JP2000060575A - Wnt―6ポリペプチドおよびWnt―6ポリヌクレオチド - Google Patents

Wnt―6ポリペプチドおよびWnt―6ポリヌクレオチド

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JP2000060575A JP11022239A JP2223999A JP2000060575A JP 2000060575 A JP2000060575 A JP 2000060575A JP 11022239 A JP11022239 A JP 11022239A JP 2223999 A JP2223999 A JP 2223999A JP 2000060575 A JP2000060575 A JP 2000060575A
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アール バーネス マイケル
Tania Tamson Testa
タムソン テスタ タニア
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Wnt-6ポリペプチドおよびWnt-6ポリヌクレオ
チドを提供する。 【解決手段】 配列番号2のアミノ酸配列に対して少な
くとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでな
るWnt-6ポリペプチド、および配列番号1のヌクレオチ
ド配列に対して少なくとも90%の同一性を有するヌク
レオチド配列を含んでなるWnt-6ポリヌクレオチドを得
る。 【効果】 Wnt-6ポリペプチドおよびWnt-6ポリヌクレオ
チドは神経性障害(特に、精神分裂病、双極性障害、単
極性障害、アルツハイマー病および癲癇)、癌(特に扁平
上皮癌)、心臓血管疾患、発作、並びに発育障害(葉状魚
鱗癬を含む)を含む機能障害または疾病の治療と、この
ような疾病の診断アッセイに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの治療
の際のまたは治療に有効でありうるアゴニスト、アンタ
ゴニストおよび/またはインヒビターである化合物を同
定する際の使用、並びに該ポリペプチドおよびポリヌク
レオチドの生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物探索プロセスには目下根本的な大変
化が生じている。というのは、それが「機能性遺伝子科
学」(functional genomics)、すなわちハイスループッ
ト(高効率)のゲノムまたは遺伝子ベースの生物学に及
んでいるからである。遺伝子および遺伝子産物を治療の
標的として同定するための手段としてのこのアプローチ
は「ポジショナルクローニング」に基づいた比較的初期
のアプローチに急速に取って代わりつつある。表現型、
つまり生物学的機能または遺伝病、が同定され、続いて
その遺伝子地図の位置を手がかりとして病因遺伝子が突
き止められるだろう。機能性遺伝子科学は、ハイスルー
プットDNA配列決定技術および現在入手できる多くの
分子生物学データベースから興味のもてそうな遺伝子配
列を同定するための生物情報科学(bioinformatics)の様
々なツールに大きく依存している。依然として、まだ未
解明の遺伝子およびその関連ポリペプチド/タンパク質
を薬物探索の標的として同定し特性づける必要性が存在
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Wnt-6、特
にWnt-6ポリペプチドおよびWnt-6ポリヌクレオチド、組
換え物質、並びにその生産方法に関する。もう一つの態
様において、本発明は、神経性障害(特に、精神分裂
病、双極性障害、単極性障害、アルツハイマー病および
癲癇)、癌(特に扁平上皮癌)、心臓血管疾患、発作、並
びに発育障害(葉状魚鱗癬を含む)(以後まとめて「前記
疾患」という)の治療をはじめとする、前記ポリペプチ
ドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。他の態
様では、本発明は、本発明により提供される物質を用い
てアゴニストおよびアンタゴニスト/インヒビターを同
定する方法、並びに同定された化合物を用いてWnt-6平
衡異常と関連した症状を治療することに関する。さらに
他の態様において、本発明は不適当なWnt-6活性またはW
nt-6レベルと関連した疾病を検出するための診断アッセ
イに関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】一つの態様において、本
発明はWnt-6ポリペプチドに関する。この種のペプチド
には、配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸
配列に対して少なくとも98%の同一性、好ましくは少
なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで
なる単離されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリ
ペプチドとしては配列番号2のアミノ酸配列を含むもの
がある。
【0005】本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸
配列が配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸
配列に対して少なくとも98%の同一性、好ましくは少
なくとも99%の同一性を有する単離されたポリペプチ
ドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号
2のアミノ酸配列からなるポリペプチドがある。本発明
の更なるペプチドには、配列番号1に含まれるヌクレオ
チド配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードさ
れる単離されたポリペプチドが含まれる。
【0006】本発明のポリペプチドはFrizzled受容体フ
ァミリーのメンバーであると考えられる。それゆえ、そ
れらには興味がもてる。なぜなら、このタンパク質は、
Wntシグナル伝達の間、発達プロセスのための伝達分子
として機能するからである。これは、多様な組織におけ
る正常な形態形成および/または分化機能のために必須
である。神経障害におけるWntシグナル伝達カスケード
の関与が、いくつかの研究において確立されている。di
shevelled-1(Wnt-1タイプシグナリングの下流トランス
デューサー)をノックアウトされたマウスは、明らかな
精神病学的な異常および社会的相互作用の異常を来たし
た表現型を示し、これは、ヒト精神分裂病に密接に関連
する(Lijamら、1997 Cell 90:895-905)。さらに最近に
なって、Cotterら(Neuroreport 9:1379-1383, 1998)
は、健常者および精神分裂病患者におけるβおよびγカ
テニン分布の有意な差異に基づき、精神分裂病患者のWn
tシグナリングにおける異常を報告した。Wnt-6は、形質
転換せず、細胞軸重複を誘発しないと考えられているWn
tリガンドのクラスに属する。Wntリガンドは、形質転換
クラスのWnt (Wnt-1、Wnt-3aおよびWnt-8を含む)のシグ
ナルをブロックするシグナルを伝達すると考えられてお
り、これが次にdishevelledを抑制するように作用す
る。従って、異常なWnt-6活性は、dishevelledノックア
ウト表現型に類似した表現型を誘発しうる。以上のこと
から、Wnt-6は精神分裂病および関連した神経障害(例え
ば、双極性疾患)の有力な候補である。Wnt-6に対応する
小分子アゴニスト/アンタゴニストまたは抗体およびア
ンチセンス配列を、上記障害および他の様々な障害の治
療のための医薬として使用することができる。これらの
特性を以後「Wnt-6活性」または「Wnt-6ポリペプチド活
性」または「Wnt-6の生物学的活性」という。これらの
活性の中には、前記Wnt-6ポリペプチドの抗原性および
免疫原性活性、特に配列番号2のポリペプチドの抗原性
および免疫原性活性も含まれる。本発明のポリペプチド
はWnt-6の少なくとも1つの生物学的活性を示すことが
好ましい。
【0007】本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク
質の形であっても、前駆体または融合タンパク質のよう
な、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しば
しば、追加のアミノ酸配列を含めることが有利であり、
このようなアミノ酸配列としては、分泌すなわちリーダ
ー配列、プロ配列、多重ヒスチジン残基のような精製に
役立つ配列、または組換え生産の間の安定性を確保する
付加的配列などがある。
【0008】また、前記ポリペプチドの変異体、すなわ
ち同類アミノ酸置換(ある残基が性質の似ている他の残
基により置換される)により基準ポリペプチドと相違し
ているポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこう
した置換は、Ala, Val, Leuおよび Ileの間;Ser とThr
の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間;塩
基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr
の間で起こる。特に、数個、5〜10個、1〜5個、1
〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任意の組合せ
で置換、欠失または付加されている変異体が好適であ
る。
【0009】本発明のポリペプチドは任意の適当な方法
で製造することができる。このようなポリペプチドに
は、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産さ
れたポリペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、
またはこれらの方法の組合せにより製造されたポリペプ
チドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するため
の手段は当業界でよく理解されている。
【0010】本発明の更なる態様において、本発明は、
Wnt-6ポリヌクレオチドに関する。このようなポリヌク
レオチドには、配列番号2の全長にわたる配列番号2の
アミノ酸配列に対して少なくとも98%の同一性を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで
なる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関
して、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチド
が好ましい。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号
2のポリペプチドをコードする配列番号1に含まれるヌ
クレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドが挙げら
れる。
【0011】本発明の更なるポリヌクレオチドには、配
列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
に対して、その全コード領域にわたって、少なくとも9
0%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性を
有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌ
クレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97
%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましい
が、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがよ
り一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポ
リヌクレオチドが最も好ましいものである。
【0012】本発明の更なるポリヌクレオチドには、配
列番号1の全長にわたる配列番号1のポリヌクレオチド
に対して少なくとも90%の同一性、好ましくは少なく
とも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで
なる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関
して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオ
チドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一
性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%
の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいもの
である。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1の
ポリヌクレオチドを含んでなるポリヌクレオチドおよび
配列番号1のポリヌクレオチドが挙げられる。本発明は
また、上記の全てのポリヌクレオチドに対して相補的な
ポリヌクレオチドを提供する。
【0013】配列番号1のヌクレオチド配列はWnt-6-mo
use(Gavinら、1990 Gene Dev. 4, 2319-2332)との相同
性を示す。配列番号1のヌクレオチド配列はcDNA配
列であり、配列番号2のポリペプチドである365個のア
ミノ酸のポリペプチドをコードするポリペプチドコード
配列(ヌクレオチド224〜1321)を含む。配列番号2のポ
リペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号
1に含まれるポリペプチドコード配列と同一であって
も、遺伝子コードの重複性(縮重)のため、やはり配列
番号2のポリペプチドをコードする、配列番号1に含ま
れる配列以外の配列であってもよい。配列番号2のポリ
ペプチドはFrizzled受容体ファミリーの他のタンパク質
と構造的に関連しており、Wnt-6-mouse (Gavinら、1990
Genes Dev. 4, 2319-2332)との相同性および/または
構造類似性を有する。
【0014】本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌ
クレオチドは、とりわけ、それと相同なポリペプチドお
よびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をも
つことが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペ
プチドおよびポリヌクレオチドは少なくとも1つのWnt-
6活性を有する。
【0015】本発明のポリヌクレオチドは、標準的なク
ローニングおよびスクリーニングにより、ヒト心臓の細
胞中のmRNAから誘導されたcDNAライブラリーか
ら、EST分析(Adams, M.D.ら, Science (1991) 252:
1651-1656; Adams, M.D.ら,Nature (1992) 355:632-63
4; Adams, M.D.ら, Nature (1995) 377 Supp:3-174)を
用いて得ることができる。また、本発明のポリヌクレオ
チドはゲノムDNAライブラリーのような天然源から得
ることができ、商業的に入手可能な公知の技法を用いて
合成することもできる。
【0016】本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリ
ペプチドの組換え体生産のために用いる場合、そのポリ
ヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単
独、または他のコード配列(例えば、リーダーもしくは
分泌配列、プレ−、プロ−もしくはプレプロ−タンパク
質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするも
の)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプ
チドのコード配列が含まれる。例えば、融合ポリペプチ
ドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得る。
本発明のこの態様の好ましい具体例として、マーカー配
列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)により提供されか
つ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1989) 86:8
21-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペプチ
ド、またはHAタグである。また、このポリヌクレオチ
ドは5'および3'非コード配列、例えば、転写されるが翻
訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化
シグナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安定化
配列を含んでいてもよい。
【0017】本発明の更なる具体例としては、数個、例
えば5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個、また
は1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失また
は付加されている、配列番号2のアミノ酸配列を含んで
なるポリペプチド変異体をコードするポリヌクレオチド
がある。
【0018】配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と
同一であるか十分に同一であるポリヌクレオチドは、本
発明のポリペプチドをコードする全長cDNAおよびゲ
ノムクローンを単離するために、また、配列番号1に対
して高い配列類似性を有する他の遺伝子(ヒトに由来す
るパラログ体(paralog)、並びにヒト以外の種に由来す
るオーソログ体(ortholog)およびパラログ体をコードす
る遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクローンを単
離するために、cDNAおよびゲノムDNA用のハイブ
リダイゼーションプローブとして、または核酸増幅(P
CR)反応用のプライマーとして用いることができる。
一般的に、これらのヌクレオチド配列は基準のヌクレオ
チド配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは
90%、最も好ましくは95%同一である。プローブま
たはプライマーはたいてい15個以上のヌクレオチドを
含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上のヌク
レオチドを有していてもよい。特に好ましいプローブは
30〜50個の範囲のヌクレオチドを有するものであ
る。特に好ましいプライマーは20〜25個の範囲のヌ
クレオチドを有するものである。
【0019】本発明のポリペプチド(ヒト以外の種に由
来する相同体を含む)をコードするポリヌクレオチド
は、配列番号1のヌクレオチド配列またはその断片を有
する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリ
ーニングし、該ポリヌクレオチド配列を含む全長cDN
Aおよびゲノムクローンを単離する各工程を含んでなる
方法により得られる。このようなハイブリダイゼーショ
ン技法は当業者に公知である。好ましいストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件は、50% ホルムアミ
ド、5×SSC (150mMNaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム)
、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×Denhardt溶
液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断
したサケ精子DNAを含有する溶液中42℃で一夜イン
キュベートし、次いでフィルターを 0.1×SSC 中約65
℃で洗浄することを含む。かくして、本発明は、配列番
号1のヌクレオチド配列またはその断片を有する標識プ
ローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングす
ることにより得られるポリヌクレオチドをも包含する。
【0020】当業者には理解されるように、多くの場
合、ポリペプチドをコードする領域がそのcDNAの5'
末端で短いことから、単離されたcDNA配列は不完全
であるだろう。それは逆転写酵素のためであり、この酵
素はもともと「プロセシビティ」(processivity:重合
反応中に鋳型に結合した状態でいる該酵素の能力の尺
度)が低く、第一鎖cDNA合成の間にmRNA鋳型の
DNAコピーを完成させることができない。
【0021】全長cDNAを得るための、または短鎖c
DNAを伸長させるための、当業者に公知で利用可能な
方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法
(RACE)に基づいた方法がある(例えば、Frohman
ら, PNAS USA 85, 8998-9002,1988を参照のこと)。例
えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.)に
より示されるような、上記技法の最近の改良により、よ
り長いcDNAの検索が大いに簡便化された。Marathon
TM技術では、所定の組織より抽出されたmRNAから
cDNAを作製し、各末端に「アダプター」配列を連結
する。続いて、遺伝子特異的およびアダプター特異的な
オリゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて核酸増
幅(PCR)を行い、cDNAの「欠失」5'末端を増幅
する。次に、「nested」プライマー、すなわち増幅産物
の内部にアニールするように設計されたプライマー(典
型的には、アダプター配列のさらに3'側にアニールする
アダプター特異的プライマーおよび既知遺伝子配列のさ
らに5'側にアニールする遺伝子特異的プライマー)を用
いてPCR反応を繰り返す。その後、この反応の産物を
DNA塩基配列決定により解析し、この産物を既存のc
DNAに直接結合するか、または5'プライマー設計用の
新たな配列情報を用いて別の全長PCRを行うことによ
り、全長cDNAを構築することができる。
【0022】本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界
で公知の方法を用いて、発現系を含有する遺伝子操作宿
主細胞から生産することができる。したがって、更なる
態様において、本発明は、本発明の1以上のポリヌクレ
オチドを含有する発現系、該発現系により遺伝子操作さ
れた宿主細胞、および組換え法による本発明ポリペプチ
ドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導され
たRNAを用いてこの種のタンパク質を生産するため
に、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0023】組換え体生産に関しては、本発明のポリヌ
クレオチドの発現系またはその一部を組み込むために宿
主細胞を遺伝子操作する。宿主細胞へのポリヌクレオチ
ドの導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Bi
ology (1986) および Sambrookら, Molecular Cloning:
A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)
などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載された方
法により行うことができる。好適なこうした方法とし
て、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、
DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、ト
ランスベクション(transvection)、マイクロインジェク
ション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エ
レクトロポレーション、形質導入、スクレープローディ
ング(scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduct
ion)または感染などがある。
【0024】適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞
(例:ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、大腸
菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵
母、アスペルギルス)、昆虫細胞(例:ドロソフィラS
2、スポドプテラSf9)、動物細胞(例:CHO、C
OS、HeLa、C 127、3T3、BHK、HEK 29
3、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられ
る。
【0025】多種多様な発現系を使用することができ
る。こうした発現系として、特に、染色体、エピソーム
およびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由
来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵
母エピソーム由来、挿入因子由来、酵母染色体エレメン
ト由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40の
ようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウ
イルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウ
イルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来
するベクター、例えば、コスミドやファージミドのよう
なプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来
するものがある。これらの発現系は発現を起こさせるだ
けでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。
一般的に、宿主内でのポリペプチドの産生のためにポリ
ヌクレオチドを維持し、増やし、発現することができる
系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual (前掲) に記載
されるような、日常的に用いられる公知の技法のいずれ
かにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入する
ことができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔
に、細胞周辺腔に、または細胞外の環境に分泌させるた
めに、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み
込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプ
チドに対して内因性であっても、異種シグナルであって
もよい。
【0026】スクリーニングアッセイで使用するため本
発明のポリペプチドを発現させようとする場合、一般に
そのポリペプチドを細胞の表面に産生させることが好適
である。その場合は、スクリーニングアッセイでの使用
に先立って細胞を回収する。該ポリペプチドが培地に分
泌される場合は、そのポリペプチドを回収し精製するた
めに培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その
細胞をまず溶解し、その後にポリペプチドを回収する必
要がある。
【0027】組換え細胞培養物から本発明のポリペプチ
ドを回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタ
ノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロ
マトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィ
ー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティ
ークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含め
た公知の方法を用いることができる。最も好ましくは、
高性能液体クロマトグラフィーが精製に用いられる。ポ
リペプチドが細胞内合成、単離および/または精製中に
変性されるときは、タンパク質を再生させるための公知
の技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復元
することが可能である。
【0028】本発明はまた、診断薬としての本発明のポ
リヌクレオチドの使用に関する。機能障害と関連した、
配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺
伝子の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現
または空間的もしくは時間的に変化した発現により生ず
る疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加しう
る、またはその診断を下しうる診断用ツールを提供する
だろう。該遺伝子に突然変異がある個体を、さまざまな
技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。
【0029】診断用の核酸は、被験者の細胞、例えば血
液、尿、唾液、組織の生検または剖検材料由来の細胞か
ら得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接
使用してもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を
使ってゲノムDNAを酵素的に増幅してもよい。同様の
方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる。
欠失および挿入突然変異は、正常な遺伝子型と比較した
ときの増幅産物のサイズの変化により検出できる。点突
然変異は増幅DNAを標識Wnt-6ヌクレオチド配列とハ
イブリダイズさせることで同定できる。完全にマッチし
た配列とミスマッチの二重鎖とはRNアーゼ消化によ
り、または融解温度の差異により区別できる。また、D
NA配列の差異は、変性剤を含むもしくは含まないゲル
でのDNA断片の電気泳動の移動度の変化により、また
は直接DNA塩基配列決定によっても検出できる(例え
ば、Myersら, Science (1985) 230:1242 を参照のこ
と)。特定位置での配列変化はヌクレアーゼプロテクシ
ョンアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プロテク
ション)または化学的開裂法によっても確認できる(Co
ttonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1985) 85:4397-
4401を参照のこと)。別の実施態様では、例えば、遺伝
子変異の効率のよいスクリーニングを行うため、Wnt-6
ヌクレオチド配列またはその断片を含むオリゴヌクレオ
チドプローブのアレイ(array)を構築することができ
る。アレイ技法は公知で、一般的な適用可能性を有し、
遺伝子発現、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を含めた分
子遺伝学のさまざまな問題を解きあかすために用いられ
ている(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.61
0-613 (1996) を参照のこと)。
【0030】診断アッセイは、前記の方法によりWnt-6
遺伝子の変異を検出することで、前記疾患への罹りやす
さを診断または判定する方法を提供する。さらに、被験
者から得られたサンプルからポリペプチドまたはmRN
Aのレベルの異常な低下または増加を測定する方法によ
り、前記疾患の診断を下すことができる。発現の低下ま
たは増加は、当業界で公知のポリヌクレオチドの定量
法、例えば核酸増幅(例:PCR、RT−PCR)、R
Nアーゼプロテクション、ノーザンブロッティング、そ
の他のハイブリダイゼーション法のいずれかによりRN
Aレベルで測定することができる。宿主から得られたサ
ンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレ
ベルを測定するアッセイ法は当業者によく知られてい
る。こうしたアッセイ法として、ラジオイムノアッセ
イ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、EL
ISAアッセイなどがある。
【0031】かくして、もう一つの態様において、本発
明は、(a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配
列番号1のヌクレオチド配列)もしくはその断片、(b)
(a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、
(c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2の
ポリペプチド)もしくはその断片、または(d) 本発明の
ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチ
ド)に対する抗体、を含んでなる診断用キットに関す
る。このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) また
は (d)が実質的な構成成分であることが理解されよう。
かかるキットは疾患または疾患への罹りやすさ、特に神
経性障害(特に、精神分裂病、双極性障害、単極性障
害、アルツハイマー病および癲癇)、癌(特に扁平上皮
癌)、心臓血管疾患、発作、並びに発育障害(葉状魚鱗癬
を含む)を診断するうえで有用である。
【0032】また、本発明のヌクレオチド配列は染色体
の同定にも有用である。この配列は個々のヒト染色体上
の特定の位置をターゲッティングし、その特定位置とハ
イブリダイズすることができる。本発明に従って関連配
列の染色体地図を作成することは、これらの配列と遺伝
子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一段階であ
る。ひとたび配列が正確な染色体位置にマップされた
ら、その染色体上のその配列の物理的位置を遺伝地図デ
ータと相関させることができる。この種のデータは、例
えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (J
ohns Hopkins University Welch Medical Library から
オンラインで入手可能) 中に見いだせる。その後、同一
の染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との関係を連
鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認
する。
【0033】罹患個体と非罹患個体とのcDNAまたは
ゲノム配列の差異も調べることができる。罹患個体の一
部または全部に突然変異が観察されるが、どの正常個体
にも観察されない場合は、その突然変異が疾患の原因で
ある可能性がある。本発明の遺伝子はヒト染色体2q34-q
36にマップされる。
【0034】また、本発明のヌクレオチド配列は、組織
の位置決定にも有用である。こうした技術によって、組
織におけるヒトWnt-6ポリペプチドの発現パターンを、
これらをコードするmRNAを検出することで決定する
ことができる。これらの技術には、in situのハイブリ
ダイゼーション技術、およびヌクレオチド増幅技術(例
えばPCR)が挙げられる。こうした技術は当該技術分
野で周知である。これらの研究の結果から、生物におけ
るポリペプチドの正常な機能の指標が得られる。さら
に、ヒトWnt-6 mRNAの正常な発現パターンとヒトWn
t-6遺伝子によってコードされるmRNAの発現パター
ンとの比較検討により、疾患状態における突然変異体ヒ
トWnt-6ポリペプチドの役割、あるいは正常なヒトWnt-6
ポリペプチドの不適切な発現の役割についての有益な知
見が得られる。そうした不適切な発現は、時間的、空間
的または単に量的な性質のものでもあり得る。
【0035】本発明のポリペプチド、その断片もしくは
類似体、またはそれらを発現する細胞は、本発明のポリ
ペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原と
しても使用することができる。「免疫特異的」とは、そ
の抗体が従来技術における他の関連ポリペプチドに対す
るその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実質
的に高い親和性を示すことを意味する。
【0036】本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣
用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外
の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断
片、類似体もしくは細胞を投与することにより得られ
る。モノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養
物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができ
る。例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およ
びMilstein, C., Nature (1975) 256:495-497)、トリオ
ーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら,Immun
ology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリド
ーマ法 (Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer T
herapy, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985) などが
ある。
【0037】本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体
をつくるために、米国特許第4,946,778号に記載される
ような一本鎖抗体の調製法を適応させることができる。
また、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニ
ックマウスまたは他の哺乳動物を含む他の生物を利用す
ることができる。前記の抗体を用いて、そのポリペプチ
ドを発現するクローンを単離・同定したり、アフィニテ
ィークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製する
こともできる。本発明のポリペプチドに対する抗体は、
とりわけ、前記疾患の治療に使用できる可能性がある。
【0038】本発明の更なる態様において、本発明は、
本発明のポリペプチドまたはその断片と、各種サブクラ
ス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリ
ンのH鎖またはL鎖の定常領域の様々な部分と、を含ん
でなる遺伝子工学的に作製された可溶性融合タンパク質
に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にI
gG1のH鎖の定常部が好ましく、その場合は融合がヒ
ンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固因子Xaで開
裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単
に除去できる。さらに、本発明は、これら融合タンパク
質の遺伝子工学的作製方法、並びに薬物スクリーニン
グ、診断および治療におけるそれらの使用に関する。ま
た、本発明の更なる態様はこのような融合タンパク質を
コードするポリヌクレオチドに関する。融合タンパク質
技術の例は国際特許出願 WO94/29458 およびWO94/22914
に見いだせる。
【0039】本発明の更なる態様は哺乳動物において免
疫学的応答を引き出す方法に関し、この方法は、特に前
記疾患から該動物を防御するための抗体および/または
T細胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチ
ドを哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさ
らに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗体
を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in
vivo で本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドの発現を指令するベクターを介して該ポリペプチ
ドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫
学的応答を引き出す方法に関する。
【0040】本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導
入したとき、その哺乳動物において本発明のポリペプチ
ドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン
製剤(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプ
チドまたはポリヌクレオチドを含有する。ワクチン製剤
は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチド
は胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に
(例えば、皮下、筋肉内、静脈内または皮内注射によ
り)投与することが好ましい。非経口投与に適した製剤
としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤
を受容者の血液と等張にする溶質を含みうる水性および
非水性の無菌注射液、並びに懸濁化剤または増粘剤を含
みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした
製剤は1回量容器または数回量容器(例えば、密閉アン
プルおよびバイアル)で提供することができ、また、使
用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥
状態で保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤
の免疫原性を増強するためのアジュバント系、例えば水
中油型のアジュバント系や当業界で公知の他のアジュバ
ント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性
により変化するが、ルーチンな実験操作により簡単に決
定できる。
【0041】本発明のポリペプチドは、1つ以上の病的
状態、特に前記疾患を含めて、1つ以上の生物学的機能
に関与している。それゆえ、このポリペプチドの機能を
刺激または抑制する化合物を同定するスクリーニング法
を開発することが望ましい。したがって、更なる態様に
おいて、本発明は、このポリペプチドの機能を刺激また
は抑制する化合物を同定するための化合物のスクリーニ
ング法を提供する。一般的には、前記疾患の治療および
予防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使
用される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製
物、化学物質ライブラリーおよび天然産物の混合物から
化合物を同定することができる。このように同定された
アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場
合により、該ポリペプチドの天然のまたは修飾された基
質、リガンド、受容体、酵素などであってよく、また、
その構造的または機能的なミメティックであってもよい
(Coliganら, Current Protocols in Immunology 1(2):
Chapter 5 (1991)を参照のこと)。
【0042】スクリーニング法では、本発明のポリペプ
チド、または該ポリペプチドを担持する細胞もしくは
膜、またはその融合タンパク質への候補化合物の結合
を、候補化合物に直接または間接的に結合された標識を
用いて簡単に測定できる。あるいはまた、スクリーニン
グ法では標識した競合物質との競合を用いることもあ
る。さらに、こうしたスクリーニング法では、候補化合
物がポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグ
ナルを結果的にもたらすか否かを、該ポリペプチドを担
持する細胞に適した検出系を用いて試験することができ
る。一般的には、既知のアゴニストの存在下で活性化の
インヒビターをアッセイして、アゴニストによる活性化
に候補化合物の存在が与える影響を調べる。アゴニスト
またはインヒビターの不在下で、候補化合物がポリペプ
チドの活性化を抑制するか否かを調べることによる逆ア
ゴニストまたはインヒビターのスクリーニング法では、
構成的に活性のあるポリペプチドが用いられる。さら
に、これらのスクリーニング法は、候補化合物と本発明
のポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつ
くり、この混合物中のWnt-6活性を測定し、そしてこの
混合物のWnt-6活性をスタンダードと比較する各ステッ
プを単に含むだけでよい。本発明のポリペプチドのアン
タゴニストを同定するハイスループットスクリーニング
アッセイでは、上記のようなFc部分とWnt-6ポリペプ
チドから作製されるような融合タンパク質も使用するこ
とができる(D. Bennettら, J. Mol. Recognition, 8:52
-58 (1995) およびK. Johansonら, J. Biol. Chem., 27
0(16):9459-9471 (1995)を参照のこと)。
【0043】また、本発明のポリヌクレオチド、ポリペ
プチドまたは該ポリペプチドに対する抗体を用いて、細
胞内でのmRNAまたはポリペプチドの産生に及ぼす添
加化合物の作用を検出するためのスクリーニング法を組
み立てることができる。例えば、当業界で公知の標準方
法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用
いて、ポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベル
を測定するためのELISAアッセイを構築することが
でき、これは適切に操作された細胞または組織からのポ
リペプチドの産生を抑制または増強する物質(それぞれ
アンタゴニストまたはアゴニストともいう)の探索に用
いることができる。
【0044】膜に結合した受容体または可溶性の受容体
が存在するのであれば、当業界で公知の標準的な受容体
結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明の
ポリペプチドを用いることができる。こうした受容体結
合法には、限定するものではないが、リガンド結合アッ
セイおよび架橋アッセイがあり、これらのアッセイで
は、ポリペプチドを放射性アイソトープ(例:125I)で
標識するか、化学的に修飾(例:ビオチン化)するか、
または検出や精製に適したペプチド配列に融合させ、そ
して推定上の受容体源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織
抽出物、体液など)とインキュベートする。その他の方
法としては、表面プラズモン共鳴および分光学のような
生物物理的方法がある。これらのスクリーニング法は、
該ポリペプチドまたは(存在するのであれば)その受容
体への結合と競合する該ポリペプチドのアゴニストまた
はアンタゴニストを同定するために用いることもでき
る。スクリーニングアッセイを行うための標準的な方法
は当業界でよく理解されている。
【0045】本発明のポリペプチドの潜在的なアンタゴ
ニストの例としては、抗体、ある場合には、該ポリペプ
チドのリガンド、基質、受容体、酵素などと密接な関係
があるオリゴヌクレオチドもしくはタンパク質(例え
ば、リガンド、基質、受容体、酵素などの断片)、また
は本発明のポリペプチドと結合するが応答を誘導しない
(それゆえ該ポリペプチドの活性を妨げる)小分子など
がある。
【0046】かくして、他の態様において、本発明は、
本発明のポリペプチドのアゴニスト、アンタゴニスト、
リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポ
リペプチドの産生を低下または増加させる化合物を同定
するためのスクリーニングキットに関し、このキット
は、(a) 本発明のポリペプチド、(b) 本発明のポリペプ
チドを発現している組換え細胞、(c) 本発明のポリペプ
チドを発現している細胞膜、または(d) 本発明のポリペ
プチドに対する抗体、を含んでなり、前記ポリペプチド
は好ましくは配列番号2のポリペプチドである。このよ
うなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) または (d)が実
質的な構成成分であることが理解されよう。
【0047】当業者であれば、本発明のポリペプチド
は、その構造に基づいて該ポリペプチドのアゴニスト、
アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも
使用できることが容易に理解されよう。この方法は、
(a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、(b)
アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの確実
と思われる反応部位または結合部位の三次元構造を想定
し、(c) 想定された反応部位または結合部位と結合また
は反応すると予想される候補化合物を合成し、そして
(d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニス
トまたはインヒビターであるか否かを調べる、ことを含
んでなる。これは通常反復プロセスであることがさらに
理解されよう。
【0048】更なる態様において、本発明は、Wnt-6ポ
リペプチド活性の過剰量と不足量のいずれかに関係し
た、例えば神経性障害(特に、精神分裂病、双極性障
害、単極性障害、アルツハイマー病および癲癇)、癌(特
に扁平上皮癌)、心臓血管疾患、発作、並びに発育障害
(葉状魚鱗癬を含む)などの異常な状態の治療法を提供す
る。
【0049】該ポリペプチドの活性が過剰である場合
は、いくつかのアプローチが利用可能である。一つのア
プローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素な
どの結合をブロックすることにより、または第2のシグ
ナルを抑制することで異常な状態を軽減することによ
り、該ポリペプチドの機能を抑制するのに有効な量で、
上記のインヒビター化合物(アンタゴニスト)を製剤学
上許容される担体とともに患者に投与することを含んで
なる。もう一つのアプローチでは、内因性のポリペプチ
ドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体などと
結合する能力がまだある可溶性形態のポリペプチドを投
与することができる。このような競合物質の典型的な例
はWnt-6ポリペプチドの断片である。
【0050】さらに別のアプローチでは、発現阻止法を
使って内因性Wnt-6ポリペプチドをコードする遺伝子の
発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体
内で産生されるか体外から投与されるアンチセンス配列
の使用を必要とする(例えば、Oligodeoxynucleotides
as Antisense Inhibitors of Gene Expression (遺伝子
発現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキ
シヌクレオチド), CRCPress, Boca Raton, FL (1988)
中のO'Connor, J. Neurochem (1991) 56:560を参照のこ
と)。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせん(ト
リプレックス)を形成するオリゴヌクレオチドを供給す
ることもできる(例えば、Leeら, NucleicAcids Res (1
979) 6:3073; Cooneyら, Science (1988) 241:456; Der
vanら, Science (1991) 251:1360 を参照のこと)。こ
れらのオリゴマーはそれ自体を投与することもできる
し、関連オリゴマーをin vivo で発現させることもでき
る。合成アンチセンスまたはトリプレックスオリゴヌク
レオチドは修飾塩基または修飾骨格を含みうる。後者の
例にはメチルホスホネート、ホスホロチオエートまたは
ペプチド核酸骨格が含まれる。そうした骨格はアンチセ
ンスまたはトリプレックスオリゴヌクレオチド中に取り
込まれてヌクレアーゼによる分解からの防御を提供して
おり、当分野で公知である。これらの、または他の修飾
骨格を用いて合成されたアンチセンスおよびトリプレッ
クス分子も本発明の一部を構成する。
【0051】さらに、ヒトWnt-6ポリペプチドの発現
は、ヒトWnt-6 mRNA配列に特異的なリボザイムを用
いることにより阻止することができる。リボザイムは触
媒的に活性なRNAであり、天然のものでも合成された
ものでも良い(例えば、Usman,Nら、Curr. Opin. Struc
t. Biol. (1996)6(4), 527-33を参照されたい)。合成リ
ボザイムは、選択した部位でヒトWnt-6 mRNAを特異
的に切断するように設計することができ、それによりヒ
トWnt-6 mRNAから機能性ポリペプチドへの翻訳が阻
止される。通常RNA分子に見られるような天然のリボ
ースリン酸骨格および天然の塩基を用いてリボザイムを
合成することもできる。また、リボヌクレアーゼ分解か
らの防御を提供するために非天然骨格を用いてリボザイ
ム、例えば、2'-O-メチルRNAを合成することも可能
で、該リボザイムは修飾塩基を含みうる。
【0052】Wnt-6およびその活性の過少発現に関係し
た異常な状態を治療する場合も、いくつかのアプローチ
を取ることができる。一つのアプローチは、治療に有効
な量の本発明ポリペプチドを活性化する化合物(すなわ
ち、前記アゴニスト)を製剤学上許容される担体ととも
に患者に投与して、異常な状態を緩和することを含んで
なる。別法として、患者の関連細胞においてWnt-6を内
因的に産生させるために遺伝子治療を用いることができ
る。例えば、上で述べたような複製欠損レトロウイルス
ベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチド
を遺伝子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を単
離し、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有
するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入され
たパッケージング細胞に導入する。その結果、パッケー
ジング細胞は対象の遺伝子を含有する感染性のウイルス
粒子を産生するようになる。in vivo 細胞操作およびin
vivo ポリペプチド発現のために、これらのプロデュー
サー細胞を患者に投与する。遺伝子治療の概論に関して
は、Human Molecular Genetics, T Strachan and A PRe
ad, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChapt
er 20, Gene Therapyand other Molecular Genetic-bas
ed Therapeutic Approaches(およびその中の引用文献)
を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量の本発明
のポリペプチドを適当な製剤学上の担体とともに投与す
ることである。
【0053】更なる態様において、本発明は、治療に有
効な量のポリペプチド(例えば、可溶性形態の本発明ポ
リペプチド)、アゴニストもしくはアンタゴニストペプ
チド、または小分子化合物を製剤学上許容される担体ま
たは賦形剤と共に含有する医薬組成物を提供する。この
種の担体としては、食塩水、生理食塩水、デキストロー
ス、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組
合せがあるが、これらに限らない。本発明はさらに、上
記の本発明組成物の1以上の成分を充填した1以上の容
器を含んでなる医薬パックおよびキットに関する。本発
明のポリペプチドおよび他の化合物は単独で使用して
も、他の化合物、例えば治療用化合物と一緒に使用して
もよい。
【0054】医薬組成物は投与経路、例えば全身または
経口による投与経路に適合させることができる。全身投
与に適した形態は、注入(注射)、典型的には静注であ
る。皮下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も
使用できる。全身投与の別の手段には、胆汁酸塩、フシ
ジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘
膜および経皮投与がある。さらに、本発明のポリペプチ
ドまたは他の化合物を腸溶剤またはカプセル剤として製
剤化し得るのであれば、経口投与も可能である。これら
の化合物を軟膏、ペースト、ゲルなどの剤形で局所に投
与しても、かつ/または局在化させてもよい。
【0055】必要な投与量範囲は、本発明のペプチドま
たは他の化合物の選択、投与経路、製剤の性質、患者の
状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な
投与量は患者の体重1kgあたり0.1〜100μgの範囲であ
る。入手可能な化合物が多様であること、投与経路の効
率が異なることを考慮すれば、必要とされる投与量は広
範に変動することが予測される。例えば、経口投与は静
注による投与よりも高い投与量を必要とすると予想され
よう。こうした投与量レベルの変動は、当業界でよく理
解されているような、標準的経験的な最適化手順を用い
て調整することができる。
【0056】治療に用いるポリペプチドは、上述したよ
うな「遺伝子治療」と称する治療法において、患者の体
内で産生させることもできる。例えば、患者由来の細胞
を、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのよ
うなポリヌクレオチドにより、例えばレトロウイルスプ
ラスミドベクターを用いて、ex vivo で遺伝子工学的に
操作する。その後、これらの細胞を患者に導入する。
【0057】ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配
列は、類似の相同性を有する別の配列を同定する際の価
値ある情報源を提供する。これは、こうした配列をコン
ピュータ読み取り可能媒体中に保存し、次に保存したデ
ータを用いてGCGやレーザージーンソフトウェアパッ
ケージにおけるもののような公知の検索ツールにより配
列データベースを検索することで最大限促進される。し
たがって、更なる態様において、本発明は、配列番号1
の配列を含んでなるポリヌクレオチドおよび/またはそ
れによりコードされるポリペプチド配列を保存したコン
ピュータ読み取り可能媒体を提供する。
【0058】以下の定義は上記の説明中でしばしば用い
られた用語を理解しやすくするためのものである。本明
細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモ
ノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗
体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブ
ラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によっ
て」改変されたことを意味する。「単離された」組成物
または物質が天然に存在するのであれば、それはそのも
との環境から変化しているか分離されており、またはそ
の両方である。例えば、生存している動物の体内に自然
界で存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは
「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物
質から分離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチド
は、本明細書中で用いられるように、「単離された」も
のである。
【0059】「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意の
ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオ
チドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはD
NA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得
る。「ポリヌクレオチド」には、制限するものではない
が、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領
域が混じり合ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、
一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA、DNA
とRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、または
より典型的には二本鎖でもよく、一本鎖領域と二本鎖領
域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。加えて、
「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRN
AとDNAの両方からなる三重鎖領域を意味する。「ポ
リヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾塩
基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または
他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたは
RNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチ
ル化された塩基およびイノシンのような特殊な塩基があ
る。DNAおよびRNAに対してさまざまな修飾を行う
ことができる。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自
然界に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵
素的または代謝的に修飾された形態、並びにウイルスお
よび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を
包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオ
リゴヌクレオチドと称される比較的短いポリヌクレオチ
ドも包含する。
【0060】「ポリペプチド」とは、ペプチド結合また
は修飾されたペプチド結合(すなわち、ペプチドアイソ
スター)により連結された2個以上のアミノ酸を含むペ
プチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」
は短鎖(通常はペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴ
マーという)と長鎖(一般的にはタンパク質という)の
両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コード化
アミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチ
ド」は、翻訳後プロセシングのような天然のプロセス
で、または当業界で公知の化学的修飾法のいずれかで修
飾されたアミノ酸配列を含む。このような修飾は基本的
な教科書、より詳細な学術論文および研究文献に詳述さ
れている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノ
またはカルボキシル末端を含めてポリペプチドのどこで
も行うことができる。同じタイプの修飾が所定のポリペ
プチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異
なる程度で存在してもよい。また、所定のポリペプチド
が多くのタイプの修飾を含んでいてもよい。ポリペプチ
ドはユビキチン化のために分枝していても、分枝のある
又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、また
は分枝した環状のポリペプチドは翻訳後の天然プロセス
から生じることがあり、また、合成法によって製造する
こともできる。修飾としては、アセチル化、アシル化、
ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、
ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド
誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、
ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、
ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有結合架橋の
形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホル
ミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIア
ンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミ
リストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リ
ン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸
化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転
移RNA媒介付加、ユビキチン化などがある(例えば、
Proteins - Structure and Molecular Properties, 2nd
Ed., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, Ne
w York, 1993; Posttranslational Covalent Modificat
ion of Proteins, B.C. Johnson編, Academic Press, N
ew York,1983中のWold, F., Post-translational Prote
in Modifications: Perspectives and Prospects, 1-12
頁; Seifterら, “Analysis for protein modification
sand nonprotein cofactors", Meth Enzymol (1990) 18
2:626-646;および Rattanら, “Protein Synthesis: Po
st-translational Modifications and Aging", Ann NY
Acad Sci (1992) 663:48-62を参照のこと)。
【0061】本明細書中で用いる「変異体」とは、基準
のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不
可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変
異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列の点で
相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基
準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド
のアミノ酸配列を変更しても、しなくてもよい。ヌクレ
オチドの変化は、以下で述べるように、基準配列により
コードされるポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付
加、融合および末端切断(トランケーション)をもたら
しうる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプ
チドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準
ポリペプチドの配列と変異体の配列が全般的によく類似
しており、多くの領域で同一となるような相違に限られ
る。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1
以上の置換、欠失、付加によりアミノ酸配列が相違して
いてよい。置換または挿入されるアミノ酸残基は遺伝子
コードによりコードされるものであっても、なくてもよ
い。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体はア
レル変異体のように天然に存在するものでも、天然に存
在することが知られていない変異体であってもよい。ポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない
変異体は、突然変異誘発法または直接合成により作製す
ることができる。当技術分野で知られた「同一性」と
は、ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列の比
較により決定された、2以上のかかる配列間の関連性の
ことである。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペ
プチド配列またはポリヌクレオチド配列の鎖間のマッチ
(match)により決定された、このような配列間の配列関
連性の程度を意味する。「同一性」および「類似性」は
公知の方法により難なく算出することができ、こうした
方法として、例えば Computational Molecular Biolog
y, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New Yor
k, 1988; Biocomputing:Informatics and Genome Proje
cts, Smith, D.W. 編, Academic Press, New York, 199
3; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Gri
ffin, A.M. andGriffin, H.G. 編, Humana Press, New
Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biolo
gy, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence
Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J.
編, M Stockton Press, New York,1991; および Carill
o, H. and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1
073(1988) に記載された方法があるが、これらに限らな
い。同一性を決定するための好ましい方法は、検討する
配列間で最大級のマッチが得られるように設計される。
さらに、同一性および類似性を決定する方法は一般に入
手可能なコンピュータプログラムに編集されている。2
配列間の同一性および類似性を決定する好適なコンピュ
ータプログラム法としては、GCGプログラムパッケー
ジ (Devereux, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1):3
87 (1984))、BLASTP、BLASTNおよびFAS
TA (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410
(1990)) があるが、これらに限らない。BLASTX
プログラムはNCBIおよび他のソースから一般に入手
可能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM
NIH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Bi
ol. 215: 403-410 (1990))。公知のSmith Watermanアル
ゴリズムも同一性の決定に使用することができる。
【0062】ポリペプチド配列を比較するための好適な
パラメーターは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Bio
l. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:BLOSSUM62 、Hentikoff and Hentik
off, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89: 10915-10919
(1992) ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Gen
etics Computer Group(Madison WI)から「gap」プロ
グラムとして一般に入手可能である。前記のパラメータ
ーはペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(def
ault parameter) である(末端ギャップのペナルティー
は無し)。
【0063】ポリヌクレオチド配列を比較するための好
適なパラメーターは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Bio
l. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Gen
etics Computer Group(Madison WI)から「gap」プロ
グラムとして入手可能である。前記のパラメーターはポ
リヌクレオチド比較のためのデフォルトパラメーターで
ある。
【0064】例として、本発明のポリヌクレオチド配列
は配列番号1の基準配列と同一、すなわち100%同一で
あっても、該基準配列に対して、ある整数個までのヌク
レオチド変異を含んでいてもよい。前記変異は少なくと
も1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションお
よびトランスバージョンを含む)または付加よりなる群
から選択され、こうした変異は基準ヌクレオチド配列の
5'もしくは3'末端位置、またはこれらの末端位置の間の
どこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオチドの間
に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグルー
プとして介在することができる。ヌクレオチド変異の数
は、配列番号1のヌクレオチドの総数に、それぞれの
(100で割った)同一性%値を掛け、その積を配列番号
1のヌクレオチドの総数から差し引くことにより、すな
わち、次式: nn≦xn−(xn・y) により求めることができる。式中、nnはヌクレオチド
変異の数であり、xnは配列番号1のヌクレオチドの総
数であり、yは例えば70%については0.70、80%につい
ては0.80、85%については0.85、90%については0.90、
95%については0.95などであり、xnとyの非整数の積
は、その積をxnから引く前に、最も近似する整数に切
り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド配列の改変は、そのコード配列にナンセン
ス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異を生じさ
せ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチド
によりコードされたポリペプチドを改変させることがで
きる。
【0065】同様に、本発明のポリペプチド配列は配列
番号2の基準配列と同一、すなわち100%の同一性であ
っても、該基準配列に対して、ある整数個までのアミノ
酸変異を含んで同一性%が100%未満であってもよい。
前記変異は少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(同
類および非同類アミノ酸置換を含む)または付加よりな
る群から選択され、こうした変異は基準ポリペプチド配
列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれら
の末端位置の間のいずれに存在してもよく、基準配列中
のアミノ酸の間に個々に、または基準配列内に1以上の
連続するグループとして介在することができる。所定の
同一性%についてのアミノ酸変異の数は、配列番号2の
アミノ酸の総数に、それぞれの(100で割った)同一性
%値を掛け、その積を配列番号2のアミノ酸の総数から
差し引くことにより、すなわち、次式: na≦xa−(xa・y) により求めることができる。式中、naはアミノ酸変異
の数であり、xaは配列番号2中のアミノ酸の総数であ
り、yは例えば70%については0.70、80%については0.
80、85%については0.85などであり、xaとyの非整数
の積は、その積をxaから引く前に、最も近似する整数
に切り下げる。
【0066】「相同体」とは、対象の配列に対して高度
の配列関連性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドを示すための当技術分野で使用される一般的な用語
である。こうした関連性は、上記のような比較すべき配
列間の同一性および/または類似性の程度を決定するこ
とにより定量化できる。別の種におけるポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドの機能的等価物であるポリヌクレ
オチドまたはポリペプチドを意味する「オーソログ体」
(ortholog)、および同一の種内で考えるときに機能的に
類似した配列を意味する「パラログ体」(paralog) とい
う用語はこの一般的な用語に含まれる。
【0067】「融合タンパク質」とは、2つの、しばし
ば無関係の、融合された遺伝子またはその断片によりコ
ードされるタンパク質のことである。一例として、EP-A
-0 464には、免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部
分と他のヒトタンパク質またはその一部とを含んでなる
融合タンパク質が記載されている。多くの場合、治療お
よび診断における使用には、融合タンパク質の一部とし
て免疫グロブリンFc領域を使用することが有利であ
り、これにより例えば薬物速度論的性質が向上する(例
えば、EP-A- 0232 262を参照のこと)。一方、いくつか
の使用にとっては、その融合タンパク質を発現させ、検
出し、精製した後でFc部分を除去することが望ましい
だろう。
【0068】本明細書中に引用された、特許および特許
出願明細書を含めた全ての刊行物は、あたかも各刊行物
が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体
を参考としてここに組み入れるものとする。
【0069】 配列情報 配列番号1 GGCACGAGCGCAGGAGACACAGGCGCTGGCTGCCCCGTCCGCTCTCCGCCTCCGCCGCGCCCTCCTCGCCCG GGATGGGCCCCCCCGCCGCCGCCGGATCCCTCGCCTCCCGGCCGCCGCCGTTGCGCTCGCCGCGCTCGCACT GAAGCCCGGGCCCTCGCGCGCCGCGGTTCGCCCCGCAGCCTCGCCCCCTGCCCACCCGGGCGGCCGTAGGGC GGTCACGATGCTGCCGCCCTTACCCTCCCGCCTCGGGCTGCTGCTGCTGCTGCTCCTGTGCCCGGCGCACGT CGGCGGACTGTGGTGGGCTGTGGGCAGCCCCTTGGTTATGGACCCTACCAGCATCTGCAGGAAGGCACGGCG GCTGGCCGGGCGGCAGGCCGAGTTGTGCCAGGCTGAGCCGGAAGTGGTGGCAGAGCTAGCTCGGGGCGCCCG GCTCGGGGTGCGAGAGTGCCAGTTCCAGTTCCGCTTCCGCCGCTGGAATTGCTCCAGCCACAGCAAGGCCTT TGGACGCATCCTGCAACAGGACATTCGGGAGACGGCCTTCGTGTTCGCCATCACTGCGGCCGGCGCCAGCCA CGCCGTCACGCAGGCCTGTTCTATGGGCGAGCTGCTGCAGTGCGGCTGCCAGGCGCCCCGCGGGCGGGCCCC TCCCCGGCCCTCCGGCCTGCCCGGCACCCCCGGACCCCCTGGCCCCGCGGGCTCCCCGGAAGGCAGCGCCGC CTGGGAGTGGGGAGGCTGCGGCGACGACGTGGACTTCGGGGACGAGAAGTCGAGGCTCTTTATGGACGCGCG GCACAAGCGGGGACGCGGAGACATCCGCGCGTTGGTGCAACTGCACAACAACGAGGCGGGCAGGCTGGCCGT GCGGAGCCACACGCGCACCGAGTGCAAATGCCACGGGCTGTCGGGATCATGCGCGCTGCGCACCTGCTGGCA GAAGCTGCCTCCATTTCGCGAGGTGGGCGCGCGGCTGCTGGAGCGCTTCCACGGCGCCTCACGCGTCATGGG CACCAACGACGGCAAGGCCCTGCTGCCCGCCGTCCGCACGCTCAAGCCGCCGGGCCGAGCGGACCTCCTCTA CGCCGCCGATTCGCCCGACTTTTGCGCCCCCAACCGACGCACCGGCTCCCCCGGCACGCGCGGTCGCGCCTG CAATAGCAGCGCCCCGGACCTCAGCGGCTGCGACCTGCTGTGCTGCGGCCGCGGGCACCGCCAGGAGAGCGT GCAGCTCGAAGAGAACTGCCTGTGCCGCTTCCACTGGTGCTGCGTAGTACAGTGCCACCGTTGCCGTGTGCG CAAGGAGCTCAGCCTCTGCCTGTGACCCGCCGCCCGGCCGCTAGACTGACTTCGCGCAGCGGTGGCTCGCAC CTGTGGGACCTCAGGGCACCGGCACCGGGCGCCTCTCGCCGCTCGAGCCCAGCCTCTCCCTGCCAAAGCCCA ACTCCCAGGGCTCTGGAAATGGTGAGGCGAGGGGCTTGAGAGGAACGCCCACCCACGAAGGCCCAGGGCGCC AGACGGCCCCGAAAAGGCGCTCGGGGAGCGTTTAAAGGACACTGTACAGGCCCTCCCTCCCCTTGGCCTCTA GGAGGAAACAGTTTTTTAGACTGGAAAAAAGCCAGTCTAAAGGCCTCTGGATACTGGGCTCCCCAGAACTGC TGGCCACAGGATGGTGGGTGAGGTTAGTATCAATAAAGATATTTAA 配列番号2 MLPPLPSRLGLLLLLLLCPAHVGGLWWAVGSPLVMDPTSICRKARRLAGRQAELCQAEPEVVAELARGARLG VRECQFQFRFRRWNCSSHSKAFGRILQQDIRETAFVFAITAAGASHAVTQACSMGELLQCGCQAPRGRAPPR PSGLPGTPGPPGPAGSPEGSAAWEWGGCGDDVDFGDEKSRLFMDARHKRGRGDIRALVQLHNNEAGRLAVRS HTRTECKCHGLSGSCALRTCWQKLPPFREVGARLLERFHGASRVMGTNDGKALLPAVRTLKPPGRADLLYAA DSPDFCAPNRRTGSPGTRGRACNSSAPDLSGCDLLCCGRGHRQESVQLEENCLCRFHWCCVVQCHRCRVRKE LSLCL
【0070】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> SmithKline Beecham plc <120> Wnt-6 Polypeptides and Wnt-6 Polynucleotides <130> PA98-385 <150> U.K. Application No. 9817586.2 <151> 1998-8-12 <160> 2 <170> FastSEQ for Windows Version 3.0 <210> 1 <211> 1702 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 ggcacgagcg caggagacac aggcgctggc tgccccgtcc gctctccgcc tccgccgcgc 60 cctcctcgcc cgggatgggc ccccccgccg ccgccggatc cctcgcctcc cggccgccgc 120 cgttgcgctc gccgcgctcg cactgaagcc cgggccctcg cgcgccgcgg ttcgccccgc 180 agcctcgccc cctgcccacc cgggcggccg tagggcggtc acgatgctgc cgcccttacc 240 ctcccgcctc gggctgctgc tgctgctgct cctgtgcccg gcgcacgtcg gcggactgtg 300 gtgggctgtg ggcagcccct tggttatgga ccctaccagc atctgcagga aggcacggcg 360 gctggccggg cggcaggccg agttgtgcca ggctgagccg gaagtggtgg cagagctagc 420 tcggggcgcc cggctcgggg tgcgagagtg ccagttccag ttccgcttcc gccgctggaa 480 ttgctccagc cacagcaagg cctttggacg catcctgcaa caggacattc gggagacggc 540 cttcgtgttc gccatcactg cggccggcgc cagccacgcc gtcacgcagg cctgttctat 600 gggcgagctg ctgcagtgcg gctgccaggc gccccgcggg cgggcccctc cccggccctc 660 cggcctgccc ggcacccccg gaccccctgg ccccgcgggc tccccggaag gcagcgccgc 720 ctgggagtgg ggaggctgcg gcgacgacgt ggacttcggg gacgagaagt cgaggctctt 780 tatggacgcg cggcacaagc ggggacgcgg agacatccgc gcgttggtgc aactgcacaa 840 caacgaggcg ggcaggctgg ccgtgcggag ccacacgcgc accgagtgca aatgccacgg 900 gctgtcggga tcatgcgcgc tgcgcacctg ctggcagaag ctgcctccat ttcgcgaggt 960 gggcgcgcgg ctgctggagc gcttccacgg cgcctcacgc gtcatgggca ccaacgacgg 1020 caaggccctg ctgcccgccg tccgcacgct caagccgccg ggccgagcgg acctcctcta 1080 cgccgccgat tcgcccgact tttgcgcccc caaccgacgc accggctccc ccggcacgcg 1140 cggtcgcgcc tgcaatagca gcgccccgga cctcagcggc tgcgacctgc tgtgctgcgg 1200 ccgcgggcac cgccaggaga gcgtgcagct cgaagagaac tgcctgtgcc gcttccactg 1260 gtgctgcgta gtacagtgcc accgttgccg tgtgcgcaag gagctcagcc tctgcctgtg 1320 acccgccgcc cggccgctag actgacttcg cgcagcggtg gctcgcacct gtgggacctc 1380 agggcaccgg caccgggcgc ctctcgccgc tcgagcccag cctctccctg ccaaagccca 1440 actcccaggg ctctggaaat ggtgaggcga ggggcttgag aggaacgccc acccacgaag 1500 gcccagggcg ccagacggcc ccgaaaaggc gctcggggag cgtttaaagg acactgtaca 1560 ggccctccct ccccttggcc tctaggagga aacagttttt tagactggaa aaaagccagt 1620 ctaaaggcct ctggatactg ggctccccag aactgctggc cacaggatgg tgggtgaggt 1680 tagtatcaat aaagatattt aa 1702 <210> 2 <211> 365 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Leu Pro Pro Leu Pro Ser Arg Leu Gly Leu Leu Leu Leu Leu Leu 1 5 10 15 Leu Cys Pro Ala His Val Gly Gly Leu Trp Trp Ala Val Gly Ser Pro 20 25 30 Leu Val Met Asp Pro Thr Ser Ile Cys Arg Lys Ala Arg Arg Leu Ala 35 40 45 Gly Arg Gln Ala Glu Leu Cys Gln Ala Glu Pro Glu Val Val Ala Glu 50 55 60 Leu Ala Arg Gly Ala Arg Leu Gly Val Arg Glu Cys Gln Phe Gln Phe 65 70 75 80 Arg Phe Arg Arg Trp Asn Cys Ser Ser His Ser Lys Ala Phe Gly Arg 85 90 95 Ile Leu Gln Gln Asp Ile Arg Glu Thr Ala Phe Val Phe Ala Ile Thr 100 105 110 Ala Ala Gly Ala Ser His Ala Val Thr Gln Ala Cys Ser Met Gly Glu 115 120 125 Leu Leu Gln Cys Gly Cys Gln Ala Pro Arg Gly Arg Ala Pro Pro Arg 130 135 140 Pro Ser Gly Leu Pro Gly Thr Pro Gly Pro Pro Gly Pro Ala Gly Ser 145 150 155 160 Pro Glu Gly Ser Ala Ala Trp Glu Trp Gly Gly Cys Gly Asp Asp Val 165 170 175 Asp Phe Gly Asp Glu Lys Ser Arg Leu Phe Met Asp Ala Arg His Lys 180 185 190 Arg Gly Arg Gly Asp Ile Arg Ala Leu Val Gln Leu His Asn Asn Glu 195 200 205 Ala Gly Arg Leu Ala Val Arg Ser His Thr Arg Thr Glu Cys Lys Cys 210 215 220 His Gly Leu Ser Gly Ser Cys Ala Leu Arg Thr Cys Trp Gln Lys Leu 225 230 235 240 Pro Pro Phe Arg Glu Val Gly Ala Arg Leu Leu Glu Arg Phe His Gly 245 250 255 Ala Ser Arg Val Met Gly Thr Asn Asp Gly Lys Ala Leu Leu Pro Ala 260 265 270 Val Arg Thr Leu Lys Pro Pro Gly Arg Ala Asp Leu Leu Tyr Ala Ala 275 280 285 Asp Ser Pro Asp Phe Cys Ala Pro Asn Arg Arg Thr Gly Ser Pro Gly 290 295 300 Thr Arg Gly Arg Ala Cys Asn Ser Ser Ala Pro Asp Leu Ser Gly Cys 305 310 315 320 Asp Leu Leu Cys Cys Gly Arg Gly His Arg Gln Glu Ser Val Gln Leu 325 330 335 Glu Glu Asn Cys Leu Cys Arg Phe His Trp Cys Cys Val Val Gln Cys 340 345 350 His Arg Cys Arg Val Arg Lys Glu Leu Ser Leu Cys Leu 355 360 365
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 45/00 45/00 48/00 48/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12N 1/10 101 C12N 1/10 101 1/15 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/02 33/577 B G01N 33/53 C12P 21/08 33/577 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A (72)発明者 マイケル アール バーネス イギリス国 シー エム19 5エー ディ ー エセックス,ハーロウ,ザ ピナクル ス, コールドハーバー ロード スミス クライン ビーチャム ファーマシュー ティカルズ (72)発明者 タニア タムソン テスタ イギリス国 シー エム19 5エー ディ ー エセックス,ハーロウ,ザ ピナクル ス, コールドハーバー ロード スミス クライン ビーチャム ファーマシュー ティカルズ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2の全長にわたる配列番号2の
    アミノ酸配列に対して少なくとも98%の同一性を有す
    るアミノ酸配列を含んでなる、単離されたポリペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 アミノ酸配列が少なくとも99%の同一
    性を有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸配列を含んでな
    る、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2のアミノ酸配列からなる、単
    離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 配列番号2の全長にわたる配列番号2の
    アミノ酸配列に対して少なくとも98%の同一性を有す
    るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで
    なる単離されたポリヌクレオチド、または該ポリヌクレ
    オチドに相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリ
    ペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して少なく
    とも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで
    なる単離されたポリヌクレオチド、または該ポリヌクレ
    オチドに相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド。
  7. 【請求項7】 配列番号1の全長にわたる配列番号1の
    ヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性を
    有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌ
    クレオチド、または該ポリヌクレオチドに相補的なヌク
    レオチド配列からなるポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 前記の同一性が少なくとも95%であ
    る、請求項6または7のいずれかに記載のポリヌクレオ
    チド。
  9. 【請求項9】 以下の(a)〜(c)から選択される単離され
    たポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドに相補
    的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド: (a) 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオ
    チド、(b) 配列番号1のヌクレオチド配列からなるポリ
    ヌクレオチド、および(c) 適当なライブラリーを、スト
    リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列
    番号1のヌクレオチド配列またはその断片を有する標識
    プローブを用いてスクリーニングすることにより得られ
    るポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 下記発現系が適合性の宿主細胞内に存
    在するとき請求項1に記載のポリペプチドを産生し得る
    ポリヌクレオチドを含有する発現系。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の発現系を含有する
    宿主細胞、または請求項1に記載のポリペプチドを発現
    しているその膜。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のポリペプチドを産生
    させるのに十分な条件下で請求項11に記載の宿主細胞
    を培養し、この培養培地から該ポリペプチドを回収する
    ことを含んでなる、請求項1に記載のポリペプチドの生
    産方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のポリペプチドに対し
    て免疫特異的な抗体。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載のポリペプチドの機能
    を刺激または抑制する化合物を同定するためのスクリー
    ニング法であって、(a) 候補化合物と、該ポリペプチド
    (または該ポリペプチドを担持している細胞もしくはそ
    の膜)またはその融合タンパク質と、の結合を、該候補
    化合物に直接または間接的に結合させた標識により測定
    すること、(b) 候補化合物と、該ポリペプチド(または
    該ポリペプチドを担持している細胞もしくはその膜)ま
    たはその融合タンパク質と、の結合を、標識競合物質の
    存在下で測定すること、(c) 候補化合物が該ポリペプチ
    ドの活性化または抑制により生ずるシグナルをもたらす
    か否かを、該ポリペプチドを担持している細胞または細
    胞膜に適した検出系を用いて調べること、(d) 候補化合
    物と、請求項1に記載のポリペプチドを含有する溶液
    と、を一緒にして混合物を調製し、該混合物中の該ポリ
    ペプチドの活性を測定し、該混合物の活性をスタンダー
    ドと比較すること、および(e) 候補化合物が細胞におけ
    る該ポリペプチドをコードするmRNAおよび該ポリペ
    プチドの産生に及ぼす効果を検出すること、よりなる群
    から選択される方法を含んでなるスクリーニング法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドに対するアゴニストまたはアンタゴニス
    ト。
  16. 【請求項16】 治療に用いるための以下の(a)〜(c)か
    ら選択される化合物: (a) 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド
    に対するアゴニストまたはアンタゴニスト、(b) 請求項
    5〜9のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、およ
    び(c) 請求項1に記載のポリペプチドをコードするヌク
    レオチド配列の発現をモジュレートする核酸分子。
  17. 【請求項17】 被験者における請求項1に記載のポリ
    ペプチドの発現または活性に関連した疾病または該疾病
    への罹りやすさを検査する方法であって、(a) 該被験者
    のゲノム内の該ポリペプチドをコードするヌクレオチド
    配列に突然変異があるか否かを調べること、および/ま
    たは(b) 該被験者から得られたサンプルにおける該ポリ
    ペプチド発現の存在または量を分析すること、を含んで
    なる方法。
  18. 【請求項18】 以下の(a)または(b)の単離されたポリ
    ペプチド: (a) 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
    または(b) 配列番号2のアミノ酸配列において、少なく
    とも1個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
    ミノ酸配列からなり、かつWnt-6活性を有するポリペプ
    チド。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のポリペプチドをコ
    ードするポリヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 以下の(a)または(b)の単離されたポリ
    ヌクレオチド: (a) 配列番号1のヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド、または(b) (a) のポリヌクレオチドとストリン
    ジェントな条件下でハイブリダイズしかつWnt-6活性を
    有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
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