JP2664673B2 - 黒色腫に対するワクチン - Google Patents

黒色腫に対するワクチン

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Description

【発明の詳細な説明】 (1)発明の分野 本発明は予防接種した個体中に黒色腫細胞を選択的に
破壊する免疫応答を生ずることができるワクチン配合物
を指向する。従って、黒色腫関連抗原に関連するペプチ
ドまたはタンパク質は組換えDNA技術および(または)
化学合成法により多量に製造される。本発明のペプチド
またはタンパク質はワクチン配合物中の免疫原として使
用できる。一定態様において、黒色腫関連抗原に関連す
るペプチドまたはタンパク質は組換え体ウイルスにより
発現され、組換え体ウイルス自体はワクチン配合物中に
免疫原として使用できる。本発明はまた、黒色腫関連抗
原に関連するペプチドまたはタンパク質を多量に生成で
きる組換え体DNA技術並びに化学合成法の使用を含む方
法を備えている。 本発明は、p97に関連する免疫原ペプチドとして、黒
色腫細胞の細胞表面成分である97,000ドルトンより多少
低い見掛け分子量を有する単量体黒色腫細胞表面シアロ
糖タンパク質を使用する例により例示される。 (2)発明の背景 (2.1)腫瘍関連抗原 実験動物、殊に齧歯動物、を用いた研究は腫瘍ウイル
スにより誘発された腫瘍の大部分がウイルスのゲノムに
よりコードされた抗原を発現すること、およびこれらの
抗原による免疫処置が同様のウイルスにより誘発された
腫瘍細胞のその後の攻撃の拒絶を生ずることができるこ
とを示した。この研究の多くがウイルスの研究室株、例
えばSV40、ポリオーマウイルス、およびフレンド、モロ
ニーまたはラウシャーマウス白血病ウイルスでなされた
けれども、事実上腫瘍ウイルスの水平および垂直伝播が
示され、事実ウイルス誘発ネコ白血病および肉腫に対す
る市販ワクチンが現在入手できる。 対照的に、大部分のヒト癌腫のウイルス原因は実証さ
れなかった。顕著な例外は肝炎ウイルス、(肝癌)、ヘ
ルペス単純ウイルス(頚部癌)、およびエプスタインバ
ーウイルス(鼻咽頭癌)である。しかし、過去20年の間
に若干のヒト腫瘍細胞が腫瘍抗原、すなわち腫瘍細胞を
その正常細胞等価物と識別する抗原、を発現することが
証明され、若干の患者はこれらの抗原に対して細胞媒介
または体液免疫応答を備える〔ヘルストロム(Hellstro
m)ほか、1968、ネーチャ(Nature)、220:1352;モート
ン(Morton)ほか、1968、サイエンス(Science)162:1
279〜1281;シク(Shiku)ほか、1976、ジャーナル・オ
ブ・エクスペリメンタル・バイオロジー(J.Exp.Me
d.)、144:873〜881〕。これらの免疫応答の標的の若干
はヒトゲノムによりコードされたオンコフェクタル(on
cofetal)または分化抗原である〔ヘルストロム(Hells
trom)ほか、1970、インタナショナル・ジャーナル・オ
ブ・カンサー(Int.J.Cancer)、6:346〜351〕。 最近まで、腫瘍抗原の分子性質が未知であり、免疫応
答の腫瘍特異性の程度は明らかでなかった。癌診断検定
または癌療法の開発におけるこの情報を利用する試みは
大部分は不成功であった。自然腫瘍退行が非常に稀であ
るので、試験管内で示された免疫応答が生体内で有効で
なかったこともまた結論でき、例えば癌患者から得られ
た抗体およびリンパ球が試験管内で腫瘍細胞の殺害に有
効であることができるけれども、同じ癌患者の免疫応答
は生体内で効果を有さない。 コーラーほか(Kohler and Milstein)による単クロ
ーン性抗体技術の導入(1975、Nature、256:495〜497)
は、それが上記抗原を分子レベルおよび特異性に関して
ともに規定する方法を与えるのでヒト腫瘍抗原に対する
研究を強化した〔ヘルストロムほか(Hellstrom and Br
own)、1979、「抗原(The Antigens)」、セラ(M.Sel
a)編、アカデミック・プレス(Academic Press)、Vo
l.V:1〜66〕。過去数年にわたり、多数の腫瘍関連抗原
が記載され、その大部分はマウス単クローン性抗体によ
り規定された、レイスフェルドほか、(Reisfeld and S
ell)編、単クローン性抗体および癌療法(Monoclonal
Antibodies and Cancer Therapy)、分子および細胞生
物学に関するUCLAシンポジウム(UCLA Symposium on Mo
lecular and Cellular Biology)、ニュー・シリーズ、
Vol.27、アラン・アール・リス社(Alan R.Liss、Inc.,
New York)、1985、pp1〜609。十分確認された抗原の事
実上すべてがオンコフェタルまたは分化抗原であると照
明され、腫瘍に対するそれらの特異性が定性的よりむし
ろ定量的であると認められたけれども、若干の抗原は正
常細胞に比較して腫瘍細胞に対し、腫瘍細胞の同定およ
び治療に対する可能な標的として使用されるのに十分な
(一般に10〜1.000倍の力価に相当する)特異性であ
る。腫瘍抗原に対するヒト単クローン性抗体もまた得ら
れた〔コート(Cote)ほか、1983、プロシーディング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
(Proc.Natl.Acad.Sci.)80:2026〜2030〕。これは若干
の癌患者が彼らの腫瘍に対する免疫反応を備えているこ
との前記証拠を支持する。 同定された限り腫瘍関連細胞表面抗原の半数以上がヒ
トゲノムにより(内因性または外因性ウイルスによるよ
りも)コードされたタンパク質または糖タンパク質であ
り、残りはダリコシルトランスフェラーゼの異常発現ま
たは調節から生ずる糖脂質である。 (2.2)黒色腫関連p97抗原 p97抗原は単クローン性抗体の使用によりヒト黒色腫
中に最初に同定された腫瘍関連抗原である〔ブラウン
(Brown)ほか、1980、ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、255:4980〜498
3;ジポルド(Dippold)ほか、1980、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、77:6114〜6118;ウッドバーグ(Woodburg)ほ
か、1980、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:2183〜218
7〕。P97抗原は正常および腫瘍の組織中のその発現に関
して広く研究され、大部分のヒト黒色腫中および一定胎
児組織中に存在するが、しかし正常成人組織中に単に癌
跡量が認められる。〔ブラウン(Brown)ほか、1981、
ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)127:53
9〜:539〜546;ブラウン(Brown)ほか、1981、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA、78:539〜543;ガリーグス(Garrigue
s)ほか、1982、Int.J.Gancer、29:511〜515〕。p97は
ヒト臨床試験における腫瘍の診断像出に対する標的とし
て使用された〔ラーソン(Lason)ほか、1983、ジャー
ナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J.
Clin.Invest.)72:2101〜2114〕。 p97は単量体細胞表面シアロ糖タンパク質であり、ド
デシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)により測定して97,000ドルトンより多
少低い見掛け分子量(MW)を有する。単クローン性抗体
は安定な40,000ドルトンのトリプシン消化フラグメント
上に存在する3つの主要抗原部位を規定した〔ブラウン
(Brown)ほか、1981、J.Immunol.127:539〜546〕;し
かし、p97の完全な配列は報告されなかった。少くとも
2つの他の別個に確認されたヒト黒色腫関連抗原gp95
〔ジポルド(Dippold)ほか、1980、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、77:6114〜6118〕およびgp87〔コースラビ(Khos
ravi)ほか、1985、Int.J.Cancer、35:73〜80〕が逐次
免疫沈降により分析するとp97に一致すると思われる。 p97のN末端アミノ酸配列はトランスフェリンに相同
であり、トランスフェリンのようにp97は鉄を結合する
〔ブラウン(Brown)ほか、1982、Nature,London,296:1
71〜173〕。体細胞ハイブリッドの分析およびイン・シ
トウ(in situ)ハイブリッド形成法はP97遺伝子が、ト
ランスフェリンおよびトランスフェリン受容体に対する
遺伝子のように染色体領域3q21〜3q29上に配置されるこ
とを示した〔プロウマン(Plowman)ほか、1983、Natur
e,London,303:70〜72;ヤング(Yang)ほか、1984、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA、81:2752〜2756〕。これらの観察
はp97が鉄代謝において役割を果たすことを示唆する。 (2.3)癌ワクチン 実験動物、通常マウス、における研究は生または死癌
細胞による免疫処置が生育可能な癌細胞の後の攻撃の拒
絶を生ずることができることを示した。細胞を含まない
物質による免疫の試みは一般に成功することが少なかっ
たが、しかし若干の成功が報告された〔総説に対しヘル
ストロムほか(Hellstrom and Brown)、1979、抗原(T
he Antigens)、vol.V:1〜66参照〕。多くの場合に、防
御効果に関与する標的抗原がウイルスにコードされた
が、しかし他の多くの場合に防御免疫応答を誘出する抗
原の性質は知られていない。 ヒトにおける研究は一層困難であり、若干の成功報告
にもかかわらず癌ワクチンの有効性が論争されている。
多くの場合に、ワクチン調製物は照射腫瘍細胞または一
定化学薬品にさらすことにより殺した腫瘍細胞から構成
された。純粋なヒト腫瘍関連抗原を入手できなかったの
で、ワクチンにおけるその使用の報告はない。 ヒトにおける癌ワクチンの提案された使用に対する主
論理的難点は、例えば死癌細胞または細胞を含まない調
製物により「予防接種」されるヒトが、免疫応答の標的
であることができる腫瘍抗原が若干の正常細胞中に単に
微量とはいえ存在することができ、従って免疫系により
「自己」として認識されるので、免疫学的に感受性が鈍
いことである。すべてでなくても、単クローン性抗体に
よりヒト腫瘍中に検出される大部分の腫瘍関連抗原はま
た若干の正常組織中に存在し、癌患者が生体内でそれら
に有効に応答する証拠がほとんどない。サプレッサー細
胞が腫瘍抗原に対する免疫応答のダウンレギレーション
に主要役割を果たす証拠がある〔ネポム(Nepom)ほ
か、1983、エクスペリメンティア(Experimentia)、3
9:235〜242〕。さらに1組の腫瘍抗原により誘発された
サプレッサー細胞応答が、他の組のそれ自体サプレッシ
ョンを誘発しない腫瘍抗原に対する有効な腫瘍破壊応答
の誘発を妨げることができる〔ヘルムストロムほか(He
llstrom)ほか、1983、バイオメンブランズ(Biomembra
nes)、ノボトリー(A.Nowotry)編、プリナム・プレス
(Plenum Press)、pp365〜388〕。 (2.4)組換えDNA技術およびワクシニアウイルス 感染を防御するサブユニットワクチンの製造に対する
組換えDNA技術の使用は受容者動物中のタンパク質に対
する免疫応答を誘出できるタンパク質をコードする遺伝
情報の適当なベクター中の分子クローニングおよび発現
を含む。最近、サブユニットワクチンの製造に潜在的に
有用である新規な方法が記載された〔マケット(Macket
te)ほか、1982、Proc.Natl.Acad.Scl.,79:7415〜7419;
マケット(Mackette)ほか、1984、ジャーナル・オブ・
ビロロジー(J.Virol.)49:857〜864;パニカリほか(Pa
nicali,D.and Paoletti,E.)、1982、Proc.Natl.Acad.S
ci.,79:4927〜4931〕。この方法にはゲノムに挿入され
た外来遺伝子の発現にベクターとしてワクシニアウイル
スの使用が含まれる。受容者動物に導入されると組換え
体ワクシニアウイルスが挿入された外来遺伝子を発現
し、それによりそのような遺伝子生成物に対する受容者
免疫応答を誘出する。生組換え体ワクシニアウイルスが
ワクチンとして使用できるので、この方法はサブユニッ
トおよび生ワクチンの両方の利点を組合せる。 ワクシニアウイルスは約187キロベースの線状二重鎖D
NAゲノムを含み、感染細胞の細胞質内に複製する。これ
らのウイルスは完全転写酵素系(キャッピング、メチル
化およびポリアデニル化酵素を含む)をウイルス感染力
に必要なウイルスコア内に含有する。ワクシニアウイル
ス転写調節配列(プロモーター)はワクシニアRNAポリ
メラーゼによるが、しかし受容者細胞RNAポリメラーゼ
によらない転写の開始に備える。 組換え体ワクシニアウイルス中の外来DNAの発現は外
来遺伝子のタンパク質コーディングDNA配列に対するワ
クシニアプロモーターの連結を要する。プラスミドベク
ターはまた挿入ベクターと称され、ワクシニアウイルス
へのキメラ遺伝子の挿入のために構築される。挿入ベク
ターの1型は(a)転写開始部位を含むワクシニアウイ
ルスプロモーター;(b)外来DNAフラグメントを挿入
する転写開始部位から下流に位置する若干の特有の制限
エンドヌクレアーゼクローニング部位;(c)プロモー
ターをフランキングしウイルスゲノムの相同非必須領域
中へキメラ遺伝子を挿入させる部位をクローニングする
非必須ワクシニアウイルスDNA(例えばTK遺伝子);お
よび(d)大腸菌(E.coli)中の複製および選択のため
の細菌由来の複製および抗生物質耐性標識からなる。そ
のようなベクターの例はマケットにより記載されている
(マケット(Mackette)ほか、J.Virol.,49:857〜86
4〕。 組換え体ワクシニアウイルスは外来遺伝子を含む組換
え体細菌挿入プラスミドを、ワクシニアウイルスで予め
感染した細胞中へトランスフェクショすることにより生
成される。相同組換え体は感染細胞で生じ、ウイルスゲ
ノム中への外来遺伝子の挿入を生ずる。感染細胞は免疫
技術、DNAプラークハイブリッド形成または後に分離で
きる組換え体ウイルスに対する遺伝子選択を用いてスク
リーンすることができる。これらのワクシニア組換え体
はその必須機能および感染力を保持し、外来DNAの約35
キロベースを収容するように構築することができる。 外来遺伝子発現は酵素または免疫検定(例えば免疫沈
降、ラジオイムノアッセイ、またはイムノブロッティン
グ)により検出できる。組換え体ワクシニア感染細胞か
ら生じた天然存在膜糖タンパク質はグリコシル化され、
細胞表面に移動させることができる。高い発現レベルは
強プロモーターの使用により、または単一遺伝子の多重
コピーのクローニングにより得ることができる。 (3)発明の概要 予防接種した個体中で黒色腫細胞を選択的に破壊する
免疫応答の誘発に使用できるワクチン配合物が記載され
る。より詳しくは、本発明のワクチン配合物は黒色腫関
連抗原例えば黒色腫関連p97抗原を指向する免疫応答を
誘発する免疫源を含む。本発明によれば、多くのワクチ
ン配合物が可能である。例えば、本発明の「サブユニッ
トワクチン」の免疫原はp97に関連するペプチドまたは
タンパク質を含み、適当なアジュバントと配合すること
ができる。そのようなペプチドまたはタンパク質は実質
的に第3図に示されるようにp97のアミノ酸配列のすべ
てまたは一部から誘導され、機能的に等しいアミノ酸配
列がサイレント変化中に生ずる配列内残基の置換された
改変アミノ酸配列、および(または)修飾またはプロセ
ッシングされたアミノ酸配列例えばグリコシル化アミノ
酸配列、ホスホリル化アミノ酸配列など、あるいは化学
修飾アミノ酸配列を含むアミノ酸配列を含む。以下、改
変、非改変、修飾または非修飾のいずれであっても、黒
色腫関連p97抗原に関連する本発明のペプチドまたはタ
ンパク質が「p97関連ペクチド」として示される。p97関
連ペプチドがハプテンである(すなわち、抗原性である
がしかし免疫原でない)場合に、ハプテンは免疫原生を
与える担体分子に接合させることがでる。 本発明のp97関連ペプチドは組換えDNA技術および(ま
たは)化学合成法を用いて製造することができる。p97
関連ペプチドが化学的に合成されると、そのような合成
p97関連ペプチドは抗原性であると予期されるp97の領域
から誘導されるアミノ酸配列を含むことができる〔ホッ
プほか(Hoop and Woods)、1981、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,78:3824〜3828〕。本発明のp97関連ペプチドが組
換えDNA技術の使用により生成される場合に、p97の全部
または一部をコードするヌクレオチド配列は、適当な宿
主中で培養基から精製できるp97関連ペプチドの発現を
指向することができる組換え体発現ベクター例えばウイ
ルスまたはプラスミド中へ挿入される。挿入されるヌク
レオチド配列は実質的に第3図に示されるp97配列の全
部または一部から誘導され、機能的に等しいヌクレオチ
ドコドンがサイレント変化中に生ずる配列内のコドン、
換言すれば同一アミノ酸をコードする異なるコドン、を
置換するか、またはその機能等価物を第3図に示される
配列内で置換できるヌクレオチド配列を含むが、しかし
それに限定されない。プラスミド発現ベクターを用いる
とき直核細胞中の発現に適するものが好ましいが、しか
し原核発現ベクターもまた使用できる。 発現ベクターが組換え体ウイルスである発明の他の態
様において、ワクチンはウイルスワクチンとして配合す
ることができ、その場合に免疫原はp97関連ペプチドを
発現する組換え体ウイルスを含む。免疫原として用いる
組換え体ウイルスの性質により、不活性化ウイルスワク
チンまたは生ウイルスワクチンを配合することができ
る。本発明のワクチン配合物による適当な免疫処置は、
免疫処理被験体中で黒色腫細胞の破壊を生ずる免疫応答
の誘発を生ずることができる。 本発明はまたワクチン配合物を試験できるシステムを
記載し、試験を行なう方法を略示する。例えば、ワクチ
ン配合物を動物モデル中で、初めに齧歯動物、次いで非
ヒト霊長類中、最後にヒト中、好ましくは寛解にあるが
しかしミクロ転移に基く再発の高い可能性を有する受容
者中で効力について評価できる。 (4)図面の簡単な説明 第1図はSDS−PAGEにより分割したp97mRNAの細胞を含
まない翻訳生成物のオートラジオグラフを示す。第1A図
中、レーン1はp97濃縮mRNAの翻訳生成物を表わし、レ
ーン2は非濃縮mRNAの翻訳生成物を表わし、それぞれ5n
g mRNAの全翻訳生成物0.5μから得られた。第1B図
中、レーンはp97濃縮mRNAの翻訳生成物を表わし、レー
ン2は非濃縮mRNAの翻訳生成物を表わし、それぞれ抗p9
7血清で免疫沈降した5ng mRNAの翻訳生成物5μから
得られた。 第2図はp97mRNAの構造の線図である。コーディング
領域(シグナル配列からアンカー配列までおよび非コー
ディング領域(3′UT)並びにp97前駆物質の重複ドメ
イン構造(空バー)の配列が示される。種々の制限酵素
認識配列の位置はmRNAの上に示される。4つのcDNAクロ
ーンの相対位置はmRNA構造の下に示される。cDNAクロー
ンp97−3a2f1(3a2f1)はcDNAがオリゴ(T)プライムp
97濃縮mRNA上に転写され、pBR322中でクローンされたcD
NAライブラリーから分離され;cDNAクローンp97−2f1(2
f1)、p9−1j1(1j1)およびp97−10a1(10a1)はcDNA
合成を、p97エキソン配列をエンコードするオリゴヌク
レオチドでプライムし、生じたcDNAフラグメントをλgt
10中へクローンすることにより分離した。第2A図はλL4
7.1中でクローンしたゲノムクローンB15、H17、B6.6お
よびE7.7の線図である。 第3図はヒトp97前駆物質cDNAのヌクレオチド配列お
よびその演繹アミノ酸配列を表わす。タンパク質配列に
より予め決定したN末端アミノ酸残基はヌクレオチド配
列(アミノ酸残基21〜30)から予期したものに一致し
た。アミノ酸残基38、135および515における可能なグリ
コシル化部位(空バー)並びにC末端における膜アンカ
ー領域(実バー)が示される。1つのポリアデニル化シ
グナル(囲中に示されるAATTAAA)が位置3847に検出さ
れ、それはポリアデニル化トラクトの上流50塩基対であ
る。 第4図はp97前駆物質の予期アミノ酸配列およびヒト
セロトランスフェリンのそれ〔ヤング(Yang)ほか、19
84、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、811:2752〜2756;デービ
ス(Davis)ほか、1985、ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)181:111〜121〕の
比較を示す。保存された残基は囲に入れた。トランスフ
ェリン〔メーツ・ボーテイグ(Mertz−Boutigue)ほ
か、1984、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケ
ミストリー(Eur.J.Biochem.)145:659〜676〕の鉄結合
中に包含されるチロシン、ヒスチゾンおよびアルギニン
残基は星標(*)により示される。 第5図はトランスフェリンの上料成員間に保持された
システイン残基の存在に基くp97の構造の二次元モデル
の線図である。3つの可能なグリコシル化部位が星標
(*)により示される。疎水性膜アンカードメインがp9
7のC末端(COOH)に明らかである。 第6図はp97cDNAクローンおよびp97発現ベクターの構
築に用いるゲノムクローンλE7.7のフラグメント;並び
にpSV2p97a発現ベクターの遺伝子構造の線図である。次
の略号;E,EcoR I;P,Pvu II;Sal,Sal I;S,Sst I;B,BamH
I、が使用されている。 第7図は組換え体p97タンパク質の確認および免疫精
製におけるゲル電気泳動の結果を示す。トランスフェク
ションしたCHOクローン(CHO3+)およびSK−MEL28ヒト
黒色腫細胞はツニカマイシン(tunicamycin)(TM)の
存在(+TM)および不在(−TM)下に35Sシステインで
標識した。細胞は100mm2平板中へ接種して集密近くへ到
達させた。培地を除き、ツニカマイシン1μg/mlを添加
または添加しないシステイン不含培地を3mlで置換し
た。37℃で30分後に、250μCi毎mlのLr35Sシステイン
〔1016Ci毎ミリモル;ニュー・イングランド・ニューク
リア(New England Nuclear)製〕をその後6時間加え
た。細胞の回収、細胞溶解物の調製、免疫沈降およびSD
S−PAGEは前記のとおりであった。抽出物をp97特異性抗
体で免疫沈降し、タンパク質をSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分析した。(a)
クーマシーブルー染色SDS−ポリアクリルアミドゲル。
レーン1、タンパク質マーカー;レーン2、トランスフ
ェクトマウスB16細胞から分離した免疫精製p97;レーン
3;SK−MEL28細胞+TM;、レーン4、SK−MEL28細胞−TM;
レーン5、CHO3+細胞+TM;レーン6、CHO3+細胞−T
M。(b)、(a)と同一のゲルのオートラジオグラ
ム。 第8図はトランスフェクト細胞またはVp97a−NY感染
細胞中の発現p97の放射免疫沈降の結果を示す。BSC細胞
は野生型ワクシニアウイルスまたはp97組換え体ワクシ
ニアウイルスで一夜感染させた。これらのウイルスまた
はトランスフェクト細胞系CHO−p97.Aはツニカマイシン
〔シグマ(Sigma)2μg/mlともにまたはなしで35S標識
メチオニンおよびシステインとともにインキュベートし
た。6時間後に細胞を溶解し、単クローン性抗体96.5で
沈殿させ、10%ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動に
より分離した。ゲルを一夜オートラジオグラフにかけ
た。ツニカマイシン処理群は各群について右側である。 第9図はp97ワクチンで免疫処置したマウス中の血清
抗体価を示す。Tp97は完全フロイントアジュバンド中の
5×106照射M2sv p97a.A細胞(トランスフェクション
し、表面p97を発現する同系腫瘍細胞)で免疫処置し、
リン酸塩緩衝食塩水中の同数の細胞で追加刺激した5マ
ウスを示す。p97は完全フロイントアジュバンド中の100
μgの精製p97タンパク質で免疫処置し、50μgの水性
タンパク質で追加刺激した5マウスの群である。Vp97は
尾部乱切によりVp97a−NY107プラーク形成単位で免疫処
置し追加刺激した5マウスの群である。 第10図は組換え体p97ワクシニアウイルス(Vp97a−N
Y)による腫瘍攻撃マウスの予防接種の治療効果を示
す。マウスは105または104のp97発現腫瘍細胞(M2SVp97
a.E)で静脈内攻撃した。2日後、マウスに尾部乱切に
よりVp97a−NYまたはVwt−NYを接種した。毎週尾部乱切
による接種を繰返し、マウスの生存を記録した。 (5)発明の詳細な説明 本発明は黒色腫の予防または治療用のワクチンの製造
を指向する。それは黒色腫が正常組織中よりも黒色腫細
胞中に多量に存在する腫瘍関連表面抗原例えばp97抗原
を有する観察に基く。本発明によれば、黒色腫関連p97
抗原に関連するペプチドまたはタンパク質(すなわち、
p97関連ペプチド)が組換えDNA技術および(または)化
学合成技術を用いて製造される。本発明のp97関連ペプ
チドは実質的に第3図に示されるp97のアミノ酸配列の
全部または一部から誘導されたアミノ酸配列を含む。こ
れらはサイレント変化中にそのように生ずる機能等価物
として作用する同様の極性の他のアミノ酸による配列内
の1つまたはそれ以上のアミノ酸残基の置換により変更
された第3図から誘導されたアミノ酸配列を含む。配列
内のアミノ酸の置換はアミノ酸が属する種類の他のもの
から選ぶことができる。例えば無極性(疎水性)アミノ
酸にはアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プ
ロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチ
オニンが含まれる。極性の中性アミノ酸にはグリシン、
セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラ
ギンおよびグルタミンが含まれる。正荷電(塩基性)ア
ミノ酸にはアルギニン、リシンおよびヒスチジンが含ま
れる。負荷電(酸性)アミノ酸にはアスパラギン酸およ
びグルタミン酸が含まれる。さらに、本発明のp97関連
ペプチドはアミノ酸残基の置換により変化していてもい
なくても、グリコシル化、ホスホリル化などにより、ま
たは化学修飾によりさらに修飾またはプロセッシングす
ることができる。これらのp97関連ペプチドは免疫原と
して、予防接種した患者中に存在する黒色腫細胞を指向
する免疫応答を誘出するワクチン配合物に使用すること
ができる。 本発明の1態様によれば、組換えDNA技術は適当な宿
主細胞中のp97関連ペプチドの発現を指向する発現ベク
ター中へp97抗原をコードするヌクレオチド配列を挿入
するために用いられる。p97抗原をエンコードするヌク
レオチド配列は実質的に第3図に示されるp97ヌクレオ
チド配列の全部または一部から誘導されるヌクレオチド
配列を含む。アミノ酸に対するDNAコードの縮重(すな
わち、大部分のアミノ酸を1つ以上のコドンによりコー
ドできる)のために、機能等価コドン(すなわち、同じ
アミノ酸または機能等価物をコードする異なるコドン)
を、置換がサイレント変化を生ずれば第3図に示される
p97配列内で置換することできる。p97の全部または一部
をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクター宿主
細胞系を用いて試験管内で多量の純p97関連ペプチドを
生成させることができ、その場合に遺伝子生成物を培養
中の細胞から精製し、免疫原としてサブユニットワクチ
ン配合物中に使用することができる。p97関連ペプチド
の精製は単クローン性抗体を用いるイムノアフィニチィ
ー精製を含め、種々の生化学方法を用いて行なうことも
できる。さらに、p97関連ペプチドの精製は、血漿膜中
のタンパク質の固定に関与する配列を除去するがなお細
胞膜へのタンパク質の輸送に関与する配列が除去されず
截形抗原分子が宿主細胞により培養基中へ分泌されるよ
うにp97関連ペプチドをコードするDNA配列を修飾するこ
とにより促進することができる。原核細胞により生成さ
れたp97関連ペプチドの場合には、適当な翻訳後の修飾
の欠如が抗原的に不活性な生成物を生ずることができ、
それは適当な化学的または他の処理により活性化すべき
であるかもしれない。 発現ベクターがウイルスである一定の態様において、
ウイルス自体をワクチンとして配合することができる。
その場合に不活性化組換え体ウイルスワクチンを調製す
ることができる。発現ベクターが受容者に疾患を生じな
い感染性組換え体ウイルスである場合に、実質的な免疫
性を与える不活性化ウイルスワクチンまたは生ウイルス
ワクチン調製物を配合することができる。この目的に殊
に有用な発現ベクターは本発明のp97関連ペプチドを発
現する組換え体ワクシニアウイルスである。このため、
p97抗原の全部または一部をコードするヌクレオチド配
列を、適切な宿主中で配列の発現を指向できるワクシニ
アウイルスベクター中へ挿入することができる。本発明
には他のウイルス発現ベクター、殊にワクシニアウイル
スをワクチンとして使用することが含まれる。 本発明の他の態様において、p97の演繹アミノ酸配列
はタンパク質分子の表面における配列並びにその可能な
抗原性および(または)免疫原性の存在を予期する性
質、殊に親水性、を有する配列について試験することが
できる。これらのp97関連ペプチドは化学的に合成し、
ワクチン配合物中に免疫原として使用することができ
る。 本発明はまた、ワクチン製造以外の目的に使用できる
p97関連ペプチドの製造方法を提供する。p97関連ペプチ
ドは動物の免疫処理に使用し、問題の黒色腫細胞に特異
性の抗血清または単クローン性抗体を生成させることが
できる。これらは診断検定における成分として、あるい
は癌療法に使用する放射性標識薬物結合またはトキシン
結合抗体のアフィニティー精製に使用することができ
る。 本発明はヒト黒色腫に対するp97基ワクチン構築を記
載する例によって示される。しかし、ここに記載される
方法および組成物はp97を用いるワクチンの構成に限定
されないで他の腫瘍関連抗原に適用できる。 本発明は単に説明を明確にするために次のとおり:
(a)p97のヌクレオチドおよびアミノ酸配列;(b)
化学合成法により製造されるp97関連ペプチド;(c)
発現ベクター宿主系により製造されるp97関連ペプチ
ド;(d)p97関連ペプチドの免疫確認;および(e)
ワクチンの配合が与えられる。 (5.1)黒色腫関連p97抗原の配列分析 p97をコードする遺伝子のヌクレオチド配列およびそ
の誘導アミノ酸配列が第3図に示される。機能的に等し
い配列は本発明の範囲内にある。これらは同様または機
能的に等しいアミノ酸残基をコードする異なるコドンの
置換により改変され、従ってサイレント変化を生ずる第
3図に示されるヌクレオチド配列のすべてまたは一部を
含むヌクレオチド配列、並びに配列内の機能的に等しい
アミノ酸残基の置換により改変され、従ってサイレント
変化を生ずる第3図に示されるアミノ酸配列のすべてま
たは一部を含むアミノ酸配列、並びにそれらの例えばグ
リコシル化、ホスホリル化などにより、または他の化学
修飾により修飾またはプロセッシングされた誘導体が含
まれるが、しかしそれらに限定されない。 以下のサブセクションには第3図に示されるp97の配
列の決定に用いた方策並びにp97の配列またはワクチン
配合物に有用な他の腫瘍抗原の決定に使用できる代替技
術が記載される。 (5.1.1.)黒色腫関連p97抗原の同定および確認 黒色腫関連p97抗原の活性およびアミノ酸配列は知られ
ていなかった;そのためp97抗原の同定は、p97を指向す
る単クローン性抗体を用いて行なった。多くの技術をp9
7に特異性の単クローン性抗体の発生に用いることがで
きる。例えば、コーラーほか(Kohler and Milstein)
(1975、Nature、250:495〜497)により関連されたハイ
ブリドーマ技術を次のように用いることができる:マウ
スまたはラットをヒト黒色腫細胞で免疫処置し、免疫処
置動物から採取したリンパ球を骨髄腫細胞と融合させ;
あるいは、黒色腫患者からのリンパ球を骨髄腫細胞と融
合させることができる〔コート(Cote)ほか、1983、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,80:2026;ハスペル(Haspel)ほか、
1985、カンサー・リサーチ(Cancer Res.)45:3951〕、
あるいはエプスタイン・バー(Epstein−Barr)ウイル
スを用いる単クローン性抗体の製造技術(コール(Col
e)ほか、1985、EBVハイブリドーマ技術およびそのヒト
肺癌への適用、「単クローン性抗体および癌療法(Mono
clonal Antibodies and Cancer Therapy)」、アラン・
アール・リス社(Alan R.Liss、INC.,)、pp77〜96〕を
用いてp97を指向する単クローン性抗体を発生させるこ
とができる。どの場合にも、生じたハイブリドーマは黒
色腫細胞に結合するが、しかし正常細胞に結合しない抗
体の生成についてスクリーンされる。 上記p97を指向する単クローン性抗体を多くの方法に
用いてp97抗原に関連するペプチドおよびタンパク質の
多量の生成に備えるヌクレオチド配列の同定、確認、ク
ローニングおよび発現を促進することができる。例え
ば、単クローン性抗体を用いて腫癌細胞により作られた
全タンパク質の放射性標識化、p97抗原の同定に用いる
単クローン性抗体による腫瘍タンパク質の免疫沈降、お
よび電気泳動による免疫沈降タンパク質の分画によりさ
らにp97抗原を確認することができる。タンパク質抗原
は、生ずるオートラジオグラフ上の明瞭なバンドとして
同定される〔ブラウン(Brown)ほか、1980、J.Biol.Ch
em.)255:4980〜4983〕。さらに、p97を指向する単クロ
ーン性抗体を次のようにクローニングの促進に用いるこ
とができる:(a)p97抗原をコードする黒色腫細胞中
に存在するmRNA転写を同定して入手するためのポリソー
ムの免疫精製;(b)p97抗原に関連するペプチドまた
はタンパク質を発現するcDNA発現ライブラリー中のクロ
ーンの同定;(c)前の2つの適用に用いる他の単クロ
ーン性抗体または抗血清を調製するためのp97抗原の精
製;または(d)p97抗原に対する遺伝子を感染により
導入した細胞の同定。 単クローン性抗体はまたp97抗原の構造および免疫化
学的確認の促進に使用し、分子の細胞外および抗原ドメ
インを同定し、またアミノ酸配列分析のための分子を精
製することができる〔ブラウン(Brown)ほか、1981、P
roc.Natl.Acad.Soc.USA、78:539〜543;ブラウン(Brow
n)ほか、1982、Nature、Londone、296:171〜173〕。 p97の一層の確認には細胞の局在の決定並びに抗原決
定基および機能性ドメインのマッピングが含まれる。サ
ブセルの局在は免疫螢光顕微鏡法により、および細胞分
画再試験により決定することができる。細胞表面上に存
在する抗原例えばp97はワクチン構成に好ましいけれど
も、細胞内抗原もまた有用であることができる。多重単
クローン性抗体を入手できれば、抗原決定基は競合試験
によりマッピングすることができ、各抗体を放射性標識
し、他の抗体をそれぞれとの競合について試験する。分
子のドメインはプロテアーゼによる制限消化、次いでSD
S−PAGEにより同定することができる。これらのデータ
とともに最も免疫原性である分子の領域の同定を可能に
なろう。単クローン性抗体がインタクト細胞で免疫処置
することにより得られれば、分子のこれらの領域が最も
分子外であり、ワクチン構成に有用であるようである。 アミノ酸配列分析はタンパク質の疑問の余地のない同
定及び他のタンパク質との比較を可能にする〔ブラウン
(Brown)ほか、1982、Nature、London、296:171〜17
3〕。タンパク質が50以上のアミノ酸残基を含むなら
ば、それはアミノ酸配列の一部、最もしばしばN末端の
みを決定することを可能にすることができる。アミノ酸
配列に対するタンパク質抗原は細胞溶解物から単クロー
ン性抗体によるイムノアフィニティークロマトグラフィ
ー、次いで調製用SDS−PAGEにより精製することができ
る。精製したタンパク質のN末端アミノ酸配列は次いで
自動アミノ酸配列決定装置、好ましくは最大感度気相装
置の使用により決定される。 (5.1.2)黒色腫関連p97抗原をコードするDNAの同定、
クローニングおよび配列決定 初期クローニング研究は豊富なタンパク質例えばmRNA
がしばしば全mRNAの10〜50%を構成するグロピンおよび
オボアルブミンに集中した。これらのmRNAはサイズ分画
により相同性に対して精製し、純cDNAプローブを用いて
コロニーハイブリッド法により数百クローンのライブラ
リーをスクリーンできた。mRNAが全mRNAの1〜10%を構
成するタンパク質にはcDNAプローブの1つが問題の配列
を含み、他が負の制御である2つのcDNAプローブを用い
ることができる。低数度タンパク質、例えば腫瘍関連抗
原、をコードし、細胞mRNAの0.01%程度を構成すること
ができるメッセンジャーRNAは、数十万のクローンをス
クリーンしなければならず、cDNAプローグが特異性ハイ
ブリッド形成シグナルを与えないのでクローニングが一
層困難である。両問題は問題の配列に対するmRNAを濃縮
することにより緩和することができる。 ヒト黒色腫p97抗原をコードするDNAのクローニングに
用いた若干の方法が次に記載される。生じたクローンは
p97の全コーディング領域をスパンするクローンまたは
クローン類を同定するために分析した。そのように同定
されたクローンのp97ヌクレオチド挿入物を次に任意の
公知方法により配列決定することができる。次に種々の
方法がより詳細に記載される。 (a)ポリソーム免疫精製によるmRNAの分離 この方法において、ポリソーム(mRNA、リポソームお
よび新生ポリペプチド鎖)を新生鎖上に存在する抗原決
定基を認識する抗体を用いるイムノアフィニティークロ
マトグラフィーによって精製する。多くの場合にインタ
クト細胞または細胞抽出物による免疫処置により得られ
た単クローン性抗体はその天然配座中の抗原を認識する
が、しかし認識される抗原決定基が新生鎖中に存在でき
ない有意な機会があるのでそれらがポリソーム免疫精製
に適切であることができない。翻訳はポリペプチドのN
末端で開始されるので、C末端に隣接するエピトープは
新生鎖の大部分に存在しないようである。この問題はN
末端エピトープを認識する抗体の使用により、または終
結をブロックするタンパク質合成インヒビターで処理し
た細胞からポリソームを調製することにより回避され
る。 より重大な問題は成熟タンパク質が翻訳後修飾のため
に新生鎖と異なることである。この問題は細胞表面タン
パク質に対して一層重大であり、それはシグナルペプチ
ドの除去、炭水化物側鎖の付加およびジスルフィド架橋
の形成により一層広範に修飾される。多クローン性抗血
清をポリソーム免疫精製に使用すれば、新生鎖と成熟タ
ンパク質との間の抗原性の差異は、免疫処置中にウサギ
または他の動物が天然タンパク質だけでなく、殊にフロ
イント(Freund's)アジュバントが使用されれば一部ま
たは完全変性形態もまたさらされるので全く重要でない
ことができる。これらの抗体が抗体集団の小部分のみに
相当するとしても、それらはなお新生鎖に結合するほど
十分に存在することができる。残念ながら低数度タンパ
ク質に対する多クローン性抗血清の調製は非常に困難で
ある。単クローン性抗体はさらに免疫処置のための抗原
の精製に使用できるけれども、培養細胞各グラムがしば
しばマイクログラムの抗体を生ずるのみである。これは
マウスの若干の免疫に十分であるが1匹のウサギにやっ
と十分である。 問題に対する他の解法は新生鎖中に存在する抗原決定
基を認識する単クローン性抗体を単クローン性抗体の調
製に使用する免疫原として変性p97抗原の使用により得
ることである。本発明の実施例において、p97のN末端4
0,000ドルトン分子量ドメイン上の3つの異なるエピト
ープを認識する単クローン性抗体のパネルを利用でき、
その1つまたはそれ以上が新生鎖に結合することを望ん
で各異なる特異性を有する単クローン性抗体のプールを
用いた。選んだ抗体は、それぞれが放射性標識した全細
胞溶解物からp97の単一バンドを免疫沈降し、それらが
高い結合アフィニティーを有した点でp97に非常に特異
性であった。クローニング計画のために、3エピトープ
のそれぞれに特異性である3つのIgG2a抗体を選択し
た。一般に成功の機会は、異なるエピトープに対する多
くの抗体の使用により高めることができる。 単クローン性抗体を用いるとき、所与単クローン性抗
体または抗体の組合せが新生鎖を認識し、従ってポリソ
ーム免疫精製における使用に適するかどうか予期できる
理由には疑問が残る。1つの方法は試験管内翻訳生成物
がプロセッシングされないで、新生鎖に類似するとの過
程に頼り、単クローン性抗体が網赤血球溶解物系中で翻
訳された抗原を免疫沈降するか否かを決定することであ
る。他の方法は小規模でポリソーム免疫沈降を行ない、
次いで試験管内翻訳を用いて問題のmRNA種が濃縮された
かどうかを測定することである。 ポリソーム免疫精製技術を用いるときにmRNA活性の測
定により精製をモニターすることが重要である。これは
mRNAを網赤血球溶解物系中で翻訳し、SDS−PAGEにより
翻訳生成物を分析することにより行なうことができる。
腫瘍関連抗原は少なすぎて非濃縮mRNAの翻訳生成物の成
分を何百もの一層豊富な種の間に認めないことができる
けれども、それは濃縮mRNA試料から誘導された翻訳生成
物中で検出できるであろう。あるいは鋭敏な免疫検定が
翻訳された腫瘍関連抗原の検出に使用できれば、クセノ
プス(Xenopus)卵胞子翻訳系を用いることができる。p
97に対しては、p97の2つの異なるエピトープに特異性
の2つの単クローン性抗体を用いる高感受性二決定基免
疫検定(DDIA)をこの目的に使用した。 セファロース(Sepharose)に結合したタンパク質A
はポリソーム免疫検定に使用できる。タンパク質A吸着
剤はこの手順において2つの適用を有する。初めに粗腹
水液から単クローン性抗体を精製し、それにより汚染リ
ボヌクレアーゼ活性を除去することである。次にタンパ
ク質A吸着剤を精製抗体とともに用いて特定新生鎖をも
つポリソームを免疫精製する。 網赤血球溶解物系中のmRNAの翻訳は翻訳生成物の生化
学的確認並びにその純度の評価を可能にする。 (b)オリゴヌクレチドプローブ 本発明により腫瘍関連抗原例えばp97をコードするcDN
Aのクローニングに使用できる他の方法は抗原の部分ま
たは完全アミノ酸配列を決定することおよびアミノ酸配
列から演繹されるヌクレオチド配列に基くオリゴヌクレ
オチドプローブを合成することである。次いでオリゴヌ
クレオチドをcDNA合成用プライマーとしておよび生ずる
cDNAライブラリーのスクリーニングに対するプローブと
して使用できる。従って、黒色腫関連p97タンパク質は
黒色腫瘍細胞の溶解物から特定単クローン性抗体による
アフィニティークロマトグラフィーにより便宜に精製す
ることができる〔ブラウン(Brown)ほか、1982、Natur
e、London、296:171〜173〕。次いで決定したアミノ酸
配列の一部をコードするヌクレオチド配列を合成し、そ
れをプライマーおよび(または)プローブとして使用で
きる。単一コドンまたは2コドンによりコードされたア
ミノ酸残基を含むアミノ酸配列の部分はこの目的に最も
適する。1つの方法はヒト中の公知コドン利用頻度を基
にした最も確率性のコーディング配列を表わす長配列、
典型的には25〜60ヌクレオチドを合成することである。
アミノ酸配列の異なる部分に基く2合成オリゴヌクレオ
チドの使用は疑似陽性ハイブリッド形成シグナルの同定
を可能にすることによりスクリーニングを促進する。さ
らに、DNAハイブリッドの融点に対するGC含量の効果を
最小化するハイブリッド形成条件の使用もまたスクリー
ニングを促進する。部分cDNAクローンがこの方法により
得られれば、それをプローブとして全長cDNAクローンを
得る補助に使用できる。 (c)cDNA発現ライブラリー 細菌中のcDNA挿入物の発現に備えるクローニングベク
ターが開発された。従って、腫瘍関連タンパク質例えば
p97に対するcDNAクローンの取得に使用できる1つの方
法は前記オリゴ(T)−ヌクレオチドプライマーまたは
合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いて前記のよう
に黒色腫細胞から分離されたmRNA(濃縮または非濃縮)
を逆転写することによりcDNAライブラリーを調製するこ
とおよび黒色腫関連p97タンパク質を指向する単クロー
ン性抗体でそのようなライブラリーをスクリーンするこ
とである。正しい配向において単クローン性抗体により
認識されたエピトープをコードし、枠を読取るDNAを含
むクローンは黒色腫関連p97タンパク質に関連するペプ
チドまたはタンパク質を発現し、クローンにより発現さ
れたタンパク質をニトロセルロースフィルターに移し、
フィルターを抗体とともにインキュベートし、次に標識
した抗免疫グロブリン試薬で展開することにより同定す
ることができる。 潜在的問題は、多くの場合にcDNAの一部のみが挿入物
中に含まれ、細菌が真核細胞がなすようにタンパク質を
プロセッシングしないので、細菌により発現されたタン
パク質を認識しないことである。この問題は、シグナル
ペプチドの除去、炭水化物側鎖の付加およびジスルフィ
ド架橋の形成により一層広範に修飾される腫瘍細胞表面
タンパク質に殊に鋭敏である。従って、変性抗原を認識
することが知られた単クローン性抗体を発生させ、また
は精製抗原による免疫処置により多特異性抗血清を調製
することを必要とすることができる。 黒色腫関連p97抗原から誘導されたcDNA挿入物を含む
と思われる組換え体ウイルスまたはプラスミドが同定さ
れた後、cDNA挿入物を、p97をコードするcDNAの全長を
スパンするフルレングスクローンまたはクローン群を同
定するために追加のライブラリーのスクリーニングに使
用できる。クローン化cDNAの本性は配列分析およびp97
タンパク質の直接アミノ酸配列分析により決定された演
繹N末端アミノ酸配列の比較により決定することができ
る。 (d)ゲノムのクローニング 次の方法は、天然タンパク質中にのみ存在し、新生鎖
または細菌中に発現されたタンパク質中に存在しない抗
原決定基を指向する単クローン性抗体を用いるDNAのク
ローニングを可能にする。この目的にはヒト黒色腫細胞
から誘導されたDNAをマウスL細胞中にトランスフェク
ションにより導入する。次に黒色腫関連p97抗原を発現
するマウス細胞を、螢光活性化細胞選別器の使用によ
り、またはp97を指向する放射性標準単クローン性抗体
を用いてポリエステル布フィルターに移したコロニーの
レプリカ上の関連ペプチドを検出するp97関連ペプチド
を生ずるコロニーの免疫同定により分離する。トランス
フェクシヨンの数連続回が非関連ヒトDNA配列の除去に
必要とすることができる。次いでゲノムライブラリーを
λファージベクター中に調製し、大部分の遺伝子のイン
トロン中に生ずるヒト反復配列を含むクローンをスクリ
ーンする。ゲノムクローンが同定された後、それをハイ
ブリッド形成プローブとして使用しp97をコードするDNA
を含むcDNAを同定することができる。 (5.2)黒色腫関連p97抗原の抗原性フラグメントの合成
および免疫原性の評価 合成ペプチドは免疫原として多くの病原体に対しある
程度の防御を与えることができる天然タンパク質に対す
る免疫応答の誘出に使用できる。そのようなペプチド配
列はタンパク質抗原の既知アミノ酸配列から、外部媒質
にさらされたタンパク質分子の表面上に存在すると思わ
れるアミノ酸の伸縮を同定することより選択される。こ
れはアミノ酸に対して確立された水治法パラメーターを
使用するアミノ酸配列のコンピューター分析により最も
普通に達成される。他の基準、例えば予期二次構造また
は可動性もまた用いることができる。 従って、黒色腫関連p97タンパク質の5〜50アミノ酸
残基を含む合成ペプチドを実験動物(通常マウスまたは
ウサギ)中の免疫原性について試験することができる。
そのような合成ペプチドは機能的に等しいアミノ酸残基
がサイレント変化で生ずる配列内の残基を置換した改変
配列および(または)修飾またはプロセッシングした配
列例えばグリコシル化配列、ホスホリル化配列などある
いは化学修飾配列を含め実質的に第3図に示されるアミ
ノ酸配列のすべてまたは一部を含むが、しかしそれに限
定されない。これらのp97配列ペプチドは単独で、また
は担体タンパク質例えばキーホール・リンペット・ヘモ
シアニン(KLH)と対にして使用される。どの場合に
も、アジュバントの使用は適宜であるけれども、好まし
い。免疫処置動物を追加免疫処置し、免疫処置ペプチド
を指向する抗体について試験する。抗ペプチド抗体を有
するものを天然p97タンパク質を結合する抗体について
試験する。腫瘍関連抗原例えばp97の場合に、細胞の免
疫応答について、例えば遅延型過敏症(DTH)を調べる
ことにより、試験管内の抗原刺激増殖について、細胞溶
解性T細胞について、または適当なモデル中の腫瘍拒絶
について試験することもまた関心深い。適当なモデル
は、適当なcDNA発現ベクターによるトランスフェクショ
ンの結果としてヒト腫瘍関連抗原を発現するマウス腫瘍
である。 目標は黒色腫関連p97抗原を指向する激しい免疫応答
を誘出するペプチドを同定することである。同定後、こ
れらのペプチドを既知化学合成法により多量に生成させ
ることができる。あるいは同定したペプチドを、発現ベ
クター宿主細胞系中でそのようなペプチドをコードする
ヌクレオチド配列を発現させることにより多量に生成さ
せることができる。 (5.3)発現ベクター宿主系によるp97関連ペプチドの生
成 ヌクレオチドコーディング配列を適当な発現ベクター
中へ挿入することによりタンパク質およびペプチドを多
量に生成させることができ、それは次に細菌、酵母、昆
虫細胞および哺乳動物細胞を含みそれらに限定されない
適当な宿主細胞中へ導入される。細菌宿主は多くの利点
を有するけれども、それらは適切に多くの真核タンパク
質を有さず、またそれらは腫瘍関連タンパク質の発現に
対し真核細胞より多少適切でない。しかし、細菌中に生
じた組換え生成物は、応答がタンパク質抗原の初期分解
を必要とすると思われるのでT細胞応答の導入に有用で
きることができる。 p97関連ペプチドをベクター宿主系中に発現させるた
めに、黒色腫関連p97抗原またはそのタンパク質をコー
ドするヌクレオチド配列は適当に発現ベクター中へ導入
される。そのようなヌクレオチド配列は、配列内の1つ
またはより多くのコドンが同一または機能的に等しいア
ミノ酸残基をコードし、従って配列中に中性またはサイ
レント変化を生ずるコドンにより置換された改変配列を
含めて実質上第3図に示されるp97のDNA配列のすべてま
たは一部を含むが、しかしそれらに限定されない。発現
ベクターは挿入されたタンパク質をコードする配列の転
写および翻訳に必要な要素を含む。これらの要素はそれ
らの強さおよび特異性で異なる。用いる宿主ベクター系
により、多くの適当な転写および翻訳要素の任意の1つ
を用いることができる。例えば哺乳動物細胞系中でクロ
ーニングするときに哺乳動物細胞のゲノム(例えばマウ
スメタロチオネインプロモーター)から、またはこれら
の細胞中で成長するウイルス(例えばワクシニアウイル
ス7.5Kプロモーター)から分離したプロモーターを用い
ることができる。組換えDNAまたは合成法により生成さ
れるプロモーターもまた使用して挿入配列の転写に備え
ることができる。 特定開始シグナルもまた挿入タンパク質コーディング
配列の有効翻訳に必要である。これらのシグナルはATG
開始コドンおよび隣接配列を含む。遺伝子またはcDNA配
列を適当な発現ベクター中へ挿入する場合に追加の翻訳
制御シグナルを何ら必要としないことができる。しか
し、コーディング配列の一部のみを挿入する場合にATG
コドンを含む外因性翻訳制御シグナルを与えるべきであ
ることができる。開始コドンはさらにタンパク質コーデ
ィング配列の読取り枠に関する相中にあり全挿入物の翻
訳を保証しなければならない。これらの外因翻訳制御配
列および開始コドンは天然および合成両方の種々の由来
であることができる。 ベクター中へのDNAフラグメントの挿入に対して当業
者に知られた任意の方法を用いて適当な転写および翻訳
制御シグナルおよびタンパク質コーディング配列からな
るキメラ遺伝子を含む発現ベクターを構築することがで
きる。これらの方法は試験管内組換えDNA技術、合成技
術および生体内組換え(遺伝子組換え)を含むことがで
きる。 発現ベクターは次のベクター:ワクシニアウイルス、
アデノウイルス、昆虫ウイルス、酵母ベクター、バクテ
リオファージおよびプラスミドDNAベクター、並びにそ
れらの誘導体を含むが、しかしそれらに限定されない。
細菌系中の遺伝子のクローニングおよび発現はよく知ら
れている。例えば大腸菌中でクローンするときに、その
バクテリアファージまたはプラスミドプロモーター例え
ばlacプロモーター、trpプロモーター、recAプロモータ
ー、リボソームRNAプロモーター、大腸菌ファージλのP
RおよびPLプロモーターおよび他のlacUV5、trp−lacUV5
(tac)ハイブリッドプロモーター、ompF、bla、lppな
どを含み、しかしそれらに限定されないものを用いて隣
接DNAセグメントの高レベルの転写を指向することがで
きる。しかし、原核細胞と真核細胞との間のプロセッシ
ング差異のために、本発明のp97関連ペプチドを真核細
胞中に発現させることが好ましいことができる。真核細
胞中にタンパク質を発現させ最もよく確立された方法
は、(a)遺伝子を薬物耐性遺伝子とともに細胞中へ導
入し、次いで、好ましくはジヒドロ葉酸レダクターゼー
メトトレキセート系によるように増幅を得る薬物による
選択;(b)プラスミドベクター中のしばしばpBR322に
基く強真核プロモーターおよび他の調節配列を用いるcD
NAの発現;(c)しばしばSV40から誘導されるウイルス
ベクター中で、また強プロモーター、この場合SV40プロ
モーター、を用いるcDNAの発現、である。組換え体プラ
スアミドベクーターは、しばしば長時間タンパク質を生
ずる細胞系統の生成に使用され、SV40ベクターはしばし
ば過渡発現を得るために使用される。哺乳動物細胞が最
もしばしば宿主として使用されたけれども、昆虫細胞お
よび若干の場合に酵母細胞もまた適当であることができ
る。若干は次により詳細に説明される。 黒色腫関連p97抗原を発現する組換え体ワクシニアウ
イルスを構築するために、cDNAコーディング配列をワク
シニアウイルスの7.5Kプロモーターに連結してキメラ遺
伝子を形成することができる。このキメラ遺伝子は、プ
ラスミドDNAベクター上に支持されるウイルスチミジン
キナーゼ遺伝子に相同の追加のワクシニアウイルス配列
によりフランキングされる。キメラ遺伝子の構築は腫瘍
関連抗原配列の転写および翻訳のための天然および合成
シグナル両方の使用を含む。次いでキメラ遺伝子は、プ
ラスミドベクターおよびワクシニアウイルスゲノムの両
方上に存在する相同チミジンキナーゼ領域間の生体内組
換えによりワクシニアウイルス発現ベクター中へ導入さ
れる。キメラ遺伝子を含むこれらの組換え体ウイルスは
感染宿主中のp97関連ペプチドの発現を指向することが
でき、ワクチンの成分として使用できる。 アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合
に、問題のDNA配列をアデノウイルス転写/翻訳制御複
合体、例えば後期プロモーターおよび3分節リーダー配
列に連結させる。このキメラ遺伝子は次に試験管内また
は生体内組換えによりアデノウイルスゲノム中へ挿入さ
れる。ウイルスのゲノムの非必須領域(例えば領域E1ま
たはE3)中への挿入は、生育し、感染宿主中にp97関連
ペプチドを発現できる組換えウイルスを生ずる。現在、
承認され、軍人にワクチンとして使用される2種のアデ
ノウイルス(4型および7型)がある。それらは挿入DN
A配列の発現にベクターとして使用される主候補であ
る。 p97関連ペプチドの発現に使用できた他の発現系は昆
虫系である。そのような系の1つにおいて、オートグラ
ファ・カリフォルニカ(Autographacalifornica)核多
角体病ウイルス(AcNPV)がベクターとして外来遺伝子
の発現に使用される。ウイルスはスポドプテラ・フルジ
ペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞中で成長する。
問題のDNA配列はウイルスの非必須領域(例えばポリヘ
ドリン遺伝子)中へクローンすることができ、AcNPVプ
ロモーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御
下に置かれる。DNA配列の良好な挿入はポリヘドリン遺
伝子の不活性化および非閉鎖組換え体ウイルス(すなわ
ち、ポリヘドリン遺伝子をコードするタンパク質コート
のないウイルス)の生成を生ずる。これらの組換え体ウ
イルスは次いで、挿入遺伝子を発現するスポドプテラ・
フルジペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞の感染に
使用される。 さらに挿入配列の発現の調節、または所望特定形態に
キメラ遺伝子生成物を修飾またはプロセッシングする宿
主細胞株を選択することができる。一定プロモーターか
らの発現は一定誘導物質(例えばメタロチオネインプロ
モーターに対し亜鉛およびカドミウム)の存在下に高め
ることができる。従って、遺伝子的に作られるタンパク
質の発現を調節することができる。これは、クローン化
遺伝子のタンパク質生成物が宿主細胞に対し致死性であ
れば重要である。さらに、タンパク質生成物の修飾(例
えばグリコシル化、ホスホリル化など)およびプロセッ
シング(例えば開裂)はタンパク質の構造および機能に
対し重要である。異なる宿主細胞はタンパク質の翻訳後
プロセッシングおよび修飾に特有かつ特異的機構を有す
る。適当な細胞系または宿主系を選択して発現された外
来タンパク質の正しい修飾およびプロセッシングを保証
することができる。 p97cDNAを、メタロチオネインプロモーターを含むpBR
322から誘導された発現プラスミドベクターに連結し
た。シグナルペプチドおよび膜アンカーを含むp97の全
コーディング配列がベクター中へ挿入された。 (5.3.1)p97cDNA配列の複製および発現指向可能な組換
え体発現ベクターの同定 外来遺伝子挿入物を含む発現ベクターを3つの一般方
法;(a)DNA−DNAハイブリッド法、(b)標識遺伝子
機能の存在または不在、および(c)挿入配列の発現、
により同定できる。第1の方法において、発現ベクター
中へ挿入された外来遺伝子の存在を外来遺伝子挿入物に
相同である配列を含むプローブを用いてDNA−DNAハイブ
リッド法により検出できる。第2の方法において、組換
え体ベクター/宿主系をベクター中の遺伝子の挿入によ
り生じた一定「標識」遺伝子機能(例えばチミジンキナ
ーゼ活性、抗体耐性、形質転換表現型など)の存在また
は不在に基いて同定し、選択することができる。例え
ば、外来遺伝子がベクターの標識遺伝子配列内に挿入さ
れれば、DNA挿入物を含む組換え体を標識遺伝子機能が
ないことにより同定できる。第3の方法において、組換
え体発現ベクターは組換え体により発現される外来遺伝
子生成物の検定により同定することができる。そのよう
な検定は遺伝子生成物の物理的、免疫学的または機能的
性質に基くことができる。 例えば、組換え体ワクシニアウイルスを本発明により
構築するとき、p97コーディング配列を含むキメラ遺伝
子をチミジンキナーゼ遺伝子中へ挿入し、それによりTK
-表現型を不活性化しウイルス上に与える。そのような
組換え体は、TK+細胞に対し致死性であるがTK-細胞に対
しそうでないヌクレオシドアナログを5−プロモーデオ
キシウリジンを含む培地中で成長する能力により選択さ
れる。組換え体はさらに腫瘍関連タンパク質に特異性の
cDNAプローブを用いるDNA−DNAハイブリッド法により同
定される。TK-組換え体ウイルスはプラーク精製により
分離することができ、ストックが感染した培養細胞から
調製される。組換え体ウイルスはそのp97関連ペプチド
の合成を誘発する能力について試験することができる。
この目的は、感染細胞を放射性標識アミノ酸の存在下に
成長させ、次いで溶解し、感染放射性標識細胞のサブセ
ル画分を、天然黒色腫関連p97抗原を指向する抗体によ
る免疫沈降により試験する。免疫沈降生成物はSDS−PAG
Eにより分割される。感染細胞はまた単クローン性抗体
を用いる免疫蛍光法により試験することができる。 プラスミドベクターをトランスフェクションにより導
入した細胞はFACS分析により、またはポリエステル布上
の細胞コロニーのレプリカの結合検定により容易に同定
することができる。存在するp97関連ペプチドの量は定
量ラジオイムノアッセイにより決定でき、そのサブセル
の局在は細胞分画によりおよび免疫蛍光顕微鏡法により
決定することができる。発現されたp97関連ペプチドの
構造はSDS−PAGEにより、およびアミノ酸配列分析によ
り決定できる。 (5.3.2)発現ベクター宿主系からのp97関連ペプチドの
精製 多くの腫瘍関連抗原例えばp97は細胞表面糖タンパク
質であり、N末端シグナルペプチドおよびC末端アンカ
ーペプチドを含む〔デービス(Davis)ほか、1985、J.M
ol.Biol.,181:111〜121〕。適当なベクター中に発現さ
れるとき、タンパク質は細胞表面にトランスロケーショ
ンされることが予期される。タンパク質の精製を促進す
るために、膜アンカー領域をコードするDNA配列を欠失
させ、成熟タンパク質を培養基中へ放出させることが好
ましいであろう。 p97関連ペプチドは宿主細胞から界面活性剤溶菌し、
次に単クローン性抗体を用いるアフィニティークロマト
グラフィーにより精製することができる。截形タンパク
質を培養基から精製すべきであるば、血清を含まない培
地を用い、次いで単クローン性抗体によるアフィニティ
ークロマトグラフィーを用いることが好ましい。抗原が
その抗体性を低下しまたはそれを変化させることなく抵
抗吸着剤から溶離できることが重要である。これはpHの
上下により、またはカオトロープの使用により達成する
ことができる。比較的温和な条件下に抗原を放出する単
クローン性抗体を選択することが必要であろう。アフィ
ニティー精製した抗原はHPLCによりさらに精製すること
ができる。 (5.4)p97関連ペプチドの免疫学的確認 合成または組換え体抗原の抗腫瘍応答を誘出する能力
は初めに実験動物中で評価することができる。これはヒ
ト黒色腫関連p97タンパク質を、適当な近交系の実験動
物腫の細胞中に発現させるモデル系を構成することによ
り行なわれる。次いで動物を本発明のp97関連ペプチド
で種々のプロトコルにより免疫処置し、次に黒色腫関連
p97抗原を指向する抗体の発生について、p97抗原に対す
る細胞媒介免疫例えば遅延型過敏症について、およびp9
7抗原を発現する生育性同系腫瘍細胞の攻撃を拒絶する
能力について試験する。さらに、細胞免疫の試験管内検
定を行なってp97関連ペプチドに応答したリンパ球の増
殖および免疫処置動物またはヒト黒色腫患者のリンパ球
のp97抗原を発現する腫瘍細胞を殺す能力を測定するこ
とができる。さらに、マウスをマウスp97で免疫処置す
ることにより正常組織中に痕跡量で存在する抗原に対す
る免疫応答を誘発できる程度を決定することができる。 非ヒト霊長類を用いて本発明のp97関連ペプチドの安
全性を決定することができる。この目的のために動物を
ヒト癌患者に倫理的に適用できるプロトコルを用いて免
疫処置し、次いで前記のように試験することができる
が、しかし腫瘍移植実験は、近交系の使用を必要とする
ので容易ではない。免疫処置手順の安全性は免疫処置動
物の一般的健康(体重変化、熱、食欲、行動など)に及
ぼす免疫処置の影響および剖験で病理学的変化を調べる
ことにより決定される。 最後に本発明のp97関連ペプチドをヒト癌患者におい
て試験することができる。進行癌患者において初期相I
試験し、毒性のないことを決定した後、寛解中の、しか
し高い再発可能性のある癌患者に試験することができ
た。それらの免疫応答は、決定された患者または再発頻
度に対する治療効果が試験されることを除いて非ヒト霊
長類に対して記載したように評価されよう。黒色腫抗原
p97の場合に抗原を発現する良性母斑(寄胎)もまた試
験される。 (5.5)ワクチンの配合 発明のこの態様の目的は、合成または組換えDNA技術
により、免疫原およびワクチンとして疾患再発のおそれ
の高い癌患者の保護に、確定疾患の治療に、および結局
は高危険個体の予防的な接種に使用できる合成ペプチ
ド、精製タンパク質または組換え体ウイルスを製造する
ことである。実際に、合成および組換え体黒色腫関連p9
7抗原は他の免疫原と組合せて使用して黒色腫および他
の癌の予防に対する多価ワクチンを製造することができ
る。種々のワクチン配合物の例は次に論議される。 (5.5.1)ウイルスワクチン配合物 本発明のp97関連ペプチドが組換え体ウイルスにより
生成されると、生組換え体ウイルスワクチンまたは不活
性組換え体ウイルスワクチンを配合することができる。
その選択はp97関連ペプチドの発現に用いた組換え体ウ
イルスの性質による。組換え体ウイルスが免疫処置され
る受容者に対し感染性であるが、しかし疾患を生じない
場合に、生ワクチンを受容者中に増殖が同種かつ天然の
潜伏性感染を生ずる大きさの長期刺激を生じ、従って実
質的に長期継続免疫を与えるので好ましい。感染性組換
え対ウイルスは受容者中へ導入された後、そのキメラ遺
伝子からp97関連ペプチドを発現し、それにより免疫応
答を刺激することができる。生組換え体ウイルスそのも
のを黒色腫に対する予防ワクチンとして使用することが
できる。これらの配合物中に用いるそのような組換え体
ウイルスの製造には試験管内(例えば組織培養細胞)お
よび生体内(例えば天然宿主動物例えばウシ)系の両方
が含まれることができる。痘瘡ワクチンの調製および配
合に対する普通の方法が生組換え体ウイルスワクチンの
配合に適用することができる。 多価生ウイルスワクチンは種々の腫瘍または癌細胞の
種々の抗原を発現する単一または数感染性組換え体ウイ
ルスから製造することができる。例えば、ワクシニアウ
イルス(外来DNA約35キロベースを収容することができ
る)を組立て、他のエピトープに対するコーディング配
合を含ませることができ:そのような組換え体ウイルス
自体を多価ワクチン中の免疫原として使用することがで
きる。あるいは、それぞれ異なるエピトープをコードす
る種々の遺伝子の発現を指向できるワクシニアの混合物
および(または)他のウイルスを多価ワクチンに配合す
ることができる。 組換え体ウイルスが免疫処置される受容者に対し感染
性であってもなくても、不活性化ワクチン配合物を製造
することができる。不活性化ワクチンは、それらの感染
性が通常ホルムアルデヒド処理により破壊されている意
味で「死」である。理想的には、ウイルスの感染性がウ
イルスの免疫原を支持するキャプシドまたはエンベロー
プタンパク質に影響を及ぼさないで破壊される。不活性
化ワクチンを製造するため、必要量の関連抗原を与える
ために多量の組換え体ウイルスを培養中に成長させねば
ならない。異なるエピトープを発現する不活性化ウイル
スの混合物を「多価」ワクチンの配合に用いることがで
きる。若干の場合には、これは一緒に投与される生ウイ
ルスの相互干渉による潜在的困難のために生ワクチン配
合物に好ましいかもしれない。どの場合にも、不活性化
組換え体ウイルスまたはウイルスの混合物は、それらの
抗原に対する免疫応答を高めるために適当なアジバント
と配合すべきである。適当なアジュバントには鉱物ゲル
例えば水酸化アルミニウム;界面活性物質例えばリソレ
シチン、プルロニックポリオール;ポリアニオン;ペプ
チド及び油乳濁液が含まれるが、しかしそれらに限定さ
れない。 多くの方法を用いて前記ワクチン配合物を導入するこ
とができる;これらには皮内、筋肉内、腹腔内、静脈
内、皮下及び鼻腔内経路が含まれるが、しかしそれらに
限定されない。生組換え体ウイルスワクチン配合物を用
いるとき、それを、組換え体ウイルスをワクチン配合物
になすのに用いた親野性型ウイルスの自然感染経路によ
り導入することができる。 (5.5.2)サブユニットワクチン配合物 ウイルスワクチンの代りに、p97関連ペプチド自体を
免疫原としてサブユニットワクチン配合物中に用いるこ
とができる。サブユニットワクチンは単に受容者の免疫
処置に必要な関連免疫原物質を含む。従って、ペプチド
を発現する組換え体からp97関連ペプチドを精製するこ
とができる。そのような組換え体には前記ウイルス感染
培養細胞、細菌形質転換体、または酵母形質転換体のい
ずれも含まれる。本発明の他の態様において、p97関連
ペプチドまたはタンパク質を化学的に合成することがで
きる。 p97関連ペプチドが組換え体から精製されてもまたは
化合物に合成されても、最終生成物を適当な濃度に調製
し、適当なワクチンアジュバンドと配合し、使用のため
パッケージすることができる。適当なアジュバントに
は:鉱物ゲル例えば水酸化アルミニウム;界面活性物質
例えばリソレシチン;プルロニックポリオール、;ポリ
アニオン;ペプチド;及び油乳濁液が含まれるが、しか
しそれらに限定されない。p97関連ペプチドはまたリポ
ーム中へ混合し、あるいは多糖および(または)ワクチ
ン配合物中に使用する他の重合体中へ混合することがで
きる。 p97関連ペプチドがハプテン、すなわち同族抗体と選
択的に反応できる点で抗原性であるが、しかし免疫応答
を誘出できない点で免疫原でない分子、である場合に、
ハプテンを担体または免疫原分子に共有結合させること
ができ、ハプテン−担体をワクチンとして用いるために
配合することができ、例えば大タンパク質例えばタンパ
ク質血清アルブミンはそれに結合したハプテンに免疫原
性を与える。 (6)実施例:黒色腫関連p97抗原 下記実施例において、p97mRNAの種々の領域から誘導
したcDNAクローンを接合し、p97に関連するペプチドを
発現させる発現ベクター中へ挿入した。発現ベクター宿
主細胞により生成されたp97関連ペプチドをワクチンに
配合することができる。 (6.1)p97mRNAの精製 ポリソームをSK−MEL28黒色腫細胞〔カーレー(Care
y)ほか、1976、Proc.Natl.Acad,Sci.,USA,73:3270〜32
82〕からマグネシウム沈降により調製した。この調製物
からp97新生鎖をもつポリソームを、p97の異なるエピト
ープに特異性の3つのIgG2a単クローン性抗体(96.5、1
18.1、132.2)〔ブラウン(Brown)ほか、1980、J.Bio
l.Chem.,255:4980〜4983;ブラウン(Brown)ほか、198
1、J.Immunol.,127:539〜546;ブラウン(Brown)ほか、
1981、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,78;539〜543;プローマ
ン(Plowman)ほか、1983、Nature,London,303:70〜7
2〕とのインキュベーション、次いでプロティンAセフ
アロース上のアフィニティークロマトグラフィーにより
精製した。p97濃縮mRNAをEDTAを用いて溶離し、オリゴ
(T)−セルロース〔ベセスダ・リサーチ・ラボラトリ
ーズ(Bethesda Research Labs.,Bethesda,MD)製〕上
のアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
典型的な試験において、150E260単位のポリソームがp97
濃縮mRNA260ngを生じ、それは全mRNAの0.23%に相当す
る。クセノプス卵母細胞中で翻訳し、記載されたように
p97について検定〔ブラウン(Brown)ほか、1981、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,78:539〜543;プローマン(Plowma
n)ほか、1983、Nature,London,303;70〜72〕するとp97
濃縮mRNAが800pgのp97毎mRNA ngを生じたが、p97非濃縮
mRNAは0.44pgのp97毎mRNA ngを生じ、p97mRNA活性が180
倍高められたことを示した。p97mRNA活性の収率は42%
であった。網赤血球溶解物系〔ペルハムほか(Pelham
& Jackson)、1976、Eur.J.Biochem.,67:247〜256〕中
の翻訳はp97濃縮mRNAがSDS−PAGEにより分析して84,000
ドルトンの見掛け分子量を有する主ポリペプチドをコー
ドしたことを示し、それは非濃縮mRNAの翻訳生成物中に
検出できず、p97に特異性の抗血清により免疫沈降させ
た(第1図)。これはp97の非グリコシル化前駆物質で
あると結論された。 (6.2)cDNAクローンの調製および構築 下記2法を用いて、分離したmRN鋳型から転写されるc
DNAクローンを構築した。 (6.2.1)オリゴ(T)によりプライムされたcDNAクロ
ーンの構築 上に調製されたp97濃縮mRNAをオリゴ(T)プライムc
DNA合成に対する鋳型として用いた。cDNAは次のようにp
BR322中でクローンした:第1鎖cDNA合成のためにp97濃
縮mRNA、4つのdNTPおよびオリゴ(T)〔コラボラティ
ブ・リサーチ(Collaborative Research,Walthma,MA)
製〕を逆転写酵素〔モレキュラー・ジネティック・リゾ
ーセス(Molecular Genetic Resources)製〕とともに
インキュベートした。第2鎖は大腸菌DNAポリメラーゼ
〔ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Res
earch Ltds,Bethesda,MD)製〕の大フラグメントとのイ
ンキュベーションにより合成し、二重鎖cDNAをSIヌクレ
アーゼ〔ザ・フィード・ハッチンセン・カンサー・リサ
ーチ・センター(The Feed Hutchinsen Cancer Reseach
Center,Seattle,WA)のダーナム(D.Durnam)寄贈〕で
消化した。次いでcDNAを末端デオキシヌクレオチジルト
ランスフェラーゼ〔ベセスダ・リサーチ・ラボラトラー
ズ(Bethesda Research Labs.,Bethesda,MD)製〕でdC
テーリングし、Pst I消化dGテールpBR322〔ベセスダ・
リサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Labs.,
Bethesda,MD)製〕とともにアニーリングし〔ビラーコ
マロフ(Villa−Komaroff)ほか、1978Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,75:3727〜3731〕、CaCl2処理大腸菌RR1の形質
転換に用いた。形質転換細菌のコロニーからのDNAを紙
に結合させ〔タウブ・アンド・トンプソン(Taub & Th
ompson),1982、アナリティカル・バイオケミストリー
(Anal.Biochem.),126:222〜230〕、p97濃縮および非
濃縮mRNA鋳型上に合成したcDNAプローブによる差次ハイ
ブリッド法によりスクリーンした。 243塩基対(bp)クローン、p97−3a2f1、が同定さ
れ、それはp97濃縮cDNAにハイブリッド形成したが、非
濃縮cDNAに対し検定可能にハイブリッド形成せず、また
ハイブリッド選択翻訳試験においてp97mRNDを選択し
た。ポリアデニル化シグナル(AATAA)およびポリ
(A)トラクトはcDNAの3′に存在した(第2図参
照)。ニックトランスレートしたp97−3a2f1は非濃縮黒
色腫mRNAより100倍も強くp97濃縮mRNAにハイブリッド形
成し、繊維芽細胞mRNAに対し検出可能に形成しなかっ
た。プローブとしてクローン化cDNAによるノザンブロッ
ト分析は約4キロベース(kb)のmRNAを同定し、それは
SK−MEL28黒色腫中に存在したが、繊維芽細胞に存在し
なかった。 (6.2.2)p97のゲノムクローニングおよびcDNA合成のプ
ライムに対する合成オリゴヌクレオチドの使用 ポリアデニル化部位から1kb以上延びるcDNAクローン
を得る試みは、おそらく長い二次構造を有する高GC含量
(80%以上)の領域のために不成功であった。ゲノムク
ローニングを用いてこの問題を回避した。4重複ゲノム
クローンを、特定p97制限フラグメントを濃縮したサイ
ズ分画SK−MEL28DNAを含むλL47.1のライブラリーから
分離した。この4ゲノムクローンは28kbをスパンし、遺
伝子の調節領域を含めてp97の全コーディング領域を含
む。5′から3′まで逐次配列したゲノムクローンは:
λB15、λ17、λB6.6およびλE7.7である。命名法はフ
ラグメントの発明に用いた制限酵素を示す文字およびλ
L47.1中へクローンしたフラグメントのキロベース大き
さを示す数字からなる。従って、5′末端から出発して
λクローンB15は15kb BamH I p97フラグメントを含み、
λクローンH17は17kb Hind III p97フラグメントを含
み、λクローンB6.6は6.6kb BamH I p97フラグメントを
含み;λクローンE7.7は7.7kb EcoR I p97フラグメント
を含む(第2A図参照)。ノザンブロットで4kb p97mRNA
に対しハイブリッド形成したクローンの制限フラグメン
が配列され、p97エキソンを予期コーディング配列とヒ
トおよびニワトリトランスフエリンのアミン酸配列との
間のコンピユータ補助相同調査により同定した(ヤング
(Yang)ほか、1984、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:2752
〜2756;マギリブレイ(McGillivary)ほか、1982、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,79:2504〜2508;ジェッシュ・アン
ド・チャンボン(Jetsch & Chambon)、1982、Eur.J.B
iochem.,122:291〜295〕。 3合成オリゴヌクレオチド、p97ゲノムエキソン配列
を基にした配列、をSK−MEL28 mRNA上のcDNA合成のプ
ライムに用い、生じたcDNAを次のようにλ−gt10中へク
ローンさせた:p97cDNAをdGテーリングし、架橋剤オリゴ
ヌクレオチド(AATTCCCCCCCCCCCC)およびEcoR Iで制限
したλ−gt10で連結した。架橋剤オリゴヌクレオチドは
λ−gt10のEcoR I部位中へのdGテールcDNA配列の挿入お
よび連結を可能にした。λフアージをパッケージし〔グ
ロスベルド(Grosveld)ほか、1981、ジーン(Gene)1
3:227〜237〕、大腸菌c600rk-mk+hf1上で平板培養し
た。λ−gt10中のcDNAライブラリーをプラークハイブリ
ッド法〔ベントン・アンド・デービス(Benton & Davi
s)1977、Science,196:180〕によりゲノムエキソンフラ
グメントをプローブとしてp97挿入物についてスクリー
ンした。プローブは32P−TTP〔ニュー・イングランド・
ニュークリア(NEW England Nuclear)製、3200ci/ミリ
モル〕でニックトランスレーションにより5〜10×108c
pm/μgの比活性に放射性標識した。p97mRNAの2,368ヌ
クレオチドをスパンし、全コーデイング領域を含む3重
複cDNAクローン(10a1、|j|、2f1)を、プローブとして
p97エキソン特異性フラグメントを使用することにより
同定した(第2図)。 (6.3)p97のDNA配列分析 cDNA挿入物を切り出し、次の増殖および制限マッピン
グのために大腸菌中のプラスミドベクターpEMBL18+
〔デント(Dente)ほか、1983、ニュークリック・アシ
ッド・リサーチ(Nucleic Acids Res.)11:1645〜165
5〕中へサブクローンした。cDNAはまたM13mp18フアージ
クローニングベクター〔ヤニッシューベロン(Yanish−
Perrone)ほか、1985、Gene,33:103〜119〕中へサブク
ローンし、サンガー(Sanger)のジデオキシ法〔サンガ
ー(Sanger)ほか、1977、Proc.Natl.Acad,Sci.USA,74:
5463〜5467〕を用いて配列した。大挿入物を含むM13ク
ローンをDNAse I〔ホング(Hong)、1982、J.Mol.Bio
l.,158:539〜549〕またはエキソヌクレアーゼIII〔ヘニ
コフ(Henikoff)、1984、Gene,28:351〜359〕を用いる
欠失発生により、および合成21merオリゴヌクレオチド
プライマーの使用により配列した。 p97cDNA配列は第3図に示される。2,214ヌクレオチド
の読取り枠は第1ATGから伸び、その付近の配列は位置2,
215におけるTGAに対してコザクにより決定された開始配
列に一致する〔コザク(Kozak)1980,Nucleic Acid Re
s.,8:127〜142〕。大部分の5′cDNAクローンは開始ATG
の上流にさらに60ヌクレオチドを含む。p97mRNAの3′
非コーディング領域はcDNAクローンとして得られず、1,
667ヌクレオチドを含む単ゲノムエキソンと同定され
た。予期アミノ酸配列の残基20〜32はp97の既知N末端
アミノ酸配列に一致し〔ブラウン(Brown)ほか、198
2、Nature,London,296:171〜173〕、クローン化cDNAの
本性を与える。さらに、前駆物質の予期分子量は80,196
ドルトンであり、試験管内翻訳生成物の観測分子量とよ
く一致する。 (6.4)p97コーデイング配列を含む組換え体発現プラス
ミドの構築 大サイズのp97遺伝子は逆転写酵素による黒色腫mRNA
の特異的プライミングにより得られたcDNAクローンとの
接合を必要とした。シグナルペプチドから膜アンカー配
列までのコーデイング領域を含む3つのcDNAλgt10(10
a1、|j|および|f|;第2図参照)を用いた。クローン10a
1のp97挿入物はEcoR Iで消化することにより切り出し、
cDNA10a1の5′端におけるオリゴ(dG)配列はエキソヌ
クレアーゼIIIによる消化により除去し、p97プレプロテ
インの開始メチオニから30bp上流にHind III部位を有す
るクローン10a1bを生成させた。3cDNAクローン10a1b、|
j|および2f1のp97挿入物およびゲノムクローンE.7.7をP
vu II、Sst IおよびEcoR I制限酵素部位で接合し、第2
図に示すようにプラスミドベクターpEMBL18+〔デント
(Dente)ほか、1983、Nuc.Acid.Res.,11:1645〜1655)
のHind III−EcoR I部位に接入した。最終構築物p97bは
プラスミッドベクターpEMBL18+中に4.4kbのp97挿入物
を含み、それを大腸菌HB101の形質転換に用いた。p97b
中の挿入物は、5′Hind III部位および3′EcoR I部位
により結合された30bpのp97mRNAの5′非翻訳領域、全
コーデイング配列および3′非翻訳領域を含む。 4.4キロベースのp97挿入物をp97bからHind IIIおよび
EcoR Iで切り出し、端を大腸菌DNAポリメラーゼのクレ
ノウフラグメントを用いて充たした。ブラント末端フラ
グメントを、ドクター・リチャード・パルミター(Dr.R
ichard Palmiter,University of Washington,Seattle,W
ashington)から入手した真核cDNA発現ベクター1995.12
pUC13、ベクターmThGH−112の誘導体〔パルミター(Pal
miter)ほか、1983、Science,222:809〜14〕中の特有Sm
a I部位中へ挿入した。このベクターは真核細胞中に外
来遺伝子を発現するためにマウスメタロチオネインプロ
モーターを用いる。正しい配向におけるp97挿入物を有
する構築物は制限分析により固定し、pMTp97bと称し
た。 組換え体プラスミドはLMTK-細胞中へ形質転換し、ト
ランスフエクション体をHAT培地中の成長により選定し
た。トランスフエクション皿からとったクローンを96ウ
エルマイクロテストプレート中に広げ、スペント培養基
およびレプリカ平板からの細胞溶解物を2座イミノラジ
オメトリー検定により検定した。サブクローンを広げ再
試験した。毎細胞約4,000,000分子のp97を発現するクロ
ーンTKM97−12を成長させ、カドミウムで誘発させ、免
疫処置に対するp97源として用いた。 (6.5)p97関連ペプチドによるマウスの免疫処置 TKMp97−12細胞を成長させ、カドミウムで誘発させ、
(14.4g)を氷上で10分間70mlTNEN〔20mMトリス(Tri
s)−HCl、pH8.0、100mM−NaCl、1mM−EDTA、0.5%NP−
40〕とともにインキュベートすることにより溶解させ
た。溶解物を200,000Xgで45分間、4℃で超遠心し、溶
解物の半分をp97に特異性の1mlイムノアフィニティーカ
ラム(セフアロースに結合した抗体96.5のFabフラグメ
ント)に通した。免疫吸着剤を広範囲に、初めにTHEN、
最後に20mMトリス−HCl、pH6.8で洗浄した。 上記のように調製した吸着イムアフィニティーカラム
0.5mlを20mMトリスHCl、pH6.8、0.5mlと混合し、完全フ
ロイントアジユバント1mlで乳化させた。4BALB/cマウス
それぞれに乳濁液0.5mlを腹腔内に与えた。3週後にマ
ウスにこの量の1/4の、不完全をフロイントアジユバン
ト中の抗原で追加抗原刺激した。対照マウスはp97に関
連せず、それ以外は同様に処理した抗体のイムノアフイ
ニティカラムで免疫処置した。p97免疫処置マウス4匹
および対照マウス2匹を追加免疫刺激1週後に採血し
た。血清を放射性ヨウ素化SK−MEL黒色腫細胞からの免
疫沈降、次にSDS−PAGEによりp97に対する抗体について
試験した。結果は4匹のp97免疫処置マウスからの血清
はp97を免疫沈降したが、対照血清は陰性であったこと
を示した。血清はまた、グルタルアルデヒド固定化SK−
MEL28黒色腫細胞(20,200細胞毎マイクロテストウエ
ル)上のELISA検定を用いてp97を指向する抗体の存在に
ついて試験した。固定した細胞は1/10.000希釈血清0.05
mlとともに室温で1時間インキュベートし、洗浄し、次
いでホースラディッシュ(horseradish)ペルオキシダ
ーゼ接合ヤギ抗マウスIgG〔サザン・バイオテク(South
ern Biotech)製〕0.05mlとともに室温で1時間インキ
ュベートした。p97免疫処置マウスからの血清の光学濃
度(490nmにおける読み)は0.350、0.423、0.343、0.20
0であったが、対照からの血清の光学密度は0.036および
0.057であった。 (6.6)p97の確認 (6.6.1)p97の構造 p97の構造を4構造ドメインを含むp97前駆物質のアミ
ノ酸配列から決定した。前駆物質配列の残基21が成熟p9
7のN末端に相当するので、アミノ酸残基1〜20はおそ
らくシグナルペプチドを構成し、その結論はその長さお
よび疎水性により支持される。アミノ酸21〜361および3
62〜713は2つの342および352アミノ酸の相同ドメイン
を含む。可能なN連結グリコシル化部位はN末端ドメイ
ン中の位置38および135並びにC末端ドメイン中の位置5
15に生ずる。最後にアミノ酸714〜738は主に未変化で疎
水性の残基の領域、細胞膜中のアンカーp97であり〔デ
ービス(Davis)ほか、1985、J.Mol.Biol.,181:111〜12
121)、細胞質中へ伸びることができると思われる。 p97のドメイン構造はプロテアーゼ消化試験により支
持される。p97のトリプシン、パパインによる〔ブラウ
ン(Brown)ほか、J.Immunol.)127:539〜546〕または
トロンビンによる消化は分子量約40,000ドルトンのグリ
コシル化抗原フラグメントを生じた。フラグメントは35
S−メチオニンまたは35S−システインで代謝的に標識し
たp97のトロンビン消化から精製し、上記のように配列
決定された〔ブラウン(Brown)ほか、1982、Nature Lo
ndon,296:171〜173〕。システイン残基は位置7および1
7に、メチオンニン残基は位置2および20に同定され
た。同様の結果はインタクトp97で得られ、cDNA配列か
ら予期されるp97のN末端配列と完全に一致する。40,00
0ドルトン分子量のプロテアーゼ耐性フラグメントがp97
のN末端ドメインに相当すると結論される。p97のC末
端ドメインは、おそらくそれがプロテアーゼ感受性であ
るので分離できなかった。 (6.6.2)p97とトランスフエリンとの相同性 プロテイン・アイデンティフィケーション・リゾ(Pr
otein Identification Resource)〔レリース5.0;ディ
ホフ(Dayhoff)ほか、1981、Nature,London,290:8〕の
アミノ酸配列ライブラリーの調査はp97がトランスフェ
リンの上科3成員:ヒト血清トランスフエリン、ヒトラ
クトトランスフエリンおよびニワトリトランスフエリン
に強く相同性である(37〜39%相同、第4図参照)。ヒ
トおよびニワトリトランスフエラーゼは互いに50%相同
を示すので、p97は3億年以上前に血清トランスフエリ
ンから分岐したにちがいない。p97は各ドメイン中の相
同位置に位置する14システイン残基を有する。ヒトトラ
ンスフエリンはこれらのシステインのすべてを両ドメイ
ン中の相同位置に含み、ヒトラクトトランスフエリンお
よびニワトリトランスフエリンはこれらのシステイン残
基の単に2つを欠く(それらのC末端ドメイン中)。p9
7と異なり、これらのタンパク質はそれらのC末端ドメ
イン中に4〜7追加システインを含み、それはN末端中
に相当するものを有しない。ヒトトランスフエリンまた
はそのN末端ドメインに特有の2つのエキストラシステ
インを含む。ヒト血清トランスフエリン、ラクトトラン
スフエリンおよびニワトリトランスフエリン中のジスル
フイドの大部分の位置は直接決定された〔マギリブレイ
(McGillivray)ほか、1982、Proc.Natil.Acad.Sci.US
A,79:2504〜2508;メッツ・ブチィーグ(Metz−Boutigu
e)ほか、1984、Eur.J.Biochem.,145:659〜676;マズリ
ール(Mazurier)ほか、1983、エクスペリエンテイア
(Experientia)(Basel)39:135〜141;マギリブレイ
(MacGillivray)ほか、1983、J.Biol.Chem.,258:3543
〜3553;ウイリアムズ(Williams)ほか、1982、Eur.J.B
iochem.,122:297〜303;ウイリアムズ(Williams)ほ
か、1974、バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.
J.)、141;745〜752〕。従ってp97の各ドメイン中の7
ジスルフイド結合の存在を予期することができる(第5
図参照)。 p97のドメイン間のアミノ酸の相同性(46%−9残基
の7gapの挿入により達成された)はヒトトランスフエリ
ン(46%−16gap、45残基)またはニワトリトランスフ
エリン(35%−12gap、49残基)中にみられたより一層
顕著である。p97とトランスフエリンとの間の広範な配
列相同性およびシステインの保存に基く明らかに類似の
折りたたみパターンが与えられたので、トランスフエリ
ンのこの低分解X線構造(ゴリンスキー(Gorinsky)ほ
か、1979、Nature,London,281:157〜158〕を精密にでき
れば、p97の三次元構造を演繹することが可能であろ
う。 (6.6.3)p97の機能 トランスフエリン上科中のその帰属関係、その鉄を結
合する能力〔ブラウン(Brown)、1982、Nature,Londo
n,296:171〜173〕、並びにトランスフエリンおよびトラ
ンスフエリン受容体によるその普通の染色体局在〔プロ
ウマン(Plowman)ほか、1983、Nature,London,303:70
〜72;ヤング(Yang)ほか、1984、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,81:2752〜2756〕はすべて鉄輸送におけるp97の役割
を支持する。トランスフエリンの鉄結合ポケットは2−
3チロシン、1−2ヒスチジンおよび単バイカーボネー
ト結合アルギニンを含むと思われる〔メッツーブティー
グ(Metz−Boutigue)ほか、1984、Eur.J.Biochem.)、
145:659〜676〕。p97中のこれらのアミノ酸の保存は鉄
代謝中の提案役割を支持する(第4図参照)。p97は結
合トランスフエリン様分子を結合した膜であり、トラン
スフエリン受容体との相同性を有しない〔シュナイダー
(Schneider)ほか、1984、Nature,London,311:675〜67
8〕ので、細胞の鉄代謝におけるその役割は血清トラン
スフエリンの循環およびトランスフエリンに対する細胞
の受容体により与えられるものとは異なるであろう。真
核細胞中のクローンp97cDNAの発現はその機能特性の実
験試験を可能にする。 (6.6.4)結論 これらのデータに基き、黒色腫関連p97に対するcDNA
構築物が得られたこと、およびこれらを哺乳動物細胞中
に有効に発現させ多量の抗原性p97を生成できることが
明らかである。 (7)クローン化p97の発現およびワクチン試験 ここに詳記する試験は、クローン化p97タンパク質の
発現およびそのワクチン試験の説明である。分泌された
形態(トランスフェクトマウス細胞クローンB16sv p97
a.14による)におけるp97タンパク質の発現はフルレン
グスp97タンパク質のミリグラム量の精製を可能にし
た。精製形態におけるタンパク質を細胞性免疫のインビ
トロ誘発試験およびサブユニットワクチンとしてその可
能性の試験に用いた。p97遺伝子生成物はまた転移マウ
ス黒色腫細胞の細胞表面上に発現させ、同系系中の腫瘍
成長の予防におけるワクチンの有効性を試験するモデル
を与えた。 有効細胞性免疫を発生できるワクチン配合物として使
用するためにp97遺伝子を生ワクチシニア組換え体ウイ
ルス中へ挿入した。組換え体ワクシニアウイルス、Vp97
a−NY、を体液性および細胞性免疫を示す種々の検定を
用いてそのマウス中に免疫性を生ずる能力について評価
した。上記同系マウス腫瘍モデルを用いてVp97a−NY組
換え体ウイルスワクチンは腫瘍細胞攻撃からの防御効果
を与えることが示された。ワクチンはまた成長肺転移が
存在するマウス中に治療効果を与え、その性質は腫瘍が
存在するヒト黒色腫患者中の免疫治療抗腫瘍応答を生成
させるワクチンの提案された使用に類似する。 ヒトp97とマウス相同性タンパク質との間に(試験し
た領域にわたる)僅か91%の相同性があるマウスの研究
に加えて、Vp97a−NYワクチンはまた非ヒト霊長類で試
験した。ヒトp97とサル型のタンパク質との間には(単
クローン性抗体レベルで交差反応により示されるよう
に)非常に密接な相同性がある。「自己」タンパク質に
対する免疫応答の発明の潜在的な困難のために、非常に
関連するマカク(Macaque)サルを用いてVp97a−NYワク
チンの免疫原性を試験した。組換え体ワクシニアワクチ
ンをサルで試験し、p97タンパク質を指向する体液性免
疫を誘発することが示された。従って、生組換え体ワク
チンウイルス2接種を受入れた後6週間の期間にわた
り、ずっとサルがワクチンに対する暴露から有害な副作
用の顕著な症候を示さなかった。 (7.1)プラスミドの発現 SV40初期プロモーターSV2により駆動された発現プラ
スミドは、全3′UT領域が用いられることを除いてプラ
スミドp97bに類似するcDNAプラスミドクローンp97aから
構築された(第6図)。すべてのcDNAクローンは、前記
のように初めに合成EcoR I−dGで(9〜17)リンカーを
有するλgt10ライブラリーから分離された。挿入体はEc
oR Iにより切出され、次の増殖および確認のためにpEMB
L18+中へサブクローンした。クローン10a1はM13mp18中
へサブクローンし、RF形態をBamH IおよびSph Iで消化
し、短時間エキソヌクレアーゼIIIで処理し、S1ヌクレ
アーゼでブラントし、クレノウで処理し、再び連結し
た。若干のプラークを分離して配列決定すると、その1
つはdG尾部が除去され、M13mp18のHind III部位中へ挿
入された33bpのp97 5′非翻訳領域を保持した。このサ
ブクローンのRF(10a1a)はインタクトp97cDNAの発生に
用い、そうでなければ全フラグメントをプラスミドサブ
クローンから分離した。10a1aからの550bp Hind III−P
vu IIフラグメントおよび1J1からの735bp Pvu II−Sal
IフラグメントをLMPアガロースゲルから分離し、pEMBL1
8+中へSal IおよびHind III部位で連結し、p5′ p97を
生成させた。pEMBL18+中のE7.7ゲノムクローンをEcoR
Iで完全に消化し、Sst Iで部分消化し、4.5kbフラグメ
ントを0.8%LMPアガロースによる分画により分離した。
この4.5kb3′フラグメントは2f1からの404bp Sst Iフラ
グメントおよび1j1からの535bp BamH I−Sat Iフラグメ
ントでpEMBL18+中へSal IおよびEcoR I部位で連結して
p3′p97を生成させた。次いでp5′p97の1285bp Hind II
I−Sal Iフラグメントをp3′p97へ連結させ、pp97aを生
成させた。このクローンからのEcoR I一部分Hind IIIフ
ラグメントをpSV2neo〔サザン(Southern)ほか、198
2、ジェー・モル・アプ・ジネト(J.Mol.App,Genet.),
1:327〜341〕中へHind IIIおよびEcoR I部位で挿入し、
ネウオマイシンコーディング領域およびSV40スプライス
/ポリA配列を排除するがSV40初期プロモーターおよび
72bpエンハンサー、33bp p97 5′UTR、全p97コーディン
グ領域、3′UTRおよび1.4kb3′フランキングDNAを保持
した。生じたプラスミドをpSVp97aと称した。 sv2駆動プラスミドはリン酸カルシウム沈降により種
々の真核細胞系中へトランスフェクションし、発現細胞
を優性選択性マーカーの同時トランスフェクションを用
いてクローンし、選択した。これを行なうためにチャイ
ニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、15%ウシ胎仔血
清(FCS)、4mM−Lグルタミン、1.3mMプロリンおよび
抗生物質を含むハンクスF1培地中で培養した。B16細胞
は、0.15%重炭酸塩およびDMEM培地〔ギブコ(Gibc
o)〕中の1735細胞を含み15%FCSおよび抗生物質の両方
を補足したRPMI培地中で培養した。細胞は変形リン酸カ
ルシウム法〔ウィグラー(Wigler,M.)ほか、1978、セ
ル(Cell)、14:725〜731〕により、pSV2p97aプラスミ
ドDNA20μg毎プレートおよびpSV2DHFRまたはpSV2neoそ
れぞれ0.5μgでトランスフェクションした。プラスミ
ドはすべてEcoR Iで線状化された。安定なトランスフェ
クション体をヒポキサンチン陰性(HAT−)培地を用い
てCHO細胞について、また0.5μg/mlゲネチシン(Geneti
cin)〔G418,ギブコ(Gibco)を用いてB16および1735細
胞について選択した。生存細胞はトランスフェクション
7日後に可視コロニーの形成が開始され、ガラスビーズ
により適所に保持された無菌ポリエステルフィルターで
覆った。フィルターを5日間適所に保持して細胞をポリ
エステルマトリックス中へ成長させ、プレート上にコロ
ニーのレプリカを生成させた。次いでフィルターをとり
出し、ヨウ素化抗p97単クローン性抗体による生細胞結
合検定に用いた。標識した単クローン生抗体10ミリグラ
ムを20フィルターまでとともにFCS10ml中で4℃で1時
間インキュベートした。フィルターをリン酸塩緩衝食塩
水(PBS)中で広く洗浄し、乾燥し、−70℃で一夜XAR−
5フィルムに暴露した。次にフィルターを7%メチレン
ブルーで染色して細胞コロニーを可視化した。B16マウ
ス系を除いて、用いた全細胞系において発現細胞はその
細胞表面上に抗原性p97タンパク質を含有した。 B16トランスフェクト細胞において、p97が培地中へ遊
離され、この所見はこの細胞型に特有である。p97の分
泌は細胞の培地からフルレングスp97タンパク質の精製
を可能にした。クローンB16Vp97a.14はスペント培地中
にp97約4μg/mlを発現した。組換え体p97は、培地中へ
多量のp97抗原を分離するトランスフェクトローンB16SV
p97a.14のスペント培地から精製された。小量の新培地
を連続的に加えることにより850cm2ローラーボトル中に
細胞を集密近くに(109細胞)に維持した。細胞は何週
も分離することなく抗原を分離し続け、スペント培地の
連続的な回収および凍結を可能にした。p97の精製はイ
ムノアフィニティクロマトグラフィーにより、単クロー
ン性抗体96.5のFabフラグメントに結合したセファロー
スを用いて行なった。このためスペント培地3を一連
の3つの30mlカラム上で行なった。第1カラムはG−25
超微粒セファデックス〔ファルマシア(Pharmacia)
製〕15mlを含み、第2カラムはセファロース4b〔ファル
マシア(Pharmacia)製〕20mlを含み、第3カラムは単
クローン性抗体96.5のFabフラグメント(10mlタンパク
質/セファロースml)に接合した臭化アミン活性化セフ
ァロース〔シグマ(Sigma)製〕を含有した。次いでア
フィニティーカラムを冷PBSで広範に洗浄し、抗原を0.1
Mクエン酸塩、pH5、30mlおよび0.1Mクエン酸塩、pH4、3
0mlで溶離させた。これらの条件は抗原の免疫反応性を
変えず、単クローン性抗原96.5からの抗原の完全溶離が
達成されたこを示した。2溶離をそれぞれ3.0mlおよび
4.5mlの2Mトリス、pH8で中和した。精製溶離液はアミコ
ン(Amicon)装置を用いてPM10フィルターで濃縮し、PB
S10ml2容で洗浄し、ブラドフォルド(Bradford)検定
〔バイオラド(Biorad)〕により測定して4.5ml中に4.9
5mgの最終収量が残された。生成物15μgをSDS−PAGEで
試験し(第7図)、クーマシーブルーおよび銀の両染色
により可視化した。二重決定基免疫検定(DDIA)〔ブラ
ウン(Brown)ほか、1981,Proc.Natl.Acad.Sci.,78:53
9〕はモル量の精製タンパク質の独立確認を与えた。対
照調製物を親B16細胞系からのスペント培地で平行して
行ない、検出可能なタンパク質が示されなかった。その
後の調製において、95%純p97タンパク質30mgをセファ
ロースに接合した単クローン性抗体96.5Fabフラグメン
ト300mgから精製した。精製p97タンパク質は免疫原性で
あり、セクション(7.3)に記載されるように、タンパ
ク質で免疫処置したマウスに強い抗体応答を生じた。 (7.2)組換え体p97ワクシニアウイルスの構築および発
現 p97のコーティング領域をp97aをHind IIIで切り、端
部をブラント端に転化し、Sma I部位で開いたワクシニ
ア挿入ベクターpGS−20〔マケット(Mackett)ほか、19
84,J.Virol.49:857〜864〕中へ連結した。PGS−20ベク
ターは7.5Kプロモーターを利用し、ワクシニアチミジン
キナーゼ(TK)遺伝子からのフランキング配列を含む。
組換え体ウイルスはマケット(Mackett)ほかの前掲の
方法により生成させて、感染細胞に正しい大きさおよび
グリコシル化のp97タンパク質の発現を生ずるVp97a−NY
を分離した(第8図)。p97の表面発現はまた下記組換
え体p97ウイルスで感染した細胞中に確認された(第1
表)。 1) 細胞は短時間トリプシン処理し、洗浄し、管中へ
分取し103、104までまたは105細胞を入れた。非発現担
体細胞は、合計105細胞が毎管に使用されるように低細
胞数を管に加えた。1×106cpmのヨウ素化単クローン性
抗体96.5(123ng)を全量50μ中で細胞とともに氷上
で60分間インキュベートした。細胞を洗浄し、PBS+10
%ウシ胎仔血清中で4回回転し、次いで再懸濁し、マイ
クロメディック(Micromedic)4/600プラスガンマカウ
ンター中で計数した。(−)は(末端)を示す。 (7.3)組換え体p97ワクシニアウイルスはマウス中で免
疫原性である Vp97a−NYによるマウスの接種は強体液性抗体応答を
生じた。マウス1回免疫処置し、4週に1回追加刺激
し、次いで5週に採血した。力価はELISAにより抗原被
覆プレート、および検出試薬としてホースラディッシュ
ペルオキシダーゼに接合したプロテインAを用いて検定
した。データは抗p97単クローン性抗体133.2を用いて生
じたELISA結合に対する標準曲線と比較することにより
単クローン性抗体当量に転換した。結果は血清抗体の強
い誘発を示した(第9図)。細胞免疫性はインビトロ増
殖検定を用い、刺激抗原として精製p97タンパク質で検
出した(表II)。 1)脾臓細胞は、尾部乱切により107pfu Vp97a−NY組換
え体ウイルスを接種し、同用量で1月後追加刺激し、そ
の1週後に殺したマウスから分離した。無経験脾細胞を
この実験に対照として用いた。105細胞を0.5%正常マウ
ス血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミ
ン、重炭酸塩および2.5×105M2−メルカプトエタノール
を補足した0.22ml PRM1中で96ウェル丸底プレート中の
毎ウェルに培養させた。培養は第4日に25μCi/ウェル
のトリチウム化チミジン(ニュー・イングランド・ニュ
ークリア(New Euglang Nuclear)製〕で6時間パルス
標識し、PHD細胞ハーベスターで回収し、ベックマン(B
eckman)LS3801カウンター中でオプティフルオル(Opti
fluor)を用いて計数した。増殖指数は各抗原で刺激し
た4重ウェルのcpm平均値を対照(培地)の平均cpm平均
値で除することにより算出した。 表IIに示される結果はT細胞がp97タンパク質抗原に
応答して増殖していることを示す。 ヘルパー細胞もまた免疫処置マウスからの脾臓細胞中
の組換え体ウイルスにより刺激されたかどうかを確認す
るために、細胞をインビトロで刺激し、上澄みをインタ
ーロイキン2(IL−2)、ヘルパーT細胞因子、の生成
について検定した。脾臓細胞は、予め組換え体Vp97a−N
Yワクシニアまたは親ワクシニアで2回免疫処置したマ
ウスから培養した。105細胞を、増殖検定に用いたもの
に等しい培地0.2ml中で、96ウェル丸底プレート中、刺
激抗原の存在または不在下に48時間インキュベートし
た。上澄み採集し、4ウェルからプールし、IL−2検定
前に凍結した。IL−2検定は、クリック(Click)培地
で検定上澄みの希釈度を変えて3重に各ウェル中でイン
キュベートした予めIL−2飢餓したマウスT細胞系CTLL
細胞104を用いた。標準曲線はゲネンテク(Genentech,C
A)から入手した組換え体IL−2で構成した。CTLL細胞
は24時間インキュベーションの最後の6時間に通常の増
殖検定技術によりチミジンでパルス標識し、次いで回収
し、増殖検定法に記載したように計数した。表IIIに示
される結果は組換え体p97ワクシニアウイルスで免疫処
置したマウスの脾臓細胞からのIL−2生成がp97により
インビトロ刺激されることを示す。 さらに、遅延型過敏症応答をVp97a−NY接種マウス中
の足蹠膨潤検定を用いて測定した。毎群5マウス(C3H/
Hen系)を尾部乱切により組換え体または親株ワクシニ
アウイルスで接種した。6日後、各マウスの後足を20μ
のPBSまたは20μのPBS中の細胞(5×105細胞毎マ
ウス)の接種により攻撃させた。足蹠は24時間後に二重
盲検方式でフオウラー(Fowler)マイクロメーターを用
いて測定した。PBS注入足蹠の足蹠厚さを、各マウスか
ら試験足の測定厚さから差引き、増分足蹠膨潤の平均、
並びに標準偏差を計算した。表IVに示した結果は組換え
体p97ワクシニアウイルスで免疫処置したマウス中のp97
特異的遅延型過敏症応答の誘発を示す。 (7.4)マウス腫瘍モデル中のp97ワクシニアウイルスに
よる制御および治療 予防接種の有効性を評価するために、マウスを種々の
プロトコルで本発明の組換え体p97ワクシニアウイルス
を用いて予防接種し、次いでp97トランスフェクト同系
腫瘍細胞(M2SVp97a.2E)で攻撃した。このため、マウ
スをVp97a−NY組換え体生ワクシニアウイルスまたは親
株(Vwt−NY)で尾部乱切により;あるいは100μg精製
p97タンパク質または5×106照射M2−K1735腫瘍細胞で
腹腔内で完全フロインドアジュバント中で免疫処置し
た。静脈内腫瘍細胞攻撃は最後の予防接種の2週後にM2
SVp97a.2E、SV40初期プロモーターにより駆動された表
現プラスミド中に含まれたヒトp97コーディング配列で
トランスフェクトすることによりM2−K1735(マウス黒
色腫モデル)から調製した転移腫瘍クローンの注入によ
り与えた。種々の発現クローンを選択し、腫瘍攻撃に用
いたもの、クローンM2SVp97a・2E、は培地水準、約400,
000分子毎細胞またはヒト黒色腫p97抗原密度に等しいp9
7を発現する。静脈内腫瘍攻撃の2用量5×105または1
×106細胞を用いて、それを同系C3H/Henマウスの尾静脈
中へ注入した。マウスは腫瘍攻撃16日後に殺し、肺をと
り出した。墨汁で染色した肺上に肉眼可視腫瘍が存在す
れば陽性と記録した。結果は表Vに示される。 表Vに示される結果はVp97a.NYの2免疫処置で顕著な
防御効果があったが、しかし精製p97タンパク質ワクチ
ンで(非常に高い抗体価を誘出したにもかかわらず)防
御効果が認められなかったことを示す。組換え体ウイル
スの細胞性免疫を誘発する能力はその防御腫瘍免疫性に
関与することができる。 治療試験において、マウスにp97発現腫瘍細胞低用量
で、次いで2日後組換え体ワクシニアワクチンで接種し
た。マウスは、105または104のp97発現腫瘍細胞(M2SVp
97a.E)で静脈内攻撃した、2日後にマウスに尾部乱切
によりVp97a−NYまたはVwt−NYを接種した。毎週尾部乱
切により接種を繰返し、マウスの生存を記録した。結果
は第10図に示され、肺転移が存在するマウス中の組換え
体ワクシニアウイルス予防接種の治療効果を示す。 (7.5)組換え体p97ワクシニアウイルスはマカクサル中
で免疫原性である 2マカカ・ファシクラリス(Macaca fasicularis)
(マカク)サルをVp97a−NY組換え体ワクシニア2×108
プラーク形成単位(pfu)または同用量の親株ワクシニ
アで乱切した。2週後に血清をELISAによりワクシニア
およびp97に対する力価について試験した。表VIに示さ
れ結果はp97に対する体液性抗体がVp97−NYの1回接種
の2週後に検出可能であったことを示す。(8) 微生物の寄託 示したプラスミドを運ぶ次の大腸菌(E.coli)株はエ
ー・ティー・シー・シー(ATCC,Rock−ville,MD)に寄
託され、次の寄託番号を指定された: 大腸菌株 プラスミド 寄託番号 E.coli HB101 p97b 53,403 次の組換え体ワクシニアウイルスはエー・ティー・シ
ー・シー(ATCC,Rockville,MD)に寄託され、次の寄託
番号を指定された:ウイルス 寄託番号 Vp97a−NY VR2159 示したプラスミドを運ぶ次の細胞系がエー・ティー・
シー・シー(ATCC,Rockville,MD)に寄託され、次の寄
託番号を指定された: 寄託した態様は本発明の1観点の単なる例示として意
図されているので本発明は寄託した微生物および細胞に
より範囲を限定されるべきでなく、機能的に等しい微生
物または細胞はいずれも本発明の範囲内にある。事実、
ここに示され、記載されたものに加えて本発明の種々の
変形は、前記記載および図面から当業者に明らかになろ
う。そのような変形は特許請求の範囲内に属するもので
ある。 ヌクレオチドに対して示した塩基対の大きさはすべて
近似値であり、説明のために用いられていることもまた
理解すべきである。
【図面の簡単な説明】 第1図はSDS−PAGEにより分割したp97mRNAの細胞を含ま
ない翻訳生成物のオートラシオグラフであり、第1A図は
mRNA全翻訳生成物、第1B図は抗p97血清で免疫沈降したm
RNA翻訳生成物に関し、レーン1はp97濃縮mRNAの翻訳生
成物を、レーン2は非濃縮mRNAの翻訳生成物を表わし、 第2図はp97mRNAの構造の線図であり、 第2A図はλL47.1中でクローンしたゲノムクローンB15、
H17、B6.6およびE7.7の線図であり、 第3図はヒトp97前駆物質cDNAのヌクレオチド配列およ
びその演繹アミノ酸配列を表はす図であり、 第4図はp97前駆物質の予期アミノ酸配列およびヒトセ
ロトランスフェリンのそれの比較を示す図であり、 第5図はトランスフェリンの上科成員間に保持されたシ
ステイン残基の存在に基くp97の構造の二次元モデルの
線図である。 第6図はp97cDNAクローンおよびp97発現ベクターの構築
に用いるゲノムクローンλE7.7のフラグメント;並びに
pSV2p97a発現ベクターの遺伝子構造の線図であり、 第7図は組換え体p97タンパク質の確認および免疫精製
における電気泳動の結果を示す図であり、Aはクーマシ
ーブルー染色SDS−ポリアクリルアミドゲル、Bはオー
トラジオグラムである。 第8図はトランスフェクト細胞またはVp97a−NY感染細
胞中の発現p97の放射免疫沈降の結果を示す図であり、 第9図はp97ワクチンで免疫処置したマウス中の血清抗
体価を示すグラフであり、 第10図は組換え体p97ワクシニアウイルス(Vp97a−NY)
による腫瘍攻撃マウスの予防接種の治療効果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 1/21 9282−4B C12N 15/00 A 5/10 5/00 B C12P 21/02 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:92) (72)発明者 グレゴリー ディ プローマン アメリカ合衆国 ワシントン州 98101 シアトル ユニオン 313−1000 (72)発明者 ティモシー エム ローズ アメリカ合衆国 ワシントン州 98105 シアトル ノース イースト フィフ ティナインス 326 (72)発明者 カルル イー ヘルストロム アメリカ合衆国 ワシントン州 98105 シアトル ノース イースト サーバ ー ドライヴ 3925 (72)発明者 インゲガルド ヘルストロム アメリカ合衆国 ワシントン州 98105 シアトル ノース イースト サーバ ー ドライヴ 3925 (72)発明者 アンソニー エフ パーチオ アメリカ合衆国 ワシントン州 98112 シアトル イレブンス アベニュー イースト 2011 (72)発明者 シウ ロク フー アメリカ合衆国 ワシントン州 98052 レッドモンド ワンハンドレッドアン ドセブンティーフィフス ノース イー スト 14128 (72)発明者 スリドハル ペンナテュール アメリカ合衆国 ワシントン州 98199 シアトル トゥエンティファースト ウエスト 3400 (56)参考文献 Nature,296,(1982−3−11) p.171〜173 Proc.Natl.Acad.Sc i USA,78[6](1981−6), P.3824〜3828 三木敬三郎、杉本正信著、「分子構築 遺伝子工学入門」(昭60−10−20)講 談社 p.87〜94、74

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.以下の式1に示すアミノ酸残基番号21〜738のアミ
    ノ酸配列からなる純粋なp97タンパク質抗原、又は機能
    的等価物として作用する同様の極性を有する他のアミノ
    酸による配列内の一つ或いは数個のアミノ酸残基の置換
    により変更された式1のアミノ酸配列からなるタンパク
    質抗原。 式1 2.式1に示すヌクレオチド番号61〜2214のヌクレオチ
    ド配列を含む遺伝子工学的に作りだした培養細胞から精
    製され、該タンパク質抗原が該遺伝子工学的に作りだし
    た培養細胞により発現されるように遺伝子発現を調節す
    る第2ヌクレオチド配列の制御下にある、特許請求の範
    囲第(1)項に記載のタンパク質抗原。 3.遺伝子工学的に作り出した培養細胞が微生物であ
    る、特許請求の範囲第(2)項に記載のタンパク質抗
    原。 4.微生物が細菌である、特許請求の範囲第(3)項に
    記載のタンパク質抗原。 5.遺伝子工学的に作り出した培養細胞が動物細胞であ
    る、特許請求の範囲第(2)項に記載のタンパク質抗
    原。 6.化学的に合成されたものである、特許請求の範囲第
    (1)項に記載のタンパク質抗原。 7.以下の式1に示すアミノ酸残基番号21〜738のアミ
    ノ酸配列からなる純粋なp97タンパク質抗原、又は機能
    的等価物として作用する同様の極性を有する他のアミノ
    酸による配列内の一つ或いは数個のアミノ酸残基の置換
    により変更された式1のアミノ酸配列からなるタンパ質
    抗原の免疫原性を有する量と、製剤担体とを含むサブユ
    ニットワクチン配合物。 式1 8.式1に示すヌクレオチド番号61〜2214のヌクレオチ
    ド配列を含む遺伝子工学的に作りだした培養細胞から精
    製され、該タンパク質抗原が該遺伝子工学的に作りだし
    た培養細胞により発現されるように遺伝子発現を調節す
    る第2ヌクレオチド配列の制御下にある、タンパク質抗
    原の免疫原性を有する量と、製剤担体とを含む、特許請
    求の範囲第(7)項に記載のサブユニットワクチン配合
    物。 9.遺伝子工学的に作り出した培養細胞が微生物であ
    る、特許請求の範囲第(8)項に記載のサブユニットワ
    クチン配合物。 10.微生物が細菌である、特許請求の範囲第(9)項
    に記載のサブユニットワクチン配合物。 11.遺伝子工学的に作り出した培養細胞が動物細胞で
    ある、特許請求の範囲第(8)項に記載のサブユニット
    ワクチン配合物。 12.化学的に合成されたものである、特許請求の範囲
    第(7)項に記載のサブユニットワクチン配合物。
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