JP2680905B2 - 薄板材をプレス加工するための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は薄板材料、特に大きい寸法の極端に薄い金属
薄板をプレス加工するための装置に関する。

従来の技術及び発明が解決しようとする課題 弾力性を有するクッション上でプレスする方法はFR−
Ａ−2,564,339により知られている。この方法では、成
形されるべき薄板は弾性クッション上に置かれ、ブラン
クホルダを担持した外側スライドが薄板の周縁部分上に
当てられて、薄板の中央部分を変形させるために弾性ク
ッションの素材の流れを生じさせ、それに前成形段階の
終りに、得られるべき最終部品の表面面積とほぼ等しい
表面面積を与え、それからパンチを介して作用する中央
スライドが、部品の最終形状作りを行なうために薄板の
中央部分に作用させられる。

この方法は薄板材料、特に低い伸び性を有する材料、
例えば特にスティールのような金属薄板のプレス加工を
可能とするが、その方法は金属薄板のプレスに限定はさ
れず、プラスチック材料や他のどんな合成材料にも適用
可能であろう。

その弾性クッションは特に、低いショア硬さを有する
シリコンエラストマーを基礎としたほぼ平行な側面を備
えたかたまり、その上面とその横側面の全体あるいは一
部がより強く硬い材料からなる比較的薄い皮で覆われて
いても良いかたまりからなる合成支持体として説明され
ている。

この技術では薄板が弾性材料のクッション上に直接置
かれ、実質的に一定の厚みのプレス品を得ることがで
き、特に極薄の薄板にとって有効であるが、この方法
は、高度に縮んだ領域、特に角のある領域でのしわの発
生を効果的に防ぐことができない。

事実、種々のそして角のある形状の部品をプレス成形
するためには、これらの領域で大きな縮みが起らねばな
らず、そのしわを生じようとする傾向はブランクホルダ
によって薄板に及ぼされる圧力を増大することによって
減少され得るのみである。

先のFR−Ａ−2,564,339に開示された技術を用いて
は、弾性材料クッションはそれ自体十分な剛性を有して
おらず、薄板はブランクホルダの下の領域に、すなわち
ブランクホルダと弾性クッションとの間に十分に保持さ
れない。

公知のこの技術のもう１つの欠点は、弾性クッション
を構成している材料のブランクホルダの下の領域での表
面の劣化にあり、これは部品の大量生産には不利であ
る。

弾性クッション上でプレスする方法はFR−Ａ−2,590,
814からも知られており、それにおいては成形されるべ
き薄板ブランクは弾性クッションのための保持ボックス
を構成する支持体上に配置され、ブランクホルダが、限
定された部分的領域で薄板ブランクの縁部分のフランジ
付けを行ない、薄板ブランクの中央部分を変形させるた
めに弾性クッションの素材の流動を生じさせるように、
薄板ブランクの周縁部分の上に当てがわれ、それからパ
ンチが、部品の最終形状作りを行なうように、薄板ブラ
ンクの中央部分の上に当てがわれる。

本発明の目的はこれらの欠点を克服し、弾性材料のク
ッションの効果を高めその寿命を延ばし、その中央部分
が実際に回転形状を有さず展開不能な複雑な形状を呈す
る自動車部品の如く、中位の深さではあるが大きな寸法
のプレス成形される部品を大量生産するために、薄板ブ
ランクの縁部分の全体的あるいは部分的なフランジ付け
を助力することである。

課題を解決するための手段 したがって本発明は、薄板材、特に薄板金属ブランク
をプレス加工するための装置であって、保持ボックス内
に配置された弾性材料製のクッションと、上側ブランク
ホルダを担持した外側スライドを含んでなる薄板ブラン
クを前成形するための手段と、パンチ上に作用する中央
スライドを含んでなる薄板ブランクの最終成形を行なう
ための手段とを含み、さらに、弾性クッション上に直接
置かれた薄板ブランクの少くとも一部を支持するための
手段により構成され、薄板ブランクの少くとも限定され
た部分的領域を挾持するために上側ブランクホルダと協
働する下側ブランクホルダを含んでいる装置を提供す
る。

本発明の他の特徴によれば、 その支持し保持する手段は得られるべき完成部品の周
縁領域の形状に対応した形状とされた面形状を有する。

その支持、保持手段は形状付けられたりあるいはされ
ていない一定厚みの断面を有する。

その支持、保持手段は変形する厚みの断面を有してい
てもよい。

その支持、保持手段は閉じた輪郭を有するフレームか
らなっていてもよい。

その支持、保持手段は薄板ブランクを挾持するために
その領域に配置された独立したエレメントからなっても
よい。

その支持、保持手段はＬ字状断面を有していてもよ
い。

本発明のさらなる特徴によれば、その装置は補償エレ
メントを備えている。

実施例 第１図乃至４図に示されるプレス装置はボックス１を
含んでなり、そのボックス１の中央部分は弾力性のある
材料で構成されたクッション２のための凹所を形成す
る。

弾性クッション２の上側表面上にフレーム３が配置さ
れ、フレーム３は閉じた輪郭を有し、下側周囲ブランク
ホルダーを構成し、部品を成形する時に先の凹所に入り
込むことができるようにボックス１の内側凹所の輪郭と
適合している。

プレス装置は、外側スライド28により担持された持上
げ部材11に固定されたボディ５をボックス１の上方に備
えてなる。ボディの下側部分は上側周囲ブランクホルダ
ーを備成する。

上側周囲ブランクホルダー６は、フレーム３と協同
し、先述の凹所に入るようにボックス１の内側凹所の輪
郭より僅かに小さい外側寸法を有している。

ボディ５は中央孔７を有し、その中へ上側部分に裏板
９を備えたパンチ８が伸びている。持ち上げ部材11はさ
らに、パンチ８と裏板９の通路となるための中央縦穴を
含んでいる。

パンチ８の下側は得られるべき完成部品の形状に対応
した成形型を含んでいる。

薄板すなわちシートブランク10は以下のように成形さ
れる。

先ず最初にシートブランク10はフレーム３の上に載置
され、それからプレスの外側スライド28が持ち上げ部材
11に接触する（第２図）。外側スライド28は次第に降下
し、これは持ち上げ部材11を介してボディ５の降下をも
たらし、したがって上側周囲ブランクホルダ６の降下を
もたらす。上側周囲ブランクホルダーはシートブランク
10に接触し、シートブランクの周辺部分は、花づな状あ
るいはシワの寄った状態となるのを避けるために上側ブ
ランクホルダ６とフレーム３との間で次第に挾持され、
同時に反作用によって弾性クッション２を圧縮する。

弾性クッション２は、この周辺部の圧縮という作用を
受けていて、シートブランク10の中央の領域に作用し、
ブランクの前成形を行なう（第３図）。

シートブランクの中央部分の膨張はパンチ８の底部に
より制限され、思いがけない不規則な変形を避けるよう
になっている。持ち上げ部材11の降下は柱12により制限
される。

第４図は最終的な部品の形状作りのためのステップを
示す。プレスの中央スライド30がパンチの裏板９に接触
し、パンチのその下側位置への降下をもたらし、このパ
ンチは同時にそれと一緒にロッド13を介して上側周囲ブ
ランクホルダ６を下方へ変位させ、先の工程で前成形さ
れていたシードブランク10の最終成形を行なう。

シートブランクの頂面へのパンチ８の圧接による圧縮
応力は、シートブランクの反対側の面に作用している弾
性クッションの作用によって、シートブランクの面積の
いたる所に及ぼされる引張応力に変換され、利用可能な
体質のすべてにわたってブランクの変位を生ずる。

上側周囲ブランクホルダ６とフレーム３により形成さ
れる下側周囲ブランクホルダとの組合せにより、前成形
と最終成形工程の間ブランクホルダの下側にある領域に
シートブランクを維持するために十分な剛性を得ること
ができる。

完成部品を解放するステップは中央スライド30と外側
スライド28を同時に持ち上げることにより行なわれ、外
側スライドはそれと一緒に持ち上げ部材11を介してボデ
ィ５を、そしてボディ５はそれと一緒にロッド13を介し
てパンチ８と裏板９とを運ぶ。

第５図乃至第８図に示された変形例によると、弾性ク
ッション２の上に配置された下側周囲ブランクホルダー
は、閉じた輪郭を有し、得られるべき最終部品の周辺部
位の形状に対応した適切に形状を付された部分21aを画
成するフレーム21により形成されている。

その装置はさらに、先の例におけるように、外側スラ
イド28により担持され、上側周囲ブランクホルダー23を
構成するボディ22を含んでいる。ボディ22は縦穴24を備
え、その中へ下側に得られるべき完成部品の形状に対応
した成形型を有するパンチ25が伸びている。パンチ25は
上側部分に裏側26を有する。

持ち上げ部材27がボディ22に結合され、パンチ25の通
路のための中央縦穴を備えている。

さらに、あらかじめ定められた領域が1aがボックス１
の上側表面に備えられ、上側周囲ブランクホルダー23と
協同して部分的に制限された領域でのシートブランク20
の縁部分のフランジ付けを行なう。

シートブランク20は以下のように成形される。

先ず最初に、シートブランク20が所定の位置に置か
れ、領域1aの上にそしてフレーム21の持ち上がった形状
となった部分21aの上に載る。

第１の段階で、プレスの外側スライド28は持ち上げ部
材27を介してボディ22の上に作用する（第６図）。外側
スライド28の降下は次第に進められて、ボディ22の上側
ブランクホルダ23がシートブランクの縁部分の部分的な
領域を折り曲げてフランジを作る。

従ってこの第１の工程のうちに、シートブランク20の
周辺部分の限定された領域は、かなりの縮みを受けてい
るが、あらかじめ定められた領域1aとブランクホルダ23
との間に維持されて、これらの領域においてシートブラ
ンクの縁部分のフランジ付けを行ない、それにより縮め
られる金属の体積における減少を許容する。

その後、外側スライド28の降下は続けられてシートブ
ランク20を上側ブランクホルダとフレーム21により構成
される下側ブランクホルダとの間に維持して成形する。
同時に、弾性クッション２が圧縮され、この周辺部の圧
縮の影響で、シートブランク20の中央部分上へのクッシ
ョンの流動により作用して、このブランクを前成形する
（第７図）。

シートブランクの中央部の膨張はパンチ25の底部によ
り制限され、予定外の不規則な変形は防止される。先の
例におけるように、持ち上げ部材27と外側スライド28の
降下は柱29により制限される。

その後、プレスの中央スライド30がパンチ25の裏板26
に接触し、裏板の降下をもたらし、同時にそれはロッド
13を介して上側周囲ブランクホルダ23を降下させ、シー
トブランク20の中央部分の最終成形を行なう（第８
図）。

第９図に示される他の実施例によると、弾性クッショ
ン２の上に配置される下側周囲ブランクホルダは、成形
後に得られる最終部品40の周辺領域の形状に対応した高
さである凸状浮き彫り状の形を２つの対向した枝部に有
するフレーム41により形成される。

その装置は、先の例におけるように、その下側部分が
上側ブランクホルダ43を形成するボディ42と、パンチ44
と、持ち上げ部材45とを備えている。シートの前成形及
び最終成形は同様の方法で行なわれる。

第10図に示されるもう１つの例では、ボックス１の中
で弾性クッション２の上に配置される下側周囲ブランホ
ルダは、Ｌ字型断面を有するフレーム51により構成され
る。このフレーム51は対向した２つの枝部に凸状浮き彫
り状態の適当な形51aをも備えている。

必要な場合には、その距離は少なくとも１つの補償エ
レメントを備える。この補償エレメントは、上側ブラン
クホルダの降下が始まるとすぐに前成形処理が開始され
るようにするために、弾性クッション２と、上側ブラン
クホルダとフレームにより構成される下側ブランクホル
ダとの間に挾持されたシートブランクの表面との間の容
積を減少させることが目的である。

第10図に示される実施例では、補償成形ブロック52が
ボックス１の底と弾性クッション２との間に配置されて
いる。この場合、補償成形ブロック52は非圧縮性材料か
らなるブロックで構成され、フレーム51の形状にほぼ対
応した形状を有する。

この構成により弾性クッション２は前成形されて、フ
レーム51の形状に一致し、それにより部品50の前成形と
最終成形の時に弾性クッションが過度に圧縮されるのを
避ける。

この装置は勿論、その下側部分が上側ブランクホルダ
54を構成するボディ53と、パンチ55と、持ち上げ部材56
とを備えている。

第11図に示される第10図の例のもう１つの実施例によ
れば、下側周囲ブランクホルダはやはりＬ字型断面を有
するフレーム51により構成される。しかしこの例の場合
には、弾性クッション２の上側表面とフレーム51との間
の容積は補償エレメント60により満たされている。この
補償エレメントはクッション２と同じタイプの弾力性を
有する材料で作られた小さなクッションにより構成され
る。

この例の場合にもやはりボディ53と、パンチ55と、持
ち上げ部材56とがある。

したがって補償エレメント52と60は、シートと弾性ク
ッションとの間の容積を減少させ、それにより上側ブラ
ンクホルダの作用が開始すると直ぐに前成形工程が開始
されるようにすることを目的とする。

一般的に、本発明による下側周囲ブランクホルダー
は、得られるべき完成部品の周辺領域の形状にほぼ対応
した形状を付された面形状と、形づくられたりする一定
の断面厚みを有する。それは完成部品を排出するための
装置としても採用し得る。

さらにこの下側ブランクホルダーは、弾性クッション
の周辺部の上に、そしてシートブランクの周辺領域が挾
持されねばならない領域でうまく隔てられた独立したエ
レメントにより形成されてもよい。

本発明の装置は成形作業の間、部品の周辺部分を効果
的に維持し、その中央部分が実際に旋回の形状ではない
が展開不可能な複雑な形状を呈する自動車部品などのよ
うな、中位の深さではあるが大きな寸法のプレス部品を
生産するための弾性材料製クッションの効果と寿命を改
善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるプレス装置を構成する種々の部材
を示す分解斜視図、 第２図乃至４図は第１図の２−２線による断面図で、部
品を成形するための連続する各工程の状態を示し、 第５図は本発明の第１の変形例の分解斜視図、 第６図乃至第８図は第５図の６−６線による断面図で、
成形時の連続する各工程の状態を示し、 第９図は本発明の第２の変形例を示す分解斜視図、 第10図は本発明の第３の変形例を示す分解斜視図、 第11図は本発明の第４の変形例を示す分解斜視図であ
る。 １……ボックス、２……クッション、3,21,41,51……フ
レーム、5,22,42,53……ボディ、6,23,43,54……上側周
囲ブランクホルダ、8,25,44,55……パンチ、10,20,40,5
0……薄板ブランク、28……外側スライド、30……中央
スライド。

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】薄板材ブランク、特に薄板金属ブランクを
   プレス加工するための装置において、保持ボックス内に
   配置される弾性材料製のクッションと、上側ブランクホ
   ルダを担持する外側スライドを含んでなる前記薄板ブラ
   ンクを前成形するための手段と、パンチに作用する中央
   スライドを含んでなる前記薄板ブランクを最終的に成形
   する手段とを含んでなり、さらに、前記クッションの上
   に直接置かれ、前記薄板ブランクを少くともその部分的
   な領域で挾持するために前記上側ブランクホルダと協働
   する、少くとも前記薄板ブランクの一部分のための支持
   及び保持手段により構成される下側ブランクホルダを含
   んでなる装置。
2. 【請求項２】前記支持及び保持手段は、得られるべき最
   終部品の周辺領域の形状に対応した形状を付された平面
   形状を有する、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】前記支持及び保持手段は、形づくられたあ
   るいは形づくられていない一定の厚みの断面を有する、
   請求項２記載の装置。
4. 【請求項４】前記支持及び保持手段は、変化する厚みの
   断面を有する請求項２記載の装置。
5. 【請求項５】前記支持及び保持手段は、閉じられた輪郭
   を有する、請求項１乃至４のいずれか１に記載の装置。
6. 【請求項６】前記支持及び保持手段は、前記薄板ブラン
   クの挾持領域に配置された独立の要素を含んでなる、請
   求項１乃至５のいずれか１に記載の装置。
7. 【請求項７】前記支持及び保持手段が、Ｌ字型の断面を
   有する、請求項１乃至６のいずれか１に記載の装置。
8. 【請求項８】補償エレメントを含んでなる、請求項１乃
   至７のいずれか１に記載の装置。
9. 【請求項９】前記補償エレメントが前記弾性クッション
   の下に配置されている、請求項８に記載の装置。
10. 【請求項１０】前記補償エレメントが非圧縮性のブロッ
    クにより構成されている請求項９に記載の装置。
11. 【請求項１１】前記補償エレメントが前記支持及び保持
    手段と前記弾性クッションとの間に介在されている、請
    求項８に記載の装置。
12. 【請求項１２】前記補償エレメントが前記クッションと
    同じタイプの弾力性ある材料で作られた小さなクッショ
    ンからなる、請求項11に記載の装置。