JP4545846B2 - 硬化性塗料組成物及び塗膜形成法 - Google Patents

硬化性塗料組成物及び塗膜形成法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性エネルギ−線照射及び加熱の両者により硬化する硬化性塗料組成物、及びこの組成物を使用した塗膜の形成法に関し、特に、活性エネルギ−線照射が不十分な塗膜における耐チッピング性、他の塗膜との層間付着性、仕上り外観、平滑性、ツヤ感などを改良することに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
重合性不飽和化合物、水酸基含有化合物、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(又はメラミン樹脂)、光重合開始剤を含有する塗料を被塗物に塗装し、塗面に活性光線を照射してから、その塗面に熱硬化性塗料を塗装し、ついで加熱して両塗膜を硬化せしめる塗膜形成方法はすでに知られている。
【0003】
しかし、かかる方法において、活性光線の透過性が十分でない着色塗膜や、活性光線の照射が不十分な塗膜の内部の硬化性が十分でなく、その塗面に塗装された熱硬化性塗料の塗面には、シワなどが発生しやすいという欠陥を有している。さらに、かくして形成される塗膜の耐チッピング性、他の塗膜との層間付着性、平滑性、ツヤ感などが低下するという欠陥も有している。
【0004】
本発明は、活性エネルギ−線照射及び加熱の両者により硬化せしめる塗料組成物における上記した欠陥を解消することに関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、目的を達成すべく鋭意研究を行なった結果、今回、重合性不飽和結合及び水酸基を併存させた化合物を使用し、これに非ブロックのポリイソシアネ−ト化合物及び光重合開始剤を含有せしめた塗料組成物が、上記した欠陥を解消することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして、本発明によれば、下塗り塗料又は中塗り塗料が塗装された金属製又はプラスチック製の自動車の外板部又は内板部である被塗物に(A)水酸基含有化合物の水酸基の一部に、1分子中にイソシアネート基と重合性不飽和結合とが1個ずつ併存する化合物を付加せしめて得られる、1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基を有する水酸基価が10〜500mgKOH/gの範囲内である化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)光重合開始剤を含有する硬化性塗料組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギー線を照射し、ついで、加熱して硬化させることを特徴する塗膜形成法が提供される。
【0007】
以下、本発明の硬化性塗料組成物(以下、「本組成物」という)について詳細に説明する。
【0008】
(A)成分:1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基を有する化合物
1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基をそれぞれ1個以上併存する化合物であって、その数平均分子量は、通常、100〜100000、特に300〜10000の範囲内が適している。具体的には、下記に示す化合物があげられる。
1)エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ルなどの炭素数が2個以上、好ましくは2〜10個のグリコ−ル類とアクリル酸又はメタクリル酸などの重合性不飽和モノカルボン酸とのモノエステル化物。例えば、ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ヒドロキシプロピルメタクリレ−トなどがあげられる。
2)水酸基及びエポキシ基を併存する化合物のエポキシ基に、重合性不飽和モノカルボン酸を付加せしめてなる化合物。
【0009】
水酸基及びエポキシ基を併存する化合物は、例えば、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、さらに必要に応じてその他の不飽和化合物を使用して、これらを既知の方法で共重合することにより得られる。水酸基含有不飽和化合物としては上記1)で例示したモノエステル化物が好適に使用できる。エポキシ基含有不飽和化合物は、1分子中にエポキシ基及び重合性不飽和結合を併存する化合物であって、例えば、グリシジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどがあげられる。その他の不飽和化合物は、水酸基やエポキシ基を有さない重合性不飽和化合物であって、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−トなどのアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとのモノエステル化物;エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ルなどの炭素数2〜10のグリコ−ルとアクリル酸又はメタクリル酸とのジエステル化物;(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニルなどのビニル化合物などがあげられる。また、この共重合体のエポキシ基に付加せしめる重合性不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸又はメタクリル酸などが好適に使用できる。
【0010】
3)水酸基及びカルボキシル基を併存する化合物に含まれるカルボキシル基に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加せしめてなる化合物。
【0011】
水酸基及びカルボキシル基を有する化合物は、例えば、水酸基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、さらに必要に応じてその他の不飽和化合物を使用して、これらを既知の方法で共重合することにより得られる。これらの水酸基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、その他の不飽和化合物としては、上記1)、2)で例示したものが使用できる。さらに、水酸基及びカルボキシル基を併存するポリエステル樹脂も使用できる。
【0012】
4)エポキシ基を有する化合物(実質的に水酸基は含んでいない)に、カルボキシル基含有不飽和化合物を付加せしめてなる化合物。
【0013】
エポキシ基を有する化合物としては、上記のエポキシ基含有不飽和化合物、必要に応じてその他の不飽和化合物を使用してなる重合体;ビスフェノ−ルのグリシジルエ−テル類;グリシジルエステル類;脂環式エポキシ樹脂などがあげられる。カルボキシル基含有不飽和化合物としては上記したものが使用できる。この付加反応は、エポキシ基とカルボキシル基との開環エステル化反応であって、この反応により、水酸基(2級)と重合性不飽和結合が同時に導入できる。
【0014】
5)水酸基含有化合物の水酸基の一部に、ジイソシアネ−ト化合物と水酸基含有不飽和化合物との等モル付加物を付加せしめた化合物。
【0015】
水酸基含有化合物としては、例えば、水酸基含有不飽和化合物、さらに必要に応じてその他の不飽和化合物を使用してなる重合体;水酸基を有せしめたポリエステル樹脂;水酸基を有するポリエ−テル樹脂などがあげられる。エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチロ−ルプロパンなどの低分子量多価アルコ−ルなども水酸基含有化合物として使用できる。さらに、この低分子量多価アルコ−ルの水酸基にε−カプロラクトンのような環状エステルを開環付加反応させてその末端に水酸基を有せしめたものも水酸基含有化合物として包含される。
【0016】
ジイソシアネ−ト化合物は、1分子中に2個のイソシアネ−ト基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト;テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネ−ト;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト及びシクロペンタンジイソシアネ−トなどの脂環族ジイソシアネ−トなどがあげられる。水酸基含有不飽和化合物としては上記した化合物が使用できる。
【0017】
ジイソシアネ−ト化合物と水酸基含有不飽和化合物との等モル付加物は、この両化合物を等モル比でウレタン化反応させることにより得られ、その1分子中にはイソシアネ−ト基と重合性不飽和結合とが1個ずつ併存している。つぎにこの付加物のイソシアネ−ト基を、水酸基含有化合物の水酸基の一部とウレタン化反応させることにより、水酸基及び重合性不飽和結合を併存する(A)成分が得られる。また、1分子中にイソシアネ−ト基及び重合性不飽和結合を併存する化合物として、例えば、イソシアネ−トエチルメタクリレ−ト、ジメチルメタイソイソプロペニルベンジルイソシアネ−ト(通称、TMI)なども使用できる。
【0018】
これらの(A)成分は、1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基をれぞれ1個以上併存する化合物であって、その数平均分子量は、通常、100〜100000、特に300〜10000の範囲内が適しており、重合性不飽和結合は1分子中に1以上、水酸基価は10〜500mgKOH/g、特に20〜250mgKOH/gの範囲内が適している。
【0019】
(B)成分:ポリイソシアネ−ト化合物
これは1分子中に2個以上の遊離のイソシアネ−ト基を有する化合物であって、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト;トリメチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネ−ト;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロペンタンジイソシアネ−トなどの脂環族ジイソシアネ−ト;該ポリイソシアネ−トのビユ−レットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物、リジントリイソシアネ−ト;これらのポリイソシアネ−トと低分子量もしくは高分子量のポリ−ル類とをイソシアネ−ト基過剰で反応させてなる遊離イソシアネ−ト基含有ウレタン化プレポリマ−などがあげられる。このポリイソシアネ−ト化合物は、イソシアネ−ト基がブロックされておらず、遊離の状態で存在するものを使用する。かかるポリイソシアネ−ト化合物は、一般に200〜10000の数平均分子量を有していることが好ましい。
【0020】
(A)成分と(B)成分との構成比率は、特に制限されないが、例えば、(A)成分中の水酸基と(B)成分中のイソシアネ−ト基のモル比に基づき、水酸基/イソシアネ−ト基=0.5〜1.5/1、特に0.7〜1.2/1の範囲内が適している。
【0021】
(C)成分:光重合開始剤
これは、活性エネルギ−線の照射により、重合性不飽和結合による架橋(重合)反応を促進させるためのものであり、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオシン、チオニン、ミヒラ−ケトン、アントラセン、アントラキノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピルαヒドロキシイソブチルフェノン、α・α´ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]・2・モルフォリノ−プロペン、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−イル)チタニウム)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(η5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)などがあげられる。(C)成分の比率は、(A)成分100重量部(固形分)あたり、0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部が適している。
【0022】
本組成物には、上記の(A)、(B)、(C)成分に加え、さらに顔料、熱重合開始剤、ウレタン化触媒、水酸基含有化合物、有機溶剤などを必要に応じて含有せしめることができる。
【0023】
顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カ−ボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロ−、酸化クロム、プルシアンブル−、コバルトブル−、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの着色顔料;タルク、クレ−、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどの体質顔料;アルミニウム粉末、雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末などのメタリック顔料などを使用することができる。顔料の比率は、(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、250重量部以下、特に1〜150重量部が適している。
【0024】
熱重合開始剤は、活性エネルギ−線が照射されなかった部分や照射が不十分な部分の塗膜に含まれる(A)成分の加熱による架橋(重合)反応を促進させるものであり、例えば、過酸化ベンゾイル、ジt−ブチルハイドロパ−オキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、クミルパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンザンハイドロパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、ラウリルパ−オキサイド、アセチルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−トなどの過酸化物;α・α´−アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合物などがあげられる。熱重合開始剤の配合量は、(A)成分100重量部あたり、一般に0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部の範囲内が適している。
【0025】
ウレタン化触媒は、(A)成分と(B)成分とのウレタン化反応による塗膜架橋硬化を促進するためのものであって、例えば、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペラジン、ジメチルイミダゾ−ル、スタナスオクトエ−ト、ジブチル錫ジアセテ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫チオカルボキシレ−ト、ジブチル錫ジマレエ−ト、ジオクチル錫マ−カプチド、ジオクチル錫、オレイン酸錫などの既知の触媒が使用できる。ウレタン化触媒の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、0.01〜10重量部、特に0.05〜5重量部の範囲内が適している。
【0026】
水酸基含有化合物は1分子中に1個以上、好ましくは2個以上の水酸基を有しており、原則としてエポキシ基、カルボキル基、重合性不飽和結合などの官能基は有していない。具体的には、水酸基を含有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などが使用できる。
【0027】
水酸基含有飽和ポリエステル樹脂は、通常、多塩基酸と多価アルコ−ルとを水酸基過剰の比率でエステル化反応させることにより製造される。多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、トリメリット酸およびこれらの無水物などが、多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパンおよびペンタエリスリト−ルなどがあげられる。ポリエステル樹脂の水酸基価は50〜150mgKOH/g、特に65〜120mgKOH/g、酸価は0〜30mgKOH/g、特に1〜10mgKOH/g、数平均分子量が3000〜20000、特に5000〜13000が好ましい。
【0028】
水酸基含有アクリル樹脂及びビニル樹脂は、水酸基含有不飽和化合物、これ以外の上記した重合性不飽和化合物とを共重合することにより得られ、水酸基価は50〜150mgKOH/g、特に65〜120mgKOH/g、酸価は0〜30mgKOH/g、特に1〜10mgKOH/g、数平均分子量が3000〜50000、特に5000〜30000にあることが好ましい。
【0029】
水酸基含有ポリウレタン樹脂は、例えば、水酸基を含有するアクリル樹脂、ポリエ−テル樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子量ポリオ−ル成分、水酸基含有低分子量ポリオ−ル成分(鎖延長剤)及びポリイソシアネ−ト化合物を水酸基過剰にしてウレタン化反応せしめることにより得られ、その水酸基価は50〜150mgKOH/g、特に65〜120mgKOH/g、酸価は0〜30mgKOH/g、特に1〜10mgKOH/g、数平均分子量が3000〜50000、特に5000〜30000の範囲内にあることが好ましい。
【0030】
さらに、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチロ−ルプロパンなどの低分子量多価アルコ−ルなども水酸基含有化合物として使用できる。
この水酸基含有化合物の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、50重量部以下、特に1〜30重量部の範囲内が適している。
【0031】
本組成物は、上記した(A)成分、(B)成分、(C)成分、さらに必要に応じて、顔料、熱重合開始剤、ウレタン化触媒、水酸基含有化合物を、有機溶剤(例えば、炭化水素系、エステル系、エ−テル系、ケトン系などの活性水素基を含有していない塗料用有機溶剤)に混合分散せしめることにより調製することができる。
【0032】
本組成物において、(A)成分と(B)成分とは室温で容易に反応しゲル化することがあるので、この2成分はあらかじめ分離しておき、使用(塗装)直前に混合することが好ましい。これ以外の成分は、(A)成分と(B)成分のいずれか又は両者にあらかじめ混合しておくことはさしつかえない。
【0033】
本発明は、被塗物に本組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギ−線を照射し、ついで、加熱して硬化させることを特徴する塗膜形成法を包含している。
被塗物としては、金属製、プラスチック製の自動車や電気製品などの外板部及び内板部が好適にあげられ、これらは、本組成物の塗装に先立ってカチオン電着塗料などの下塗り塗料や、さらに中塗り塗料などをあらかじめ塗装しておくことが好ましい。
【0034】
本組成物の塗装時の粘度を20〜40秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を加えて調整し、被塗物に、静電塗装、エアレススプレ−、エアスプレ−などにより塗装することができる。その塗装膜厚は硬化塗膜で10〜60μm、特に15〜40μmの範囲内が好ましい。
【0035】
かくして塗装された本組成物の塗膜は、必要により室温又は60℃以下の温度で乾燥して有機溶剤などを揮散除去したのち、その塗面に活性エネルギ−線を照射せしめる。活性エネルギ−線としては、例えば、紫外線、レ−ザ−線、エックス線、電子線、イオンビ−ム線などがあげられる。このうち紫外線などの活性光線を使用することが好ましい。
【0036】
活性光線の発生装置としては、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カ−ボンア−ク、メタルハライド、ガリウムランプ、ケミカルランプ、無電極ランプなどがあげられる。活性光線(紫外線)の照射量は特に制限されないが、通常、約10〜3000mj/cm2 の範囲内が好ましい。これらの照射時間は、1秒〜1分間、特に2〜15秒程度が適している。
【0037】
本組成物の塗膜の活性エネルギ−線(特に、一般に使用される活性光線)による硬化性は、この塗膜自体の活性光線の透過性、活性光線の照射量などによって異なることがある。例えば、透明塗膜は光線の透過性は良好であるが、濃色塗膜では透過性は劣る。また、本組成物が塗装された被塗物の外側に位置する部分は活性光線を十分に照射することは容易であるが、反対側や陰部分では照射量が必然的に少なくなる。
【0038】
例えば、活性光線が透過しやすい透明塗膜に十分に照射すると、活性光線によるラジカル重合と、この照射による温度上昇(約50〜80℃)などによって、その塗膜は速やかに架橋硬化する。その塗膜にはポリイソシアネ−ト化合物が含まれており、温度が上昇すると、それが同時に併存する水酸基との反応性が容易に進行するためと思われる。また、活性光線の照射量は十分であるが、光線を透過しにくい濃色塗膜などでは、その表面部は速やかに硬化するが、塗膜内部ではラジカル重合反応は殆ど進行しないが、活性光線の照射による塗膜温度上昇が透明塗膜よりも強く起こり、その結果、ポリイソシアネ−ト化合物による反応が促進され、塗膜内部の架橋硬化が円滑に進行する。さらに、活性光線の照射量が不十分な塗膜では、活性光線によるラジカル重合反応や温度上昇は期待できず、上記のように架橋硬化させることは困難であるが、ポリイソシアネ−ト化合物による反応によって比較的短時間で硬化させることができる。
【0039】
かくして活性エネルギ−線が照射された本組成物の塗膜を、さらに加熱することによって、未硬化部分の塗膜を完全に硬化させることができる。加熱による硬化は、約60〜約180℃の温度で、約10〜約40分加熱することにより行われる。この加熱により、活性光線が全く照射されなかった部分の塗膜もほぼ完全に硬化させることができる。
【0040】
さらに、本発明は、被塗物に本組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギ−線を照射した後、さらに熱硬化性塗料を塗装し、加熱して硬化させることを特徴する塗膜形成法を包含している。
【0041】
本組成物の塗膜中の(A)成分と(B)成分とのウレタン化反応は、活性光線が照射された部分ではその際の温度上昇によりある程度進行するが、十分とは言えず、また、活性光線非照射部分ではこの反応はすみやかにしないので、上塗り塗装後の加熱によって、上塗り塗膜と同時に本組成物の塗膜の架橋反応が進行し、両塗膜が完全に硬化した複層塗膜を形成することができる。
【0042】
特に、本発明のこの塗膜形成法において、本組成物の塗膜のうち活性光線が照射された部分はラジカル重合、さらにはウレタン化反応などによってほぼ硬化が完了しているために、その塗面に熱硬化性塗料を塗装し加熱しても塗面にシワなどが発生することがなく、仕上り外観のすぐれた塗膜が形成される。
【0043】
熱硬化性上塗り塗料として、ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料、クリヤ塗料などを使用することができ、これらを適宜組み合わせ用いることによりソリッドカラ−仕上げ又はメタリック仕上げの上塗り塗膜が形成される。
【0044】
ソリッドカラ−塗料は、基体樹脂、架橋剤、ソリッドカラ−顔料及び有機溶剤を含有する熱硬化性塗料が使用できる。基体樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などがあげられ、また、架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物または樹脂、カルボキシル基含有化合物または樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物または樹脂などがあげられる。
【0045】
ソリッドカラ−顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カ−ボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロ−、酸化クロム、プルシアンブル−、コバルトブル−、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの通常の塗料用顔料があげられ、これらの配合量は塗膜に望まれる色調等に応じて任意に選択することができる。また、有機溶剤としては、炭化水素系、エステル系、エ−テル系、アルコ−ル系、ケトン系溶剤などの通常の塗料用溶剤を使用することができる。
ソリッドカラ−塗料は、これらの成分を混合分散せしめることにより調製することができ、その塗装時の固形分濃度を約40〜約70重量%、塗装時粘度15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃の範囲内が適している。
【0046】
メタリック塗料は、基体樹脂、架橋剤、メタリック顔料及び有機溶剤を含有する熱硬化性塗料であり、このうち基体樹脂、架橋剤及び有機溶剤としては、ソリッドカラ−塗料について例示したものが使用できる。また、メタリック顔料としては、例えば、りん片状のアルミニウム、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄などが包含される。メタリック塗料の塗装時の固形分濃度は約15〜約30重量%、粘度は10〜15秒/フォ−ドカップ#4/20℃の範囲内にあることが好ましい。
【0047】
クリヤ塗料は、ソリッドカラ−塗料について述べたと同様の基体樹脂、架橋剤及び有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて着色顔料やメタリック顔料を透明性を阻害しない程度に配合してなる熱硬化性塗料である。クリヤ塗料の塗装時の固形分濃度は約40〜約70重量%、粘度は15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃の範囲内にあることが好ましい。
【0048】
本発明の塗膜形成方法は、これらの熱硬化性上塗り塗料を、本組成物が塗装された自動車車体(被塗物)の主として外板部に塗装し、必要に応じて内板部にも塗装し、ついで加熱硬化せしめることにより達成される。
【0049】
ソリッドカラ−塗料、メタリック塗料及びクリヤ塗料を用いて上塗り塗膜を形成するための具体的方法としては、例えば、次のような方法があげられる。
【0050】
a)活性エネルギ−線を照射した本組成物の塗膜面に、ソリッドカラ−塗料、さらに必要に応じてクリヤ塗料を塗装した後、加熱して、本組成物の塗膜及びこれらの上塗り塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成する。
【0051】
b)活性エネルギ−線を照射した本組成物の塗膜面に、メタリック塗料及びクリヤ塗料を塗装した後、加熱して、本組成物の塗膜及びこれらの上塗り塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成する。
【0052】
方法a)では、本組成物の塗膜面に、ソリッドカラ−塗料を静電塗装、エアレススプレ−又はエアスプレ−などで、硬化塗膜に基く膜厚が5〜50μm、好ましくは10〜30μm程度になるように塗装し、さらに必要に応じてクリヤ塗料を同様にして硬化塗膜に基く膜厚が10〜80μm、好ましくは20〜50μm程度になるように塗装したのち、約60〜約180℃で約10〜約40分加熱して、塗膜を硬化させることにより複層塗膜を形成する。
【0053】
方法b)では、本組成物の塗膜面に、メタリック塗料を静電塗装、エアレススプレ−またはエアスプレ−などで、硬化塗膜に基く膜厚が10〜50μm、好ましくは15〜35μm程度になるように塗装し、ついでクリヤ塗料を同様にして硬化塗膜に基く膜厚が10〜80μm、好ましくは20〜50μm程度になるように塗装したのち、約60〜約180℃で約10〜約40分加熱して、塗膜を硬化させることにより複層塗膜を形成する。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基を有する化合物、ポリイソシアネ−ト化合物及び光重合開始剤を含有することを特徴とする硬化性塗料組成物(本組成物);本組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギ−線を照射し、ついで加熱して硬化せしめる塗膜形成方法;本組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギ−線を照射した後、熱硬化性上塗り塗料を塗装し、加熱して硬化させることを特徴する塗膜形成法であって、かくして得られる塗膜は、耐チッピング性、隣接する他の塗膜との層間付着性、平滑性、ツヤ感などを改良することができた。
【0055】
特に、本組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギ−線を照射した後、熱硬化性上塗り塗料を塗装し、加熱して硬化させる塗膜形成法において、熱硬化性上塗り塗料を塗装する時点で、本組成物の塗膜は活性光線の照射によりほぼ硬化されているので、その塗面に塗装された熱硬化性塗料の塗面にシワなどの発生は認められず、仕上り外観のすぐれた塗膜が形成される。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、部及び%はいずれも重量基準である。塗膜の膜厚は硬化塗膜を基準にしている。
【0057】
1.試料の調製
1)被塗物:
りん酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上に熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料(「エレクロン#9600」関西ペイント社製、商品名)を硬化膜厚が約20μになるように電着塗装し、170℃で30分加熱し硬化させて被塗物とした。
【0058】
2)本組成物
(a):重合性不飽和結合及び水酸基を併存する化合物(注1)とポリイソシアネ−ト化合物(注2)を、水酸基/イソシアネ−ト基=1/1(モル比)の割合で混合し、さらに化合物(注1)100重量部(固形分)あたり光重合開始剤(注3)を1重量部、化合物(注1)と化合物(注2)との合計100重量部(固形分)あたり、チタン白顔料を80重量部、水酸基含有樹脂(注4)を15重量部の比率で配合し、有機溶剤(キシレン)の存在下で均一に混合分散して、粘度を15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を配合して調整した。
【0059】
(注1)重合性不飽和結合及び水酸基を併存する化合物:水酸基含有化合物(「TONE301」、UCC社製、商品名、数平均分子量約600のポリオ−ル)中の水酸基の半分に、イソホロンジイソシアネ−トとヒドロキシエチルアクリレ−トとの等モル反応生成物を反応させてなる、重合性不飽和結合及び水酸基を併存する化合物。
【0060】
(注2)ポリイソシアネ−ト化合物:ヘキサメチレンジイソシアネ−トのヌレ−トタイプのポリイソシアネ−ト化合物(住友バイエルウレタン社製、「N−3300」、商品名)
(注3)光重合開始剤:「イルガキュア819」(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)
(注4)水酸基含有樹脂:水酸基含有ポリエステル樹脂(水酸基価120mgKOH/g、酸価10mgKOH/g、数平均分子量約7000)
(b):重合性不飽和結合及び水酸基を併存する化合物(注5)とポリイソシアネ−ト化合物(注2)を、水酸基/イソシアネ−ト基=1/1(モル比)の割合で混合し、さらに化合物(注5)100重量部(固形分)あたり光重合開始剤(注3)を1重量部、化合物(注5)と化合物(注2)との合計100重量部(固形分)あたり、チタン白顔料を80重量部、水酸基含有樹脂(注4)を15重量部の比率で配合し、有機溶剤(キシレン)の存在下で均一に混合分散して、粘度を15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を配合して調整した。
【0061】
(注5)重合性不飽和結合及び水酸基を併存する化合物:水酸基含有化合物(「TONE301」、UCC社製、商品名、数平均分子量約600のポリオ−ル)中の水酸基の半分に、ヘキサメチレンジイソシアネ−トとヒドロキシエチルメタクリレ−トとの等モル反応生成物を反応させてなる、重合性不飽和結合及び水酸基を併存する化合物。
(c):水酸基含有樹脂(注4)とポリイソシアネ−ト化合物(注2)を、水酸基/イソシアネ−ト基=1/1(モル比)の割合で混合し、さらにこの両成分100重量部あたり、重合性不飽和結合含有化合物(注6)を15重量部を加え、化合物(注6)100重量部(固形分)あたり光重合開始剤(注3)を1重量部、そして水酸基含有樹脂(注4)と化合物(注2)と化合物(注6)との合計100重量部(固形分)あたり、チタン白顔料を80重量部の比率で配合し、有機溶剤(キシレン)の存在下で均一に混合分散して、粘度を15〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤を配合して調整した。
【0062】
(注6)重合性不飽和結合含有化合物:水酸基含有化合物(「TONE301」、UCC社製、商品名、数平均分子量約600のポリオ−ル)中のすべて水酸基に、イソホロンジイソシアネ−トとヒドロキシエチルアクリレ−トとの等モル反応生成物を反応させてなる、重合性不飽和結合を含有する化合物。
【0063】
2.実施例及び比較例
実施例 1
被塗物の全面に本組成物(a)をエアスプレ−で膜厚35μmになるように塗装し、室温で5分乾燥した後、本組成物(a)の塗面の約半分に、メタルハライドランプで紫外線を2000mj/cm2 を照射した(照射時間は約10秒間)。ついで、この紫外線の照射部分と非照射部分の両塗面に、「アミラック黒」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系上塗り塗料:黒色)を30μmの膜厚に塗装した後、140℃で30分加熱してこれらの塗膜を硬化させた。
【0064】
実施例 2
被塗物の全面に本組成物(b)をエアスプレ−で膜厚35μmになるように塗装し、室温で5分乾燥した後、本組成物の塗面の約半分に、メタルハライドランプで紫外線を2000mj/cm2 を照射した(照射時間は約10秒間)。ついで、この紫外線の照射部分と非照射部分の両塗面に、「アミラック黒」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系上塗り塗料:黒色)を30μmの膜厚に塗装した後、140℃で30分加熱してこれらの塗膜を硬化させた。
【0065】
比較例 1
被塗物の全面に本組成物(c)をエアスプレ−で膜厚35μmになるように塗装し、室温で5分乾燥した後、本組成物の塗面の約半分に、メタルハライドランプで紫外線を2000mj/cm2 を照射した(照射時間は約10秒間)。ついで、この紫外線の照射部分と非照射部分の両塗面に、「アミラック黒」(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系上塗り塗料:黒色)を30μmの膜厚に塗装した後、140℃で30分加熱してこれらの塗膜を硬化させた。
【0066】
3.塗膜性能試験結果
上記のようにして硬化せしめた塗装板を用いて塗膜の性能試験を行なった。
その結果を表1に示した。
【0067】
【表1】
Figure 0004545846
【0068】
表1における試験方法は下記のとおりである。
【0069】
観察部位:「照」は本組成物の塗面に紫外線を照射した部分、「非」は本組成物の塗面に紫外線を照射しなかった部分である。
【0070】
耐チップ性:試験機としてグラベロメ−タ(Qパネル社製)を使用し、7号砕石500gを塗面に対して45゜の角度で、20℃においてエア−圧0.3MPaで吹付けて塗膜に衝撃を与える。ついで、その塗面に粘着テ−プを貼付し、それを急激に剥離した後の衝撃によるキズの周囲の塗膜剥離状態を調べた。
【0071】
○はキズ周辺部に塗膜剥離が全くもしくは殆ど認められない。
△はキズ周辺部に塗膜剥離が明確に認められる。
【0072】
×はキズ周辺部に塗膜剥離が著しく認められる。
【0073】
付着性 :素地に達するようにカッタで塗膜をカットし、1mm×1mmのゴバン目を100個作り、その表面に粘着テ−プを貼付し、それを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存数を調べた。
【0074】
○は100個残存。△は99〜95個残存。×は94個以下残存。
【0075】
ツヤ感 :本組成物の塗面を目視で観察した結果である。○はツヤ感良好、△はツヤ感が少し劣る、×はツヤ感が非常に劣るを示す。

Claims (3)

  1. 下塗り塗料又は中塗り塗料が塗装された金属製又はプラスチック製の自動車の外板部又は内板部である被塗物に(A)水酸基含有化合物の水酸基の一部に、1分子中にイソシアネート基と重合性不飽和結合とが1個ずつ併存する化合物を付加せしめて得られる、1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基を有する水酸基価が10〜500mgKOH/gの範囲内である化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)光重合開始剤を含有する硬化性塗料組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギー線を照射し、ついで、加熱して硬化させることを特徴とする塗膜形成法。
  2. 下塗り塗料又は中塗り塗料が塗装された金属製又はプラスチック製の自動車の外板部又は内板部である被塗物に(A)水酸基含有化合物の水酸基の一部に、1分子中にイソシアネート基と重合性不飽和結合とが1個ずつ併存する化合物を付加せしめて得られる、1分子中に重合性不飽和結合及び水酸基を有する水酸基価が10〜500mgKOH/gの範囲内である化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)光重合開始剤を含有する硬化性塗料組成物を塗装し、その塗膜面に活性エネルギー線を照射した後、熱硬化性塗料を塗装し、加熱して硬化させることを特徴とする塗膜形成法。
  3. 1分子中にイソシアネート基と重合性不飽和結合とが1個ずつ併存する化合物が、ジイソシアネート化合物と水酸基含有不飽和化合物との等モル付加物である請求項1又は2に記載の塗膜形成法。
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