JP2687236B2 - サーマルヘッドおよびこれを用いたサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッドおよびこれを用いたサーマルプリンタ

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、サーマルヘッドおよびこれを用いたサーマ
ルプリンタに関するものであり、更に詳しくはサーマル
ヘッドを構成する発熱素子の抵抗値を高速測定すること
が可能なサーマルヘッドおよびこれを用いたサーマルプ
リンタに関するものである。
[従来の技術] サーマルヘッドは、印字用プリンタ、画像記録用プリ
ンタ等に多用されているものであり、その一例を第4図
〜第6図について説明する。
第4図はカラー画像記録用プリンタへの応用例を示す
ものであり、板状に形成されたサーマルヘッド1に接触
してインク紙2が例えば矢印A方向に走行するように設
けられている。インク紙2にはイエローY、マゼンタ
M、シアンCの昇華性染料が塗布され、これらの昇華性
染料をサーマルヘッド1により加熱し、プラテンドラム
3に巻回されて走行する記録紙4にカラー画像を加熱転
写する。
サーマルヘッド1の回路構成は、第5図に示すように
複数の発熱抵抗素子(以下において発熱素子という)r
と、これらの発熱素子tの通電を制御するスイッチング
トランジスタQ、更にスイッチングトランジスタQを選
択的に駆動する駆動回路5等からなる。なお、発熱素子
rの数は、このサーマルヘッド1が適用される装置、更
に解像度等によって決定されるのであるが、画像記録用
プリンタに適用される場合は、512、或は1024等の多数
にわたるものである。
直列接続された発熱素子rとスイッチングトランジス
タQとの両端には、所定電圧に設定された電源電圧Eが
供給される。
そして、画像記録時には、制御回路6から映像信号に
対応した制御信号を駆動回路5に供給し、駆動回路5か
ら各スイッチングトランジスタQに第6図(A)に示す
ようなストローブパルスSPを印加してオン状態に駆動す
る。この結果、選択された発熱素子rにパルス状電源が
流れ、電流量に対応した熱を発生して前記のように昇華
性染料を転写する。
サーマルヘッドに電力を供給するケーブルにパルス状
の電流が流れると、有害な不要輻射が発生する場合があ
るので、サーマルヘッドブロックの一対の電源端子間に
コンデンサCが接続されている。またこのコンデンサC
により電源電流が積分されるので、電源回路はピーク電
流容量の小さなものでもよくなるという効果もある。
該コンデンサCは、数十μFから100μF程度の容量
値になされる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、発熱素子rの抵抗値にばらつきがあった
り、経年変化が生じると、当然のことながら発熱量が変
動し、これに起因して記録画像に色むら等の不所望な現
象が発生する。
この現象の防止及び低減は、発熱素子rのばらつきを
補正することによりなし得るが、そのためには各発熱素
子rの抵抗値のばらつきを正確に測定し、検出すること
が前提になる。前記回路構成によれば、電源Eとサーマ
ルヘッド1との間に基準抵抗R(これについては後述す
る)を挿入し、サーマルヘッド1の端子電圧Vを測定す
ることにより、発熱素子rの抵抗値を求めることができ
る。
即ち、電源Eの電圧レベル、基準抵抗Rの抵抗値は、
前述のように予め所定の値に設定されている。従って、
発熱素子rの抵抗値は、電圧Vを測定することにより、
r=〔V/(E−V)〕・Rにより求められる。
しかし、発熱素子rとスイッチングトランジスタQと
の直列回路は、大容量のコンデンサCが並列接続されて
いるので、電源回路の時定数が大になっている。このた
め、ストローブパルスSPが第6図(A)に示すように急
激にレベル変化する波形であっても、電圧Vのレベル変
化は前記時定数により、第6図(B)に示すように指数
関数曲線で変化するようになり、いわゆるなまった波形
になってしまう。従って、測定のためのストローブパル
スSPを供給してから、電圧Vの立ち下がり時間及び立ち
上がり時間が経過してからでなければ、正確な測定を行
うことができない。
しかも、例えば、画像記録用プリンタに適用されるサ
ーマルヘッドにあっては、発熱素子rは前記のように51
2以上も設けられているので、サーマルヘツド1全体に
ついて前記抵抗測定を行おうとすれば、多大の時間を要
することになる。
本発明は、前記実状に鑑みてなされたものであり、そ
の目的はサーマルヘッドを構成する発熱素子の抵抗測定
を迅速かつ正確に行い得るサーマルヘッドおよびこのサ
ーマルヘッドを用いることによって抵抗測定機能を持っ
たサーマルプリンタを提供することにある。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために本発明は、サーマル
ヘッドを駆動する一対の電源間に、直列接続されたスイ
ッチ手段を介してノイズ吸収用のコンデンサを並列接続
するとともに、前記サーマルヘッドを構成する発熱素子
の抵抗測定を行う場合は前記スイチ手段を開状態に制御
し、前記一対の電源から前記コンデンサを切り離すよう
に構成したものである。
[作用] このように構成されたサーマルヘッドおよびこれを用
いたサーマルプリンタによれば、発熱素子の抵抗測定を
行う際には、電源にコンデンサが接続されず電源経路の
時定数が小になるので、発熱素子の抵抗値に対応して電
源電圧が高速応答にてレベル低下することになり、この
レベル低下の測定により前記発熱素子の抵抗測定を正確
かつ高速で行うことができる。
一方、通常の画像記録を行う場合は、スイッチ手段を
閉状態に制御して電源コンデンサを接続し、記録動作を
することができる。
[実施例] 以下、第1図〜第3図を参照して本発明の一実施例を
説明する。なお、第1図はサーマルヘッド及びその周辺
の回路図、第2図は回路動作を説明するための波形図、
第3図はスイッチ手段の各例を示す回路図であり、前記
従来例と共通の部分には共通の符号を付し、説明を省略
する。
サーマルヘッド1は、各々が直列接続されたN個の発
熱素子rとスイッチングトランジスタQが複数組並列に
配され、更に前記スイッチングトランジスタQに順次ス
トローブパルスSPを供給して発熱素子rの電流を制御す
る駆動回路5等から構成されている。
各発熱素子rと各トランジスタQの両端には、一対の
電源として所定電圧に設定された電源Eが所定抵抗値に
設定された基準抵抗Rを介して供給されている。基準抵
抗RにはスイッチSbが並列接続されている。また、前記
一対の電源間には、直列接続されたスイッチSaを介して
コンデンサCが並列接続されている。前記スイッチSa,S
bは、本発明でいうスイッチ手段および抵抗挿入手段に
相当するものであり、発熱素子rの抵抗測定を行う場合
は制御回路6によって各々開状態、即ちオフ状態に制御
される一方、画像記録等を行う場合は各々閉状態、即ち
オン状態に制御される。
次に、発熱素子rの抵抗測定動作を説明する。
この場合、図示を省略した操作機構により、制御回路
6が抵抗測定モードに切り換えられ、これに対応して制
御信号Vcを駆動回路5に供給する。
駆動回路5は前記制御信号Vcに対応してストローブパ
ルスSPを順次発生し、スイッチングトランジスタQに供
給する。従って、例えば第1図に示す左側のスイッチン
グトランジスタQから順次オン状態、この場合は飽和状
態に駆動される。この結果、発熱素子rの抵抗値に対応
した電流Iが抵抗Rを流れ、電圧VはE−IRで決定され
るレベルに変化する。
ここで注目すべきは、抵抗測定モードに切り換えられ
るとともに、制御回路6によってスイッチSaがオフ状態
に制御され、コンデンサCが一対の電源間、換言すれば
電圧Vの測定位置に対し不作用になされることである。
従って、ストローブパルスSPが第2図(A)に示すよう
にレベル変化すると、電圧Vのレベルも第2図(B)に
示すように高速応答にてレベル変化するようになる。
電圧Vのレベルは、発熱素子rの抵抗値に対応した電
流Iにより高速低下することになり、しかもレベル低下
した時間幅tはコンデンサCによる時定数がないので、
ほぼフラットになる。このため、抵抗値の測定を高速化
し得るとともに、正確な測定を行うことができるように
なる。
なお、発熱素子rの抵抗値は、前記のようにr=〔V/
(E−V)〕・Rにて求められる。そして、求められた
抵抗値に基づき各発熱素子rの補正量を決定し、例え
ば、この補正量をRAMに記憶すると共に、画像記録時に
このデータを読出して補正を行なうことにより、良好な
画像記録を行い得るようにする。
一方、画像記録を行う場合は、操作機構により制御回
路6を記録モードに切り換える。この結果、制御回路6
はスイッチSa,Sbを各々オフ状態に制御し、一対の電源
間にコンデンサCを接続させまた基準抵抗Rを短絡状態
にさせるとともに、映像信号に対応した制御信号Vcを駆
動回路5に供給する。なお、制御信号Vcの内容は、発熱
素子rを選択するとともに、色の濃淡を制御するデータ
及び先に決定した補正データ等を含むものである。
駆動回路5は、制御信号Vcに基づいたストローブパル
スSPをスイッチングトランジスタQに供給するのである
が、画像記録時には順次供給するのではなく、画像を形
成するように選択的に供給される。
次に、第3図を参照して前記スイッチSaの具体例を順
次説明する。第3図(A)、スイッチSaをバイポーラト
ランジスタQaにて構成した例を示すものである。各発熱
素子rの抵抗測定を行う場合は、前記制御回路6から供
給される制御信号によってトランジスタQaをオフ状態に
制御する。結果、コンデンサCは一対の電源間から切り
離されることになり、電圧Vのレベル変化が前記のよう
に高速応答する。
一方、通常の画像記録を行う場合は、前記制御回路6
から供給される制御信号によってトランジスタQaをオン
状態に制御する。この結果、コンデンサCは一対の電源
間に接続されることになり、各発熱素子rが通電されて
もノイズの発生を防止することができる。
第3図(B)は、スイッチSaをMOSトランジスタQbに
て構成した例を示すものである。
本例においても、発熱素子rの抵抗測定を行う場合は
制御回路6によってMOSトランジスタQbをオフ状態に制
御し、通常の画像記録を行う場合はオン状態に制御す
る。
第3図(C)は、スイッチSaをリレースイッチRyにて
構成した例を示すものである。
リレースイッチRyはコイルLに通電した場合にオフに
駆動され、通電を遮断した場合に例えばスプリング等に
よってオン状態に切り替わる構造のものが好ましい。即
ち、発熱素子rの抵抗測定は、記録を行う時間に比較す
れば極めて短時間であり、前記構造によれば圧倒的に動
作時間の多い記録動作時に消費電力を低減することがで
きる。
前記構造のリレースイッチを適用することにより、発
熱素子rの抵抗測定を行う場合は、リレースイッチRyを
オフ状態に制御し、容量Cを切り離すとともに、通常の
画像記録を行う場合は電力を消費することなくコンデン
サCを一対の電源間に接続することができる。
制御回路6によってスイッチ手段を制御せず、第3図
(D)のようにジャンパースイッチ、半田ジャンパー等
によってコンデンサCの回路の開閉の状態を切り替えて
もよい。
以上に説明したように、本実施例に示したサーマルヘ
ッドおよびこれを用いたサーマルプリンタによれば、発
熱素子rの抵抗測定を高速度かつ正確に行うことができ
るので、下記のような利用が可能になる。
例えば、ビデオプリンタの製造工程において前記のよ
うに発熱素子rの抵抗値を測定し、その測定値に基づい
て補正を行っても、経年変化等により、或は使用条件に
より抵抗値が変動することが考えられる。このような事
態を考慮すれば、製造工程はもとより、画像記録に先だ
って発熱素子rの抵抗測定と補正とを行えば、良好な画
像記録を継続し得ることが理解できよう。
しかし、従来の測定装置では前記のように測定時間が
かかる上に、電源が指数関数曲線で変化していたので、
少なくとも画像記録に先だって測定と補正とを簡便に行
うことは困難であった。
これに対し、本実施例に示したサーマルヘッドとプリ
ンタによる測定方法は、高速度かつ正確に発熱素子rの
抵抗測定を行い得る。従って、ビデオプリンタを例に述
べれば、画像記録に先だって抵抗測定と補正とを簡便に
行い、高品質の画像記録を行うことができるようにな
る。このような構成にすれば、ビデオプリンタの付加価
値をより一層向上させることができる。
以上に本発明の実施例を説明したが、本発明は前記に
限定されるものではなく、種々の変形が可能である、 例えば、前記スイッチSa,Sbは発熱素子rの測定時間
を勘案したタイマー等によってオン、オフ状態に制御す
るように構成してもよい。
また、本実施例に示したサーマルヘッドおよびサーマ
ルプリンタの適用は、前記ビデオプリンタに限定される
ものではなく、サーマルヘッドを適用する各種プリンタ
に広く利用できる。
更に、サーマルヘッド自体の測定装置として、サーマ
ルヘッドの製造工程等において利用することもでき、更
にまたプリンターのアフターサービス機器としても利用
することができる。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明に係るサーマルヘッド
およびサーマルプリンタは、サーマルヘッドを構成する
発熱素子の抵抗測定を行う際に、ノイズ吸収用のコンデ
ンサを一対の電源間から切り離し、通常の通電時に接続
するように構成したものであるから、発熱素子の抵抗測
定時には、発熱素子に順次通電することにより、発熱素
子の抵抗値に対応して電源電圧のレベルが高速応答で変
化し、その変化レベルに基づいて抵抗値を測定すること
ができる。
一方、抵抗測定時以外、例えば通常の記録動作を行う
場合には、一対の電源間にコンデンサが接続されるの
で、発熱素子に通電してもノイズを発生することが無く
なり、安定した記録動作が行われる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用したサーマルヘッドの測定装置の
一実施例を示す回路図、 第2図は回路動作を説明するための波形図、 第3図はスイッチ手段の各例を示す回路図、 第4図はサーマルヘッドの応用例を示す斜視図、 第5図はサーマルヘッドの回路図、 第6図は回路動作を説明する波形図である。 図中の符号 1:サーマルヘッド 2:インク紙 3:プラテンドラム 4:記録紙 5:駆動回路 6:制御回路 E:電源 R:抵抗 r:発熱素子 Q:スイッチングトランジスタ Sa:スイッチ手段 Sb:抵抗挿入手段 Sp:ストローブパルス Vc:制御信号。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーマルヘッドを構成する発熱素子を駆動
    する一対の電源端子間にスイッチ手段が直列接続された
    コンデンサを前記発熱素子と並列接続したことを特徴と
    するサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】サーマルヘッドを構成する発熱素子を駆動
    する一対の電源端子間にスイッチ手段が直列接続された
    コンデンサを前記発熱素子と並列接続したサーマルヘッ
    ドと、 前記スイッチ手段の開閉状態を制御する手段とを具備
    し、 前記発熱素子の抵抗値を測定するモードにおいては、前
    記スイッチ手段を開状態になして前記端子間電圧の変化
    を高速化するように構成したことを特徴とするサーマル
    プリンタ。
  3. 【請求項3】サーマルヘッドと該サーマルヘッドに電力
    を供給する電源との間に抵抗を挿入する手段を具備し、 発熱素子の抵抗を測定するモードにおいて、前記抵抗挿
    入手段と、前記スイッチ手段とを同時に制御するように
    構成したことを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載
    のサーマルヘッド。
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