JP3514640B2 - 耐候性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法 - Google Patents

耐候性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法

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JP3514640B2 JP29621398A JP29621398A JP3514640B2 JP 3514640 B2 JP3514640 B2 JP 3514640B2 JP 29621398 A JP29621398 A JP 29621398A JP 29621398 A JP29621398 A JP 29621398A JP 3514640 B2 JP3514640 B2 JP 3514640B2
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祐三 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、耐候性、耐磨耗
性および耐薬品性に優れた成形品を低コストで得ること
ができ、かつ成形品曲面部においてクラックを発生させ
ない耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品表面に表面保護シート
を形成する方法としては、基体シートの片面に少なくと
も保護層が設けられ、反対面に少なくとも接着層が設け
られた表面保護シートを成形品表面に貼着する貼着法が
ある。また、上記表面保護シートを成形金型内に挟み込
み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂
成形品を得るのと同時にその面に表面保護シートを接着
させるインサート成形法がある。
【0003】表面保護シートの保護層を構成する樹脂と
しては、一般に、熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化
性樹脂、さらにはその両方の機能を持つ樹脂が使用され
ている。
【0004】例えば、特開平10−67047号公報に
は、多官能イソシアネートで熱硬化させた後、さらに紫
外線硬化を行うことにより、優れた耐摩耗性及び耐薬品
性を有する表面保護層を形成して成形体を保護する方法
が記載されている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐薬品
性及び耐磨耗性に加えて、紫外線遮断能に優れた保護層
をもつ表面保護シートによる成形品の製造法は未だ確立
されていない。
【0005】例えば、表面保護層に紫外線遮断能を導入
する方法としてベンゾトリアゾール系もしくはベンゾフ
ェノン系の紫外線吸収剤を添加する方法が知られてい
る。しかしながら従来の紫外線吸収剤のほとんどは低分
子量の結晶であるため様々な問題を抱えている。例えば
従来の紫外線吸収剤は、分子量が低く、また蒸気圧が高
いため、加熱時に蒸散したり、保護層表面から経時的に
ブリードアウトしたりするため、下層に十分な長期耐候
性を付与することが困難である。また薄膜で紫外線を遮
断する場合、多量の紫外線吸収剤の添加を必要とする
が、一般的に従来の紫外線吸収剤は樹脂との相溶性も低
いため、保護層の耐摩耗性、耐薬品性、さらには透明性
を損なうことが知られている。
【0006】したがって、本発明は、以上のような問題
点を取り除き、耐候性、耐磨耗性および耐薬品性に優れ
た成形品を低コストで得ることができ、かつ成形品表面
への接着時に成形品曲面部においてクラックを発生させ
ない耐候性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の
製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前期課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、表面保護シートの
保護層を形成するに当たり、本発明に係わる特定のポリ
マー、多官能イソシアネート、及び特定の紫外線吸収剤
を有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性組成
物を用いれば、前記課題を解決できることを見出した。
【0008】すなわち、本発明の耐候性、耐磨耗性およ
び耐薬品性に優れた成形品の製造方法は、基体シートの
片面に(メタ)アクリル当量100 〜300 g/eq、水酸
基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000 のポリマー
と多官能イソシアネート、一般式
【化1】[R1、R2は、水素あるいは炭素数1〜10のア
ルキル基を示す。n、n'は4〜8の整数、またm、m'
は1〜20の整数を示す。]で示されるビスベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤とを有効成分して含有する活性
エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物から
なる保護層が設けられ、反対面に接着層が設けられた表
面保護シートを用い、成形品表面に配置し、基材シート
を加熱して軟化させ、下方より真空吸引することにより
成形品表面に表面保護シートを接着させた後、活性エネ
ルギー線を照射するように構成した。
【0009】また、本発明の耐磨耗性および耐薬品性に
優れた成形品の製造方法は、基体シートの片面に(メ
タ)アクリル当量100 〜300 g/eq、水酸基価20〜50
0 、重量平均分子量5000〜50000 のポリマーと多官能イ
ソシアネートと上記一般式(1)で表されるビスベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤を有効成分として含有する
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物
からなる保護層が設けられ、反対面に接着層が設けられ
た表面保護シートを用い、成形金型内に挟み込み、キャ
ビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと
同時にその表面に表面保護シートを接着させた後、活性
エネルギー線を照射するように構成した。
【0010】また、上記構成において、ポリマーを、グ
リシジル(メタ)アクリレート系重合体にα,β−不飽
和モノカルボン酸を付加反応させた反応生成物であるよ
うに構成した。
【0011】また、上記構成において、グリシジル(メ
タ)アクリレート系重合体を、グリシジル(メタ)アク
リレートの単独重合体、またはグリシジル(メタ)アク
リレートとカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和
単量体からなる共重合体であるように構成した。
【0012】さらに、上記各構成において、基体シート
と接着層との間に絵柄層を設けるように構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の耐候性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製
造方法について詳細に説明する。図1は本発明に係る耐
候性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工
程の一実施例を示す模式図、図2は本発明に係る耐候
性、耐磨耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程
の他の実施例を示す模式図である。図中、1は表面保護
シート、2は成形品、3はヒーター、4は真空吸引、5
は可動型、6は固定型、7は溶融樹脂をそれぞれ示す。
【0014】まず、本発明で使用する表面保護シート1
について説明する。
【0015】表面保護シート1は、基体シートの片面に
(メタ)アクリル当量100 〜300 g/eq、水酸基価20
〜500 、重量平均分子量5000〜50000 のポリマーと多官
能イソシアネートと上記一般式(1)で表されるビスベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を有効成分として含有
する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生
成物からなる保護層が設けられ、反対面に接着層が設け
られたものである。
【0016】基体シートとしては、アクリル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂シートを使用する
ことができる。
【0017】保護層は、薬品や摩擦、光から成形品2や
絵柄層を保護するための層である。保護層のポリマー
は、活性エネルギー線照射前後の保護層の物理化学的要
求性能を考慮して、特定の配合量とされる。すなわち、
活性エネルギー線照射時の硬化性の点から、(メタ)ア
クリル当量100 〜300 g/eqとされる。(メタ)アク
リル当量が300 g/eqよりも大きい場合は、活性エネ
ルギー線照射後の耐磨耗性が不十分であり、また100 g
/eq未満のものは得ることが難しい。また、併用する
多官能イソシアネートとの反応性の点から、ポリマーの
水酸基価は20〜500 、好ましくは100 〜300 とされる。
水酸基価が20未満の場合には、多官能イソシアネートと
の反応が不十分であり、活性エネルギー線照射前の保護
層の架橋度が低い。そのため粘着性が残存したり、耐溶
剤性が不足したりすることにより、表面保護シート1を
巻き取ることが難しくなり、鮮明な絵柄が得られないな
どの不利がある。また、水酸基価が500 を越えるのもの
は得ることが難しい。ポリマーの重量平均分子量は、50
00未満では活性エネルギー線照射前の保護層の粘着性が
残存したり、耐溶剤性が不足するため、やはり表面保護
シート1を巻き取ることが難しくなる。また、50000 を
越える場合には樹脂粘度が高くなり過ぎ、インキの塗布
作業性が低下する。
【0018】ポリマーの製造方法としては、特に限定は
なく、従来公知の方法を採用できる。例えば、[1 ]水
酸基を含有する重合体の側鎖の一部に(メタ)アクリロ
イル基を導入する方法、[2 ]カルボキシル基を含有す
る共重合体に水酸基を含有するα,β−不飽和単量体を
縮合反応させる方法、[3 ]カルボキシル基を含有する
共重合体にエポキシ基を含有するα,β−不飽和単量体
を付加反応させる方法、[4 ]エポキシ基含有重合体に
α,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法などがあ
る。
【0019】方法[4 ]を例にとり、ポリマーの製造方
法をより具体的に説明する。グリシジル(メタ)アクリ
レートの単独重合体または共重合体にアクリル酸などの
α,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法によりポリ
マーを容易に得ることができる。なお、グリシジル(メ
タ)アクリレートの共重合体としては、例えばグリシジ
ル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しない
α,β−不飽和単量体との共重合体が挙げられ、このカ
ルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体として
は、各種の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢
酸ビニル、アクリロニトリルなどが例示できる。カルボ
キシル基を含有するα,β−不飽和単量体の場合は、グ
リシジル(メタ)アクリレートとの共重合反応時に架橋
が生じ、高粘度化やゲル化するため、好ましくない。
【0020】いずれにしろ、前記[1 ]〜[4 ]の各方
法を採用する際、ポリマーに関わる前記数値限定範囲を
満足するよう、使用単量体や重合体の種類、これらの使
用量などの条件設定を適宜に行う必要がある。かかる操
作は当事者に周知である。
【0021】本発明において使用する紫外線吸収剤は、
一般式
【化1】[R1、R2は、水素あるいは炭素数1〜10のア
ルキル基を示す。n、n'は4〜8の整数、またm、m'
は1〜20の整数を示す。]で示されるビスベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤であり、一方のベンゾトリアゾ
ールフェノールがもう一方のベンゾトリアゾールフェノ
ールの水酸基の嵩高い置換基となるため、架橋剤等との
反応により紫外線吸収性に重要な役割を果たしているフ
ェノール系水酸基を消失することがない。また、分子量
が大きいため保護層表面からブリードアウトして濃度が
低下することがない。つまり、長期耐候性を付与するこ
とが容易である。また、長鎖ポリエステル基が置換して
いるため、汎用樹脂との相溶性が高く、その結果、保護
層の耐摩耗性、耐薬品性、透明性を損なうことがほとん
どない。さらに本発明の紫外線吸収剤は、長鎖ポリエス
テル基の末端に反応性の高い水酸基を有しており、有効
成分の一つである多官能イソシアネートを介してポリマ
ーと結合するため、水や有機溶媒によって抽出されずブ
リードアウトすることが全くない。つまり、長期耐候性
を付与することが容易である。また、長鎖ポリエステル
基の末端に反応性の高い水酸基を有しているため、保護
層の耐摩耗性、耐薬品性を損なうことがほとんどない。
上記一般式で示されるビスベンゾトリアゾールタイプの
紫外線吸収剤は、具体的には2,2'-メチレンビス[6-(2H-
1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(グリコロイルオ
キシエチル)フェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(2H-1,
2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(3-ヒドロキシプロ
パノイルオキシエチル)フェノール]、2,2'-メチレンビ
ス[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(3-ヒ
ドロキシブタノイルオキシエチル)フェノール]、 2,2'-
メチレンビス[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イ
ル)-4-(3-ヒドロキシヘプタノイルオキシエチル)フェノ
ール]、2,2'-メチレンビス[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリア
ゾール-2-イル)-4-(3-ヒドロキシヘキサノイルオキシエ
チル)フェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(2H-1,2,3-ベ
ンゾトリアゾール-2-イル)-4-(16-ヒドロキシ-4,11-ジ
オキソ-3,10-ジオキサヘキサデシル)フェノール]、2,2'
-メチレンビス[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イ
ル)-4-(23-ヒドロキシ-4,11,18-トリオキソ-3,10,17-
トリオキサトリコシル)フェノール]、2,2'-メチレンビ
ス[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(30-ヒ
ドロキシ-4,11,18,25-テトラオキソ-3,10,17,24-テトラ
オキサヘキサデシル)フェノール]、2,2'-メチレンビス
[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(37-ヒド
ロキシ-4,11,18,25,32-ヘプタオキソ-3,10,24,31-ヘプ
タオキサヘキタトリアコンチル)フェノール]等が挙げら
れ、これらは単独で使用しても二つ以上併用して使用し
ても、または市販の汎用紫外線吸収剤と併用してもよい
し、また保護層以外の層に添加して表面保護シートの他
の部位の耐候性付与に使用してもよい。
【0022】本発明で使用する紫外線吸収剤の添加量
は、前期ポリマー100重量部に対して2〜40重量
部、好ましくは5〜20重量部である。
【0023】紫外線吸収剤の添加量が40重量部を超え
る場合は、保護層の耐摩耗性を損ない、また2重量部よ
り低減した場合、保護層に十分な紫外線遮蔽能を付与す
ることができない。
【0024】本発明においてポリマーと併用する多官能
イソシアネートとしては、格別の限定はなく、公知の各
種を使用できる。たとえば、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニー
ルメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサンジイソシアネ
ート、上記の3量体、多価アルコールと上記ジイソシア
ネートを反応させたプレポリマーなどを用いることがで
きる。本発明で、多官能イソシアネートをポリマーと併
用する理由は、活性エネルギー線照射前の保護層2の粘
着性を低く保つことにある。すなわち、ポリマーに含有
される水酸基と、多官能イソシアネートのイソシアネー
ト基とを反応させ、軽度の熱架橋物を形成させて、上記
性能を付与せんとするものである。
【0025】ポリマーと多官能イソシアネートの使用割
合は、ポリマーの水酸基数とイソシアネート基数との割
合が1/0.01〜1/1、好ましくは1/0.05〜
1/0.8となるように決定される。
【0026】また、保護層に用いる活性エネルギー線硬
化性樹脂組成物は、ポリマーおよび多官能イソシアネー
ト以外に、必要に応じて以下のような成分を含有するこ
とができる。すなわち、反応性希釈モノマー、溶剤、着
色剤などである。また、活性エネルギー線照射に際して
電子線を用いる場合には、光重合開始剤を用いることな
く充分硬化を発揮することができるが、紫外線を用いる
場合には、公知各種の光重合開始剤を添加する必要があ
る。また、保護層は、着色したものでも、未着色のもの
でもよい。
【0027】保護層に用いる活性エネルギー線硬化性樹
脂組成物には、必要に応じて滑剤を含有させてもよい。
保護層表面が粗面化されるので、シートとして巻きやす
くなり、ブロッキングが生じ難くなるためである。ま
た。擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増すことができ
る。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パ
ラフィンワックス、合成ワックス、モンタンワックス等
のワックス類、シリコーン系、フッ素系等の合成樹脂類
を用いうる。滑剤は、0.5〜15重量%、好ましくは
1〜6重量%の量で含有させる。滑剤の量が0.5%重
量%を下回るとブロッキングの防止や摩擦引っ掻き抵抗
の効果が少なくなり、15重量%を上回ると保護層の透
明性が極端に悪くなる。
【0028】保護層に用いる活性エネルギー線硬化性樹
脂組成物は、エチレン性不飽和基とイソシアネート基と
を含む。この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を加熱
すると水酸基とイソシアネート基とが反応し、樹脂が架
橋される。また、この活性エネルギー線硬化性樹脂を活
性エネルギー線に露出するとエチレン性不飽和基が重合
し、樹脂が架橋される。つまり、保護層に用いる活性エ
ネルギー線硬化性樹脂は、熱及び活性エネルギー線の両
方により架橋される。
【0029】保護層の形成方法としては、グラビアコー
ト法、ロールコート法、コンマコート法などのコート
法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などの印刷法
がある。一般に、保護層は0.5〜30μm、好ましく
は1〜6μmの厚さに形成する。保護層の厚さが0.5
μmを下回ると耐摩耗性、耐薬品制が弱く、30μmを
上回るとコスト高となる。
【0030】以上のようにして形成された保護層を加熱
することにより、保護層は活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物の熱架橋反応生成物となる。この熱架橋反応生成
物はタックフリーの状態にあるため、保護層上に他の層
を刷り重ねたり表面保護シートを巻き取ったりすること
が容易になる。この加熱しただけの段階では、活性エネ
ルギー線硬化性樹脂組成物に含まれるエチレン性不飽和
基は、架橋されていないので、樹脂は完全に架橋硬化し
ていない。状態換言すれば半ば架橋硬化の状態となる。
したがって、保護層は成形品の曲面に適応でき、クラッ
クを生じない程度の可とう性を有する。加熱による架橋
反応は、活性エネルギー線照射による架橋反応に比して
制御が容易である。したがって、保護層を架橋させる程
度は、用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の種
類。及び成形品の曲率等に応じて適宜定めうる。
【0031】絵柄層は、基体シートの保護層が設けられ
る面と反対面に、通常は印刷層として形成する。印刷層
の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエス
テルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アル
キド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料
または染料を着色剤として含有する着色インキを用いる
とよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印刷
法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印
刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を
行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適して
いる。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロー
ルコート法、コンマコート法などのコート法を採用する
こともできる。絵柄層は、表現したい絵柄に応じて、全
面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。また、
絵柄層は、金属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と
金属薄膜層との組み合わせからなるものでもよい。
【0032】接着層は、成形品2表面に上記の各層を接
着するものである。接着層は、接着させたい部分に形成
する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、接着
層を全面的に形成する。また、接着させたい部分が部分
的なら、接着層を部分的に形成する。接着層としては、
成形品2の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を
適宜使用する。たとえば、成形品2の材質がポリアクリ
ル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。
また、成形品2の材質がポリフェニレンオキシド・ポリ
スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共
重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、
これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよ
い。さらに、成形品2の材質がポリプロピレン樹脂の場
合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹
脂が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラ
ビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などの
コート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などの
印刷法がある。なお、基体シートや絵柄層が成形品2に
対して十分接着性を有する場合には、接着層を設けなく
てよい。
【0033】なお、表面保護シート1の構成は、上記し
た態様に限定されるものではなく、たとえば、成形品2
の地模様や透明性を生かし、表面保護処理だけを目的と
した表面保護シート1を用いる場合には、絵柄層を省略
することができる。
【0034】また、各層間に、アンカー層を設けてもよ
い。アンカー層は、各層間の密着性を高めたり、薬品か
ら成形品2や絵柄層を保護するための樹脂層であり、た
とえば、二液硬化性ウレタン樹脂、メラミン系やエポキ
シ系などの熱硬化性樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂など
の熱可塑性樹脂を用いることができる。アンカー層の形
成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、
コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法やスク
リーン印刷法などの印刷法がある。
【0035】次に、前記した表面保護シート1を用い、
樹脂成形品2表面に耐候性、耐磨耗性および耐薬品性を
付与する方法について説明する(図1参照)。まず、表
面保護シートを、接着層側を下にして成形品2表面に配
置する。次に、ヒーター3などにより基体シートを加熱
して軟化させた後、下方より真空吸引4する。こうする
ことにより、接着層が成形品2表面に接着される。最後
に、活性エネルギー線を照射することにより保護層を硬
化させる。なお、下方より真空吸引4するとともに、上
方より加圧してもよい。表面保護シート1への加圧は、
流体などにより直接、あるいは可撓性シートを介して行
う。
【0036】活性エネルギー線としては、電子線、紫外
線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性
エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
【0037】成形品2としては、材料を限定されること
はないが、特に樹脂成形品2、木工製品もしくはこれら
の複合製品などを挙げることができる。これらは、透
明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、成形品2
は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹
脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を
挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・
ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリア
セタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変
性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分
子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂
やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹
脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアクリレート
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶
ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパ
ーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さら
に、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した
複合樹脂も使用できる。
【0038】次に、前記した表面保護シート1を用い、
射出成形によるインサート成形法を利用して樹脂成形品
2表面に耐磨耗性および耐薬品性を付与する方法につい
て説明する(図2参照)。まず、可動型5と固定型6と
からなる成形用金型内に保護層が固定型6に接するよう
に、表面保護シート1を送り込む。この際、枚用の表面
保護シート1を1枚づつ送り込んでもよいし、長尺の表
面保護シート1の必要部分を間欠的に送り込んでもよ
い。長尺の表面保護シート1を使用する場合、位置決め
機構を有する送り装置を使用して、表面保護シート1の
絵柄層と成形用金型との見当が一致するようにするとよ
い。また、表面保護シート1を間欠的に送り込む際に、
表面保護シート1の位置をセンサーで検出した後に表面
保護シート1を可動型5と固定型6とで固定するように
すれば、常に同じ位置で表面保護シート1を固定するこ
とができ、絵柄層の位置ずれが生じないので便利であ
る。成形用金型を閉じた後、可動型5に設けたゲートよ
り溶融樹脂7を金型内に射出充満させ、成形品2を形成
するのと同時にその面に表面保護シート1を接着させ
る。樹脂成形品2を冷却した後、成形用金型を開いて樹
脂成形品2を取り出す。最後に、活性エネルギー線を照
射することにより保護層を硬化させる。
【0039】
【実施例】以下の実施例および比較例をあげて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、以下、部および%は重量
基準である。
【0040】合成例1 冷却管、窒素導入管、温度計及び拡販装置を備えた四頭
フラスコに、2,2-メチレンビス[6-(2H-1,2,3-ベンゾト
リアゾール-2-イル)-4-(2-ヒドロキシエチル)フェノー
ル](商品名「RUVA-100」、大塚化学(株)製) 129.3g、
ε-カプロラクトン 170.3g(ダイセル化学工業(株)
製)、モノ-n-ブチルスズ脂肪酸(商品名「SCAT-24」、
三共有機合成(株)製)50ppmを加えた。反応温度を1
50℃に保ちながら6時間反応すると酸価(mgKOH/g)
1.8、粘度2645cp(60℃)、数平均分子量 1391、重量
平均分子量 1688、Mw/Mn=1.213の目的物である2,2-メ
チレンビス[6-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-
4-(23-ヒドロキシ-4,11,18トリオキソ-3,10,17トリオキ
サトリコシル)フェノール]が粘調オイルとして得られた
(収率98%)。
【0041】実施例1 基本シートとして厚さ125μmのアクリル樹脂フィル
ムを用い、基本シートの片面に、絵柄層としてアクリル
系インキ、接着層としてアクリル樹脂をグラビア印刷法
にて順次印刷形成し、反対面に下記ワニスA200部(固
形分100部)、1,6-ヘキサンジイソシアネート3量体
(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会
社製)5部、合成例1の紫外線吸収剤10部および光重
合開始剤(商品名イルガキュアー184、チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ社製)5部を配合した保護層をグ
ラビア印刷法にて印刷形成した。保護層の厚さは5μm
とした。80℃で30秒間加熱することにより保護層を
半ば架橋硬化させて表面保護シートを得た。
【0042】なお、ワニスAは、以下のようにして得
た。まず、撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導
入管を備えた反応装置に、グリシジルメタアクリレート
(以下、GMAという)175部、メチルメタアクリレー
ト(以下、MMAという)75部、ラウリルメツカプタン
1.3部、酢酸ブチル1000部および2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル(以下、AIBNという)7.5部を仕込ん
だ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約90℃に
なるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめ
GMA525部、MMA225部、ラウリルメルカプタン3.7
部およびAIBN22.5部からなる混合液を仕込んだ滴下
ロートより、窒素気流下に混合液を約2時間を要して系
内に滴下し、3時間同温度に保温後、AIBN10部を仕
込み、1弛緩保温した。その後、120℃に昇温し、2時
間保温した。60℃まで冷却後、窒素導入管を空気導入
管に付け替え、アクリル酸(以下、AAという)355
部、メトキノン2.0部およびトリフェニルフォスフィン
5.4部を仕込み混合した後、空気バブリング下にて、110
℃まで昇温した。同温度にて8時間保温後、メトキノン
1.4部を仕込み、冷却して、不揮発分が50%になるよう
酢酸エチルを加え、ワニスAを得た。ワニスAに含まれ
るポリマーは、アクリル当量270g/eq、水酸基価20
4、重量平均分子量18000(GPCによるスチレン換算に
よる)であった。
【0043】この表面保護シートを用いインサート成形
法を利用して成形品の表面に接着した後、紫外線を照射
した。なお、成形条件は、樹脂温度220℃、金型温度55
℃、樹脂圧力約300kg/cm2とした。成形品は、材質
をアクリル樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり
4.5mm、コーナー部のR2.5mmのトレー状に成形し
た。照射条件は、120w、6灯、ランプ高さ10cm、ベ
ルトスピード15m/minとした。
【0044】実施例2 基本シートとして厚さ125μmのアクリル樹脂フィル
ムを用い、基本シートの片面に、絵柄層としてアクリル
系インキ、接着層としてアクリル樹脂をグラビア印刷法
にて順次印刷形成し、反対面に下記ワニスA200部(固
形分100部)、1,6-ヘキサンジイソシアネート3量体
(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会
社製)10部、合成例1の紫外線吸収剤10部および光
重合開始剤(商品名イルガキュアー184、チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ社製)5部を配合した保護層を
グラビア印刷法にて印刷形成した。保護層の厚さは5μ
mとした。80℃で30秒間加熱することにより保護層
を半ば架橋硬化させて表面保護シートを得た。
【0045】この表面保護シートを用いインサート成形
法を利用して実施例1と同様に成形品の表面に接着した
後、紫外線照射した。照射条件は、120w/cm、2
灯、ランプ高さ10cm、ベルトスピード2.5m/min
とした。
【0046】実施例3 実施例1のワニスAに代えて、ワニスBを用いた外は実
施例1と同様に実施した。ワニスBは、初期仕込みでの
単量体使用量をGMA250部、後仕込みでの単量体使用
量をGMA750部に変え、AAの使用量を507部に変化さ
せた。ワニスBに含まれるポリマーは、アクリル当量21
4g/eq、水酸基価262、重量平均分子量20000であっ
た。
【0047】比較例1 実施例3の紫外線吸収剤に代えてベンゾフェノン系紫外
線吸収剤(商品名「TINUVIN-326」、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ社製)10部を配合することの外は実
施例3と同様に実施した。
【0048】比較例2 実施例3の紫外線吸収剤に代えてベンゾフェノン系紫外
線吸収剤(商品名「スミソーブ130」住友化学工業
(株)製)10部を配合することの外は実施例3と同様
に実施した。
【0049】上記実施例1〜3および比較例1,2につ
いて、それぞれ透明性、クラックの有無、耐薬品性、耐
摩耗性及び耐候性の性能評価を行った(表1)。透明性
は、保護層表面へのブリードの有無を透過での目視判定
により、○全くなし、△やや有り、×かなり有りのいず
れかで評価した。クラックの有無は、成形品曲面の状態
を観察し、目視判定により、○発生なし、△やや発生、
×かなり発生のいずれかで評価した。耐薬品性は、ガー
ゼにメタノールを含浸させ、50往復擦った後の表面の
状態を観察し、目視判定により、◎全く発生なし、○ほ
とんど発生なし、△やや発生、×かなり発生のいずれか
で評価した。耐摩耗性は、1cm角の#000スチール
ウールに荷重(100g,300g)をかけ、可動距離2c
m、2往復/秒で、200往復後の表面の傷つき程度を
観察し、目視判定により、◎極めて良好、○良好、△や
や不良、×不良のいずれかで評価した。また、耐候性の
評価はメタルハライドランプ(商品名「アイスーパーUV
テスター」岩崎電気(株)製、75℃、紫外線強度100m
W/cm2)で50時間暴露後、表面のクラックや層間密着
度等を観察と同時に50時間暴露後のアクリル樹脂板のE
値と初期のE値と差(ΔE)を測定して(ΔE値は小さ
い方が優れている)評価した。
【0050】
【表1】
【0051】表1の評価結果から、次のことが明らかで
ある。最外層にアクリル当量100〜300/eq、水酸基価
20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官
能イソシアネート、特定の紫外線吸収剤とを有効成分と
して含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の熱架
橋反応生成物からなる保護層を有する実施例1〜3は、
透明性、耐摩耗性、耐薬品性、耐候性に優れ、成形品曲
面部においてクラックが発生していない。これに対し
て、比較例1および2はクラックが発生しないが、透明
性、耐摩耗性、耐薬品性、耐候性で劣るものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の耐候性、耐摩耗性および耐薬品
性に優れた成形品の製造方法は、使用する表面保護シー
トの保護層がアクリル当量100〜300/eq、水酸基価20
〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能
イソシアネートを有効成分として含有する活性エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなり、成
形品の表面に形成されたこの保護層が活性エネルギー線
により架橋硬化されるので、耐候性、耐摩耗性および耐
薬品性に優れた成形品を得ることができ、かつ成形品曲
面においてクラックを発生させない。また、表面保護シ
ート作製時に加熱により保護層を半ば架橋硬化させるた
め、活性エネルギー線照射に際し巨大な活性エネルギー
照射装置が不要であり、低コストで済む。
【0053】そして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成
物の有効成分として特定の紫外線吸収剤を含有している
ので、保護層は下層に十分な長期耐候性を付与すること
が容易であり、保護層の耐摩耗性、耐薬品性、透明性を
損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐候性、耐摩耗性および耐薬品性
に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明に係る耐候性、耐摩耗性および耐薬品性
に優れた成形品の製造工程の他の実施例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 表面保護シート 2 成形品 3 ヒーター 4 真空吸引 5 可動型 6 固定型 7 溶融樹脂

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体シートの片面に(メタ)アクリル当
    量100 〜300 g/eq、水酸基価20〜500 、重量平均分
    子量5000〜50000 のポリマーと多官能イソシアネートと
    一般式 【化1】 [R1、R2は、水素あるいは炭素数1〜10のアルキル基
    を示す。n、n'は4〜8の整数、またm、m'は1〜2
    0の整数を示す。]で示されるビスベンゾトリアゾール
    系紫外線吸収剤を有効成分として含有する活性エネルギ
    ー線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなる保護
    層が設けられ、反対面に接着層が設けられた表面保護シ
    ートを用い、成形品表面に配置し、基材シートを加熱し
    て軟化させ、下方より真空吸引することにより成形品表
    面に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線
    を照射することを特徴とする耐候性、耐磨耗性および耐
    薬品性に優れた成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 基体シートの片面に(メタ)アクリル当
    量100 〜300 g/eq、水酸基価20〜500 、重量平均分
    子量5000〜50000 のポリマーと多官能イソシアネートと
    上記一般式(1)で表されるビスベンゾトリアゾール系
    紫外線吸収剤を有効成分として含有する活性エネルギー
    線硬化性樹脂組成物の熱架橋反応生成物からなる保護層
    が設けられ、反対面に接着層が設けられた表面保護シー
    トを用い、成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂
    を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面
    に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線を
    照射することを特徴とする耐候性、耐磨耗性および耐薬
    品性に優れた成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリマーが、グリシジル(メタ)アクリ
    レート系重合体にα,β−不飽和モノカルボン酸を付加
    反応させた反応生成物である請求項1または請求項2の
    いずれかに記載の耐候性、耐磨耗性および耐薬品性に優
    れた成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 グリシジル(メタ)アクリレート系重合
    体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、
    またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル
    基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体
    である請求項3記載の耐候性、耐磨耗性および耐薬品性
    に優れた成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 基体シートと接着層との間に絵柄層が設
    けられた請求項1〜4のいずれかに記載の耐候性、耐磨
    耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造方法。
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