JP4438498B2 - 保護層形成用シートおよび成形品の保護層の形成方法 - Google Patents

保護層形成用シートおよび成形品の保護層の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐擦傷性、耐溶剤性に優れる保護層を有する成型品が得られ、かつ、B−ステージ化した硬化塗膜に粘着性がなく保存も容易な保護層形成用シートと、該保護層形成用シートを用いた成型品の保護層の形成方法に関する。
成形品表面に保護層を形成する方法としては、例えば、シート接着法等がある。シート接着法とは、基体シート上に保護層と必要に応じて加飾層とを有する保護シートをプラスチック成形品に接着することにより成形品表面に保護層を形成する方法である。このシート接着法には更にプラスチック成形品等の成型品に保護シートを直接接着する方法と、プラスチックをインモールド成型する際に保護シートを金型内面に貼り付けておき、成形と同時に接着する方法等がある。シート接着法に用いられる保護シートには耐擦傷性、耐溶剤性に優れる保護層が得られ、かつ、保護シートを例えばロール状態等で安定して保管できる性能が求められており、この要求に対して例えば、側鎖に光重合性官能基を有するアクリル樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)およびアクリル系ゴム状弾性体(a−3)からなる光硬化性樹脂組成物(A)を基材シート(B)上に塗布した後、熱風乾燥機等により乾燥させた光硬化性シートが知られており、また、この光硬化性シートを用いて成型品に保護層を形成するには、例えば、この光硬化性シートの基材シート面と成型品表面とを接着した後、紫外線を照射することにより前記光硬化性シート上の光硬化性樹脂組成物(A)を硬化させ保護層を形成する形成方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1の光硬化性シート上の光硬化性樹脂組成物(A)は乾燥させた状態にあるだけで紫外線照射による架橋硬化を行っていないので、光硬化性樹脂組成物(A)は時間が経つに従い粘着性を有するようになる。そのため、この光硬化性シートをロール状等にして保管すると光硬化性樹脂組成物(A)と基材シートが密着してしまい、使用の際にシートを巻き戻せなくなるという問題がある。
特開平11−314324号公報
本発明の課題は、耐擦傷性、耐溶剤性に優れる保護層を有する成型品が得られ、かつ、B−ステージ化した硬化塗膜に粘着性がなく保存安定性も良好な保護層形成用シートと、該保護層形成用シートを用いた成型品の保護層の形成方法を提供することにある。
そこで本発明者は、上述した如き課題に照準を合わせて、鋭意検討を行った結果、以下の知見(1)〜(3)を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)1分子中に活性メチレン基および/または活性メチン基を合計で2個以上有する化合物(A)および(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有する硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線を照射する事により、硬化性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基(α−β不飽和カルボニル基)がラジカル重合反応を開始して半硬化(B−ステージ化)し、更に、Bーステージ化した硬化性樹脂組成物は加熱することにより活性メチレン基および/または活性メチン基と(メタ)アクリロイル基とのマイケル付加反応により完全硬化する。この完全硬化した硬化性樹脂組成物は擦傷性、耐溶剤性に優れる。
(2)前記硬化性樹脂組成物を基体シート上に塗装した後、活性エネルギー線を照射することによりB−ステージ化された樹脂層を有する保護層形成用シートを製造することができ、このB−ステージ化された樹脂層は指で触れても粘着性が無く、(残タックが無い)経時的な粘着性の増加も見られない。そのため、この保護層形成用シートはロール状態等で安定して保管することができる。
(3)保護層形成用シートと成形品等の基材とを接着した後、加熱することにより耐擦傷性、耐溶剤性に優れる保護層を有する成型品を得ることができ、また、保護層形成用シートを接着する際にも成型品の曲面部において保護層にクラックが生じない。
即ち本発明は、1分子中に活性メチレン基および/または活性メチン基を合計で2個以上有する化合物(A)と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)とマイケル付加反応触媒(D)とを含有する硬化性樹脂組成物を基体シート上に塗装した後、活性エネルギー線を照射して該硬化性樹脂組成物をB―ステージ化してなる塗膜層を有することを特徴とする保護層形成用シートを提供するものである。
更に、本発明は前記保護層形成用シートの基体シートと成形品とを接着した後、加熱することにより前記B−ステージ化してなる塗膜層を更に硬化させることを特徴とする成形品の保護層の形成方法を提供するものである。
本発明の保護層形成用シートは耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、保存安定性も良好である。本発明の成型品の保護層の形成方法により耐擦傷性、耐溶剤性に優れる保護層を成型品上に容易に施すことができ、また、保護層を形成する際に保護層にクラックが生じない。更に、保護層形成用シートを用いることにより外観、意匠性に優れる成型品を製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明で用いる化合物(A)は、1分子中に活性メチレン基および/または活性メチン基を合計で2個以上有する化合物であれば特に制限無く使用することが出来る。化合物(A)は活性メチレン基および/または活性メチン基を合計当量で60〜2000g/eqである化合物が耐磨耗性と耐溶剤性に優れる硬化性樹脂組成物が得られるので好ましく、80〜500g/eqである化合物がより好ましい。ここで、本発明において前記活性メチレン基とはメチレン基(-CH-)のうち、隣接位置にカルボニル基を持ち、求核試薬に対する反応性を持つものを言う。活性メチレン基を含有する化合物はメチレン基の両隣にカルボニル基を有する化合物、即ち、‐CO-CH-CO-構造を有する化合物がより好ましい。また、本発明において前記活性メチン基とは前記活性メチレン基においてメチレン基(-CH-)の1個の水素原子がアルキル基で置換された構造を有し、求核試薬に対する反応性を持つものを言う。活性メチン基を含有する化合物はメチン基の両隣にカルボニル基を有する化合物、即ち、‐CO-CHR-CO-構造を有する化合物(Rはアルキル基を表す)がより好ましい。
ここで、本発明において活性メチレン基の当量とは活性メチレン基、例えば、‐CO-CH-や‐CO-CH-CO-において活性メチレン基中の‐CH‐が1個当たりの化合物(A)の分子量を表し、また、活性メチン基の当量とは活性メチン基、例えば、‐CO-CHR-CO-において活性メチン基中の‐CH‐が1個当たりの化合物(A)の分子量を表す。
本発明で用いる化合物(A)としては、例えば、以下に示す化合物を用いる事が出来る。
(1)活性メチレン基含有カルボン酸化合物および/または活性メチン基含有カルボン酸化合物と多価アルコールとを反応させて得られる化合物。
(2)活性水素含有化合物とジケテンとを反応させて得られる化合物。
(3)活性メチレン基を有する(メタ)アクリルモノマーや活性メチン基を有する(メタ)アクリルモノマーを必須成分として、必要に応じて他のアクリルモノマーや非アクリル系モノマーと共に重合して得られる(メタ)アクリル系樹脂。
(4)メタントリカルボン酸トリアルキルエステルと多価アルコールとをエステル交換反応させて得られる化合物。
(5)イソシアネート化合物と活性メチレン基含有化合物との付加反応により得られる化合物。
なかでも、(3)の(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、活性メチレン基を有する(メタ)アクリルモノマーや活性メチン基を有する(メタ)アクリルモノマーと他のアクリルモノマーと共重合して得られる(メタ)アクリル系樹脂がより好ましい。
前記(1)で用いる活性メチレン基含有カルボン酸化合物としては、例えば、アセト酢酸、マロン酸、シアノ酢酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。また、活性メチン基含有カルボン酸化合物としては、例えば、メチルマロン酸、2−メチル−3−オキソブタン酸、メチルシアノ酢酸等が挙げられる。
前記(1)で用いる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール;トリメチロールプロパン、グリセロール等のトリオール;ペリタエリスリトール等のテトラオール;アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール、ポリウレタンポリオールおよびシリコーンポリオール等のポリオール等が挙げられる。
前記(2)で用いる多価アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサンジアミン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、フェニレンジアミン、ピペラジン、2,6−ジアミノトルエン、ジエチルトルエンジアミン、N,N−ビス(2−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン等のジアミン;ジエチレントリアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、メラミン等のトリアミン;ヘキサメチレンテトラミン、テトラエチレンテトラミン、テトラペンチレンペンタミン、ペンタへキシレンヘキサミン等の多価アミン等が挙げられる。
前記(3).で用いる活性メチレン基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2−シアノアセトキシエチル(メタ)アクリレート、N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリルアミド、N−(2−プロピオニルアセトキシブチル)アクリルアミド、N−4−(アセトアセトキシメチル)ベンジルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトアミドエチル)アクリルアミド、N−(2−アセトアセトアミドエチル)メタクリルアミド等が挙げられる。また、活性メチン基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2−((3−オキソ−2−メチル)ブタノイル)エチル(メタ)アクリレート、2−((3−オキソ−2−エチル)ブタノイル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、下記一般式(1)で表される化合物も活性メチレン基を有する(メタ)アクリルモノマーとして使用することができる。
Figure 0004438498
(式中、Rはアルキル基である。Rは水素原子またはメチル基である、Rはアルキレン基または‐OR‐で表される基である。Rはアルキレン基である。)
活性メチレン基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、前記一般式(1)で表される化合物が好ましい。前記一般式(1)においてRのアルキル基は炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基がより好ましい。Rのアルキレン基は炭素原子数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキレン基がより好ましい。Rのアルキレン基は炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキレン基がより好ましい。)。更に、前記一般式(1)において、Rがメチル基、Rがメチル基、Rが‐OC‐であるアセトアセチルエチルメタアクリレートがより好ましい。
前記(3)で用いる他のアクリルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)クリル酸―2−ヒドロキシエチル、(メタ)クリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、非アクリルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ビニルアセテート、アクリロニトリル等が挙げられる。
前記(3)において(メタ)アクリル系樹脂を製造するには、例えば、前記した活性メチレン基を有する(メタ)アクリルモノマーや活性メチン基を有する(メタ)アクリルモノマーと必要に応じて他のアクリルモノマーや非アクリルモノマーを原料として用い、この原料に必要に応じてメチルエチルケトン、酢酸ブチル等の有機溶剤を加えて、更にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)などのようなラジカル開始剤を添加して90〜120℃で2時間〜15時間で反応させる方法等が挙げられる。有機溶剤を用いる時の有機溶剤の使用量は通常前記原料100重量部に対して60〜150重量部である。
前記(4)で用いるメタントリカルボン酸トリアルキルエステルとしては、例えば、トリメチルメタンカルボキシレート、トリエチルメタンカルボキシレート等が挙げられる。
前記(5)で用いるイソシアネート化合物としては、例えば、メチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、トリメチルシリルイソシアネート等のモノイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等のジイソシアネートや、それらイソシアネート化合物の重合体からなるイソシアネートプレポリマー等が挙げられる。
前記(5)で用いる活性メチレン基含有化合物および/または活性メチン基としては、例えば、前記した活性メチレン基含有カルボン酸化合物、および/または活性メチン基前記した活性メチン基含有カルボン酸化合物等が挙げられる。
本発明で用いる化合物(A)は、得られる塗膜の硬度が高く、塗膜の硬化性、耐溶剤性、耐水性や耐候性が良好なこと、また、粘度が高くなく使用しやすいことから分子量は200〜50000が好ましく、1000〜30000がより好ましく、5000〜25000が最も好ましい。ここで、分子量とは、化合物(A)が(メタ)アクリル系樹脂等の高分子化合物の時は数平均分子量を言う。
前記(A)化合物は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、(A)化合物は同じ種類の活性メチレン基や活性メチン基のみを有していても良いし、異なる種類の活性メチレン基や活性メチン基を有していても良いし、また活性メチレン基と活性メチン基の両方を有していても良い。
本発明で用いる(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)は、本発明の保護層形成用シート上に塗装される硬化性樹脂組成物の中で架橋剤の役割を果たす。化合物(B)は1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものが好ましい。化合物(B)としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する単量体や(メタ)アクリロイル基を有する高分子化合物等が挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸のネオペンチルグリコールジエステルのジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1′−ジメチル−エチル)−5−ヒドロキシジメチル−5−エチル−1,3−ジオキ酸ジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールA〜エチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA〜プロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリットトリ(メタ)アクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリットテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート;ノボラック〜エチレンオキシド付加物ポリアクリレート等が挙げられる。
前記(メタ)アクリロイル基を有する高分子化合物としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ樹脂、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応して得られるもの等が挙げられ、エポキシ樹脂としては公知公用のエポキシ樹脂はいずれも使用可能であるが、ここで用いるエポキシ樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、グリシジル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のα,β−不飽和単量体との共重合体等のグリシジル(メタ)アクリレートを必須成分として重合して得られるエポキシ樹脂等が好ましく使用できる。前記α,β−不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合反応時に架橋が生じず、高粘度化やゲル化しにくいのでカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体が好ましい。このようなカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)クリル酸―2−ヒドロキシエチル、(メタ)クリル酸ヒドロキシプロピル等の種々の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン;酢酸ビニル;アクリロニトリルなどが例示できる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアナート基を好ましくは2個以上有するイソシアナート化合物に、1分子中に、(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基とを有する不飽和アルコールを反応して得られるもの等が挙げられる。前記イソシアナート基を2個以上有するイソシアナート化合物としては、例えば、1,6ヘキサンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、4,4´−ビフェニルジイソシアネートトリデンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−オクタメチレンジイソシアネート、L−リジンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、4,4',4''−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4'−ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4'−ジフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの多価イソシアナート化合物等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基とを有する不飽和アルコールとしては、例えば、2−ヒドロキシルエチルアクリレート 、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシフェニルメタクリレートや、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのようなアルキレンモノエポキシドと(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られる化合物等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、多塩基酸、多価アルコールを酸触媒下エステル化して得られるポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、(無水)フタル酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、2,6−ナプタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはヘキサヒドロ(無水)フタル酸など等が挙げられる。多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール1,3、ブタンジオール1,4、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール1,3、3−メチルペンタンジオール1,5、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリットなどが挙げられる。
本発明において化合物(B)として前記したような高分子化合物を用いるときは、化合物(B)の酸価は、後述する本発明で用いる硬化性樹脂組成物に加えても良いマイケル付加反応の触媒の活性を阻害する恐れがない事と未反応の(メタ)アクリル酸の含有量を少なくする目的から化合物(B)の酸価は2以下であることが好ましい。
本発明で用いる化合物(B)は、本発明の保護層形成用シート上に塗装される硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線硬化により短時間で半硬化(B−ステージ化)させるために単量体等の低分子化合物よりも高分子化合物の方がより好ましい。高分子化合物の中でも、特に、グリシジル(メタ)アクリレートを必須成分として重合して得られるエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応して得られるエポキシ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明で用いる化合物(B)の分子量は、粘度が高くならず使いやすく、加熱硬化時に揮散せず、得られる塗膜の硬度が低くならず、塗膜の耐溶剤性、耐水性や耐候性が低下しないことから200〜50000が好ましく、より好ましくは1000〜30000である。更により好ましくは5000〜25000である。尚、ここで言う分子量は数平均分子量を言う。
化合物(B)の(メタ)アクリロイル基の当量は塗膜の耐候性が良好で、硬度も高いことから80〜1500が好ましく、100〜1000であることがより好ましく、100〜500が最も好ましい。なお、本明細書における(メタ)アクリロイル基は、二重結合1個当たりの分子量を意味するものである。
化合物(B)は1種類を単独で用いても良いし、複数種を併用しても良い。
本発明の保護層形成用シート上に塗装される硬化性樹脂組成物は、半硬化後の残タックがなく、かつ、保護層形成用シートを成型品に接着する際にも曲面部において保護層表面にクラックを生じず、さらに熱硬化後の塗膜硬度も高いことから(メタ)アクリロイル基のモル数が活性メチレン基と活性メチン基の合計モル数よりも大きいことが好ましく、活性メチレン基と前記活性メチン基との合計モル数(a)に対する前記(メタ)アクリロイル基のモル数(b)の比〔(b)/(a)〕が1〜10であることがより好ましく、1.5〜8.0であることが更に好ましく、2.0〜6.0であることが更に好ましい。
本発明の保護層形成用シート上に塗装される硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤(C)を含んでも良い。光重合開始剤は、公知のものを用いることができ、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルのようなベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、のようなアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンのようなアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンのようなアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールのようなケタール類;ベンゾフェノン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類またはキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、芳香族のヨードニウム塩、スルホニウム塩及びジアゾニウム塩、ポリシラン化合物等を挙げることができる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。さらにトリエタノールアミンなどの3級アミン、ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの光重合開始助剤を併用することもできる。光重合開始剤(C)は、ベンゾイン類、アセトフェノン類およびケタール類からなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。また、光重合開始剤(C)は1種類を単独で用いても良いし、複数種を併用しても良い。
本発明で用いる硬化性塗料組成物における光重合開始剤(C)の使用量は硬化性塗料組成物の組成等により適宜調整することができるが、好ましくは。化合物(A)および化合物(B)の合計樹脂固形成分100重量部に対し、例えば、0.01〜15重量部である。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物には本発明の保護層形成用シートをプラスチック成型品に接着した後、加熱することによってマイケル付加反応を促進し、完全硬化塗膜をすばやく形成することができるので、マイケル付加反応触媒(D)を加えるのが好ましい。ここで、マイケル付加反応触媒(D)とは、活性メチレン基や活性メチン基に隣接する2個のカルボニル基が活性メチレン基のプロトンや活性メチン基のプロトンの酸性度を高め、エノレートアニオンを生成させるものを言う。マイケル付加反応触媒としては、例えば、塩基性化合物を好ましく用いることができる。塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;ナトリウムメトキサイド、カリウムエトキサイドなどのアルカリ金属のアルコキシド;テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキサイドなどの4級アンモニウムヒドロキサイド;テトラブチルアンモニウムカーボネート、ベンジルトリメチルアンモニウムカーボネートなどの4級アンモニウムカーボネート;テトラブチルアンモニウムフロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムフロライドなどの4級アンモニウムフロライド;テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラヒドロボレートなどの4級アンモニウムテトラヒドロボレート;テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5などの第3級アミン;グアニジン、アミジン、トリフェニルフォスフィンなどの第3級ホスフィン等が挙げられる。塩基性化合物は第3級アミンおよび/または第3級ホスフィンが好ましい。
マイケル付加反応触媒(D)の使用量は、硬化反応が十分に進行し、本発明で用いる硬化性樹脂組成物に均一に混合しやすく、硬化塗膜の耐水性が低下しないことから、化合物(A)と化合物(B)の合計樹脂固形成分100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部であることがさらに好ましい。
更に本発明の保護層形成用シート上に塗装される硬化樹脂組成物を貯蔵する際の保存安定性を高める目的で、硬化樹脂組成物中にマイケル付加反応触媒と併せて酸性化合物を添加しても良い。特に触媒活性の高い強塩基化合物を利用する場合は、酸性化合物の添加は保存安定性を高めるのに効果的である。酸性化合物としては、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸などのよう低沸点カルボン酸またはモノクロロ酢酸、オクタン酸などのような高沸点カルボン酸等が挙げられる。更に、本発明で用いる硬化樹脂組成物に酸性化合物を添加した場合、環境上、塗膜を熱乾燥する際に前述の酸が塗膜から蒸発するのを防ぐために、酸と反応可能な環状エーテル化合物を添加しても良い。また、酸がこれらの環状エーテル化合物と反応することによって、マイケル付加触媒の再活性化されるので、加熱によるマイケル付加反応の促進が期待できる。その環状エーテル化合物は、たとえば、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、n-ブチルグリシジルエーテル、グリシジルメチルエーテル、オクチルオキシランなどが挙げられる。
本発明で用いる硬化樹脂組成物にはまた、有機溶剤、着色剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、消泡剤、艶消し剤等の添加剤を加えても良い。
有機溶剤は通常、沸点が50〜180℃のものが、塗工時の作業性が良好で、硬化前の乾燥性も早いことから好ましく、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等が挙げられる。有機溶剤は単独のものを使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。有機溶剤の使用量は、特に限定されないが、通常は塗装剤の固形分濃度が5〜70重量%となる範囲である。
着色剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、紫顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。着色剤は単独のものを使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
スリップ剤を含有させると保護層形成用シートの保護層が粗面化されるので、保護層形成用シートをシートとして巻きやすくなる。また、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増すことができる。スリップ剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワックス等のワックス類、シリコーン系、フッ素系等の合成樹脂類等が挙げられる。スリップ剤は、ブロッキングの防止や摩擦引っ掻き抵抗の効果を充分良好とするため、また、保護層の透明性を確保するため、本発明で用いる硬化性樹脂組成物中の固形分100重量部に対して0.01〜15重量部であることが好ましく、0.03〜6重量部であることが特に好ましい。
消泡剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン系消泡剤やさらにコロイダルシリカ等が含有されているものを用いても良い。
艶消し剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ等が挙げられる。
本発明で用いる基体シートとしては、例えば、プラスチックシート、金属箔、セルロースシート、これらのシートの複合体等が挙げられる。
前記プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート、ポリカーボネートシート、ポリオレフィンシート、ポリスチレンシート、ポリアミドシート、ポリエステルシート、トリアセチルセルロースシート、ポリイミドシート等が挙げられる。
前記金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。また、前記セルロースシートとしては、例えば、グラシン紙、コート紙、セロハン等が挙げられる。
基体シートとしてはプラスチックシートが好ましく、中でもポリエステルシートやトリアセチルセルロースシートやナイロンシートやポリプロピレンシートやポリカーボネートシートがより好ましい。また、基体シートの厚みは6〜300μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。
本発明の保護層形成用シートを製造するには、まず、基体シート上に前記硬化性樹脂組成物を塗装する。この硬化性樹脂組成物は、後述する保護層の形成方法において、成形品表面の最外層となり、溶剤や摩擦から成形品や成形品上の絵柄層を保護するための層となる。硬化性樹脂組成物を塗装する方法としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法、リップコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法等が挙げられる。塗装する際には、耐摩耗性および耐溶剤性が良好な保護層形成用シートが得られることから、保護層の厚さが0.5〜30μmとなる様に塗装するのが好ましく、なかでも保護層の厚さが1〜6μmとなる様に塗装するのがより好ましい。
基体シート上に前記硬化性樹脂組成物を塗装する際に、基体シートと硬化性樹脂組成物との接着力が十分でない場合には、1.基体シートの硬化性樹脂組成物を塗装する面にプライマーを塗布しておき、そこに、硬化性樹脂組成物を塗装する、2.コロナ放電等により基体シートの表面を活性しておく等の方法により基体シートと硬化性樹脂組成物との接着性を向上させることもできる。前記1.で用いるプライマーとしては、例えば、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂からなる水性ラテックスなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。接着剤を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法が挙げられる。
本発明の保護層形成用シートには、意匠性を付与する目的で絵柄層を形成させても良い。絵柄層は、前記硬化性樹脂組成物を塗装する前段階で、基体シート上に印刷するかあるいは、前記硬化性樹脂組成物を塗装した基体シートの裏面側に印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。絵柄層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコート法などのコート法を採用することもできる。絵柄層は、表現したい絵柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。また、絵柄層は、金属蒸着層からなるものや、印刷層と金属蒸着層との組み合わせからなるものでもよい。
絵柄層を形成させる際に、前記硬化性樹脂組成物を塗装する前段階で、基体シート上に印刷する際にも、この絵柄層と基体シートとの接着力が十分でない場合には前記基体シートと硬化性樹脂組成物との接着力を向上させるときと同様に絵柄層と基体シートの接着性を向上させることができる。
基体シート上に硬化性樹脂組成物を塗装した後、活性エネルギー線を照射する。この活性エネルギー線照射により硬化性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基がラジカル重合反応により結合し、3次元架橋が形成され硬化性樹脂組成物が半硬化(B−ステージ化)する。
硬化性樹脂組成物として有機溶剤を含有している硬化性樹脂組成物を用いるときは、基体シートに塗布後有機溶剤を除去しても良い。有機溶剤を除去するには、例えば、活性エネルギー線を照射した後でも良いし、活性エネルギー線を照射する前でも良い。除去する方法としては、そのまま放置して揮発するのを待っても良いし、乾燥機等を用いて乾燥させても良いが、有機溶剤を除去する際の温度は硬化性樹脂組成物中の活性メチレン基および/または活性メチンと(メタ)アクリロイル基とのマイケル付加反応が起こらない乾燥条件であればクラックが発生しない保護層を成型品に形成できるので好ましく、乾燥条件は通常70〜130℃で10秒〜10分間程度が好ましい。
本発明の保護層形成用シート状にBーステージを形成させるために用いる活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、ガンマ線などを挙げることができる。照射条件は、保護層を得るのに用いた硬化性樹脂組成物の組成に応じて定められるが、紫外線照射の場合、通常積算光量が50〜5000mj/cmとなるように照射するのが好ましく、積算光量が500〜2000mj/cmとなるように照射するのがより好ましい。また、電子線を照射する場合には1〜5Mradの照射量であることが好ましい。
なお、保護層形成用シートの構成は、上記した態様に限定されるものではなく、例えば、成形品の地模様や透明性を生かし、表面保護処理だけを目的とした保護層形成用シートを用いる場合には、基体シートの上にB−ステージ化された樹脂層および接着層を上述のように順次形成して保護層形成用シートから絵柄層を省略することができる。
また、保護層形成用シートが絵柄層の上にB−ステージ化された樹脂層を有する場合、これらの層間にアンカー層を設けてもよい。アンカー層は、これらの層間の密着性を高めるための樹脂層であり、例えば、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスクリーン印刷法などの印刷法がある。
次に本発明の成形品の保護層の形成方法について説明する。本発明の成形品の保護層の形成方法は、本発明の保護層形成用シートを支持している基体シートと成形品とを接着した後、加熱して最表面にあるB−ステージ化された樹脂層を硬化させることを特徴とする。
前記成形品としては、材質を限定されることはないが、例えば、樹脂成形品、木工製品、金属製品、およびこれらの複合製品などを挙げることができる。これらは、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、成形品は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
本発明の成形品の保護層の形成方法としては、例えば、保護層形成用シートの基体シートと成形品とを接着させた後、加熱により熱硬化せしめてB−ステージ化してなる樹脂層の架橋硬化を行う方法(後接着法)や、前記保護層形成用シートを成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面と保護層形成用シートを接着させ後、加熱により熱硬化せしめて樹脂層の架橋硬化を行う方法(成形同時接着法)等が挙げられる。
後接着法における成形品と保護層形成用シートとの接着を行う方法としては、例えば、保護層形成シートの基体シートおよび/または成型品表面に接着剤を塗布し保護層形成シートの基体シートと成型品表面とを接着させる方法、保護層形成シートの基体シートまたは/成型品表面に両面粘着テープを貼り付けた後、両面粘着テープの離型保護シートを剥離して粘着面を露出させ、保護層形成シートの基体シートと成型品表面とを接着させる方法、保護層形成シートの基体シートに接着剤を塗布し接着面を形成させた後、接着面を剥離保護シートで保護した保護層形成シートを予め作成しておき、該保護層形成シートの剥離保護シートを剥がし、基体シートの接着面と成型品表面とを接着させる方法等が挙げられる。成形同時接着法においては接着剤を用いることなくインモールド成形時の熱により基体シートを溶融することで保護層形成用シートと成型品と一体化させることにより保護層形成用シートと成型品とを接着することができる。ここで、前記後接着法で用いる接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、エステル系接着剤、アクリル系接着剤や、ホットメルト型接着剤等が挙げられる。
B−ステージ化された保護層形成用シートの保護層を加熱により熱硬化せしめて架橋硬化を行う際における加熱条件は、遠赤外線や熱風等による加熱方式が好ましく、通常80〜180℃で20秒〜10分間行うが、成形同時接着法にて成型品の保護層を形成する場合には、溶融樹脂を射出成形する際の樹脂溶融温度にて熱硬化反応が進行するため、後加熱を省略する事ができる。この加熱工程において、活性メチレン基や活性メチン基と(メタ)アクリロイル基とがマイケル付加反応により結合し架橋反応が進行する。
以下に、前記後接着法による成形品の保護層の形成方法を具体的に説明する。まず、成形品上に接着層側を下にして保護層形成用シートを配置する。次に、耐熱ゴム状弾性体、例えばシリコンラバーを備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃、圧力50〜200kg/mの条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を介して保護層形成用シートの保護層側から熱または/および圧力を加える。こうすることにより、接着層が成形品表面に接着する。最後に、加熱することにより、成形品上に形成された樹脂層を完全に架橋硬化させ、保護層を形成させる。
次に、射出成形を利用した成形同時接着法による成形品の保護層の形成方法を具体的に説明する。まず、可動型と固定型とからなる成形用金型内に接着層を内側にして、つまり、基体シートが固定型に接するように保護層形成用シートを送り込む。この際、枚葉の転写材を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の転写材の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の保護層形成用シートを使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、保護層形成用シートの絵柄層と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、保護層形成用シートを間欠的に送り込む際に、保護層形成用シートの位置をセンサーで検出した後に保護層形成用シートを可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で保護層形成用シートを固定することができ、絵柄層の位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、可動型に設けたゲートより溶融樹脂を金型内に射出充満させ、成形品を形成するのと同時にその面に保護層形成用シートを接着させる。樹脂成形品を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に、熱風式オーブン等で加熱することにより樹脂層を完全に架橋硬化させ保護層を形成させる。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物は基体シート上に塗装した後、活性エネルギー線を照射することにより該硬化性樹脂組成物がB−ステージ化してなる塗膜層を有する転写材を製造することもできる。用いる基体シートとしては、離型性を有するものが好ましい。また、本発明で用いる硬化性樹脂組成物は基体シート上に塗装する際には、必要に応じて基体シートに離型剤を塗布し離型層を形成させても良い。離型層を形成するための離型剤としては、例えば、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、これらの複合型離型剤等を用いることができる。離型層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、スプレーコート法、リップコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法が挙げられる。この転写材のB−ステージ化された樹脂層と成型品とを接着した後、加熱してB−ステージ化された樹脂層を硬化することにより耐擦傷性、耐溶剤性に優れる保護層を有する成型品を得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。例中の部および%は重量基準である。さらに、化合物(A)の活性メチレンの含有率および(メタ)アクリロイル含有の化合物(A)の固形分換算の二重結合当量は、原料の物質収支から計算される理論値である。
合成例1〔活性メチレン基含有化合物(A)の合成〕
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、酢酸ブチル100gを仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温した。次いで、アセトアセトキシエチルメタクリレート(イーストマンケミカルジャパン(株)製:純度95%、以下AAEMという)100gおよびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本乳化剤製:パーブチルO)2gからなる混合液を2時間かけて滴下ロートより滴下した。滴下後110℃で7時間保持した後120℃に昇温し、同温度で8時間反応を続けた。反応終了後、活性メチレン基含有化合物を196g得た。これを重合体(A1)と称する。重合体(A1)は、不揮発分:50.6%、ガードナー粘度(25℃):B―C、ガードナーカラー:1以下、GPCによるスチレン換算数平均分子量:7,700、固形分換算の活性メチレン当量:107g/eqである。
合成例2(同上)
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、酢酸ブチル328gを仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(以下、MMAという。)81.2g、AAEM247gおよびパーブチルO6.57gからなる混合液を2時間かけて滴下ロートより滴下した。滴下後110℃で7時間保持した後120℃に昇温し、同温度で8時間反応を続けた。反応終了後、活性メチレン基含有化合物を658g得た。これを重合体(A2)と称する。重合体(A2)は、不揮発分:50.6%、ガードナー粘度(25℃):M―N、ガードナーカラー:1以下、GPCによるスチレン換算数平均分子量:8,600、固形分換算の活性メチレン当量:143g/eqである。
合成例3〔(メタ)アクロイル基を有する化合物(B)の合成〕
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、酢酸ブチル1200gを仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温した。次いで、グリシジルメタアクリレート(以下、GMAという。)1200gおよびパーブチルO24gからなる混合液を2時間かけて滴下ロートより滴下した。滴下後110℃で7時間保持した後120℃に昇温し、同温度で8時間反応を続けた。次いで、90℃まで降温した後、メトキノン1.82gおよびアクリル酸(以下、AAという。)621gを仕込んだ後、トリフェニルホスフィン17.7gを添加後、100℃まで昇温して8時間反応を続けた。反応終了後、MEK1160gおよび酢酸ブチル680gを仕込み、アクロイル基を有する化合物を4550g得た。これをこれを重合体(B)と称する。重合体(B)は、不揮発分:37.7%、ガードナー粘度(25℃):C−D、ガードナーカラー:1以下、酸価:1.0mgKOH/g、GPCによるスチレン換算数平均分子量:11,700、固形分換算のアクリル当量:218g/eq、固形分換算の水酸基価:258mgKOH/gである。
合成例4〔比較対照用アクリル樹脂(a−1)の合成
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置にメチルエチルケトン60gを投入した。撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げ、80℃で2時間かけてサイクロマーM100〔ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシメタクリレート〕100gとアゾビスイソブチロニトリル0.3gとの混合体を滴下した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gを1時間置きに5回に分けて添加した後、反応装置内温を溶剤の沸点まで上昇させてその温度でさらに2時間重合させた。その後、フラスコ内温度が50℃以下になってから、メチルエチルケトン90gを添加して重合反応物をフラスコより取り出し、アクリル樹脂Aの溶液を得た。アクリル樹脂Aにおける単量体混合物の重合率は99.5%以上であり、固形分量は約40重量%、重量平均分子量は約22万、ガラス転移温度は73℃であった。
合成例5〔比較対照用アクリル状ゴム状弾性体(a−3)の合成
メチルメタクリレート182g、ブチルアクリレート10g、およびt−ブチルハイドロパーオキサイド0.6gを混合し重合性単量体混合物を得た。攪拌装置を備えた内容量5Lのオートクレーブに、脱イオン水2.5Kg、ホウ酸10g、炭酸ナトリウム1g、硫酸第一鉄0.001g、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム0.004gおよびN−ラウロイルザルコシンナトリウム(乳化剤)5g、並びに上記重合性単量体混合物80gおよび1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 8g投入し窒素ガスを吹き込んで実質的に酸素の影響のない状態とした後、80℃に昇温して、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(以下SFS)の10%水溶液を加え、60分間重合を行った。その後重合性単量体120gを30分間にわたり連続的に添加して重合させ、添加終了後さらに90分間重合を継続し第一段階(A−1)生成物を得た。
得られた第一段階(A−1)生成物200gの入ったオートクレーブに、脱イオン水50gにSFS2gと乳化剤5gを溶解させた混合物を加え、これにブチルアクリレート648g、スチレン140g、トリアリルイソシアヌレート、8.8g、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 3.2gおよびt−ブチルハイドロパーオキサイド 3.2gからなる混合物を150分間かけて連続的にオートクレーブに添加した添加終了後さらに180分間重合を継続し第二段階(A−2)生成物を得た。
得られた第二段階(A−2)生成物が1Kg入ったオートクレーブに10%乳化剤水溶液50gを加え、内温を80℃に保持して、メチルメタクリレート475g、メチルアクリレート25g、t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.9gおよびn−オクチルメルカプタン2.4gからなる混合物を90分間連続的に添加して重合させ、添加終了後、さらに60分間重合を継続した。以上の一連の重合法により、アクリル系ゴム状弾性体(A)を含むポリマーラテックスを得た。このポリマーラテックスを、70℃の1%硫酸水中で凝固させ、脱イオン水で洗浄した後脱水し、80℃で気流乾燥させてアクリル系ゴム状弾性体(A)を粉体状で得た。
実施例1
第1表に示す組成で化合物を配合して、硬化性樹脂組成物を調製した。これを組成物M1と略記する。
調製した組成物M1を用いて保護層形成用フィルムを製造した。具体的には基体シートとして厚さ38μmのポリエステル樹脂フィルムを用い、このフィルム上にアクリル系インキをグラビア印刷法にて印刷して絵柄層を形成した。この絵柄層の上に組成物M1を厚さ5μmとなるようにグラビア印刷法にて印刷した。その後、70℃で1分間加熱した後、紫外線を照射することにより、半硬化(B−ステージ化)した保護層を得た。紫外線の照射条件は、80w/cmの高圧水銀灯1灯、ランプ高さ15cm、コンベアースピード5m/minで4回照射である。
<耐ブロッキング試験>
保護層形成用フィルムの保護層面と前記ポリエステル樹脂フィルムを重ねてこれをガラス板で挟んだ。このガラス板の上に1kgの重りをのせて常温と40℃で1日間保持した。その後、重ね合わせたフィルムを取り出し、フィルム同士を剥離させた。保護層形成用フィルムの保護層面がもう片方のフィルムに移る現象(ブロッキング)の有無を目視で観察し、以下の判定に従い、評価した。
◎:ブロッキングの発生が認められない。フィルム同士を剥離させるのもスムーズである。
○:ブロッキングの発生が認められないが、フィルム同士を剥離させる際に抵抗を感じる。
×:ブロッキングが発生する。
この保護層形成用フィルムを用い、成形同時転写法を利用して成形品の表面に保護層形成用フィルムを接着した後、加熱して保護層を完全に架橋硬化させ、成形品に保護層を形成した。成形条件は、樹脂温度240℃、金型温度55℃、樹脂圧力300kg/cmとした。成形品は、材質をアクリル樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状の成形品である。
保護層を形成した成形品を用いて、耐溶剤性試験、耐磨耗性試験を行い、また、保護層表面のクラック有無も観察した。各試験及びクラック有無の観察方法を以下に示す。
<耐溶剤性試験>
ガーゼにMEKを含浸させ、(440g/cm)の荷重で50往復擦った後の保護層表面の状態を目視観察し、以下の判定に従い評価した。
◎:表面の状態に変化無し。
○:保護層表面が溶解し傷が発生するが、保護層内部まで届く傷は発生しない。
×:保護層が溶解し、内部まで届く傷が発生する。
<耐磨耗性試験>
#0000スチールウールを用い、荷重(440g/cm)で50往復させた後の保護層表面の傷つき程度を目視観察し、以下の判定に従い評価した。
◎:表面の状態に変化無し。
○:保護層表面に傷が発生するが、保護層内部まで届く傷は発生しない。
×:内部まで届く傷が発生する。
<クラックの有無>
成形品曲面の保護層のクラックの発生状態を目視判定し、以下の判定に従い評価した。
○:クラック発生が認められない。
×:クラック発生が認められる。
実施例2〜7及び比較例1〜3
第1表〜第4表に示す配合で硬化性樹脂組成物である組成物M2〜M7及び比較対照用組成物M′1〜M′3を調製した。実施例1と同様にして転写材を製造と成形品の保護層を形成した。実施例1と同様の各試験を行いその結果を第5表及び第6表に示す。
比較例4
アクリル樹脂Aを100部、サンエイドSI−100L(三新化学工業株式会社製のトリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート)1部およびアクリル系ゴム状弾性体(A)1部を混合して比較対照用硬化性樹脂組成物M′4を調製した。実施例1と同様にして転写材を製造と成形品の保護層を形成した。実施例1と同様の各試験を行いその結果を第5表及び第6表に示す。
Figure 0004438498
Figure 0004438498
Figure 0004438498
Figure 0004438498
<第1表〜第4表の脚注>
SH28PA:SH28PA〔東レ−ダウコーニング(株)製シリコンレベリング剤〕をMEKにて不揮発分10重量%となるように希釈したもの。
イルガキュア184:チバガイギー社製光重合開始剤
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7をMEKにて不揮発分10重量%にとなるように希釈したもの。
グリシジルエーテル:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル〔和光純薬工業(株)製〕をMEKにて不揮発分10重量%となるように希釈したもの。
オクタン酸:ノルマルオクタン酸〔和光純薬工業(株)製〕をMEKにて不揮発分10重量%となるように希釈したもの。
Figure 0004438498
Figure 0004438498

Claims (11)

  1. 1分子中に活性メチレン基および/または活性メチン基を合計で2個以上有する化合物(A)と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)とマイケル付加反応触媒(D)とを含有する硬化性樹脂組成物を基体シート上に塗装した後、活性エネルギー線を照射して該硬化性樹脂組成物をB―ステージ化してなる塗膜層を有することを特徴とする保護層形成用シート。
  2. 前記硬化性樹脂組成物中の活性メチレン基と前記活性メチン基との合計モル数(a)に対する前記(メタ)アクリロイル基のモル数(b)の比〔(b)/(a)〕が1〜10である請求項1記載の保護層形成用シート。
  3. 前記硬化性樹脂組成物中の活性メチレン基の当量と前記活性メチン基の当量との合計当量が60〜2000で、前記(メタ)アクリロイル基の当量(b)が80〜1500である請求項2記載の保護層形成用シート。
  4. 前記化合物(A)が活性メチレン基および/または活性メチン基を有する(メタ)アクリレートとその他の(メタ)アクリレートを必須成分として得られる重量平均分子量200〜50000の(メタ)アクリル系樹脂である請求項2記載の保護層形成用シート。
  5. 前記化合物(B)がグリシジル(メタ)アクリレートを必須成分として重合して得られるエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応して得られる重量平均分子量200〜50000のエポキシ(メタ)アクリレートである請求項4記載の保護層形成用シート。
  6. 前記エポキシ(メタ)アクリレートの酸価が2以下である請求項5記載の保護層形成用シート。
  7. 前記硬化性樹脂組成物が更に光重合開始剤(C)を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の保護層形成用シート。
  8. 前記光重合開始剤(C)がベンゾイン類、アセトフェノン類およびケタール類からなる群から選ばれる一種以上の化合物である請求項7記載の保護層形成用シート。
  9. 前記マイケル付加反応触媒(D)が第三級アミンおよび/または第三級ホスフィンである請求項記載の保護層形成用シート。
  10. 前記基体シートがポリエチレンテレフタレートシート、トリアセチルセルロースシート、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシートおよびポリスチレンシートからなる群から選ばれる1種以上のシートである請求項1〜のいずれか1項記載の保護層形成用シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の保護層形成用シートの基体シートと成形品とを接着した後、加熱することにより前記B−ステージ化してなる塗膜層を硬化させることを特徴とする成形品の保護層の形成方法。
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