着層4が設けられた表面保護シート12を用いる(図5参照)。表面保護シート12は、基体シート1として離型性を有しない材料を用い、また保護層2の上に重ねて絵柄層3や接着層4を形成しないこと以外は転写材6と同様の材料及び操作で作製される。離型性を有しない基体シート1としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂シートを使用することができる。また、成形品7の地模様や透明性を生かし、表面保護処理だけを目的とした表面保護シート12を用いる場合には、絵柄層3を省略することができる(図6参照)なお、基体シート1や絵柄層3が成形品7に対して充分接着性を有する場合には、接着層を設けなくてもよい。
【0054】
次に、前記した表面保護シート12を用いて樹脂成形品7表面に耐光性、耐磨耗性、耐薬品性を付与する方法について説明する(図7参照)。まず、表面保護シート12を、接着層側を下にして成形品7表面に配置する。次に、ヒーター13などにより基体シートを加熱して軟化させた後、下方より真空吸引14する。こうすることにより、接着層が成形品7表面に接着される。最後に、活性エネルギー線を照射することにより保護層を完全に架橋硬化させる。なお、下方より真空吸引14するともに、上方より加圧してもよい。表面保護シート12への加圧は、流体などにより直接、あるいは可撓性シートを介して行なう。
【0055】
また、前記した表面保護シート12を用い、転写材の場合と同様に、射出成形による成形と同時に絵付けを行なう方法(インサート成形法)を利用して樹脂成形品7表面に耐光性、耐磨耗性、耐薬品性を付与することもできる(図8参照)。まず、可動型9と固定型10とからなる成形用金型内に、保護層が固定型10に接するように、表面保護シート12を送り込む。この際、枚葉の表面保護シート12を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の表面保護シート12の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の表面保護シート12を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、表面保護シート12の絵柄層と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、表面保護シート12を間欠的に送り込む際に、表面保護シート12の位置をセンサーで検出した後に表面保護シート12を可動型9と固定型10とで固定するようにすれば、常に同じ位置で表面保護シート12を固定することができ、絵柄層3の位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、可動型9に設けたゲートより溶融樹脂11を金型内に射出充満させ、成形品7を形成するのと同時にその面に表面保護シート1を接着させる。樹脂成形品7を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品7を取り出す。最後に、活性エネルギー線を照射することにより保護層を完全に架橋硬化させる。
【0056】
【実施例】
以下の実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下、部および%は重量基準である。
【0057】
実施例1
基体シートとして厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを用いた。この基体シート上に、メラミン樹脂系離型剤をグラビアコート法にて1μmの厚さに塗布し離型層を形成した後、その上に下記ワニス200部(固形分100部)、1,6-ヘキサンジイソシアネート3量体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社製)10部および光重合開始剤(商品名イルガキュアー184、チバガイギー社製)5部、下記紫外線吸収剤a8部、光安定剤2部を配合した保護層をリップコート法にて順次形成した。保護層の厚さは5μmとした。150℃で20秒間加熱することにより保護層を半ば架橋硬化させ、アンカー層としてウレタン系インキ、絵柄層としてアクリル系インキ、接着層としてアクリル樹脂をグラビア印刷法にて順次印刷形成して転写材を得た。
【0058】
なお、ワニスは、以下のようにして得た。まず、撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、グリシジルメタアクリレート(以下、GMAという)250部、メチルメタクリレート(以下、MMAという)75部、ラウリルメルカプタン1.3部、酢酸ブチル1000部および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)7.5部を仕込んだ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約90℃になるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめGMA750部、MMA225部、ラウリルメルカプタン3.7部およびAIBN22.5部からなる混合液を仕込んだ滴下ロートより、窒素気流下に混合液を約2時間を要して系内に滴下し、3時間同温度に保温後、AIBN10部を仕込み、1時間保温した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。60℃まで冷却後、窒素導入管を空気導入管につけ替え、アクリル酸(以下、AAという)507部、メトキノン2.0部およびトリフェニルフォスフィン5.4部を仕込み混合した後、空気バブリング下にて、110℃まで昇温した。同温度にて8時間保温後、メトキノン1.4部を仕込み、冷却して、不揮発分が50%となるよう酢酸エチルを加え、ワニスを得た。ワニスに含まれるポリマーは、アクリル当量214g/eq、水酸基価262、重量平均分子量20000(GPCによるスチレン換算による)であった。
【0059】
紫外線吸収剤aは、上記式(I)の化学式で表わされるハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールである。
【0060】
この転写材を用い成形同時転写法を利用して成形品の表面に転写した後、基体シートを剥がし、紫外線を照射して保護層を完全に架橋硬化した。なお、成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力約300kg/cm2とした。成形品は、材質をアクリル樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状に成形した。照射条件は、120w/cm、2灯、ランプ高さ10cm、ベルトスピード2.5m/minとした。
【0061】
実施例2
実施例1の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤bを用いた以外は実施例1と同様にして、成形品を作製した。
【0062】
紫外線吸収剤bは、上記式( II の化学式で表わされるハイドロキシフェニル−S−トリアジンである。
【0063】
比較例A−1
実施例1の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤c:2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールを用いた以外は実施例1と同様にして、成形品を作製した。
【0064】
比較例A−2
実施例1の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤d:エタンジアミド-N-(2-エトキシフェニル)-N’-(4-イソドデシルフェニル)-(オキサリックアニリド)を用いた以外は実施例1と同様にして、成形品を作製した。
【0065】
比較例A−3
実施例1の紫外線吸収剤aに代えて、下記紫外線吸収剤e:2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンを用いた以外は実施例1と同様にして、成形品を作製した。
【0066】
比較例B
紫外線吸収剤を全く用いない以外は実施例1と同様にして成形品を作製した。
【0067】
性能評価
上記転写材を用いた実施例1、2及び比較例A−1〜3,比較例Bについて、紫外線吸収剤の含有に係る耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性の性能評価を行なった(表1参照)。
【0068】
耐黄変性(耐光性)は、分光式色差計 SZ−Σ80(日本電色工業株式会社性)にて耐光性試験前後のL、a、b値をそれぞれ測定し、試験前後のそれぞれのΔL、Δa、Δbより色差ΔE=√(ΔL2+Δa2+Δb2)を求めた。
耐光性試験条件機種 アイスーパーUVテスター(岩崎電機製)
紫外線強度 100mw/cm2雰囲気温度 75℃時間 80時間
【0069】
耐摩耗性は、1cm角の#000スチールウールに荷重300gをかけ、可動距離2cm、2往復/秒で、200往復後の表面の傷つき程度を観察し、目視判定により、◎極めて良好、○良好、△やや不良、×不良のいずれかで評価した。
【0070】
透明性は、同じ割合で紫外線吸収剤を添加したときの保護層の透明程度を観察し、目視判定により、○透明、△やや濁りあり、×かなり濁りありのいずれかで評価した。
【0071】
[表1]
Figure 0003936772
【0072】
表1の評価結果から、次のことが明らかである。すなわち、紫外線吸収剤aを保護層中に含有する実施例1や紫外線吸収剤bを保護層中に含有する実施例2は、耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性のすべてにおいて優れている。これに対して、比較例A−1〜3は耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性のいずれも満足すべき結果が得られず、比較例Bは耐摩耗性で優れていても耐黄変性(耐光性)に劣るものであった。
【0073】
実施例3
基体シートとして厚さ125μmのアクリル樹脂フィルムを用いた。この基体シートの片面に、絵柄層としてアクリル系インキ、接着層としてアクリル樹脂をグラビア印刷法にて順次印刷形成した。反対面に実施例1で得たワニス200部(固形分100部)、1,6-ヘキサンジイソシアネート3量体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社製)10部および光重合開始剤(商品名イルガキュアー184、チバガイギー社製)5部、実施例1と同様の紫外線吸収剤a8部、光安定剤2部を配合した保護層をリップコート法にて印刷形成した。保護層の厚さは5μmとした。80℃で30秒間加熱することにより保護層を半ば架橋硬化させて表面保護シートを得た。
【0074】
この表面保護シートを用いインサート成形法を利用して成形品の表面に接着した後、紫外線を照射して保護層を完全に架橋硬化した。なお、成形条件は、樹脂温度220℃、金型温度55℃、樹脂圧力約300kg/cm2とした。成形品は、材質をアクリル樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状に成形した。照射条件は、120w/cm、2灯、ランプ高さ10cm、ベルトスピード2.5m/minとした。
【0075】
実施例4
実施例3の紫外線吸収剤aに代えて、実施例2と同様の紫外線吸収剤bを用いた以外は実施例3と同様にして、成形品を作製した。
【0076】
比較例C−1
実施例3の紫外線吸収剤aに代えて、比較例A−1と同様の紫外線吸収剤cを用いた以外は実施例3と同様にして、成形品を作製した。
【0077】
比較例C−2
実施例3の紫外線吸収剤aに代えて、比較例A−2と同様の紫外線吸収剤dを用いた以外は実施例3と同様にして、成形品を作製した。
【0078】
比較例C−3
実施例3の紫外線吸収剤aに代えて、比較例A−3と同様の紫外線吸収剤eを用いた以外は実施例3と同様にして、成形品を作製した。
【0079】
比較例D
紫外線吸収剤を全く用いない以外は実施例3と同様にして、成形品を作製した。
【0080】
性能評価
上記表面保護シートを用いた実施例3、4及び比較例C−1〜3,比較例Dについて、紫外線吸収剤の含有に係る耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性の性能評価を行なった(表2参照)。評価基準は実施例1と同様とした。
【0081】
[表2]
Figure 0003936772
【0082】
表2の評価結果から、次のことが明らかである。すなわち、紫外線吸収剤aを保護層中に含有する実施例3や紫外線吸収剤bを保護層中に含有する実施例4は、耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性のすべてにおいて優れている。これに対して、比較例C1〜3は耐黄変性(耐光性)、耐摩耗性、透明性のいずれも満足すべき結果が得られず、比較例Dは耐摩耗性で優れていても耐黄変性(耐光性)に劣るものであった。
【0083】
【発明の効果】
本発明は、保護層が、(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イソシアネートとを有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなり、成形品の表面に転写されたこの保護層が活性エネルギー線照射により完全に架橋硬化されるので、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品を得ることができ、かつ成形品曲面部においてクラックを発生させない。また、転写材作製時に加熱により保護層を半ば架橋硬化させるため、活性エネルギー線照射に際し巨大な活性エネルギー線照射装置が不要であり、低コストで済む。
【0084】
さらに、このような保護層に紫外線吸収剤として上記熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に適したものが含有されているので、充分な紫外線吸収効果(耐光性)が得られ、また保護層の耐摩耗性や透明性が紫外線吸収剤によって損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る転写材の一実施例を示す模式断面図である。
【図2】 本発明に係る転写材の他の実施例を示す模式断面図である。
【図3】 本発明に係る転写材を用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式図である。
【図4】 本発明に係る転写材を用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を示す模式図である。
【図5】 本発明に係る表面保護シートの一実施例を示す模式断面図である。
【図6】 本発明に係る表面保護シートの他の実施例を示す模式断面図である。
【図7】 本発明に係る表面保護シートを用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式図である。
【図8】 本発明に係る表面保護シートを用いた耐光性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…基体シート、
2…保護層、
3…絵柄層、
4…接着層、
5…転写層、
6…転写材、
7…成形品、
8…耐熱ゴム状弾性体、
9…可動型、
10…固定型、
11…溶融樹脂、
12…表面保護シート、
13…ヒーター、
14…真空吸引。

Claims (12)

  1. 離型性を有する基体シートの片面に
    (a)(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと
    (b)多官能イソシアネートと
    (c)紫外線吸収剤として、式
    Figure 0003936772
    で示すハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたは
    Figure 0003936772
    で示すハイドロキシフェニル−S−トリアジンとを;
    有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、加熱して半ば架橋硬化させた、熱架橋反応生成物からなる保護層が設けられたことを特徴とする転写材。
  2. ポリマーが、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体にα,β−不飽和モノカルボン酸を付加反応させた反応生成物である請求項1記載の転写材。
  3. グリシジル(メタ)アクリレート系重合体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体である請求項2記載の転写材。
  4. 保護層の上に絵柄層および接着層が順次設けられた請求項1〜3のいずれかに記載の転写材。
  5. 請求項1〜4の転写材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜4の転写材を成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に転写材を接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法。
  7. 離型性を有しない基体シートの片面に、
    (a)(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと
    (b)多官能イソシアネートと
    (c)紫外線吸収剤として、式
    Figure 0003936772
    で示すハイドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたは
    Figure 0003936772
    で示すハイドロキシフェニル−S−トリアジンとを;
    有効成分として含有する熱及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、加熱して半ば架橋硬化させた、熱架橋反応生成物からなる保護層が設けられ、その反対面に接着層が設けられたことを特徴とする表面保護シート。
  8. ポリマーが、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体にα,β−不飽和モノカルボン酸を付加反応させた反応生成物である請求項7記載の表面保護シート。
  9. グリシジル(メタ)アクリレート系重合体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体である請求項8記載の表面保護シート。
  10. 基体シートと接着層との間に絵柄層が設けられた請求項7〜9のいずれかに記載の表面保護シート。
  11. 請求項7〜10の表面保護シートを成形品表面に配置し、基体シートを加熱して軟化させ、下方より真空吸引することにより成形品表面に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法。
  12. 請求項7〜10の表面保護シートを成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする耐光性、耐磨耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法。
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