【発明の詳細な説明】
E6結合タンパク質
[政府の助成]
本明細書に記載の業績は、米国国立衛生研究所交付番号第CM44174 号からの助
成によって部分的に支援された。したがって、合衆国政府は本発明に一定の権利
を有する。
[発明の背景]
乳頭腫ウイルス(PV)は、広く普及した、重篤なヒトの疾患、特に生殖器や
口腔の粘膜の癌腫に関連している。現在、生殖路のヒト乳頭腫ウイルス(HPV
)感染症に罹患した数千万の女性が、近隣のどこかに存在すると推定される。こ
れらの女性の多くは、遂には子宮頚部の癌を発症する。例えば、世界中の女性の
癌死全体のうち約20%は、HPVに付随する癌によると推定されている。子宮
頚癌全体のうち90%がHPVに関連するとも推定されている。
乳頭腫ウイルスは、皮膚または粘膜上皮の良性過増殖、異形成性過増殖および
悪性過増殖を誘発する[例えば、乳頭腫ウイルスの分子的、細胞的および臨床的
側面の総説については、MansurおよびAndrophy(1993)、Biochim.Biophys.Ac
ta、1,155 :323 〜345 ;Pfister (1984)、Rev.Physiol.Biochem.Pharmac
ol.、99:111 〜181 ;ならびにBrokerら(1986)、Cancer Cells、4:17〜36
を参照されたい]。ほとんど70種類のヒト乳頭腫ウイルスの類型が同定されて
おり、異なる乳頭腫ウイルスの類型が、別個の疾病を生じることが知られている
[Pfister (1987)、Adv.Cancer Res.、48:113 〜147 ;Syrjanen(1984)、
Obstet.Gynecol.Survey、39:252 〜265]。ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は
、扁平上皮の過増殖性病変(疣、コンジローム)、前癌性病変および悪性病変(
癌腫)に付随するDNA腫瘍ウイルスの一異種群である。例えば、HPVの1お
よび2型は、尋常性疣贅を生じ、6および11型は、外性器、肛門および子宮頚
部の疣を生じる。HPVの16、18、31および33は、子宮頚癌全体の約5
0%に存在するHPV−16による子宮頚癌の大部分から単離されている。こ
れらのHPVは、「高危険性」と呼ばれる。HPV6および11は、子宮頚部の
疣の最も一般的な単離体であるが、これらの感染症が浸潤性の癌へと進行するこ
とは滅多になく、そのため、これらのHPBは、「低危険性」と呼ばれる。
癌腫におけるウイルス遺伝子発現の研究は、悪性の発症の際の、HPVにコー
ドされる2種類のタンパク質、すなわちE6およびE7の重要性を示唆し、これ
らのタンパク質が、形質転換や不死化の活性をコードしていることを示した。2
種類のタンパク質は、アデノウイルスやSV40のような、他の小型のDNA腫
瘍ウイルスの形質転換タンパク質との多少の機能的類似を示す。E7は、機能お
よび構造上の特徴をアデノウイルスE1Aと共有する。AdE1Aや、ポリオー
マウイルスの大型のTタンパク質と同様に、E7はpRBを複合させることがで
きる。同様に、「高危険性」HPVにコードされるE6腫瘍タンパク質は、p5
3との複合体を形成できる。生体外では、E6タンパク質は、p53の分解を促
進し、この分解は、ユビキノン依存性プロテアーセ系を必要とする。p53調節
機能のような、細胞性負の調節タンパク質の選択的分解は、支配的な作用性腫瘍
タンパク質に対する作用の説明を与える。ヒト子宮頚部発癌の際のpRBおよび
p53の正常な機能の不活化の関連性は、一連のHPV陽性およびHPV陰性細
胞系におけるこれら2遺伝子やそれらの産物の分析によって、最近立証されてい
る。これらの研究は、腫瘍サプレッサータンパク質であるpRBやp53の正常
な機能の不活化が、突然変異、またはHPVE6やE7腫瘍タンパク質との複合
体形成のいずれかによる、ヒト子宮頚部発癌の重要な段階であるとの意見を裏付
ける。
[発明の要約]
本発明は、真核細胞、特にヒトの細胞における、乳頭腫ウイルス形質転換タン
パク質E6と、以後「E6結合タンパク質」または「E6−BP」と呼ぶ、ある
種の細胞性タンパク質との新規なタンパク質−タンパク質相互作用の発見に関す
る。
一般的には、本発明は、E6−BPSD-7というポリペプチド、好ましくはE6
−BPSD-7ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-7
ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリペ
プチドは、配列番号8のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以
上相同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配
列と基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、10、2
0、50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、配列番
号8からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上、より
好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E6−BPSD-7
ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の調節の作動
体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-7ポリペプチドの1種類以上の生物学
的活性を有するペプチドは、配列番号8の配列とはアミノ酸配列が異なってよい
が、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方式で
機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性を有
する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
配列番号8と相同なタンパク質の好適実施態様では、該タンパク質は、約50
キロダルトン、例えば45〜55kDの範囲内、例えば48〜52kDの範囲内の分
子量を有する。
好適実施態様では、該ペプチドは、配列番号8の第1〜133残基からの1、
2、3または5個以上の、好ましくは10、20および30個のアミノ酸残基を
有する。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号8で表されるタンパク質からの抗原決定基、例え
ば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエピトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、E6−BPSD-8ポリペプチド、好ましくはE6−B
PSD-8ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-8ポリ
ペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活性を
有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリペプチ
ドは、配列番号9のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以上相
同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列と
基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、10、20、
50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、配列番号9
からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上、より好ま
しくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E6−BPSD-8
ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の調節の作動体か
、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-8ポリペプチドの1種類以上の生物学
的活性を有するペプチドは、配列番号9の配列とはアミノ酸配列が異なってよい
が、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方式で
機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性を有
する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号9で表されるタンパク質からの抗原決定基、例え
ば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエビトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、E6−BPSD-12ポリペプチド、好ましくはE6−
BPSD-12ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-12
ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリペ
プチドは、配列番号10のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95%
以上相同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号10のアミノ
酸配列と基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、10
、20、50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、配
列番号10からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上
、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E6
−BPSD-12ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の調
節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-12ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有するペプチドは、配列番号10の配列とはアミノ酸配列が異なって
よいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方
式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性
を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号10で表されるタンパク質からの抗原決定基、例
えば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエピトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、E6−BPSD-16ポリペプチド、好ましくはE6−
BPSD-16ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-16
ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリペ
プチドは、配列番号11のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95%
以上相同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号11のアミノ
酸配列と基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、1
0、20、50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、
配列番号11からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以
上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E
6−BPSD-16ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の
調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-16ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有するペプチドは、配列番号11の配列とはアミノ酸配列が異なって
よいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方
式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性
を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号11で表されるタンパク質からの抗原決定基、例
えば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエピトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、E6−BPSD-22ポリペプチド、好ましくはE6−
BPSD-22ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-22
ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリペ
プチドは、配列番号12のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95%
以上相同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号12のアミノ
酸配列と基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、10
、20、50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、配
列番号12からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上
、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E6
−BPSD-22ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の調
節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-22ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有するペプチドは、配列番号12の配列とはアミノ酸配列が異なって
よいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方
式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性
を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号12で表されるタンパク質からの抗原決定基、例
えば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエピトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、E6−BPSD-28ポリペプチド、好ましくはE6−
BPSD-28ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-28
ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリ
ペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95
%以上相同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号13のアミ
ノ酸配列と基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、1
0、20、50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、
配列番号13からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以
上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E
6−BPSD-28ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の
調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-28ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有するペプチドは、配列番号13の配列とはアミノ酸配列が異なって
よいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方
式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性
を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号13で表されるタンパク質からの抗原決定基、例
えば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエピトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、E6−BPSD-32ポリペプチド、好ましくはE6−
BPSD-32ポリペプチドの実質的に純粋な調製物、または組換えE6−BPSD-32
ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様では、該ポリペプチドは、生物学的活
性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を特異的に結合し;該ポリペ
プチドは、配列番号14のアミノ酸配列と60%、80%、90%または95%
以上相同であるアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、配列番号14のアミノ
酸配列と基本的に同じアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、長さが5、10
、20、50、100または150アミノ酸以上であり;該ポリペプチドは、配
列番号14からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上
、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;E6
−BPSD-32ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細胞増殖の調
節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、本発明は、拮抗体活性を有し、好ましくは、例えば内在性
E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制でき;乳頭腫ウイ
ルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;アポプトーシスを遮断
または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞、例えば高危
険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31または−33感染細
胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を阻害でき;乳頭腫ウ
イルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、
−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)による細胞の感染を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞
の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険
性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭
腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害できるE6結合タンパ
ク質を包含する。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-32ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有するペプチドは、配列番号14の配列とはアミノ酸配列が異なって
よいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方
式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の特徴性
を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、E6結合タンパク質は、第二のポリペプチド部分
、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係なアミノ酸
配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって、例えば
第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり;例えば
第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二のポリペプ
チド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパク質は、
二ハイブリッド検定法で機能性である。
本発明の更にもう一面は、免疫原性調製物中にE6−BPポリペプチドを含む
免疫原に関し、該免疫原は、該E6−BPポリペプチドに特異的な免疫応答、例
えば体液性応答、例えば抗体応答;例えば細胞性応答を誘発できる。好適実施態
様では、該免疫原は、配列番号14で表されるタンパク質からの抗原決定基、例
えば独自決定基を含む。
本発明のそれ以上の一面は、E6−BP免疫原のエピトープと特異的に反応す
る抗体調製物を特徴とする。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-7ポリペプチドをコードしているヌクレオ
チド配列を有する実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コードさ
れるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパ
ク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸
配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列を有し
;該コードされるポリペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列と基本的に同じア
ミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、20、5
0、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプチドは、
配列番号8からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上
、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;コー
ドされるE6−BPSD-7ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば細
胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-7ポリペプチドの1種類以上の生物学
的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号8の配列とはアミノ酸配列
が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類
似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質に無関係な
アミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であって
、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであり
;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二の
ポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タンパ
ク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-7核酸は、例えば、E
6−BPSD-7遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう、
E6−BPSD-7遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プロモ
ーターまたは転写エンハンサーの少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPSD-7ポリペプチドをコ
ードする核酸は、配列番号1の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号1の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号1の40以上
の連続ヌクレオチドに対応する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。更にもう一つの好適実施態様では、E6−BPコード核酸は、配列番号8
の第1〜133残基間の4以上の連続アミノ酸、より好ましくは10以上の連続
アミノ酸、はるかに好ましくは20以上のアミノ酸残基をコードしている部分配
列に対応する核酸プローブとハイブリッド形成する。
好適実施態様では、該核酸配列は、配列番号8の第1〜133アミノ酸残基を
コードしている配列番号1の領域からの1、2、3または5個以上の、好ましく
は10、20、50または100以上のヌクレオチドを有し;コードされるペプ
チドは、配列番号8の第1〜133アミノ酸残基からの1、2、3、5、10、
20または30アミノ酸残基を有し;該ヌクレオチド配列は、配列番号1の第5
72〜875ヌクレオチド残基以外であり、例えばそれより長いか、または短く
、異なる3’末端もしくは異なる5’末端を有する。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-8ポリペプチドをコードしているヌクレオ
チド配列を有する、実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コード
されるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タン
パク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号9のアミノ
酸配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列を有
し;該コードされるポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列と基本的に同じ
アミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、20、
50、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプチドは
、配列番号9からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以
上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を含み;コ
ードされるE6−BPSD-8ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活性、例えば
細胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-8ポリペプチドの1種類以上の生物学
的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号9の配列とはアミノ酸配列
が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしくは類
似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質とは無関係
なアミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であっ
て、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであ
り;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二
のポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タン
パク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-8核酸は、例えばE6
−BPSD-8遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう、E
6−BPSD-8遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プロモー
ターまたは転写エンハンサーの配列の少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPポリペプチドをコード
している核酸は、配列番号2の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号2の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号2の40以上
の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-12ポリペプチドをコードしているヌクレ
オチド配列を有する、実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コー
ドされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タ
ンパク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号10のア
ミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列
を有し;該コードされるポリペプチドは、配列番号10のアミノ酸配列と基本的
に同じアミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、
20、50、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプ
チドは、配列番号10からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは
20個以上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を
含み;コードされるE6−BPSD-12ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活
性、例えば細胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-12ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号10の配列とはアミノ酸
配列が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一も
しくは類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質とは無関係
なアミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であっ
て、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであ
り;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二
のポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タン
パク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-12核酸は、例えばE
6−BPSD-12遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう
、E6−BPSD-12遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プ
ロモーターまたは転写エンハンサーの配列の少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPポリペプチドをコード
している核酸は、配列番号3の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号3の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号3の40以上
の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-16ポリペプチドをコードしているヌクレ
オチド配列を有する、実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コー
ドされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タ
ンパク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号11のア
ミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列
を有し;該コードされるポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列と基本的
に同じアミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、
20、50、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプ
チドは、配列番号11からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは
20個以上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を
含み;コードされるE6−BPSD-16ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活
性、例えば細胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-16ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号11の配列とはアミノ酸
配列が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一も
しくは類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質とは無関係
なアミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であっ
て、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであ
り;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二
のポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タン
パク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-16核酸は、例えばE
6−BPSD-16遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう
、E6−BPSD-16遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プ
ロモーターまたは転写エンハンサーの配列の少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPポリペプチドをコード
している核酸は、配列番号4の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号4の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号4の40以上
の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-22ポリペプチドをコードしているヌクレ
オチド配列を有する、実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コー
ドされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タ
ンパク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号12のア
ミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列
を有し;該コードされるポリペプチドは、配列番号12のアミノ酸配列と基本的
に同じアミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、
20、50、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプ
チドは、配列番号12からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは
20個以上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を
含み;コードされるE6−BPSD-22ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活
性、例えば細胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-22ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号12の配列とはアミノ酸
配列が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一も
しくは類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質とは無関係
なアミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であっ
て、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであ
り;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二
のポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タン
パク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-22核酸は、例えばE
6−BPSD-22遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう
、E6−BPSD-22遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プ
ロモーターまたは転写エンハンサーの配列の少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPポリペプチドをコード
している核酸は、配列番号5の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号5の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号5の40以上
の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-28ポリペプチドをコードしているヌクレ
オチド配列を有する、実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コー
ドされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タ
ンパク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号13のア
ミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列
を有し;該コードされるポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列と基本的
に同じアミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、
20、50、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプ
チドは、配列番号13からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは
20個以上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を
含み;コードされるE6−BPSD-28ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活
性、例えば細胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-28ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号13の配列とはアミノ酸
配列が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一も
しくは類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質とは無関係
なアミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であっ
て、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであ
り;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二
のポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タン
パク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-28核酸は、例えばE
6−BPSD-28遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう
、E6−BPSD-28遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プ
ロモーターまたは転写エンハンサーの配列の少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPポリペプチドをコード
している核酸は、配列番号6の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号6の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号6の40以上
の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。
本発明のもう一面は、E6−BPSD-32ポリペプチドをコードしているヌクレ
オチド配列を有する、実質的に純粋な核酸を提供する。好適実施態様では、コー
ドされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、乳頭腫ウイルスE6タ
ンパク質を特異的に結合し;該コードされるポリペプチドは、配列番号14のア
ミノ酸配列と60%、80%、90%または95%以上相同であるアミノ酸配列
を有し;該コードされるポリペプチドは、配列番号14のアミノ酸配列と基本的
に同じアミノ酸配列を有し;該コードされるポリペプチドは、長さが5、10、
20、50、100または150アミノ酸以上であり;該コードされるポリペプ
チドは、配列番号14からの5個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは
20個以上、より好ましくは50、100または150個以上の隣接アミノ酸を
含み;コードされるE6−BPSD-32ポリペプチドは、E6−PBの生物学的活
性、例えば細胞増殖の調節の作動体か、拮抗体かのいずれかである。
好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、拮抗体活性を有し、好まし
くは、例えば内在性E6−BPが誤発現されている腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑
制でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感染細胞の増殖を抑制でき;ア
ポプトーシスを遮断または誘導でき;乳頭腫ウイルス感染細胞、例えばHPV感
染細胞、例えば高危険性HPV感染細胞、例えばHPV−16、−18、−31
または−33感染細胞、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)感染細胞の増殖を
阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性HPV、例えばHP
V−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫ウイルス(BPV)
による細胞の感染を阻害でき;乳頭腫ウイルス、例えばHPV、例えば高危険性
HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−33、例えばウシ乳頭腫
ウイルスによる細胞の形質転換を阻害でき;あるいは乳頭腫ウイルス、例えばH
PV、例えば高危険性HPV、例えばHPV−16、−18、−31または−3
3、例えばウシ乳頭腫ウイルスによる細胞、例えばヒトの細胞の不死化を阻害で
きる。
好適実施態様では、主題のE6−BPSD-32ポリペプチドの1種類以上の生物
学的活性を有する該コードされるペプチドは、配列番号14の配列とはアミノ酸
配列が異なってよいが、そのような差異は、本来のE6結合タンパク質と同一も
しくは類似の方式で機能するか、または本来のE6結合タンパク質と同一もしく
は類似の特徴性を有する、修飾されたタンパク質を生じる。
更に別の好適実施態様では、該コードされるポリペプチドは、第二のポリペプ
チド部分、例えば配列番号8〜14のうち一つで表されるタンパク質とは無関係
なアミノ酸配列を有する第二のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質であっ
て、例えば第二のポリペプチド部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼであ
り;例えば第二のポリペプチド部分は、DNA結合ドメインであり;例えば第二
のポリペプチド部分は、ポリメラーゼ活性化ドメインであり;例えば該融合タン
パク質は、二ハイブリッド検定法で機能性である。
その上、一定の好適実施態様では、主題のE6−BPSD-32核酸は、例えばE
6−BPSD-32遺伝子配列を発現ベクターとしての用途に適するようにするよう
、E6−BPSD-32遺伝子配列に機能的に結合した転写調節配列、例えば転写プ
ロモーターまたは転写エンハンサーの配列の少なくとも一方を含むことになる。
更にもう一つの好適実施態様では、本発明のE6−BPポリペプチドをコード
している核酸は、配列番号7の12以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配
列番号7の20以上の連続ヌクレオチド;より好ましくは配列番号7の40以上
の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形成
する。
本発明は、トランス遺伝子を有するトランスジェニックな、ヒトではない動物
、例えばマウス、ラット、ウサギまたはブタ、例えば、本明細書に記載の新規E
6−BP遺伝子、例えばヒトに由来する遺伝子、または内在性E6−BP遺伝子
を誤発現する遺伝子のうち一つの異種形態を有する(かつ好ましくは発現する)
動物、例えば、主題のE6−BPのうち一つまたはそれ以上の発現が混乱してい
る動物を特徴とする。そのようなトランスジェニック動物は、突然変異したか、
または誤発現されたE6−BP対立遺伝子を含む細胞性疾患を研究するための、
あるいは薬物のふるい分けに用いるための動物モデルとして役立て得る。
本発明は、配列番号1〜7のうち一つ、または天然に産するその突然変異体の
センスもしくはアンチセンス配列の10個以上の連続ヌクレオチドと緊縮条件下
でハイブリッド形成する、ヌクレオチド配列の領域を含む実質的に精製されたオ
リゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマーも提供する。好適実施態様では、
該プローブ/プライマーは、それに結合した、かつ検出できる標識基を更に有す
る。標識基は、例えば、放射性同位元素、蛍光性化合物、酵素および酵素補因子
よりなる群から選ぶことができる。本発明のプローブは、形質転換した細胞を同
定するための、例えば、患者から単離した細胞の試料で、主題のE6結合タンパ
ク質のうち1種類をコードしている核酸のレベルを測定するため;例えば細胞中
のE6−BPmRNAレベルを測定するため;例えば、ゲノムのE6−BP遺伝
子が変異または欠失しているか否かを決定するための診断用試験キットの一部と
して用いることができる。好ましくは、該オリゴヌクレオチドは、長さが10ヌ
クレオチド以上で、20、30、50、100または150ヌクレオチド未満で
ある。
更にもう一面では、本発明は、乳頭腫ウイルスE6タンパク質とのE6−BP
ポリペプチドの相互作用、例えば阻害について試験化合物をふるい分けるための
検定法を提供する。この方法は、(i)例えば、試験化合物の不在下では、E6
タンパク質とE6結合タンパク質とが作用し合える条件下で、ウイルスのE6タ
ンパク質、すなわちE6−BP、例えば本発明のE6−BP(例えば群SD−7
、SD−8、SD−12、SD−16、SD−22、SD−28もしくはSD−
32、またはケラチン−17、アポフェリチン、ヌクレオホサミン、リボ核タン
パク質、プロテアソームサブユニット、補体崩壊促進因子)と試験化合物とを結
合する段階;ならびに(ii)E6タンパク質およびE6結合タンパク質を含む複
合体の形成を検出する段階を包含する。試験化合物の存在下での複合体形成にお
ける(試験化合物の不在下で見られるものと比しての)変化、例えば低下が、E
6タンパク質とE6結合タンパク質との相互作用の変調、例えば阻害を示す。好
適実施態様では、E6タンパク質は、例えば高危険性HPV、例えばHPV−1
6、−18、−31または−33からの、HPVのE6タンパク質であり;E6
タンパク質は、BPVのE6タンパク質であり;E6タンパク質およびE6結合
タンパク質を、無細胞系で結合させ、試験化合物と接触させる;すなわち、無細
胞系は、細胞溶解物および再構成タンパク質混合物よりなる群から選び;E6結
合タンパク質を細胞中で同時に発現させ、細胞を試験化合物と接触させ、例えば
、E6結合タンパク質は、相互作用トラップ検定法(二ハイブリッド検定法)を
構成する。
本発明は、1種類またはそれ以上の主題のE6結合タンパク質の野生型の機能
の喪失を特徴とする、望ましくない細胞増殖を有する動物を治療する方法であっ
て、E6結合タンパク質と他の細胞性またはウイルス性タンパク質との相互作用
を阻害できる治療的有効量の薬剤を投与することを含む方法も提供する。一実施
態様では、この方法は、配列番号8〜14のうち一つで表されるポリペプチドを
コードしている核酸構成体を、そのE6結合タンパク質を欠く細胞によって該構
成体が組み込まれる条件下で、およびこの組換え遺伝子が、例えば遺伝子療法の
方法で発現される条件下で投与することを含む。
本発明のもう一面は、被験者、例えばヒトの患者に、望ましくない細胞増殖を
特徴とする疾患の危険性があるかを決定する方法を提供する。この方法は、被験
者の組織中での、(i)配列番号8〜14のうち一つで示されるタンパク質もし
くはその同族体をコードしている遺伝子の突然変異;または(ii)配列番号8〜
14のうち一つで表されるタンパク質をコードしている遺伝子の誤発現のうち少
なくとも一方を特徴とする遺伝的病変の存否を検出することを包含する。好適実
施態様では、遺伝的病変を検出することは、E6−BP遺伝子の1個もしくはそ
れ以上のヌクレオチドの欠失;該遺伝子への1個もしくはそれ以上のヌクレオチ
ドの付加、該遺伝子の1個もしくはそれ以上のヌクレオチドの置換、該遺伝子の
染色体上の大規模な配置転換;該遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベル
の変化;該遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型スプライシングパタ
ーンの存在;または非野生型レベルの該タンパク質のうち少なくとも一つの存在
を確認することを包含する。
例えば、遺伝的病変を検出することは、(i)配列番号1〜7のうち一つ、ま
たは天然に産するその突然変異体のセンスもしくはアンチセンス配列とハイブリ
ッド形成するヌクレオチド配列の領域、またはE6−BP遺伝子に天然に付随す
る5’もしくは3’フランキング配列を含むオリゴヌクレオチドを含むプローブ
/プライマーを与えること;(ii)該プローブ/プライマーを該組織の核酸と接
触させること;および(iii)該プローブ/プライマーと該核酸とのハイブリッ
ド形成によって、該遺伝的病変の存否をを検出することを包含できるが、例えば
、ここで該病変の検出は、該プローブ/プライマーを用いて、E6−BP遺伝子
および、任意には、該フランキング核酸配列のヌクレオチド配列を決定すること
を含み;例えば、ここで該病変の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で該
プローブ/プライマーを用いることを含み;例えば、ここで該病変の検出は、結
合連鎖反応(LCR)で該プローブ/プライマーを用いることを含む。代替的実
施態様では、該タンパク質のレベルは、例えば配列番号8〜14のうち一つで表
されるタンパク質と、特異的に免疫反応性である抗体を用いる免疫検定法法で検
出する。
本発明の実施は、別途指示されない限り、当技術の技量の範囲内にある細胞生
物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えD
NAおよび免疫学の慣用の手法を用いることになる。そのような手法は、文献中
に充分に説明されている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual、
第2版、Sambrook,Fritsch およびManiatis編(Cold Spring Harbor Laborator
y Press :1989);DNA Cloning,Volumes I and II (D.N.Glover 編、1985)
;Oligonucleotide Synthesis (M.J.Gait 編、1984) ;Mullisら、米国特許
第4,683,195 号明細書;Nucleic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.H
iggins編、1984);Transcription And Translation (B.D.HamesおよびS.J.H
iggins編、1984);Culture Of Animal Cells (R.I.Freshney、Alan R.Liss
,Inc.、1987);Immobilized Cells And Enzymes (IRL Press、1986);B.Pe
rbal、A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);The Treatise、Meth
ods In Enzymology (Academic Press,Inc.,N.Y.);Gene Transfer Vectors
For Mammalian Cells (J.H.Miller およびM.P.Calos編、1987、Cold Spring
Harbor Laboratory);Methods In Enzymology、Vols.154 & 155 (Wuら編)、
Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Mayer およびWalker
編、Academic Press,London、1987);Handbook Of Experimental Immunology
、Volumes I-IV(D.M.Weir およびC.C.Blackwell編、1986);Manipulating t
he Mouse Embryo (Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbo
r、ニューヨーク、1986)を参照されたい。
本発明のその他の特徴および利点は、下記の詳細な説明および請求の範囲から
明白になると思われる。
[図面の説明]
図1は、二ハイブリッド検定法での発現のためにVP16/cDNA融合遺伝
子を構築するのに用いられるpRS306プラスミド[Sikorskiら(1989)、Ge
netics、122 :19]の概略マップである。
[発明の詳細な説明]
乳頭腫ウイルス(PV)は、それらの天然の宿主に良性の上皮腫瘍、すなわち
疣を生起できる、感染性因子である。ヒトの癌の分野に特に関連するもののうち
、特異的なヒト乳頭腫ウイルス(HPV)による感染は、子宮頚部、性器、皮膚
および、より低頻度で、その他の部位のそれをはじめとする、ヒト上皮の悪性腫
瘍の発症に付随している。乳頭腫ウイルスが生産する形質転換タンパク質のうち
2種類、すなわちE6タンパク質およびE7タンパク質は、それぞれ、腫瘍サプ
レッサー遺伝子p53およびRbと複合体を形成し、これらのウイルスタンパク
質が、細胞増殖の制御を調節する決定的な経路を通じてそれらの機能を発揮し得
ることを示している。
しかし、乳頭腫ウイルスE6タンパク質による不死化についての本発明者らの
研究は、p53の結合は、有効な不死化に必要であるが、E6タンパク質は、不
死状態の確立の際に追加的特性を有することを示す。その上、本発明者らの知見
は、BPVおよび「低危険性」HPVのE6タンパク質はともに、高危険性HP
VのE6タンパク質に共通する一つまたはそれ以上の機能を有することを示唆す
る。本発明者らは、ウイルスのE6腫瘍タンパク質と作用し合い、PVの感染性
および/または形質転換に参加する候補となるタンパク質であり得る、その他の
ヒトの細胞性タンパク質を同定するように、二ハイブリッド検定法[米国特許願
第5,283,173 号明細書]を適合させた。
そのC末端でBPVのE2DNA結合ドメインに融合したHPV−16のE6
遺伝子を発現し、更に、4種類のE2結合要素を有するプロモーターによって推
進されるlacZリポーター構成体を含む、酵母の菌株から開始して、本発明者
らは、ヒトcDNAライブラリーをふるい分けるための二ハイブリッド検定法を
創作した。次いで、この菌株を、ランダムに始動したHeLa細胞のcDNAを
挿入した酵母のシャトルベクタープラスミドのライブラリーで、強力なVP16
転写活性化ドメインへとC末端で形質転換した。VP16/cDNA融合タンパ
ク質とE6/E2ハイブリッドタンパク質との相互作用は、VP16転写活性化
ドメインをE2結合部位に補充し、lacZ遺伝子の発現を活性化すると思われ
た。これは、E6と特異的に作用し合うタンパク質をコードする多数のヒト遺伝
子を好成績で単離することに導いた。そのため、本発明は、後述するとおり、腫
瘍サプレッサータンパク質「p53」および細胞性タンパク質「E6−AP」に
加えて、乳頭腫ウイルス形質転換タンパク質E6も、他のいくつかの細胞性タン
パク質(以後、「細胞性E6結合タンパク質」または「E6−BP」と呼ぶ)と
会合していて、この会合が、乳頭腫ウイルスの感染と、乳頭腫ウイルスに媒介さ
れる病的状態との病態形成におそらく重要なのであるとの発見から、部分的には
派生している。例えば、主題E6結合タンパク質のうち1種類とE6との会合は
、いずれかまたは両方のタンパク質の局在性の変化、そのタンパク質の生物学的
活性の変化、そのタンパク質の細胞半減期の変更、またはそれらの組合せを招く
ことができる。したがって、本発明の実施態様は、診断および治療用の検定法、
ならびに乳頭腫ウイルス感染細胞を検出かつ治療するための試薬を利用可能にす
る。
例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質に結合し、それによって、E6−BP
/E6複合体の阻害を通じて、乳頭腫ウイルスによる感染、形質転換および/ま
たは不死化を阻害できる、特定のE6結合タンパク質の能力を変化させる、例え
ば低下させる薬剤を同定する検定法の基盤として、主題のE6−BPのそれぞれ
を用いることができる。そのような薬剤は、例えば、ヒト乳頭腫ウイルス、例え
ばHPV−1、HPV−2、HPV−3、HPV−4、HPV−5、HPV−6
、HPV−7、HPV−8、HPV−9、HPV−10、HPV−11、HPV
−12、HPV−14、HPV−13、HPV−15、HPV−16、HPV−
17またはHPV−18、特に高危険性HPV、例えばHPV−16、HPV−
18、HPV−31およびHPV−33に感染した細胞でのE6−BP/E6複
合体を治療的に防止する用途があり得る。そのような細胞を、1種類またはそれ
以上のE6−BP/E6複合体の形成を変化させる薬剤と接触させることは、乳
頭腫ウイルス感染の病理学的進行を阻害して、例えば、疣、例えば足底疣贅(ve
rruca plantaris)、尋常性疣贅(扁平疣verruca plana)、肉屋の尋常性疣贅、
扁平疣、性器疣贅(尖圭コンジローム)または疣状表皮異形成の形成を防止また
は逆転し;形質転換および/もしくは不死化したか、またはその危険性がある乳
頭腫ウイルス細胞、例えば癌性の、例えば喉頭乳頭腫、巣状上皮癌、子宮頚癌を
治療することができる。
一実施態様では、細胞性E6結合タンパク質はサイトケラチンであり、サイト
ケラチンへのE6結合タンパク質の結合は、例えば、サイトケラチン細胞間質の
崩壊、細胞外被の破壊、感染上皮組織の空間的構成の破壊、および/またはPV
感染細胞による巣状接着の喪失に寄与し得る。好適実施態様では、サイトケラチ
ンはケラチン−17である。そのため、E6/サイトケラチン相互作用の破壊は
、例えば感染細胞からのウイルス粒子の放出を左右することによって、および、
例えば扁平上皮、例えば層状扁平上皮の、例えばケラチノサイトの上皮性表現型
のPVで誘発される変化を防ぐことによって、乳頭腫ウイルスの感染性に影響す
る可能性がある。
もう一つの実施態様では、細胞性E6結合タンパク質は、例えば転写調節、m
RNAのプロセシング、mRNAの局在性、またはリボソームの成熟などの細胞
増殖に関与する仁タンパク質であり、この仁タンパク質への乳頭腫ウイルスE6
の結合は、これらの機能のうち一つの変化、E6の仁局在性および/または仁の
構成の変化を招く。好適実施態様では、この仁タンパク質は、例えばGenBank 受
託番号第X16934号で示される配列を有する、ヌクレオホスミンである。
更にもう一つの実施態様では、細胞性E6結合タンパク質は、アポフェリチン
、好ましくはGenBank 受託番号第X00318号で与えられる配列を有するアポフェリ
チンである。アポフェリチンというタンパク質へのE6の結合は、例えば、PV
に感染した細胞での酸化的事象の調節を変えて、例えば、酸化体損傷に応答でき
る細胞の能力を変えることができる。アポフェリチンの結合は、新生物性の形質
転換に、例えば細胞が危機に陥るのに重要なその他の細胞性タンパク質、例えば
熱ショックタンパク質の発現を、直接的にであれ、細胞の酸化的状態の変化を通
じてであれ、変えることができる。その上、E2の発現やDNAの複製によるウ
イルス遺伝子の転写活性および抑制は、細胞内酸化還元環境の変化によって変調
されることが示唆されている。したがって、この相互作用を阻害する薬剤は、乳
頭腫ウイルスによる感染および/または形質転換を防止するのに役立ち得る。
もう一つの実施態様では、細胞性E6結合タンパク質は、核のリボ核タンパク
質、好ましくは、ATCC受託番号第M16342号で与えられるような核のリボ核タ
ンパク質粒子CのCタンパク質、または、代替的には、GenBank 受託番号第X124
66号で示されるようなリボ核タンパク質である。RNAプロセシング反応に関与
する一定のタンパク質とのE6の会合は、RNAスプライシングの転写後調節に
よる細胞性および/またはウイルス性遺伝子の直接的調節を包含する、E6につ
いての役割を示唆する。E6とのそのような相互作用のもう一つの役割は、核内
へのE6の封鎖を生じることによって、タンパク質に対する核局在化シグナルを
与えることであり得る。そのような相互作用も、乳頭腫ウイルスによる感染およ
び/または形質転換の阻害剤のための潜在的な治療標的となり得る。
更にもう一つの実施態様では、E6結合タンパク質は、GenBank 受託番号第M1
5799号で示されるような補体崩壊促進因子である。
更にもう一つの実施態様では、E6結合タンパク質は、プロテアソームサブユ
ニット、例えば、GenBank 受託番号第D00762号で示されるプロテアソームサブユ
ニットHC8である。プロテアソームサブユニットへのE6の結合は、E6に結
合したタンパク質、例えばp53の分解を促進および/または強化するために、
プロテアーゼ複合体をE6に関与するその他の複合体へと補充する機序を与え得
る。
E6と、既にクローン化されている細胞性タンパク質との相互作用の発見に加
えて、本明細書では、多数の新規タンパク質を、E6結合能を有するとして同定
する。これらのタンパク質へのE6の結合は、例えばこれらのタンパク質の細胞
性機能の変化、および/またはE6タンパク質やE6−BPの一方もしくは双方
の局在性の変化を生じることがあり得る。したがって、これらの一定のタンパク
質の正常な細胞での役割のすべての面が充分に解明されているわけではないが、
これらのタンパク質が、ウイルス性E6タンパク質に結合すること、およびE6
が、乳頭腫ウイルスによる感染の病理学に決定的であることは、これらのタンパ
ク質のそれぞれとE6との相互作用が、例えばHPV感染を標的とするのに役立
つ、薬剤を開発するための潜在的な治療標的を提供することを示す。
例えば、一実施態様では、E6結合タンパク質は、配列番号8(クローンSD
−7)で示されるタンパク質配列、例えば、乳頭腫ウイルスE6タンパク質を結
合させるポリペプチドを包含し;例えば、E6−BPは、一つまたはそれ以上の
カルシウム結合モチーフ、例えばEFの手のモチーフを含み;例えばE6−BP
は、ER/ゴルジ横断局在化シグナル、例えばカルボキシル末端His-Asp-Glu-Le
u (KDEL)配列を含む。
もう一つの実施態様では、E6結合タンパク質は、分子的シャペロンタンパク
質のヒトの相同体、例えば配列番号12(クローンSD−22)で示されるヒト
シャペロン10タンパク質である。
その他の好適実施態様では:E6結合タンパク質は、配列番号9、10、11
、13または14(それぞれ、クローンSD−8、SD−12、SD−16、S
D−28およびSD−32)のうち一つで表されるポリペプチド、例えば乳頭腫
ウイルスE6タンパク質を結合するポリペプチドを含む。
本発明のもう一面は、主題のE6結合タンパク質のうち一つをコードしている
ヌクレオチド配列、および/またはそのような核酸の等価物を含む単離された核
酸に関する。本明細書で用いる限りで、核酸という用語は、フラグメントおよび
等価物を包含する。等価物という用語は、機能的に等価のE6結合タンパク質、
または機能的に等価の、例えばE6に結合できる能力を保持し、かつ本明細書に
記載のようなE6−BPのその他の活性を更に保持してよいペプチドをコードし
ているヌクレオチド配列を包含するものとする。等価のヌクレオチド配列は、1
個またはそれ以上のヌクレオチドの置換、付加または削除によって異なる、配列
、例えば対立遺伝子変異型を包含することになり;そのため、遺伝暗号の縮重の
ために、配列番号1〜7のいずれかに示されるE6結合タンパク質ヌクレオチド
配列と異なる配列を包含することになる。等価物は、配列番号1〜7に示される
本請求のE6結合タンパク質のヌクレオチド配列と、またはpRS306−E6
BPライブラリー(ATCC受託番号第75827 号)からのE6結合タンパク質の
ヌクレオチド配列と、緊縮条件(すなわち、約1モルの塩中に形成されるDNA
二重らせんの融点(Tm)より約20〜27℃低い温度と同等)の下でハイブリ
ッド形成するヌクレオチド配列も包含することになる。一実施態様では、等価物
は、配列番号1〜7のいずれかに示されるヌクレオチド配列に由来し、かつそれ
と進化論上類縁関係にあるヌクレオチド配列も包含することになる。
その上、一定の状況下では、該タンパク質の天然に産する形態の生物学的活性
の一サブセットのみを促進または阻害するために、E6−BP作動体またはE6
−BP拮抗体のいずれか一方としての限定された能力において機能する、主題の
E6結合タンパク質の相同体を提供することが好都合であり得ることが、一般的
に認識されると思われる。すなわち、あるE6結合タンパク質の生物学的活性の
すべてに指向された作動体または拮抗体の投与に比して、限定された機能を有す
るか、またはより少ない副作用を有する相同体の投与によって、特異的な生物学
的効果が誘発できる。
主題のE6結合タンパク質のそのような相同体は、突然変異誘発、例えば離散
点突然変異または断端によって生成できる。例えば、突然変異は、それが由来す
るE6−BPの生物学的活性と実質的に同じか、またはサブセットにすぎない活
性を保持する相同体を出現させることができる。これに代えて、該タンパク質の
天然に産する形態の機能を、例えばE6に競合的に結合することによって、阻害
できる該タンパク質の拮抗体形態を生成することができる。
タンパク質は、下記の特性のうち一つまたはそれ以上を有するならば、E6−
BPの生物学的活性を有する:真核細胞、例えば哺乳類の細胞、例えばヒトの細
胞の増殖/細胞増殖を変調できる能力;乳頭腫ウイルス、例えばヒト乳頭腫ウイ
ルスによる感染、例えばHPV−16、HPV−18、HPV−31もしくはH
PV−33による感染の有効性を変調できる能力;細胞の形質転換、例えばPV
媒介形質転換、例えばPV媒介形質転換、例えば高危険性HPV媒介形質転換の
有効性を左右できる能力;細胞の不死化、例えばPV媒介形質転換、例えばHP
V媒介形質転換、例えば高危険性HPV媒介不死化の有効性を左右できる能力;
またはPVのE6タンパク質、例えばHPVのE6タンパク質、例えば高危険性
HPVのE6タンパク質を結合できる能力。また、タンパク質は、上記の特性の
うち一つの特異的な作動体または拮抗体であるならば、生物学的活性を有する。
本明細書で用いる限りで、用語「遺伝子」または「組換え遺伝子」は、本発明
のあるE6結合タンパク質をコードしている、エキソンおよび(場合により)イ
ントロン配列をともに包含する開放読み忰を含む核酸を意味する。「組換え遺伝
子」は、あるE6結合タンパク質をコードし、E6−BPコード化エキソンを含
む核酸を意味するが、場合により、染色体E6−BP遺伝子、または無関係な染
色体遺伝子のいずれかに由来するイントロン配列を包含してよい。主題のE6結
合タンパク質をコードしている例示的組換え遺伝子は、配列番号1〜7のいずれ
か一つで示される。その上、主題のE6結合タンパク質のそれぞれをコードして
いる組換え遺伝子は、下記のとおり、ATCC寄託物第75827 号から単離できる
。用語「イントロン」は、タンパク質に翻訳されず、一般的にはエキソン間に見
出される、所定のE6−BP遺伝子中に存在するDNA配列を意味する。
本明細書で用いる限りで、用語「(核酸)移入」は、核酸に媒介される遺伝子
の転移による、受容体細胞への核酸、例えば発現ベクターの導入を意味する。本
明細書で用いる限りで、「形質転換」は、外来性DNAまたはRNAの細胞性取
り込みの結果として、細胞の遺伝子型が変えられる過程を意味し、例えば、形質
転換された細胞は、組換え形態の本発明のE6結合タンパク質を発現するか、ま
たは、転移された遺伝子からアンチセンス発現が生じる場合は、天然に産する形
態のE6結合タンパク質の発現が破壊される。
本明細書で用いる限りで、用語「ベクター」は、それに結合させたもう一つの
核酸を輸送できる核酸分子を意味する。好適なベクターの一類型は、エピソーム
、すなわち染色体外複製が可能な核酸である。好適なベクターは、それに結合さ
せた核酸の自動複製および/発現が可能なそれである。それに機能的に結合させ
た遺伝子の発現を支配できるベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ば
れる。一般に、組換えDNAの手法に役立つ発現ベクターは、そのベクターの形
態では染色体に結合されていない、環状の二本鎖DNAループを意味する「プラ
スミド」の形態であることが多い。本明細書では、「プラスミド」および「ベク
ター」は、プラスミドがベクターの最も一般的に用いられる形態であるため、互
換性を有して用いられる。しかし、本発明は、同等の機能に役立ち、今後は当技
術に公知となる、そのような他の形態の発現ベクターも包含するものとする。
「転写調節配列」は、それらに機能的に結合されたタンパク質コード化配列の
転写を誘発または制御するDNA配列、例えば開始シグナル、エンハンサーおよ
びプロモーターを指すために、本明細書に終始用いられる包括的用語である。好
適実施態様では、組換えE6−BP遺伝子の転写は、そこで発現させようとする
細胞型での組換え遺伝子の発現を制御するプロモーター配列(または他の転写調
節配列)の制御下にある。該組換え遺伝子は、天然に産する形態のE6結合タン
パク質の転写を制御する配列と同じであるか、または異なる転写調節配列の制御
下にあり得ることも、理解されるものと思われる。
本明細書で用いる限りで、用語「組織特異性プロモーター」は、プロモーター
として役立つ、すなわちそのプロモーターに機能的に結合された、選ばれたDN
A配列の発現を調節し、組織の特異的な細胞、例えば上皮系統の細胞、例えば頚
部扁平細胞での選ばれたDNA配列の発現を遂行するDNA配列を意味する。上
皮特異性プロモーターの例示的実施態様では、乳頭腫ウイルスに媒介される疾患
、例えば乳頭腫における主題のE6結合タンパク質のうち1種類を含むE6/E
6−BP複合体のレベルを変調するため、または上皮組織のみでの主題のE6結
合タンパク質のうち一つのアンチセンス構成体の発現を支配するために、例えば
E6−BP拮抗体を送達する遺伝子療法の一部として、遺伝子構成体を用いるこ
とができる。この用語は、選ばれたDNAの発現を専ら一組織で調節するが、他
の組織でも発現を生じる、いわゆる「漏出性」プロモーターも網羅する。
本明細書で用いる限りで、「トランスジェニック動物」は、該動物の細胞のう
ち一つまたはそれ以上がトランス遺伝子を有するいかなる動物でもあり、好まし
くはヒトではない動物、例えばラット、マウスまたはブタである。トランス遺伝
子は、計画的な遺伝子操作、例えば微量注入、または組換えウイルスによる感染
を用い、細胞の前駆体への導入によって細胞へと直接もしくは間接的に導入され
る。遺伝子操作という用語は、古典的な交配、または生体外受精を包含せず、む
しろ組換えDNA分子の導入に向けられる。この分子は、染色体に組み込まれて
よく、あるいは染色体外で複製するDNAであってもよい。本明細書に記載のト
ランスジェニック動物では、トランス遺伝子が、主題のE6結合タンパク質のう
ち1種類またはそれ以上の組換え形態を細胞に発現させるか、または、これに代
えて、天然に産する形態のE6−BP遺伝子のうち一つまたはそれ以上の発現を
破壊させる。
本明細書で用いる限りで、用語「トランス遺伝子」は、それが導入されるトラ
ンスジェニックな動物または細胞に対して、部分的もしくは全体的に異種、すな
わち異質であるか、あるいはそれが導入されるトランスジェニックな動物または
細胞の内在性遺伝子に対しては同種であるが、それが挿入される細胞のゲノムを
変えるようにして、その動物のゲノムに挿入することが設定されるか、または挿
入される(例えば、天然の遺伝子とは異なる位置に挿入されるか、またはその挿
入がノックアウトを招く)、(例えば1種類またはそれ以上の造血性ペプチドを
コードしている)核酸配列を意味する。トランス遺伝子は、選ばれた核酸の最適
の発現に必要であり得る、一つまたはそれ以上の転写調節配列、およびその他の
いかなる核酸、例えばイントロンも包含できる。
周知のとおり、特定のポリペプチドに対する遺伝子は、個体内では単一または
多重コピーとして存在し得る。そのような重複遺伝子は、同一であってよく、あ
るいは、実質的に同じ活性を有するポリペプチドをすべてが依然としてコードし
ている、ヌクレオチドの置換、付加または削除を包含する一定の修飾を有しても
よい。したがって、用語「あるE6結合タンパク質をコードしているDNA配列
」は、特定の個体内の一つまたはそれ以上の遺伝子を意味してよい。その上、ヌ
クレオチド配列における一定の相違が個々の生物間に存在してよく、対立遺伝子
と呼ばれる。そのような対立遺伝子の相違は、コードされるポリペプチドのアミ
ノ酸配列の相違を招いても、招かなくてもよいが、それでも、同じ生物学的活性
を有するタンパク質をコードしている。
「細胞」、「宿主細胞」または「組換え宿主細胞」は、本明細書では互換性を
有して用いられる用語である。そのような用語は、特定の主題の細胞ばかりでな
く、そのような細胞の子孫または潜在的子孫をも意味するものとする。後継世代
には、突然変異または環境的影響のために一定の変更が生じ得ることから、その
ような子孫は、実際は、親細胞と同一ではないこともあるが、依然として、本明
細書で用いる限りでの用語の範囲内に包含される。
「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、主題のE6結合タンパク
質のうち一つをコードしている第一のアミノ酸配列と、主題のE6−BPのいか
なるドメインとも異質であって、実質的に同種ではないドメインを規定する第二
のアミノ酸配列との融合である。キメラタンパク質は、第一のタンパク質も発現
する生物に(異なるタンパク質としてではあるが)見出される異質のドメインを
提示してよく、あるいは異なる種類の生物が発現するタンパク質構造の「種間の
」、「属間の」等々の融合であってもよい。
E6結合タンパク質をコードしている核酸配列に関しての用語「進化論上類縁
関係にある」は、天然に産する突然変異種も包含する、ある生物に天然に出現す
る核酸配列を意味する。この用語は、天然に産するE6−BPに由来するが、例
えば下記の組合せ突然変異誘発としての、突然変異誘発によって変えられてはい
るが、なおかつ、あるE6結合タンパク質の少なくとも1種類の活性を有するポ
リペプチドをコードしている核酸配列も意味する。
一実施態様では、該核酸は、主題のE6結合タンパク質の少なくとも1種類の
活性を有するペプチドをコードしているcDNAである。好ましくは、該核酸は
、配列番号1〜7のうち一つに示されるヌクレオチド配列の少なくとも一部を含
むcDNA分子である。これらのcDNAの好適な一部は、該遺伝子のコード化
領域を有する。
好適な核酸は、配列番号8〜14の一つに示されるアミノ酸配列と60%以上
相同な、より好ましくは70%相同な、最も好ましくは80、90または95%
相同なアミノ酸配列を含むE6結合タンパク質をコードしている。主題のE6結
合タンパク質の活性を有し、かつ配列番号8〜14の一つに示される配列との約
90%以上、より好ましくは約95%以上、最も好ましくは約98〜99%以上
の相同性を有するポリペプチドをコードしている核酸も、本発明の範囲内にある
。相同性は、2ペプチド間または2核酸分子間の配列の類似性を意味する。相同
性は、比較の目的で整列させ得るそれぞれの配列での位置を比較することによっ
て、決定できる。比較された配列でのある位置が、同じ塩基またはアミノ酸で占
められているときは、分子はその位置で相同である。配列間の相同性の程度は、
配列に共有される対合する位置または相同な位置の数の関数である。
添付の配列リストに示したヌクレオチド配列のうちのあるものは、主題のE6
結合タンパク質の部分をコードしている。そのため、本発明のもう一つの実施態
様では、組換えE6−BP遺伝子は、配列番号1〜7に示したアミノ酸配列をコ
ードしているヌクレオチドに加えて、各タンパク質のC末端およびN末端のアミ
ノ酸をコードしている追加のヌクレオチド配列を有することができる。例えば、
組換えE6−BP遺伝子は、下記の表1から誘導される何組かのプライマーを用
いて、ATCC寄託物第 号のE6−BPクローンの一つに対するコード化配
列の一つを増幅することによって生成された、PCRフラグメントのヌクレオチ
ド配列を有することができる。
本発明のもう一面は、配列番号8、9、10、11、12、13または14に
示したあるアミノ酸配列の全部もしくは一部を有するペプチドをコードしている
核酸と、高度または低度の緊縮条件下でハイブリッド形成する核酸を提供する。
DNAハイブリッド形成を促進する適切な緊縮条件、例えば、約45℃での6.
0x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)の後、50℃での2.0x
SSCの洗浄は、当業者には公知であるか、またはCurrent Protocols in Molec
ular Biology、John Wiley & Sons、米国ニューヨーク(1989)、6.3.1〜
6.3.6に見出すことができる。例えば、洗浄段階での塩濃度は、50℃での
約2.0xSSCという低い緊縮度から50℃で約0.2xSSCという高い緊
縮度までから選択できる。加えて、洗浄段階での温度は、室温、すなわち20℃
という低緊縮度の条件から約65℃という高い緊縮度の条件まで上昇させること
ができる。
遺伝暗号の縮重のために、配列番号1〜7のいずれかで示したヌクレオチド配
列とは異なる配列を有する核酸も、本発明の範囲内にある。そのような核酸は、
機能的に同等のペプチド(すなわち、あるE6結合タンパク質の生物学的活性を
有するペプチド)をコードしているが、遺伝暗号の縮重のために、該配列リスト
に示した配列とは配列が異なる。例えば、多数のアミノ酸が、1個より多いトリ
プレットで指定される。同じアミノ酸を特定するコドン、すなわち同義コドン(
例えば、CAUおよびCACは、それぞれヒスチジンをコードしている)は、E
6結合タンパク質のアミノ酸配列に影響しない「サイレント」突然変異を招き得
る。しかし、主題のE6結合タンパク質のアミノ酸配列の変化へと実際に導くD
NA配列の多形性が、脊椎動物間に存在するものと期待される。当業者は、ある
E6結合タンパク質の活性を有するポリペプチドをコードしている、核酸の1個
またはそれ以上のヌクレオチド(ヌクレオチドの約3〜5%以下)のこれらの変
異が、天然の対立遺伝子の変異のために、与えられた種の個体間に存在し得るこ
とを認識すると思われる。いかなるかつ全てのそのようなヌクレオチドの変異、
および結果的なアミノ酸の多形性も、本発明の範囲内にある。
本請求のE6結合タンパク質の活性部分をコードしている核酸のフラグメント
も、本発明の範囲内にある。本明細書で用いる限りで、あるE6結合タンパク質
の活性部分をコードしている核酸のフラグメントは、E6結合タンパク質の全ア
ミノ酸配列をコードしているヌクレオチド配列より少数のヌクレオチドを有する
が、それでも、あるE6−BPの生物学的活性、例えばあるE6結合タンパク質
の作動体活性を有するペプチドをコードしている核酸を意味する。本発明の範囲
内の核酸フラグメントは、E6−BP相同体を検出するためのプロトコルをふる
い分けるのに用いるための、他の種からの核酸と高または低緊縮条件下でハイブ
リッド形成できるもの、ならびに、交互のイソ型、例えばmRNAスプライシン
グ変異型を包含する、主題のE6−BPの一つをコードしている核酸の存在を検
出するのに用いるための、ヒトの試料からの核酸とハイブリッド形成できるもの
を包含する。本発明の範囲内の核酸は、リンカー配列、修飾された制限エンドヌ
クレアーゼ部位その他の、主題のE6結合タンパク質の組換え形態の分子クロー
ニング、発現または精製に役立つ配列も含有してよい。
下記に説明する実施例で示されるとおり、E6結合タンパク質の活性を有する
ペプチドをコードしている核酸は、多数の真核細胞のいずれに存在するmRNA
からも得てよい。成体と胚の双方から得られるゲノムDNAから、本発明のE6
結合タンパク質をコードしている核酸を得ることも可能であると思われる。例え
ば、本明細書に記載のプロトコルはもとより、当業者には一般的に公知であるそ
れに従って、cDNAまたはゲノムのライブラリーのいずれかから、E6結合タ
ンパク質をコードしている遺伝子をクローニングできる。主題のE6結合タンパ
ク質の一つをコードしているcDNAは、腫瘍細胞をはじめとする細胞、例えば
哺乳類の細胞、例えばヒトの細胞から全mRNAを単離することによって、得る
ことができる。次いで、全mRNAから二本鎖cDNAを調製し、次いで、公知
の多数の手法の一つを用いて、適切なプラスミドまたはバクテリオファージのベ
クターに挿入する。E6結合タンパク質をコードしている遺伝子は、本発明が提
供するヌクレオチド配列の情報に従って、確立されたポリメラーゼ連鎖反応の手
法を用いてクローニングすることもできる。本発明の核酸は、DNAまたはRN
Aであることができる。好適な核酸は、例えば、該核酸が、配列番号8の第1〜
133残基の間の4個以上の連続アミノ酸残基、より好ましくは10個以上の連
続アミノ酸残基、より好ましくは20個以上の連続アミノ酸残基を好ましくはコ
ードしている、下位配列を含む核酸プローブとハイブリッド形成するならば、配
列番号1に示される配列が表すcDNAである。
もう一つの核酸は、配列番号2に示される配列が表すcDNAである。その他
の好適な核酸は、配列番号3〜7の一つに示される配列が表すcDNA分子を包
含する。好適な核酸は、pRS306−E6BPのライブラリー(ATCC寄託
物第75827 号)から誘導されるcDNAである。
本発明は、少なくとも一つの転写調節配列に機能的に結合された、E6結合タ
ンパク質の活性を有するペプチドをコードしている核酸を含む発現ベクターも提
供する。機能的に結合されたとは、該ヌクレオチド配列が調節配列に、ヌクレオ
チド配列の発現を許す方式で結合されていることを意味するものとする。調節配
列は、当業界に認められたものであり、E6結合タンパク質の活性を有するペプ
チドの発現を支配するように選ぶ。したがって、転写調節配列という用語は、プ
ロモーター、エンハンサーその他の発現制御要素を包含する。そのような調節配
列は、Goeddel、Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185、Ac
ademic Press、米国カリフォルニア州San Diego (1990)に記載されている。発
現ベクターの設計は、形質転換しようとする宿主細胞、および/または発現させ
たいタンパク質の形式の選択のような要因に依存してよいことを理解しなければ
ならない。一実施態様では、発現ベクターは、主題のE6結合タンパク質の活性
を有するペプチドまたは、これに代えて、主題のE6結合タンパク質の拮抗体形
態であるペプチドをコードしている組換え遺伝子を有する。そのような発現ベク
ターは、細胞に核酸移入し、それによって、本明細書に記載のような核酸がコー
ドしている融合タンパク質またはペプチドをはじめとする、タンパク質またはペ
プチドを生産するのに用いることができる。
その上、そのようなベクターは、E6−BPが誤発現される細胞で、主題のE
6結合タンパク質の一つの機能を再構成するか、または、これに代えて、機能を
排除するための、遺伝子療法のプロトコルの一部として用いることができる。標
的細胞へのE6−BP構成体の送達に役立つ治療用伝播体の実例は、例えばPC
T出版物の国際公開特許第93/04701号公報、第92/22635号公報、第92/20316号公
報、第92/19749号公報および第92/06180号公報に開示されている。
本発明のもう一面は、真核生物、例えば哺乳類、例えばヒトに由来する遺伝子
によってコードされ、あるE6結合タンパク質の少なくとも1種類の活性を有す
る、例えば本発明のE6−BPの少なくとも1種類の活性の拮抗体である、天然
に産する機能不全の突然変異体を包含する、組換え形態の主題のE6結合タンパ
ク質に関する。用語「組換えタンパク質」は、主題のE6結合タンパク質をコー
ドしているDNAを、一般的には、適切な発現ベクターに挿入し、次いで、それ
を、異種タンパク質を生産するよう宿主細胞を形質転換するのに用いる、組換え
DNAの手法によって生産される、本発明のタンパク質を意味する。その上、組
換えE6−BPをコードしている組換え遺伝子に関しての、語句「由来する」は
、「組換えタンパク質」の意味の範囲内で、本発明の本来のE6−BPのアミノ
酸配列、またはある生物の天然に産するE6結合タンパク質の置換および削除(
断端を含む)を包含する突然変異によって生成された、それに類似するアミノ酸
配列を有するタンパク質を包含するものとする。本発明に好適とされる組換えタ
ンパク質は、本来のE6結合タンパク質に加えて、配列番号8〜14の一つに示
されるアミノ酸配列と60%以上、より好ましくは70%、最も好ましくは80
%相同である。主題のE6結合タンパク質の活性(すなわち、作動性または拮抗
性のいずれか)を有し、かつ配列番号8〜14のいずれかの配列との約90%以
上、より好ましくは約95%以上、最も好ましくは約98〜99%以上の相同性
を有するポリペプチドも、本発明の範囲内にある。
更に、本発明は、ある生物に由来する遺伝子によってコードされ、配列番号8
〜14のいずれかのE6結合タンパク質と進化論上類縁関係にあるアミノ酸配列
を有する、組換え形態の主題のE6結合タンパク質にも関する。そのような組換
えE6結合タンパク質は、好ましくは、本E6−BPの少なくとも1種類の生物
学的活性の作動体または拮抗体のいずれかの役割の一方で機能できる。本組換え
E6結合タンパク質のアミノ酸配列に関しての、用語「進化論上類縁関係にある
」は、天然に出現するアミノ酸配列を有するE6結合タンパク質はもとより、例
えば組合せ突然変異誘発によって誘導される、E6結合タンパク質の突然変異に
よる変異型も意味する。本発明に好適とされるそのような進化論上誘導されたE
6結合タンパク質は、配列番号8、9、10、11、12、13または14のい
ずれかに示されるアミノ酸配列と60%以上、より好ましくは70%、最も好ま
しくは80%相同である。配列番号8〜14のいずれかに示される配列との約9
0%以上、より好ましくは約95%以上、最も好ましくは約98〜99%以上の
相同性を有するポリペプチドも、本発明の範囲内にある。
更に、本発明は、主題のE6結合タンパク質を生産する方法にも関する。例え
ば、主題のE6結合タンパク質をコードしているヌクレオチド配列の発現を支配
する核酸ベクターを移入した宿主細胞は、該ペプチドの発現を生じさせる適切な
条件下で培養できる。該ペプチドは、分泌され、組換えE6−BPを含有する細
胞および培地の混合物から単離され得る。これに代えて、ペプチドが細胞質に保
持され、細胞を採集し、溶解し、そしてタンパク質を単離してもよい。細胞培養
は、宿主細胞、培地およびその他の副生物を包含する。細胞培養に適した培地は
、当技術に周知である。組換えE6−BPペプチドは、イオン交換クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、およびそのような
ペプチドに特異的な抗体による免疫親和性精製を包含する、タンパク質を精製す
るための当技術に公知の手法を用いて、細胞培養の培地、宿主細胞またはその双
方から単離できる。好適実施態様では、組換えE6結合タンパク質は、その精製
を容易にするドメインを有する融合タンパク質、例えばE6−BP−GST融合
タンパク質である。
本発明は、組換え形態の主題のE6結合タンパク質のうち少なくとも1種類を
発現するように核酸移入した宿主細胞にも関する。宿主細胞は、いかなる原核ま
たは真核細胞であってもよい。したがって、本発明のE6結合タンパク質のクロ
ーニングから誘導した、あるタンパク質の全部または選ばれた一部をコードして
いるヌクレオチド配列を、微生物または真核細胞による方法によって、組換え形
態のE6−BPを生産するのに用いることができる。ポリヌクレオチド配列を遺
伝子構成体、例えば発現ベクター中に結合し、真核(酵母、鳥類、昆虫もしくは
哺乳類)であれ原核(細菌細胞)であれ、宿主中に形質転換または核酸移入する
ことは、他の周知のタンパク質、例えばインシュリン、インターフェロン、ヒト
成長ホルモン、IL−1、IL−2などを生産するのに用いられる標準的操作で
ある。類似の操作またはその変更は、主題の発明による微生物手段または組織培
養手法によって、組換えE6結合タンパク質もしくはその部分を調製するのに用
いることができる。
組換えE6結合遺伝子は、主題のE6結合タンパク質をコードしている核酸ま
たはその一部を、原核細胞、真核細胞のいずれか、またはその双方で発現するの
に適したベクター中に結合することによって生産できる。組換え形態の主題のE
6結合タンパク質の生産のための発現ベクターは、プラスミドその他のベクター
を包含する。例えば、E6−BPの発現に適したベクターは、原核細胞、例えば
大腸菌での発現のためのpBR322由来のプラスミド、pEMBL由来のプラ
スミド、pEX由来のプラスミド、pBTac由来のプラスミドおよびpUC由
来のプラスミドの形式のプラスミドを包含する。
酵母での組換えタンパク質の発現のための多数のベクターが存在する。例えば
、YEP24、YIP5、YEP51、YEP52、pYES2およびYRP1
7は、サッカロミセス・セレビシエS.cerevisiae への遺伝的構成体の導入に役
立つクローニングおよび発現の伝播体である[例えば、Experimental Manipulat
ion of Gene Expression、M.Inouye 編、Academic Press社、83ページのBroach
ら(1983)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい]。これらの
ベクターは、pBR322のオリ点の存在のために大腸菌で、また酵母の2ミク
ロンプラスミドの複製決定因子のためにサッカロミセス・セレビシエで複製でき
る。加えて、アンピシリンのような薬物体制マーカーを用いることができる。例
示的実施態様では、E6結合タンパク質を、例えば、配列番号1〜7に基づくプ
ライマー、および/またはフランキングプラスミド配列に基づくプライマー(例
えば配列番号15〜17で表されるプライマー)を用い、pRS306−E6B
Pライブラリー(ATCC受託番号第75827 号)から該タンパク質をコードして
いる遺伝子をサブクローニングすることによって生成した発現ベクターを組換え
で利用して、生産する。
好適な哺乳類の発現ベクターは、細菌でのベクターの増殖を促進するための原
核配列と、真核細胞で発現される一つまたはそれ以上の真核転写ユニットとの双
方を有する。pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、pRc/CMV、
pSV2gpt、pSV2neo、pSV2−dhfr、pTk2、pRSVn
eo、pMSG、pSVT7、pko−neoおよびpHyg由来のベクターは
、真核細胞の核酸移入に適した哺乳類発現ベクターの例である。これらのベクタ
ーのうちいくつかは、原核および真核細胞の双方での複製や薬物耐性淘汰を促進
するために、細菌プラスミド、例えばpBR322からの配列で修飾する。これ
に代えて、ウシ乳頭腫ウイルス(BVP−1)またはエプスタイン・バーウイル
ス(pHEBo、pREP由来の、およびp205)のようなウイルスの誘導体
を、真核細胞でのタンパク質の過渡的発現のために用いることができる。プラス
ミドの調製、および宿主生物の形質転換に用いられる様々な方法が、当技術に周
知である。原核および真核細胞の双方に適したその他の発現系、ならびに一般的
組換え操作については、Sambrook、Fritsch およびManiatis編、Molecular Clon
ing A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press :1
989)、第16および17章を参照されたい。場合によっては、バキュロウイル
ス発現系を用いることによって、組換えE6−BPを発現するのが望ましいこと
がある。そのようなバキュロウイルス発現系の例は、pVL由来のベクター(例
えばpVL1392、pVL1393およびpVL941)、pAcUW由来の
ベクター(例えばpAcUW1)ならびにpBlueBac由来のベクター(例
えばpBlueBacIII を有するβ−gal)を包含する。
主題のE6結合タンパク質の一つの一部、すなわち断端突然変異体の発現が望
まれるときは、発現しようとする望みの配列を含むオリゴヌクレオチドフラグメ
ントに、開始コドン(ATC)を付加するのが必要なことがある。メチオニンア
ミノペプチダーゼ(MAP)という酵素を用いることによって、N末端のメチオ
ニンを酵素的に切断できることは、当技術に周知である。MAPは、大腸菌[Be
n-Bassatら(1987)、J.Bacteriol.、169 :751 〜757]およびネズミチフス
菌Salmonella typhimuriumからクローニングされていて、その生体外活性は、組
換えタンパク質で立証されている[Millerら(1987)、PNAS、84:2,718 〜1,72
2]。したがって、望まれるならば、N末端メチオニンの除去は、MAPを生産
する宿主(例えば大腸菌もしくはCM89またはサッカロミセス・セレビシエ)
でE6−BP由来のポリペプチドを生体内で発現させるか、または精製されたM
APを生体外で用いるか[例えばMillerら、前掲]のいずれかによって達成でき
る。
これに代えて、ポリペプチドに対するコード化配列を、異なるポリペプチドを
コードしているヌクレオチド配列を含む融合遺伝子の一部として組み込むことが
できる。この形式の発現系は、E6結合タンパク質の免疫原性フラグメントを生
産するのが望ましい条件下で役立つことがある。例えば、ロタウイルスのVP6
というキャプシドタンパク質は、単量体形態またはウイルス粒子の形態のいずれ
でも、E6−BPポリペプチドの一部に対する免疫学的担体として用い得る。そ
れに対する抗体を誘発しようとする主題のE6結合タンパク質の、その一部に対
応する核酸配列を、ワクシニアウイルスの後期構造タンパク質に対するコード化
配列を有する融合遺伝子構成体に組み込んで、E6−BPタンパク質の一部をビ
リオンの一部として含む融合タンパク質を発現する、一セットの組換えウイルス
を生産できる。B型肝炎表面抗原融合タンパク質を利用する免疫原性融合タンパ
ク質を用いることによって、組換えB型肝炎ビリオンもこの役割に利用できるこ
とが立証されている。同様に、E6結合タンパク質の一部を含む融合タンパク質
と、ポリオウイルスのキャプシドタンパク質とをコードしているキメラ構成体を
、この一セットのポリペプチド抗原の免疫原性を強化するために生成できる[例
えば、ヨーロッパ公開特許第0259149 号公報;ならびにEvans ら(1989)、Natu
re、339 :385 ;Huang ら(1988)、J.Virol.、62:3855;およびSchlienger
ら(1992)、J.Virol.、66:2を参照されたい]。
ペプチドに基づく免疫化のための多重抗原ペプチド系も、免疫原を生成するの
に利用でき、ここでは、主題のE6結合タンパク質の望みの部分は、オリゴマー
の分枝リシンコアへのペプチドの有機化学的合成から直接得られる[例えば、Po
snett ら(1988)、JBC、263 :1,719、およびNardelliら(1992)、J.Immunol
.、148 :914 を参照されたい]。主題のE6結合タンパク質の抗原決定基も、
細菌細胞によって発現かつ提示され得る。
免疫原性を強化するために融合タンパク質を利用することに加えて、融合タン
パク質が、タンパク質、例えば本発明のE6結合タンパク質のいずれの発現も促
進できることが、広く認識されている。例えば、下記のとおり、本発明のE6結
合タンパク質は、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST融合タンパク質)
として生成できる。そのようなGST融合タンパク質は、例えばグルタチオン由
来の基質を用いることによって、E6結合タンパク質の精製を容易にすることが
できる[例えばCurrent Protocols in Molecular Biology、Ausabel ら編(John
Wiley & Sons、米国ニューヨーク、1991)を参照されたい]。もう一つの実施
態様では、精製リーダー配列、例えばE6結合タンパク質の望みの部分のN末端
でのポリ(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列をコードしている融合タン
パク質は、Ni2+金属樹脂を用いるアフィニティークロマトグラフィーによるポ
リ(His)で発現されるE6−BP融合タンパク質の精製を可能にできる。次
いで、この精製リーダー配列を、エンテロキナーゼによる処理によってその後に
除去できる[例えば、Hochuli ら(1987)、J.Chromatography、411 :177 ;
およびJanknecht ら、PNAS、88:8,972 を参照されたい]。
融合遺伝子を作成する手法は、当業者に公知である。基本的には、異なるポリ
ペプチド配列をコードしている様々なDNAフラグメントの結合を、慣用の手法
に従って実施するが、結合のために平滑断端または食い違い断端の末端を、適切
な末端を与えるために制限酵素消化を、望ましくない結合を避けるための適切な
アルカリホスファターゼ処理として、付着末端の充填と酵素による結合とを用い
る。もう一つの実施態様では、自動DNA合成装置を包含する慣用の手法によっ
て、融合遺伝子を合成できる。これに代えて、連続する2本の遺伝子フラグメン
トの間に相補的な突出部を生じさせ、次いでそれらをアニーリングして、キメラ
遺伝子配列を生成できるアンカープライマーを用いて、遺伝子フラグメントのP
CR増幅を実施できる[例えばCurrent Protocols in Molecular Biology、Ausu
bel ら編、John Wiley & Sons :1991)を参照されたい]。
本発明のもう一面は、主題のE6結合タンパク質の一つの活性を有するか、主
題のE6−BPの生物学的活性のうち少なくとも1種類の拮抗体である単離タン
パク質に関する。好適実施態様では、E6結合タンパク質の生物学的活性は:真
核細胞、例えば哺乳類の細胞、例えばヒトの細胞の増殖/細胞増殖を変調できる
能力;乳頭腫ウイルス感染、例えばHPV−16、HPV−18、HPV−31
またはHPV−33による感染の有効性を左右できる能力;細胞の形質転換、例
えばPV媒介形質転換、例えばPV媒介形質転換、例えば高危険性HPV媒介形
質転換の有効性を左右できる能力;細胞の不死化、例えばPV媒介形質転換、例
えばHPV媒介形質転換、例えば高危険性HPV媒介不死化の有効性を左右でき
る能力;PVのE6タンパク質、例えばHPVのE6タンパク質、例えば高危険
性HPVのE6タンパク質を結合できる能力を包含する。本発明のE6結合タン
パク質、特に拮抗活性を有するそれは、例えば内在性E6−BPが誤発現されて
いる腫瘍細胞での、腫瘍成長を抑制できる能力を有し得る。主題のE6結合タン
パク質のその他の生物学的活性は、本明細書に記載されているか、または当業者
には合理的に明白であると思われる。主題のE6結合タンパク質の少なくとも1
種類以上の生物学的活性を有するポリペプチドは、配列番号8〜14のいずれか
に示される配列とアミノ酸配列が異なっていてよいが、そのような差異は、本来
のE6結合タンパク質と同一もしくは類似の方式で機能するか、または本来のE
6結合タンパク質の同一もしくは類似の特徴を有する、修飾されたタンパク質を
生じる。これらの、および他の機能的に等価のペプチドを生産するための、本発
明のE6結合タンパク質の様々な修飾は、本明細書に詳細に記載されている。本
明細書で用いる限りで、ペプチドという用語は、ペプチド、タンパク質およびポ
リペプチドを意味する。
本発明は、また、通常はE6結合タンパク質に付随する、他の細胞もしくはウ
イルス性タンパク質、特に乳頭腫ウイルスタンパク質から単離されたか、さもな
ければ実質的にそれらを含まない単離E6結合タンパク質を入手可能にする。用
語「他の細胞またはウイルス性タンパク質を実質的に含まない」(本明細書では
「混入タンパク質」とも呼ぶ)、または「実質的に純粋な、または精製された調
製品(製剤)」は、20%(乾燥重量による)未満の混入タンパク質、好ましく
は5%未満の混入タンパク質を有するE6−BP調製品を包含するとして定義さ
れる。機能的な形態の主題のE6結合タンパク質は、本明細書に記載のようなク
ローニングされた遺伝子を用いることによって精製された調製品として、最初に
調製できる。「精製された」とは、ペプチド、またはDNAもしくはRNA配列
を指すときは、指示された分子が、他の生体高分子、例えば他のタンパク質(特
にE6のようなウイルスタンパク質、および他の混入タンパク質)の実質的不在
下で存在することを意味する。本明細書で用いる限りで、用語「精製された」は
、好ましくは、乾燥重量で80%以上、より好ましくは95〜99重量%の範囲
、最も好ましくは99.8重量%以上の、存在する同形式の生体高分子を意味す
る(しかし、水、緩衝液などの小分子、特に5,000未満の分子量を有する分
子は存在できる)。本明細書で用いる限りで、用語「純粋な」は、好ましくは、
直前の「精製された」と同じ数値的限度を有する。「単離された」および「精製
された」は、それらの本来の状態での天然材料、または(例えばアクリルアミド
ゲル中で)成分へと分離されているが、純粋な(例えば、混入タンパク質、また
は変性剤および重合体、例えばアクリルアミドもしくはアガロースのようなクロ
マトグラフィー試薬を欠く)物質もしくは溶液のいずれとしても得られなかった
天然材料のいずれも包含しない。
核酸、例えばDNAまたはRNAに関してやはり本明細書で用いる限りで、用
語「単離された」は、該高分子の天然の産出源に存在する、それぞれ他のDNA
またはRNAから分離された分子を意味する。例えば、主題のE6結合タンパク
質の一つをコードしている単離された核酸は、好ましくは、自然界ではゲノムD
NA中で特定のE6−BPを直接挟んで存在する10キロベース(kb)以下の核
酸配列、より好ましくは5kb以下のそのような天然に産するフランキング配列、
最も好ましくは1.5kb未満のそのような天然に産するフランキング配列を包含
する。本明細書で用いる限りで、単離されたという用語は、組換えDNAの手法
で生産したときは、細胞性材料、ウイルス性材料、もしくは培養の培地も、また
は化学的に合成したときは、化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含ま
ない核酸またはペプチドも意味する。その上、「単離された核酸」は、フラグメ
ントとしては天然に産せず、自然状態では見出されないような核酸フラグメント
を包含するものとする。
更に、主題のE6結合タンパク質の単離されたペプチジル部分は、そのような
ペプチドをコードしている核酸の対応するフラグメントから、組換えによって生
産されたペプチドをふるい分けることによっても得ることができる。加えて、フ
ラグメントは、慣用のメリフィールド固相f−Mocまたはt−Boc化学のよ
うな、当技術に公知の手法を用いて化学的に合成できる。例えば、本発明のE6
結合タンパク質は、任意に、フラグメントの重複が皆無である望みの長さのフラ
グメントへと分割するか、または、好ましくは、望みの長さの重複するフラグメ
ントへと分割してよい。フラグメントは、E6結合タンパク質活性の作動体また
は拮抗体のいずれかとして機能できるようなペプチジルフラグメントを同定する
ために(組換えによるか、または化学的合成によって)生産し、例えば微量注入
検定法によって、試験することができる。
治療もしくは予防の有効性、または安定性(例えば、生体外での有効期間、お
よび生体内でのタンパク質分解性分解に対する耐性)を強化するような目的で、
主題のE6結合タンパク質の構造を修飾することができる。そのような修飾した
ペプチドは、天然に産する形態のタンパク質の少なくとも1種類の活性を保持す
るよう設計したときは、より詳細に本明細書に記載したE6結合タンパク質の機
能的等価物と見なされる。そのような修飾したペプチドは、例えば、アミノ酸の
置換、削除または付加によって生産できる。
その上、イソロイシンまたはバリンによるロイシンの、グルタミン酸によるア
スパラギン酸の、セリンによるトレオニンの単離された置換、または構造的に関
連するアミノ酸によるアミノ酸の類似の置換(すなわち保存的突然変異)は、得
られる分子の生物学的活性に対して重大な効果はないものと期待するのが合理的
である。同類置換は、それらの側鎖に関連性があるアミノ酸の一族内で実施され
る置換である。遺伝的にコードされるアミノ酸は、4族に分割できる:(1)酸
性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒス
チジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン
、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性=
グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロ
シン。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、芳香族アミノ酸と
してまとめて分類されることがある。同様にして、このアミノ酸の目録は、(1
)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リシン、アルギニン、
ヒスチジン;(3)脂肪族=グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、セリン、トレオニン、ただしセリンおよびトレオニンは、場合により脂肪
族ヒドロキシルとして別個に類別される;(4)芳香族=フェニルアラニン、チ
ロシン、トリプトファン;(5)アミド=アスパラギン、グルタミン;ならびに
(6)硫黄含有=システインおよびメチオニンとして類別できる[例えばL.Str
yer 編、Biochemistry、第2版、WH Freeman and Co.、1981を参照されたい]。
ペプチドのアミノ酸配列の変化が機能的なE6−BP相同体を生じるか否かは、
野生型E6−BPと同様にして細胞に応答を生起できる変異型ペプチドの能力を
評価することによって、容易に決定できる。1回より多くの置換を生じたペプチ
ドは、同じようにして容易に試験できる。
本発明は、更に、本発明に開示の新規E6結合タンパク質の何セットかの組合
せ突然変異体、および断端突然変異体を生成する方法も企図し、PVのE6タン
パク質、特に高危険性HPVのE6タンパク質に結合するのに機能的である、潜
在的変異型配列を同定するのに特に役立つ。そのような組合せライブラリーをふ
るい分ける一つの目的は、例えば、野生型(「標準的」)タンパク質の生物学的
活性の作動体もしくは拮抗体のいずれか一方として機能するか、または、これに
代えて、全体として新規な活性を有する新規E6−BP相同体を単離することで
ある。例示するならば、本方法によってE6−BP相同体を加工して、E6を結
合するが、それでも、乳頭腫ウイルスによる感染、形質転換および/または不死
化における本来のE6−BPの役割に対して拮抗的に作用するタンパク質を与え
ることができる。そのようなタンパク質は、組換えDNA構成体から発現したと
きに、遺伝子療法のプロトコルに用いることができる。
同様に、突然変異誘発は、対応する野生型タンパク質とは劇的に異なる細胞内
半減期を有する、E6−BP相同体を生成できる。例えば、変化したタンパク質
を、E6結合タンパク質の破壊か、さもなければ活性化を招く、タンパク質分解
による分解もしくは他の細胞性過程に対して、より安定的であるか、またはより
安定的でないかのいずれかにできる。そのようなE6−BP相同体、およびそれ
らをコードしている遺伝子は、組換えタンパク質の半減期を変調することによっ
て、特定の組換えE6結合タンパク質に対する発現の外延を変えるのに利用でき
る。例えば、短い半減期は、特定の組換えE6−BPに付随する、より過渡的な
生物学的効果を発生でき、誘導できる発現系の一部の場合は、細胞内の組換えE
6−BPのレベルの、より厳格な制御を可能にできる。上記のとおり、そのよう
なタンパク質、および特にそれらの組換え核酸構成体は、遺伝子療法のプロトコ
ルに用いることができる。
本方法の例示的実施態様では、E6−BP相同体または他の関連タンパク質の
集団についてのアミノ酸配列を、好ましくはできるだけ最高の相同性を促進する
よう整列させる。変異型のそのような集団は、例えば一つまたはそれ以上の種か
らのE6−BP相同体、または同種からではあるが、突然変異のために異なるE
6−BP相同体を含み得る。整列した配列の各位置に出現するアミノ酸を、組合
せ配列の縮重したセットを形成するように選択する。
好適実施態様では、潜在的なE6−BP配列の少なくとも一部をそれぞれが含
むポリペプチドのライブラリーをコードしている遺伝子の縮重ライブラリーを用
いて、組合せE6−BPライブラリーを形成する。潜在的E6−BP配列の縮重
セットが、個々のポリペプチドとしてか、これに代えて、E6−BP配列のセッ
トをその中に含む1セットの、より大きい融合タンパク質(例えば、ファージ表
示のため)として発現できるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子
配列内に酵素的に結合できる。
潜在的E6−BP相同体のライブラリーを縮重オリゴヌクレオチド配列から形
成できる、多くの方法が存在する。縮重遺伝子配列の化学合成は、自動DNA合
成装置で実施でき、そうして、合成遺伝子を、発現のための適切な遺伝子中に結
合する。遺伝子の縮重セットの目的は、潜在的E6−BP配列の望みのセットを
コードしている配列をすべて、一つの混合物として与えることである。縮重オリ
ゴヌクレオチドの合成は、当技術に周知である[例えばS.A.Narang (1983)、
Tetrahedron、39:3;Itakura ら(1981)、Recombinant DNA,Proc.3rd Clev
eland Sympos.Macromolecules、A.G.Walton 編、Elsevier、オランダ国アムス
テルダム:273 〜289 ページ;Itakura ら(1984)、Annu.Rev.Biochem.、53
:323 ;Itakura ら(1984)、Science、198 :1,056 ;Ike ら(1983)、Nucle
ic Acids Res.、11:477 を参照されたい]。そのような手法は、他のタンパ
ク質の指向された進化に用いられている[例えばScott ら(1990)、Science、2
49 :386 〜390 ;Roberts ら(1992)、PNAS、89:2,429 〜2,433 ;Devlinら
(1990)、Science、249 :404 〜406 ;Cwirlaら(1990)、PNAS、87:6,378〜
6,382 ;ならびに米国特許第5,223,409 号明細書、第5,198,346 号明細書および
第5,096,815 号明細書を参照されたい]。
点突然変異によって作成された組合せライブラリーの遺伝子産物をふるい分け
るため、および一定の特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーを
ふるい分けるための、広範囲の手法が当技術に公知である。そのような手法は、
E6−BP相同体の組合せ突然変異誘発によって形成された遺伝子ライブラリー
の迅速なふるい分けに、一般的に適合させ得ると思われる。大きい遺伝子ライブ
ラリーをふるい分けるための最も広く用いられる手法は、代表的には、遺伝子ラ
イブラリーを、複製できる発現ベクターへとクローニングすること、得られるベ
クターのライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、および望みの活性の検
出が、その産物が検出された遺伝子をコードしているベクターの比較的容易な単
離を促進する条件下で、組合せ遺伝子を発現させることを含む。下記の例示的検
定法のそれぞれは、組合せ突然変異誘発の手法で生成された多数の縮重E6−B
P配列をふるい分けるのに必要な、高処理量分析に応じられる。
一ふるい分け検定法では、候補のE6−BP遺伝子産物が、細胞またはウイル
ス粒子の表面に表示され、この遺伝子産物を介してE6タンパク質、例えばHP
V−16のE6を結合できる特定の細胞またはウイルス粒子の能力を、「選鉱検
定法」で検出する。例えば、遺伝子ライブラリーを、細菌細胞の表面膜タンパク
質について遺伝子内にクローニングし、得られる融合タンパク質を選鉱によって
検出することができる[Ladnerら、国際公開特許第88/06630号公報;Fuchs ら(
1991)、Bio/Technology、9:1,370 〜1,371 ;およびGowardら(1992)、TIBS
、18:136 〜140]。同様にして、蛍光標識したE6を用いて、潜在的に機能的
であるE6−BP相同体を評定できる。細胞は、視覚的に検査でき、蛍光顕微鏡
下で分離するか、または、細胞の形態学的形状が許すならば、蛍光活性化細胞選
別機によって分離することができる。
代替的実施態様では、遺伝子ライブラリーを、ウイルス粒子の表面の融合タン
パク質として発現させる。例えば、繊維状ファージ系では、伝染性ファージの表
面に異質ペプチド配列を発現させ、それによって、二つの有意義な利点が賦与で
きる。第一に、これらのファージは、非常に高濃度で親和性基質に塗布できるた
め、非常に多数のファージを一度にふるい分けられる。第二に、伝染性ファージ
はそれぞれ、その表面に組合せ遺伝子産物を表示するため、特定のファージを低
収率で親和性基質から回収するならば、もう1回の感染によって、ファージを増
幅できる。ほとんど同一の大腸菌繊維状ファージであるM13、fdおよびf1
の群は、ファージ表示ライブラリーに最も多く用いられるが、それは、ファージ
gIII またはgVIIIコートタンパク質のどちらも、ウイルス粒子の最終的なパッ
ケージングを破壊することなく融合タンパク質を生成するのに用い得るからであ
る[Ladnerら、PCT出版物、国際公開特許第90/02909号公報;Garrard ら、P
CT出版物、国際公開特許第92/09690号公報;Marksら(1992)、J.Biol.Chem
.、267 :16,007〜16,010;Griffiths ら(1993)、EMBO J.、12:725 〜734;
Clacksonら(1991)、Nature、352 :624 〜628 ;およびBarbasら(1992)、PN
AS、89:4,457 〜4,461]。
例示的実施態様では、組換えファージ抗体系(RPAS、Pharmasia カタログ
番号第27-9400-01)は、E6−BP組合せライブラリーを発現させ、ふるい分け
るために容易に変更できる。例えば、RPASのキットのpCANTAB5とい
うファージミドphagemidは、ファージgIII コートタンパク質をコードしている
遺伝子を含む。E6−BP組合せ遺伝子ライブラリーは、gIII シグナル配列に
隣接するファージミドに、gIII 融合タンパク質として発現されるようにクロー
ニングできる。結合の後、このファージミドを用いて、適格な大腸菌TG1細胞
を形質転換する。次いで、形質転換した細胞をM13KO7ヘルパーファージに
感染させて、ファージミド、およびその候補となるE6−BP遺伝子挿入断片を
取り戻す。得られる組換えファージは、特異的な候補E6−BPをコードしてい
るファージミドDNAを含み、対応する融合コートタンパク質の1個またはそれ
以上のコピーを表示する。E6を結合できる、これらファージに表示される候補
E6−BPを、E6で選鉱することによって、選別または濃縮する。例えば、こ
のファージライブラリーをグルタチオン固定化E6−GST融合タンパク質に対
して選鉱し、未結合ファージを細胞から洗浄し去ることができる。次いで、結合
したファージを単離し、組換えファージが野生型gIII コートタンパク質の少な
くとも1コピーを発現するならば、それらは、大腸菌に感染する能力を保持して
いることになる。こうして、大腸菌感染および選鉱を連続的に反復することは、
E6−BP相同体を著しく濃縮することになり、それらは、E6を結合できる能
力を保持できて、作動体と拮抗体とを分別するためのそれ以上の生物学的活性に
ついて、その後にふるい分けできる。
本開示を考慮すると、上記の組合せ突然変異誘発という取り組み方に加えて、
突然変異誘発の一般的に適用できるその他の形態は、当業者には明らかであると
思われる。例えば、E6−BP相同体(作動体および拮抗体形態の双方)を生成
かつふるい分けることが、例えばアラニン走査突然変異誘発などを用いて[Ruf
ら(1994)、Biochemistry、33:1,565 〜1,572 ;Wangら(1994)、J.Biol.C
hem.、269 :3,095 〜3,099 ;Balintら(1993)、Gene、137 :109〜118 ;Gro
dbergら(1993)、Eur.J.Biochem.、218 :597 〜601 ;Nagashima ら(1993
)、J.Biol.Chem.、268 :2,888 〜2,892 ;Lowmanら(1991)、Biochemistry
、30:10,832〜10,838;およびCunninghamら(1989)、Science、244 :1,081〜
1,085]、リンカー走査突然変異誘発によって[Gustinら(1993)、Virology、1
93 :653 〜660 ;Brown ら(1992)、Mol.Cell.Biol.、12:2,644 〜2,652
;McKnightら(1982)、Science、232 :316]、または飽和突然変異誘発によっ
て[Meyersら(1986)、Science、232 :613]、可能である。
本発明は、主題のE6結合タンパク質のE6結合ドメインを縮小して、模擬体
、例えば、本発明のE6−BPの結合を乳頭腫ウイルスE6タンパク質で破壊で
きるペプチドまたは非ペプチド作用因を生成することも、提供する。したがって
、そのような突然変異誘発の手法は、例えばPVのE6タンパク質への主題のE
6結合タンパク質の結合に関与する、タンパク質−タンパク質相互作用に参加す
る、E6−BPの決定基をマッピングするのに特に役立つ。例示すると、E6の
分子的認識に関与する、E6結合タンパク質の枢要な残基を決定すること、およ
びE6とのE6−BPの結合を競合阻害する、E6−BP由来のペプチド模擬体
を生成することができる(例えば、「網膜芽腫の遺伝子タンパク質に結合するヒ
ト乳頭腫ウイルスタンパク質のペプチド阻害剤」、ヨーロッパ公開特許第EP-412
,762A 号公報および第EP-B31,080A 号公報を参照されたい)。例えば走査突然変
異誘発を用いて、E6の結合に関与する特定のE6結合タンパク質のアミノ酸残
基をマッピングすることによって、E6に結合する際にこれらの残基を模倣し、
そのためにE6とのE6−BPの結合を阻害でき、それによってPV感染におけ
るE6の機能に干渉できる、ペプチド模擬化合物(例えばジアゼピンまたはイソ
キノリン誘導体)を生成することができる。例えば、そのような残基の加水分解
できないペプチド類似体を生成することが、ベンゾジアゼピン[例えばFreiding
erら、Peptides: Chemistry and Biology、G.R.Marshall 編、ESCOM Publisher
:オランダ国Leiden、1988を参照されたい]、アゼピン[例えばHuffman ら、P
eptides: Chemistry and Biology、G.R.Marshall 編、ESCOM Publisher :オラ
ンダ国Leiden、1988を参照されたい]、置換γ−ラクタム環[Garveyら、Peptid
es: Chemistry and Biology、G.R.Marshall 編、ESCOM Publisher :オランダ
国Leiden、1988]、ケトメチレン偽ペプチド[Ewenson ら(1986)、J.Med.Ch
em.、29:295 ;およびEwenson ら、Peptides: Structure and Function(Proc
eedings of the 9th American Peptide Symposium)、Pierce Chemical Co.、米
国イリノイ州Rockland、1985]、β回転ジペプチドコア[Nagai ら(1985)、Te
trahedron Lett.、26:647 ;およびSatoら(1986)、J.Chem.Soc.Perkin T
rans.、1:1,231]、ならびにβ−アミノアルコール[Gordonら(1985)、Bio
chem.Biophys.Res.Commun.、126 :419 ;およびDannら(1986)、Biochem.
Biophys.Res.Commun.、134 :71]を用いて可能である。
本発明のもう一面は、主題のE6結合タンパク質の一つと特異的に反応する抗
体に関する。例えば、本発明の活性E6結合タンパク質から誘導された免疫原を
用いることによって、そのcDNA配列に基づいて、標準的プロトコルを用いて
、抗タンパク質/抗ペプチド抗血清またはモノクローナル抗体を作成できる[例
えばAntibodies: A Laboratory Manual、HarlowおよびLane編(Cold Spring Har
bor Press:(1988)を参照されたい]。マウス、ハムスターまたはウサギのよ
うな哺乳類が、該ペプチドの免疫原形態(例えば、抗体応答を誘発できるE6結
合タンパク質または抗原性フラグメント)で免疫できる。タンパク質またはペプ
チドに免疫原性を賦与する手法は、担体との接合その他の当技術に周知の手法を
包含する。主題のE6結合タンパク質の免疫原性部分は、アジュバントの存在下
で投与できる。免疫化の経過は、血漿または血清中の抗体価の検出によって監視
できる。標準的ELISAその他の免疫検定法を抗原としての免疫原とともに用
いて、抗体のレベルを評価できる。好適実施態様では、主題の抗体は、本発明の
E6結合タンパク質の抗原決定基、例えば、配列番号8〜14の一つで表される
タンパク質、または密接に関連するヒトもしくはヒトではない哺乳類の相同体(
例えば90%相同体、より好ましくは95%以上の相同体)の抗原決定基に免疫
特異的である。本発明の更にもう一つの好適実施態様では、抗E6−BP抗体は
、タンパク質、例えば配列番号8〜14の一つと90%未満相同である、例えば
配列番号8〜14の一つと95%未満相同である、例えば配列番号8〜14の一
つと98〜99%未満相同であるそれと実質的に交差反応(すなわち特異的に反
応)しない。「実質的に交差反応しない」とは、該抗体が、配列番号8〜14の
一タンパク質に対する結合親和性の10%未満、より好ましくは5%未満、更に
好ましくは1%未満である、非相同タンパク質(例えばE6)に対する結合親和
性を有することを意味する。
免疫化に続いて、抗E6−BP抗血清を得ることができ、望まれるならば、ポ
リクローナル抗E6−BP抗体が、血清から単離できる。モノクローナル抗体を
生成するには、免疫した動物から抗体生産細胞(リンパ球)を採集し、標準的な
体細胞融合操作によって、骨髄腫細胞のような不死化するための細胞と融合させ
て、ハイブリドーマ細胞を生じることができる。そのような手法は、当技術に周
知であり、例えば、ハイブリドーマの手法[KohlerおよびMilstein(1975)、Na
ture、256 :495 〜497 により最初に開発]、ヒトB細胞ハイブリドーマの手法
[Kozbarら(1983)、Immunology Today、4:72]、およびヒトモノクローナル
抗体を生成するためのEBV−ハイブリドーマの手法[Coleら(1985)、Monocl
onal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77〜96ページ]。
ハイブリドーマ細胞は、本発明のE6結合タンパク質と特異的に反応する抗体の
生産について免疫化学的にふるい分けでき、そのような細胞を含む培養体から、
モノクローナル抗体を単離できる。
本明細書で用いる限りでの抗体という用語は、やはり主題のE6結合タンパク
質の一つと特異的に反応するそのフラグメントを包含するものとする。抗体は、
慣用の手法を用いて断片化でき、フラグメントは、抗体全体について上に記載し
たのと同じようにして、有用性についてふるい分けできる。例えば、抗体をペプ
シンで処理することによって、F(ab’)2フラグメントが生成できる。得ら
れるF(ab’)2フラグメントは、ジスルフィド架橋を還元して、Fab’フ
ラグメントを生成できる。本発明の抗体は、更に、抗E6−BP部分を有する二
重特異性でキメラ性の分子も包含するものとする。
例えば本発明の抗E6BP抗体の微量注入によって、E6−BPまたはE6−
BPの変異型に向けたモノクローナルとポリクローナル抗体(Ab)の双方、お
よびFab’やF(ab’)2のような抗体フラグメントを用いて、E6−BP
の作用を遮断し、乳頭腫ウイルスによる感染、形質転換および/または不死化に
おける本発明の特定のE6結合タンパク質の役割、ならびにE6結合タンパク質
の正常な細胞の機能についての研究を可能にできる。
E6−BPエピトープを特異的に結合する抗体は、主題のE6−BPのそれぞ
れの発現の多量性およびパターンを評価するために、組織試料の免疫化学的染色
に用いることもできる。抗E6−BP抗体は、臨床試験操作の一部として、組織
または体液中のE6−BPレベルを検出かつ評価するために、免疫沈降および免
疫ブロッティングに診断用に用いることができる。例えば、そのような測定は、
HPV感染の開始または経過の予測評価に役立ち得る。同様に、個体でのE6−
BPレベルを監視できる能力は、そのような疾患に侵された個体に対する与えら
れた治療法の有効性の決定を可能にできる。E6−BPのレベルは、体液、例え
ば脳脊髄液の試料中に見出される細胞で測定できるか、または組織、例えば生検
によって得られたそれで測定できる。抗E6−BP抗体を用いる診断用検定法は
、例えば、新生物性または過剰形成性の疾患、例えば試料中の癌性細胞の存在、
例えばPVに感染した細胞、例えばPVで形質転換した細胞、例えばPVで不死
化した細胞の早期診断に援用するために、例えばE6−BP遺伝子の病変が生じ
た細胞を検出するために設定された免疫検定法を包含できる。
抗E6−BP抗体のもう一つの応用は、λgt11、λgt18−23、λZ
APおよびλORF8のような発現ベクター中に構成したcDNAライブラリー
の免疫学的ふるい分けにおいてである。適正な読み枠および配向に挿入されたコ
ード化配列を有する、この形式のメッセンジャーライブラリーは、融合タンパク
質を生成できる。例えば、λgt11は、そのアミノ末端がβ−ガラクトシダー
ゼのアミノ酸配列よりなり、カルボキシル末端が異質のポリペプチドよりなる融
合タンパク質を生成することになる。次いで、主題のE6−BPの抗原エピトー
プは、抗体によって、例えば、感染した平板から取り上げたニトロセルロースフ
ィルターを抗E6−BP抗体と反応させる際に検出できる。次いで、この検定法
で評定したファージは、感染平板から単離できる。こうして、E6−BP相同体
の存在は、他の入手源から検出かつクローニングすることができ、代替的イソ型
(スプライシング変異型を包含する)は、ヒトの入手源から検出かつクローニン
グすることができる。
その上、ヒトの細胞系からの主題のE6結合タンパク質のクローニングから決
定されたヌクレオチド配列は、更に、ヒトのその他の細胞型中のE6−BP相同
体、ならびに他の動物からのE6−BP相同体を同定するのに用いるために設定
されたプローブの生成を可能にすることになる。例えば、本発明は、実質的に精
製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマーも提供するが、該オリ
ゴヌクレオチドは、配列番号1〜7の一つ、またはその天然に産する突然変異体
のセンスもしくはアンチセンス配列の10個以上の連続するヌクレオチドと緊縮
条件下でハイブリッド形成するヌクレオチドの領域を含む。好適実施態様では、
該プローブ/プライマーは、それに結合した標識基を更に含み、検出することが
でき、例えば、該標識基は、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素および酵素補因
子よりなる群から選ばれる。そのようなプローブは、例えば、患者からの細胞の
試料中のE6−BP核酸のレベルを測定し;例えばE6−BPmRNAのレベル
を測定し;例えばゲノムのE6−BP遺伝子が変異し、または削除されたか否か
を決定するために、形質転換した細胞を同定する診断用試験キットの一部として
用い得る。
加えて、ヌクレオチドプローブは、主題のE6結合タンパク質のクローニング
された配列から生成でき、E6−BPmRNAの存在についての健全な組織およ
び組織試料の史的ふるい分けを可能にする。抗E6−BP抗体の診断の用途と同
様に、E6−BPmRNAまたはゲノムのE6−BP配列に仕向けたプローブの
用途は、例えば新生物性または過形成性の疾患(例えば望ましくない細胞増殖)
で明白となり得る対立遺伝子突然変異の、予測的および治療的評価の双方に用い
得る。抗E6−BP抗体の免疫検定法と併用すると、ヌクレオチドプローブは、
E6結合タンパク質の発現(またはその欠如)に付随する何らかの異常を伴う可
能性のある、発生上の疾患についての分子的基盤の決定を容易にするのを助ける
ことができる。例えば、E6−BP合成の変異は、E6−BPコード化配列の突
然変異から分別できる。同様に、乳頭腫ウイルスE6タンパク質によるE6−B
Pの狙い定めた破壊は、p53で生じると考えられるとおり、E6結合タンパク
質のE6封鎖(すなわち、E6−BPの細胞性機能の変更を招き得るそれ)とは
区別できる。
例えば、本方法は、被験者に、望ましくない細胞増殖を特徴とする疾患の危険
性があるかを決定する方法を提供する。好適実施態様では、主題の方法は、一般
的には、被験者(例えばヒトの患者)の組織中に、(i)主題のE6−BPの一
つをコードしている遺伝子の突然変異、または(ii)E6−BP遺伝子の誤発現
のうち少なくとも一つを特徴とする遺伝的病変の存否を検出することを含むとし
て特徴付けることができる。例示すると、そのような遺伝的病変は、(i)主題
のE6−BP遺伝子からの1個またはそれ以上のヌクレオチドの欠失、(ii)そ
のようなE6−BP遺伝子への1個またはそれ以上のヌクレオチドの付加、(ii
i)E6−BP遺伝子の1個またはそれ以上のヌクレオチドの置換、(iv)主題
のE6−BP遺伝子のうち一つの大規模な配置転換、(v)E6−BP遺伝子の
mRNA転写のレベルの大規模な変化、(vi)E6−BP遺伝子のmRNA転写
の非野生型スプライシングパターンの存在、および(vii)E6結合タンパク質
の非野生型レベルのうち少なくとも一つの存在を確認することによって、検出で
きる。
本発明の一面では、配列番号1〜7のうち一つ、または天然に産するその突然
変異体のセンスもしくはアンチセンス配列とハイブリッド形成できるヌクレオチ
ド配列の領域を有するオリゴヌクレオチド、あるいは主題のE6−BP遺伝子に
天然に付随する5’もしくは3’フランキング配列またはイントロン性配列を含
む、プローブ/プライマーが提供される。該プローブを組織試料の核酸と接触さ
せ、試料核酸とのプローブのハイブリッド形成を検出する。一定の実施態様では
、病変の検出は、該プローブ/プライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(
例えば米国特許第4,683,195 号明細書および第4,683,202 号明細書を参照された
い)にか、これに代えて、結合連鎖反応(LCR)[例えばLandegran ら(1988
)、Science、241 :1,077 〜1,080 を参照されたい]に用いることを含む。こ
れに代えて、E6結合タンパク質は、免疫検定法で検出できる。
また、アンチセンスの手法の用途(例えば、アンチセンス分子の微量注入、ま
たは、その転写体がE6−BPのmRNAもしくは遺伝子配列に関してアンチセ
ンスである、プラスミドによる感染)は、HPVに媒介される事象(感染、形質
転換および/または不死化)における主題のE6−BPのそれぞれの役割、なら
びに、例えば特定のE6結合タンパク質の内在性生産を阻害することによる細胞
増殖における、該新規E6−BPのそれぞれの正常な細胞性機能を調査すること
に用い得る。そのような手法は、細胞培養に用い得るが、トランスジェニック動
物の創出にも用い得る。
更に、精製および組換えE6結合タンパク質を入手可能にすることによって、
本発明は、主題のE6結合タンパク質の正常な細胞性機能、または乳頭腫ウイル
スによる感染におけるそれらの役割の作動体もしくは拮抗体のいずれかである薬
物についてふるい分けるのに用い得る、検定法の開発を促進する。一実施態様で
は、該検定法は、E6−BPとE6タンパク質、例えば高危険性HPVからのE
6との結合を阻害できる、化合物の能力について評点するよう誘導される。各種
の検定法の体裁が、当業者には充分であり、本発明を考慮すると、直ちに明白に
なると思われる。例えば、一つのそのようなふるい分け検定法では、問題の化合
物を、本発明の単離かつ精製したE6結合タンパク質に接触させる。次いで、該
化合物とE6−BPとの混合物を、E6を含有するが、E6−BPは含有しない
組成物に加える。標識されたE6/E6−BP複合体の検出および定量は、乳頭
腫ウイルスのE6タンパク質と主題のE6−BPとの間の複合体形成を阻害する
際の化合物の効力を決定する手段を提供する。好都合には、比較のための基線を
与えるために、対照検定も実施する。対照検定では、単離かつ精製したE6−B
Pを、E6を含有する組成物に加え、試験化合物の不在下でE6/E6−BP複
合体の形成を定量する。
E6−BPとE6との間の複合体形成は、その他の各種の方法によっても検出
してよい。例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ/E6(GST/E6)
融合タンパク質をグルタチオンセファロースビーズに吸着させ、次いで、35S標
識化E6 タンパク質と結合し、複合体形成を実施する条件下、例えば205
mMトリスHCl(pH7.2)の緩衝液、50mMNaCl、および0.2%NP−
40中で4℃で温置する。温置後、ビーズを洗浄していかなる未結合E6−BP
も除去し、セファロースビーズに結合した放射能標識を直接にか(例えばビーズ
をシンチレーション蛍光液に入れる)、または(例えばDTTでの処理によって
)E6/E6−BP複合体を解離させた後の上清中で、決定する。複合体を含有
する上清は、場合により、SDS−PAGEゲルを用いて分離してから、検出す
る。
加えて、主題のE6結合タンパク質は、下記の実施例に記載のとおり[米国特
許第5,283,317 号明細書;Zervosら(1993)、Cell、72:223 〜232 ;Maduraら
(1993)、J.Biol.Chem.、268 :12,046〜12,054;Bartelら(1993)、Biotec
hniques、14:920〜924 ;およびIwabuchiら(1993)、Oncogene、8:1,693〜1
,696 も参照されたい]、その後に、E6タンパク質とのE6−BPの結合を破
壊する薬剤を検出するための、相互作用トラップ検定法を形成するのに用い得る
。相互作用トラップ検定法は、その一方が、E6タンパク質と融合した転写活性
化因子のDNA結合ドメインを含む、2種類の別個の融合タンパク質からの機能
性転写活性化因子を生体内で再構成することに依拠している。第二の融合タンパ
ク質は、主題のE6結合タンパク質の一つと融合した(例えば、RNAポリメラ
ーゼ転写を開始できる)転写活性化ドメインを含む。E6とE6結合タンパク質
とが作用し合うとき、転写活性化因子のタンパク質の2ドメインは、リポーター
遺伝子の転写を生起するのに充分に近付けられる。例示的実施態様では、サッ
カロミセス・セレビシエYPB2細胞を、GAL4db−E6融合をコードして
いるプラスミド、および主題のE6−BPと融合したGAL4adドメインをコ
ードしているプラスミドで同時に形質転換する。その上、GAL4応答性プロモ
ーターが表現型のマーカーの発現を推進するように、この菌株を形質転換する。
例えば、ヒスチジンの不在下で増殖できる能力は、HIS3遺伝子の発現に依存
できる。HIS3遺伝子がGAL4応答性プロモーターの制御下に置かれたとき
は、この栄養要求性表現型の除去が、機能性GAL4活性化因子がE6とE6−
BPとの相互作用によって再構成されたことを示す。したがって、E6とのE6
−BPの相互作用を阻害できる薬剤は、ヒスチジンの不在下では増殖ができない
酵母細胞を生じる。これに代えて、表現型マーカー(例えばHIS3遺伝子に代
えての)は、E6/E6−BP相互作用を破壊する薬剤が、細胞に正の増殖選択
を与えるように発現したときは、負の選択を与えるそれであることができる。
その上、主題のE6結合タンパク質の一つが酵素活性を有する場合、その酵素
活性の阻害剤は、主題の酵素による基質の接触転換を阻害できる、その薬剤の能
力を測定するに由来する検定法を用いて同定することができる。
もう一面では、本発明は、本発明の組換えE6−BP遺伝子を発現するか、あ
るいは、例えばヘテロ接合性もしくはホモ接合性の、主題のE6−BP遺伝子の
うち一つもしくはそれ以上がその動物の少なくとも一つの組織または細胞型で破
壊されている、ヒトではないトランスジェニック動物を特徴とする。
もう一面では、本発明は、誤発現されたE6−BP対立遺伝子を有する、発生
上の疾病のための動物モデルを特徴とする。例えば、E6−BPの対立遺伝子が
欠失しているか、あるいは1個もしくはそれ以上ののE6−BPのエキソンの全
部または一部が欠失しているマウスを育種できる。そうして、そのようなマウス
モデルは、誤発現されたE6−BP遺伝子から生じる疾患を研究するのに用いる
ことができる。
実施例
ここで、本発明を一般的に説明するが、本発明の一定の側面および実施態様の
例示のためにのみ包含され、本発明を限定しようとするものではない下記の実施
例を参照することによって、それは、より容易に理解されるものと思われる。
HPV16のE6タンパク質に付随するタンパク質をコードしている遺伝子を
同定するために、作用し合うタンパク質をコードしている遺伝子に対する遺伝的
選択を利用する、変更した二ハイブリッド系を用いた[例えばFieldsら(1989)
、Nature、340 :245 〜246 ;Chien ら(1991)、PNAS、88:9,578 〜9,582 ;
Morrissey ら(1989)、J.Virol.、63:4,422 〜5 ;およびLambertiら(1990
)、EMBO J.、9:1,907 〜1,913 を参照されたい]。HPV16のE6/ウシ
乳頭腫ウイルス(BPV)E2DNA結合ドメイン(E2R)の融合タンパク質
(「E6−E2R」)、および4種類のE2結合要素を有するプロモーターによ
って推進されるlacZリポーターを発現する酵母の菌株で開始することによっ
て、この「二ハイブリッド系」を適合させた。E6−E2R融合タンパク質は、
E2結合部位を結合できるが、リポーター遺伝子の発現を誘導しない。次いで、
この菌株を、ランダムに始動したHeLa細胞cDNAを挿入したプラスミドの
ライブラリーで、強力なVP16転写活性化ドメインへとC末端で形質転換した
[Daltonら(1992)、Cell、68:597 〜612]。E6−E2Rと作用し合えるか
、またはリポータープロモーターを直接結合できるVP16/cDNA融合タン
パク質は、VP16活性化ドメインをE2結合部位に補充し、lacZ遺伝子の
発現を活性化することになり、次いで、これらの酵母細胞は、x−gal平板上
で青色に染まることになった。
約106個の独立した酵母のコロニーをふるい分けた後、ガラクトース/x−
gal上で青色になる40個を同定した。大腸菌への形質転換後に、VP16/
cDNAプラスミドを回収した。これらのVP−16/cDNA遺伝子を、E6
−E2ハイブリッド遺伝子、調節ベクター、または最初のキメラに用いたE2遺
伝子の部分のいずれかとともにE2リポーター遺伝子を有する、新鮮な酵母に導
入した。これの分析の結果は、VP−16/cDNAのいくつかが、ハイブリッ
ドのBPVのE2部分と作用し、その他は、E6−E2の不在下でもリポーター
遺伝子を活性化するタンパク質をコードしているが、9個は、HPV16のE6
−E2の存在下でのみ、lacZの発現を複製可能なように刺激するにすぎない
ことが見出された。40クローンのうちいくつかは、これらの条件下のいずれに
おいても、リポーターの発現を活性化せず、概して、当初のふるいで最も青いコ
ロニーからのものであった。202アミノ酸のLexAのDNA結合ドメインよ
りなるN末端と、枠内でHPV16E6とを有するキメラも作成した。Leu2
遺伝子を調節する染色体LexA依存性プロモーターを有する酵母の菌株を用い
て、ロイシン欠如培地での増殖は、6種類のVP−16cDNAのすべてによっ
て与えられ得るが、いくつかの対照VP−16キメラは生存できないことを見出
した。このことは、cDNAがHPV16E6と作用し合えるという追加の証拠
を与える。
E6と特異的に作用し合ったcDNAを、VP16コード化配列内で開始する
プライマーを用いてDNA配列分析に付した。これは、cDNAとの融合点での
読み枠に関する情報を与える。概してこのプライマーを用いて、約200〜30
0ヌクレオチドのDNA配列を決定した。すべての場合に、枠内の開放読み枠を
同定した。適切なプライマーを用いて、cDNA挿入断片の3’末端も配列決定
している。3例で、同じ遺伝子が2回見出された。これらは、VP16活性化ド
メインとの融合点で異なり、したがって、同じライブラリークローンの正確な複
製ではなくて、無関係の単離体を表していた。
SD−7のクローンは、カルボキシル末端にHDELシグナル配列を有する2
10アミノ酸残基の開放読み枠をコードしていた。SD7の5’部分を、HeL
aλファージライブラリーから完全な長さのcDNAを単離するためのプローブ
として用いた。重複する挿入断片を有するいくつかのクローンを単離した。これ
らは、合わせて2kbにわたるcDNAの回収を招いた。こうして、SD−7タン
パク質をコードしているcDNAの完全なコピーを得た。SD−7cDNAクロ
ーンのヌクレオチド配列、および推定されるアミノ酸配列を、添付の配列リスト
に提示する。カルボキシル末端のHDELシグナル配列に加え、E6−BPのC
’側半部には4本のEFの手がある。
SD7配列(またはすべてのcDNAフラグメント)による高度の緊縮条件下
でのノーザンブロット分析は、試験したすべての細胞系に類似のレベルで存在す
る、2,000ヌクレオチドの大きさの転写体とハイブリッド形成する。更に、
SD−7のmRNAのレベルは、乳頭腫ウイルスE6遺伝子によって形質転換し
た細胞系でさえ、変動しない。
主題のE6結合タンパク質とのE6の生体内会合を更に確認するため、生体外
で翻訳したE6および不死化GST−E6BPを用いて、生体内結合検定を実施
した。例えば、GST−SD7およびGSTのみを、それぞれ、正および負の対
照として用いたことを認める。GST−E6−BPは、E6−APで認められた
のと匹敵する程度にHPV16E6を結合するが、GSTのみは、HPV16E
6に結合しない。
cDNAの5’および3’末端のDNA配列を用いて、既にクローニングされ
、配列決定された遺伝子との相同性についてGenBank /EMBLデータベースを
検索した。このコンピュータ検索は、cDNAのいくつかは公知の遺伝子に由来
するが、少なくとも8種類(SD7、8、12、16、22、28および32の
クローン)は新規遺伝子であることを明らかにした。2種類は、潜在的な金属結
合モチーフを有するが、これは、亜鉛をE6ペプチドに装荷することに関与して
いる可能性があると考えられる。1種類は、ヒトからはクローニングされていな
いが、タンパク質分解機構の一員に関係し、E6/E6−APと複合体形成する
のではないかと思われる。E2キメラとしてクローニングされる多重HPV16
E6突然変異の研究からのデータは、相互作用に特異性があることを示す。すな
わち、ある突然変異体は、いくつかのVP16cDNAで陽性のままであるが、
その他は陰性である。この情報は、これらのクローンの有効性を更に裏付ける。
更に、E6相互作用トラップで単離された8種類の異なる新規クローンを含む
pRS306プラスミドのライブラリー(「pRS306−E6BP」と呼ぶ)
として、これらのクローンのそれぞれの寄託を、ブダペスト条約の約定の下に、
1994年7月8日、アメリカンタイプカルチャーコレクション(米国メリーランド
州Rockville)で行なった。ATCC受託番号第75827 号が、該寄託物に与えら
れた。この寄託物を手にして、当業者は、主題の組換えE6−BP遺伝子を生成
し、主題のE6結合タンパク質の組換え形態を発現できる。例えば、本発明のE
6結合タンパク質はそれぞれ、下記のプライマーを用いるPCRによって、AT
CC寄託物第75827 号から増幅できるが:
これらは、それぞれVP−16遺伝子の上流、およびこのcDNA挿入断片の下
流をハイブリッド形成することによって、cDNA挿入断片の増幅を始動する。
プライマー:
は、VP16遺伝子内で、かつVP16/cDNA境界付近で始動するが、これ
も、ATCC寄託物のクローンを単離するのに用い得る。
その上、表1に与えたクローンのそれぞれに対する5’(および、場合によっ
ては3’末端)への便覧に照らして、ATCC寄託物の個々のクローンのそれぞ
れを、配列番号1〜7で与えたヌクレオチド配列に基づくプライマー、またはそ
のようなプライマーと、配列番号15、16および17との組合せを用いて単離
できることは、当業者には直ちに明らかになるものと思われる。
単離したクローンは、組換えタンパク質を生成するために、発現ベクターへと
サブクローニングできるか、またはオリゴヌクレオチドプローブを生成するのに
用い得る。例示的実施態様では、主題のATCC寄託物のクローンのそれぞれに
対するコード化配列を用いて、オリゴヌクレオチドプローブを生成し、サザンハ
イブリッド形成および原位置ハイブリッド形成の検定法に用いて、E6結合タン
パク質のそれぞれの発現のパターンおよび多量性を検出している。
その上、各番号のATCC寄託物は、相互作用トラップ検定法から同定された
融合タンパク質をコードしているプラスミドであるから、このクローンは、例え
ば薬物ふるい分け検定法、またはこれに代えて、E6結合エピトープをマッピン
グするための突然変異誘発検定法として用いられる、類似のITSに、寄託物か
ら直接利用できる。
細菌および酵母の菌株
大腸菌DHα(supE44、ΔlacU169(80lacZΔM15)、
hsdR17、recA1、endA1、gyrA96、thi1、relA1
)が、別途指示されない限り、すべてのプラスミド構築のための形質転換受容体
であった。酵母菌株DBY1は、TRP1遺伝子の不活化によって、BGW1−
7α(MATα leu2−3 leu2−112 his4−519 ade
ll−100 ura3−52)から誘導した。DBY1を酵母の二ハイブリッ
ド系のための宿主として用いた。
プラスミド
pBY−4中のURA選択遺伝子を、SalIによる消化で不活化し、プラス
ミドCV−13[Morrissey ら(1989)、J.Virol.、63:4,422 〜4,425]か
らのLEU2遺伝子で置き換えて、pL−72を作成した。そのC末端でpKP
HPV16E6E2からのBPVE2DNA結合ドメインに融合したHPV−1
6E6遺伝子を有する、BamHI−SalIフラグメントを、BamHIに挿
入することによって、pE6E2Tを構築し、BPV−1E2活性化ドメインを
有するNcoIフラグメントの削除によって、pYEplac112GE2から
pYEplac112GpYEplac112GE2−RのSalI部位を作成
した。
GST融合タンパク質の発現には、pGEXプラスミド(Pharmacia)を用い
た。例えば、SD7クローンのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物を、pG
EX−3Tに結合することによって、pGSTSD7を構築した。pGEX−2
TへのHPV6E6およびHPV6E6の開放読み枠の結合によって、pGST
6E6およびpGST16E6を構築した。GST−E6−APをコードしてい
るプラスミドは、既に記載されている[Huibregtseら(1993)、Mol.Cell.Bio
l.、13:4,918 〜4,927、1993]。生体外転写/翻訳のための遺伝子をクローニ
ングするには、pSP65プラスミドを用いた。pSP65の適切な部位へのB
PV−1E6、HPV8E6およびHPV31E6開放読み枠の結合によって、
pSPBPVE6、pSP8E6およびpSP31E6を構築した。pSP1E
6およびpSP18E6は記載されている[Crook ら(1991)、Cell、67:547
〜556]。pSP11E6およびpSP18E6も記載されている[Werness ら
(1990)、Science、248 :76〜79]。pSP7は、pSP65中のpSD7か
らのE6−BPフラグメントを有する。
ライブラリーのふるい分け
酵母の形質転換はすべて、酢酸リチウム法によって実施した[Schiestlら(19
89)、Curr.Genet.、16:339 〜346]。酵母菌株DBY1をpL−72および
pE6E2Tで形質転換して、DLE6E2株を生成し、LEU2+およびTR
P1+マーカーについての選択下で維持した。次いで、DLE6E2細胞を、ラ
ンダムに始動したHeLa細胞cDNAをVP16転写活性化ドメインにC末端
で挿入した酵母シャトルベクタープラスミドのライブラリーで形質転換した。形
質転換体を、2%グルコースを炭素源として含有するtrp-、ura-および
leu-選択培地(YMM)に播種した。30℃で温置48〜72時間後に、選
択培地および2%ガラクトースを含有する新鮮平板に、コロニーをフィルター上
で形質転換し、更に18時間温置して、E6E2およびVP16/cDNAの発
現を誘導した。次いで、選択培地、2%ガラクトースおよびX−galを含有す
る平板に、フィルターを形質転換した。発色時間は、8〜24時間にわたり、そ
の間に、青色のコロニーを拾い出し、下記のとおり処理した。
2%ガラクトースを含有するura-選択液体YMM培地中で1週間またはそ
れ以上温置した後、陽性(青色)のコロニーからVP16/cDNAプラスミド
を回収し、次いでDH5αへと形質転換した。これらのVP16/cDNA遺伝
子を、新鮮DLEE6E2、またはpE2−RとともにpL−72を含有する酵
母(DLE2−R)中に導入した。DLE6E2でのみ青色のコロニーを生じ、
DLE2−Rでは生じなかったクローンを、E6特異的であると見なし、更に研
究した。
cDNAのクローニングおよび配列決定
E6結合タンパク質の完全な長さのコード化配列を有するcDNAを得るため
、λgt11中でランダムに始動したケラチノサイト(Clontech)、およびポリ
d(T)で始動したそれのcDNAライブラリーを、非放射能標識であるジゴキ
シゲニン−dUTPによるランダムプライマー標識化キット(Boehringer-Mannh
eim)を用いて調製したE6−BPの32P標識化5’フラグメントで、高い緊縮
度でふるい分けした。いくつかの陽性のラムダクローンを単離し、挿入断片を、
SacI−KpnIフラグメントとしてのpBluescriptIIKS+/−
、またはPCR産物としてのpUC19へとサブクローニングした。シークエナ
ーゼ試薬(U.S.Biochemical)を用いるジデオキシ鎖終結法[Sangerら(1977)
、PNAS、74:5,463 〜5,467]によって、二本鎖DNAを配列決定した。GCG
(Genetics Computer Group)のFASTAというプログラムを用いて、データ
ベースによる配列の比較を実施した。
タンパク質の発現および抗体
グルタチオンSトランスフェラーセ(GST)融合タンパク質を大腸菌の菌株
DH5αまたはJM109で発現させた。培養体1リットルを静止培養体100
mlとともに接種し、1時間増殖させてから、0.2mMのIPTGで3時間誘導し
た。遠心分離によって細胞を採集し、0.03%SDS、2mMDTTを加えた低
塩類会合緩衝液(LSAB:100mMトリスHCl、pH8.0、100mMNaC
l、1%NP−40および1mMフッ化フェニルメチルスルホニル)に再懸濁し、
超音波によって溶菌した。10,000Gで10分間の遠心分離の後、上清を捕集し、
グルタチオンセファロース(Pharmacia)と混合した。混合物を4℃で2時間回
転した。次いで、1,000Gで2分間の遠心分離によって、ビーズを捕集し、
LSAB20容で3回洗浄し、4℃で貯蔵した。
ウサギ網状赤血球溶菌液翻訳系(Promega)、および35S標識化システインま
たはメチオニン(ICN)を用いることによって、生体外で翻訳されたタンパク
質を調製した。
GST−SD7融合タンパク質を精製し、ウサギに注射するのに用いた。血清
を捕集し、免疫沈降に用いた。
生体外結合
生体外結合のために、GST融合タンパク質約2μg を含有するグルタチオン
セファロース30μl を、全体積を250μl としたLSAB中で、35Sで標識
した生体外で翻訳されたタンパク質2〜20μl と併せた。混合物を4℃で3時
間回転した。次いで、混合物をLSABで6回洗浄し、SDSゲル装荷用緩衝液
中で沸騰させ、SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させた。ゲルを固
定し、自己蛍光体(Dupont)に浸漬し、乾燥し、コダックXARフィルムに感光
させた。ゲルは、また、分子動的燐光体造影機(Molecular Dynamic Phosphor I
mager)で走査した。
上記で引用した参考文献および出版物はすべて、これにより参照によって組み
込まれる。
等価物
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施態様に対する多数の等価物を
認識するか、または、通常の範囲内の実験を用いて確認できるものと思われる。
そのような等価物は、下記の請求の範囲によって包含されるものとする。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 38/17 C12N 1/21
38/43 C12P 21/02 C
39/12 C12Q 1/68
C07K 14/47 G01N 33/15 Z
19/00 33/48 M
C12N 1/21 33/569 L
C12P 21/02 A61K 37/12
C12Q 1/68 37/10 ADY
G01N 33/15 37/14 ADS
33/48 37/02
33/569 37/48
//(C12N 1/21
C12R 1:19)
(C12P 21/02
C12R 1:19)