JP2774298B2 - ヒト腺がん抗原の発現ためのdna化合物、該化合物を含有するベクター、およびそれを発現させる方法 - Google Patents

ヒト腺がん抗原の発現ためのdna化合物、該化合物を含有するベクター、およびそれを発現させる方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、モノクローナル抗体KS1/4に認識されるUCL
A−P3細胞の〜40,000ダルトン細胞表面糖タンパク質抗
原をコードする新規なDNA化合物および組換えDNAクロー
ニングベクターに関するものである。本発明のベクター
によれば、真核性または原核性の宿主細胞内で新規なDN
A化合物を発現させることができる。本発明はまた、こ
れらの新規なクローニングベクターで形質転換された宿
主細胞に関するものである。形質転換された宿主細胞
は、KS1/4抗原、またはその前駆体、誘導体、またはそ
の小断片(サブフラグメント)を発現する。本発明のDN
A化合物の多くが天然並びに実験室のいずれにおいても
これまで産生されたことのないKS1/4抗原誘導体の製造
に有用であり、これらのユニークなタンパク質も本発明
に包含される。
[従来技術と発明が解決すべき課題] がん死の主要な原因である肺がんは組織学的に、未分
化の大細胞(15%)、小細胞(20%)、類表皮または鱗
状(30%)、および腺がん(35%)の4つの主要な型に
分類される。最も有用な治療形式は、放射線照射および
外科治療であるが、全切除の可能な腫瘍と診断される患
者は全肺がん患者30%以下に過ぎない。不幸にも、5年
以上生存する患者は腫瘍を完全に除去したと思われる患
者の内、1/3以下である。したがって、該疾患の早期診
断方法と、より効果的な治療法の開発が重要である。
近年、肺がん患者の免疫応答を操作するために免疫学
的技術が用いられている。これらの技術により診断、予
防および治療において従来法に代わる方法が得られた。
肺がん細胞の表面抗原に対し惹起された特異抗体、すな
わち、そのような細胞表面構造に対する抗体はより特異
的に標的を認識することができるので、免疫学的診断及
び治療に有用である。そのような抗原に対して惹起され
たモノクローナル抗体(MoAbs)による特定患者部の治
療法の臨床面での評価が世界的に集中して行われてい
る。タンパク質操作、および特異的モノクローナル抗体
の生産の促進にとっては標的抗原の詳細なアミノ酸構造
の解明が有益である。即ち、KS1/4反応性抗原をクロー
ニングすれば、新規な抗体の設計に必要な基礎的な情報
が得られる。
KS1/4抗原(KSA)は、今日までに検査された、事実上
あらゆるヒト腺がん(肺がん、前立腺がん、乳がん、お
よび結腸がん)、並びにある種の対応するヒト上皮組織
中に高いエピトープ濃度で見いだされる約40,000ダルト
ンの細胞表面糖タンパク質抗原である。この抗原は、UC
LA−P3細胞内で発現され、バルキら(Varki,1984,Cance
r Research,44:681−687)が示したように、モノクロー
ナル抗体KS1/4によって特異的に認識される。KSAは、31
4アミノ酸残基の34,922ダルトンのプレプロタンパク質
として合成される。このプレプロタンパク質は、次い
で、プロセッシングされて233アミノ酸残基の、26,340
ダルトンの細胞表面タンパク質となる。この数字と〜4
0,000ダルトンという実測値との差は、発生期のタンパ
ク質が翻訳後の修飾(グリコシル化)を受けたことによ
ると考えられる。細胞表面KSAの成熟化には約21アミノ
酸残基のシグナルペプチド鎖(プレプロKSAの残基1−2
1)の開裂、次いでプロプペプチドの約60アミノ酸残基
(プレプロKSAの残基22−81)の除去が含まれる。
KSAは、システイン豊富領域、N−グリコシル化部
位、疎水性の膜透過領域、並びに高電荷の細胞質内アン
カレッジ(アンカー)領域からなる、膜タンパク質に共
通の構造特性を有する。細胞質アンカレッジ領域は発生
期タンパク質のカルボキシ末端(プレプロKSAの残基289
−314)に見いだされる約26アミノ酸残基を含み、膜透
過領域は、細胞質アンカレッジ領域のすぐ上流の約23ア
ミノ酸残基(プレプロKSAの残基266−288)を含むと思
われる。残余のアミノ酸残基は細胞外のKSAそのものを
構成し、その部分は、ある種の細胞内で発現された場
合、グリコシル化され、モノクローナル抗体KS1/4によ
って認識されるコンホメーションに折り畳まれる。原核
生物は、通常、組換え遺伝子から発現されたタンパク質
をグリコシル化せず、あるいは適切に折り畳まないの
で、通常のKSAのような翻訳後修飾を受けていないKSA誘
導体を初めて合成したという点で本発明は有意義であ
る。これらの独特なタンパク質は以下に十分に議論を尽
くすように、研究および臨床上、極めて大きい価値を有
する。
[課題を解決するための手段] 本発明の目的に応じ、本明細書中に用いられる語句を
以下に定義する。
Ag:抗原。
APR:アンピシリン耐性表現型またはそれを付与する遺
伝子。
dhfr:ジヒドロ葉酸還元酵素またはそれを付与する遺
伝子。
Enh:BKウイルスから得られるエンハンサー配列。
G418R:G418耐性表現型またはそれを付与する遺伝子。
KmRともいう。
HmR:ハイグロマイシン耐性表現型またはそれを付与す
る遺伝子。
IVS:イントロンをコードしているDNA、介在配列とも
いう。
KSA:クローニングされた、UCLA−P3細胞の〜40,000ダ
ルトンの細胞表面糖タンパク質抗原であって、モノクロ
ーナル抗体KS1/4によって認識される抗原、またはKS1/4
によって認識されるか否かに拘わらず、その抗原性断片
を指す。
LP:アデノウイルスの後期プロモーターのプロモータ
ー活性を有するDNAセグメント。
MoAB:モノクローナル抗体。
発生期タンパク質:mRNA転写物が翻訳されて生産され
るタンパク質であって、いかなる翻訳後修飾をも受けて
いないもの。
pA:ポリアデニル化シグナルをコードしているDNA配
列。
pL:バクテリオファージλの左側プロモーターのプロ
モーター活性を含有するDNAセグメント。
プレプロ−KSA:アミノ末端にプレプロペプチドが付加
されているKSA。
プロ−KSA:アミノ末端にプロペプチドが付加されてい
るKSA。
プロモーター:DNAのRNAへの転写を指令するDNA配列。
組換えDNAクローニングベクター:1またはそれ以上の
余分のDNAセグメントを付加することができる、または
既に付加されているDNA分子からなる自律的に複製可能
な物質であって、プラスミドおよびファージを含むが、
それらに限定されない。
組換えDNA発現ベクター:プロモーターが導入されて
いる組換えDNAクローニングベクター。
レプリコン:プラスミドまたは他のベクターの自律的
な複製を制御する、または複製させるDNA配列。
制限断片:1またはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼ
酵素の作用によって生成される線状DNA配列。
感受性宿主細胞:特定のDNAセグメントまたは毒性化
合物に対する耐性を付与するDNAセグメントの存在なし
には、これらの存在下で増殖し得ない宿主細胞。
構造遺伝子:機能的ポリペプチドをコードしているDN
A配列であって、翻訳開始シグナルおよび終止シグナル
を含む。
TcR:テトラサイクリン耐性表現型またはそれを付与す
る遺伝子。
形質転換:受容細胞の遺伝型を変化させるDNAを受容
細胞に導入すること。
形質転換体:形質転換された受容宿主細胞。
翻訳活性化配列:mRNA転写物をペプチドまたはポリペ
プチドに翻訳するDNA配列であって、リボソーム結合部
位をコードする配列および例えば、5′−ATC−3′の
ような翻訳開始コドンを含む。
以下に図面について説明する。
第1図:プラスミドpKC283(1〜9.1kb)の制限部位
および機能地図。本発明の目的において、該地図は正確
な縮尺に基いて描かれていない。
第2図:プラスミドpKC283PX(〜6.1kb)の制限部位
および機能地図。
第3図:プラスミドpKC283−L(〜5.9kb)の制限部
位および機能地図。
第4図:プラスミドpKC283−LB(〜5.9kb)の制限部
位および機能地図。
第5図:プラスミドpKC283PRS(〜4.0kb)の制限部位
および機能地図。
第6図:プラスミドpL32(〜3.9kb)の制限部位およ
び機能地図。
第7図:プラスミドpNM789の制限部位および機能地
図。
第8図:プラスミド120の構築模式図、並びにその制
限部位および機能地図。
第9図:プラスミドpL47(〜4.5kb)の制限部位およ
び機能地図。
第10図:プラスミドpPR12(〜5.1kb)の制限部位およ
び機能地図。
第11図:pPR12AR1(〜5.1kb)の制限部位および機能地
図。
第12図:プラスミドpL110(〜6.6kb)の制限部位およ
び機能地図。
第13図:プラスミドpL110Cの構築模式図、およびその
制限部位および機能地図。
第14図:プラスミドpAG932(〜3.8kb)の制限部位お
よび機能地図。
第15図:プラスミドpAG1338(〜6.3kb)の制限部位お
よび機能地図。
第16図:プラスミドpGEMTM(2870bp)の制限部位およ
び機能地図。
第17図:プラスミドpGAG1317(4163bp)の制限部位お
よび機能地図。
第18図:プラスミドpLKSA−B(〜6kb)の制限部位お
よび機能地図。
第19図:プラスミドpLKSA(〜6.2kb)の制限部位およ
び機能地図。
第20図:プラスミドpLPChd(〜10.23kb)の制限部位
および機能地図。
第21図:プラスミドpALPKSAの制限部位および機能地
図。
本発明は式: (式中、ALAはアラニン残基、ARGはアルギニン残基、AS
Nはアスパラギン残基、ASPはアスパラギン酸残基、CYS
はシステイン残基、GLNはグルタミン残基、GLUはグルタ
ミン酸残基、GLYグリシン残基、HISはヒスチジン残基、
ILEはイソロイシン残基、LEUはロイシン残基、LYSはリ
シン残基、METはメチオニン残基、PHEはフェニルアラニ
ン残基、PROはプロリン残基、SERはセリン残基、THRは
スレオニン残基、TRPはトリプトファン残基、TYRはチロ
シン残基、VALはバリン残基を表す) で示されるアミノ酸残基配列を有するタンパク質をコー
ドしているDNAを含有する組換えDNA化合物に関するもの
である。
本発明の化合物は組換えKSA、および従来知られてい
なかった発生期のKSAのアミノ酸配列およびヌクレオチ
ド配列に係るものである。KSAのヌクレオチド配列は、
式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表す) で示される。
また、本発明は、式: (式中、各記号は上記の定義に従う) で示されるアミノ酸残基配列を有するタンパク質をコー
ドしているDNAを含有する組換えDNA化合物を包含するも
のである。
この化合物はアミノ末端にプロペプチドが付加した組
換えKSA、およびこれまで知られていない発生期のプロK
SAのアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を表すもので
ある。プロKSAのヌクレオチド配列の内、暗号鎖のみを
便宜上示すと、下記の式: (式中、各記号は上記の定義に従う) で示される。
また、本発明は、式: (式中、各記号は上記の定義に従う) で示されるアミノ酸残基配列を有するタンパク質をコー
ドしているDNAを含有する組換えDNA化合物を含有するも
のである。
この化合物はアミノ末端にプレプロペプチドが付加し
た組換えKSA、およびこれまで知られていない発生期の
プレプロKSAのアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を
表すものである。プレプロKSAのヌクレオチド配列の
内、暗号酸のみを便宜上示すと、下記の式: (式中、各記号は上記の定義に従う) で示される。
本発明のDNA化合物は、UCLA−P3細胞由来のmRNAから
調製されるcDNAから導かれる。これらのcDNAクローンの
内2つを処理し、発生期のプレプロ−KSAおよび暗号領
域の5′および3′末端の末翻訳mRNAをコードしている
DNA部分の両者を含有するDNA分子を構築した。これら2
つのcDNAを含有するプラスミドpAG932およびpAG1338と
命名した。プラスミドpAG932を制限酵素EcoR IおよびSs
t IIで消化し、生じた〜205塩基対断片を単離した。プ
ラスミドpAG1338を制限酵素Sst IIおよびBgl IIで消化
し、生じた〜1100塩基対断片を単離した。これらの2断
片を、次いで、予め制限酵素EcoR IおよびBamH Iで消化
しておいたプラスミドpGEMTM−4にライゲート(結合)
させた。このライゲーションによってプラスミドpGAG13
17が得られた。プラスミドpGAG1317の詳細な構築方法は
実施例11に記載されている。プラスミドpGAG1317の制限
部位および機能地図を第17図に示す。
プラスミドpAG932はノーザン・リージョナル・リサー
チ・ラボラトリー(Northern Regional Research Labor
atory)(NRRL)(Peoria,Illinois)に1987年10月20日
に寄託され、そのパーマネント・ストック・カルチャー
・コレクションの1部となっている菌株、大腸菌(E.co
li)K12 DH5/pAG932から単離すると好都合である。大腸
菌K12 DH5/pAG932の培養物は、NRRLから、受託番号NRRL
B−18266の下で得ることができる。プラスミドpAG932
の制限部位および機能地図を第14図に示す。同様に、プ
ラスミドpAG1338は、NRRLに1987年10月20日に寄託さ
れ、そのパーマネント・ストック・カルチャー・コレク
ションの1部となっている菌株、大腸菌K12 DH5/pAG133
8から単離すると好都合である。大腸菌K12 DH5/pAG1338
の培養物は、NRRLから、受託番号NRRL B−18265の下で
得ることができる。プラスミドpAG1338の制限部位およ
び機能地図を第15図に示す。プラスミドpGEMTM−4は何
人も入手可能であって、プロメガ・バイオテク(Promeg
a Biotech.,2800 South Fish Hatchery Road,Madison,W
I 53711)から購入することができる。プラスミドpGEM
TM−4の制限部位および機能地図を第16図に示す。
プラスミドpGAG1317はプレプロKSAの暗号配列、並び
にプレプロKSAの5′および3′非翻訳領域を含有する
付加的な配列の両者を含有している。これらの付加的な
配列は発生期のプレプロ−KSAの暗号鎖の5′末端およ
び3′末端に存在する式: および式: (式中、各記号は上記の定義に従う) で示される配列である。DNAの塩基対形成における相補
性に基づき、2本鎖DNA分子の一方の鎖の配列を決定す
ればもう一方の鎖の配列を決定するのに十分である。
KSAをコードしているDNAを含有する様々な組換えDNA
発現ベクターを構築した。本発明のベクターは2つのタ
イプからなる:すなわち、真核性生物、とりわけ哺乳類
宿主細胞を形質転換するために構築されたものと、大腸
菌を形質転換するために構築されたものである。本明細
書に例示する真核性または哺乳類ベクターを大腸菌に導
入することはできるが、これらのプラスミド中に存在す
る、KSAをコードするDNAの転写のための真核性プロモー
ターは大腸菌内では無効である。
発生期のKSAをコードする本発明のDNA化合物は、KSA
を哺乳類および他の真核性細胞内で発現させるのに特に
好適である。多くの哺乳類宿主細胞は、KSAのアミノ末
端に存在するシグナル(プレ)ペプチドを認識し、適切
にプロセッシングするのに必要な細胞内機構を有する。
また、幾つかの宿主細胞は腺がん細胞の細胞表面に存在
するKSAに見られるような、翻訳後の修飾、例えばグリ
コシル化を行うことができる。真核性宿主細胞な形質転
換のための、広範囲におよぶ様々なベクター類があり、
以下に例示する特定のベクター類はいかなる意味から
も、本発明の範囲を制限するものではない。
本発明のBKエンハンサー型ベクターは、BKエンハンサ
ー−アデノウイルス後期プロモーターカッセトと、ハイ
グロマイシン耐性付与遺伝子およびネズミのジヒドロ葉
酸還元酵素(dhfr)遺伝子を含有している。BKウイルス
エンハンサーとアデノウイルス後期プロモーターとを一
緒に用いると、真核性宿主細胞内での組換え遺伝子な転
写が著しく増大する。ハイグロマイシン耐性付与遺伝子
は、真核性宿主細胞内で有用な選択マーカーとして含有
されている。ネズミのジヒドロ葉酸還元酵素は適切な条
件下、宿主染色体内で増幅される。この増幅は、該dhfr
遺伝子と極めて近接したDNA配列をも巻き込み得ること
がシムケの総論に記載されている(Schimke,1984,Cell3
7:705−713)。dhfr遺伝子は、dhfr陰性細胞内では選択
マーカーであり、宿主細胞を漸増量のメトトレキセート
に暴露することによってDNAセグメントのコピー数を増
大するのに用いることができる。
プラスミドpLPChdは、本発明の新規なKSA構造遺伝子
を発現する真核性発現ベクターの構築に使用することが
できる。プラスミドpLPChdはdhfr遺伝子、2型アデノウ
イルス(Ad2)プロモーターおよびBKウイルスエンハン
サーを含有している。BKウイルスエンハンサーを含有す
るBKウイルスは購入するか、実施例13記載のごとくにし
て容易に、大量に単離することができる。BKウイルスは
また、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection、ATCC)から受託
番号ATCC VR−837の下で入手することもできる。
BKウイルスのゲノムをプラスミドpdBPV−MMTneoの一
部と結合させてプラスミドpBKneo1およびpBKneo2を構築
する。プラスミドpdBPV−MMTneoはATCCから受託番号ATC
C37224の下で入手することができ、約15kbの大きさであ
って、プラスミドpBR322由来のレプリコンおよびβ−ラ
クタマーゼ遺伝子、ネオマイシン耐性付与酵素をコード
する構造遺伝子を発現させる位置にあるマウスのメタロ
チオナインプロモーター、並びに約8kbのウシ乳頭腫ウ
イルス(BPV)DNAを含有している。プラスミドpdBPV−M
MTneoを制限酵素BamH Iで消化すると、2つの断片:BPV
DNAを含有する〜8kb断片と上記の他の配列を含有する〜
7kb断片が生成される。BKウイルスは唯一のBamH I制限
部位を有するので、プラスミドpdBPV−MMTneoの〜7kb B
amH I制限断片を、BamH Iで線状化したBKウイルスDNAに
ライゲートさせることにより、プラスミドpBKneo1及びp
BKneo2が構築された。BKウイルスDNAの方向性によって
のみ異なるプラスミドpBKneo1およびpBKneo2の構築は実
施例14に記載されている。pBKneo1は〜2.1kbのSal I−H
ind III制限断片を含有しており、プラスミドpBKneo2は
〜1.0kb制限断片を含有している。
プラスミドpBKneo1およびpBKneo2は、いずれもエンハ
ンサー配列をも含めて、BKウイルスの全ゲノムを含有し
ているので、本発明の発現ベクターの構築に有用な出発
物質である。発現ベクター、プラスミドpBLcatは、クロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ酵素(CA
T)を発現させる位置にある2型ヒトアデノウイルス後
期プロモーターと直列(タンデム)にBKエンハンサー配
列を含有している。プラスミドpSV2catはCAT遺伝子の便
利な供給源であり、受託番号ATCC 37155の下、ATCCから
入手可能である。2型ヒトアデノウイルスDNAは購入可
能であり、また、ATCCから受託番号ATCC VR−2の下、
入手可能である。
例示のプラスミドpBLcatは、2型ヒトアデノウイルス
DNAの0.32kbの後期プロモーター含有Acc IPvu II制限
断片を、該Acc I−Pvu II制限断片のPvu II末端とのみ
結合する平滑末端化Bcl Iリンカーとライゲートさせる
ことにより構築された。次いで、得られた断片をプラス
ミドpSV2catの〜4.1kb Acc I−Stu I制限断片とライゲ
ートさせると中間体プラスミドpLPcatが得られる。所望
のプラスミドpBLcatは、プラスミドpLPcatの〜4.81kb A
cc I−Stu I制限断片にBKウイルスDNAの、複製起源お
よびエンハンサーを含む〜1.28kbAcc I−Pvu II制限断
片をライゲートすることにより、構築された。プラスミ
ドpBLcatの構築は実施例15に詳しく記載されている。
次いでプラスミドpL133をプラスミドpHC7、pSV2gpt、
およびpSV2−β−グロビンから構築した。プラスミドpH
C7はヒトプロテインCをコードするDNA配列を含有して
いる。プラスミドpHC7は、NRRLから受託番号NRRL B−15
926(寄託日、1985年1月29日)の下、入手可能な大腸
菌K12 RR1/pHC7から単離することができる。プラスミド
pHC7を制限酵素Ban Iで消化し、〜1.25kbのの制限断片
を単離した。リンカーを付加した後、断片の制限断片Ap
a IおよびHind IIIで切断し、所望の〜1.23kb制限断片
を単離した。次いでプラスミドpHC7を制限酵素Pst Iで
切断し、〜0.88kb制限断片を単離し、リンカーを付加し
た後、断片を制限酵素Apa IおよびBgl IIで再切断して
〜0.19kb Apa I−Bgl II制限断片を単離した。プラスミ
ドpSV2gpt(ATCC 37145)を制限酵素Hind IIIおよびBgl
IIで消化し、〜5.1kb断片を単離した。次いで、〜1.23
kb Hind III−Apa I制限断片、〜0.19kb Apa I−Bal II
断片および〜5.1kb Hind III−Bgl II断片をライゲート
させて中間体プラスミドpSV2−HPC8を構築した。プラス
ミドpSV2−HPC8の詳しい構築は実施例16に記載されてい
る。
次いで、プラスミドpSV2−HPC8を制限酵素Hind IIIお
よびSal Iで切断し、〜0.29kb制限断片を単離した。同
様に、プラスミドpSV2−HPC8を制限酵素Bal IIおよびSa
l Iで切断し、〜1.15kb制限断片を単離した。プラスミ
ドpSV2−β−グロビン(NRRL B−15928、1985年1月29
日寄託)を制限酵素Bal IIおよびHind IIIで切断し、〜
4.2kb制限断片を単離した。これらの3断片をライゲー
トしてプラスミドpL133を構築した。プラスミドpL133の
詳しい構築は実施例16に記載されている。
プラスミドpL133を制限酵素Hind IIIで消化し、アル
カリホスファターゼで処理した。プラスミドpBLcatを同
様に制限酵素Hind IIIで切断し、〜0.87kb制限断片を単
離した。この断片を、Hind III切断、ホスファターゼ処
理プラスミドpL133ベクターにライゲートすることによ
り、プラスミドpLPCを構築した。プラスミドpBLcatのHi
nd III断片はプラスミドpL133に2方向性で挿入され得
るので、pLPCは〜1.0kb Nde I−Stu I断片を適切な方
向性で含有するものであることに留意すべきである。プ
ラスミドpLPCは、プラスミドpL133と同様、SV40のエン
ハンサー、早期および後期プロモーター、T抗原−結合
部位、および複製起源を含有している。プラスミドpLPC
の詳しい構築は実施例17に記載されている。
プラスミドpLPC上のSV40要素は緊密な位置にあり、そ
の輪郭を描くことは困難である。SV40の複製に必要なT
抗原のT−抗原結合部位への結合はV40後期プロモータ
ーからの転写を促進することが分かっているが、驚くべ
きことに、BK後期プロモーターについても同様の効果が
ある。通常、SV40の複製起源を含有するプラスミドのT
抗原誘導による高レベルの複製は宿主細胞にとって致死
的であるために、プラスミドpLPCおよびプラスミドpL13
3のいずれも、SV40T抗原の存在下ではエピソーム性(染
色体外)要素として安定に維持されず、これらの2つの
プラスミドが安定に維持されるためには宿主細胞の染色
体DNAに組み込まれる必要がある。
BKエンハンサー、複製起源、早期および後期プロモー
ターおよびBKのT抗原結合部位類似体はすべて緊密に位
置していることから、BKウイルスDNA上の輪郭を描くこ
とが困難であり、従って、BKエンハンサー領域の全体構
造はSV40のそれと極めて類似している。しかしながら、
BK T抗原の存在下で増殖させると、BK複製起源およびT
抗原結合部位を含有するプラスミドは、致死的な程度に
は複製されず、染色体外成分として宿主細胞内で安定に
維持される。さらに、T抗原誘導性の複製を利用し、BK
複製起源を含有するベクターのコピー数を増大させ、選
択圧を与えてより多くのプラスミドのコピーを宿主細胞
の染色体DNAに組み込ませるようにすることができる。
明らかにBKのT抗原とSV40のT抗原とは構造−機能相関
関係およびそれらの結合部位において同様であることか
ら、SV40 T抗原はBK複製をも刺激する。
組換えDNA発現ベクターのエピソーム性の維持が、常
に宿主細胞の染色体への組み込みよりも有利であるとは
限らない。しかしながら、真核性宿主細胞内で機能的な
選択マーカーがないことから、プラスミドpLPCを、選択
マーカーを含有する他のプラスミドと一緒に同時導入
(形質転換)しない限り、プラスミドpLPCによる安定な
真核性形質転換体を同定することはできない。そこで、
プラスミドpLPCを改良し、真核性宿主細胞内で選択可能
な誘導体プラスミドを製造した。
これは、プラスミドpLPCを、ハイグロマイシン耐性付
与遺伝子を含有するプラスミドpSV2hygの一部とライゲ
ートさせることによって行われた。プラスミドpSV2hyg
は、NRRLから、受託番号NRRL B−18039(寄託日、1986
年2月11日)の下、入手可能である。プラスミドpSV2hy
gを制限酵素BamH Iで消化し、全ハイグロマイシン耐性
付与遺伝子を含有する〜2.5kbBamH I制限断片を単離
し、クレノウ酵素(大腸菌DNAポリメラーゼIをサブス
チリン開裂に付して得られる大きい断片)で処理した
後、クレノウ処理した、プラスミドpLPCの〜5.82kb Nbe
I−Stu I制限断片とライゲートさせてプラスミドpLPCh
yg1およびpLPChyg2を得た。プラスミドpLPChyg1およびp
LPChyg2はハイグロマイシン耐性付与遺伝子の方向性の
みが異なる。プラスミドpLPChyg1は〜5.0kbHind III断
片を含有しているが、プラスミドpLPChyg2は〜1.0断片
を含有している。プラスミドpLPChyg1におよびpLPChyg2
の詳しい構築は実施例18に記載されている。
ネズミジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子を含有す
るプラスミドpBW32の構築を以下に示す。プラスミドpTP
A102(NRRL B−15834、1984年8月10日寄託)を制限酵
Tthlll Iで切断し、〜4.4kb制限断片を単離した。こ
の断片をクレノウ処理し、リンカーを付与した後、断片
を制限酵素Hind IIIおよびBamH Iで切断し、〜2.0kb制
限断片を得た。次いで、pTPA102の〜288bp Cla I−EcoR
I制限断片をCla I−EcoR I切断ベクターpKC7にライゲ
ートすることにより、プラスミドpRCを構築した。プラ
スミドpKC7はATCCから、受託番号ATCC37084の下で入手
可能である。プラスミドpRCを制限酵素BamH IおよびHin
d IIIで消化し、上で形成したプラスミドpTPA102の〜2.
0kb制限断片にライゲートすることによりプラスミドpTP
A103を得た。プラスミドpTPA103の構築は実施例19Aに記
載されている。
プラスミドpTPA103を制限酵素Bgl IIで切断し、クレ
ノウ処理し、Nde Iリンカーを付加した。この混合物を
ライゲートさせ、プラスミドpTPA103der Nde Iを形成し
た。プラスミドpTPA103der Nde Iを制限酵素Ava IIで消
化し、〜1.4kb断片を単離した。次いで、この断片をク
レノウ処理し、Hpa Iリンカーを付加した後、制限酵素E
coR Iで切断した。trpPOとTPAのアミノ末端を含有する
〜770bp断片をEcoR I−Sma I消化ベクターpUC19とライ
ゲートさせ、pUC19TPAFEを構築した。プラスミドpUC19T
PAFEを制限酵素Hpa Iで部分消化した後、制限酵素BamH
Iで全消化した。次いで、得られた〜3.42kb Hpa I−Bam
H I制限断片をプラスミドpTPA103由来の〜1.015kb Sca
I−BamH I断片とライゲートさせ、プラスミドpBW25を構
築した。プラスミドpBW25の構築は実施例19Bに記載され
ている。
プラスミドpBW25を制限酵素Hind IIIおよびEcoR Iで
切断し、得られた〜810bp断片をHind III−EcoR I切断
ファージM13mp8(new England Biolabs)にライゲート
してファージpM8BW26を構築した。次いで、ファージpM8
BW26を用いてインビトロの突然変異誘発反応(アミノ酸
残基をコードするDNAの欠失)を行い、ファージpM8BW27
を構築した。ファージpM8BW27を制限酵素EcoR IおよびN
de Iで切断し、〜560bp制限断片を単離した。〜48bpの
合成はNde I−XbA Iリンカーを合成した。プラスミドpT
PA103を制限酵素EcoR IおよびBamH Iで切断し、〜689bp
断片を単離した。プラスミドpL110(実施例9で構築)
を制限酵素BamH Iで部分消化し、次いで、Xba Iで完全
に切断して〜6.0kb断片を単離した。この〜6.0kbベクタ
ー断片、プラスミドpTPA103の〜689bp断片、ファージpM
8BK27の〜560bp断片、および〜48bpリンカーを全部一緒
にライゲートさせ、プラスミドpBW28を得た。このプラ
スミドpBW28の構築プロトコールは実施例19Cに記載され
ている。
次いで、プラスミドpTPA103〜2.0kbHind III−BglH I
I断片をプラスミドpSV2−β−グロビンの〜4.2kb Hind
III−Bgl II断片とライゲートさせてプラスミドpTPA301
を構築した。プラスミドpSV2−dhfr(ATCC 37146)を制
限酵素Pvu IIで消化した。BamH Iリンカーを付加した
後、〜1.9kbのdhfr遺伝子断片を、BamH I切断し、ホス
ファターゼ処理したプラスミドpTPA301にライゲートさ
せることによりプラスミドpTPA303を得た。プラスミドp
TPA301を制限酵素EcoR IおよびBgl IIで切断し、〜2.7k
b断片を得た。プラスミドpTPA303をせ原酵素Hind IIIお
よびEcoR Iで切断し、dhfr遺伝子を含有する〜2340bp断
片を得た。プラスミドpTPA303を制限酵素Hind IIIおよ
Sst Iで切断し、〜1.7kb断片を得た。プラスミドpBW2
8を制限酵素Xho IIおよびSst Iで切断し、〜680bp断片
を得た、プラスミドpTPA301の〜2.7kb EcoR I−Bgl II
断片、プラスミドpTPA303の〜2340bp Hind III−EcoR I
断片、プラスミドpTPA303の〜1.7kb Hind III−Sst I断
片およびプラスミドpBW28の〜680bp Xho II−Sst I断片
を全部一緒にライゲートし、プラスミドpBW32を構築し
た。プラスミドpBW32の構築プロトコールは実施例19Dに
記載されている。
プラスミドpBW38のdhfr遺伝子含有〜1.9kbBamH I制限
断片を単離し、クレノウ酵素で処理し、EcoR I部分消化
したプラスミドpLPChyg1に挿入し、プラスミドpLPChd1
およびpLPChd2を構築した。プラスミドpLPChyg1は2個
EcoR I制限酵素認識部位を有し、その1つはハイグロ
マイシン耐性付与遺伝子中に、もう1個はプラスミドpB
R322から導かれた配列中に存在する。dhfr遺伝子を含有
する断片をプラスミドpLPChyg1のpBR322誘導EcoR I部位
に挿入し、プラスミドpLPChd1及びpLPChd2を得た。本発
明の目的から、プラスミドpLPChd1をプラスミドpLPChd
と呼称する。プラスミドpLPChdの制限部位および機能地
図を第20図に示す。dhfr遺伝子含有DNAセグメントの方
向性のみが異なるプラスミドpLPChd1およびpLPChd2の構
築を実施例20に示した。
プラスミドpALPKSAはプラスミドpGAG1317およびプラ
スミドpLPChdから誘導された本発明のベクターである。
プラスミドpGAG1317の〜1200塩基対のBssH II−Hinc II
断片をクレノウ処理して5′突出末端を充填した。この
断片は全KSA暗号領域を表す。次いで、この断片をBcl I
消化し、精製したベクターpLPChdとライゲートさせた。
これにより、プラスミドpLPChdのプロテインC構造遺伝
子がプラスミドpGAG1317のKSA構造遺伝子で置き換えら
れ、好ましい発現ベクターであるpALPKSAが構築され
た。プラスミドpALPKSAの詳細な構築方法を実施例21に
記載した。プラスミドpALPKSAの制限部位および機能地
図を第21図に示す。
本発明は、本明細書で例示した特定の真核性プロモー
ターの使用に限定されるものではない。SV40後期プロモ
ーターまたは真核性遺伝子由来のプロモーター、例えば
エストロゲンで誘導可能なニワトリオバルミン遺伝子、
インターフェロン遺伝子、グルココルチコイドで誘導可
能なチロシンアミノトランスフェラーゼ遺伝子、チミジ
ンンキナーゼ遺伝子、主要な早期アデノウイルス遺伝子
由来のプロモーター、およびSV40早期プロモーターを単
離し、真核性宿主細胞にKSAを産生させるために設計さ
れた組換えDNA発現ベクターに用いるように修飾するこ
とも容易である。真核性プロモーターを、KSAを発現さ
せるためにタンデム(直列)に用いることができる。さ
らに、広範な真核性宿主細胞に影響を及ぼす多数のレト
ロウイルスが知られている。レトロウイルスDNAのロン
グターミナルリピートはしばしばプロモーター活性をコ
ードしており、KSAを発現させるために、上記のBKエン
ハンサー−アデノウイルス後期プロモーターの代わりに
用いることができる。
ベクターpALPKSAは、様々な真核性宿主細胞、特に哺
乳類宿主細胞に導入し、発現させることができる。通
常、大腸菌内でのプラスミドDNAの調製は他の宿主細胞
内のそれよりも有効なので、プラスミドpALPKSAは大腸
菌内での複製を可能にする配列をも含有している。発生
期のKSA構造遺伝子を伴った特定のプロモーターが機能
する宿主細胞内でKSAが発現される。当業者ならば、そ
の宿主細胞が大DNAウイルスの前初期(immediate earl
y)遺伝子産物を発現する限り、種々の真核性宿主細胞
を用いてBKエンハンサー−アデノウイルス後期プロモー
ターを用い、KSAを発現させることができるということ
を理解し得るであろう。前初期遺伝子産物は、例えばプ
ラスミドまたは他のベクターによる形質転換のごとく様
々な方法で宿主細胞内に導入され得るので、実質上、あ
らゆる真核性細胞を本発明方法に用いることができる。
ヒト細胞は天然状態でのBKウイルスの宿主であり、BKエ
ンハンサーの刺激活性を持つ細胞因子を含有していると
思われるので、ヒト細胞は本発明方法における好ましい
宿主細胞である。ヒト腎細胞はとりわけ好ましい宿主細
胞であるが、E1A遺伝子産物を発現するアデノウイルス
5で形質転換された胚セルライン293は最も好ましく、A
TCC(Rockville,Maryland)から、受託番号ATCC CRL 15
753の下で入手可能である。
本発明のDNA化合物は、例えば、大腸菌、バチルス(B
acillus)およびストレプトマイセス(Streptomyces)
等の原核性宿主細胞内でも発現される。通常、原核性宿
主細胞は、組換えDNA遺伝子から形成される哺乳類タン
パク質のグリコシル化を行わず、また、しばしば適切に
ホールディング(折り畳み)しないので、本発明のKSA
コード化DNAの原核性宿主細胞内で発現させると、様々
な新規KSA誘導体が得られる。原核性宿主細胞によって
発現される新規なKSA誘導体はモノクローナル抗体KS1/4
と種々のレベルの反応性を示すので、特異的な抗体/抗
原相互作用に必要なホールディングおよび翻訳後修飾を
決定するのに用いることができる。また、新規なKSA誘
導体は、これまで知られていない、KSAの特殊な部分と
のみ反応する新規な抗体の創造に有用である。当業者な
らば、競合法で診断または治療を行う際には、恒原のあ
る部分を認識する能力を有する抗体が、不可欠であると
いうことを容易に理解するであろう。
本発明のKSAコード化DNA化合物の原核性宿主細胞内で
の発現に先立ち、真核性シグナルペプチド(プレペプチ
ド)をコードしているDNAと真核性プロペプチドとを除
去した。本発明はいかなる理論または実施方法にも限定
されず、または左右されないが、発生期のプレプロKSA
の21アミノ酸残基は、シグナルペプチド(プレペプチ
ド)として働くと考えられる。本発明は、真核性宿主細
胞内でKSAを発現させるための、特定の真核性シグナル
ペプチドの使用に限定されるものではない。さらに、発
生期のプレプロKSAのアミノ末端にある次の60アミノ酸
残基はプロペプチドとして働く。プレプロペプチドを除
去すると、UCLA−P3細胞の細胞表面に見いだされる発生
期のKSAの鎖と実質上同様の発生期の鎖を有する分子が
形成される。一般的な原則として、原核性生物は有効な
真核性シグナルペプチドをプロセッシングしないので、
発生期KSA構造遺伝子のシグナルペプチドをコードする
部分を原核性生物内で発現させることは非能率的といえ
る。本明細書には具体的に例示しなかったが、本発明
は、原核性生物内でKSAを発現し、分泌する、原核性の
シグナルペプチドをコードするDNAと、本発明のKSAをコ
ードするDNAとの融合物をも包含するものである。
上記の修飾に加え、分子の原核性生物内での発現に先
立ってKSAをコードしているDNAの他の領域を除去した。
具体的には、発生期KSAのカルボキシ末端の49アミノ酸
残基をコードしているDNAを除去した。このことは、発
生期KSAの全細胞質領域と膜透過領域とが除去されたこ
とを意味する。従って、この分子のDNAが発現される
と、UCLA−P3細胞の表面に認められる発生期のKSA鎖と
実質上同じアミノ酸構造を含有するKSA誘導体が導かれ
る。
上記のように、KSAの一部の細胞外分泌のための「シ
グナル」(プレペプチド)をコードしていると思われる
発生期KSAの1−21アミノ酸残基は、腺がん細胞の表面
に見いだされる発生期KSAには存在しない。KSAのプロペ
プチドを含有する発生期KSAの残基22−81もタンパク質
のプロセッシングの過程で除去され、それは、分子の正
しいホールディングおよび修飾に関与しているとされて
いる。発生期KSAの残基82−265は以下に例示する原核性
発現ベクターに含有されているが、残基266−314は含有
されていない。これらの残基は細胞質領域と膜透過領域
を含有している。
しかしながら、本発明は特定のKSA誘導体の発現に限
定されるものではない。本発明のDNA化合物はKSAの様々
なアミノ酸残基をコードする、ある部分を欠失させて修
飾することができる。当業者ならば、本発明のDNA化合
物を、制限酵素消化や部位特異的突然変異誘発に付すこ
とによって、KSA誘導体をコードしている化合物群を殆
ど無制限に得ることができることを認識し得るであろ
う。そのような操作も本発明の範囲内であって、本明細
書で開示した詳細な配列によって可能である。
本発明のプラスミドpLKSAは大腸菌内でKSAのアミノ酸
残基82−265を発現させるように設計されている。プラ
スミドpLKSAはプラスミドpGAG1317およびプラスミドpL1
10Cから構築された。プラスミドpGAG1317については既
に述べた。プラスミドpL110Cの構築については、以下に
簡単に記載すると共に、その詳細を実施例1−10に示
す。プラスミドpL110Cの制限部位および機能地図を第13
図に示す。
大腸菌K12 BE1201/pKC283(寄託日:1984年8月3日)
からプラスミドpKC283を得た。この培養物はNRRLから、
受託番号NRRL B−15830の下、入手可能である。プラス
ミドpKC283はバクテリオファージλのハイブリッソlpp
−pLプロモーターを含有している。大腸菌K12 BE1201は
細胞DNAに組み込まれた温度感受性cIリプレッサーを含
有しているので、この細胞中でプラスミドpKC283が得ら
れた。プラスミドpKC283単離の詳細を実施例1に示す。
プラスミドpKC283の制限部位および機能地図を第1図に
示す。
プラスミドpKC283をまず制限酵素Pvu IIで消化するこ
とにより、不要なlacZ部分をプラスミドpKC283から除去
した。次いで、消化DNAに特殊なDNAリンカーを付与して
Pvu II部位を一個のXho I部位に変換し、プラスミドpKC
283PXを創造した。プラスミドpKC283PXの単離に関する
詳細を実施例2に記載した。プラスミドpKC283PXの制限
部位および機能地図を第2図に示す。実施例3に記載し
たように、プラスミドpKC283PXを大腸菌K12 MO(λ
に導入した。大腸菌K12 MO(λ)は、NRRLから受託番
号NRRL B−15993(寄託日:1985年8月14日)の下、入手
可能である。
プラスミドpKC283PXを制限酵素Bgl IIおよびXho Iで
消化した。ベクターを精製した後、Bgl IIおよびXho I
末端を有するDNAリンカーをベクターにライゲートさ
せ、プラスミドpKC283−Lを形成した。Bgl II−Xho I
リンカーはXba I部位をも含有している。プラスミドpKC
283−Lの詳しい構築方法を実施例4に示す。プラスミ
ドpKC283−Lの制限部位および機能地図を第3図に示
す。
プラスミドpKC283−LのXho I部位をBamH I部位に変
換した。プラスミドpKC283−Lを制限酵素Xho Iで完全
消化した後、クレノウ処理し、BamH Iリンカーを付加し
てプラスミドpKC283−LBを構築した。プラスミドpKC283
−LBの詳細な構築を実施例5に示す。プラスミドpKC283
−LBの制限部位および機能地図を第4図に示す。
次いで、プラスミドpKC283PXを制限酵素Sal Iで消化
した後、得られた〜4.0kbのベクターをクレノウ処理
し、EcoR Iリンカーを付加することにより、余分の大腸
菌DNAを該プラスミドから除去した。ライゲーションに
よって再環化するとプラスミドpKC283PRSが得られた。
プラスミドpKC283PRSの構築方法の詳細を実施例5に示
す。プラスミドpKC28PRSの制限部位および機能地図を第
5図に示す。
次いで、プラスミドpKC283PRSを制限酵素Pst Iおよび
Sph Iで消化し、〜0.85kbのPst IおよびSph I制限断片
を単離した。同様の方法で、プラスミドpKC283−LBをPs
t IおよびSph Iで消化し、〜3.0kbの断片を単離した。
次いで、pKC283PRSの〜0.85kbPst I−Sph I断片をpKC28
3−LBの〜3.0kbPst I−Sph Iベクター断片にライゲート
してプラスミドPL32を構築した。プラスミドpL32の詳細
な構築を実施例6に示す。プラスミドpL32の制限部位お
よび機能地図を第6に示す。
プラスミドpNM789はNRRLから受託番号NRRL B−18216
の下で得られる大腸菌K12 RV308/pNM789から単離され
る。プラスミドpNM789の制限部位および機能地図を第7
図に示す。プラスミドpNM789を制限酵素Pvu IIによる部
分消化、制限酵素BamH Iによる完全消化に付した後、ア
ルカリホスファターゼ処理した。次いで、消化し、アル
カリホスファターゼ処理したベクターpNM789に新しいPv
u II−BamH Iリンカーをライゲートすることにより、プ
ラスミド120を得た。プラスミドp120の詳細な構築方法
を実施例7に示す。プラスミド120の制限部位および機
能地図を第8図に示す。
次いで、プラスミド120を制限酵素Xba IおよびBamH I
で完全消化し、EK−BGHコード化〜0.6kb Xba I−BamH I
制限断片を単離した。プラスミドpL32を制限酵素Xba I
およびBamH Iで消化し、〜3.9kbのベクター断片を単離
した。次いで、プラスミド120由来の〜0.6kb Xba I−Ba
mH I断片をプラスミドpL32由来の〜3.9kbベクター断片
にライゲートさせてプラスミドpL47を得た。プラスミド
pL47の詳細な構築方法を実施例7に示す。プラスミドpL
47の制限部位および機能地図を第9図に示す。
プラスミドpPR12は温度感受性pLリプレッサー遺伝子c
IとプラスミドpBR322由来のテトラサイクリン耐性付与
遺伝子を含有している。プラスミドpPR12は米国特許第
4,436,815(1984年3月13日公告)に開示されている。
プラスミドpPR12の制限部位および機能地図を第10図に
示す。プラスミドpPR12をまず制限部位EcoR Iで完全消
化し、クレノウ処理することにより、該プラスミドから
EcoR I部位を除去した。次いで、ベクターをライゲート
して再環化することにより、プラスミドpPR12△R1を構
築した。次いで、プラスミドpPR12△R1を制限酵素Ava I
で消化し、クレノウ処理した。Ava I消化し、クレノウ
消化したpPR12△R1を、EcoR Iリンカーとライゲート
し、制限酵素EcoR Iで切断して再環化することによりプ
ラスミドpPR12AR1を構築した。プラスミドpPR12AR1の詳
細な構築方法を実施例8に示す。プラスミドpPR12AR1の
制限部位および機能地図を第11図に示す。
プラスミドpPR12AR1をまず制限酵素Pst IおよびEcoR
Iで消化してプラスミドpPR12AR1の〜2.9kb Pst I−EcoR
I制限断片を単離した。プラスミドpL47を制限酵素Pst
IおよびBamH Iで化して〜2.7kbのPst I−BamH I制限断
片を単離した。別に、プラスミドpL47を制限酵素EcoR I
およびBamH Iで消化し、〜1.03kb EcoR I−BamH I制限
断片を単離した。プラスミドpL47の〜2.7kb Pst I−Bam
H I制限断片と〜1.03kb EcoR I−BamH I制限断片とをプ
ラスミドpPR12AR1の〜2.9kb Pst I−EcoR I制限断片と
ライゲートしてプラスミドpL110を構築した。プラスミ
ドpL110の詳細な構築方法を実施例9に示す。プラスミ
ドpL110の制限部位および機能地図を第12図に示す。
プラスミドpL110を制限酵素Nde I消化、クレノウ処理
に付し、再環化することにより、プラスミドpL110Aを構
築した。また、プラスミドpL110を制限酵素Hind IIIお
よびEcoR Iで切断し、テトラサイクリン耐性付与断片を
単離した。この断片をファージm13mp18の〜7.25kb Hind
III−EcoR I制限断片とライゲートさせてファージM13T
c3を得た。ファージm13mp18は、ニュー・イングランド
・バイオラボ(New England Biolabs)から購入し得
る。次いで、一本鎖のファージM13Tc3を単離し、テトラ
サンクリン遺伝子内のBamH I部位中、ヌクレオチドCを
Aに変換するためにインビトロの部位特異的突然変異誘
発反応を行った。これにより、テトラサイクリン耐性付
与タンパク質のアミノ酸成分を変えずにBamH I部位を消
滅させた。新規な、突然変異したプラスミドで形質転
換、BamH I部位を欠失した複製型を選択してプラスミド
pL110Bと命名した。
プラスミドpL110Bを制限酵素Nde IおよびSsl Iで消化
し、テトラサイクリン耐性付与断片を単離した。同様に
プラスミドpL110Aを制限酵素Nde IおよびSsl Iで切断
し、大きいベクター断片を単離した。プラスミドpL110B
のテトラサイクリン耐性付与断片をpL110AのNde I−Ssl
I切断ベクター断片とライゲートさせ、プラスミドpL11
0Cを構築した。プラスミドpL110Cの詳細な構築方法を実
施例10に示す。プラスミドpL110Cの制限部位および機能
地図を第13図に示す。
プラスミドpGAG1317を制限酵素Apa Iせ切断し、アル
カリホスファターゼで処理した。KSAの最初の6アミノ
酸残基および付加的なメチオニン残基をコードしている
DNAを含有するリンカー類を分子にライゲートさせた。
これらのリンカーはまた、その5′末端にXho I制限部
位を有する。次いで、DNAをXba IおよびEcoR Iで消化
し、〜500kb Xba I−EcoR I制限断片を単離した。プラ
スミドpL110CをEcoR IおよびXba Iで消化し、大きいベ
クター断片を単離した。pGAG1317の〜500kb EcoR I−Xb
a I断片をpL110CのEcoR I−Xba Iベクター断片とライゲ
ートさせ、プラスミドpLKSA−Bを構築した。プラスミ
ドpLKSA−Bの詳細な構築方法を実施例12に示す。プラ
スミドpLKSA−Bの制限部位および機能地図を第18図に
示す。
プラスミドpLKSA−Bを制限酵素EcoR Iで消化した
後、アルカリホスファターゼで脱りん酸化した。次い
で、EcoR I切断分子にEcoR I−BamH Iリンカーをライゲ
ートさせた。これらのリンカーもKSAのEcoR I部位から
膜透過領域までの8アミノ酸残基をコードするDNAと転
写終止コドンとを含有している。次いで、このプラスミ
ドを制限酵素Xba Iで切断し、KSAコード化Xba I−BamH
I断片を単離した。次いで、pL110Cを制限酵素Xba Iおよ
BamH Iで切断し、大きいベクター断片を単離した。pL
KSA−BのKSAコード化Xba I−BamH I制限断片をプラス
ミドpL110CのXba I−BamH Iベクター断片にライゲート
してプラスミドpLKSAを構築した。プラスミドpLKSAの詳
細な構築方法を実施例12に示す。プラスミドpLKSAの制
限部位および機能地図を第19図に示す。
プラスミドpLKSAはテトラサイクリン耐性付与遺伝
子、温度感受性cI857リプレッサー遺伝子、ハイブリッ
ドpL/lppプロモーター系および発生期プレプロKSAのア
ミノ酸残基82−265を含有している。発生期プレプロKSA
のアミノ酸残基82−265はUCLA−P3のごとき腺がんの細
胞表面に見いだされる発生期のアミノ酸抗原構造を含有
している。特定のプロモーターの選択は本発明の実用性
にとって重要な事ではなく、従って、大腸菌内でのKSA
発現は特定のプロモーターの使用に限定されるものでは
ない。既述の例示プロモーターpLに代えて用い得るプロ
モーターとしては、例えば、大腸菌のラクトース(
coli laccoli trp、バクテリオファージλP
LOL、およびバクテリオファージλPRORプロモーターを
挙げることができるがこれらに限定されない。また、1
またはそれ以上のプロモーター、例えばtrpおよびlac
ロモーターをタンデムに配して用い、あるいは、tac
ロモーターのようなハイブリッドプロモーターを用いて
KSA構造遺伝子を発現させることもできる。上記のプロ
モーターはすべて、既に特性化されており、当業者に周
知であって、合成または既知のプラスミドから構築する
ことができる。
当業者ならば本発明が、KSAを大腸菌内で発現させる
ために特定のレプリコン含有プラスミドの使用に限定さ
れないことを理解するであろう。pBR322、pBR328、pACY
C184等に由来する多くのレプリコンが知られており、そ
れらが本発明のKSAをコードしているDNA化合物を発現さ
せるように企画された組換えDNAクローニングおよび発
現ベクターの構築に好適である。本発明はまた、本明細
書中の例示プラスミドに示されている実際の選択マーカ
ーに限定されるものではない。本発明のDNA化合物(ま
たは配列)を含有する組換えDNAクローニングおよび発
現ベクターに用いるのに適した、真核性および原核性の
両宿主細胞用の広範な選択マーカーが種々存在してい
る。
本発明の代表的なDNA配列およびプラスミドには多く
の改変、並びに変異が存在し得る。例えば、遺伝暗号の
縮重によって、ポリペプチド暗号領域を通じてヌクレオ
チドの置換、並びに翻訳終止シグナル: 終止シグナルの置換を具体的に挙げることができる。そ
のような配列は、今や既知となったKSAのアミノ酸また
はDNA配列から推測し、以下に示す通常の合成法に従っ
て構築することができる。そのような合成は、実質上、
イタクラ(Itakura)ら(1977,Science198:1056)およ
びクレア(Crea)ら(1978,Proc.Nat.Acad.Sci.USA75:5
765)の方法に従って行うことができる。また、合成遺
伝子およびリンカーは、システック(Systec)1450A DN
Aシンセサイザー(Systec,Inc.,3816Chandler Drive,Mi
nneapolis,MN)またはABS380A DNAシンセサイザー(App
lied Biosystems,Inc.,850Lincoln Center Drive,Foste
r City,CA 94404)のいずれかを用いて合成し得る。当
業者にはその他の多くのDNA合成装置が知られており、
合成DNA断片の作成に用いることができる。したがっ
て、本発明は、本明細書に例示した特定のDNA配列やプ
ラスミドに限定されるものではない。
本発明の原核性発現ベクターは、広範囲におよぶ多く
の宿主生物に適用され、とりわけ、大腸菌のようなグラ
ム陰性菌、例えばcoli K12、coli K12 RV308、
coli HB101、coli K12 C600、coli K12RR
1、coliK12 RR1△M15、coliK12 MM294、co
liK12 DH5等に適用し得る。本発明の全態様が有用であ
るが、ある種のベクターおよび形質転換体が好ましい。
好ましい形質転換体はcoli K12 RV308/pLKSAであ
る。
当業者ならば、本発明の発現ベクターを用いて真核性
または原核性宿主細胞を形質転換し、発生期のKSA構造
を持ったポリペプチドを宿主細胞内で発現させることを
理解するであろう。宿主細胞内で機能し、発生期のKSA
構造遺伝子を発現させるプロモーターを有するベクター
で宿主細胞が形質転換され、また、宿主細胞がシグナル
ペプチドのプロセッシングにかかる細胞機構を有するな
らば、成熟KSAがその細胞表面に見いだされるであろ
う。他の発現条件下、例えば、coli RV308中にプラ
スミドpLKSAが存在する場合等では、宿主細胞からKSAを
単離しなければならない。
前記のごとく、組換え法で産生されたKSAは上皮起源
のがんの診断、予防、治療および研究に深く関与し得
る。さらに、KSAは正常なヒト上皮細胞の亜集団によっ
ても発現されるので、本発明で開示したアミノ酸および
ヌクレオチド配列はそのような細胞表面抗原が正常な組
織の分化、発達および非−悪性腫瘍性の疾患状態に果す
役割を研究する上で有用である。KSA遺伝子(またはそ
のサブフラグメント)は、他の近縁遺伝子またはその変
異体を見いだすために広範な細胞型から導かれたDNAラ
イブラリーのプローブとして用い得る。次いで、これら
の新らしい抗原遺伝子を用い、さらにがんと闘うための
新規な抗体を構築することができる。
モノクローナル抗体KS1/4は、ブモル(Bumol)によ
り、がんの診断、予防および治療に有効な物質であるこ
とが示された[ライスフェルド(Reisfeld,R.A.)およ
セル(Sell,S.)編、Monoclonal Antibodies and Cance
r Therapy,New York:Alan R Liss,Inc.1985,257−25
9]。スペアマン(Spearman)ら(1987,J.Pharmacol.an
d Exp.Therapeutics241:695−703)は、腫瘍の位置決定
と治療にモノクローナル抗体−ビンカアルカロイド抱合
体を用いることを開示した。このKS1/4−DAVLB(4−デ
スアセチルビンブラスチン)抱合体は、Bumolらが述べ
たように、腫瘍の増殖抑制にも関与している[セリアニ
(Ceriani,R.L.)編、Immunological Approaches to th
e Diagnosis and Therapy of Breast Cancer,New York
and London:Plenum Press;1987,205−215]。これらの
文献の教示に照らして、組換えKSAは、KS1/4の親和性を
改変するのに有用であるらしい。KS1/4の細胞表面のKSA
可溶性部分との結合の後、X線結晶解析に付すことによ
り、抗原のどのアミノ酸残基がKS1/4のどのアミノ酸残
基に極めて接近しているかが分かるであろう。次いで、
タンパク質設計(工作)を利用することにより、抗原の
陽性残基の近くに陰性残基を配するよう、KS1/4を改変
することができる。そのような「工作された」抗体は、
がん患者の細胞表面KSAにより大きい親和性を示すであ
ろう。類似の方法で、これらのタンパク質工作法を用い
て低親和性のKS1/4誘導体を創造することもできる。
当業者ならば、本発明の配列を用いてのみ作成可能な
それら「高親和性」抗体は正常なKS1/4に比較して有効
性が増大していることが分かるであろう。新しく工作さ
れた抗体はより緊密にKSAと結合するので、患者に投与
すべき分子の量を少なくできる。このことは、患者の循
環系に循環される抗体の全量を減少し、その結果、それ
ら抗体が正常な結腸細胞のような低エピトープ細胞と結
合する可能性を減少することになる。他方、抗原の高エ
ピトープ濃度を示す腺がん細胞は新規抗体によってより
認識され易くなるであろう。
さらに、組換えKSAおよびその誘導体は、当業者既知
の可溶化法を用いて発現された細胞から単離することが
できる。カーン(Kahan)(Methods of Cancer Researc
h vol.IX,Busch,編、p.283−338,Academic Press,New Y
ork,1973)は、グラハム(Graham)(New Techniques i
n Biophysics and Cell BIology,vol.2,Pain等編、pp.1
−42,Wiley,London1975)のように、多くの抽出方法を
記載した。次いで、抗原含有画分を用い、ケラー(K
hler)およびマイルスタイン(Milstein)(1975,Natur
e256:495−497)またはゴールデンバーグ(Goldenber
g)(米国特許第4,444,744号)の教示に従い、新規な抗
体を作成する。その組換えKSAまたはUCLA−P3に対する
特異反応性に基づいて単離され得るこれらのKS1/4“姉
妹”も疾患状態の診断および治療に有用である。
組換えKSAおよびその誘導体はまた、腫瘍細胞と反応
するポリクロナール抗体を惹起するのにも用い得る。時
には、そのようなポリクローナル抗体は、腫瘍表面マー
カーとの反応性の増大を示す場合もある。ポリクローナ
ル抗体の惹起は、当業者周知の方法で行われる。動物を
抗原またはそのサブユニットでチャレンジし、次いで、
動物の免疫系によって抗原に対する抗体が産生されるの
に適当な期間、動物を飼育する。次いで、抗体を、周知
の方法、例えばハーバーマン(Herberman)等編(Immun
odiognosis of Cancer,Marcel Dekker,Inc.New York an
d Basel,1979)およびセル(Sell)編(Tumor Markers,
Humana Press,Clifton,N,J.,1980)によって開示された
方法で単離する。次いで、これらの抗体をイムノロジカ
ルアッセイ(免疫学的検定)に用いて組織中の腺がん細
胞の存在を調べる。
組換えKSAおよびその誘導体はまた、分析学的方法論
の標準化のために大量の規定された抗原を提供するため
に調製される。例えば、KS1/4抗体または新たに開発さ
れたその誘導体の発酵および生産の監視(モニター)用
の機能的なイムノアッセイを開発することもできる。組
換えKSAを用いたアフィニティークロマとグラフィーに
よってモノクローナル抗体KS1/4の精製は大いに単純化
されるであろう。組換えKSAまたはその誘導体はまた、
様々なモノクローナル抗体に基く生産物の精製、製剤化
分析および安定性研究に有用である。組換えKSAは強力
な抗腺がんワクチンの開発に用い得る。
以下の実施例により、本明細書で開示した発明をさら
に詳しく説明する。実施例は本発明を構築する方法を記
載し、さらに適切な個所で方法を説明した。なお、以下
の実施例では、プラスミド名がイタリック体であること
を表す下線を省略した。
実施例1 プラスミドpKC283の単離 大腸菌(coli)K12 BE1201/pKC283の凍結乾燥品
をノーザン・リージョナル・リサーチ・ラボラトリー
(NRRL、Northern Regrional Research Laboratory、Pe
oria,Illinois 61604)から、受託番号NRRL B−15830
(寄託日:1984年8月3日)の下、入手した。この凍結
乾燥品を、LB培地(10中にBacto−トリプトン10g、Ba
cto−イースト エキス5gおよびNaCl10gを含有、pH7.
5)10mlを含有するチューブに傾瀉して入れ、32℃で2
時間インキュベートし、アンピシリンを50μg/mlとなる
ように加え、32℃で一夜インキュベートした。大腸菌K1
2 BE1201/pKC283は、細胞に組み込まれた温度感受性のc
Iリプレッサー遺伝子を含有しているので、32℃でイン
キュベートした。以後の実施例に示すように、野生型ラ
ムダpLリプレッサー遺伝子を含有するか、ラムダpLプロ
モーターを含有していない細胞をこのラスミドの単離法
に用いる場合には、インキュベーション温度は37℃とす
る。
少量の一夜培養物をアンピシリン50μg/mlを含有する
LB−寒天プレート(Bacto−アガー15g/を含有するLB
培地)により、大腸菌K 12 BE1201/pKC283の単一コロニ
ー単離体が得られるような方法で平板培養した。得られ
た単一コロニーをアンピシリン50μg/ml含有するLB−培
地10mlに接種し、激しく撹拌しながら32℃で一夜インキ
ュベートした。一夜培養物10mlをアンピシリン50μg/ml
を含有するLB−培地500mlに接種し、激しく撹拌しなが
ら培養物が定常期に達するまでインキュベートした。以
下の工程には、マニアティス(Maniatis)ら(1982,Mol
ecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory)の方
法を適用した。
細胞を遠心して収穫し(4000g、10分間、4℃)、上
清を捨てた。細胞ペレットを氷冷したSTEバッファー
(0.1M NaCl、10mM Tris−HCl、pH7.8および1mM EDTA)
100mlで洗浄した。洗浄後、細胞ペレットをリゾチーム5
mg/mlを含有する溶液1(50mMグルコース、25mM Tris−
HCl、pH8.0および10mM EDTA)10ml中に再懸濁し、室温
で10分間放置した。溶液2(0.2N NaOHおよび1%SDS)
20mlをリゾチーム処理細胞に加え、倒置して溶液を静か
に混合した。氷上で混合物を10分間インキュベートし
た。
氷冷した5M酢酸カリウム、pH4.8(15ml)を溶解した
細胞混合物に加え、溶液を倒置して混合した。溶液を氷
上で10分間インキュベートした。5M酢酸カリウム溶液は
氷酢酸11.5mlを水28.5mlと5M酢酸カリウム60mlに加えて
調製した。得られた溶液は、カリウムに関して3Mであ
り、酢酸に関して5Mである。
溶解した細胞混合物をBeckman SW27(またはその同等
装置)を用いて遠心した(20,000rpm、20分間、4
℃)。細胞DNAおよび破片はチューブの底にペレットを
形成した。上清約36mlを回収し、0.6容量のイソプロパ
ノールを加え、混合し、得られた溶液を室温で15分間放
置した。室温で15分間、12,000gで遠心することによ
り、プラスミドDNAを収穫した。上清を捨て、DNAペレッ
トを室温で、70%エタノールによって洗浄した。エタノ
ール洗浄液をデカント(傾瀉)し、ペレットを真空デシ
ケーター内で乾燥した。次いで、ペレットをTEバッファ
ー(10mM Tris−HCl、pH8.0、および1mM EDTA)8mlに再
懸濁した。
DNA溶液にCsCl(8g)を加えた。臭化エチジウムの10m
g/ml水溶液約0.8mlをCsCl−DNA溶液各10mlに加えた。溶
液の最終密度は約1.55g/mlであり、臭化エチジウム濃度
は約600μg/mlであった。溶液をBeckman50型遠心管に移
し、パラフィン油を口部まで満たしてシールし、遠心し
た(45,0000rpm、24時間、20分間)。遠心後、DNAの2
本のバンドを可視光線の下で観察した。チューブからキ
ャップを除去した後、遠心管の側方から#21の皮下注射
用の針を付けた注射器を用いて下方のDNAバンドを採取
した。
水を飽和した1−ブタノールを用いて数回抽出するこ
とにより、臭化エチジウムを除去した。TEバッファーに
対して透析することにより、CsClを除去した。緩衝化フ
ァノール、次いでクロロホルムで抽出した後、DNAを沈
澱させ、70%エタノールで洗浄し、乾燥した。プラスミ
ドpKC283約1mgを得、TEバッファー中、4℃において濃
度約1μg/μで保存した。プラスミドpKC283の制限部
位および機能地図を第1図に示す。
実施例2 プラスミドpKC283PXの構築 実施例1で調製したプラスミドpKC283DNA約10μを1
0X中塩制限バッファー(500mM NaCl、100mM Tris−HC
l、pH7.5、100mM MgCl2、および10mM DTT)20μ、1mg
/ml BSA20μ、制限酵素Pvu II 5μ(〜50単位、ベ
セスダ・リサーチ・ラボラトリー(Bethesda Research
Laboratories、BRL)の定義に従う、本明細書記載の全
制限酵素はBRLから入手した)および水145μと混合
し、得られた反応混合物を37℃で2時間インキュベート
した。本明細書記載の制限酵素反応は、フェノール、次
いでクロロホルム抽出の常套手段によって終了した後、
DNAを析出させ、エタノールで洗浄し、さらにDNAをTEバ
ッファーに再懸濁した。上記のごとくにしてPvu II消化
を終了させた後、Pvu II消化プラスミドpKC283DNAを沈
澱させ、TEバッファー5μに再懸濁した。
Xho Iリンカー(5′−CCTCGAGG−3′)約600ピコモ
ル(pM)を、5Xキナーゼバッファー(300mM Tris−HC
l、pH7.8、50mM MgCl2、および25mM DTT)10μ、5mM
ATP5μ、H2O24μ、T4ポリヌクレオチドキナーゼ0.5
μ(PL−Biochemicalsの定義によると約2.5単位)、1
mg/ml BSA5μおよび10mMスペルミジン5μを含有す
る混合物中、37℃で30分間インキュベートすることによ
りキナーゼ処理した。
キナーゼ処理したXho Iリンカー約12.5μをPvu II
消化プラスミドpKC283 5μに加え、次いで、10Xリガ
ーゼバッファー(300mM Tris−HCl、pH7.6、100mM MgCl
2、および50mM DTT)2.5μ、1mg/ml BSA2.5μ、5mM
ATP7μ、T4DNAリガーゼ2.5μ(P−L Biochemical
sの定義により約2.5単位)、スペルミジン2.5μおよ
び水3μをDNAに加えた。得られたライゲーション混
合物を4℃で一夜インキュベートした。ライゲーション
反応の後、反応混合物を高温バッファー組成に調整した
(0.1M NaCl、0.05M Tris−HCl、pH7.5、10.0mM MgCl2
および1mM DTT)。制限酵素Xho I約10μ(100単位)
を反応混合物に加え、得られた反応混合物を37℃で2時
間インキュベートした。
反応を終了させ、Xho I−消化DNAを沈澱させ、再懸濁
し、Xho Iリンカーをライゲーション反応混合物に加え
ないことを除き、上記方法と同様にしてライゲートさせ
た。ライゲートしたDNAは、所望のプラスミドpKC283PX
を構成していた。プラスミドpKC283PXの制限部位および
機能地図を第2図に示す。
実施例3 大腸菌K12 MO(λ)/pKC283PXの構築 大腸菌K12 MO(λ)は、受託番号NRRLB−15993(寄
託日、1985年8月14日)の下、Northern Regional Rese
arch Laboratoriesから凍結乾燥品として得ることがで
きる。大腸菌K12 MO(λ)は野性型ラムダpLCIプレッ
サー遺伝子を含有しているので、本発明のハイブリッド
pL−Ippプロモーターからの転写は、大腸菌K12 MO(λ
)細胞内では起こらない。凍結乾燥品を解凍し、MO
(λ)の単一コロニーを単離し、インキュベーション
温度が37℃であって、増殖培地にアンピシリン加えない
ことを除き、実質上、実施例1の方法に従ってMO
(λ)細胞の一夜培養物10mlを調製した。
この一夜培養物50μを、10mM MgSO4および10mM MgC
l2を含有するLB培地5mlに接種した。この培養物を激し
く撹拌しながら37℃で一夜インキュベートした。翌朝、
10mM MgSO4および10mM MgCl2を含有するLB培養200mlで
希釈した。希釈した培養物を細胞密度約1×108細胞/ml
を示す、550nmにおける吸光度(A550)が約0.5に達する
まで激しく撹拌しなが37℃でインキュベートした。培養
物を氷浴中で10分間冷却した後、遠心(4000g、10分
間、4℃)して細胞を収穫した。細胞ペレットを冷10mM
MgSO4100mlに再懸濁した後、即座に遠心してペレット
化した。この細胞ペレットを30mM CaCl2100mlに再懸濁
し、氷上で20分間インキュベートした。
遠心して細胞を再度、採取し、30mM CaCl2再懸濁し
た。この細胞0.5mlを実施例2で調製した、ライゲート
したDNA製品に加えた(このDNAは30mM CaCl2中に調製さ
れている)。この細胞−DNA混合物を氷上で1時間イン
キュベートし、42℃で90秒間熱ショックかけた後、氷上
で約2分間冷却した。この細胞−DNA混合物を125mlのフ
ラスコ中でLB培地10ml中に希釈し、37℃で1時間インキ
ュベートした。アンピシリン含有LB−寒天プレート上に
100μづつ接種し、37℃でコロニーが発現するまでイ
ンキュベートした。
コロニーを個別にインキュベートし、各コロニーのプ
ラスミドDNAを制限酵素分析およびゲル電気泳動によっ
て検査した。プラスミドDNAを単離し、所望の大腸菌K12
MO(λ)/pKC283PX形質転換体が同定されるまでCsCl
グラディエント工程を行わないことを除き、実施例1記
載の方法に従って小規模で処理した。プラスミドpKC283
PXの制限部位および機能地図を第2図に示す。
実施例4 大腸菌K12 MO(λ)/pKC283−Lの構築 プラスミドpKC283PX10μgを実質上、実施例1記載の
方法で調製し、10X高塩バッファアー20μ、1mg/ml BS
A20μ、制限酵素Bgl II 5μ(〜50単位)、制限酵
素Xho I 5μ(50単位)および水150μに溶解し、得
られた反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。
反応を止め、Bgl II−Xho I消化DNAを沈澱させた後、DN
AをTEバッファー5μに再懸濁した。
Bgl IIおよびXho I制限酵素開裂末端を有することを
特徴とする一本鎖DNA末端を有するDNAリンカーを合成
し、キナーゼ処理した。実質上、この実施例2の方法に
従って、キナーゼ処理した。このDNAリンカーは、式: で示される配列を有する。上記のリンカーは、一本鎖デ
オキシオリゴヌクレオチドから、当業者既知の方法で合
成された。一本鎖デオキシオリゴヌクレオチドは、ホス
ホラミダイトの化学を利用した、アプライド・バイオシ
ステム社(850Lincoln Center Drive,Foster cIty,CA.9
4404)供給の380A DNA合成装置等の市販の装置を用いて
合成される。その他のDNA合成法も当業者に既知であ
る。一本鎖DNAの便利な合成法である改良ホスホトリエ
ステル法が、イタクラら(前掲)およびクレアら(前
掲)によって示された。その他、特に好ましいDNA合成
法は、シングら(Hsiung,1983 Nucleic Acid Research
11:3227)、およびナラング(Narang1980,Methods in E
nzymology 68:90)によって開示された。
リンカーとBgl II−Xho I消化プラスミドpKC283PXを
実質上、実施例2記載の方法に従ってライゲートした。
ライゲートしたDNAはプラスミドpKC283−Lを構成して
いた。プラスミドpKC283−Lを用いて大腸菌K12 MO(λ
)を形質転換し、得られた大腸菌K12 MO(λ)/pKC
283−Lを、実質上、実施例3の方法に従って同定し
た。
実施例5 大腸菌K12 MO(λ)/pKC283−LBの構築 プラスミドpKC283−LDNA約10μgを実質上、実施例1
記載の方法で調製し、10X高塩バッファアー20μ、1mg
/ml BSA20μ、制限酵素Xho I 5μ(50単位)および
水155μに溶解し、得られた反応混合物を37℃で2時
間インキュベートした。3容量の95%エタノールと0.1
容量の3M酢酸ナトリウムを加え、ドライアイス−エタノ
ール浴中で5分間インキュベートし、遠心することによ
り、反応混合物からXho I消化プラスミドpKC283−LのD
NAを沈澱させた。得られたDNAペレットを70%エタノー
ルで洗浄し、乾燥し、10Xニックトランスレーションバ
ッファー(0.5M Tris−HCl、pH7.2、0.1M MgSO4、およ
び1mM DTT)2μ、各2mMのデオキシヌクレオチド・ト
リホスフェート溶液1μ、水15μ、クレノウ(大腸
菌DNAポリメラーゼIの大きい断片)1μ(P−L Bio
chemicalsの規定による〜6単位)および1mg/ml BSA1μ
に再懸濁した。得られた反応混合物を25℃で30分間イ
ンキュベートした。溶液を70℃で5分間インキュベート
して反応を止めた。
BamH Iリンカー(5′−CGGGATCCCG−3′)をキナー
ゼ処理し、Xho I消化し、クレノウ処理したプラスミドp
KC283−L DNAと、実質上、実施例2記載の方法に従って
ライゲートした。ライゲーションの後、DNAを、高塩バ
ッファー中、BamH I約100単位で37℃においておよそ2
時間、消化した。BamH I消化の後、実質上、実施例2記
載の方法に従って、ライゲーション用のDNAを調製し
た。
実質上、実施例2および3記載の方法に従って、〜5.
9kbのBamH I制限断片をライゲーションして再懸濁化
し、大腸菌K12 MO(λ)に導入した。大腸菌K12 MO
(λ)/pKC283−LB形質転換体を、実質上、実施例3
の方法に従って同定した後、プラスミドpKC283−LB DNA
を調製した。プラスミドpKC283−LBの制限部位および機
能地図を第4図に示す。
実施例6 大腸菌K12 MO(λ)/pL32の構築 出発プラスミド、制限酵素およびリンカーが異なる外
は、実質上、実施例5記載の方法に従い、プラスミドpK
C283PX約10μgを高塩バッファアー中で制限酵素Sal I
で消化し、クレノウ処理し、EcoR Iリンカー(5′−GA
GGAATTCCTC−3′)とライゲートした。制限酵素EcoR I
消化により〜2.1kb DNAを切除した後、〜4.0kb EcoR I
制限断片をライゲーションによって環化し、プラスミド
pKC283PRSを得た。実質上、実施例3の方法に従い、ラ
イゲートしたDNAを用いて大腸菌K12 MO(λ)を形質
転換した。大腸菌K12 MO(λ)/pKC283PRS形質転換体
を同定した後、実質上、実施例1記載の方法に従い、プ
ラスミドpKC283PRS DNAを調製した。プラスミドpKC283P
RSの制限部位および機能地図を第5図に示す。
プラスミドpKC283PRS約10μgを高塩バッファアー200
μ中で制限酵素Pst IおよびSph Iで消化した。反応混
合物を37℃で約2時間インキュベートした後、0.6%低
ゲル化温度のアガロース(FMCコーポレーション、Marin
e Colloids Division,Rockland,Maine04841)のゲルに
適用し、〜130V,〜75mAにおいて、Tris−酢酸バッファ
ー中で電気泳動を行った。
ゲルを臭化エチジウムの希薄溶液で染色し、長波長の
UV光照射下に観察して〜0.85kbのPst I−Sph I制限断片
を構成するDNAバンドを小さいセグメントとしてゲルか
ら切除した。このセグメントの容量を該セグメントの重
量と密度から求め、等容量のTris−HCl、pH7.6をセグメ
ントの入った試験官に加えた。次いで、72℃でインキュ
ベートしてセグメントを融解させた。プラスミドpKC283
PRSの〜0.85kbのPst I−Sph I制限断片約1μgを容量
約100μ中に得た。常用の方法でプラスミドpKC283−L
Bを制限酵素Pst IおよびSph Iで消化し、生成した〜3.0
kb制限断片をアガロースゲル電気泳動によって単離し、
ライゲーションに備えた。
実質上、実施例2の方法に従って、プラスミドpKC283
PRSの〜0.85kb Pst I−Sph I制限断片とプラスミドpKC2
83−LBの〜3.0kb Pst I−Sph I制限断片とをライゲート
した。ライゲートしたDNAは所望のプラスミドpL32を構
成していた。プラスミドpL32の制限部位および機能地図
を第6図に示す。実質上、実施例3の方法に従い、プラ
スミドpL32を用いて大腸菌K12 MO(λ)を形質転換し
た。実質上、実施例1の方法に従い、大腸菌K12 MO(λ
)/pL32形質転換体からプラスミドpL32DNAを調製し
た。プラスミドpL32DNAの分析の結果、1以上のEcoR I
リンカーが、プラスミドpKC283PXのクレノウ処理したSa
l I末端に付加されていることが分かった。1以上のEco
R Iリンカーが存在することは、プラスミドpL32または
その誘導体の利用可能性に影響を及ぼさすものではな
く、そのことは、2個のEcoR Iリンカーが一緒にライゲ
ートした時には常に生成されるXho I制限部位の存在に
よって検出することができる。別法として、プラスミド
pL32は、プラスミドpKC283−LBに対して、この実施例の
第1節で述べたSal I−EcoR I切除およびライゲーショ
ンを行うことによって構築することもできる。
実施例7 大腸菌K12 MO(λ)pL47の構築 大腸菌K12 RV308/pNM789(1987年5月4日寄託)は、
ノーザン・リージョナル・リサーチ・ラボラトリーか
ら、受託番号NRRL B−18216の下、凍結乾燥品として入
手し得る。pNM789の制限部位および機能地図を第7図に
示す。インキュベーション温度が37℃であることを除
き、実質上、実施例1の方法に従って培養物からプラス
ミドDNAを抽出する。pNM789 10μgをPvu IIバッファー
(50mM Tris−HCl、pH7.5、60mM NaClおよび6mM MgC
l2)200μに懸濁する。Pvu II 1単位を加え、反応混
合物を37℃で5分間インキュベートする。65℃で10分
間、加熱して酵素を不活化す8る。10X BamH Iバッファ
ー(200mM Tris−HCl、pH8.0、1M NAClおよび70mM MgCl
1)30μ、水70μおよびBamH I 10単位を加え、反応
混合物を37℃で1時間インキュベートする。アルカリホ
スファクターゼ5単位を加え、65℃で1時間インキュベ
ートする。1%アガロースゲル上でDNA断片を分離し、
1個所切断に相当する断片を精製する(第8図)。
実質上、実施例4の教示に従い、平滑末端とBamH I末
端を有するDNAリンカーを合成する。このリンカーは、
式: で示される構造を有する(第8図、118を参照)。この
リンカーをキナーゼ処理し、実質上、実施例2の教示に
従い、BamH I−Pvu II消化プラスミドpNM789にライゲー
トする。このライゲーション混合物で大腸菌K12 RV308
(NRRL B−15624、寄託日、1983年9月28日)を形質転
換し、実質上、実施例3の方法に従い、これら形質転換
体からプラスミドを単離する。適当なサイズのPvu II断
片(494bp)およびXba I−BamH I断片(628bp)を含有
する数個のプラスミドを選択する。少なくとも2個のプ
ラスミドについて、BamH I部位から単一のSma I部位に
向けての配列決定を行い、所望の配列を有する1つのク
ローンを選択する。この中間体プラスミドを、プラスミ
ド120と命名する。この工程の概略模式図およびプラス
ミド120の制限部位および機能地図を第8図に示す。
EK−BGHをコードするDNAを単離するために、プラスミ
ド120約10μgを約50単位づつの制限酵素Xba IおよびBa
mH Iを含有する高塩バッファー200μ中で消化した。
消化産物をアガロースゲル電気泳動で分離し、EK−BGH
をコードしている〜0.6kb Xba I−BamH I制限断片を単
離し、実質上、実施例6記載の方法に従ってライゲーシ
ョン用に調製した。
プラスミドpL32をも同様に制限酵素Xba IおよびBamH
Iで消化し、プラスミドpL32の〜3.9kb制限断片を単離
し、ライゲーション用に調製した。実質上、実施例の方
法に従ってプラスミドpL32の〜3.9kb Xba I−BamH I制
限断片をプラスミド120の〜0.6kb Xba I−BamH I制限断
片とライゲートし、プラスミドpL47を得た。プラスミド
pL47の制限部位および機能地図を第9図に示す。
実質上、実施例3記載の方法に従い、プラスミドpL47
で大腸菌K12 MO(λ)を形質転換し、大腸菌K12 MO
(λ)/pL47形質転換体を同定した。実質上、実施例
1記載の方法に従い、プラスミドpL47DNAを形質転換体
から調製した。
実施例8 大腸菌K12 RV308/pPR12AR1の構築 プラスミドpPR12は温度感受性のpLリプレッサー遺伝
子cI857とプラスミドpBR322テトラサイクリン耐性付与
遺伝子とを含有する。プラスミドpPR12は米国特許第4,4
36,815号(1984年3月31日出願)に開示され、特許請求
されている。プラスミドpPR12の制限部位および機能地
図を第10図に示す。
プラスミドpPR12約10μgを高塩バッファアー200μ
中で制限酵素EcoR I約50単位により、37℃で2時間消化
した。実質上、実施例5記載の方法に従ってEcoR I消化
プラスミドpPR12DNAを沈澱させ、クレノウ処理した。ク
レノウ反応の後、EcoR I消化し、クレノウ処理したプラ
スミドpPR12DNAを実質上、実施例2記載の方法に従って
ライゲーションによって再環化した。所望のプラスミド
pPR12△R1を構成するライゲートしたDNAを用い、アンピ
シリン耐性ではなくテトラサイクリン(5μg/ml)耐性
に基づいて選択する以外は実質上、実施例3記載の方法
に従って大腸菌K12 RV308を形質転換した。大腸菌K12 R
V308は、NRRLから、受託番号NRRL B−15624の下、入手
可能である。大腸菌K12 RV308/pPR12△R1形質転換体を
同定した後、実質上、実施例1記載の方法に従ってプラ
スミドpPR12△R1を形質転換体から調製した。
プラスミドpPR12△R1約10μgを中塩バッファアー200
μ中で制限酵素Ava I約50単位により、37℃で2時間
消化した。実質上、実施例5記載の方法に従ってAva I
消化プラスミドpPR12△R1DNAを沈澱させ、クレノウ処理
した。クレノウ反応の後、Ava I消化し、クレノウ処理
したプラスミドpPR12△R1DNAを実質上、実施例2記載の
方法に従ってEcoR Iリンカー(5′−GAGGKAATTCCTC−
3′)とライゲートした。リンカーライゲーションの
後、DNAを沈澱させ、制限酵素EcoR I約50単位を含有す
る高塩バッファー約200μに再懸濁した。得られた反
応混合物を37℃で約2時間インキュベートした。得られ
た反応混合物を37℃で約2時間インキュベートした。Ec
oR I消化の後、反応混合物をアガロースゲルに適用し、
実質上、実施例6記載の方法に従い、〜5.1kb EcoR I制
限断片を精製した。実質上、実施例2の方法に従い、〜
5.1kb EcoR I制限断片をライゲーションによって再環化
した。ライゲートしたDNAは所望のプラスミドpPR12AR1
を構成していた。アンピシリン耐性ではなくテトラサイ
クリン耐性に基づいて選択する以外は実質上、実施例3
記載の方法に従い、プラスミドpPR12AR1を用いて大腸菌
K12 RV308を形質転換した。大腸菌K12 RV308/pPR12AR1
形質転換体を同定した後、実質上、実施例1記載の方法
に従ってプラスミドpPR12AR1を調製した。プラスミドpP
R12AR1の制限部位および機能地図を第11図に示す。
実施例9 大腸菌K12 RV308/pL110の構築 プラスミドpPR12AR1 DNA約10μgを制限酵素Pst Iお
よびEcoR I各50単位を含有する高塩バッファー約200μ
に懸濁し、得られた消化反応混合物を37℃で約2時間
インキュベートした。次いで、実質上、実施例6記載の
方法に従って反応混合物をアガロースゲルに適用し、〜
2.9kb Pst I−EcoR I制限断片を単離してライゲーショ
ン用に調製した。
プラスミドpL47約10μgを高塩バッファー200μ中
で制限酵素EcoR IおよびBamH Iにより、37℃において2
時間消化した。Pst I−EcoR I消化DNAをアガロースゲル
に適用し、実質上、実施例6記載の方法に従い、複製起
源とアンピシリン耐性付与遺伝子の一部とを含有する〜
2.7kb Pst I−EcoR I制限断片を単離し、ライゲーショ
ン用に調製した。別の反応混合物中で、プラスミドpL47
DNA約10μgを、高塩バッファー200μ中、制限酵素Ec
oR IおよびBamH Iにより、37℃で2時間消化し、新規な
転写活性化および翻訳活性化配列、並びにEK−BGHをコ
ードするDNAを含有する〜1.03kb EcoR I−BamH I制限断
片を単離し、実質上、実施例6記載の方法に従い、ライ
ゲーション用に調製した。得られた〜1.03kb EcoR I−B
amH I制限断片〜2μgを用いてプラスミドpL110を構築
した。
プラスミドpL47の〜2.7kb Pst I−BamH I制限断片と
〜1.03kb EcoR I−BamH I制限断片とをプラスミドpPR12
AR1の〜2.9kb Pst I−EcoR I制限断片にライゲートして
プラスミドpL110を構築し、ライゲートしたDNA9を用
い、アンピシリン耐性ではなくテトラサイクリン耐性に
基づいて形質転換体を選択する以外は実質上、実施例2
および3記載の方法に従って大腸菌K12 RV308を形質転
換した。
2つのPst I制限酵素認識部位がEK−BGH暗号化領域中
に存在しているが、それらは添付図面には記載されてい
ない。プラスミドpL110の制限部位および機能地図を添
付の第12図に示す。
実施例10 大腸菌K12 RV308/pL110Cの構築 A.大腸菌K12 RV308/pL110Aの構築 プラスミドpL110 DNA約1μgを、10X高塩バッファー
(1.0M NaCl、0.50M Tris−HCl、pH7.5、0.10M MgCl2
よび10mMジチオスレイトール)2μとNde I酵素3単
位とを含有する全量20μ中で制限酵素Nde Iにより、3
7℃で1時間消化した。反応混合物をフェノール/クロ
ロホルム抽出に付し、DNAをエタノールで沈澱させた。N
de I消化プラスミドpL110 DNAを1Xクレノウバッファー
(40mM KPO4、pH7.5、6.6mM MgCl2、1.0mM 2−メルカプ
トエタノール、33μM dATP、33μM dCTP、33μM dGTPお
よび33μM TTP)50μに溶かした。このDNAに大腸菌DN
AポリメラーゼIの大きいフラグメント(クレノウ)2
μ(〜10単位、New Englnd Biolabs)を加えて混合
し、得られた反応混合物を16℃で1時間インキュベート
した。フェノール抽出によって反応を止め、常法通り、
DNAを精製した。Nde I消化し、クレノウ処理したDNA
を、次に、T4 DNAリガーゼと、4℃において16時間ライ
ゲートさせた。得られたDNAで大腸菌K12株RV308(NRRL
B−15624)を常法通り形質転換した。アンピシリン100
μg/mlを含んだL−寒天培地上で形質転換体を選択し、
バーンボイム(Birn boim)をドーリー(Doly)の示し
た方法に従い、高速アルカリ抽出法で耐性コロニーから
プラスミドを単離した。Nde I部位を欠くプラスミド(p
L110A、第3図)を選択した。
B.部位特異的突然変異誘発によるファージpL110Bの構築 部位特異的突然変異誘発による、テトラサイクリン耐
性付与遺伝子中のBamH I部位の除去は第13図の右側に図
示されている。
B(i) ファージM13Tc3の構築 テトラサイクリン耐性付与遺伝子供給源としてプラス
ミドpL110を用いた。TEバッファー50μ中、プラスミ
ドpL110約50μgを10×Hind IIIバッファー25μおよ
び水170μに加えた。制限酵素Hind III約5μ(〜5
0単位)をプラスミドpL110DNA溶液に加え、得られた反
応混合物を37℃で2時間インキュベートした。2M Tris
−HCl、pH7.4約13μと制限酵素EcoR I 5μ(〜50単
位)をHind III消化プラスミドpL110に加え、反応混合
物を37℃でさらに2時間インキュベートした。反応混合
物をTE飽和フェノールで抽出して反応を止め、クロロホ
ルム抽出してフェノールを除去した。次いで、EcoR I−
Hind III消化プラスミドpL110を沈澱させ、遠心して収
集し、1%アガロースゲルに適用して大きい〜4.3kb Ec
oR I−Hind III制限断片を単離、精製した。
ファージm13mp18(New England Biolabs)をTEバッフ
ァー50μに溶解し、次いで、上記のごとく、EcoR Iお
よびHind IIIで消化した。EcoR I−Hind III切断ファー
ジm13mp18DNAを、〜7.25kb制限断片を単離、精製するこ
とを除いて、pL110について記載したと同様にして精製
した。
プラスミドpL110の〜4.3kb Hind III−EcoR I断片約1
00ngを、ファージm13mp18の〜7.25kb Hind III−EcoR I
断片約100ng、10xリガーゼバッファー2μ、T4DNAリ
ガーゼ1μ(〜100単位)および水14μと混合し
た。このライゲーション反応混合物を15℃で1.5時間イ
ンキュベートした。ライゲートしたDNAは所望のファー
ジm13Tc3DNAを構成していた。ファージm13Tc3の制限部
位および機能地図を第13図に示す。
大腸菌K12 JM109(New England Biolabsから入手可
能)の代わりに大腸菌K12 JM101を用いることができ
る)の一夜培養物1mlをLブロス50mlに接種し、得られ
た培養物を、通気下、O.D.660=0.3〜0.4の値になるま
で37℃でインキュベートした。細胞を10mM NaC125mlに
再懸濁し、氷上で10分間インキュベートしたのち、遠心
して採集した。細胞を75mM MgCl21.25mlに再懸濁し、細
胞各200μをとり、上で調製した。ライゲートしたDNA
10μに加え、氷上で約40分間インキュベートした。次
いで、細胞−DNA混合物を42℃で2分間インキュベート
し、種々の量(1、10および100μ)をとり、2%X
−Gal 50μ、100mM IPTG50μ、および対数増殖期の
大腸菌K12 JM109(200μ)を含有するtop agar(45℃
で融解状態に維持した0.5%agarを含有するLブロス)3
mlに加えた。細胞−top agar混合物を40μg/mlのX−Ga
l(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−チオガラクトシッド)および0.1mMのIPTG(イソプロ
ピル−β−D−チオガラクトシッド)を含有するL−ag
arプレートに接種し、37℃で一夜インキュベートした。
翌朝、青色に対して、幾つかの透明なプラークの各々
を用い、Lブロス2mlに接種し、得られた培養物を通気
下、37℃で2時間インキュベートした。青色が消滅して
いることは、所望の挿入が起こったことを意味する。次
いで、培養物を遠心し、得られた上清200μを、通気
下、37℃で増殖している大腸菌K12 JM109の培養物(O.
D.550=0.5)10mlに加えた。これらの培養物を37℃でさ
らに30分間インキュベートし、次いで、遠心して細胞を
ペレット化し、それらが含有する複製型組換えファージ
を調製するために用いた。実施例1記載の方法の規模を
縮小し、細胞から二本鎖の複数型ファージDNAを単離し
た。そのファージDNAの制限酵素分析により、ファージm
13Tc3DNAを含有する形質転換体を単離した。
B(ii) 一本鎖ファージm13Tc3DNAの調製 大腸菌K12 JM109/m13Tc3の一夜培養物1.5mlを遠心
し、ファージm13Tc3含有上清100μをO.D.660が約0.4
〜0.5の大腸菌K12 JM109の培養物25mlに接種した。通気
下、培養物を37℃で6時間インキュベートし、培養物を
遠心して得られた上清、約20mlを新しいチューブにいれ
た。20%ポリエチレングリコール(PFG6000)2mlと14.6
%NaClを含有する溶液2mlを上清に加えた後、氷上で20
分間インキュベートした。
上清を7000rpmで25分間遠心し、得られた一本鎖m13Tc
3DNAを含有するペレットをTEバッファー500μに再懸
濁した。このDNA溶液をTE−飽和フェノールで2回、ク
ロロホルムで2回抽出した。次いで、一本鎖DNAをNaOAc
とエタノールで沈澱させ、70%エタノールで洗浄し、乾
燥した後、水60μに溶解した。
B(iii) 突然変異誘発 突然変異誘発に用いる一本鎖DNA断片を、自動DNA合成
装置により、合成した。該断片は、 式: で示される配列を有し、プラスミドpBR322中のテトラサ
イクリン耐性付与遺伝子のBamH I部位(5′−GGATCC−
3′)の周辺領域の配列とホモローガスである。ただ
し、5′末端から2番目のA残基(または3′末端から
3番目のA残基)がプラスミドpBR322中ではCである。
この変化により、テトラサイクリン耐性付与遺伝子タン
パク質のアミノ酸成分が変わることはないが、BamH I部
位は消滅する。
突然変異誘発プライマーおよびM13普遍的(ユニバー
サル)プライマー[ベセスダリサーチラボラトリー(BR
L)P.O.Box6009、Gaithersburg,MD20760]各々約10ピコ
モルを1Xキナーゼバッファー(60mM Tris−HCl、pH7.
8、15mMメルカプトエタノール、10mM MgCl2および0.41
μM ATP)20μ中、T4ポリヌクレオチドキナーゼ10単
位(BRL)により、37℃で30分間処理した。キナーゼ処
理したDNAを以下の突然変異誘発法に用いた。
アニーリング反応は、一本鎖ファージm13Tc3の300ng
(1.2μ)、普遍プライマー1pM(ピコモル、2μ
)、突然変異誘発プライマー1pM(2μ)、10Xアニ
ーリングバッファー(100mM Tris−HCl、pH7.5、1mM ED
TAおよび500mM NaCl)2μ、および水12.8μを混合
することにより行われた。反応混合物を80℃で2分間、
50℃で5分間インキュベートし、次いで、室温まで冷却
した。
伸長反応は、10X伸長(extension)バッファー(500m
M Tris−HCl、pH8、1mM EDTA、120mM MgCl2)5μ、2
mM dATP5μ、各6mMのdGTP、TTPおよびdCTPを含んだ溶
液1μ、クレノウ酵素1μ(約2単位、ファルマシ
アP−Lバイオケミカルス、800Centennial Avenue、Pi
scataway、NJ08854)、T4DNAリガーゼ1μ(100単
位)および水17μをアニーリングしたDNAに加えるこ
とにより行われた。伸長反応混合物を室温で1時間、次
いで、37℃で2.5時間、4℃で一夜インキュベートし
た。
TE飽和フェノールで2回抽出して反応を止めた後、CH
Cl3で2回抽出した。エタノールおよびNaOAcでDNAを沈
澱させた。遠心してDNAを集め、水50μ中に再懸濁
し、このDNA溶液に10XS1バッファー6μを加えた。
DNA溶液を等しく3本の管に入れた。2本の管には、S
1ヌクレアーゼ(マイルスラボラトリーズ)約200単位を
入れた。一方のS1反応混合物は、室温で5分間、他は10
分間、インキュベートした。反応混合物をTE飽和フェノ
ールで抽出(2回)することにより、反応を止めた。フ
ェノール抽出の後、クロロホルムで2回抽出し、次い
で、NaOAcおよびエタノールによって反応混合物からDNA
を析出させた。DNAの未処理試料を負対照とした。S1処
理試料は、以後の工程を通して別々に離しておいたが、
同様の結果を得た。
DNAペレットを水20μに再懸濁し、得られた溶液10
μを用いて大腸菌K12 JM109(大腸菌K12 JM101を用い
てもよい)を、IPTGまたはX−Galをプレートに加えな
いことを除き、ファージm13Tc3の構築工程と同様にして
形質転換した。
約48プラークから得た二本鎖複製型DNAを前記の如く
にして単離し、BamH I制限部位の存在に関してスクリー
ニングした。BamH I部位を含有しない単離体を、上記の
ごとく、一本鎖DNAを調製してさらにスクリーニングし
た。ジデオキシ配列決定法(J.H.Smith、1980、Methods
Enzgmology65:560−580)を用いて一本鎖DNAの配列を
決定した。所望の単離体をpL110Bと命名した(第13
図)。
C.プラスミドpL110Cの構築 ファージpL110B DNAの複製型約50μgをNhe I制限酵
素約50単位を含んだ1X Nhe Iバッファー(50mM、NaCl、
6mM Tris−HCl、pPH7.5、6mM MgCl2および6mM β−メル
カプトエタノール)250μ中で、37℃において2時間
消化した。次いで、Nhe I消化ファージpL110B DNAに5M
NaCl5μ、さらに、Sal I制限酵素5μ(〜50単位)
を加えた。37℃で2時間消化を継続した。テトラサイク
リン耐性付与遺伝子の突然変異した領域を含んだ所望の
〜422bp Nhe I−Sal I断片を実施例11の方法に従い、ア
クリルアミドゲルから単離した。
プラスミドpL110AがファージpL110Bに置き換えられて
いる外は、同一条件下でプラスミドpL110A DNAをNhe I
およびSal Iで消化した。プラスミドpL110Aの〜6.1kb N
he I−Sal I制限断片をアガロースから精製した。
pL110A(〜6.1kb)およびpL110B(〜422bp)各々のNd
e I−Sal I断片各100ngを常法通りライゲートし、所望
のプラスミドpL110Cを構築した。プラスミドpL110Cの制
限部位および機能地図を第13図に示す。所望のプラスミ
ドpL110Cには、大腸菌に、10μg/mlのテトラサイクリン
に対する耐性を付与するが、テトラサイクリン耐性付与
遺伝子内にあるBamH I部位を喪失している。
実施例11 大腸菌K12 RV308/pGAG1317の構築 A.プラスミドpAG932の〜200bp EcoR I−Sst III断片の
単離 大腸菌K12 DH5/pAG932は、NRRLから、凍結乾燥品とし
て、または受託番号NRRL B−18266(寄託日、1987年11
月20日)の下、入手することができる。pAG932の制限部
位および機能地図を第14図に示す。インキュベーション
温度が37℃であることを除き、実質上、実施例1記載の
方法に従い、培養物からプラスミドDNAを抽出する。
プラスミドpAG932約10μgを10×Sst IIバッファー
(500mM Tris−HCl、pH8.0、100mM MgCl2および500mM N
aCl)20μ、1mg/ml BSA20μ、制限酵素Sst II 5μ
(〜50単位)および水155μに溶かし、得られた反
応混合物を37℃で2時間インキュベートした。次いで、
10×EcoR Iバッファー20μと制限酵素EcoR I 5μ
(〜50単位)を加え、反応混合物を37℃で2時間放置し
た。DNAを沈澱させて再懸濁し、マニアティスら(1982,
Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laborator
y))の教示に従って3.5%ポリアクリルアミドゲルに適
用した。臭化エチジウム染色によってDNAを観察し、〜2
05bp EcoR I−Sst II断片ゲルから切除し、破砕し、0.5
M酢酸アンモニウム、10mM酢酸マグネシウム、0.1%SD
S、および1mM EDTA、pH8.0の混合物300μ中で37℃に
おいて一夜放置した。試料を10,000gで10分遠心し、上
清を集めてグラスウールのプラグに通した。上清に2容
量の100%冷エタノールを加え、DNAを沈澱させた。ま
ず、ペレットをTE200μと3M酢酸ナトリウム25μに
溶解し、次いで100%エタノール600μを加えた。−70
℃で10分間放置した後、15,000gで15分間DNAを遠心分離
した。上清を除き、ペレットを風乾した後、TE10μに
再懸濁した。
B.プラスミドpAG1338の〜1100bp Sst II−Bgl II断片の
単離 大腸菌K12 DH5/pAG1338は、NRRLから、受託番号NRRL
B−18265(寄託日、1987年11月20日)の下、凍結乾燥品
として入手することができる。pAG1338の制限部位およ
び機能地図を第15図に示す。インキュベーション温度が
37℃であることを除き、実質上、実施例1記載の方法に
従い、培養物からプラスミドDNAを抽出する。
プラスミドpAG1388約10μgをSst IIバッファー20μ
、1mg/ml BSA20μ、制限酵素Sst II 5μ(〜50単
位)、制限酵素Bgl II 5μ(〜50単位)および水150
μに溶かした。得られた反応混合物37℃で2時間イン
キュベートした後、反応混合物を1%アガロースゲル電
気泳動にかけた(100Vで〜2時間)。
ゲルを臭化エチジウムを希薄溶液中で染色し、長波長
UV光照射によって観察し、所望の〜1111bp Sst II−Bgl
II断片を小さいセグメントとして切り取り、エッペン
ドルフチューブに入れ、等容量のバッファー飽和フェノ
ールと混合し、充分にボルテックス処理し、−70℃で10
分間放置した。4℃で10分間遠心した後、水総をさらに
等容量のバッファー飽和フェノールで2回、等容量のク
ロロホルムで2回抽出した。所望のSst II−Bgl II DNA
断片をエタノールで沈澱させ、TE10μに再懸濁した。
C.プラスミドpAG1317の構築 プラスミドpGEMTM−4をプロメガバイオテク(Promeg
a Biotec)(2800 S.Fish Hatchery Road,Madison,Wisc
onsin 53711)から購入した。プラスミドpGEMTM−4の
制限部位および機能地図を第16図に示す。約1μのプ
ラスミドpGEMTM−4を、制限酵素EcoR I〜50単位と10×
EcoR Iバッファー(1M Tris−HCl、pH7.5、100mM MgCl2
および500mM NaCl)を用いる外は実質上、実施例2記載
の方法に従って消化した。37℃で2時間経過後、制限酵
素BamH I 5μ、10×BamH Iバッファー(200mM Tris−
HCl、pH8.0、100mM MgCl2および1M NaCl)を加え、反応
混合物を37℃でさらに2時間放置した。反応を止め、実
質上、実施例11Bの記載に従い、ゲルから大きいベクタ
ー断片を単離した。この断片をTE10μに再懸濁した。
実質上、実施例2記載の方法に従い、ライゲーション
反応混合物にpGEMTM−4のEcoR I−BamH I切断ベクター
約2μ、pAG932の〜200bp EcoR I−Sst II断片3μ
、pAG1388の〜1100bp Sst II−Bg1 II断片3μ、リ
ガーゼバッファー2.5μ、1mg/ml BSA2.5μ、5mM AT
P7μ、T4DNAリガーゼ2.5μ、10mMスペルミジン2.5
μおよび水8μを混合した。得られたプラスミドを
プラスミドpGAG1317と命名した。次いで、実質上、実施
例3記載の方法に従い、このプラスミドを大腸菌K12 RV
308細胞に導入した。プラスミドpGAG1317の制限部位お
よび機能地図を第17図に示す。
実施例12 大腸菌K12 RV308/pLKSAの構築 実質上、実施例1の教示に従ってプラスミドpGAG1317
を単離した。制限酵素Apa Iおよび10X Apa Iバッファー
(60mM Tris−HCl、pH7.4、60mM NaClおよび60mM MgC
l2)を用いた外は実質上、実施例2の方法に従い、プラ
スミドpGAG1317約10μを消化した。37℃で2時間イン
キュベートした後、反応を止め、エタノール沈澱に付し
た後、10Xウシ腸アルカリホスファターゼバッファー(C
IAP)(5M Tris−HCl、pH9.0、10mM MgCl2、10mM ZnC
l2、100mMスペルミジン)5μ、水44μ、CIAP1μ
(〜7単位)に再懸濁した。この反応混合物を37℃で15
分間、次いで56℃で15分間インキュベートした。CIAPを
さらに1μ加え、反応混合物を37℃で15分間、次い
で、56℃で15分間インキュベートした。反応を止め、実
質上、実施例2の方法に従い、DNAベカターを調製し
た。
実質上、実施例4の教示に従い、Apa I末端とXba I末
端とを有するDNAリンカーを合成した。このリンカー
は、式: で示される配列を有する。このリンカーを実質上、実施
例2の方法に従い、Apa I消化プラスミドpGAG1317にラ
イゲートした。得られたライゲーション反応混合物を4
℃で一夜インキュベートした。ライゲーション反応の
後、反応混合物をXba Iバッファー組成を有するよう、
調製した(6mM Tris−HCl、pH7.4、10mM NaCl、および6
mM MaCl2)。制限酵素Xba I約10μ(100単位)を反応
混合物に加え、37℃で2時間インキュベートした。
実質上、実施例11Cの教示に従い、反応を終了させ、X
ba I消化DNAを沈澱させ、再懸濁した後、制限酵素EcoR
Iで消化した。37℃で2時間経過後、反応混合物を沈澱
させ、実質上、実施例11Aの方法に従い、ポリアクリル
アミドゲルに適用し、〜500bp Xba I−EcoR I断片を単
離し、溶離して精製した。
プラスミドpL110C(実施例10記載)約1μgを、実質
上、実施例11C記載の方法に従って制限酵素EcoR Iで消
化した。37℃で1時間経過後、10×Xba I、バッファー2
0μと制限酵素XbaI 5μとを反応混合物に加え、37
℃でさらに1時間インキュベートした。反応を止め、実
質上、実施例11B記載の方法に従ってDNAをアガロースゲ
ル電気泳動にかけ、大きいベクターバンドを単離した。
上記のごとくにして単離したEcoR I−Apa I/Xba I断片
を次いで、Xba I−EcoR I消化pL110Cにライゲートさ
せ、実質上、実施例2および3記載の方法に従い、得ら
れたプラスミドで大腸菌K12 RV308を形質転換した。得
られたプラスミドをpLKSA−Bと命名した。プラスミドp
LKSA−Bの制限部位および機能地図を第18図に示す。
実質上、実施例2記載の方法に従って単離したプラス
ミドpLKSA−B10μgを、実質上、実施例11C記載の方法
に従って制限酵素EcoRIで消化し、実質上、実施例12記
載の方法に従って脱りん酸化した。次いで、DNAを沈澱
させ、実質上、実施例2記載の方法に従い、TE5μに
再懸濁した。実質上、実施例2記載の方法に従い、EcoR
I−BamH Iリンカーの5′−3′鎖約600pMをキナーゼ
処理した。これらのリンカーは、以下の構造を有する。
5′−AATTCTCAATGCAGGGTCTAAAATAAG−3′ 37℃で1時間インキュベートした後、反応混合物を90
℃で10分間処理してキナーゼを熱で不活化した。この反
応混合物に、EcoR I消化、りん酸化pLKSA−Bを、EcoR
I−BamH Iリンカーのりん酸化されていない相補鎖と一
緒に加えた。この鎖は式: 3′−GAGTTACGTCCCAGATTTTATTCCTAG−5′ で示される構造を有する。この反応混合物を室温まで徐
々に放冷することにより全相補鎖をアニールさせた。こ
の結果、式: で示される構造を有するリンカーが得られた。このリン
カーにおいてりん酸化されている唯一の塩基は5′末端
のアデニルである。次いで、実質上、実施例2記載の方
法に従い、全リンカーを一緒にライゲートした。ライゲ
ーション反応の後、反応混合物を、高塩バッファーの組
成を有するように調節した。制限酵素XbaI約10μ(10
0単位)を混合物に加え、得られた反応混合物を37℃で
2時間インキュベートした。実質上、実施例11A記載の
方法に従い、DNAをポリアクリルアミドゲル電気泳動に
かけ、〜500bp Xba I−EcoR I/BamH I断片を単離し、精
製した。
プラスミドpL110C約1μgを実質上、実施例2記載の
方法に従い、高塩バッファー中で制限酵素Xba IおよびB
amH Iで消化した。DNAを単離し、実質上、実施例11B記
載の方法に従ってアガロースゲルによって、大きいベク
ター断片を精製した。次いで、pLKSA−BのXba I−EcoR
I/BamH I断片をXba I−BamH I消化pL110Cにライゲート
させた。得られたプラスミドをpLKSAと命名した。プラ
スミドpLKSAの制限部位および機能地図を第19図に示
す。
プラスミドpLKSAを実質上、実施例2および3記載の
方法に従って大腸菌K12 RV308に導入した。1個のコロ
ニーを15μg/mlのテトラサイクリンを含有するLBブロス
50ml中、30℃で一夜培養した。次いで、温度を42℃に
し、インキュベーター中で培養物をさらに3時間振盪し
た。次いで、細胞をプレット化し、LBブロス4部とライ
シス(溶菌)ミックス1部に再懸濁した。ライシスミッ
クスは、1mM EDTA、0.17mg/mlリゾチーム、および6μg
/ml DNA水溶液からなる。培養物を氷上に1時間放置し
た後、−70℃で凍結、37℃で解凍を交互に行った。この
凍結−解凍処方をさらに2回繰返した後、細胞破片/KSA
をニトロセルロース上にブロッティングした。UCLA−P3
細胞から単離したKSAに対して惹起されたポリクローナ
ル抗体は、組換え体KSAを発現する培養物と特異的に反
応する。
実施例13 BKウイルスDNAの調製 BKウイルスはATCCから受託番号ATCCVR−837の下、入
手可能である。ウイルスは、凍結乾燥品として供給され
るので、それをハンク(Hunk's)の均衡塩類溶液(Gibc
o,3175 Staley Road,Grand Island,NY 14072)に、約10
5プラーク形成単位(pfu)/mlの力価になるように再懸
濁した。BKウイルスDNAの調製において最も好ましい宿
主は、フローラボラトリー(Flow Laboratories,Inc.,7
655 Old Springhouse Road,McLean,VA 22101)からカタ
ログ番号0−100の下、またはバイオプロダクツ(M.A.B
ioproducts)からカタログ番号70−151の下で入手可能
なヒト胚性腎(PHEK)細胞である。
全面成長した約106PHEK細胞を含有する75mm2ポリスチ
レンンフラスコ5個程度を用いてウイルスを調製する。
各フラスコ力価105pfu/mlのBKウイルス約1mlを加えた
後、37℃で1時間インキュベートし、新しい培養培地
(ダルベッコの改良イーグル培地、Gibco,10%ウシ胎児
血清を補充)を加え、感染した細胞を37℃で10−14日
間、またはウイルスの細胞毒性効果が完全に現れるまで
インキュベートする。細胞毒性効果は、細胞系統ごと
に、また、ウイルスごとに異なるが、一般に細胞のラウ
ンディング、クランピング、および培養皿からの離反を
伴う。
3回の凍結−解凍サイクルによって細胞からウイルス
を遊離させ、細胞破片を5000Xgにおける遠心分離により
除去する。上清1中に、PEG−600(100g)を加え、4
℃で24時間インキュベートし、5000Xgで20分間遠心する
ことによってウイルスを沈澱させ、収集する。ペレット
を0.1×SSCバッファー(1×SSCバッファーは、0.15M N
aClと0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7を含む)に、元の
容量の1/100になるように溶解する。ウイルス懸濁液を
チューブに入れた飽和KBr15mlに重ね、75,000Xgで3時
間遠心する。遠心後、KBr溶液中に2本のDNAバンドが認
められた。完全なビリオンを含有する低い方のバンドを
収集し、SephadexR G−50カラム(シグマ・ケミカルC
o.,P.O.Box14508,St.Louis,MO 63178)にかけ、TE(10m
M Tris−HCl、pH7.8、1mM EDTA)を溶離バッファーとし
て用い、脱塩処理する。
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)をカラムから得た精
製ビリオンの溶液に1%濃度で加えた後、プロナーゼを
濃度100μg/mlとなるように加えて得られた溶液を37℃
で2時間インキュベートした。次いで、塩化セシウムを
密度1.56g/mlとなるように加え、臭化エチジウムを終濃
度が100μg/mlとなるように加えた。溶液をソーボール
(Sorvall)(Dupont Inst.Products,Biomedical Divis
ion,Newton,CT 06470)865ローターまたは同様の縦型ロ
ーターで遠心する(260,000Xg、24時間)。遠心後、ウ
イルスDNAのバンドを単離し、100mM Tris−HCl、pH7.4
を飽和したイソアミルアルコールで5回抽出する。次い
で、BKウイルスDNAの溶液を、DNAの吸光度比260nm/280n
mが1.75から1.90の間になるまでTEバッファーに対して
透析する。NaCl濃度を0.15Mにし、2容量のエタノール
を加え、溶液を−70℃で少なくとも2時間インキュベー
トすることによりDNAを沈澱させ、12,000Xgで10分間遠
心した。得られたBKウイルスDNAのペレットを濃度1mg/m
lでTEバッファーに懸濁する。
実施例14 プラスミドpB Kneo1およびpB Kneo2の構築 大腸菌K12 HB101/pdB PV−MMTneo細胞は、ATCCから、
受託番号ATCC37224の下、凍結乾燥品として入手可能で
ある。凍結細胞を、アンピシリン100μg/mlを含有する
L−寒天プレートに置き、単一コロニー単離体が得られ
るまで37℃でインキュベートする。
アンピシリン50μg/mlを含有するLブロス(トリプト
ン10g、NaCl10g、および酵母エキス5g/)1に大腸
菌K12 HB101/pdB PV−MMTneoのコロニーを接種し、空気
振盪機により、37℃でO.D.590が〜1吸収単位になるま
でインキュベートし、その時点でクロラムフェニコール
150mgを培養物に加えた。約16時間インキュベーション
を続けた。クロラムフェニコールを加えると、タンパク
質合成が阻害されるので以後の細胞分裂は阻止される
が、プラスミドは複製する。
次いで、実質上、実施例1記載の方法に従い、プラス
ミドDNAをこの培養物から単離することにより、プラス
ミドpdB PV−MMTneo DNA約1mgを得、TEバッファー1mlに
懸濁し、−20℃で保存した。
上記で調製したプラスミドpdB PV−MMTneo DNA約5μ
g(5μ)および実施例13で調製したBKウイルスDNA5
μg(5μ)を、それぞれ、10×BamH Iバッファー
(60mM Tris−HCl、pH7.9、60mM MgCl2、1.5M NaClおよ
び1mg/ml BSA)2μ、制限酵素BamH I 1μおよび水
7μを含有する溶液中で37℃において2時間消化し
た。等容量のフェノール抽出によって反応を止めた後、
クロロホルムで2回抽出した。次いで、それぞれのBamH
I消化DNAを沈澱させ、遠心して収集し、水5μに再
懸濁した。
BamH I消化プラスミドpdB PV−MMTneo(1μ)およ
びBamH I消化BKウイルスDNA(1μ)の混合物に10×
リガーゼバッファー1μを加えた。T4DNAリガーゼ1
μ(〜1000単位)と水6μをDNA混合物に加え、得
られた反応混合物を16℃で一液インキュベートした。ラ
イゲートしたDNAは、BKウイルスDNAの方向性のみが異な
る、所望のプラスミドpBKneo1およびpB Kneo2を構成し
ていた。プラスミドpBKneo1は〜2.1kb Sal I−Hind III
制限断片を含有している。
大腸菌K12 HB101細胞は、NRRLから受託番号NRRL B−1
5626(寄託日、1983年9月28日)の下、凍結乾燥品とし
て入手可能である。大腸菌K12 HB101細胞を培養して形
質転換受容細胞とし、実質上、実施例3記載の方法に従
って上で調製したライゲートしたDNAで形質転換した。
形質転換した細胞を100μg/mlアンピシリンを含有する
L−寒天プレートに載せた。大腸菌K12 HB101/pB Kneo1
および大腸菌K12 HB101/pB Kneo2軽質転換体をそのアン
ピシリン耐性表現型およびそのプラスミドDNAの制限酵
素分析によって同定した。
実施例15 プラスミドpB Lcatの構築 A.中間体プラスミドpL Pcatの構築 アデノウイルス2(Ad2)のビリオンDNAは、サイズ約
35.94kbの二本鎖線状分子である。このAd2の後期プロモ
ーターは、Ad2ゲノムの〜0.316kb Acc I−Pvu II制限断
片上に単離し得る。この〜0.32kb制限断片はAd2ゲノム
のヌクレオチド番号5755〜6071の配列に相当する。所望
の〜0.32kb Acc I−Pvu II制限断片を単離するために、
まず、Ad2 DNAを制限酵素Bal Iで消化し、〜0.32kb Acc
I−Pvu II制限断片の全配列を含有する〜2.4kb Bal I
制限断片を単離する。次いで、〜2.4kb Bal I制限断片
をAcc IおよびPvu IIで消化し、所望の断片を得る。
Ad2 DNA(BRLまたはATCC VR−2から入手可能)約50
μgを水80μ、および10X Bal Iバッファー(100mM T
ris−HCl、pH7.6、120mM MgCl2、100mM DTT、および1mg
/ml BSA)10μに溶かす。Ad2 DNA溶液に制限酵素Bal
I約10μ(〜20単位)を加え、得られた反応混合物を3
7℃で4時間インキュベートする。
Bal I消化DNAをアガロースゲルに適用し、制限断片が
充分に分離するまで電気泳動させる。ゲルを臭化エチジ
ウムの希溶液(0.5μg/ml)によって染色し、長波長紫
外線(UV)を照射することにより、電気泳動したDNAを
観察する。アガロースからのDNAの単離法の1例を以下
に示す。所望の断片の前方に小さなスリットを入れ、各
スリットにNA−45DEAEメンブラン(SchleicherおよびSc
huell、Keen、NH13431)の小片を入れる。電気泳動を続
けると、DNAがDEAEメンブランと非共有結合的に結合す
る。所望の断片がDEAEメンブランと結合した後、メンブ
ランを取り出し、低塩バッファー(100mM KCl、0.1mM
EDTAおよび20mM Tris−HCl、pH8)によって洗浄する。
次いで、メンブランを小さい管に入れ、高塩バッファー
(1M NaCl、0.1mM EDTAおよび20mM Tris−HCl、pH8)に
浸漬した後、65℃で1時間インキュベートし、DEAEペー
パーからDNAを除く。65℃でのインキュベートの後、イ
ンキュベーションバッファーを集め、メンブランを高塩
バッファーで洗浄する。高塩−洗浄液を、高塩インキュ
ベーションバッファーと一緒に分取する。
DNAの高塩バッファー溶液をNaCl濃度が0.25Mとなるよ
うに調節した後、溶液に冷却した無水エタノールを3容
量加える。得られた溶液を混合し、−70℃で10−20分間
放置する。次いで、この溶液を15,000rpmで15分間遠心
する。もう一度沈澱させて残存塩を除去した後、DNAペ
レットをエタノール沈澱に付し、乾燥し、TEバッファー
20μに再懸濁すると、Ad2の所望の制限断片約3μg
が構成される。得られた精製断片をTEバッファー10μ
に溶かす。
Ad2の〜2.4kb Bal I制限断片の溶液に10X Acc Iバッ
ファー(60mM NaCl、60mM Tris−HCl、pH7.5、60mM MgC
l2、60mM DTTおよび1mg/ml BSA)2μと水約6μを
加える。このDNA溶液に制限酵素Acc I約2μ(〜10単
位)を加えた後、反応混合物を37℃で2時間インキュベ
ートする。Acc I消化の後、エタノール沈澱によりDNAを
集めて水16μおよび10X Pvu IIバッファー(600mM Na
Cl、60mM Tris−HCl、pH7.5、60mM MgCl2、60mM DTTお
よび1mg/ml BSA)2μに再懸濁する。制限酵素Pvu II
約2μ(約10単位)をDNA溶液に加えた後、反応混合
物を37℃で2時間インキュベートする。
Acc I−Pvu II消化したAd2の〜2.4kb Bal I制限断片
を〜6%ポリアクリルアミドゲル上におき、Ad2後期プ
ロモーターを含有するAcc I−Pvu II制限断片を他の消
化産物から分離する。ゲルを臭化エチジウムで染色し、
UV光の下で観察して〜0.32kb Acc I−Pvu II制限断片を
含有するゲルのセグメントをゲルから分離し、破砕し、
抽出バッファー(500mM NH4OAc、10mM MgOAc、1mM EDTA
および0.1%SDS)〜250μ中、室温で一夜浸漬する。
翌朝、混合物を遠心し、ペレットを捨てる。上清中のDN
Aをエタノールで沈澱させ、所望の断片が完全に沈澱し
たことを確認するためにtRNA約2μgを加える。〜0.32
kb Acc I−Pvu II制限断片約0.2μgを得、水7μに
懸濁する。
実質上、実施例2記載の方法に従って、キナーゼ処理
しておいたBcl Iリンカー(5′−CTGATCA−3′、New
England Biolabsから入手可)約0.25μg(0.5μ中)
を〜0.32kb Acc I−Pvu II制限断片の溶液に加え、次い
で、このDNA溶液にT4DNAリガーゼ1μ(〜1000単位)
と10Xリガーゼバッファー1μを加え、得られた反応
混合物を16℃で一夜インキュベートした。Bcl Iリンカ
ーはAcc I−Pvu II制限断片のPvu II末端とのみライゲ
ートした。後のDNA配列決定により、4個のBcl Iリンカ
ーがAcc I−Pvu II制限断片のPvu II末端に付加されて
いることが分かった。これらの余分のBcl Iリンカー
は、Bcu I消化によって除去できるが、これら余分のリ
ンカーを含有するベクターの適切な機能性はこれらリン
カーによって妨害されないので、除去せずにおいた。
大腸菌K12 HB101/pS V2 cat細胞は、受託番号ATCC371
55の下、ATCCから凍結乾燥品として入手可能である。該
細胞から実施例1記載の方法に従ってプラスミドpSV2ca
t DNAを単離した。プラスミドpS V2 cat DNA約1mgを
得、これをTEバッファー1mlに溶解した。プラスミドpS
V2 cat DNA約3μg(3μ)を10X Acc Iバッファー
2μおよび水16μに加えた後、pS V2 cat DNA溶液
に制限酵素Acc I 3μ(約9単位)を加え、得られた
反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。次い
で、Acc I消化プラスミドpS V2 catを、10X Stu Iバッ
ファー(1.0M NaCl、100mM Tris−HCl、pH8.0、100mM M
gCl2、60mM DTTおよび1mg/ml BSA)3μ、水5μ
および制限酵素Stu I約2μ(約10単位)を加えて、S
tu I消化した。反応混合物を37℃で2時間インキュベー
トした。反応混合物をフェノールで1回、次いでクロロ
ホルムで2回抽出して反応を止めた。所望の断片約0.5
μgを得、これをTEバッファー20μに溶かした。
Acc I−Stu I消化プラスミドpS V2 cat DNA約4μ
をAd2の〜0.32kb Acc I−Pvu II制限断片(Bcl Iリンカ
ーが付加されたもの)約7μと混合し、10Xリガーゼ
バッファー3μ、水15μおよびT4DNAリガーゼ2μ
(約1000単位)を加えた後、ライゲーション混合物を
16℃で一夜インキュベートした。ライゲートしたDNAは
所望のプラスミドpL Pcat、クロラムフエニコール・ア
セチルトランスフエラーゼ遺伝子を転写させ、発現させ
る位置にAd2後期プロモーターを含有するプラスミドを
構成していた。
ライゲートしたDNAを用い、実質上、実施例3記載の
方法に従い、大腸菌K12 HB101(NRRL B15626、1983年9
月28日寄託)細胞を形質転換した。形質転換した細胞を
50μg/mlアンピシリンを含有するL−寒天プレートに載
せた。プラスミドDNAの制限酵素分析により大腸菌K12 H
B101/pL Pcat形質転換体を同定した。以後の構築のため
に、実質上、実施例1記載のプラスミドDNA単離法に従
って形質転換体からプラスミドpL Pcatを単離した。
B.プラスミドpB Lcatの最終構築 TEバッファー50μ中のプラスミドpB Kneol DNA約88
μgを10×Acc Iバッファー7.5μ、水30μおよび制
限酵素Acc I 15μ(約75単位)に加え、得られた反
応混合物を37℃で2時間インキュベートした。Acc I消
化BKウイルスDNAをアガロースゲルに適用し、BKエンハ
ンサーを含有する〜1.4kb断片を他の消化産物から分離
した。次いで、〜1.4kb断片を実質上、実施例15A記載の
方法に従って単離した。この段〜5μgを10×Pvu IIバ
ッファー5μ、水45μ、および制限酵素Pvu II 5μ
(〜25単位)に再懸濁し、得られた反応混合物を37℃
で2時間インキュベートした。次いで、実質上、実施例
15Aに記載のごとくにしてPvu II消化DNAを単離し、ライ
ゲーションに備えた。所望の〜1.28kb Acc I−Pvu II断
片〜2μgを得、TEバッファー5μに溶解した。
プラスミドpL Pcat DNA約1μgを10×Acc Iバッファ
ー5μおよび水40μに溶解した。制限酵素Acc I〜
5μ(〜25単位)を加え、得られた反応混合物を37℃
でインキュベートした。Acc I消化プラスミドpL Pcat D
NAをエタノール沈澱に付し、次いで10×Stu Iバッファ
ー5μ、水40μおよび制限酵素Stu I 5μ(約2
5単位)に再懸濁し、得られた反応混合物を37℃で2時
間インキュベートした。Acc I−Stu I消化プラスミドpL
Pcat DNAを数回エタノール沈澱に付して大腸菌の複製
起源とAd2後期プロモーターを含有する約4.81kb制限断
片を、サイズ約16bpの他の消化産物から精製した。所望
の〜4.81kb制限断片約1μgを得、TEバッファー20μ
に溶解した。
プラスミドpL Pcatの約4.81kb Acc I−Stu I制限断片
5μをBKウイルスの約1.28kb Acc I−Pvu II制限断片
5μに加えた。10×リガーゼバッファー3μ、水15
μ、およびDNAリガーゼ2μ(約1000単位)を上記D
NA混合物に加えた後、得られたライゲーション混合物を
16℃で一夜インキュベートした。ライゲートしたDNAは
所望のプラスミドpB Lcatを構成していた。
ライゲートしたDNAを用い、実質上、実施例3記載の
方法に従い、大腸菌K12 HB101/pB Lcat DNA形質転換体
を、そのプラスミドDNAの制限酵素分析によって同定し
た。実質上、実施例3記載の方法に従い、プラスミドpB
Lcatを調製した。
実施例16 プラスミドpL133の構築 A.中間体プラスミドpS V2−HPC8の構築 プラスミドpH C7はヒトプロテインCをコードするDNA
を含有している。15μg/mlのテトラサイクリンを含有す
るLブロス1に大腸菌K12 RR1/pH C7(NRRL B−1592
6、寄託日、1985年1月29日)培養物を接種し、実質
上、実施例1記載の方法に従ってプラスミドpH C7DNAを
単離、精製した。この工程でプラスミドpH C7約1mgを
得、TEバッファー1mlに懸濁し、−20℃で保存した。
プラスミドpH C7DNA50mlを制限酵素Ban I 50μ(〜
50単位)、10×Ban I制限バッファー(1.5M NaCl、60mM
Tris−HCl、pH7.9、60mM MgCl2、および1mg/ml BSA)1
0μおよび35μ水と混合し、消化が完了するまでイ
ンキュベートした。次いで、Ban I消化プラスミドpH C7
DNAを3.5%ポリアクリルアミドゲル(29:1、アクリルア
ミド:ビスアクリルアミド)電気泳動にかけ、〜1.25kb
Ban I制限断片が他の消化産物から分離されるまで、泳
動させた。
〜1.25kb Ban I制限断片を含有するゲル領域を切除
し、試験管に入れ、小さい断片に破砕した。この断片を
含有する試験管に抽出バッファー(500mM NH4OAc、10mM
MgOAc、1mM EDTA、1%SDS、10mg/ml tRNA)1mlを加
え、試験管を37℃で一夜放置した。遠心によって破片を
ペレット化し、上清を新しい試験管に移した。抽出バッ
ファー200μで1回破片を洗浄し、洗浄上清を一夜培
養物から得た第一上清と一緒にした。上清をガラスウー
ルのプラグを通して濾過し、上清に2容量のエタノール
を加えて混合した。得られた溶液をドライアイス−エタ
ノール浴に〜10分間放置した後、遠心してDNAをペレッ
ト化した。
この工程で〜1.25kb Ban I制限断片約8μgが得られ
た。精製断片をTEバッファー10μに懸濁し、−20℃で
保存した。プラスミドpS V2−HPC8を構築するためにはB
an I制限断片にリンカーを付加して補正する必要があ
る。
リンカーの各一本鎖500pMをT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼ15単位(〜0.5μ)、10×リガーゼバッファー2
μ、500μM ATP、水7.5μを含有する反応バッファ
ー20μ中でキナーゼ処理した。キナーゼ反応混合物を
37℃で30分間インキュベートし、100℃で10分間インキ
ュベートして反応を止めた。キナーゼ処理の完了を確か
めるために、反応混合物を氷上で冷却し、反応混合物に
0.2Mジチオスレイトール2μ、5mM ATP2.5μおよび
T4ポリヌクレオチドキナーゼ15単位を加え、混合し、得
られた反応混合物を37℃でさらに30分間インキュベート
した。100℃で10分間インキュベートして反応を止め、
氷上で冷却した。
別個にキナーゼ処理した2本の一本鎖DNAリンカーを
キナーゼ処理の後、混合した。鎖をアニーリングするた
めに、水約150mlを含有する水浴中でキナーゼ反応混合
物を100℃で10分間インキュベートした。このインキュ
ベーションの後、水浴を閉鎖し、室温まで放冷した(約
3時間を要する)。キナーゼ処理したDNAを含有したま
まの試験管を入れた水浴をさらに4℃で一夜インキュベ
ートした。この工程によって一本鎖をアニーリングし
た。
構築されたリンカーは、式: で示される配列を有する。このリンカーを使用するまで
−20℃で保存した。
〜1.25kb Ban I断片〜8μgをリンカー〜50μ(〜
500pM)、T4DNAリガーゼ1μ(〜500単位)、10Xリガ
ーゼバッファー10μ、および水29μに加え、得られ
たライゲーション反応混合物を4℃で一夜インキュベー
トした。65℃で10分間インキュベーションすることによ
りライゲーション反応を止めた。溶液にNaOAcを終濃度
0.3Mまで加え、さらにエタノール2容量を加えてドライ
アイス−エタノール浴中で冷却し、遠心することによ
り、DNAをペレット化した。
DNAペレットを10X Apa I制限バッファー(60mM NaC
l、60mM Tris−HCl、pH7.4、60mM MgCl2、および60mM 2
−メルカプトエタノール)10μ、制限酵素Apa I 5μ
(〜50単位)および水85μに溶かし、反応混合物を
37℃で2時間放置した。次いで、反応を止め、上記の如
くにDNAをペレット化した。このDNAペレットを10X Hind
III制限バッファー10μ、制限酵素Hind III 5μ
(〜50単位)および水85μに加え、37℃で2時間、反
応させた。Hind III消化の後、反応混合物を3.5%ポリ
アクリルアミドゲルに適用し、実質上、実施例15A記載
の方法に従い、所望の〜1.23kb Hind III−Apa I制限断
片を単離した。所望の断片約5μgを得、TEバッファー
10μに懸濁して−20℃で保存した。
プラスミドpH C7 DNA50μを制限酵素Pst I 5μ
(〜50単位)、10X Pst I反応バッファー(1.0M NaCl、
100mM Tris−HCl、pH7.5、100mM MgCl2および1mg/ml BS
A)10μおよび水35μと混合し、37℃で2時間イン
キュベートした。次いで、Pst I消化プラスミドpH C7 D
NAを3.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、実
質上、上記の方法と同様にして所望の〜0.88kb断片を精
製した。所望の断片約5μgを得、TEバッファー10μ
に懸濁し、−20℃で保存した。
〜0.88kb PTs I断片〜5μgを、自動DNA合成装置に
より構築した。式: で示されるリンカー〜50μと混合した。このDNA混合
物にTEDNAリガーゼ約1μ(〜10単位)、10Xリガーゼ
バッファー10μおよび水29μを加え、得られたライ
ゲーション反応混合物を4℃で一夜インキュベートし
た。
65℃で10分間インキュベートしてライゲーション反応
を止めた。ライゲートしたDNAを沈澱させた後、DNAペレ
ットを10×Apa I反応バッファー10μ、制限酵素Apa I
5μ(〜50単位)、水85μに溶解し、反応混合物を
37℃で2時間放置した。次いで、反応を止め、再度、DN
Aをペレット化した。このDNAペレットを10×Bgl II反応
バッファー(1M NaCl、100mM Tris−HCl、pH7.4、100mM
MgCl2、100mM 2−メルカプトエタノール、1mg/ml BS
A)10μ、制限酵素Bgl II 5μ(〜50単位)および
水85μに溶かし、得られた反応混合物を37℃で2時間
インキュベートした。Bgl II消化の後、反応混合物を3.
5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、実質上、
上記と同様にして所望の〜0.19kb Apa I−Bgl II制限断
片を単離した。所望の断片約1μgを得、TEバッファー
10μに懸濁して−20℃で保存した。
プラスミドpS Vgpt DNA(ATCC37145)約10μgを10×
Hind IIIバッファー10μ、制限酵素Hind III 5μ
(〜50単位)および水85μに溶かし、得られた反応混
合物を37℃で2時間インキュベートした。次いで反応混
合物をNaOAc、0.25Mに調節し、2容量エタノールを加え
てドライアイス−エタノール浴中でインキュベートした
後、遠心してDNAをペレット化した。このDNAペレットを
10×Bgl IIバッファー10μ、制限酵素Bgl II 5μ
(〜50単位)および水85μに溶かし、得られた反応混
合物を37℃で2時間インキュベートした。Bgl II消化の
後、反応混合物を1%アガロースゲル電気泳動にかけ、
断片を分離させた。ゲルを臭化エチジウム染色し、紫外
線照射下で観察し、所望の〜5.19kb Hind III−Bgl II
断片をゲルから切り取り、透折チューブに入れ、DNAが
アガロースから放出されるまで電気泳動を続けた。透折
チューブから得たDNAを含有するバッファーをフェノー
ルおよびクロロホルムで抽出し、DNAを折出させた。ペ
レットをTEバッファー10μに再懸濁すると、所望の、
プラスミドpS Vgptの〜5.1kb Hind III−Bgl II制限断
片を構成していた。
〜1.23kb Hind III−Apa I制限断片2μ、〜0.19kb
Hind III−Apa I制限断片3μ、および〜5.1kb Hind
III−Bgl II制限断片2μを合し、10×リガーゼバッ
ファー10μ、T4DNAリガーゼ1μ(〜500単位)およ
び水82μと一緒に16℃で一夜インキュベートした。ラ
イゲートしたDNAは所望のプラスミドpS V2−HPC8を構成
していた。
実質上、実施例3記載の方法に従い、大腸菌K12 RR1
(NRRL B−15210、寄託日:1982年10月19日)細胞を形質
転換受容菌とした。上記のごとくにした調製した、ライ
ゲートしたDNAを用いて細胞を形質転換し、形質転換混
合物の一部を100μg/mlアンピシリンを含有するL−寒
天プレートに載せた。プレートを37℃でインキュベート
した。大腸菌K12 RR1/pS V2−HPC8形質転換体をそのプ
ラスミドDNAの制限酵素分析によって確認した。
B.プラスミドpL133の最終構築 プラスミドpS V2−HPC8の50μgを10×Hind IIIバッ
ファー10μ、制限酵素Hind III 5μ(〜50単位)お
よび水85μに溶かし、得られた反応混合物を37℃で2
時間インキュベートした。Hind III消化の後、DNAを沈
澱させ、DNAペレットを10×Sal I反応バッファー(1.5M
NaCl、60mM Tris−HCl、pH7.9、60mM MgCl2、60mM 2−
メルカプトエタノール、1mg/ml BSA)10μ、制限酵素
Sal I 5μ(〜50単位)および水85μに溶かした。
得られたSal I反応混合物を37℃で2時間インキュベー
トした。Hind III−Sal I消化プラスミドpS V2−HPC8を
3.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、所望の
〜0.29kb Hind III−Sal I制限断片が他の反応産物から
分離するまで泳動させた。所望の断片をゲルから単離
し、断片約2μgを得、TEバッファー10μに懸濁し
た。
プラスミドpS V2−HPC8の50μgを10×Bgl IIバッフ
ァー10μ、制限酵素Bgl II 50μ(50単位)および
水85μに溶かし、得られた反応混合物を37℃で2時間
インキュベートした。Bgl II消化の後、DNAを沈澱さ
せ、DNAペレットを10×Sal I反応バッファー10μ、制
限酵素Sal I 5μ(〜50単位)および水85μに溶か
した。得られたSal I反応混合物を37℃で2時間インキ
ュベートした。Sal I−Bgl II消化プラスミドpS V2−HP
C8を3.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、所
望の〜1.15kb Sal I−Bgl II制限断片が他の反応産物か
ら分離するまで泳動させた。〜1.15kb Sal I−Bgl II制
限断片をゲルから単離し、断片約8μgを得、TEバッフ
ァー10μに懸濁した。
プラスミドpS V2−β−グロビンDNA(NRRL B−1592
8、1985年1月29日寄託)約10μgを10×Hind IIIバッ
ファー10μ、制限酵素Hind III 5μ(〜50単位)お
よび水85μに溶かし、得られた反応混合物を37℃で2
時間インキュベートした。次いで反応混合物をNaOAc、
0.25Mに調節し、2容量のエタノールを加えてドライア
イス−エタノール浴中でインキュベートした後、遠心し
てDNAをペレット化した。Hind III消化プラスミドpS V2
−β−グロビンDNAを10×Bgl IIバッファー10μ、制
限酵素Bgl II 5μ(〜50単位)および水85μに溶か
し、得られた反応混合物を37℃で2時間インキュベート
した。Bgl II消化の後、反応混合物を1%アガロースゲ
ル電気泳動にかけ、断片を分離させた。所望の〜4.2kb
Hind III−Bgl II制限断片をゲルから単離した。所望の
断片約5μgを得、TEバッファー10μに懸濁した。
プラスミドpS V2−HPC8の〜0.29kb Hind III−Sal I
断片2μ、プラスミドプラスミドpS V2−HPC8の〜1.1
5kb Sal I−Bgl II断片2μ、およびプラスミドpS V2
−β−グロビンの〜4.2kb Hind III−Bgl II断片2μ
を合し、実質上、実施例16A記載の方法に従ってライゲ
ートさせた。ライゲートしたDNAは所望のプラスミドpL1
33を構成していた。プラスミドpS V2−HPC8ではなくプ
ラスミドpL133を形質転換用プラスミドとして用いるほ
かは実質上、実施例16Aの方法に従って所望の大腸菌K12
RR1/pL133形質転換体を構築した。
実施例17 プラスミドpL PCの構築 プラスミドpB Lcat DNA約20μgを10×Hind IIIバッ
ファー10μおよび水80μに溶かした。このプラスミ
ドpB Lcat DNAの溶液に制限酵素Hind III約10μ(〜1
00単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2時間イ
ンキュベートした。Hind III消化プラスミドpB Lcat DN
Aをアガロースゲルに適用し、BKエンハンサーとAD2後期
プロモーターとを含有する〜0.87kb Hind III制限断片
が他の消化産物から分離するまで電気泳動させた。次い
で、〜0.87kb断片を実質上、実施例15A記載の方法に従
って単離し、ライゲーション用に調製した。所望の断片
約2μgをTEバッファー5μに溶かした。
プラスミドpL133DNA約1.5μgを10×Hind IIIバッフ
ァー2μおよび水16μに溶解した。このDNA溶液に
制限酵素Hind III約1μ(〜10単位)を加え、得られ
た反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。次い
で、実質上、実施例12の方法に従い、DNAをTEバッファ
ー100μで希釈した後、ウシ腸アルカリホスファター
ゼで処理した。Hind III消化プラスミドpL133DNAをフェ
ノールで2回、クロロホルムで1回抽出し、エタノール
沈澱に付し、TEバッファー10μに懸濁した。
プラスミドpB Lcatの〜0.87kb Hind III制限断片約5
μをHind III消化プラスミドpL133 1.5μに加え
て、次いで、10×リガーゼバッファー1μ、水1.5μ
、およびT4DNAリガーゼ1μ(約1000単位)をこのD
NA溶液に加え、得られた反応混合物を16℃で一夜インキ
ュベートした。ライゲートしたDNAは所望のプラスミドp
L PCを構成していた。
ライゲートしたDNAを用い、実質上、実施例3記載の
方法に従い、大腸菌K12 HB101を形質転換した。形質転
換した細胞をアンピシリン含有L寒天プレート上で平板
培養し、大腸菌K12 HB101/pL PCを同定するために、ア
ンピシリン耐性形質転換体をプラスミドDNAの制限酵素
分析により、調べた。BKエンハンサーとAD2後期プロモ
ーターとを含有する〜0.87kb Hind III制限断片はHind
III消化プラスミドpL133に2方向の内、いずれの方向で
も挿入可能であり、〜1.0kb Nde I−Stu I断片を含有す
る構築物のみがpL PCを与える。
実施例18 プラスミドpL PChyg1およびpL PChyg2の構築 大腸菌K12 RR1/pS V2hrgは受託番号NRRL B−18039の
下、NRRLに寄託(寄託日:1986年2月11日)されてい
る。実質上、実施例1記載の方法に従ってプラスミドpS
V2hyg DNAを細胞から得た。
プラスミドpS V2hrg約10μg(TEバッファー10μ
中)を10×BamH Iバッファー2μおよび水6μに加
えた。制限酵素BamH I約2μ(約20単位)をこのDNA
溶液に加え、37℃で2時間インキュベートした。反応混
合物をまず、フェノール抽出した後、、クロロホルムで
2回抽出した。このBamH I消化プラスミドpS V2hyg DNA
をアガロースゲルに適用し、実質上、実施例15A記載の
方法に従ってハイグロマイシン耐性遺伝子を含有する〜
2.5kb制限断片を単離した。
BamH I消化プラスミドpS V2hyg DNAの溶液に10×クレ
ノウバッファー(4種類のdNTP各0.2mM、0.5M Tris−HC
l、pH7.8、50mM MgCl2、0.1M 2−メルカプトエタノー
ル、100μg/ml BSA)約5μおよび水35μを加えた
後、クレノウ酵素約25単位(約5μ、BRL供給)をDNA
溶液に加え、得られた反応混合物を16℃で30分間インキ
ュベートした。クレノウ処理したBamH I消化プラスミド
pS V2hyg DNAをフェノールで1回、次いでクロロホルム
で2回抽出し、エタノールで沈澱させた。所望の断片約
2μgを得、TEバッファー5μに懸濁した。
プラスミドpL PC DNA約10μg(10μ)を10×Stu I
バッファー2μおよび水6μに加えた。このDNA溶
液に制限酵素Stu I約2μ(〜10単位)を加え、得ら
れた反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。St
u I消化プラスミドpL PC DNAをエタノール沈澱に付し、
遠心して収集し、10×Nde Iバッファー(1.5M NaCl、0.
5M Tris−HCl、pH7.8、70mM MgCl2、60mM 2−メルカプ
トエタノール、1mg/ml BSA)2μおよび水16μに再
懸濁した。このStu I消化DNAに制限酵素Nde I約2μ
(〜10単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2時
間インキュベートした。
Nde I−Stu I消化プラスミドpLPC DNAをエタノールで
沈澱させ、遠心して収集し、10×クレノウバッファー5
μおよび水50μに再懸濁した。このDNA溶液にクレ
ノウ酵素約5μ(〜25単位)を加え、得られた反応混
合物を16℃で30分間インキュベートした。クレノウ反応
の後、反応混合物をアガロースゲルに適用し、〜5.82kb
Nde I−Stu I制限酵素断片をゲルから単離した。所望
の断片約5μgを得、TEバッファー5μに懸濁した。
プラスミドpS V2hygのクレノウ処理した〜2.5kb BamH
I制限断片約2μをプラスミドpL PCのクレノウ処理
した〜5.82kb Nde I−Stu I制限断片約1μと混合
し、10×リガーゼバッファー約3μ、水14μ、T4DN
Aリガーゼ2μ(〜1000単位)およびT4RRNAリガーゼ
1μ(〜1単位)をこのDNA溶液に加えた。得られた
反応混合物を16℃で一夜インキュベートした。ライゲー
トしたDNAは、プラスミドpS V2hygの〜2.5kbクレノウ処
理BamH I制限断片の方向性のみが異なる、所望のプラス
ミドpLPChyg1およびpLPChyg2を構成していた。ライゲー
トしたDNAを用い、実質上、実施例3記載の方法に従
い、大腸菌K12 HB101を形質転換した。所望の形質転換
体、大腸菌K12 HB101/pL PChyg1および大腸菌K12 HB101
/pL PChyg2をアンピシリン含有L寒天プレート上で平板
培養し、そのプラスミドDNAの制限酵素分析によって同
定した。
実施例19 プラスミドpBW32の構築 プラスミドpTPA102はヒト組織プラスミノーゲン活性
化因子(TPA)の暗号配列をコードしている。プラスミ
ドpTPA102は、大腸菌K12 MM294/pT PA102(NRRLから受
託番号NPPLB−15834に1984年8月10日に寄託された菌株
であり、受託番号NPPLB−15834の下、入手可能である)
から単離される。実質上、実施例1記載の方法に従い、
大腸菌K12 MM294/pTPA102からプラスミドpTPA102を単離
した。
プラスミドpTPA102約50μg(TEバッファー約50μ
中)を、10X Tthlll Iバッファー(0.5M NaCl、80mM Tr
is−HCl、pH7.4、80mM MgCl2、80mM 2−メルカプトエタ
ノールおよび1mg/ml BSA)10μおよび水80μに加え
た。このDNA溶液に制限酵素Tthlll I約10μ(〜50単
位)を加え、得られた反応混合物を65℃で2時間インキ
ュベートした。反応混合物をアガロースゲルに適用し、
TPA暗号領域を含む〜4.4kb Tthlll I制限断片をゲルか
ら単離した。他の消化産物である3.1kb制限断片および
0.5kb制限断片を捨てた。所望の〜4.4kb Tthlll I制限
断片を得、TEバッファー10μに懸濁した。
10Xクレノウバッファー約5μと水30μを〜4.4kb
Tthlll I制限断片を含有する溶液に加え、さらにクレ
ノウ酵素約5μ(〜5単位)を加えた後、反応混合物
を16℃で30分間、インキュベートした。クレノウ反応の
後、DNAをエタノール沈澱させ、10Xリガーゼバッファー
3μと水14μに再懸濁した。
式: で示される配列式を有するBamH Iリンカー(New Englan
d Biolabs)を以下の方法でキナーゼ処理し、ライゲー
ションに備えた。リンカー4μ(〜2μg)を水20.1
5μおよび10Xキナーゼバッファー(500mM Tris−HC
l、pH7.6および100mM MgCl2)5μに溶かし、90℃で
2分間インキュベートした後、室温まで冷却した。この
混合物にγ−32P−ATP5μ(〜20μCi)、1M DTT 2.5
μおよびポリヌクレオチドキナーゼ5μ1〜10単
位)を加え、37℃で30分間インキュベートした。次い
で、0.01M ATP3.35μおよびキナーゼ5μを加え、3
7℃でさらに30分間反応を継続した。リンカーが標的DNA
と結合したか否かを調べるのに、放射活性なATPが有用
である。
キナーゼ処理したBamH Iリンカー約10μを〜4.4kb
Tth III制限断片に加え、T4DNAリガーゼ2μ(〜1000
単位)およびT4RNAリガーゼ1μ(〜2単位)を加え
た後、ライゲーション反応混合物を4℃で一夜、インキ
ュベートした。ライゲートしたDNAをエタノール沈澱に
付し、10×Hind IIIバッファー5μおよび水40μに
再懸濁した。このDNA溶液に制限酵素Hind III約5μ
(〜50単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2時
間インキュベートした。
Hind III消化DNAをエタノール沈澱に付し、10×BamH
Iバッファー10μおよび水90μに再懸濁した。このD
NA溶液に制限酵素BamH I約10μ(〜100単位)を加
え、37℃で2時間インキュベートした。BamH I消化の
後、反応混合物をアガロースゲルに適用し、〜2.0kb Ba
mH I−Hind III制限断片をゲルから単離した。所望の断
片約4μgを得、TEバッファー約5μに懸濁した。
プラスミドpTPA103を構築するために、プラスミドpTP
A102由来の〜2.0kb BamH I−Hind III制限断片をBamH I
−Hind III消化プラスミドpRCに挿入した。プラスミドp
RCは、大腸菌trpオペロンのプロモーターおよびオペレ
ーター(trpPO)配列を含有する〜288bp EcoR I−Cla I
制限断片をEcoR I−Cla I消化プロモーターpKC7に挿入
することにより構築された。プラスミドpKC7は、ATCCか
ら、受託番号ATCC37084の下、大腸菌K12 N100/pKC7中に
得ることができる。trpPOを含有する〜288bp EcoR I−C
la I制限断片は、大腸菌K12 MM294/pTPA102(NRRLB−15
834)から単離されるプラスミドpTPA102から得られた。
プラスミドpKC7およびプラスミドpTPA102は上記の細胞
系統から、実質上、実施例1記載の方法に従って得るこ
とができる。プラスミドpTPA102の〜0.29kb EcoR I−Cl
a I制限断片は、大腸菌trp遺伝子の転写活性化配列およ
び大部分の翻訳活性化配列を含有しており、式: で示される配列を有する。
プラスミドpRCを構築するために、TEバッファー10μ
中に入れたプラスミドpKC7約2μgを10×Cla Iバッ
ファー(0.5M NaCl、60mM Tris−HCl、pH7.9、60mM MgC
l2、1mg/ml BSA)2μおよび水6μに加えた。この
プラスミドpKC7DNA溶液に制限酵素Cla I約2μ(〜10
単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2時間イン
キュベートした。Cla I消化プラスミドpKC7DNAをエタノ
ールで沈澱させ、10×EcoR Iバッファー2μおよび水
16μに再懸濁した。このCla I消化プラスミドpKC7DNA
溶液に制限酵素EcoR I約2μ(〜10単位)を加え、得
られた反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。
EcoR I−Cla I消化プラスミドpKC7DNAをフェノールで
1回、クロロホルムで2回抽出した。次いで、DNAをエ
タノール沈澱に付し、10×リガーゼバッファー3μと
水20μに再懸濁した。プラスミドpKC7の制限部位およ
び機能地図は、マニアティスらのMolecular Cloning(C
old Spring Harbor Labatory,1982)から知ることがで
きる。
TEバッファー約20μ中に入れたプラスミドpTPA102
約20μgを10×Cla Iバッファー10μおよび水60μ
に加えた。このプラスミドpTPA102DNA溶液に制限酵素Cl
a I約10μ(〜50単位)を加え、得られた反応混合物
を37℃で2時間インキュベートした。Cla I消化プラス
ミドpTPA102DNAをエタノールで沈澱させ、10×EcoR Iバ
ッファー10μおよび水80μに再懸濁した。このCla
I消化プラスミドpTPA102DNA溶液に制限酵素EcoR I約10
μ(〜50単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で
2時間インキュベートした。
EcoR I−Cla I消化プラスミドpTPA102DNAをフェノー
ルで1回抽出し、7%ポリアクリルアミドゲルに適用
し、trpPOを含有する〜288bp EcoR I−Cla I制限断片を
他の消化産物から分離した。〜288bp EcoR I−Cla I制
限断片をゲルから単離し、所望の断片約1μgを得、TE
バッファー5μに懸濁し、上で調製したEcoR I−Cla
I消化プラスミドpKC7DNA溶液に加えた。次いでこのDNA
混合物にT4DNAリガーゼ約2μ(〜1000単位)を加
え、得られたライゲーション反応混合物を16℃で2時間
インキュベートした。ライゲートしたDNAは所望のプラ
スミドpRCDNAを構成していた。
実質上、実施例2記載の方法に従い、ライゲートした
DNAで大腸菌K12 HB101コンピテント細胞を形質転換し
た。形質転換細胞を100μg/mlアンピシリンを含有する
L寒天プレートにより平板培養し、アンピシリン耐性形
質転換体を、そのプラスミドDNAの制限酵素分析により
スクリーニングし、所望の大腸菌K12 HB101/pRCコロニ
ーを同定した。実質上、実施例1記載の方法に従い、大
腸菌K12 HB101/pRC形質転換体からプラスミドpR C DNA
を得た。
TEバッファー2μ中のプラスミドpRC DNA約2μg
を10×Hind IIIバッファー2μおよび水16μに加え
た。このプラスミドpRC DNA溶液に制限酵素Hind III約
2μ(〜10単位)を加え、得られた反応混合物を37℃
で2時間インキュベートした。Hind III消化プラスミド
pRC DNAをエタノールで沈澱させ、10×BamH Iバッファ
ー2μおよび水16μに再懸濁した。このHind III消
化プラスミドpRC DNA溶液に制限酵素BamH I約2μ
(〜10単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2時
間インキュベートした。
BamH I−Hind III消化プラスミドpRC DNAをフェノー
ルで1回、クロロホルムで2回抽出した。DNAエタノー
ル沈澱に付し、10×リガーゼバッファー3μと水20μ
に再懸濁した。次いで、このBamH I−Hind III消化プ
ラスミドpRC DNAの溶液に、プラスミドpTPA102の〜2.0k
b Hind III−BamH I制限断片〜4μg(TEバッファー〜
5μ中)を加えた。このDNA混合物にT4DNAリガーゼ約
2μ(〜1000単位)を加え、得られたライゲーション
反応混合物を16℃で2時間インキュベートした。ライゲ
ートしたDNAは所望のプラスミドpTPA103DNAを構成して
いた。
望ましくない形質転換体を減少するために、ライゲー
トしたDNAを、pTPA103を切断しないがpRCを切断する制
限酵素Nco Iで消化した。線状DNAの大腸菌形質転換頻度
は閉環された、環状DNAのそれよりも低いので、ライゲ
ートしたDNAのNco I消化によって、望ましくない形質転
換が減少されることになる。ライゲートしたDNAを消化
するには、まず、DNAをエタノール沈澱に付し、10×Nco
Iバッファー(1.5M NaCl、60mM Tris−HCl、pH7.8、60
mM MgCl2、1mg/ml BSA)2μおよび水16μに再懸濁
した。このDNA溶液に制限酵素Nco I約2μ(〜10単
位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2時間インキ
ュベートした。
ライゲートした後、Nco I消化したDNAで大腸菌K12 RV
308(NRRL B−15624、1983年9月28日寄託)を形質転換
した。実質上、実施例3記載の方法に従い、大腸菌K12
RV308細胞をコンピテント細胞にし、形質転換した。形
質転換混合物を100μg/mlアンピシリンを含有するL寒
天プレートにより天板培養した。プラスミドpRCはカナ
マイシン耐性を付与するが、プラスミドpTPA103は付与
しないので、アンピシリン耐性形質転換体を、そのカナ
マイシンに対する感受性に関して試験した。次いで、ア
ンピシリン耐性でカナマイシン感受性の形質転換体を用
いてプラスミドDNAを調製し、そのプラスミドDNAを制限
酵素分析することにより大腸菌K12 RV308/pTPA103形質
転換体を同定した。大腸菌K12 RV308/pTPA103細胞か
ら、実質上、実施例1記載の方法に従い、プラスミドpT
PA103DNAを単離した。
B.中間体プラスミドpBW25の構築 TEバッファー1μ中のプラスミドpTPA103DNA約1μ
gを10×Bgl IIバッファー2μおよび水16μに加え
た。このプラスミドpTPA103DNA溶液に制限酵素Bgl II約
1μ(〜5単位)を加え、得られた反応混合物を37℃
で2時間インキュベートした。Bgl II消化プラスミドpT
PA103DNAをエタノールで沈澱させ、10×クレノウバッフ
ァー5μおよび水44μに再懸濁した。このBgl II消
化プラスミドpTPA103DNA溶液にクレノウ酵素約1μ
(〜1単位)を加え、得られた反応混合物を16℃で2時
間インキュベートした。クレノウ処理した、Bgl II消化
プラスミドpTPA103DNAをエタノールで沈澱させ、10×リ
ガーゼバッファー3μおよび水22μに再懸濁した。
クレノウ処理した、Bgl II消化プラスミドpTPA103DNA
溶液に、式: で示されるキナーゼ処理されていないNde Iリンカー約
2μ(0.2μg)、T4DNAリガーゼ2μ(〜1000単
位)、T4RNAリガーゼ1μ(〜2単位)を加え、得ら
れたライゲーション反応混合物を4℃で一夜インキュベ
ートした。ライゲートしたDNAは、実質上、プラスミドp
TPA10と同一のプラスミドであるpT PA103derNde Iを構
成していた。プラスミドpT PA103はBgl II認識配列を有
するがプラスミドpTPA103derNde IはNde I認識配列を有
する。
ライゲートしたDNAを用い、実質上、実施例2記載の
方法に従い、大腸菌K12 RV308コンピテント細胞を形質
転換した。形質転換細胞をアンピシリン含有L寒天プレ
ートにより平板培養し、プラスミドDNAの制限酵素分析
によって大腸菌K12 RV308/pTPA103derNde I形質転換体
を同定した。プラスミドpTPA103derNde Iを、以後の構
築に用いるために、実質上、実施例1記載の方法に従
い、形質転換体から単離した。
TEバッファー10μ中に入れたプラスミドpTPA103der
Nde I DNA約10μgを10×Ava IIバッファー(0.6M NaC
L、60mM Tris−HCl、pH8.0、60mM 2−メルカプトエタノ
ール、1mg/ml BSA)2μおよび水6μに加えた。こ
のDNAに制限酵素Ava II約2μ(〜10単位)を加え、
得られた反応混合物を37℃で2時間インキュベートし
た。
Ava II消化DNAをアガロースゲルに適用し、〜1.4kb制
限断片が他の消化産物から分離されるまで電気泳動させ
た。ゲルからプラスミドpTPA103derNde Iの〜1.4kb Ava
II制限断片を単離した。所望の断片約2μgを得、TE
バッファー5μに懸濁した。
10×クレノウバッファー約5μ、水35μ、および
クレノウ酵素5μ(約5単位)を〜1.4kb Ava II制限
断片溶液に加え、得られた反応混合物を16℃で30分間イ
ンキュベートした。クレノウ処理したDNAをエタノール
沈殿に付し、10×リガーゼバッファー3μと水14μ
に再懸濁した。
式: で示されるHpa Iリンカー〜2μgを、実質上、実施例1
0A記載の方法に従ってキナーゼ処理した。キナーゼ処理
したリンカー約10μを、T4DNAリガーゼ2μ(〜100
0単位)、T4RNAリガーゼ1μ(〜1単位)と一緒に、
クレノウ処理したプラスミドpTPA103derNde Iの〜1.4kb
Ava II制限断片の溶液に加え、得られた反応混合物を1
6℃で一夜インキュベートした。
ライゲートしたDNAをフェノールで1回、クロロホル
ムで2回抽出し、エタノール沈殿に付したのち、10×Ec
oR Iバッファー2μと水16μに再懸濁した。制限酵
素EcoR I〜2μ(〜10単位)をDNA溶液に加え、得ら
れた反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。Ec
oR I消化DNAをフェノールで1回、クロロホルムで2回
抽出し、エタノール沈殿に付したのち、10×リガーゼバ
ッファー3μと水20μに再懸濁した。このようにし
た調製された、大きさ〜770bpでtrpOとTPAのアミノ末
端をコードするこの断片は、一個のEcoR I適合性の末端
と一個の平滑末端とを有しており、これをEcoR I−Sma
I消化プラスミドpUC19にライゲートしてプラスミドpU C
19TPAFEを構築した。
プラスミドpU C19(ベセスダ・リサーチ・ラボラトリ
ーから入手可能)約2μを10×Sma Iバッファー(0.2
M KCl、60mM Tris−HCl、pH8.0、60mM MgCl2、60mM 2−
メルカプトエタノール、1mg/ml BSA)2μおよび水16
μに加えた。このDNA溶液に制限酵素Sma I約2μ
(〜10単位)を加え、得られた反応混合物を25℃で2時
間インキュベートした。Sma I消化プラスミドpUC19DNA
をエタノールで沈澱させ、遠心して集め、10×EcoR Iバ
ッファー2μおよび水16μに再懸濁した。このSma
I消化プラスミドpU C19DNA溶液に制限酵素EcoR I約2μ
(〜10単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で2
時間インキュベートした。EcoR I−Sma I消化プラスミ
ドpU C19DNAをフェノールで1回、クロロホルムで2回
抽出し、TEバッファー5μに再懸濁した。
EcoR I−Sma I消化プラスミドpU C19DNAを、プラスミ
ドpTPA103derNde Iから導かれた〜770bp EcoR I平滑末
端制限断片を含有する溶液に加えた。このDNA混合物にT
4DNAリガーゼ約2μ(〜1000単位)を加え、得られた
反応混合物を16℃で一夜インキュベートした。ライゲー
トしたDNAは所望のプラスミドpU C19TPAFEを構成してい
た。
プラスミドpU C19TPAFEの構築に利用したEcoR I認識
配列とSma I認識配列を含む、プラスミドpU C19の複数
のクローニング部位はlacZ α断片の暗号配列の中に位
置している。lacZ△M15突然変異(β−ガラクトシダー
ゼをコードするlacZ遺伝子における突然変異)を有す
る細胞内でlacZ α断片が発現すると、機能的なβ−ガ
ラクトシダーゼ分子が発現されるので、そのような細胞
は、無色の化合物であるX−gal(5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシッ
ド)を加水分解してインジゴ色の加水分解産物とするこ
とができる。プラスミドpU C19の複数のクローニング部
位にDNAを挿入すると、lacZ α断片の暗号配列が中断さ
れ、そのようなプラスミドの宿主であるlacZ△M15突然
変異を有する細胞はX−galを加水分解し得ない。プラ
スミドpU C19TPAFEを構成するライゲートしたDNAを用
い、実質上、実施例3記載の方法に従い、形質転換にコ
ンピテントな大腸菌K12 RR1△M15(NRRL B−15440,198
3年3月27日寄託)細胞を形質転換した。
形質転換細胞を100μg/mlアンピシリン、40μg/ml X
−gal、および1mM IPTGを含有するL−ブロスにより、
平板培養した。インジゴ色を呈しなかったコロニーを継
代培養し、プラスミドDNAの調製に用いた。プラスミドD
NAの制限酵素分析によって大腸菌K12 RR1△M15/pU C19
TPAFE形質転換体を同定した。以後の構築に備えて、実
質上、実施例1記載の方法に従い、大腸菌K12 RR1△M1
5/pU C19TPAFE細胞からプラスミドpU C19TPAFEDNAを単
離した。
TEバッファー20μ中に入れたプラスミドpU C19TPAF
E約7μgを10×Hpa Iバッファー(0.2M KCl、0.1M Tri
s−HCl、pH7.4、0.1M MgCl2)10μおよび水70μに
加えた。このプラスミドpU C19TPAFE DNA溶液に制限酵
素Hpa I約3μ(〜6単位)を加え、得られた反応混
合物を37℃で2時間インキュベートした。Hpa I部分消
化を行うために反応時間を短くした。反応混合物を1×
BamH Iバッファー(150mM NaCl、10mM Tris−HCl、pH7.
4、10mM MgCl2、Hpa Iを不活化するために塩濃度を高め
た)150μに調節した。この部分的Hpa I消化プラスミ
ドpU C19TPAFE DNAの溶液に、制限酵素Hpa I約1μ
(約16単位)を加え、得られた反応混合物を37℃で90分
間インキュベートした。
BamH I−部分的Hpa I消化プラスミドpU C19TPAFE DNA
をエタノール沈澱によって濃縮し、1.5%アガロースゲ
ルに適用し、レプリコン、β−ラクタマーゼ遺伝子およ
びプラスミドpU C19TPAFEのTPAをコードするDNA全部を
含有する〜3.42kb Hpa I−BamH I制限断片を、所望の断
片を含有するセグメントをゲルから切り取り、該セグメ
ントを凍結し、セグメントから液体を絞り取ることによ
り、ゲルから単離した。エタノール沈殿によってDNAを
液体から沈殿させた。所望の断片約1μgを得、TEバッ
ファー20μに懸濁した。
TEバッファー10μ中に入れたプラスミドpTPA103約1
0μgを10×Sca Iバッファー(1.0M NaCl、60mM Tris−
HCl、pH7.4、60mM MgCl2、10mM DTT、1mg/ml BSA)10μ
および水80μに加えた。このプラスミドpTPA103 DN
A溶液に制限酵素Sca I約3μ(〜18単位)を加え、得
られた反応混合物を37℃で90分間インキュベートした。
反応容量を1×BamH Iバッファー150μに調節し、制
限酵素BamH I約1μ(〜16単位)をこの混合物に加
え、37℃で90分間インキュベートした。DNAをエタノー
ル沈殿に付し、遠心して集め、電気泳動用の調製物に再
懸濁した。Sca I−BamH I消化プラスミドpTPA103DNAを
1.5%アガロースゲルに適用し、〜1.015kb Sca I−BamH
I制限断片を、他の消化産物から単離した。プラスミド
pTPA103のTPAカルボキシ末端をコードするDNAを含有す
る〜1.015kb Sca I−BamH I制限断片をゲルから単離し
た。所望の断片約0.5μgを得、ガラス−蒸留水20μ
に溶解した。
プラスミドpU C19TPAFEの〜3.42kb BamH −Hpa I制限
断片約2μを、10×リガーゼバッファー2μおよび
T4DNAリガーゼ1μ(〜1ワイス(Weiss)単位、プロ
メガ・バイオテク、2800 S.Fish Hatchery Road,Madiso
n,WI53711)と一緒に加え、得られた反応混合物を16℃
で一夜インキュベートした。ライゲートしたDNAは所望
のプラスミドpBW25を構成していた。
ライゲートしたDNAを用い、工程に50mM CaCl2を用い
る外は、実質上、実施例3記載の方法に従い、大腸菌K1
2 JM105(BRLから入手可能)を形質転換した。形質転
換細胞を100μg/mlアンピシリンを含有するBHI(Difco
ラボラトリー、デトロイト、MI)により平板培養し、大
腸菌K12 JM105/pBW25形質転換体を、そのプラスミドDN
Aの制限酵素分析によって同定した。制限酵素EcoR Iで
プラスミドpBW25を消化すると、〜3.38kbおよび〜1.08k
bの制限断片が得られる。以後の構築に用いるために、
実質上、実施例1記載の方法に従い、プラスミドpBW25
を調製した。
C.TPAコード化領域の部位特異的突然変異誘発およびプ
ラスミドpBW28の構築 ガラス蒸留水10μ中のプラスミドpBW25約5μgを1
0×Hind III反応バッファー約10μおよび80μに加
えた。制限酵素Hind III約1μ(〜20単位)をプラス
ミドpBW25の溶液に加え、得られた反応混合物を37℃で9
0分間インキュベートした。制限酵素EcoR I約3μ
(〜24単位)および1M Tris−HCl、pH7.6をHind III消
化プラスミドpBW25DNA溶液に加え、得られた反応混合物
を37℃で90分間インキュベートした。EcoR I−Hind III
消化プラスミドpBW25DNAをエタノール沈殿によって濃縮
し、1.5%アガロースゲル電気泳動にかけ、〜810bp Eco
R I−Hind III制限断片を他の消化産物から単離した。
〜810bp EcoR I−Hind III制限断片をゲルから単離し、
ライゲーション用に調製し、ガラス蒸留水20μに再懸
濁した。
ガラス蒸留水35μ中の複製型(RF)のM13mp8DNA
(ニュー・イングランド・バイラボから入手可能)約4.
5μgを10×Hind IIIバッファー10μおよび水55μ
に加えた。制限酵素Hind III約1μ(〜20単位)をM1
3mp8DNA溶液に加え、得られた反応混合物を37℃で1時
間インキュベートした。制限酵素EcoR I約3μ(〜24
単位)と1M Tris−HCl、pH7.6約10μをHind III消化M
13mp8DNA溶液に加え、得られた反応混合物を37℃で1時
間インキュベートした。Hind III−EcoR I消化M13mp8DN
Aをエタノール沈殿によって収集し、アガロースゲル電
気泳動用調製物に再懸濁し、ゲル電気泳動によって大き
い制限断片を単離した。M13mp8の大きいEcoR I−Hind I
II制限断片約1μgを得、ガラス蒸留水20μに懸濁し
た。M13mp8の大きいEcoR I−Hind III制限断片約2μ
、10×リガーゼバッファー2μ、水12μおよびT4
DNAリガーゼ〜1μ(〜1ワイス単位)をプラスミドp
BW25の〜810bp EcoR I−Hind III制限断片に加え、得ら
れたライゲーション反応混合物を16℃で一夜インキュベ
ートした。
大腸菌JM103細胞(BRLから入手可能)をコンピテント
細胞とし、トランスフェクション当たりのDNA使用量が
異なる外は、実質上、BRL M13クローニング/‘ジデオ
キシ’配列決定法の手引き(BRL M13 Cloning/‘Dideox
y'Sequencing Instruction Manual)に従って、ライゲ
ーション混合物でトランスフェクトした。β−ガラクト
シダーゼα−断片−コード化遺伝子の挿入による不活化
(それによってX−gal開裂能力を失い、インジゴ色し
た開裂産物を与えることができなくなる)に基づいて、
組換え体プラークを同定した。配列決定用に、6個の白
色プラークをLブロス2.5mlに拾いあげ、proA Bを担持
するFエピソームの維持を保証するために最小培地スト
ック中で培養された、対数増殖期の大腸菌K12 JM103
(0.4ml)を加えた。プラーク含有溶液を空気振盪機に
より37℃で8時間インキュベートした。1.5mlづつをと
り、その細胞をペレット化し、実質上、バーンボイムと
ドーリーのアルカリ性ミニスクリーン法(Nuc.Acids Re
s.7:1513、1979年)に従い、DNAを単離した。各培養物
の残りはストック用として4℃で保存した。所望のファ
ージ(pM8BW26と命名)は、M13mp8の〜7.2kb EcoR I−H
ind III制限断片にライゲートしたプラスミドpBW25の〜
810bp EcoR I−Hind III制限断片を含有していた。
対数増殖期の大腸菌JM103約50mlをpBW16でトランスフ
ェクトし、空気振盪機によって37℃で18時間インキュベ
ートした。低速遠心によってトランスフェクトした細胞
をぺレット化し、教示手引書に示された規模を拡大し、
培養上清から一本鎖pBW26DNAを調製した。室温で30分
間、37℃で60分間、次いで、10℃で18時間クレノウ反応
を行う外は、実質上、アデルマンら(Aderman)(198
3、DNA2(3):183−193)の方法に従い、一本鎖pBW26
を突然変異させた。さらに、20℃でS1処理を行い、バッ
ファーの塩濃度を業者の指示濃度の1/2とし、M13配列決
定プライマー(BRL)を用いた。固有のTPAのアミノ酸残
基87から261までをコードする配列を欠失するために用
いられた合成オリゴデオキシヌクレオチドプライマー
は、式: で示される。
実質上、上記の感染法に従い、得られた突然変異反応
混合物を用いて大腸菌K12 JM103をトランスフェクトし
た。RF DNAの制限酵素分析とマキシム(Maxim)および
ギルバート(Gilbert)のDNA配列決定法により、所望の
突然変異体を同定した。固有のTPAのアミノ酸残基87−2
61を欠失した配列を有する所望の突然変異体をpM8BW27
と命名した。
プラスミドpBW28の構築には、様々なDNA断片が必要で
あった。これらの断片の第1を得るために、ガラス蒸留
水20μ中のRF pM8BW27DNA〜20μgを10×Nde Iバッフ
ァー10μと水60μに加えた。このプラスミドpM8BW2
7DNAの混合物に制限酵素Nde I約10μ(〜50単位)を
加え、得られた反応混合物を37℃で2時間インキュベー
トした。Nde I消化プラスミドpM8BW27DNAをエタノール
で沈澱させ、遠心して収集し、10×EcoR Iバッファー10
μと水90μに再懸濁した。Nde I消化プラスミドpM8
BW27DNA溶液に制限酵素EcoR I約10μ(〜50単位)を
加え、得られた反応混合物を37℃で2時間インキュベー
トした。EcoR I−Nde I消化プラスミドpM8BW27DNAをア
ガロースゲル電気泳動にかけ、TPA暗号配列の欠失部位
の配列を包含する部分を含有する〜560bp Nde I−EcoR
I制限断片を他の消化産物から分離した。ゲルから〜560
bp Nde I−EcoR I制限断片を単離し、所望の断片約0.5
μgを得、ガラス蒸留水20μに懸濁した。
プラスミドpBW28の構築に必要な第2の断片は、自動D
NA合成機で構成された際には一本鎖である。ハイブリダ
イズされてXba IおよびNde Iオーバーラップを有する日
本鎖DNAセグメントを形成する相補的な2本の鎖を、実
質上、実施例2の方法に従い、キナーゼ処理し、アニー
リングする。該リンカーは、式: で示される配列を有する。
プラスミドpBW28の構築に必要な第3の断片は,TEバッ
ファー20μ中に入れたプラスミドpTRA103約20μgを1
0×BamH Iバッファー10μおよび水60μに加えて調
製した。プラスミドpTRA103DNAの溶液に制限酵素BamH I
約10μ(〜50単位)を加え、得られた反応混合物を37
℃で2時間インキュベートした。BamH I消化プラスミド
pT PA103DNAをエタノール沈殿させ、遠心して集め、10
×EcoR Iバッファー10μと水80μに再懸濁した。Ba
mH I消化プラスミドpTRA103DNAの溶液に制限酵素EcoR I
約10μ(〜50単位)を加え、得られた反応混合物を37
℃で2時間インキュベートした。BamH I−EcoR I消化プ
ラスミドpTPA103DNAをアガロースゲル電気泳動にかけ、
TPAのカルボキシ末端をコードする配列を含有する〜689
bp EcoR I−BamH I制限断片を他の消化産物から分離し
た。ゲルから〜689bp断片約0.5μgを単離し、ガラス蒸
留水10μに懸濁した。
プラスミドpBW28の構築に必要な最後の断片は、プラ
スミドpL110(実施例9に構築方法が記載されている)
から単離された。TEバッファー25μ中に入れたプラス
ミドpL110約25μgを10×Xba Iバッファー(0.5M NaC
l、60mM Tris−HCl、pH7.9、60mM MgCl2、1mg/ml BSA)
10μおよび水55μに加えた。このDNAに制限酵素Xba
I約10μ(〜50単位)を加え、得られた反応混合物を
37℃で2時間インキュベートした。Xba I消化プラスミ
ドpL110DNAをエタノールで沈澱させ、遠心して収集し、
10×BamH Iバッファー10μおよび水89μに際懸濁し
た。このXba I消化プラスミドpL110DNA溶液に制限酵素B
amH I約1μ(〜5単位)を加え、得られた反応混合
物を37℃で30分間インキュベートし、BamH Iで部分消化
した。Xba I−部分的BamH I消化プラスミドpL110DNAを
アガロースゲルに適用し、〜60kb Xba I−BamH I断片が
他の消化産物から明確に分離されるまで電気泳動させ
た。ゲルから〜6.0kb制限断片を単離した。〜6.0kb Xba
I−BamH I制限断片約0.5μgを得、ガラス蒸留水約40
μに懸濁した。この〜6.0kb Xba I−BamH I制限断片
はEK−BGHをコードするDNA以外の全プラスミドpL110を
含有している。
プラスミドpBW28の構築のために、以下の断片を混合
した。プラスミドpL110の〜6.0kb BamH I−Xba I制限断
片約0.1μg(〜8μ)、プラスミドpM8BW27の〜560b
p Nde I−EcoR I制限断片約0.05μg(〜2μ)、プ
ラスミドpTRA103の〜689bp EcoR I−BamH I制限断片約
0.1μg(〜2μ)および〜45bp Xba I−Nde I合成リ
ンカー約0.02μg(〜1μ)。このDNA混合物に10×
リガーゼバッファー約2μおよびT4DNAリガーゼ1μ
(〜1ワイス単位)を加え、得られたライゲーション
反応混合物を4℃で一夜インキュベートした。ライゲー
トしたDNAは所望のプラスミドpBW28を構成していた。
ライゲートしたDNAを用い、工程に50mM CaCl2を用い
る外は、実質上、実施例3記載の方法に従い、コンピテ
ント細胞とした大腸菌K12 MM294(NRRL B−15625、1983
年9月28日寄託)を形質転換した。プラスミドpBW28上
にはラムダpLプロモーターと温度感受性のラムダpLリプ
レッサーをコードする遺伝子が存在することにより、形
質転換工程および形質転換体の培養はやや異なってい
た。形質転換工程の間およびその後の培養期間中、細胞
を32℃以上の温度にさらすことはなかった。所望の大腸
菌K12 MM294/pBW28形質転換細胞をテトラサイクリン耐
性、アンピシリン感受性表現型およびそのプラスミドDN
Aの制限酵素分析によって同定した。
D.プラスミドpBW32の最終構築 プラスミドpSV2−β−グロビンDNA(NRRL B−15928、
1985年1月29日寄託)約10μgを10×Hind III反応バッ
ファー10μ、制限酵素Hind III 5μ(〜50単位)お
よび水85μに溶かし、得られた反応混合物を37℃で2
時間インキュベートした。次いで反応混合物をLiCl、0.
15Mに調節し、2.5容量のエタノールを加えてドライアイ
ス−エタノール浴中でインキュベートした後、遠心して
DNAをペレット化した。
DNAペレットを10×Bgl IIバッファー10μ、制限酵
素Bgl II 5μ(〜50単位)および水85μに溶かし、
得られた反応混合物を37℃で2時間インキュベートし
た。Bgl II消化の後、反応混合物を1%アガロースゲル
電気泳動にかけ、断片を分離させた。臭化エチジウム染
色し、紫外線照射下に観察し、所望の〜4.2kb Hind III
−Bgl II制限断片を前記のごとくゲルから単離した。ペ
レットを水10μに再懸濁すると、プラスミドpSV2−β
−グロビンの〜4.2kb Hind III−BamH I制限断片〜5μ
gを構成していた。TPAをコードするプラスミドpTPA103
の〜2.0kb Hind III−BamH I制限断片を実質上、既述の
方法に従ってプラスミドpTPA103から単離した。プラス
ミドpTPA103の〜2.0kb Hind III−BamH I制限断片5μ
gを得、水10μに懸濁し、−20℃で保存した。
プラスミドpSV2−β−グロビンの〜4.2kb Hind III−
Bgl II断片2μ、プラスミドpTPA103の〜2.0kb Hind
III−BamH I断片4μを合し、10×リガーゼバッファ
ー2μ、水11μ、およびT4DNAリガーゼ1μ(〜5
00単位)と一緒に4℃で一夜インキュベートした。ライ
ゲートしたDNAは所望のプラスミドpTPA103を構成してい
た。ライゲートしたDNAを用いて実質上、実施例3記載
のごとくにしてコンピテント細胞とした大腸菌K12 RR1
細胞(NRRL B−15210)を形質転換した。実施例1記載
の方法に従い、プラスミドDNAを大腸菌K12 RR1/pTPA103
から得た。
プラスミドpSV2−dhfrは形質転換された真核性細胞の
選択およびdhfr遺伝子と共有結合的に結合したDNAの増
幅に有用である。プラスミドpSV2−dhfr(大腸菌K12 HB
101/pSV2−dhfr、ATCC 37146から単離)を10×Pvu IIバ
ッファー10μ、Pvu II制限酵素2μ(〜20単位)お
よび水88μと混合し、得られた反応混合物を37℃で2
時間インキュベートした。フェノールおよびクロロホル
ム抽出によって反応を止め、Pvu II消化プラスミドpSV2
−dhfrDNAを沈殿させ、遠心して収集した。
以下の工程に従ってBamH Iリンカー(5′−CGGATCCC
G−3′)をキナーゼ処理し、以下のごとくにライゲー
ションに備えた。水5μ中のリンカー1μgに、5×
キナーゼ塩(300mM Tris−HCl、pH7.8、50mM MgCl2、25
mM DTT)10μ、5mM ATP5μ、1mg/ml BSA5μ、10m
Mスペルミジン5μ、水19μ、および10単位/μ
ポリヌクレオチドキナーゼ1μを加えた。次いで、こ
の反応混合物を37℃で60分間インキュベートした後、−
20℃で保存した。Pvu II消化プラスミドpSV2−dhfr 5μ
(〜5μg)およびキナーゼ処理したBamH Iリンカー
12μ(〜.25μg)を混合し、水11μ、10×リガー
ゼバッファー2μ、およびT4DNAリガーゼ1μ(〜1
000単位)と一緒に16℃で一夜インキュベートした。
10×BamH I反応バッファー10μ、BamH I制限酵素10
μ(〜50単位)、および水48μをこのライゲーショ
ン反応混合物に加え、37℃で3時間インキュベートし
た。反応混合物を1%アガロースゲルに適用し、dhfr遺
伝子を含有する所望の〜1.9kb断片をゲルから単離し
た。本明細書記載の全実施例におけるリンカーの付加反
応では、最終ベクター中に複数のリンカー配列が存在す
る可能性を減ずるために、常に、アガロースゲルによる
精製を行った。断片〜3μgを得、TEバッファー10μ
に懸濁した。
次いで、プラスミドpTPA301約15μ(〜1μg)
を、上記のごとく、制限酵素BamH Iで消化した。プラス
ミドpTPA301は唯一のBamH I部位を含有するので、この
消化によって線状プラスミドpTPA301DNAが生成される。
BamH I消化プラスミドpTPA301をエタノール沈殿に付
し、水94μに再懸濁し、ウシ腸アルカリホスファター
ゼ(Collaborative Reseach,Inc.,128 Spring Street,L
exington,MA 02173)1μ、および1M Tris−HCl、pH
9.0(5μ)を用い、65℃で45分間りん酸化処理し
た。DNAをフェノール:クロロホルム抽出、次いで、ク
ロロホルム:イソアミイルアルコール抽出の後、エタノ
ール沈澱に付し、水20μに懸濁した。りん酸化プラス
ミドpTPA301(10μ、〜0.25μg)をBamH I、dhfr遺
伝子含有制限断片5μ(〜1.5μg)、10×リガーゼ
バッファー3μ、水9μ、およびT4DNAリガーゼ3
μ(約1500単位)に加えた。得られたライゲーション
反応混合物を15℃で一夜インキュベートした。ライゲー
トしたDNAは所望のプラスミドpTPA303DNAを構成してい
た。
プラスミドpTPA303を用い、大腸菌K12 RR1(NRRL B−
15210、1982年10月19日寄託)を形質転換し、得られた
大腸菌K12 RR1/pTPA303形質転換体をそのアンピシリン
耐性表現型とプラスミドDNAの制限酵素分析により、同
定した。実質上、実施例1記載の方法に従って形質転換
体からプラスミドpTPA303を単離した。
pBR322レプリコンとβ−ラクタマーゼ遺伝子をコード
する〜2.7kb EcoR I−Bgl II制限断片をプラスミドpTPA
301から単離するために、プラスミドpTPA301約10μgを
全反応容量を400μとし、1×Bgl IIバッファー中、
制限酵素Bgl II 20単位で37℃において完全消化した。B
gl II消化の後、Tris−HCl濃度を110mMに調節し、このB
gl II消化DNAにEcoR I制限酵素20単位を加えた。37℃で
2時間インキュベートした。EcoR I−Bgl II消化DNAを
アガロースゲルに適用し、所望の〜2.7kb EcoR I−Bgl
II制限断片が他の消化産物から分離するまで電気泳動さ
せ、〜2.7kb制限断片を単離し、ライゲーションに備え
た。
dhfr遺伝子を含有する制限断片を単離するために、プ
ラスミドpTPA303をHind IIIおよびEcoR I制限酵素で2
重消化し、dhfr遺伝子を含有する〜2340bp EcoR I〜Hin
d III制限断片を単離し、回収した。
TPAのカルボキシ末端とSV40プロモーターをコードす
る領域を含有するプラスミドpTPA303の〜2kb Hind III
−Sst I制限断片を単離するために、プラスミドpTPA303
を、1×Hind IIIバッファー中、Hind IIIおよびSst I
制限酵素により、完全消化した。ゲルから〜1.7kb断片
を単離し、ライゲーションに備えた。
改変されたTPAのアミノ末端をコードする領域を含
む、プラスミドpBW28の〜680bp Xho I(Bgl IIオーバー
ラップとのライゲーションに適合性を有する)−Sst I
制限断片を単離するために、プラスミドpBW28約10μg
を1×Xho IIバッファー(0.1M Tris−HCl、pH8.0、0.1
M MgCl2、0.1M Triton X−100、および1mg/ml BSA)
中、制限酵素Xho IIで完全消化した。Xho II消化DNAを
エタノール沈殿によって回収した後、Sst I酵素で完全
消化した。Xho II−Sst I消化DNAをアクリルアミドゲル
に適用し、所望の断片をゲルから単離し、ライゲーショ
ンに備えた。
上記各断片約0.1μgづつ、即ち、プラスミドpTPA301
の〜2.7kb EcoR I−Bgl II制限断片、プラスミドpTPA30
3の〜2.34kb EcoR I−Hind III制限断片、プラスミドpT
PA303の〜1.7kb Sst I−Hind III制限断片、およびプラ
スミドpBW28の〜0.68kb Sst I−Xho II制限断片をライ
ゲートし、プラスミドpBW32を構築した。ライゲーショ
ン混合物を用い、工程にCaCl2を用いる外は、実質上、
実施例3記載の方法に従って大腸菌K12 MM294を形質転
換した。形質転換体をそのアンピシリン耐性表現型とプ
ラスミドDNAの制限酵素分析により、同定した。実質
上、実施例1記載の方法に従って大腸菌K12 MM294/pBW3
2形質転換体からプラスミドpBW32DNAを単離した。
実施例20 プラスミドpLPChd1およびpLPChd2の構築 プラスミドpBW32約20μg(TEバッファー20μ中)
を10×BamH Iバッファー10μおよび水60μに加え
た。制限酵素BamH I約10μ(約50単位)をこのプラス
ミドpBW32DNA溶液に加え、得られた反応混合物を37℃で
2時間インキュベートした。BamH I消化プラスミドpBW3
2をエタノール沈殿に付し、遠心して収集し、10×クレ
ノウバッファー5μ、水45μおよびクレノウ酵素約
2μ(〜100単位)に再懸濁した。反応混合物を16℃
で30分間インキュベートした後、反応混合物をアガロー
スゲル電気泳動にかけ、消化産物が明瞭に分離するまで
泳動させた。クレノウ処理した、dhfr遺伝子を含有する
プラスミドpBW32の〜1.9kb BamH I制限断片をゲルから
単離し、実質上、実施例15A記載の方法に従い、ライゲ
ーションに備えた。所望の断片約4μgを得、TEバッフ
ァー5μに懸濁した。
TEバッファアー100μ中のプラスミドpL PChyg1約20
0μgを10×EcoR Iバッファー15μおよび水30μに
加えた。このプラスミドpL PChyg1 DNA反応溶液に制限
酵素EcoR I約5μ(〜50単位)を加え、得られた反応
混合物を37℃で約30分間インキュベートした。この短い
反応時間は、EcoR Iによる部分消化のために算出され
た。プラスミドpL PChyg1は2個のEcoR I制限部位を有
し、その1個はハイグロマイシン耐性付与(HmR)遺伝
子内にある。プラスミドpL PChyg1のHmR遺伝子以外の部
分に存在するEcoR I部位にdhfr遺伝子含有制限断片を挿
入することが望ましい。EcoR Iで部分消化したプラスミ
ドpL PChyg1 DNAをアガロースゲル電気泳動にかけ、単
一箇所で切断されたプラスミドpL PChyg1が、未切断の
ものや、他の消化産物から分離するまで泳動させた。単
一箇所で切断されたDNAをゲルから単離し、実質上、実
施例15A記載の方法に従い、ライゼーションに備えた。
単一のEcoR I部位で切断されたプラスミドpL PChyg1約
2μgを得、TEバッファー25μに懸濁した。この試料
にクレノウ酵素約5μ(〜25単位)、10×クレノウバ
ッファー5μ、水40μを加え、得られた反応混合物
を16℃で60分間インキュベートした。次いで、クレノウ
処理した部分的EcoR I消化DNAをフェノールで1回、ク
ロロホルムで2回抽出し、エタノールで沈澱させ、TEバ
ッファー25μに再懸濁した。
プラスミドpBW32のクレノウ処理した〜1.9kb BamH I
制限断片約5μおよび単一箇所でEcoR I切断された、
プラスミドpL PChyg1 DNA約5μを混合し、このDNA混
合物に10×リガーゼバッファー1μ、水5μ、T4DN
Aリガーゼ1μ(〜500単位)、およびT4RNAリガーゼ
1μ(〜1単位)を加え、得られた反応混合物を16℃
で一夜インキュベートした。ライゲートしたDNAはdhfr
遺伝子を含有する〜1.9kb断片の方向性のみが異なる所
望のプラスミドpL PChd1およびpL PChd2を構成してい
た。
ライゲートしたDNAを用いて実質上、実施例3記載の
ごとくにして形質転換コンピテント細胞とした大腸菌K1
2 HB101細胞を形質転換した。形質転換細胞を100μg/ml
アンピシリン含有L寒天プレートにより平板培養し、ア
ンピシリン耐性形質転換体をそのプラスミドDNAの制限
酵素分析に委ね、大腸菌K12 HB101/pL PChd1および大腸
菌K12 HB101/pL PChd2形質転換体を同定した。本明細書
の開示の目的に従い、プラスミドpL PChd1をプラスミド
pL PChdと命名した。プラスミドpL PChdの制限部位およ
び機能地図を第20図に示す。実質上、実施例1記載方法
に従い、適当な形質転換体からプラスミドpL PChd1 DNA
およびプラスミドpL PChd2 DNAを単離した。
実施例21 発現ベクターpA LPKSAの構築 制限酵素BssH IIおよび10×BssH IIバッファー(250m
M NaCl、60mM Tris−HCl、pH7.4、および60mM MgCl2
を用いる外は、実質上、実施例2記載の方法に従い、プ
ラスミドpGAG1317(10μg)を消化した。次いで、実質
上、実施例5記載の方法に従い、クレノウを用いてこの
制限部位の5′オーバーラップを充填した。反応を停止
し、DNAを沈澱させた。次いで、制限酵素Hinc IIおよび
10×Hinc IIバッファー(1M NaCl、100mM Tris−HCl、p
H7.4、および70mM MgCl2)を用いる外は、実質上、実施
例2記載の方法に従い、DNAを消化した。37℃で2時間
経過後、DNAを沈澱させた後、アガロースゲルに適用
し、実質上、実施例11B記載の方法に従い、〜1200bp Hi
nc II−BssH II切断し、充填した断片を単離、精製し
た。
制限酵素Bcl IIおよび10×Bcl Iバッファー(750mM K
Cl、60mM Tris−HCl、pH7.4、および100mM MgCl2)を用
いる外は、実質上、実施例2記載の方法に従い、プラス
ミドpL PChd約10μgを消化した。37℃で2時間経過
後、実質上、実施例5記載の方法に従い、クレノウを用
いてこの制限部位の5′オーバーラップを充填した。反
応を停止し、DNAを沈澱させた。次いで、このDNAを実質
上、実施例12記載の方法に従い、ウシ腸アルカリホスフ
ァターゼで処理した。次に、DNAをアガロースゲル電気
泳動にかけ、大きいBcl I−Bcl Iベクター断片を単離
し、実質上、実施例11B記載の方法に従い、精製した。
Hinc II−BssH II切断し、充填したプラスミドpGAG13
17の〜1200bp断片を実質上、実施例2記載の方法に従
い、pL PChdのBcl I切断ベクターにライゲートさせる。
次いで、得られたプラスミドを用い、実質上、実施例3
記載の方法に従い、大腸菌K12 RV308を形質転換する。
このラーゲーションにより、抗原の方向性のみが異なる
2種類のプラスミドが得られる。pL PChdの後期プロモ
ーターによって誘導される抗原断片を含有する所望のプ
ラスミドpA LPKSAの制限部位および機能地図を第21図に
示す。
実施例22 発現ベクターpA LPKSAの真核性宿主細胞形質
転換体の構築 発現ベクターpA LPKSAは、米国特許No.07/129,028に
開示されたBKエンハンサーを含有している。BKエンハン
サーは、E1A遺伝子産物の存在下、遺伝子の発現を刺激
する。293細胞は構成的にE1A遺伝子産物を発現するの
で、293細胞は、本発明の真核性発現ベクターの宿主細
胞として好適である。293細胞は、5型アデノウイルス
(注:本発明の方法に用いるE1A遺伝子産物は、特定の
型のアデノウイルスによって供給されるものではない)
によって形質転換されたヒト胚性腎細胞であって、ATCC
から、受託番号CRL1573の下、入手可能である。しかし
ながら、本発明の発現ベクターは、たとえE1A遺伝子産
物の非存在下でも、広範な宿主細胞内で機能的である。
また、E1A遺伝子産物を、E1A遺伝子を含有するベクタ
ー、または分断したアデノウイルスDNAによる形質転
換、あるいはアデノウイルスによる感染のいずれかによ
り、非−E1A産生細胞系統に導入してもよい。
下記の形質転換工程は293細胞を宿主細胞系統とする
ものであるが、該工程は、大多数の真核性細胞系統に一
般的に適用される、293細胞をATCCから、受託番号CRL15
73の下、25mm2のフラスコに、10%熱不活化ウマ血清を
含有するEagleの最少必須培地中、約5.5×106細胞から
なる単層の全面培養物として入手可能である。フラスコ
を37℃で培養し、培地を1週間に2回づつ交換する。培
地を捨て、ハンク(Hunk)の均衡塩類溶液(Gibco)で
洗浄し、1−2分間0.25%トリプシンを加え、新鮮な培
地で洗浄し、吸引し、継代培養比1:5または1:10で新し
いフラスコに分散することにより、継代培養する。
形質転換の1日前に細胞を0.7×106細胞/皿の割合で
撒く。形質転換の4時間前に培地を交換する。TEバッフ
ァーに溶解した、滅菌し、エタノール沈殿させたプラス
ミドDNAを用いて40μg/ml DNAと150mM CaCl2を含有する
2×DNA−CaCl2溶液を調製する。280mM NaCl、50mM Hep
esおよび1.5mMりん酸ナトリウムを含有させ、pH7.05−
7.15に調節して2×HBSを調製する。2×DNA−CaCl2
液を、等量の滅菌した2×HBSに滴下する。綿栓を有す
る1mlの滅菌したプラスチック製ピペットを、2×HBSを
入れた混合チューブに挿入し、DNAを添加する間中、空
気を吹き込んで泡を生じさせる。撹拌しないで、室温で
30−45分間放置し、りん酸カルシウム−DNA沈殿物を形
成させる。
次いで、プラスチック製ピペットで沈殿を静かにピペ
ッティングして混合し、沈殿1ml(プレート当たり)
を、受容細胞を覆っている増殖培地10mlに直接加える。
37℃で4時間インキュベートした後、10%ウシ胎仔血清
を含んだDMEMで培地を交換し、さらに細胞を72時間イン
キュベートした後、選択圧をかける。真核性細胞内で機
能的な選択マーカーを含有していないプラスミドの場合
には、形質転換工程にプラスミド混合物(選択マーカー
を欠く発現ベクターと、真核性細胞内で機能的な選択マ
ーカーを含有する発現ベクター)を用いる。この同時形
質転換法により、両方の形質転換プラスミドを含有する
細胞が同定される。
ハイグロマイシン耐性付与遺伝子を含有するプラスミ
ドでトランスフェクトされた細胞の場合には、終濃度が
約200−400μg/mlとなるようにハイグロマイシンを増殖
培地に加える。次いで、3−4日間隔で培地交換を行い
ながら細胞を37℃で2−4週間インキュベートする。得
られたハイグロマイシン耐性コロニーを特性化するため
に別個の培養フラスコに移す。ネオマイシン耐性コロニ
ー(ネオマイシンの代わりにG418をも用いる)の選択
は、ハイグロマイシンではなく、ネオマイシンを終濃度
400μg/mlとなるように加える外は、実質上、ハイグロ
マイシン耐性細胞の選択と同様に行われる。293細胞はd
hfr陽性なので、dhfr遺伝子を含有するプラスミドを含
んだ293形質転換体は、ヒポキサンチンおよびチミジン
を欠く培地での増殖能力である、dhfr陽性表現型のみに
基いて選択することはできない。機能的なdhfr遺伝子を
欠如しており、dhfr含有プラスミドで形質転換された細
胞系統であれば、dhfr+表現型に基づいて選択し得る。
ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子を欠如する細胞
系統内に遺伝子またはプラスミドを導入するための選択
マーカーとしてdhfr遺伝子を用い、次いで、メトトレキ
セートを用いてプラスミドのコピー数を増幅することは
文献中に確立されている。dhfr産生細胞でのdhfrの選択
および増幅マーカーとしての使用は充分に研究されてい
ないが、dhfrを、dhfr産生細胞における選択マーカーお
よび遺伝子の増幅に用い得ることは、文献の事実から示
唆されている。本発明の用途は用いる選択マーカーによ
って限定されるものではない。メタロチオナイン遺伝
子、アデノシンンデアミナーゼ遺伝子、またはp−グリ
コプロテイン(p−糖タンパク質)のようなマルチジー
ン・レジスタンス・ファミリー(複数耐性遺伝子類)等
の増幅可能なマーカー類を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpKC283の制限部位および機能地図、
第2図はプラスミドpKC283PXの制限部位および機能地
図、第3図はプラスミドpKC283−Lの制限部位および機
能地図、第4図はプラスミドpKC283−LBの制限部位およ
び機能地図、第5図はプラスミドpKC283PRSの制限部位
および機能地図、第6図はプラスミドpL32の制限部位お
よび機能地図、第7図はプラスミドpNM789の制限部位お
よび機能地図、第8図はプラスミド120の制限部位およ
び機能地図、第9図はプラスミドpL47の制限部位および
機能地図、第10図はプラスミドpPR12の制限部位および
機能地図、第11図はpPR12AR1の制限部位および機能地
図、第12図はプラスミドpL110の制限部位および機能地
図、第13図はプラスミドpL110Cの構築模式図およびその
制限部位および機能地図、第14図はプラスミドpAG932の
制限部位および機能地図、第15図はプラスミドpAG1338
の制限部位および機能地図、第16図はプラスミドpGEMTM
の制限部位および機能地図、第17図はプラスミドpGAG13
17の制限部位および機能地図、第18図はプラスミドpLKS
A−Bの制限部位および機能地図、第19図はプラスミドp
LKSAの制限部位および機能地図、第20図はプラスミドpL
PChdの制限部位および機能地図、第21図はプラスミドpA
LPKSAの制限部位および機能地図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 エイミー・エリザベス・ハミルトン アメリカ合衆国インディアナ46227、イ ンディアナポリス、イースト・サウスポ ート・ロード3718番 (72)発明者 ジョン・リチャード・スポーツマン アメリカ合衆国インディアナ46268、イ ンディアナポリス、クレイバーン・ドラ イブ4725番 (72)発明者 ジョーン・ストルナッド アメリカ合衆国インディアナ46052、レ バノン、ローズローン・ドライブ2201番 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12N 1/00 - 5/18 C12P 21/00 - 21/06 BIOSIS(DIALOG) EPAT(QUESTEL) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: (式中、ALAはアラニン残基、ARGはアルギニン残基、AS
    Nはアスパラギン残基、ASPはアスパラギン酸残基、CYS
    はシステイン残基、GLNはグルタミン残基、GLUはグルタ
    ミン酸残基、GLYはグリシン残基、HISはヒスチジン残
    基、ILEはイソロイシン残基、LEUはロイシン残基、LYS
    はリシン残基、METはメチオニン残基、PHEはフェニルア
    ラニン残基、PROはプロリン残基、SERはセリン残基、TH
    Rはスレオニン残基、TRPはトリプトファン残基、TYRは
    チロシン残基、VALはバリン残基を表す) で示されるアミノ酸残基配列を有するタンパク質をコー
    ドしているDNAを含有する組換えDNA化合物。
  2. 【請求項2】暗号鎖が、式: (式中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
    ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルを表す) で示されるものである請求項1記載の組換えDNA化合
    物。
  3. 【請求項3】式: (式中、各記号は上記定義に従う) で示されるアミノ酸残基配列の末端アルギニン残基が請
    求項1記載の配列の最初のアラニン残基に結合すること
    により、さらに、該アミノ酸残基配列をコードしている
    DNAをも含有する請求項1記載のDNA化合物。
  4. 【請求項4】暗号鎖が、式: (式中、各記号は上記定義に従う) で示される請求項3記載のDNA化合物。
  5. 【請求項5】式: (式中、各記号は上記定義に従う) で示されるアミノ酸残基配列の末端アラニン残基が請求
    項3記載の配列の最初のアラニン残基に結合することに
    より、さらに、該アミノ酸残基配列をコードしているDN
    Aをも含有する請求項3記載のDNA化合物。
  6. 【請求項6】暗号鎖が、式: (式中、各記号は上記定義に従う) で示される請求項5記載の組換えDNA化合物。
  7. 【請求項7】請求項2、4または6のいずれかに記載の
    DNA化合物を含有する組換えDNAベクター。
  8. 【請求項8】下記の式: で示されるプラスミドpGAG1317である請求項7記載の組
    換えDNAベクター。
  9. 【請求項9】下記の式: で示されるプラスミドpAG932、式: で示されるプラスミドpAG1338、式: で示されるプラスミドpLKSA−B、または式: で示されるプラスミドpLKSAからなる群から選択される
    ものである組換えDNAベクター。
  10. 【請求項10】組換え宿主細胞内でKSAを発現させる方
    法であって、 (1)該宿主細胞を、 (a)該宿主細胞内で機能的なプロモーターおよび翻訳
    活性化配列、および (b)式: (式中、ALAはアラニン残基、ARGはアルギニン残基、AS
    Nはアスパラギン残基、ASPはアスパラギン酸残基、CYS
    システイン残基、GLNはグルタミン残基、GLUはグルタミ
    ン酸残基、GLYはグリシン残基、HISはヒスチジン残基、
    ILEはイソロイシン残基、LEUはロイシン残基、LYSはリ
    シン残基、METはメチオニン残基、PHEはフェニルアラニ
    ン残基、PROはプロリン残基、SERはセリン残基、THRは
    スレオニン残基、TRPはトリプトファン残基、TYRはチロ
    シン残基、VALはバリン残基を表す) で示されるアミノ酸残基配列を有するKSAをコードして
    おり、該プロモーターによって発現される位置にあるDN
    A配列を含有する組換えDNA発現ベクターで形質転換し、 (2)工程(1)で形質転換された宿主細胞をKSAの発
    現に適した条件下で培養することからなる方法。
  11. 【請求項11】該組換え宿主細胞が大腸菌細胞および29
    3細胞からなる群から選択されるものである請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】工程(2)における組換え宿主細胞が大
    腸菌K12 RV308/pLKSAである請求項11記載の方法。
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