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(インターフェロンγおよびその使用)
本発明では、1998年5月1日に提出された米国特許出願番号第09/071,711号の優先権が主張され、そしてその内容は本明細書の一部をなす参照として本出願に組込まれる。本出願を通して、種々の刊行物が括弧内に引用される。これらの刊行物の全目録は、配列リスト部分の直前の明細書の最後に見ることができる。これらの刊行物の開示は、本発明が関連する技術の現状をいっそう十分に記述するために、その全体が本明細書の一部として本願に援用される。
発明の背景
宿主内での疾病に対する応答におけるT細胞活性化および増殖の刺激は、2つの相互作用に依存すると思われる。即ち、MHCクラスI分子に関連した免疫原ペプチドのT細胞レセプター(TCR)による認識、並びに、CD80およびCD86のようなアクセサリーリガンドと、T細胞上のそれらのコレセプターCD−28および/またはCTLA−4との二次的相互作用である。これら2つの経路の首尾よい相互作用は、CD4+およびCD8+T細胞の両方の活性および増殖、およびTh1およびTh2型免疫制御サイトカインの産生の増加につながる。T細胞の適切な同時刺激の不存在下ではアネルギー状態が発生する可能性があり、それにより、T細胞はサイトカインを増殖および分泌できない。数年かかって、2つの分子がT細胞応答の主要なレギュレーターとして出現してきた。即ち、CD28とそのリガンド(CD80およびCD86)である。CD28は、その一次T細胞の同時刺激レセプターであり、それはCD80およびCD86との相互作用により、T細胞増殖およびT細胞の死を防止するサイトカイン合成を増強する。CTLA−4(CD152とも呼ばれる)、CD−28相同体も、同時刺激における重要な役割を果す。完全には理解されないが、T細胞同時刺激応答を阻害するようである。同時刺激工程でのCD28、CTLA−4およびそれらのリガンドCD80およびCD86の中で相互作用および相互役割は、宿主中の疾病に対する免疫応答の全体的誘導および抑制に重要である(Linsleyら、1991年a、1993年a)。
現在、ネコにおけるネコ免疫不全疾病およびネコの感染性腹膜炎疾病の予防のための成功したワクチンは存在しない。現在のネコ白血病ウイルスは入手可能ではあるが、それらの効力レベルには疑問が残り、ある場合には当該疾病を引起す可能性がある。実験的なネコ感染性腹膜炎ワクチンは防御性がないか、または、抗体媒介性増強を通して早期の死亡を起すことが示された。したがって、ワクチンが未だ存在しないこれらの疾患および他の疾病に対する保護を提供し、または現存し且つ一般に使用されるワクチンの効力を改善する薬剤および組成物が、当該技術において必要性とされている。さらに、抗体を増強する疾患の不在下において、細胞媒介性応答を誘導するワクチンおよび薬剤が、当該技術において必要とされている。そして最終的に、仔ネコのワクチン接種は、仔ネコのなかで母から受継いだ抗体を克服する能力がないので困難である。これらの障壁を克服する助けになる安全で有効な薬剤が必要とされる。
本発明では、ネコCD28、ネコCTLA−4およびそれらのリガンド、即ちネコCD80およびネコCD86の同時刺激分子の発現を操作することによって、特定のネコの病原体またはネコの疾病症状に対する所望の免疫応答を上昇させるために、増大、抑制またはリダイレクションを介して、T細胞の応答を制御することが可能である。特に、これらの同時刺激分子は、感染性疾病に対するワクチン接種、感染性疾病の治療、および腫瘍の治療、ネコでの分解性、自己免疫性および免疫不全の症状に有用である。本発明は、上記の現在入手可能なネコワクチンの効能および有効性の欠如を克服するものである。
本発明は、ウイルスのウイルス性ゲノムにおける非必須領域内に挿入された少なくとも1つの外来核酸を含む組換えウイルスであって、このような外来核酸のそれぞれが蛋白質をコードする組換えウイルスに関する。コードされるタンパク質は、ネコCD28タンパク質またはその免疫原部分、ネコCD80タンパク質またはその免疫原部分、ネコCD86タンパク質またはその免疫原部分、またはネコCTLA−4タンパク質またはその免疫原部分からなる群から選択される。その一部は、組換えウイルスが適切な宿主に導入されるとき発現される能力がある。
本発明はまた、病原体に由来する免疫原をコードする外来核酸をさらに含む組換えウイルスも含む。本発明は、ネコでの免疫応答を増強する能力のある組換えウイルスをも含む。本発明は、ネコでの免疫応答を抑制する能力のある組換えウイルスをも含む。
図1A−1は、ネコCD80(B7−1)(TAMU)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号1および2)。
図1A−2は、ネコCD80(B7−1)(TAMU)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号1および2)。
図1Bは、ネコCD80(B7−1)(TAMU)のアミノ酸配列の疎水性プロットである。
図2A−1は、ネコCD80(b7−1)(SYNTRO)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号3および4)。
図2A−2は、ネコCD80(b7−1)(SYNTRO)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号3および4)。
図2Bは、ネコCD80(B7−1)(SYNTRO)のアミノ酸配列の疎水性プロットである。
図3A−1は、ネコCD86(B7−2)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号5および6)。
図3A−2は、ネコCD86(B7−2)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号5および6)。
図3Bは、ネコCD86(B7−2)のアミノ酸配列の疎水性プロットである。
図4Aは、ネコCD28のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号7および8)。
図4Bは、ネコCD28のアミノ酸配列の疎水性プロットである。
図5Aは、ネコCTLA−4(CD152)のDNAおよびアミノ酸配列である(配列番号9および10)。
図5Bは、ネコCTLA−4(CD152)のアミノ酸配列の疎水性プロットである。
発明の詳細な記述
本発明は、ウイルスのウイルス性ゲノムにおける非必須領域内に挿入された少なくとも1つの外来核酸を含む組換えウイルスであって、このような外来核酸のそれぞれが、(a)ネコCD28タンパク質またはその免疫原部分、ネコCD80タンパク質またはその免疫原部分、ネコCD86タンパク質またはその免疫原部分、またはネコCTLA−4タンパク質またはその免疫原部分の群から選択されるタンパク質をコードし、そして(b)前記組換えウイルスが適切な宿主に導入されたときに発現される能力があることを特徴とする組換えウイルスに関する。
上記発明の一つの実施形態では、組換えウイルスは、少なくとも2つの外来核酸を含み、各々は、ウイルスゲノムの必須でない領域内に挿入される。
本発明の別の実施形態では、組換えウイルスは、少なくとも3つの外来核酸を含み、各々は、ウイルスゲノムの必須でない領域内に挿入される。
本発明の別の実施形態では、組換えウイルスは、4つの外来核酸を含み、各々は、ウイルスゲノムの必須でない領域内に挿入される。
別の実施形態では、組換えウイルスは、それに限定されないが、アライグマ痘ウイルス、豚痘ウイルスまたはネコのヘルペスウイルスが含まれる。
上で確認される発明のさらに別の実施形態では、組換えウイルスは、1つ以上の外来核酸を含み、そして各外来核酸は、同じ非必須領域に挿入される。別の実施形態では、任意の組換えウイルスは、全外来核酸が同じ非必須領域に挿入されない、1つ以上の外来核酸を含む。
別の実施形態では、任意の組換えウイルスは、病原体から由来する免疫原をコードする外来核酸を含む。本発明の別の実施形態では、何れかの組換えウイルスは、ネコの病原体、狂犬病ウイルス病原体、クラミジア病原体、トキソプラスモシス・コンジ(Toxoplasmosis gondii)病原体、ジロフィラリア・イムニチス(Dirofilaria immitis)病原体、ノミの病原体、または細菌性病原体をコードする外来核酸を含む。本発明の別の実施形態では、組換えウイルスは、ネコの免疫不全ウイルス(FIV)、ネコの白血病ウイルス(FeLV)、ネコの感染性腹膜炎ウイルス(FIP)、ネコの汎白血球減少症ウイルス、ネコのカリチウイルス、ネコのレオウイルス3型、ネコのロタウイルス、ネコのコロナウイルス、ネコのシンシチウムウイルス、ネコの肉腫ウイルス、ネコのヘルペスウイルス、ネコのボルナ病ウイルス、またはネコの寄生生物をコードする。
本発明の別の実施形態では、組換えウイルスは、外来核酸を発現するためのプロモーターを含む少なくとも1つの外来核酸を含む。別の実施形態では、組換えウイルスは、そのウイルスに対するプロモーター外来遺伝子の制御下で少なくとも1つの外来核酸を発現する。
本発明の1つの実施形態では、組換えウイルスは、さらに、検出可能なマーカーをコードする外来核酸を含む。本発明の別の実施形態では、検出可能なマーカーは、E.coli ベータ・ガラクトシダーゼである。
本発明は、さらに、FIVgagプロテアーゼ、FIVエンベロープタンパク質、FeLVgagプロテアーゼ、またはFeLVエンベロープタンパク質由来の免疫原をコードする組換えウイルスを提供する。
本発明は、さらに、ネコの免疫不全ウイルスゲノムまたはその一部をコードする核酸を含む組換えウイルスを提供する。本発明は、さらに、ネコの白血病ウイルスゲノムまたはその一部をコードする核酸を含む組換えウイルスを提供する。本発明は、さらに、ネコIL12、GM−CSF、p35またはp40をコードする核酸を含む組換えウイルスを提供する。本発明は、さらに、有効な免疫感作量のこのような組換えウイルスおよび適切な担体を含むワクチンを提供する。
本発明は、ネコのヘルペスウイルスの糖タンパク質G遺伝子である非必須領域を含む組換えネコヘルペスウイルスを提供する。本発明は、S−FHV−031(ATCC受託番号VR−2604)と称される請求項12の組換えネコヘルペスウイルスを提供する。このウイルスは、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブタペスト条約の規定の下で、アメリカ合衆国バージニア州20108−0971、マナサス、ユニバーシティー・ブルバード10801のジ・アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に1998年5月1に寄託された。
本発明は、豚痘ウイルスのHindIII M断片の大型HindIIIからBglIIまでの副断片中の非必須領域を有する組換え豚痘ウイルスを提供する。本発明は、さらに、S−SPV−246と称される請求項14の組換えネコの豚痘(ATCC受諾番号VR−2603)を提供する。このウイルスは、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブタペスト条約の規定の下に、アメリカ合衆国バージニア州20108、マナサス、ユニバーシティー・ブルバード10801のジ・アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に1998年5月1に寄託された。
上述の発明の実施形態では、組換えウイルスは、タンパク質の可溶性部分中のCD28、CD80またはCD86タンパク質の一部である。本発明の別の実施形態では、組換えウイルスは、ネコCTLA−4タンパク質をコードする外来核酸を含む。
上に記述される発明は、免疫感作有効量の組換えウイルスおよび適切な担体を含むワクチンについてである。本発明の1つの実施形態では、ワクチンは、免疫感作有効量の組換えウイルスを、約1×105pfu/ml〜約1×108pfu/ml、および約 cfu/mlで含む。別の実施形態では、本発明はさらに、組換えウイルスとの混合物および有効な免疫感作量の第二の免疫原を含むワクチンを提供する。
本発明は、ネコに、免疫感作有効量の任意の上記組換えウイルスを投与することを特徴とする、ネコでの免疫応答を増強する方法を提供する。本発明は、さらに、ネコに、免疫感作有効量の任意の上記組換えウイルスを投与することによって、ネコを免疫化する方法を提供する。
本発明は、可溶性CD28、CD80またはCD86を含む、任意の抑制有効量の組換えウイルスをネコに投与することによって、ネコにおける免疫応答を抑制する方法を提供する。本発明は、ネコCTLA−4タンパク質を含む、任意の抑制有効量の組換えウイルスを、ネコに投与することによって、ネコにおける免疫応答を抑制する方法を提供する。
本発明は、静脈、皮下、筋肉内、経筋肉、局所、経口または腹膜組織内経路で上述の組換えウイルスを投与することを供する。
1つの実施形態では、本発明は、ネコが、移殖臓器または組織の享受側であり、免疫応答に悩まされている場合に、ネコにおける免疫応答を抑制する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、(a)ネコCD28mRNA転写物、(b)ネコCD80転写物、または(c)ネコCD86mRNA転写物とハイブリダイズして、その翻訳を阻害する能力のあるアンチセンス核酸をネコに投与することを特徴とする、ネコにおける免疫応答を抑制する方法を提供する。そのアンチセンス核酸は、翻訳を阻害するのに有効な量で存在しており、それによりネコにおける免疫応答を抑制する。
1つの実施形態では、上述の発明は、腫瘍を減少または排除するのに有効な量で、ネコCD80タンパク質、ネコCD80タンパク質またはその組合せをコードする核酸を含む組換えウイルスを、ネコにおける腫瘍に投与することを特徴とする、ネコにおける腫瘍を減少させ、または排除する方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、組換えウイルスがさらに含まれ、そしてネコ腫瘍に関連した抗原を発現する能力があり、そしてその投与が全身投与で行われる、ネコにおける腫瘍を減少させるかまたは排除する方法を提供する。
本発明は、CD80またはCD86またはCD28またはCTLA−4またはRNAを部分的あるいは全体で、含むクローニングおよび発現ベクターおよびCD80コード化ベクターまたはCD86コード化ベクターまたはCD28コード化ベクターまたはCTLA−4コード化ベクターで形質転換される細胞と同様に、ネコCD80(B7−1)リガンドまたはネコCD86(B7−2)リガンドまたはネコCD28レセプターまたはネコCTLA−4(CD152)レセプターをコードする、単離および精製されたDNAを提供する。CD80またはCD86またはCD28またはCTLA−4が、選択されるネコ種は、それに限定されないが、家ネコ、ライオン、ピューマ、ボブキャット、およびチーターを含む群からのものである。
本発明は、約941ヌクレオチドの単離され、そして精製されたネコCD80(B7−1)cDNAを提供する。本発明は、約33,485kDaの分子量、約9.1の等電点、10のpH7.0での総荷電の生来の膜結合形態または成熟形態である、約292アミノ酸の単離および精製されたネコCD80ポリペプチドも提供する。同時刺激分子CD28および腫瘍抗原、または病原体生物から得られる抗原とCD80の同時発現は、免疫刺激サイトカインの産生を含めた、Tリンパ球を活性化または活性を増強し、そして他の細胞型の成長を制御する能力を示す。同時刺激分子CTLA−4およびCd80の同時発現は、Tリンパ球の活性化を制御する能力を示す。
本発明は、およそ1176ヌクレオチドの単離および精製ネコCD86(B7−2)cDNAを提供する。本発明はまた、およそ320アミノ酸の単離および精製ネコCD86ポリペプチドも提供し、そしてその生来の膜結合形態または成熟形態は、およそ36,394kDaの分子量、約9.19の等電点、pH7.0で11.27の総荷電を示す。同時刺激分子CD28および腫瘍抗原または病原性生物から得られる抗原とのCD86の同時発現は、免疫刺激サイトカインの産生を含めたTリンパ球を活性化し、または活性化を減少させ、そして他の細胞型の成長を制御する能力を示す。同時刺激分子CTLA−4とのCD86の同時発現は、Tリンパ球の活性化を制御する能力を示す。
本発明によるネコCD80またはCD86は、生来のまたは組換え体源から得られる。本発明によるネコCD80またはCD86は、生来で、そして膜結合形態、または膜貫通ドメインを欠く分泌形態を含む。
本発明は、およそ689ヌクレオチドの単離および精製ネコCD28cDNAを提供する。本発明は、およそ221アミノ酸の単離および精製されたネコCD28ポリペプチドも提供し、その生来の膜結合形態または成熟形態は、約25,319kDaの分子量、約9.17の等電点、pH7.0で9.58の総荷電を示す。
本発明は、およそ749ヌクレオチドの単離および精製ネコCTLA−4cDNAを提供する。本発明は、およそ223アミノ酸の単離および精製ネコCTLA−4ポリペプチドも提供し、その本来の膜結合形態または成熟形態は、約24,381kDaの分子量、約6.34の等電点、pH7.0で−0.99の総荷電を示す。
本発明は、外来DNAを発現する組換え豚痘ウイルス提供し、その外来DNAは、ネコCD80、ネコCD86、ネコCD28、およびネコCTLA−4cDNAおよびポリペプチドをコードする。
本発明は、外来DNAを発現する組換えアライグマウイルスを提供し、その外来DNAは、ネコCD80、ネコCD86、ネコCD28、およびネコCTLA−4cDNAおよびポリペプチドをコードする。
本発明は、外来DNAを発現する組換えネコヘルペスウイルスを提供し、その外来DNAは、ネコCD80、ネコCD86、ネコCD28、およびネコCTLA−4cDNAおよびポリペプチドをコードする。
別の態様では、本発明は、免疫原に対するネコ科での免疫応答を増強する方法であって、免疫応答を増強するのに有効な量で、組換え豚痘ウイルスベクター、組換えアライグマ痘ウイルスベクターまたは組換えネコヘルペスウイルス中の、ネコCD28またはネコCTLA−4を伴うかまたはこれを伴わないネコCD80またはネコCD86の前、後または実質的にこれと同時に、免疫原を投与することによって達成される方法を提供する。
別の態様では、本発明は、免疫応答を抑制するのに有効な量で、組換え豚痘ウイルスベクター、組換えアライグマ痘ウイルスベクターまたは組換えネコヘルペスウイルス中の、ネコCD28またはネコCTLA−4を伴うかまたは伴わない、或いはネコCD80またはネコCD86、ネコCD28またはネコCTLA−4をコードする一部または全てがアンチセンスRNAまたはDNAを伴う、ネコCD80またはネコCD86の前、後または実質的これとに同時に免疫原を投与することによって達成される、免疫原に対するネコ科での免疫応答を抑制する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、免疫原、および組換え豚痘ウイルスベクター、組換えアライグマ痘ウイルスベクター、または組換えネコヘルペスウイルスベクター中の、免疫応答増強のために有効な量のネコCD80を含むことを特徴とする、免疫原に対するネコ科での免疫応答を誘導するワクチンを提供する。免疫原は、例えば、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコバルボウイルス、ネココロナウイルス、ネコレプトウイルスなどのようなネコ病原体に由来する。
別の態様では、本発明は、免疫原のDNAまたはRNA、および免疫応答を調節するのに有効な量で、タンパク質またはタンパク質の断片をコードするネコCD80、CD86、CD28アクセサリー分子のDNAまたはRNAを発現する、組換え豚痘ウイルスベクター、組換えアライグマ痘ウイルスベクター、または組換えネコヘルペスウイルスベクターを、任意の組合せで投与することによって達成される、免疫原に対するネコ科での免疫応答を誘導するワクチンを提供する。
ネコCD80タンパク質は、それぞれ、ヒトおよびマウスのタンパク質と59%および46%一致するアミノ酸配列を示す。ネコCD86タンパク質は、それぞれ、ヒトおよびウサギのタンパク質と68%および64%一致するアミノ酸配列を示す。ネコCD28タンパク質は、それぞれ、ヒトおよびマウスのタンパク質と82%および74%一致するアミノ酸配列を示す。ネコCTLA−4タンパク質は、それぞれ、ヒトおよびマウスのタンパク質と88%および78%一致するアミノ酸配列を示す。ヒトまたはマウスのCD80またはCD86タンパク質は、ネコCD80またはCD86タンパク質を機能的に交換することができない。したがって、ネコCD80、ネコCD86、ネコCD28およびネコCTLA−4は、ネコ科で免疫性を制御するのに必要とされる新規薬剤である。
本発明は、ネコ種から得られるT細胞制御アクセサリー分子CD80(B7−1)またはCD86(B7−2)またはCD28またはCTLA−4(CD152)を包含する。本発明は、生来または組換え体源の何れかから精製されるCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドと同様に、ネコCD80またはネコCD86またはネコCD28またはネコCTLA−4を部分的に、または全体でコードする単離および精製核酸を提供する。本発明により産生されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、腫瘍および病原体生物に対するネコワクチンの効力を増強するための治療剤、また、ネコにおけるウイルス性または細菌性疾病を治療する治療剤として使用される。本発明により産生されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、過剰活性、過敏活性または方向違いの免疫応答のための疾病を緩和するのにも使用される。
<核酸、ベクター、形質転換体>
ネコCD80(配列番号1、3)、ネコCD86(配列番号5)、ネコCD28(配列番号7)、またはネコCTLA−4(配列番号9)をコードする配列は、図1から5に示され、そしてネコCD80(配列番号2、4)、ネコCD86(配列番号6)、ネコCD28(配列番号8)、またはネコCTLA−4(配列番号10)の推定アミノ酸配列は、図1から5に示される。これらのネコポリペプチドのCD80、CD86、CD28またはCTLA−4としての名称は、これらのポリペプチドのヒトまたはマウスまたはウサギ相同体に対するアミノ酸配列の部分的同一性、およびネコCD28レセプター(下に参照)に、またはCTLA−4に結合し、そしてTリンパ球の活性化を活性化または刺激またはさもなければ制御するCD80またはCD86ポリペプチドの能力に基づく。さらに、理論に拘束されることを望むものではないが、ネコCD80またはネコCD86ポリペプチドも、1つまたはそれ以上の以下の生物活性:NK(ナチュラルキラー)細胞の活性化、B細胞成熟化の刺激、MHC制限内毒性Tリンパ球の活性化、幹細胞の増殖、サイトカインレセプターとの相互作用および免疫制御サイトカインの誘導を示すことが推定される。
遺伝コード(すなわち、ある種のアミノ酸をコードする複数コドン)の縮重のため、図1から5に示される以外のDNA配列も、図1から5に示されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4アミノ酸配列をコードできる。このような他のDNAとしては、例示のコドン中の1つまたはそれ以上のヌクレオチドにおける変化が、その位置でコードされるアミノ酸に改変がない「配列保存性」変異体を含むものが挙げられる。さらに、ポリペプチド中の例示アミノ酸残基は、しばしば、生来のポリペプチドの全部の配座および機能を変えることなしに変化させることができる。このような「機能保存的」変異体としては、それに限定されないが、例えば酸性、塩基性、疎水性、親水性、芳香族性のような類似の生理化学的特性を示すものにアミノ酸を置換すること(例えば、リシンをアルギニンに、アスパルテートをグルタメートに、またはグリシンをアラニンに置換すること)が挙げられる。さらに、アミノ酸配列は、分子の生物活性を破壊することなしに添加または欠失される。例えば、別のアミノ酸配列を、アミノまたはカルボキシル末端の何れかに加えて、ヒスチジンタグ(すなわち、タンパク質の1段階精製を可能にし、その後それらを、化学的に、または酵素的に除去する)のような精製タグとして働く。選択的に、追加の配列は、追加の細胞表面結合部位を付与するか、さもなければ抗体についての抗原結合部位の付加とともにのように、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4の標的細胞の特異性を変える。
本発明の範囲内のネコCD80またはネコCD86またはネコCD28またはネコCTLA−4cDNAは、配列保存的変異体DNA、機能保存的変異体ポリペプチドをコードするDNA配列、およびそれらの組合せのような、図1から5のものである。本発明は、単独、または他の配列または成分との組合せの何れかで、有用な程度の生物活性を示すネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4の断片を包含する。下で説明されるとおり、CD80、CD86、CD28またはCTLA−4の配列を推定的に操作すること、および指示ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4変異体が、指示使用についての適切な安定性および生物活性を保有するかどうか、またはこれらの分子の結合活性に影響を及ぼす多様性が、有効性が増大するかどうかを確立することは、当業界での通常な技術の範囲に十分ある。ネコCD80およびCD86は、各々、コレセプターCD28に、またはコレセプターCTLA−4に結合する。これは、組換えシステム中で変異体CD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドを発現および精製し、そして細胞培養物中で、または動物中でそのT細胞刺激活性および/または成長促進活性を分析し、続いてその使用法で試験することによって達成できる。変異体CD80を、CD28またはCTLA−4レセプターへの官能基結合によって、生物活性について試験する。変異体CD86を、CD28またはCTLA−4レセプターへの官能基結合によって、生物活性について試験する。類似の方法で、変異体CD28または変異体CTLA−4を、生物活性について試験する。
本発明は、家ネコに限定しないで、ライオン、トラ、チーター、ボブキャットなどを含めた他のネコ種から由来するネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4DNA(およびポリペプチド)も包含する。図1から5に示される配列のネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4同族体は、cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングして、図1から5の配列の全部または一部を含むプローブにハイブリット形成するクローンを確認することによって容易に同定される。代替的に、発現ライブラリーは、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を認識する抗体を使用してスクリーニングされる。理論に繋げられる望みなしに、他のネコ種から得られるCD80またはCD86遺伝子が、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4遺伝子と少なくとも約70%同一性を共有することが予想される。さらに、本発明の範囲にあるのは、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4と少なくとも約25%アミノ酸同一性を共有するポリペプチドをコードするDNAと定義される、CD80、CD86、CD28またはCTLA−4の同族体をコードするDNAである。
一般に、本発明による核酸操作では、例えば、分子クローニング、実験室マニュアル(Molecular Cloning, Alaboratory Manual)(第2版、Sambrook、FitschおよびManiatis、コールド・スプリング・ハーバー)または分子生物学における最新のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)(Aufubel、Brent、Kingston、More、Feidman、SmithおよびStuhl、グリーン・パブル.アソシ.、ウイリー−インターサイエンス、ニューヨーク州ニューヨーク(NY,NY)、1992年)で開示されるもののような、当業界で十分に知られる方法が使用される。
本発明は、cDNAおよびRNA配列およびセンスおよびアンチセンスを包含する。本発明は、ゲノム性ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4配列およびそれに限定されないが、制御配列を含めたフランキング配列も包含する。CD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドをコードする核酸配列は、プロモーター、エンハンス(enhances)、応答要素、シグナル配列、ポリアルデヒド化配列、イントロン、5’−および3’−非コーディング領域などを含めた異種配列とも連結している。ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4cDNA配列に操作可能に結合した転写性制御要素は、それに制限せずに、原核生物の細胞、真核生物の細胞、原核生物の細胞のウイルス、真核生物の細胞のウイルス、およびその任意の組合せから由来する遺伝子の発現を指示する能力を有するものが挙げられる。他の有用な異種制御配列は、当業者に知られている。
本発明の核酸は、それらの安定性、可溶性、結合アフィニティー、および特異性を変えるために当業界で習熟したものに知られた方法によって修正される。例えば、配列は、選択的にメチル化される。本発明の核酸配列も、直接的に、または間接的に検出可能なシグナルを供する能力のある標識で修飾される。例示の標識としては、放射性アイソトープ、蛍光分子、ビオチンなどが挙げられる。
本発明は、一部に、または全体的にCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドをコードする核酸を含むベクターも提供する。このようなベクターとしては、例えば、多様な真核生物および原核生物の宿主中で発現するためのプラスミドベクターが挙げられる。好ましくは、ベクターとしては、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドコード部分に操作的に結合したプロモーターも挙げられる。コードされたネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチド(類)は、ここに説明されるとおり、またはさもなければ当業者に知られる任意の適切なベクターおよび宿主細胞を使用することによって発現される。
本発明は、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチド(類)を部分的に、または全体的にコードする核酸を含むベクターも提供する。このようなベクターとしては、例えば、多様な真核生物の宿主中での発現のため、またはDNAまたはRNAワクチンの発現のための生ウイルス性ベクターが挙げられる。1つの実施形態では、生ウイルス性ベクターを、遺伝子欠失によって弱毒化する。別の実施形態では、ウイルス性ベクターは、化学的処置または加熱によって不活性化される。生ウイルス性ベクターは、それに限定されないが、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レトロウイルス、バキュロウイルス、アルファウイルス、ラブドウイルス、ピコルナウイルスを含む群から選択される。生ウイルス性ベクターは、それに限定されないが、ネコのヘルペスウイルス、イヌのヘルペスウイルス、鳥類のヘルペスウイルス、ウシのヘルペスウイルス、ウマのヘルペスウイルス、偽狂犬病ウイルス、豚痘ウイルス、アビポックスウイルス、鶏痘ウイルス、アライグマ痘ウイルス、カナリア痘ウイルス、ワクシニアウイルス、マロニーネズミの白血病ウイルス、シンドビスウイルスおよびセムリキフォーレストウイルスを含む群から選択される。
生ウイルス性ベクターは、部分的に、または全体的にネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4cDNAである外来DNAを発現する組換えウイルス性ベクターである。外来DNAは、病原性生物から得られる抗原についてのcDNAもある。組換えウイルス性ベクターは、当業者に知られている同族性組換え体またはコスミド再構築法によって構築される。好ましくは、ベクターは、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドコード部分に操作的に結合したプロモーターも挙げられる。プロモーターは、それに限定されないが、ネコヘルペスウイルスgEプロモーター、ポックスウイルス合成後期/即時型プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス即時型プロモーター、偽狂犬病ウイルスgXプロモーターを含む。遺伝子発現の増進は、カセット(pCITEベクター、ウイスコンシン州マディソンのノバゲン(Novagen))内に含まれる内部リボソーム入口部位(IRES)要素から得られるCD80、CD86、CD28またはCTLA−4cDNAの発現も挙げられる。ウイルス性ベクターを育成するためのセルラインとしては、それに限定されないが、クランデル・ネコ腎細胞(CRFK)、ニワトリの胚線維芽細胞、胚ブタ腎細胞(ESK−4)、ブタ腎細胞(PK)が挙げられる。コードされたネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチド(類)は、ここに説明されるとおり、またはさもなければ当業者に知られる任意に適切なベクターおよび宿主細胞を使用することによって発現される。
好ましい実施形態では、ネコ病原体から由来する免疫原についての遺伝子との組合せで、ネコCD80およびCD28、CD80およびCTLA−4、CD86およびCD28、またはCD86およびCTLA−4をコードする遺伝子は、単独組換えウイルス性ベクターに組み込まれ、そしてその後、生ワクチンに処方される。ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4遺伝子は、単独、またはネコ病原体から由来するネコ遺伝子との組合わせで、組換えウイルスに組込まれ、その結果、これらの遺伝子の発現は、適切なプロモーターによって制御される。別の実施形態では、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4をコードする遺伝子は、単独で、または組合わせで、組換えウイルス性ベクターに組込まれ、そしてネコ病原体から由来する免疫原(類)についての遺伝子をコードする第二の組換えウイルス性ベクターを有するワクチンに同時投与される。これらの2つの実施形態では、所望の免疫応答の増強、抑制または再配向を達成するのと同じ細胞内で、または密接に近接する細胞内で所望の免疫応答が提供される。
免疫原は、それに限定されないが、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ感染性腹膜炎ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス(パルボウイルス)、ネコカリチウイルス、ネコ・レオウイルス3型、ネコロタウイルス、ネココロナウイルス(感染性腹膜炎ウイルス)、狂犬病ウイルス、ネコシンチウムのウイルス、ネコ肉腫ウイルス、ネコヘルペスウイルス(鼻気管炎ウイルス)、ネコのボルナ病ウイルス、クラミジア属(Chlamydia)、トキソプラスモシス・ゴンジ(Toxoplasmosis gondii)、ネコ寄生生物、ジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)、ノミ、細菌性病原体などのようなネコ病原体を含む群から選択される。
ベクターまたは生ウイルス性ベクターは、しばしば、例えば、抗生物質耐性のような、宿主中の選択のための1つまたはそれ以上のマーカー、またはβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)またはβ−グルクロニダーゼ(uidA)のような熱量測定用マーカー、または緑色蛍光タンパク質のような蛍光マーカー、および1つまたはそれ以上の発現カセットをクローニングまたは発現するための1つまたはそれ以上の複製系を包含する。挿入されたコーディング配列を、合成し、天然源がら単離し、ハイブリッドまたは同等物として作成する。転写的制御配列へのコーディング配列のライゲーションは、当業者に知られている方法によって達成される。適切な宿主細胞を、電気孔穿、CaCl2−またはリポソーム依存性DNA取込み、真菌感染、微細注入、微細投影などを含めた任意の適切な方法によって形質転換/形質移入/感染させる。
本発明を実施する上で使用するための適切なベクターとしては、限定なしで、YEp352、pcDNAI(カリフォルニア州カールスバッドのインビトロゲン(Invitrogen))、pRc/CMV(インビトロゲン)、およびpSFV1(メリーランド州ゲーサーズバーグのギブコ/BRL)が挙げられる。本発明に使用するための1つの好ましいベクターは、pSFV1である。適切な宿主細胞としては、E.coli、酵母、COS細胞、PC12細胞、CHO細胞、GH4C1細胞、BHK−21細胞、および両生類メラニン細胞が挙げられる。BHK−21細胞は、本発明を実施する上で使用するための好ましい宿主セルラインである。裸のDNAまたは遺伝的ワクチン接種の構築のための適切なベクターとしては、限定されないが、pTarget(ウイスコンシン州マディソンのプロメガ)、pSI(ウイスコンシン州マディソンのプロメガ)およびpcDNA(カリフォルニア州カールスバッドのインビトロゲン)が挙げられる。
ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチド(類)をコードする核酸は、組換え事象によって細胞にも導入される。例えば、このような配列は、細胞に微細注入されて、それによりポリペプチド、類縁体またはその偽遺伝子、またはネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドコード遺伝子に実質的に同一性を示す配列をコードする内在性遺伝子の部位に同族性組換えに影響をおよぼす。非同一組換え、および特に多能性細胞での同一性組換えによる内在性遺伝子の欠失のような他の組換え基本の方法も、使用される。
本発明は、免疫原に対するネコ科での免疫応答を増強する方法を提供し、それは、免疫応答を増強するのに有効な量で、ネコCD28またはネコCTLA−4と共に、またはなしで、ネコCD80またはネコCD86の前、後または実質的に同時に免疫原を投与することによって達成される。
本発明は、免疫原に対するネコ科での免疫応答を増強する方法を提供し、そしてそれは、ネコ病原体から由来する免疫原およびネコCD80またはネコCD86アクセサリー分子を含む発現ベクターを、免疫応答を増強するのに有効な量で、ネコCD28またはネコCTLA−4と共に、またはなしで投与することによって達成される。
本発明は、免疫原に対するネコ科での免疫応答を再配向する方法を提供し、そしてそれは、免疫応答を増強するのに有効な量で、ネコCD28またはネコCTLA−4と共に、またはなしにネコ病原体およびネコCD80またはネコCD86アクセサリー分子から由来する免疫原を含む発現ベクターを投与することによって達成される。
本発明は、免疫原に対するネコ科での免疫応答を抑制する方法を提供し、そしてそれは、免疫応答を増強するのに有効な量で、ネコCD28またはネコCTLA−4と共に、またはなしに、またはネコCD80またはネコCD86またはネコCD28またはネコCTLA−4をコードするアンチセンスRNAまたはDNAと共に、ネコCD80またはネコCD86の前、後または実質的に同時に、免疫原を含む発現ベクターを投与することによって達成される。
本発明は、免疫応答を増強するためのネコCD28または免疫応答増強のためのネコCTLA−4、または免疫応答抑制のためのネコCTLA−4を伴うネコCD80またはネコCD86と共に、またはなしに、免疫原、および有効量のネコCD80またはネコCD86を含むことを特徴とする、免疫原に対するネコ科での免疫応答を誘導するためのワクチンを提供する。別の実施形態では、本発明は、ネコ病原体に対する免疫原(類)についての遺伝子、および免疫応答の増強または抑制についてのネコCD28またはネコCTLA−4と共に、またはなしにCD80、CD86についての遺伝子を含む発現ベクターを包含することを特徴とするワクチンを提供する。
<ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチド>
ネコCD80遺伝子(そのDNAおよびアミノ酸配列は、図1および2に示される)は、およそ292アミノ酸のポリペプチドをコードする。ネコCD86遺伝子(そのDNAアミノ酸配列は、図3に示される)は、およそ320アミノ酸のポリペプチドをコードする。ネコCD28遺伝子(そのDNAおよびアミノ酸配列は、図4に示される)は、およそ221アミノ酸のポリペプチドをコードする。ネコCTLA−4遺伝子(そのDNAおよびアミノ酸配列は、図5に示される)は、およそ223アミノ酸のポリペプチドをコードする。
天然または組換え源から得られるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4の精製は、それに限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、C4カラムでの逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過、等電点焦点法、アフィニティークロマトグラフィー、および同等物を含めて当業界でよく知られる方法によって達成される。好ましい実施形態では、大量の生物活性ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、pSFV1レプリコン(ギブコ/BRL)中の6C末端ヒスチジン残基をコードする配列に枠内で融合したネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4についてのコーディング領域を含む組換えDNA配列を構築することによって達成される。このプラスミドによってコードされるmRNAは、当業者によく知られる技術を使用して合成され、そして電気刺穿によってBHK−21細胞に導入される。その細胞は、6C末端ヒスチジンを含む成熟グリコシル化ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドを合成および分泌する。修飾したネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドは、ヒスチジン結合樹脂(His−結合、ウイスコンシン州マディソンのノバゲン)を使用したアフィニティークロマトグラフィーによって細胞上清から精製される。
任意の源から単離されるネコCD80またはネコCD86ポリペプチドは、当業界で知られる方法によって修飾される。例えば、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、リン酸化または脱リン酸化、グリコシル化または脱グリコシル化などをされる。特に有用なのは、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4可溶性、安定性、および結合特異性およびアフィニティーを改変する修飾である。
<ネコCD80、CD86、CD28、CTLA−4キメラ分子>
本発明は、任意の組合せで、ネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4の断片から作成されるキメラ分子の産生を包含する。例えば、CD28結合部位の場所にCTLA−4の結合部位を導入して、免疫応答の増強を維持させながら、CD28の結合アフィニティーを増加させること。
1つの実施形態では、CTLA−4およびCD28上のCD80またはCD86についての結合部位は、CTLA−4の結合領域によって置換される。CTLA−4結合領域を用いてのキメラCD28分子の効果は、CD80またはCD86についてのCD28のアフィニティーを増大させ、そして免疫応答の増強の規模を増大させることである。代替的実施形態では、CD80およびCD28またはCD86およびCD28のキメラ分子、またはその断片は、膜結合形態であり、そしてこれらの分子の能力を免疫増強することを改善する。代替的実施形態では、CD80およびCTLA−4またはCD86およびCTLA−4のキメラ分子、またはその断片は、膜結合形態であり、そしてこれらの分子の能力を抑制する免疫を改善する。代替的実施形態では、CD80およびCTLA−4またはCD86およびCTLA−4のキメラ分子、またはその断片は、膜結合形態であり、そして所望の効果を達成する免疫応答を再指向する。
代替的実施形態では、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、別のポリペプチドとの融合タンパク質である。そのポリペプチドとしては、それに限定されないが、免疫グロブリン、抗原、腫瘍抗原、細胞表面レセプター、または細胞表面リガンダである。
抗ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4抗体
本発明は、上に記述されるとおり同定されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドに対して特異的である抗体を包含する。抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり、そしてネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を異なる種と識別し、機能性ドメインを同定するなどである。このような抗体は、当業者に知られる免疫学的およびハイブリドーマ技術と同様に、HarlowおよびLane、「抗体、実験室マニュアル」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー、1988年に開示される方法および組成物を使用して好都合に作成される。天然または合成のCD80、CD86、CD28またはCTLA−4由来のペプチドが、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4特異的免疫応答を誘導するのに使用される場合、ペプチドは、KLHのような適切な担体と都合よく結合し、そしてフロイントのもののような適切なアジュバント中で投与される。好ましくは、選択ペプチドを、Tan(1988年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85巻:5409−5413頁の方法によって実質的にリシンのコア担体と結合させる。生じる抗体、特に内部造影抗イデオ型抗体も、公知方法を使用して作成される。
1つの実施形態では、精製ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、免疫マウスに使用し、その後、それらの脾臓を除去し、そして脾臓細胞を、骨髄腫と細胞ハイブリッドを形成するのに使用して、当業界に水準である技術により抗体分泌細胞のクローンを得る。このような細胞によって分泌される生じるモノクローナル抗体は、以下の活性についての生体外アッセイに使用してスクリーニングする。それは、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4への結合、CD80、CD86、CD28またはCTLA−4のレセプター結合活性の阻害、およびCD80、CD86、CD28またはCTLA−4のT細胞刺激活性を阻害することである。
抗ネコCD80、抗ネコCD86、抗ネコCD28または抗ネコCTLA−4抗体は、ELISA、RIAなどのような免疫アッセイを使用して、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を同定および定量するのに使用される。抗ネコCD80、抗ネコCD86、抗ネコCD28または抗ネコCTLA−4抗体も、ネコCD80またはネコCD86またはネコCD28またはネコCTLA−4の免疫激減抽出に使用される。さらに、これらの抗体は、様々の源からネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を同定、単離および精製し、そして細胞下および組織化学的局在化調査を行うのに使用できる。
使用法
本発明によって産生されるネコCD80(B7−1)リガンド、ネコCD86(B7−2)リガンド、ネコCD28レセプターまたはネコCTLA−4(CD152)レセプターは、ワクチンとして有益に使用して、感染疾病を予防するか、または同一のまたは異質のネコ種での成長を促進することができる。例えば、任意の組合せで、同時刺激分子CD28またはCTLA−4とのCD80またはCD86の同時発現、および病原性生物から得られる腫瘍抗原または抗原である。ネコCTLA−4レセプターとのネコCD80またはCD86の同時発現は、Tリンパ球の活性化を阻害し、そして免疫応答を抑制する能力を有する。特定の例は、ワクチンとして投与される時に、CD4+およびCD8+Tリンパ球の増殖を活性化し、増強し、または制御し、そしてIL−2、IFN−g、IL−12、TNFa、IL−6および同等物を誘導するウイルス性ベクターまたはDNA発現ベクター中のFIV、FeLVまたはFIP由来の免疫原とのCD80またはCD86を同時発現することである。別の特定の例は、治療剤として投与されるときに、免疫応答を制御または再指向するウイルス性ベクターまたはDNA発現ベクター中でCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を発現することである。
CD28またはCTLA−4とのネコCD80またはCD86の相互作用を介しての免疫の増強、またはCTLA−4とのネコCD80またはCD86の相互作用を介しての免疫応答の阻害は、全体または長期健康上の有害な影響でさえ倍量を示しうる外来物質を加えるよりむしろ自然な方法の制御の利益を得る。CD80、CD86、CD28またはCTLA−4分子を、免疫性の導入のために望ましい抗原をコードするもののような他の組換え分子と共に投与する。ネコCD80、CD86、CD28および/またはCTLA−4遺伝子を、発現ベクターに挿入し、そして標的細胞に感染または形質移入し、そして標的細胞内に遺伝子産物を発現させ、その結果、それを、標的細胞または抗原顕在細胞の血漿膜に打込むか、または標的細胞または抗原顕在細胞の外側に分泌される。プラスミド、セムリキ・フォーレスト・ウイルス、ポックスウイルスまたはヘルペスウイルスのような発現ベクターは、抗原顕在細胞に遺伝子を移行させる。任意の組合せで、ネコCD80、CD86、CD28および/またはCTLA−4遺伝子または遺伝子の断片を、DNAまたはRNA発現ベクターに挿入し、そしてネコ科に注入し、そして「裸の」DNA/RNAまたは遺伝的ワクチンとしてネコ科で遺伝子産物として発現される。標的細胞またはネコ科内での免疫原と、CD80、CD86、CD28および/またはCTLA−4遺伝子との同時発現は、Tリンパ球、Bリンパ球および他の細胞の活性化、活性化の増強、または制御に寄与する。代替的に、発現したタンパク質を投与し、続いてプラスミド、セムリキ・フォーレスト・ウイルス、ポックスウイルスまたはヘルペスウイルスまたは他のウイルスまたは細菌ベクターのような原核生物または真核生物系で発現させることができた。ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4タンパク質は、血漿膜アクセサリー分子として細胞膜に打込まれながら正常に機能するが、他の形態で、特に膜アンカーなしで存在しうる。
1つの実施形態では、ネコCD80およびネコCD86は、膜貫通ドメインまたは疎水性領域を欠きながら可溶性であり、そして膜結合形態または可溶性形態の何れかで、同時刺激分子CD28またはCTLA−4と作用する。代替的実施形態では、ネコCD80またはネコCD86は、膜結合形態であり、そして同時刺激分子CD28またはCTLA−4は、膜貫通ドメインまたは疎水性領域を欠きながら可溶性形態である。代替的実施形態では、ネコCD80またはネコCD86は、膜結合形態であり、そして同時刺激分子CD28またはCTLA−4は、膜貫通ドメインまたは疎水性領域を欠きながら可溶性形態にある。好ましくはニ量体形態にある可溶性CD28またはCTLA−4は、ネコでのT細胞依存性免疫抑制に関連した疾病を治療するために有用である。可溶性CD28またはCTLA−4は、移殖組織の拒絶を防止し、そして自己免疫疾病を治療するのに使用することができる。特に可溶性CD28またはCTLA−4は、骨髄移殖での移殖片対宿主疾病を予防するのに有用である。可溶性CD28またはCTLA−4は、膜結合形態のネコCD80またはCD86を含む細胞の結合を防止する。
別の実施形態では、ネコCTLA−4を、免疫グロブリン(Ig)に融合させる。CTLA−4−Ig融合は、免疫応答を抑制するか、または自己免疫疾病を治療するのに有用である。自己免疫疾病としては、それに限定されないが、関節炎、乾癬、臓器移殖拒絶、移殖片対宿主疾病が挙げられる。
1つの実施形態では、結合または可溶性形態の何れかで発現されたネコCD80、および/またはCD86タンパク質は、ネコ腫瘍の減少または排除する上での治療のために使用される。特に、ネコCD80および/またはCD86タンパク質は、ネコ腫瘍関連抗原と同時にベクター化を組合わせて、またはしないで、直接腫瘍注入を介して、または全身に投与されてウイルス性ベクターから、または裸のDNAから発現される。
ネコネコCD80、CD86CD28またはCTLA−4DNAおよびポリペプチドまたは生物活性ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4断片または副断片の配列保存性および機能保存性変異体を、サイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、病原性微生物から得られる抗原、抗体、またはE.coli lacZ、E.coli uidA、または緑蛍光タンパク質のようなhisタグまたはレポーター遺伝子のような精製配列のような別の配列に枠内で融合させる。
<ワクチン>
本発明は、ネコ種での免疫応答の効力を増強するための方法および組成物を包含する。この実施形態では、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、免疫応答を引出すことが望まれる免疫原との結合で使用される。例えば、ネコ免疫不全ウイルスおよびネコ白血病ウイルスのような病原体、およびネコパルボウイルス、ネコレプトウイルス、およびネココロナウイルスのような他の病原体から得られる免疫原を含むネコのワクチンでは、免疫応答の規模および質を制御するために、ワクチン中にネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を含むことが望ましい。この目的のために、上に記述されるとおりの生来の、または組換え源から精製されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4は、1匹のネコ当たり、ワクチン当たり約0.01から100.0mgまでの範囲にある濃度でワクチン処方に含まれる。代替的に、CD80、CD86、CD28および/またはCTLA−4を発現する組換えベクターは、1匹のネコ当たり、ワクチン当たり約0.01から100.0mgまでの範囲にある濃度で、好ましくは、約0.25mg/kg/日から約25mg/kg/日までの範囲内にある濃度でワクチン処方での量で、ワクチン処方に含まれる。
ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、生(すなわち、複製する)ウイルスワクチンまたは複製しないワクチンと共同して投与する。複製するワクチンの限定なしの例は、修飾したネコヘルペスウイルスまたは修飾したアライグマ痘ウイルスのような生来のまたは組換えウイルスまたは細菌を包含するものである。ネコ宿主での複製を制限するか、または複製しないが、宿主細胞中の外来DNA(ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4、またはネコ病原体から得られる免疫原のような)を発現することを示す生ウイルス性ワクチンの限定なしの例は、修飾したイノシシ痘ウイルス、修飾した豚痘ウイルスまたはセミリキ・フォーレスト・ウイルスである。複製しないウイルスの限定なしの例は、死滅または不活性化ウイルスまたは他の微生物を含むもの、またはネコ白血病ウイルスワクチンのような生来の、組換え、または合成の源から由来する粗製または精製抗原である。
ネコのワクチンの市販源は、当業者に知られ(獣医治療の概説(Compendium of Veterinary Pharmaceuticals、1997年))そして、いっそう有効なワクチンのために本発明と組合わせて使用される。
免疫原に対するネコ科における免疫応答を誘導および制御するためのワクチンは、免疫原、および免疫応答増強のためのネコCD28またはネコCTLA−4と共に、またはなしに有効量のネコCD80またはCD86、または免疫応答抑制のためのネコCTLA−4と共にネコCD80またはネコCD86から構成される。
免疫原は、限定されないが、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ感染性腹膜炎ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス(パルボ)、ネコカルシウイルス、ネコレオウイルス3型、ネコロタウイルス、ネココロナウイルス(感染性腹膜炎)、狂犬病ウイルス、ネコシンシチウムのウイルス、ネコ肉腫ウイルス、ネコヘルペスウイルス(鼻気管炎ウイルス)、ネコボルナ病ウイルス、クラミジア、トキソプラスモシス・ゴンジ、ネコ寄生生物、ジロフィラリア・イミチス、ノミ、細菌性病原体および同等物のようなネコ病原体から構成される群から選択される。
Tリンパ球のような細胞型の成長の制御、または活性化の制御では、制御応答が、細胞成長を刺激するか、または抑制するかの何れかであることが示される。ネコ科での免疫応答の制御では、免疫応答が、ネコ科での疾病または感染媒体を治療するために刺激または抑制されることが示される。
好ましい実施形態では、ネコCD80とCD28、CD80とCTLA−4、CD86とCD28、またはCD86とCTLA−4をコードする遺伝子は、ネコ病原体から得られる免疫原についての遺伝子と組合わせて、単独組換えウイルス性ベクターに組込まれ、そしてその後、生ワクチンへ処方される。ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4遺伝子単独で、またはネコ免疫原遺伝子と組合わせて、組換えウイルスに組込まれ、その結果、これらの遺伝子の発現が、適切なプロモーターによって制御される。ワクチンの投与で、生物活性ネコCD80またはCD86リガンド、およびCD28またはCTLA−4レセプターの発現、同じ細胞でのネコ免疫原(類)の発現を生じ、その結果、所望の免疫応答を増強するために必要とされる一次および二次同時刺激シグナルが供される。この実施形態は、ネコ免疫原に対する即時型に局在化された免疫応答、および改善された効力を示す、ネコ疾病に対するワクチンを提供する。
別の実施形態では、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4単独で、または組合わせでコードする遺伝子が、組換えウイルス性ベクターに組込まれ、そしてネコ免疫原(類)についての遺伝子をコードする二次組換えウイルス性ベクターと共に、ワクチンに同時投与され、それにより、同じ細胞中で、または所望の免疫応答の増強を達成するのに密接に近接する細胞で所望の応答、および改善された効力を示すネコ疾病に対するワクチンが供される。
以下は、ネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4の発現で使用するための、そして病原体性微生物に挑戦する改善された保護的免疫応答を生じるワクチンで使用するための組換えウイルス性ベクターの例である:
1.組換え豚痘ウイルス(任意の非必須の挿入部位への挿入)におけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。複製なしのワクチン接種目的については、ネコ科に限定されないが、ネコ科で使用するための単独、または別のワクチンまたは治療剤(組換え、生または死滅させたもの)との組合せを使用する。
2.組換えネコヘルペスウイルス(FHVgE部位、または任意の非必須の挿入部位への挿入)におけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。複製するワクチン接種目的については、ネコ科に限定されないが、ネコ科で使用するための単独、または別のワクチンまたは治療剤(組換え、生または死滅させたもの)との組合せを使用する。
3.組換えアライグマ痘ウイルス(任意の非必須の挿入部位への挿入)におけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。複製するワクチン接種目的については、ネコ科に限定されないが、ネコ科で使用するための単独、または別のワクチンまたは治療剤(組換え、生または死滅させたもの)との組合せで使用する。
4.FIVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子を含む組換え豚痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
5.FIVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子を含む組換えネコヘルペスウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
6.FIVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子を含む組換えアライグマ痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
7.FeLVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子を含む組換え豚痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せでの発現。
8.FeLVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子を含む組換えネコヘルペスウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
9.FeLVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子を含む組換えアライグマ痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
10.FeLVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのためのおよびFIVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子、またはその任意の組合せを含む組換え豚痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
11.FeLVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのためのおよびFIVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子、またはその任意の組合せを含む組換えネコヘルペスウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
12.FeLVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのためのおよびFIVgag−プロテアーゼおよび/またはエンベロープのための遺伝子、またはその任意の組合せを含む組換えアライグマ痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現。
13.組換え豚痘ウイルスまたはアライグマ痘ウイルスにおけるネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、またはそれらの任意の組合せで、部分的にまたは全体での発現、または未精製または精製ポリペプチドを生成する目的で、それに限定されないがE.coli、セムリキ・フォーレストウイルスおよびバキュロウイルスを含めた任意の他の発現系。それに限定されないが、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の生成、および機能アッセイ開発のための薬剤の生成を含めて使用する。
14.FIVまたはFeLV弱毒化ウイルスベクター中でネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、または任意の組合せでの発現。1つの実施形態では、FIVまたはFeLVウイルス性ベクターを、遺伝子欠失によって弱毒化する。
15.遺伝的ワクチンまたは裸のDNAワクチンとして投与する目的のためネコ免疫原のための遺伝子(類)を含む発現ベクター中でネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、または任意の組合せで、部分的に、または全体での発現。ベクターは、それに限定されないが、pTarget(ウイスコンシン州マディソンのプロメガ)、pcDNA(カリフォルニア州カールスバッドのインビトロゲン)が挙げられる。(Donnelly JJら、1997年;HassettおよびWhitton、1996年。)
16.CD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独、または任意の組合せでの遺伝子または遺伝子の断片は、ネコ科または他の哺乳類の染色体への挿入または形質移入されうる。レトロウイルス性ベクターで達成しうる場合これらの遺伝子のこのような組込みまたはこれらの遺伝子の断片、そして遺伝子療法の形態として使用しうる。
本発明は、医療用および/または市販目的としてネコ種の疾病に対する耐性を改善するための方法および組成物を提供する。この実施形態では、単独、または任意の組合せで、部分的または全体に、そしてネコ免疫原をコードする遺伝子との組み合わせで、またはなしに発現されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、投与の適切な態様を用いてネコ科に使用する。成長促進または疾病耐性について、単独、または任意の組合せで発現されるネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、量で、ネコ当たりワクチンあたり約0.01から100.0mgまでの範囲にはいる濃度で処方で、好ましくは約0.25mg/kg/日から約25mg/kg/日までの範囲にはいる濃度で処方で投与する。成長促進または疾病耐性については、単独、または任意の組合せで、ネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を発現する組換えウイルス性ベクターを、量で、ネコ当たりワクチンあたり約0.01から100.0mgまでの範囲にはいる濃度で処方で、好ましくは約0.25mg/kg/日から約25mg/kg/日までの範囲にはいる濃度で処方で投与する。所望の量のネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、用量および頻度のマトリックスを樹立し、そして実験単位または対象の群をマトリックス内の各点と比較するこによるような、当業界でよく知られる日常的な実験によって測定することができる。
本発明により、生来のまたは組換えネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、例えば、リン酸緩衝生理食塩水または脱イオン化水のような生理学上許容しうる担体と処方する。処方は、潤滑剤(類)、可塑剤(類)、吸収増強剤(類)、殺菌剤(類)および当業界でよく知られる同等物のような助剤も含有しうる。本発明のネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4ポリペプチドを、限定なしに、静脈、皮下、筋肉内、経筋肉、局所または経口経路を含めた任意の有効な手段によって投与する。皮下投与については、例えば、用量形態は、滅菌生理学的生理食塩水中のネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4から構成される。経口または吸入投与については、助剤と共に、またはなしでネコCD80、CD86、CD28またはCTLA−4を、例えばリポソームおよびマイクロスフィア中に微小または巨大封入させる。皮下パッチ(または他の低速放出用量形態)も使用される。
<材料および方法>
アライグマ痘ウイルス保存サンプルの調製:
アライグマ痘ウイルス(RPV)単離ATCC VR−838を、アライグマ痘ウイルス保存サンプルおよびアライグマ痘ウイルスゲノムDNAの調製のために使用した。入手可能な別のRPV単離物は、センター・フォー・ディジース・コントロール(CDC;ジョージア州アトランタ)から得られるV71−I−85Aである。アライグマ痘ウイルス(RPV)サンプルは、2mMグルタミン、100単位/mlペニシリン、100単位/mlストレプトマイシン(これらの成分は、シグマまたは同等の供給業者から得られ、そして以降、DMEM負の培地と称される)を含むダルベッコの修飾イーグル培地中に0.01PFU/細胞の感染の多様性でVERO細胞、CRFK細胞、またはMDCK細胞を感染することによって調製される。感染の前に、細胞単分子層を、一回、DMEM負の培地で洗浄して、仔ウシ血清の跡を除去する。その後、当初の接種に含まれるRPV(10cm平板については0.5ml、T225cmフラスコについて10ml)を、2時間、細胞単分子層に吸収させ、それにより毎半時間、再分配された。この時期の後、当初の接種を、完全DMEM培地(5%仔ウシ血清を加えたDMEM負の培地)を添加しながら推奨容積まで行った。細胞変性効果が完了するまで、平板を、37℃で、5%CO2中でインキュベートした。培地および細胞を、回収し、そして50ml円筒スクリュー栓試験管中で−70℃で凍結した。37℃で解凍させて、ウイルス保存物を、1.0mlバイアルに適量とり、そして−70℃で再凍結した。滴定は、通常、約106PFU/mlであった。
豚痘ウイルス保存サンプルの調製:
豚痘ウイルス(SPV)サンプルを、イスコフの修飾ダルベッコ培地(IMDM)および2mMグルタミン、100単位/mlペニシリン、100単位/mlストレプトマイシン(これらの成分は、シグマまたは同等の供給業者から得られ、そして以降、EMSK負の培地と称される)を含むPRMI1640倍血の1:1混合で、0.01PFU/細胞の感染の多重性で、胚の豚腎臓(EMSK)細胞、ESK−4細胞、PK−15細胞またはベロ細胞を感染させることによって調製した。感染の前に、細胞単分子層を、一回、EMSK負の培地で洗浄して、仔ウシ血清の跡を除去する。その後、当初の接種に含まれるSPV(10cm平板については0.5ml、T175cmフラスコについて10ml)を、2時間、細胞単分子層に吸収させ、それにより毎半時間、再分配された。この時期の後、当初の接種を、完全EMSK培地(5%仔ウシ血清を加えたEMSK負の培地)を添加しながら推奨容積まで行った。細胞変性効果が完了するまで、平板を、37℃で、5%CO2中でインキュベートした。培地および細胞を、回収し、そして50ml円筒スクリュー栓試験管中で−70℃で凍結した。37℃で解凍させて、ウイルス保存物を、1.0mlバイアルに適量とり、そして−70℃で再凍結した。滴定は、通常、約106PFU/mlであった。
RPVまたはSPV・DNAの調製。アライグマ痘ウイルスまたは豚痘ウイルスDNA単離については、TR225cm2フラスコ中のベロ細胞(RPVのための)またはEMSK細胞(SPVのための)の融合単分子層を、アライグマ痘ウイルス(ATCC VR−838)と0.1の多様性で感染させ、そして細胞が、100%細胞変性効果を示すまで3−5日間インキュベートした。その後、感染細胞を、その細胞を培地に擦りつけて回収し、そして臨床用遠心分離装置で5分間、3000rpmで遠心分離した。培地を傾寫し、そして細胞ペレットを、1.0mlリン酸緩衝生理食塩水(PBS:リットルH2O当たり1.5gNa2HPO4、0.2gKH2PO4、0.8g NaClおよび0.2g KCl)(T175当たり)に穏やかに再懸濁させ、そして二回の連続凍結−解凍(−70℃から37℃)にかけた。最後の解凍で、細胞(氷上の)を、三回、30秒間、間に各々45秒冷却して、超音波処理した。その後、細胞崩壊物を、4℃で、HB4ローター中で、5分間、3000rpmで遠心分離(ソルバールRC−5B超高速遠心分離装置)により取除いた。その後、上清に存在するRPVビリオンを、SS34ローター(ソルバール)中で4℃で、20分間、15,000rpmで遠心分離することによってペレット化し、そして10mMトリス(pH7.5)に再懸濁させた。この画分を、36%ショ糖勾配(10mMトリス(pH7.5)中w/v)上に層に形成させ、そして4℃で、SW41ローター(ベックマン)中で60分間、18,000rpmで遠心分離(ベックマンのL8−70Mウルトラセントリフュージ)した。ビリオンペレットを、10mMトリス(pH7.5)1.0ml中に再懸濁させ、そして氷上で30秒間、超音波処理した。この画分を、20%から50%の連続ショ糖勾配上に層に形成させ、そして4℃で、SW41ローター中で60分間、16,000rpmで遠心分離した。その勾配の約4分の3下手に配置されるRPVビリオンバンドを回収し、20%ショ糖で希釈し、そして4℃で、SW41ローター中で60分間、18,000rpmで遠心分離した。その後、得られたペレットを、10mMトリス(pH7.5)で一回洗浄して、ショ糖の痕跡を取除き、そして最終的に10mMトリス(pH7.5)に再懸濁させた。その後、RPVのDNAを、EDTA、SDS、およびプロテナーゼKを、それぞれ20mM、0.5%および0.5mg/mlの最終濃度まで添加することによって誘導される透析(4時間、60℃で)により精製ビリオンから抽出した。消化後、三回のフェノール:クロロホルム(1:1)抽出を行い、そしてサンプルを、2倍量の完全エタノールを添加し、そして−20℃で、30分間インキュベートすることによって沈殿させた。その後、サンプルを、5分間、全速力で、エフェンドルフ・小型遠心分離装置で遠心分離した。培地を傾寫し、そしてペレットを空気乾燥させ、そして4℃で、0.01Mトリス(pH7.5)、1mM EDTA中で脱水させた。
FHVウイルス保存サンプルの調製:
S−FHV−000を、ATCC(ATCC番号636)から得、そしてS−FHV−001を、NVSL(NVSLの検証ウイルス株SGE、ロットKS)から得た。FHVウイルス保存サンプルを、2mMグルタミン、100単位/mlペニシリン、100単位/mlストレプトマイシン(これらの成分は、アービン・サイエンティフィックまたは同等の供給業者から得、そして以降、完全DME培地と称される)、それに5%仔ウシ血清を加えて含むダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)中で1.0PFU/細胞の感染の効率でクランデルのネコ腎臓(CRFK)細胞を感染させることによって調製した。細胞変性効果が完了した後、培地および細胞を回収し、適量とり、そして−70℃で凍結させた。滴定は、およそ1×107から1×108PFU/mlであった。
ヘルペスウイルスDNAの調製:
25cm2フラスコまたは60mmペトリ皿中のCRFK細胞の融合単分子層を、100mlのウイルスサンプルで感染させた。一夜インキュベーション後、または細胞が、100%細胞変性効果を示しているときに、細胞を、培地に擦り落とした。細胞および培地を、医療用遠心分離装置で5分間3000rpmで遠心分離した。培地を傾寫し、そして細胞ペレットを、1.5%ノニデットP40(登録商標)(分子当たり平均9モルのエチレンオキシドを含むオクチルフェノールエチレンオキシド縮合物)(NP−40(登録商標)、ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル・シーオー(Sigma Chemical Co.)から購入した)を含む0.5ml溶液に再懸濁させた。サンプルを、10分間、室温でインキュベートした。RNエースAの保存溶液(シグマ・ケミカル・シーオー、ミズーリ州セントルイス)10mlを、添加した(保存は、10mg/mlであった。DNエースを不活性化させるまで10分間煮沸した)。サンプルを、ペレット核になるまで遠心分離した。DNAペレットを、パスツール・ピペットまたは木製スティックで取除き、排除した。上清液体を、20%硫酸ドデシルナトリウム(シグマ)25ml、25mlプロテイナーゼ−K(10mg/ml;インディアナ州インディアナポリスのベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルズ)を含む1.5mlエッフェンドルフ試験管に傾寫した。サンプルを混合し、そして30−60分間、37℃でインキュベートした。等量の水飽和フェノールを添加し、そしてサンプルを簡潔に混合した。サンプルを、5分間、全速力で、エッフェンドルフ小型遠心分離装置で遠心分離した。上部水層を、新たなエッフェンドルフ試験管に取り、そして2倍容量の完全エタノールを添加し、そして試験管を、30分間、−20℃にして、核酸を沈殿させた。サンプルを、5分間、エッフェンドルフ試験管で遠心分離した。上清を、傾寫し、そしてペレットを、空気乾燥させ、〜16mlのH2Oで脱水させた。大量のDNAの調製のために、その手段を、スケールアップして、ローラーボトルまたは175cm2フラスコのCRFK細胞で出発させた。DNAを、4℃で0.01Mトリス(pH7.5)、1mM EDTA中に保存した。
組換えウイルスを生成するためのDNA形質移入:
方法は、以下の修飾法でGrahamおよびVan der eb[25]のリン酸カルシウム手段に基づいている。ウイルスおよび/またはプラスミドDNAを、0.01Mトリス(pH7.5)、1mM EDTA中に298mlまで希釈した。40mlの2MCaCl2を添加し、続いて等量の2×HEPES緩衝生理食塩水(リットルH2O当たり10gのN‘’−2−エタンスルホン酸N−2−ヒドロキシエチルピペラジン(HEPES)、16gのNaCl、0.74gのKCl、0.25gのNa2HPO4・2H2O、2gデキストロース、そしてNaOHでpH7.4まで平衡にした)を添加した。その後、混合物を、氷上で10分間、インキュベートし、そしてその後、5mlの培地(DME、それに加えて5%仔ウシ血清)下で60mmペトリ皿で成長する80%融合単分子層のCRFK細胞まで滴加した。細胞を、4時間、37℃で、5%CO2を含む湿潤インキュベーター中でインキュベートした。平板上の培地を吸引し、そして細胞を、1分間、1×PBS(リットルH2O当たり1.15gのNa2HPO4、0.2gのKH2PO4、0.8gのNaCl、0.2gのKCl)中の20%グリセロールで処理した。その細胞を、1×PBS5mlで三回洗浄し、そしてその後、5mlの培地(DME、それに加えて5%仔ウシ血清)で育成した。ウイルスから得られた細胞変性効果が、50−100%であるまで細胞を、上記のとおり37℃で、3−7日間インキュベートした。上に記述されるとおり、ウイルス保存の調製のためにウイルスを回収した。この保存は、形質移入保存と称され、そして酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えヘルペスウイルス用のスクリーンによって、組換えウイルスについて続いてスクリーニングした。
感染細胞溶解液の調製: 細胞溶解液調製については、血清不含培地を使用した。25cm2フラスコまたは60mmペトリ皿中の細胞(VERO、CRFKまたはMDCK)の融合単分子層を、ウイルスサンプル100μlで感染させた。細胞変性効果が完了した後、細胞および培地を、医療用遠心分離装置で5分間3000rpmでペレットにした。細胞ペレットを、破壊緩衝液(2%硫酸ドデシルナトリウム、2%β−メルカプトエタノール)250μlに再懸濁させた。そのサンプルを、30分間、氷上で超音波処理し、そしてー20%℃で保存した。
ウエスタンブロッティング手段: 溶解液のサンプルおよびタンパク質標準を、Laemnliの手段によってポリアクリルアミドゲルにかけた。ゲル電気泳動後、タンパク質を移動させ、そしてSambrookら(1989年)によって加工した。一次抗体は、トリス−塩化ナトリウム中の5%非脂質乾燥ミルク、およびナトリウムアジド(TSA:リットルH2O当たり6.61gトリス−HCl、0.97gトリス−塩基、9.0gのNaClおよび2.0gナトリウムアジド)で1:1000に希釈した。二次抗体は、アルカリ性フォスファターゼ接合体であり、そしてTSAで1:100に希釈した。
分子生物学的技術。制限エンドヌクレアーゼでの消化、ゲル電気泳動、ゲルからのDNAの抽出、ライゲーション、キナーゼを用いたリン酸化、フォスファターゼでの処置、細菌培養物の成長、DNAでの細菌の形質転換、および他の分子生物学上の方法のような手段を含めた細菌およびDNAの操作についての技術は、Sambrookら(1989年)および分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)(1992年)によって記述される。特に記述される場合を除き、小さな変化を伴って使用される。
DNA配列: DNA配列は、AmplitaqDNAポリメラーゼ、FS(パーキン−エルマー;製造業者の指示当たり)を備えたABIプリズム染色ターミネーターサイクルシーケンシング既成反応キットを用いた蛍光標識ジデオキシシーケンシング反応によって行い、そして製造業者の指示に従って、パーキン−エルマー/アプライド・バイオシステムズの自動制御DNAシーケンサーモデル373A上で電気泳動した。dGTP混合およびdITP混合の両方を用いた反応を行って、圧縮の領域を透明にした。代替的には、圧縮領域を、ホルムアミドゲルで溶解させた。テンプレートは、二重標準プラスミドサブクローンまたは単独標準M13サブクローンであり、そしてプライマーを、配列されるべき挿入物のすぐ外側のベクターにするか、または先に得られた配列にするか何れかにした。得られた配列は、似ており、そしてDNAStar ソフトウエアーを用いて比較した。
ポリメラーゼ連鎖反応を用いたクローニング: ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、種々のDNAの操作について都合のよい制限部位を導入した。使用される手段は、Innisら、(1990年)によって記述される。一般に、増幅断片は、寸法で500塩基対より低く、そして増幅断片の重大な領域を、DNAシーケンシングによって確認した。各事例で使用されるプライマーは、以下の相同のベクターの構築の説明で詳述される。
組換えRPV、SPVまたはFHVを生成するための相同組換え手段: この方法は、アライグマ痘ウイルスDNAと形質移入プラスミド相同ベクターの両方を含む組織培養細胞中で生じるアライグマ痘ウイルスと、プラスミド相同ベクターDNAとの間の相同な組換えによる。生じる相同な組換えについては、細胞(CRFK、MDCKまたはVERO)の単分子層を、0.01PFU/細胞の感染の重複度で、S−RPV−000(ATCC VR−838)またはS−SPV−001またはS−FHV−001で感染させて、細胞へのPRVの複製(すなわち、DNA合成)を導入した。その後、プラスミド相同性ベクターDNAを、感染−形質移入手段によりこれらの細胞に形質移入させた。この手段に使用される相同性ベクターの構築は、以下に記述される。
感染−形質移入手段: 約80%融合で細胞(CRFK、MDCKまたはVERO)の6cm平板を、DMEM負の培地中の0.01PFU/細胞の感染の重複度で、S−RPV−000またはS−SPV−001またはS−FHV−001で感染させ、そして2−3時間、湿潤5%CO2環境で、37℃でインキュベーションした。使用された形質移入手段は、リポフェクチンTM試薬(BRL)について基本的に推奨されるものである。簡潔には、各6cm平板については、15μgのプラスミドDNAを、H2Oで100μlまで希釈した。別々に、50マイクログラムのリポフェクチン試薬を、H2Oで100μlまで希釈した。その後、100μlの希釈リポフェクチン試薬を、プリスチレン5mlスナップ栓試験管に含まれる希釈プラスミドDNAに滴加し、そして穏やかに混合した。その後、混合液を、室温で15−20分間インキュベートした。この時の間、ウイルス接種物を、6cm平板から取り、そして細胞単分子層を、DMEM負の培地で一回洗浄した。3mlのDMEM負の培地を、プラスミドDNA/リポフェクチン混合物に添加し、そして内容物を、細胞単分子層の上にピペットで取った。細胞を、湿潤5%CO2環境で、37℃で一夜(約16時間)インキュベートした。次の日に、3mlのDMEM負の培地を、除去し、そして5mlDMEM完全培地に交換した。ウイルスから得られる細胞変性効果が、80−100%になるまで、細胞を、3−5時間、5%CO2環境で、37℃でインキュベートした。ウイルス保存の調製のため、ウイルスを上に記述のとおりに回収した。この保存物は、形質移入保存物と称され、そして順次、組換えアライグマ痘ウイルス用のブルーガルのスクリーン、または組換えアライグマ痘ウイルス用のCPRGスクリーンによって組換えウイルスについてスクリーニングした。
βガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβグルクロニダーゼ(X−グルクアッセイ)を発現する組換えRPVまたはSPVまたはFHV用のスクリーン: E.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子を、組換えウイルスに組込んだ。2つの簡単な方法の内の1つによって組換え体を含むプラークを可視化した。最初の方法では、化学的ブルーガルTM(商標)(ライフ・サイエンス・テクノロジー、メリーランド州ベセズダ)を、プラークアッセイの間、覆い被さったアガロースに組込ませ(200μl/ml)、そして活性β−ガラクトシダーゼを発現するプラークは青色になった。その後、青色プラークを、新たな細胞(MDCK、CRFKまたはVERO)に取り、そして更に青色プラーク単離によって精製した。第二の方法では、CPRG(ベーリンガー・マンハイム)を、プラークアッセイの間、覆い被さったアガロースに組込ませ(400μl/ml)、そして活性β−ガラクトシダーゼを発現するプラークは赤色になった。その後、赤色プラークを、新たな細胞(MDCK、CRFKまたはVERO)に取り、そして更に赤色プラーク単離によって精製した。両方の場合に、ウイルスを、特徴的に、3から4回のプラーク精製で精製した。
E.coli β−グルクロニダーゼ(uidA)マーカー遺伝子が、組換えウイルスに取り込まれるときに、組換え体を含むプラークを、色素原物質を使用することによって可視化させ、X−ベータ−D−gluUA CHX(X−GLUC;5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシル−ベータ−D−グルクロン酸、シクロヘキシルアンモニウム塩;バイオシンスAG、スイス国)を、プラークアッセイの間、覆い被さったアガロースに組込ませ(200μl/ml)、そして活性β−グルクロニダーゼを発現するプラークは青色になった。その後、青色プラークを、新たな細胞(MDCK、CRFKまたはVERO)に取り、そして更に青色プラーク単離によって精製した。
黒色プラークアッセイを用いた組換えRPVでの外来遺伝子発現用のスクリーン:
組換えアライグマ痘ウイルスによって発現される外来抗原の発現を分析するために、細胞(MDCK、CRFKまたはVERO)の単分子層を、組換えRPVまたはSPVまたはFHVで感染させ、栄養アガロース培地で被覆させ、そしてプラーク発生を生じるために、37℃で3−5日間インキュベートした。その後、アガロース被覆を、皿から取除き、そして細胞を、10分間、室温で、100%メタノールで固定し、そしてその細胞を、空気乾燥させた。細胞の固定で、表層抗原検出と同様に細胞変性抗原を生じるのに対して、特異的表層抗原発現は、非固定細胞を用いて検出することができる。その後、一次抗体を、1×ブロット(トリス−塩化ナトリウム中の5%非脂質乾燥ミルク)、およびナトリウムアジド(TSA:リットルH2O当たり6.61gトリス−HCl、0.97gトリス塩基、9.0gNaClおよび2.0gナトリウムアジド)で適切な希釈率まで希釈し、室温で、2時間、細胞単分子層上でインキュベートした。その後、未結合抗体を、細胞を、室温でTS緩衝液で三回細胞を洗浄することによって除去した。第二抗体であるアルカリ性フォスファターゼ接合体を、1×ブロットで1:1000に希釈し、室温で、2時間、細胞と共にインキュベートした。その後、未結合抗体を、細胞を、室温でTS緩衝液(リットルH2O当たり6.61gトリス−HCl、0.97gトリス塩基、9.0gNaCl)で三回細胞を洗浄することによって除去した。その後、細胞を、新たに調製した基質溶液(100mMのトリスHCl(pH9.5)、100mMのNaCl、5mMのMgCl2、0.3mg/mlニトロブルーテトラゾリウムおよび0.15mg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル・ホスファターゼ)で、室温で、15−30分間インキュベートした。プラークは、正確な抗原株黒色を発現する。固定溶液(20mMトリス−HCl(pH2.9)および1mMのEDTA)を使用して、色素発生反応を止めた。
黒色プラークアッセイを用いた組換えSPV、RPVまたはFHV中でのネコCD80(B7−1)およびCD86(B7−2)発現用のスクリーン: 細胞(MDCK、CRFK、VEROまたはESK−4)の単分子層上の組換え豚痘ウイルス、アライグマ痘またはネコヘルペスウイルスによって発現されるCD80またはCD86同時刺激分子の発現を分析するために、CD80またはCD86を発現する組換えRPVまたはSPVまたはFHVウイルスに感染させ、栄養アガロース培地上に被覆し、そしてプラーク発生が起こるために、37℃で3−5日間インキュベートした。その後、アガロース被覆をその皿から取除き、細胞を、100%メタノールで10分間、室温で固定して、細胞を空気乾燥させるか、または未固定物を除去し、そして1×PBSで直ぐに処理した。細胞の固定化で、表層抗原検出と同様に、細胞変性抗原を生じるのに対して、特異的表層抗原発現は、非固定細胞を用いて検出することができる。その後、huCTLA−4/Fcキメラ(アールアンドディー・システムズ、Minn.MN、カタログ番号325−CT)を、1×ブロット(トリス−塩化ナトリウム(TS:リットルH2O当たり6.61gトリス−HCl、0.97gトリス−塩基、9.0gのNaCl)中の5%非脂質乾燥ミルク)で、適切な希釈率まで希釈し、そして室温で、2時間、細胞単分子層上でインキュベートした。その後、未結合キメラを、室温で、TS緩衝液で三回細胞を洗浄することによって除去した。検出抗体、モノクローナル抗−huIgG1 fc アルカリ性フォスファターゼ接合体(ジメド(Zymed)、カタログ番号05−3322)を、1×ブロットで適切な濃度に希釈し、そして室温で2時間、細胞と共にインキュベートした。その後、未結合検出抗体を、室温で、TS緩衝液(リットルH2O当たり6.61gトリス−HCl、0.97gトリス−塩基、9.0gのNaCl)で三回細胞を洗浄することによって除去した。その後、細胞を、新たに調製した基質溶液(100mMのトリスHCl(pH9.5)、100mMのNaCl、5mMのMgCl2、0.3mg/mlニトロブルーテトラゾリウムおよび0.15mg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイル・ホスファターゼ)で、室温で、15−30分間インキュベートした。プラークは、CD80またはCD86株黒色を発現する。固定溶液(20mMトリス−HCl(pH2.9)および1mMのEDTA)を使用して、色素発生反応を止めた。
VSVプラーク産生を用いた組換えSPV、RPVまたはFHVから発現されるネコ・インターフェロン・ガンマ生物活性用のスクリーン:
96ウェル平板中のCRFKSまたは適切なネコ・セルラインを、ネコIFNガンマを発現する組換えウイルスに感染した細胞から得られる上清で処理した。その後、VSVウイルス(100−1000粒子/ウエル)を、適切なウエルに添加し、そして24時間、または細胞のみを有する対照ウエルが完全に溶解されるまでインキュベートした。ウエルを、1×PBSで三回洗浄し、そして単分子層を、100%メタノールで固定し、そして空気乾燥させた。結晶性バイオレットの0.05%溶液を、室温で、10分間、全ウエルに添加し、その後空気乾燥させた。ウエルを、紫色の染料の存在について等級分けした。感触で、健康な単分子層の細胞は、結晶性バイオレット染料を取り込む。IFNガンマ活性を有する上清は、CRFKをVSV誘導細胞溶解から保護し、そして紫に染色する。
診断に使用するためのウイルス性糖タンパク質の精製のための手段。 ウイルス性糖タンパク質を、抗体アフィニティーカラムを用いて精製する。モノクローナル抗体を生成するために、8から10週齢のBALB/cメスマウスに、107PFUのアライグマ痘ウイルス組換え体を2から4週間隔で、7回腹膜組織内にワクチン接種した。最後のワクチン接種の3週後、マウスに、40mgの対応のウイルス性糖タンパク質を腹膜組織内に注入した。最後の抗原投与の3日後、脾臓をマウスから取り出した。
脾臓細胞を、OiおよびHerzenbergから修飾した手段によって、マウスNS1/Ag4形質細胞腫の細胞と融合させた。脾臓細胞および形質細胞腫の細胞を、300×gで、10分間、遠心分離によって一緒にペレット化させた。ポリエチレングリコール(分子量1300−1600)の50%溶液の内の1mlを、1分間かけて、攪拌しながら細胞ペレットに添加する。ダルベッコの修飾イーグル培地(5ml)を3分間かけて細胞に添加する。細胞を、10分間、300×gで遠心分離によってペレット化し、10%仔ウシ血清を有し、100mMヒポキサンチン、0.4mMアミノプテリンおよび16mMチミジン(HAT)を含む培地に再懸濁させた。細胞(100ml)を、100mlの正常な脾臓育成層細胞を含む、8から10の96ウェル組織培養平板のウエルに添加し、そして37℃でインキュベートした。細胞を、3から4日毎に新たなHAT培地で育成する。
ハイブリドーマ培養上清を、100ngのウイルス性糖タンパク質で被覆された96ウェルウエルマイクロタイター平板でのELISAアッセイによって試験する。反応性ハイブリドーマから得られる上清を、黒色プラークアッセイおよびウエスタンブロットによってさらに分析する。選択ハイブリドーマを、限定希釈によって二回クローン化する。腹水液を、5×106ハイブリドーマ細胞を、プリスタン処置BALB/cマウスへの腹膜組織内に注入することによって産生した。
アライグマ痘ウイルス組換え体から得られる細胞溶解液は、「感染細胞溶解液の調製」で記述されるとおりに得られる。糖タンパク質含有細胞溶解液(100ml)を、2mlアガロースアフィニティー樹脂を通過させ、それに20mgの糖タンパク質モノクローナル抗体は、製造業者の指示(AFC培地、ニュージャージー州エジソンのニュー・ブルンスウィック・サイエンティフィック)に従って固定化させた。そのカラムを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の100mlの0.1%ノニデットP−40で洗浄して、非特異的結合材料を除去する。結合糖タンパク質を、100mM炭酸緩衝液(pH10.6)で溶出させる(40)。
前および後溶出画分を、ELISA系でのRPVモノクローナル抗体に対する反応性によって純度について監視する。
ELISAアッセイ: 標準酵素結合免疫媒体アッセイ(ELISA)プロトコールを使用して、ワクチン接種および誘発に続く動物の免疫状態を測定する。糖タンパク質抗原溶液(PBS中ng/mlで100ml)を、4℃で、18時間、マイクロタイター皿のウエルに吸収させる。被覆したウエルを、PBSで一回洗浄する。1%BSA(シグマ)を含有する、250mlのPBSを添加し、37℃で1時間インキュベートすることによってウエルを遮断する。遮断されたウエルを、0.02%ツイーン20を含むPBSで一回洗浄する。50mlの試験血清(先に、1%BSAを含むPBS中で1:2に希釈した)を、ウエルに添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。抗血清を除去し、そしてウエルを、0.02%ツイーン20を含むPBSで一回洗浄する。西洋ワサビペルオキシダーゼ(1%BSAを含むPBS中で1:500に希釈した、キルケガード・アンド・ペリ・ラボラトリーズ,インク.(Kirkegaard and Perry Laboratories, Inc.)に結合した抗ウシIgGを含む溶液50mlを、添加して、特異的抗原に対する抗体を含むウエルを可視化させる。溶液を、37℃で1時間、インキュベートし、その後、除去し、そしてウエルを、0.02%ツイーン20を含むPBSで三回洗浄する。100mlの基質溶液(ATBS、キルケガード・アンド・ペリ・ラボラトリーズ,インク.)を各ウエルに添加し、そして色を、15分間展開させる。0.1mシュウ酸の添加によって、反応を終了させる。色を、自動平板読取装置で、吸光度410nmで読み取る。
合成ポックスウイルスプロモーターの構築のための攻略法 組換え豚痘ベクターについて、合成ポックスプロモーターは、外来遺伝子発現の強度とタイミングを制御する能力を含めた幾つかの利点を供する。ワクシニアウイルスで規定されたプロモーターに基づいた3つのプロモーターカセットLP1、EP1およびLP2を設計した。各カセットは、任意の順番または組合せでカセットを組合わせて使用できる制限部位によって挟まれるワクシニアで定義されるDNA配列を含むように設計された。イニシエーター・メチオニンも、枠内融合が、EcoRIまたはBamHI部位の何れかで作ることができるように各カセットに設計される。全3つの読取枠内の1組の翻訳終止コドンおよび即時型翻訳終止シグナルも、枠内融合部位の下流に操作した。各カセットをコードするDNAを、標準技術によって合成し、そして適切な相同性ベクターにクローン化させた。
CD80の即時型断片の単離:
RNAzolBのRNA抽出試薬(バイオテックス(Biotexc)、テキサス州ヒューストン)を用いてConAで16時間刺激した末梢血単核細胞(PBMC)からmRNAを抽出した。最初に、3’−プライマーとしてオリゴdTを使用する逆転写酵素(RT)反応によって、cDNAをこのRNAから誘導した。簡単に、RNAおよびオリゴdTを75℃で、3分間加熱して、二次構造を取除いた。その後、RT、dNTP、緩衝液および蒸留水を添加し、混合液を、1時間、42℃でインキュベートした。このインキュベーションに続いて、サンプルを、95℃まで、5分間加熱して、RTを不活性化させた。その後、ヒトおよびネズミのCD80公表配列(ジーンバンク、マサチューセッツ州ゲーサーズバーグ)内の共通領域から誘導される変性プライマーを、遺伝子の一定ドメイン内の中央領域をコードする344ヌクレオチド(ntd)断片の当初の増幅に使用した。
5’プライマーB7−2 GGC CCG AGT A(CT)A AGA ACC GGA C (配列番号56)
3’プライマーB7−3 CAG (AT)TT CAG GAT C(CT)T GGG AAA (CT)TG (配列番号57)
Taqポリメラーゼを使用するホットスタートポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プロトコールを使用して、産物を増幅させた。Taq酵素を欠く反応混合液を、最初、ホットスタート段階で、95℃で、5分間加熱して、プライマー二量体の形成を防止した。酵素を加えてから、温度サイクルを開始した。その後、PCR反応液を、95℃まで30秒間加熱して、二本鎖DNAを融解させた。その後、反応液を、42℃まで、30秒間冷却して、変性プライマーのアニーリングを促進させた。低アニーリング温度を使用して、100%相同ではないプライマーの結合を促進させた。その後、反応液を、プライマーを拡張し、そして対峙DNA鎖をコピーするTaqポリメラーゼについての最適温度、72℃まで、45秒間加熱した。温度サイクルを、30回繰返した。30サイクルに続いて、7分間、72℃の最終伸長段階を、使用して、任意の未完成産物の伸長を促進した。1%アガロースゲル上ので可視化の後、産物を、一夜、16℃で、シーケンシングについてのTAクローニングベクター(カリフォルニア州サンディエゴのインビトロゲン)にライゲートした。2mlのライゲート反応液を使用して、競合InvaF’細胞を形質転換した。形質転換した細菌を、x−galの50mg/ml溶液40mlで被覆したLB平板(50mg/mlアンピシリン)上に画線接種した。続く日に、白色コロニーを選択し、そして100mg/mlのアンピシリンを含む5mlのLB培地に接種し、そして225rpmで振蘯させながら37℃で一夜育成させた。
一夜、培地でミニ調製を行って、正確な挿入物を伴うプラスミドを保有したクローンを測定した。プラスミドを、標準アルカリ性溶解手段を用いて培地から抽出し、それに伴い、DNAは、さらにフェノール:クロロホルム抽出(Maniatisら、1982年)によってさらに精製された。DNAを、2倍量のエタノールに沈殿させ、そしてその後、EcoRIで消化させた。消化物を、1%アガロースゲル上で可視化させて、適切な挿入物を含むプラスミドを有するコロニーを測定した。その後、プラスミドを陽性クローンから精製し、そしてシーケナーゼ基本(USB、オハイオ州クレーブランド)S35放射線標識ジデオキシターミネーターシーケンシングまたは蛍光染色ターミネーターサイクルシーケンシング(パーキン・エルマー、コネチカット州ノルウォーク)によるかの何れかを使用して配列した。cDNAの配列から、特異的3’および5’プライマーを、cDNA末端反応の5’迅速増幅(RACE)に使用するために、そして3‘’未翻訳領域(UTR)から得られる変性プライマーとの接合で3’配列の誘導のために構築した。
CD80の5’領域の単離:
マラソンのcDNA増幅プロトコール(クローンテック、カリフォルニア州パロアルト)を使用して、その遺伝子の5’配列を誘導した。mRNAを、12時間、ConAで、そして同時発生で4時間、LPSで刺激されたPBMCから産生させた。ウルトラスペックRNA抽出試薬(バイオテックス、テキサス州ヒューストン)を用いてmRNAを抽出させた。cDNAを、5’末端に変性ヌクレオチドを伴うアンカー・オリゴdTプライマーで産生させて、ポリA尾部の5’のほとんどの末端に対するプライマーの結合を促進させた。その後、cDNAを、先に記述されるとおり転写させた。特異的リンカーを、T4DNAリガーゼでcDNAにライゲートさせた。先に増幅させた領域について特異的である内部3’プライマー:
B7−284:TTA TAC TAG GGA CAG GGA AG
(配列番号58)
B7−190:AGG CTT TGG AAA ACC TCC AG
(配列番号59)
およびライゲートしたリンカー配列に相補的なアンカープライマーを用いてcDNA上でタッチダウンPCRを行った。KlenTaqポリメラーゼ混合液(クローンテック、カリフォルニア州パロアルト)を用いてタッチダウンPCR反応についてのパラメーターは、95℃で5分間、1サイクル;95℃で30秒間、72℃で30秒間、そして68℃で45秒間、5サイクル;95℃で30秒間、65℃で30秒間、そして68℃で45秒間、5サイクル;95℃で30秒間、60℃で30秒間、そして68℃で45秒間、25サイクルであった。1mlのこの反応液を、50mlの水で希釈し、そしてその後5mlのこの希釈液を、リンカー特異的アンカープライマーおよび当初のプライマーの5’に配置される遺伝子特異的3’プライマーを用いて重ね合せPCR反応(KlenTaqポリメラーゼ混合液を用いて95℃で5分間、1サイクル;95℃で30秒間、65℃で30秒間、そして68℃で45秒間、30サイクル)に使用した(図6)。
B7−20:TTG TTA TCG GTG ACG TCA GTG
(配列番号60)
B7−135:CAA TAA CAT CAC CGA AGT CAG G
(配列番号61)
20mlの各反応液を、1.5%アガロースゲル上で可視化させ、そして適切な断片をゲルから切取った。cDNAを抽出し、そしてゲル・ネブライザーおよびマイクロピュアー0.22mmフィルター(アミコン、マサチューセッツ州ビバリー)を介してゲル切片を遠心分離することによってアガロースから精製した。その後、精製DNAを、染料ターミネーターサイクルシーケンシング(パーキン・エルマー、コネチカット州ノルウォーク)を用いて直接的に配列した。
CD80の3’領域の単離:
344ntd断片および先に配列された5’領域:
B7−s220 GTC ATG TCT GGC AAA GTA CAA G
(配列番号62)
B7−50 CAC TGA CGT CAC CGA TAA CCA C
(配列番号63)
B7−140 CTG ACT TCG GTG ATG TTA TTG G
(配列番号64)
B7−550:GCC ATC AAC ACA ACA GTT TCC
(配列番号65)
B7−620:TAT GAC AAA CAA CCA TAG CTT C
(配列番号66)
から得られる5遺伝子特異的プライマーを選択することによって、遺伝子の3’領域を、誘導した。
その後、変性3’プライマーを、ヒトおよびネズミのCD803’UTRの共通領域から選択した。
B7−1281 G(A/G)A AGA (A/T)TG CCT CAT GA(G/T) CC
(配列番号67)
B7−1260 CA(C/T) (A/G)AT CCA TAG GG
(配列番号68)
cDNAを、先に記述されるとおりConAおよびLPSで刺激したPBMCから得られるウルトラスペック(バイオテックス、テキサス州ヒューストン)で抽出されたRNAから産生した。
アンカー付けしたオリゴdTを、cDNAに対するRNA転写のための即時型3’プライマーとして使用した。特異的5’プライマーおよび変性3’プライマーを用いて、このcDNAでTaqポリメラーゼ基本のPCR反応を行った(95℃で5分間、1サイクル;95℃で30秒間、42℃で30秒間、そして72℃で45秒間、30サイクル;72℃で7分間)。
正しい寸法の単独断片を産生する前に、2回りの重ね合せ反応を必要とした。この産物を、1.5%アガロースゲルから切り取り、先に記述されるとおりに精製し、そして染色ターミネーターサイクルシーケンシング(パーキン・エルマー、コネチカット州ノルウォーク)で配列した。
5’および3’領域の配列データから、ネコCD80遺伝子:
B7開始:ATG GGT CAC GCA GCA AAC TGG
(配列番号69)
B7−960:CCT AGT AGA GAA GAG CTA AAG AGG C
(配列番号70)
の全開放読取枠をコードする領域を増幅するプライマーを構築させた。
先に産生され、そしてその遺伝子をコードするDNAを含むPBMCのcDNAを使用した。このPCR反応(95℃で5分間、1サイクル;95℃で30秒間、42℃で30秒間、そして72℃で45秒間、30サイクル;72℃で7分間)は、Taqポリメラーゼとしばしば関連してランダムな誤差を減少させる希望である程度5’エキソヌクレアーゼ活性を保持する酵素カクテルであるKlenTaqDNAポリメラーゼを使用した。反応液を、TAクローニングベクター(カリフォルニア州サンディエゴのインビトロゲン)にクローン化され、そして先に記述されるとおり配列された960塩基対(bp)断片を増幅した。遺伝子の最終配列は、2つの別々の動物から得られるcDNAを含んだ。遺伝子の各塩基対を、個々のPCR反応から誘導される少なくとも3つの別々の配列で独立に立証して、PCR誘導間違えから誘導される誤差の可能性を減少させた。
CD28の当初の断片の単離 mRNAを、16時間、RNAzolB RNA抽出試薬(バイオテックス、テキサス州ヒューストン)を用いてConAで刺激したHK5末梢血リンパ球から抽出させた。オリゴdTを3’プライマーとして使用する逆転写酵素(RT)反応によって、当初のcDNAを、このRNAから誘導した。簡潔には、RNA、およびオリゴdTを、3分間、75℃まで加熱して、二次構造を取除いた。その後、RT、dNTP、緩衝液および蒸留水を添加し、そしてその混合液を、1時間、42℃でインキュベートした。このインキュベーションに続いて、サンプルを、5分間、95℃まで加熱して、RTを不活性化させた。その後、ヒト、ネズミおよびウサギCD28公表核酸配列(ジーンバンク、マサチューセッツ州ゲーサーズバーグ)の中で見られる共通領域から誘導される変性プライマーを、大半の開放読取枠をコードする673ntd断片の当初の増幅のために使用した。
CD28−113:CAA CCT TAG CTG CAA GTA CAC
(配列番号71)
CD28−768:GGC TTC TGG ATA GGG ATA GG
(配列番号72)
Taqポリメラーゼを使用するホットスタートPCRプロトコールを使用して、産物を増幅させた(95℃で5分間、1サイクル;95℃で30秒間、48℃で30秒間、そして72℃で45秒間、30サイクル;72℃で7分間、1サイクル)。その後、断片を1%アガロースゲル上で可視化させ、そしてTAクローニングベクター(カリフォルニア州サンディエゴのインビトロゲン)にライゲートさせ、そして先に記述されるとおり配列した。cDNAの配列から、特異的3’プライマーを誘導し、5’RACE反応に使用するために合成した。
CD28190:CGG AGG TAG AAT TGC ACT GTC C
(配列番号73)
CD28 239:ATT TTG CAG AAG TAA ATA TCC
(配列番号74)
CD28の5’領域の単離
修飾ギブコ5‘’RACEプロトコール(ギブコ BRL、メリーランド州ゲーサーズバーグ)を使用して、ネコCD28分子の残りの5’配列を得た。16時間、RNAを抽出し、ConAがPBMCを刺激した。3’遺伝子特異的プライマーを、最初の鎖のcDNA合成のために使用した。RNAおよびプライマーを、75℃まで、5分間加熱し、その後、他のRT試薬を添加した。変性に続いて、混合液を、4℃に冷却し、そして反応緩衝液、塩化マグネシウム、dNTP、DTTおよびSuperScriptRT(ギブコ BRL、メリーランド州ゲーサーズバーグ)を添加した。RT混合液を、42℃で、30分間、インキュベートし、そしてその後、15分間、70℃に加熱して、RTを変性させた。その後、RNエースカクテルを添加し、そして反応液を10分間、55℃でインキュベートして、残余RNAを除去し、そして誤った末端トランスフェラーゼ(TdT)伸長を防止した。その後、グラスマックス(ギブコ BRL、メリーランド州ゲーサーズバーグ)回転カラム上でcDNAを精製して、未取り込みdNTPおよびプライマーを除去した。その後、そのカラムから溶出される精製cDNAに、TdTで尾部付けした。TdTを用いて、20−30ヌクレオチドdC尾部をcDNAに添加した。精製cDNA、塩化マグネシウム、反応緩衝液、およびdCTPの混合液に酵素を添加し、続いて95℃で3分間、cDNAを変性させた。反応液を、37℃で10分間、インキュベートし、そしてその後、酵素を、加熱し、さらに10分間、70℃で不活性化させた。尾部を付けたcDNAを、Taqポリメラーゼ基本のホットスタートPCR反応(95℃で5分間;95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で45秒間、35サイクル;72℃で7分間)で増幅させた。この反応のためのプライマーとしては、cDNA合成プライマーの5’に配置される3’プライマー、およびdCリンカーに特異的で、そして主に、少数のdI残基を有するdGから構成されるアンカープライマーが挙げられる。この反応液中の1mlを、50mlの水で希釈し、そしてその後、この希釈液の内の5mlを、dG/dI5’アンカープライマーおよび追加の上流遺伝子特異的3’プライマーを用いて、重ね合せPCR反応(95℃で5分間、1サイクル;KlenTaqポリメラーゼ混合液を用いて95℃で30秒間、55℃で30秒間、そして72℃で45秒間、30サイクル)に使用した。その後、30mlの重ね合せ反応液を、1.5%アガロースゲル上で可視化させ、そして適切な断片を、そのゲルから抽出させた(図19)。先に記述されるとおり、アミコンゲル・ネブライザーおよびマイクロピュアフィルター(アミコン、マサチューセッツ州ビバリー)を用いてcDNAを精製した。精製cDNAサンプルを、染色ターミネーターサイクルシーケンシング(パーキン・エルマー、コネチカット州ノルウォーク)により配列した。完成した断片から、共通配列を誘導した。その配列から、ネコCD28遺伝子:
feCD28 5’:CGC GGA TCC ACC GGT AGC ACA ATG ATC CTC AGG(配列番号75)
feCD28 3’:CGC GGA TCC TCT GGA TAG GGG TCC ATG TCA G(配列番号76)
の全開放読取枠を包含するプライマー対を合成した。
これらのプライマーを使用して、全コーディング領域を含むcDNA分子を、ConA刺激EK6およびED3 PBMC誘導cDNAから増幅させた。このPBMCのcDNAを、先に産生させ、そして遺伝子をコードするRNAを含むことが示された。しばしばTaqポリメラーゼに関連したランダム間違えを減少させる望みで、KlenTaqのDNAポリメラーゼを用いて、このPCR反応(95℃で5分間、1サイクル;95℃で30秒間、42℃で30秒間、そして72℃で45秒間、30サイクル;72℃で7分間)は、754bp断片を産生させ、そしてそれは、TAクローニングベクターにクローン化させ、そして先に記述されるとおり配列した。CD80分子を用いるように、各ヌクレオチド部位を、少なくとも3つの独立に誘導された配列によって確認した。
相同ベクター902−49.46.プラスミド902−49.46を、外来DNAをRPVに挿入する目的のために構築した。それは、RPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子を組込む。外来遺伝子の上流は、およそ906塩基対断片のRPVのDNAである。外来遺伝子の下流は、およそ895塩基対断片のRPVのDNAである。プラスミドを、「組換えRPVを生成するための相同な組換え手段」によって使用する場合、外来遺伝子のためのDNAコーディングを含むウイルスを生じる。β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、後期プロモーター(LP1)の制御下にあり、そして第二の外来DNAを、EcoRIまたはBamHI部位に挿入し、そして第二の外来遺伝子は、後期/即時型プロモーター(LP2EP2)の制御下にあることは注目される。それは、合成DNA配列を有する以下の源から制限断片を結合することによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築された。プラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2999塩基対HindIII制限断片から誘導される。断片1は、RPVHindIII制限断片U(Knightら)のおよそ906塩基対のHindIIIからXbaIまでの制限副断片である。断片2は、プラスミドpJF751(Ferrariら)のおよそ3010塩基対のBamHIからPvuIIまでの制限断片である。断片3は、RPVHindIII制限断片Uのおよそ895塩基対のXbaIからHindIIIまでの副断片である。NotIリンカーを用いて、断片1および3中のXbaI部位を、特徴的なNotI部位に変換した。
相同ベクター904−63.B7.相同ベクター904−63.B7を、外来DNAをRPVに挿入するのに使用した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子およびネコ免疫不全ウイルス(FIV)gag/プロテアーゼおよびエンベロープ遺伝子を組込む。この相同ベクターを、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」によって使用する場合、外来遺伝子のためのDNAコーディングを含むウイルスを生じる。β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、合成後期ポックスプロモーター(LP1)の制御下にあり、そしてFIVgag/プロテアーゼおよびエンベロープ遺伝子は、別々であるが、同一の合成後期/前期ポックスプロモーター(LP2EP2)の制御下にある。FIVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベローププロモーター/遺伝子カセットは、gag/プロテアーゼおよびエンベロープ遺伝子の転写が、互いに向かって走り、同一プロモーターの間の相同な組換えの可能性を避けるように対峙する方向に向けられる。合成DNA配列を有する以下の源から制限断片を結合することによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して、相同ベクターを構築した。プラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2972塩基対のHindIIIからBamHIまでの制限断片から誘導される。断片1は、SPVHindIII断片M(23)のおよそ1484塩基対のBglIIからAccIまでの制限副断片である。断片2は、FIV PPR株を用いた逆転写(RT)およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(15、42)によって合成されるFIVエンベロープ遺伝子のおよそ2580塩基対のEcoRIからBglIIまでの断片である。上流プライマー(5’−GCCCGGATCCTATGGCAGAAGGGTTTGCAGC−3’ 10/93.21)(配列番号77)は、FIVエンベロープ遺伝子の5’末端から合成し、そしてその遺伝子の5’末端にBamHI部位を導入する。下流プライマー(5’−CCGTGGATCCGGCACTCCATCATTCCTCCTC−3’;10/93.20)(配列番号78)は、FIVエンベロープ遺伝子の3’末端から合成し、そしてその遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入し、そして逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応に使用される。PCR産物を、BamHIで消化させて、FIVエンベロープ遺伝子に対応する長さで断片2580塩基対を得た。断片3は、FIV PPR株から得られるcDNAを用いた逆転写(RT)およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(15、42)によって合成されるFIVgag/プロテアーゼ遺伝子のおよそ1839塩基対のEcoRIからBglIIまでの断片である。上流プライマー(5’−GCGTGAATTCGGGGAATGGACAGGGGCGAGAT−3’;11/94.9)(配列番号79)は、FIVgag/プロテアーゼ遺伝子の5’末端から合成し、そしてその遺伝子の5’末端にEcoRI部位を導入する。下流プライマーは、(5’−GAGCCAGATCTGCTCTTTTTACTTTCCC−3’;11/94.10)(配列番号80)であり、そしてFIVgag/プロテアーゼ遺伝子の3’末端から合成し、そしてその遺伝子の3’末端にBglII部位を導入し、そして逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応に使用された。PCR産物を、EcoRIおよびBglIIで消化させて、FIVgag/プロテアーゼ遺伝子に対応する長さで断片およそ1839塩基対を得た。断片4は、プラスミドpJF751(Ferrariら)のおよそ3010塩基対のBamHIからPvuIIまでの断片である。断片5は、SPV HindIII制限断片Mのおよそ2149塩基対のAccIからHindIIIまでの制限副断片である。合成リンカーを用いて、SPV相同ベクター中のAccI部位を、特徴的なNotI部位に変換した。
相同ベクター917−60.B9.プラスミド917−60.B9を、外来DNAをRPVに挿入する目的のために構築した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子およびネコIFN−γ遺伝子(Onionら、(1996年);Argyleら、(1995年))を組込む。外来遺伝子の上流は、SPVのDNAのおよそ1484塩基対断片である。外来遺伝子の下流は、SPVのDNAのおよそ2149塩基対断片である。このプラスミドを、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」によって使用する場合、外来遺伝子のためのDNAコーディングを含むウイルスを生じる。β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、豚痘01Lプロモーターの制御下にあり、そしてネコCD28遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーター(LP2EP2)の制御下にあることに注目する。以下の源から制限断片を結合することによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して、それを構築しうる。プラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2972塩基対のHindIIIからBamHIまでの制限断片から誘導された。断片1は、SPVHindIII制限断片Mのおよそ1484塩基対のBglIIからAccIまでの制限副断片である。断片2は、テンプレートとしてConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAを用いた逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって合成されるEcoRIからBamHIまでの制限断片である。ネコIFN−γを合成するために、プライマー(5’−TCGAGAATTCGATGAATTACACAAGTTTTATTTTCG−3’;1/97.4)(配列番号81)は、ネコIFN−γ遺伝子の5’末端から合成し、その遺伝子の5’末端にEcoRI部位を導入する。プライマー(5’−TCGAGGATCCTTATTTCGATGCTCTACGGCCTC−3’;1/97.3)(配列番号82)を逆転写およびPCRのために使用し、そしてネコIFN−γ遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入した。PCR産物を、EcoRIおよびBamHIで消化させて、ネコIFN−γ遺伝子に対応する長さで断片およそ504塩基対を得た。断片3は、プラスミドpJF751(Ferrariら)のおよそ3010塩基対のEcoRIからPvuIIまでの制限断片である。断片4は、SPV HindIII断片Mのおよそ2149塩基対のAccIからHindIIIまでの副断片である。断片1および4にあるAccI部位を、NotIリンカーを使用して特徴的なNotI部位に変換した。
相同ベクター926−76.D7.相同ベクター926−76.D7を、ネコヘルペスウイルスからgEコーディング領域の一部を欠失し、そして外来DNAを挿入する目的のために構築した。それは、FHVのDNAによって挟まれたネコCD80遺伝子を組込む。ネコCD80遺伝子は、FHV gEプロモーターの制御下にあった。それを、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して例示DNA源から構築した。プラスミドベクターは、pSP18/19のおよそ2958塩基対のAsp718IからAsp718Iまでの制限エンドヌクレアーゼ断片から誘導される。断片1は、FHV SalI B断片のおよそ1415塩基対のAsp718IkからSmaI副断片である。断片2は、「ポリメラーゼ連鎖反応を用いたクローニング」により合成されるネコCD80遺伝子のおよそ879塩基対のEcoRIからBamHIまでの断片である。PCR反応のためのテンプレートを、ConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAであった。上流プライマー(5’−TCGAGAATTCGGGTCACGCAGCAAAGTGG−3’;1/97.43)(配列番号52)は、ネコCD80遺伝子の5’末端から合成し、そしてEcoRI部位を導入する。下流プライマー(5’−GCTAGGATCCAATCTATGTAGACAGGTGAGAT−3’;1/97.6)(配列番号53)は、ネコCD80遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入し、そして逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応のために使用した。断片3は、FHV EcoRI E断片のおよそ2205塩基対のSalIからAsp718Iまでの副断片である。
相同ベクター930−23.A1.プラスミド930−23.A1を、SPVに外来DNAを挿入する目的のために構築した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子およびネコCD80遺伝子を組込む。外来遺伝子の上流は、SPV DNAのおよそ1484塩基対断片である。外来遺伝子の下流は、SPV DNAのおよそ2149塩基対断片である。そのプラスミドが、「組換えSPVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、合成後期ポックスプロモーター(LP1)の制御下であり、そしてネコCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーター(LP2EP2)の制御下であることに注目すべきである。以下の源から得られる制限断片を結合することによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。そのプラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2972塩基対のHindIIIからBamHIまでの制限断片から誘導された。断片1は、SPV HindIII制限断片Mのおよそ1484塩基対のBglIIからAccIまでの制限副断片である。断片2は、テンプレートとしてConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAを使用して、逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって合成されるEcoRIからBamHIまでの制限断片である。ネコCD80を合成するために、プライマー5’−TCGAGAATTCGGGTCACGCAGCAAAGTGG−3’;1/97.43)(配列番号52)は、ネコCD80遺伝子の5’末端から合成し、そしてその遺伝子の5’末端にEcoRI部位を導入する。プライマー(5’−GCTAGGATCCAATCTATGTAGACAGGTGAGAT−3’;1/97.6)(配列番号53)は、逆転写およびPCRのために使用し、そしてネコCD80遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入した。PCR産物を、EcoRIおよびBamHIで消化して、ネコCD80遺伝子に対応する長さでおよそ879塩基対の断片を得た。断片3は、プラスミドpJF751(Ferrariら)のおよそ3010塩基対のBamHIからPvuIIまでの制限断片である。断片4は、SPV HindIII断片Mのおよそ2149塩基対のAccIからHindIIIまでの副断片である。断片1および4にあるAccI部位は、NotIリンカーを用いて特徴的なNotI部位に変換された。
相同ベクター930−26.A1.プラスミド930−26.A1を、SPVに外来DNAを挿入する目的のために構築した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子およびネコCD28遺伝子を組込む。外来遺伝子の上流は、SPV DNAのおよそ1484塩基対断片である。外来遺伝子の下流は、SPV DNAのおよそ2149塩基対断片である。そのプラスミドが、「組換えSPVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、合成後期ポックスプロモーター(LP1)の制御下であり、そしてネコCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーター(LP2EP2)の制御下であることに注目すべきである。以下の源から得られる制限断片を結合することによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。そのプラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2972塩基対のHindIIIからBamHIまでの制限断片から誘導された。断片1は、SPV HindIII制限断片Mのおよそ1484塩基対のBglIIからAccIまでの制限副断片である。断片2は、テンプレートとしてConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAを使用して、逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって合成されるEcoRIからBamHIまでの制限断片である。ネコCD28を合成するために、プライマー5’−GATGAATTCCATGATCCTCAGGCTGGGCTTCT−3’;7/97.1)(配列番号54)は、ネコCD28遺伝子の5’末端から合成し、その遺伝子の5’末端にEcoRI部位を導入する。プライマー(5’−GATCAGATCTCAGGAACGGTATGCCGCAA−3’;7/97.2)(配列番号55)は、逆転写およびPCRのために使用し、そしてネコCD28遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入した。PCR産物を、EcoRIおよびBamHIで消化して、ネコCD28遺伝子に対応する長さでおよそ666塩基対の断片を得た。断片3は、プラスミドpJF751(Ferrariら)のおよそ3010塩基対のBamHIからPvuIIまでの制限断片である。断片4は、SPV HindIII断片Mのおよそ2149塩基対のAccIからHindIIIまでの副断片である。断片1および4にあるAccI部位は、NotIリンカーを用いて特徴的なNotI部位に変換された。
相同ベクター931−21.A1.相同ベクター931−21.A1を、SPVに外来DNAを挿入するのに使用した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−グルクロニダーゼ(uidA)マーカー遺伝子およびネコCD80遺伝子を組込む。このプラスミドが、「組換えSPVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じた。β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP2)の制御下であり、そしてネコCD80遺伝子は、別々で、そして特徴的な合成後期/前期ポックスプロモーター(LP2EP2)の制御下であることに注目すべきである。その相同ベクターは、以下の源から得られる制限断片を、適切な合成DNA配列と結合させることによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。そのプラスミドベクターは、PNEB193(ニュー・イングランド・バイオラボズ)のおよそ2700塩基対のDraI制限断片から誘導された。断片1は、SPV HindIII断片Kのおよそ881塩基対のDraIからEcoRIまでの制限副断片である。断片2は、「ポリメラーゼ連鎖反応でのクローニング」によって合成されるネコCD80遺伝子のおよそ879塩基対のEcoRIからBamHIまでの断片である。PCR反応についてのテンプレートは、ConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAであった。上流プライマー(5’−TCGAGAATTCGGGTCACGCAGCAAAGTGG−3’;1/97.43)(配列番号52)は、ネコCD80遺伝子の5’末端から合成し、EcoRI部位を導入する。下流プライマー(5’−GCTAGGATCCAATCTATGTAGACAGGTGAGAT−3’;1/97.6)(配列番号53)は、ネコCD80遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入し、そして逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応のために使用した。断片3は、プラスミドpRAJ260(クローンテック)のおよそ1823塩基対のEcoRIからSmaIまでの制限断片である。断片4は、SPV HindIII断片Kのおよそ994塩基対のEcoRIからDraIまでの制限副断片である。SPV相同ベクターにあるEcoRI部位は、合成リンカーを用いて特徴的なNotI部位に変換された。
相同ベクター931−22.A1.プラスミド931−22.A1を、SPVに外来DNAを挿入する目的のために構築した。それは、RPVのDNAによって挟まれたネコCD80遺伝子を組込む。外来遺伝子の上流は、RPV DNAのおよそ906塩基対断片である。外来遺伝子の下流は、RPV DNAのおよそ895塩基対断片である。そのプラスミドが、「組換えRPVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。ネコCD80遺伝子は、後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下であることに注目すべきである。それは、合成DNA配列と共に、以下の源から得られる制限断片を結合することによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。そのプラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2999塩基対のHindIIIの制限断片から誘導された。断片1は、RPV HindIII制限断片U(Knightら)のおよそ906塩基対のHindIIIからXbaIまでの制限副断片である。断片2は、「ポリメラーゼ連鎖反応を用いたクローニング」によって合成されるネコCD80遺伝子のおよそ879塩基対のEcoRIからBamHIまでの断片である。PCR反応についてのテンプレートは、ConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAであった。上流プライマー(5’−TCGAGAATTCGGGTTCACGCAGCAAAGTGG−3’;1/97.43)(配列番号52)は、ネコCD80遺伝子の5’末端から合成し、EcoRI部位を導入する。下流プライマー(5’−GCTAGGATCCAATCTATGTAGACAGGTGAGAT−3’;1/97.6)(配列番号53)は、ネコCD80遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入し、そして逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応のために使用した。断片3は、RPV HindIII断片Uのおよそ895塩基対のXbaIからHindIIIまでの副断片である。断片1および3にあるXbaI部位は、NotIリンカーを用いて特徴的なNotI部位に変換された。断片2および3の間の合成DNAは、LP2EP2プロモーターおよび外来DNAの挿入のためのEcoRI部位およびBamHI部位を含む。
相同ベクター931−32.A5.プラスミド931−32.A5を、RPVに外来DNAを挿入するのに使用する目的で構築した。それは、ネコCD80遺伝子およびRPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子を組込む。外来遺伝子の上流は、RPV DNAのおよそ906塩基対の断片である。外来遺伝子の下流は、RPV DNAのおよそ895塩基対の断片である。このプラスミドが、「組換えRPVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。それは、以下の源から得られる制限断片を、合成DNA配列と結合させることによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。そのプラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2999塩基対のHindIII制限断片から誘導された。断片1は、RPV HindIII制限断片U(Knightら)のおよそ906塩基対のHindIIIからXbaIまでの制限副断片である。断片2は、「ポリメラーゼ連鎖反応でのクローニング」によって合成されるネコCD80遺伝子のおよそ879塩基対のEcoRIからBamHIまでの断片である。PCR反応についてのテンプレートは、ConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAであった。上流プライマー(5’−TCGAGAATTCGGGTCACGCAGCAAAGTGG−3’;1/97.43)(配列番号52)は、ネコCD80遺伝子の5’末端から合成し、EcoRI部位を導入する。下流プライマー(5’−GCTAGGATCCAATCTATGTAGACAGGTGAGAT−3’;1/97.6)(配列番号53)は、ネコCD80遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入し、そして逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応のために使用した。断片3は、プラスミドpJF751(Ferrariら)のおよそ3010塩基対のBamHIからPvuIIまでの制限断片である。断片4は、RPV HindIII断片Uのおよそ895塩基対のXbaIからHindIIIまでの副断片である。断片1および4にあるXbaI部位は、NotIリンカーを用いて特徴的なNotI部位に変換された。
相同ベクター931−55.B12.相同ベクター931−55.B12を、SPVに外来DNAを挿入するのに使用した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−グルクロニダーゼ(uidA)マーカー遺伝子およびネコIFN−γ遺伝子(Onionsら、(1996年);Argyleら(1995年))を組込む。この相同ベクターが、「組換えSPVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じた。β−グルクロニダーゼ(uidA)マーカー遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP2)の制御下であり、そしてネコIFN−γ遺伝子は、別々で、そして特徴的な合成後期/前期ポックスプロモーター(LP2EP2)の制御下であることに注目すべきである。その相同ベクターは、以下の源から得られる制限断片を、適切な合成DNA配列と結合させることによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。そのプラスミドベクターは、PNEB193(ニュー・イングランド・バイオラボズ)のおよそ2700塩基対のDraI制限断片から誘導された。断片1は、SPV HindIII断片Kのおよそ881塩基対のDraIからEcoRIまでの制限副断片である。断片2は、テンプレートとしてConA刺激ネコ脾臓細胞から得られるRNAを用いて逆転写およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって合成されるEcoRIからBamHIまでの制限断片である。ネコINF−γを合成するために、プライマー5’−TCGAGAATTCGATGAATTACACAAGTTTTATTTTCG−3’;1/94.4)(配列番号81)は、ネコINF−γ遺伝子の5’末端から合成し、その遺伝子の5’末端にEcoRI部位を導入する。プライマー(5’−TCGAGGATCCTTATTTCGATGCTCTACGGCCTC−3’;1/97.3)(配列番号82)は、逆転写およびPCRのために使用し、そしてネコINF−g遺伝子の3’末端から合成し、その遺伝子の3’末端にBamHI部位を導入した。PCR産物を、EcoRIおよびBamHIで消化させて、ネコINF−γ遺伝子に対応する長さでおよそ504塩基対の断片を生じた。断片34は、プラスミドpRAJ260(クローンテック)のおよそ1823塩基対のEcoRIからSmaIまでの制限断片である。断片4は、SPV HindIII断片Kのおよそ994塩基対のEcoRIからDraIまでの制限副断片である。SPV相同ベクターにあるEcoRI部位は、合成リンカーを用いて特徴的なNotI部位に変換された。
相同ベクター846−88.B17.プラスミド864.88.b17を、ネコヘルペスウイルスから全gEコーディング領域を欠失させ、そして外来DNAを挿入する目的のために構築した。それは、HVのDNAによって挟まれたFHVgE欠失部位に挿入されるE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子を組込む。プラスミド846.88.B17は、FHVSalIB断片にあるSmaI部位からFHVEcoRIE断片にあるSalI部位までgE遺伝子の1638塩基対欠失を含む。FHVSalIB断片にあるSmaI部位と、FHVEcoRI E断片にあるSalI部位は、gE遺伝子の欠失の終点を規定する。外来遺伝子の上流は、gI遺伝子の全コーディング配列(370アミノ酸)を含むFHV SalI Bのおよそ1415塩基対のAsp718からSamIまでの副断片である。外来遺伝子の下流は、特徴的な短く、そして末端の繰返し配列を含むFHV EcoRI E断片のおよそ2205塩基対のSalIからAsp 718までの副断片である。そのプラスミドが、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来ene(遺伝子)についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。E.coli lac Z遺伝子は、構造的FHVgEプロモーターの制御下であることに注目すべきである。それは、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築された。
相同ベクター921−65.B5.相同ベクター921−656.B5を、SPV 15L遺伝子(およそ237bp)を欠失するため、そしてSPVに外来DNAを挿入するために構築した。それは、SPVのDNAによって挟まれたE.coli β−ガラクトシダーゼ(LacZ)マーカー遺伝子およびネコ白血病ウイルス(FeLV)gag/プロテアーゼおよびエンベロープ遺伝子を組込む。この相同ベクターが、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。それは、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築された。βガラクトシダーゼ(lacZ)マーカー遺伝子は、構造的後期ポックスプロモーター(I5L)の制御下にあり、そしてFeLVgag/プロテアーゼおよびFeLVエンベロープ遺伝子は、各々、異なった合成前期ポックスプロモーターEP2およびEP1の制御下にあることに注目すべきである。外来遺伝子挿入を挟むSPV配列は、3.2kbのHindIII Nゲノム断片から誘導された。外来遺伝子の上流配列は、SPV 14L遺伝子の一部を含む903bpの断片であり、そして下流配列は、SPV 16L遺伝子の一部を含む966bpの断片である。E.coli lacZ遺伝子、FeLVエンベロープおよびFeLVgag/プロテアーゼ開放読取枠は全て、SPV16LおよびSPV14L遺伝子に関して同じ配向で作動する。
相同ベクター942−03.C6.プラスミド942−03.C6を、ネコヘルペスウイルスからgEコーディング領域の一部を欠失させ、そして3つの外来遺伝子をgE欠失部位に挿入する目的のために構築した。それは、ネコCD80遺伝子(〜879bp)、およびFHVのDNAによって挟まれたFIVgag/プロテアーゼ遺伝子(〜1800bp)およびFIVエンベロープ遺伝子(〜2600bp)を組込む。ネコCD80遺伝子は、FHVgEプロモーターの制御下にあり、FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下であり、そしてFIVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型遺伝子の制御下にある。外来遺伝子の上流は、FHV SalI B断片のおよそ1415塩基対のAsp718からSamIまでの副断片である。外来遺伝子の下流は、特徴的な短く、そして末端の繰返し配列を含むFHV EcoRI E断片のおよそ2205塩基対のSalIからAsp 718までの副断片である。そのプラスミドが、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成するための相同組換え手段」によって使用されるとき、外来遺伝子についてのDNAコーディングを含むウイルスが生じる。相同プラスミド942−03.C6は、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築された。
(例1A)
ネコCD80(B7−1)−TAMU、CD80(B7−1)−SPAH、C86(B7−2)、CD28およびCTLA−4cDNAのクローニング:
ネコCD80(B7−1)、C86(B7−2)、CD28およびCTLA−4cDNAを、ネコmRNAと相互作用する変性プライマーを作るのに十分保存された2つの配列の間の領域を増幅する最初のRT−PCR(逆転写酵素/ポリメラーゼ連鎖反応)によってクローン化した。mRNAの源は、末梢血単核細胞(PBMC)または少なくとも16時間ConAで刺激した脾臓細胞であった。このPCR産物を配列した。その配列は、RACE(cDNA末端の高速増幅)PCRについてのプライマーを作成するのに使用された。5’末端を、新たに配列された保存領域に相補的である下流プライマーでcDNAを最初に作成することによって増幅させた。オリゴヌクレオチドを、cDNA(mRNAの5’末端に贈られる)の3’末端にライゲートさせた。この配列は、新たに配列された領域中の別の領域に対応する下流PCRプライマーに適合するPCRである上流プライマーについての結合部位として役割を果した。変性プライマーを、複数回の重ね合せ反応に使用して、3’末端を得た。PCRのためのこの上流プライマーは、新たに配列された領域内の配列と反応するように設計した。産物を、直接配列するか、またはTAクローニングベクターにクローン化させて、プラスミドから配列するかの何れかであった。全開放読取枠は、既知配列から構築されるプライマーを用いたPCRによってその全体的に増幅させることによってクローン化された。ORFをクローン化させ、そして三回配列した。B7−1ORFを、SV40プロモーターを用いてpSIプラスミドに、そしてSFVプラスミドにサブクローニングした。pSIは、ネコCD28とのB7−1の機能的相互作用を確立するために使用された。
ネコCD80(B7−1)cDNAのRT/PCRのために使用されるDNAプライマーは、
5’−プライマー:5’−CGCGGATCCGCACCATGGGTCACGCAGCAAAGTGGAAAAC−3’;(配列番号11)
3’−プライマー:5’−CCTAGTAGAGAAGAGCTAAAGAGGC−3’;(配列番号12)
(ネコCD80cDNAのためのプライマーの完全リストについて上に参照)。
ネコCD28cDNAのRT/PCRのために使用されるDNAプライマーは、
5’−プライマー:5’−CGCGGATCCACCGGTAGCACAATGATCCTCAGG−3’;(配列番号13)
3’−プライマー:5’−CGCGGATCCTCTGGATAGGGGTCCATGTCAG−3’;(配列番号14)
(ネコCD28cDNAのためのプライマーの完全リストについて上に参照)。
ネコCTLA−4cDNAのRT/PCRのために使用されるDNAプライマーは、
1.最初のPCR産物についての変性プライマー(672bp):
Deg5’P:5’−ATGGCTT(C)GCCTTGGATTT(C)CAGC(A)GG−3’;(配列番号15)
Deg3’P:5’−TCAATTG(A)ATG(A)GGAATAAAATAAGGCTG−3’;(配列番号16)
2.CTLA−4の5’末端(455bp):変性、遺伝子特異的(GSP)および重ね合せ遺伝子特異的(NGSP)プライマー:
初回のPCR:
Deg5’P:5’−TGTTGGGTTTC(T)G(A)CTCTG(A)CTT(C)CCTG−3’;(配列番号17)
3’GSP:5’−GCATAGTAGGGTGGTGGGTACATG−3’;(配列番号18)
初回のPCR産物を有する重ね合せPCR:
Deg5’P:5’−TGTTGGGTTTC(T)G(A)CTCTG(A)CTT(C)CCTG−3’;(配列番号19)
3’NGSP:5’−ACATGAGCTCCACCTTGCAG−3’;(配列番号20)
3.CTLA−4の3’末端;アダプタープライマー1(AP1、クロノテック・ラボ,インク.、カリフォルニア州パロアルト);重ね合せアダプタープライマー(AP2、クロノテック・ラボ)、遺伝子特異的プライマー(GSP)、および重ね合せ遺伝子特異的プライマー(NGSP):
3’RACE PCR:
AP1:5’−CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC−3’;(配列番号21)
5’GSP:5’−GTGAATATGGGTCTTCAGGCAATG−3’;(配列番号22)
3’RACE PCRの産物を有する3’重ね合せRACE PCR:
AP2:5’−ACTCACTATAGGGCTCGAGCGGC−3’;(配列番号23)
5’NGSP:5’−GAAATCCGAGTGACTGTGCTGAG−3’;(配列番号24)
4.全CTLA−4遺伝子のためのプライマー
Fel CTLA−4 5’プライマー:5’−AACCTGAACACTGCTCCCATAAAG−3’;(配列番号25)
Fel CTLA−4 3’プライマー:5’−GCCTCAGCTCTTAGAAATTGGACAG−3’;(配列番号26)
ネコCD86(B7−2)cDNAのRT/PCRのために使用されるDNAプライマーは、
1.最初のPCR産物のための変性プライマー(423bp):
Deg5’P:5’−TAGTATTTTGGCAGGACCAGC−3’;(配列番号27)
Deg3’P:5’−CTGTGACATTATCTTGAGATTTC−3’;(配列番号28)
2.二次PCR産物についての変性プライマー(574bp):
Deg5’P:5’−GA(G)CA(T)GCACT(A)ATGGGACTGAG−3’;(配列番号29)
Deg3’P:5’−CTGTGACATTATCTTGAGATTTC−3’;(配列番号30)
3.CD86の5’末端:AP1、AP2(クロノテック・ラボ)、変性3’遺伝子特異的(GSP)および3’−重ね合せ遺伝子特異的(NGSP)プライマー:
5’RACE PCR:
AP1:5’−CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC−3’;(配列番号31)
3’GSP:5’−TGGGTAACCTTGTATAGATGAGCAGGTC−3’;(配列番号32)
5’RACEのPCR産物を伴う重ね合せ5’RACE PCR:
AP2:5’−ACTCACTATAGGGCTCGAGCGGC−3’;(配列番号33)
3’NGSP:5’−CAGGTTGACTGAAGTTAGCAAGCAC−3’;(配列番号34)
4.B7−2の3’末端:AP1、AP2、5’GSP、および5’NGSP:
3’RACE PCR:
AP1:5’−CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC−3’;(配列番号35)
5’GSP:5’−GGACAAGGGCACATATCACTGTTTC−3’;(配列番号36)
3’RACEのPCR産物を伴う重ね合せ3’RACE PCR:
AP2:5’−ACTCACTATAGGGCTCGAGCGGC−3’;(配列番号37)
5’NGSP:5’−CAGTGCTTGCTAACTTCAGTCAACC−3’;(配列番号38)
全CD86遺伝子:
Fel B72(1)5’プライマー:5’−CGGGAATGTCACTGAGCTTATAG−3’;(配列番号39)
Fel B72(1176)3’プライマー:5’−GATCTTTTTCAGGTTAGCAGGGG−3’;(配列番号40)
である。
(例1B)
CD80(B7−1)−シントロ/SPAHのクローニング;プラスミド917−19−8/16:
ネコ脾臓細胞を、ネコから抽出し、そして5時間、コンカナバリンAと共に培養し、細胞をペレット化し、PBSで洗浄し、そしてそれを使用して総RNA(キアゲン・RNエーシー・トータルRNAシステム)を単離させた。総RNAを、RNエースI(ベーリンガー・マンハイム)で処理して、RNA調製物からDNA混入を除去した。その後、キアゲンのオリゴテックス・ビーズ(カリフォルニア州サンタクララ)およびクイックカラムを用いてメセンジャーRNAを、これらの調製物から抽出した。ランダム・ヘキサマー、dNTP、RNAsin、逆転写酵素(プロメガ)および逆転写酵素緩衝液(プロメガ)の存在下で、コピーDNAを、mRNAから生成し、そして42℃で、30分間、インキュベートし、その後PCRを使用して、センス・プライマー5/97.50(5’−ATGGGTCACGCAGCAAAGTG−3’);(配列番号41)およびアンチセンスプライマー5/97.51(5’−CTATGTAGACAGGTGAGATC−3’):(配列番号42)、dNTP、B7−1cDNA(一本鎖)、MgSO4、ベントポリメラーゼ(BRL)およびベントポリメラーゼ緩衝液(BRL)を使用して、ネコB7−1開放読取枠(ORF)の二本鎖の全長cDNAクローンを生成した。PCR条件は、以下のとおりであった:94℃、15秒の1サイクル;94℃、30秒間、48℃で2分間、72℃で2分間の35サイクル;72℃で10分間の1サイクル。PCR反応を、1%低融解アガロースゲル上で行い、そしてB7−1ORFの予測サイズに対応するDNA断片を単離し、ゲルを精製し(キアゲンのゲル精製キット、カリフォルニア州サンタクララ)、そしてインビトロゲンのゼロ平滑PCRクローニングキット(カリフォルニア州サンディエゴ)から得たキット試薬を用いてpCR−BLUNTプラスミドベクターにクローン化させた。カナマイシン耐性細菌コロニーから抽出されるDNAを、特徴的なNheI部位(ネコCD80(B7−1)−TAMU中に含まれる)の存在について予備スクリーニングした。800−900bpサイズの範囲にあり、そしてNheI部位を含んだ挿入物を、ABIの蛍光自動スクリーニング・プロトコールおよび装置(パーキン−エルマー−シータス;アプライド・バイオシステムズ,インク.)を用いて配列決定した。プラスミドベクターおよびB7−1、先にクローン化されたB7−1から誘導された遺伝子特異的プライマーを、DNA配列を得た。pCR−平滑プライマーは、1/97.36(5’−CAGGAAACAGCTATGAC−3’);(配列番号43)および1/97.37(5’−AATACGACTCACTATAGG−3’):(配列番号44)である。
B7−1遺伝子特異的プライマーは:12/96.22(5’−AACACCATTTCATCATCCTTT−3’);(配列番号45)、1/97.33(5’−ATACAAGTGTATTTGCCATTGTC−3’):(配列番号46)、12/96.20(5’−AGCTCTGACCAATAACATCA−3’);(配列番号47)、12/96.21(5’−ATTAGAAATCCAGTTCACTGCT−3’):(配列番号48)、1/97.32(5’−TCATGTCTGGCAAAGTACAAG−3’);(配列番号49)、11/96.32(5’ATTCACTGACGTCACCGA−3’):(配列番号50)、11/96.31(5’−AAGGCTGTGGCTCTGA−3’);(配列番号51)である。2つのクローンが、2つのDNA点突然変異を例外として、元のCD80配列に対応する全長CD80配列を含むと決定された。1つのそのような点突然変異は、アミノ酸配列に影響を及ぼさなかった。第二の突然変異は、ロイシンからイソロイシンへのアミノ酸変化を生じた。生じたネコCD80クローンは、917−19.8/16(CD80−シントロ/SPAH)と示された。
(例2)
S−SPV−229:
S−SPV−229は、少なくとも2つの外来遺伝子を発現する豚痘ウイルスである。E.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)のための遺伝子およびネコCD80のための遺伝子を、SPVゲノム断片HindIII Mの大型のBglIIからHindIIIまでの副断片内のSPV AccI部位に挿入した(特徴的なNotI制限部位は、特徴的なAccI制限部位を変換した)。lacZ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にあり、そしてネコCD80遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にある。
S−SPV−229は、S−SPV−001(カザ菌株(Kasza Strain))から誘導された。これは、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター930−23.A1(「材料および方法」参照)およびウイルスS−SPV−001を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。赤色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−229と表される組換えウイルスについて分析された。「材料および方法」に記述されるとおり青色プラークアッセイおよび黒色プラークアッセイによって監視される複数継代によって、このウイルスを、β−ガラクトシダーゼ発現、純度および挿入物安定性について分析した。当初の三回の精製後、観察される全プラークは、青色であり、それにより、ウイルスが、純粋で、安定で、そしてβ−ガラクトシダーゼを発現していることが示された。(米国特許第5,382,425号は、参照してここに組込まれる。)
「組換えSPV中での外来遺伝子発現についての黒色プラークスクリーン」を使用して、S−SPV−229を、β−ガラクトシダーゼ特異的抗原の発現について分析した。β−ガラクトシダーゼに対するモノクローナル抗体は、S−SPV−229プラークと特異的に反応し、そしてS−SPV−001負の対照プラークとは反応しないことが示された。全S−SPV−229観察プラークは、β−ガラクトシダーゼに対するモノクローナル抗体と反応し、それにより、ウイルスが、β−ガラクトシダーゼ外来遺伝子を安定に発現していることが示された。ここに記述されるアッセイは、ESK−4細胞で行われ、それにより、ESK−4細胞は、SPV組換えワクチンの産生のための安定な基質であることが示された。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えSPV、RPVまたはFHV中のネコCD80(B7−1)およびCD86(B7−2)発現のためのスクリーン」を用いて、S−SPV−229を、ネコCD80特異的抗原の発現について分析した。ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体は、S−SPV−229プラーク(ネコCD80を発現する)と特異的に反応し、S−SPV−001負の対照プラークとは反応しないことが示される。全S−SPV−229観察プラークは、ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体と反応することが示され、それによりウイルスは、ネコCD80外来遺伝子を安定に発現していることが示される。
ネコCD80遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−229で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
S−SPV−229は、ネコ科での疾病に対するワクチンとして有用である。
S−SPV−229は、単独で、またはFIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病ワクチンとの組合せで使用されるときに、FIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病に対するワクチンの効力を改善する。S−SPV−229は、ネコCD80ポリペプチドの発現のために有用でもある。S−SPV−229感染細胞の細胞溶解液を、マウスまたはウサギに注入して、ネコCD80に対するポリクローナルで、単一特異的抗体を生成する。
(例3)
S−SPV−230:
S−SPV−230は、少なくとも2つの外来遺伝子を発現する豚痘ウイルスである。E.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)のための遺伝子、およびネコCD28のための遺伝子を、SPVゲノム断片HindIII M(特徴的NotI制限部位は、特徴的AccI制限部位に置換した)の大型のBglIIからHindIIIまでの副断片内のSPVAccI部位に挿入した。lacZ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にあり、そしてネコCD28遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にある。
S−SPV−230は、S−SPV−001(カザ菌株)から誘導された。これは、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター930−26.A1(「材料および方法」参照)およびウイルスS−SPV−001を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。赤色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−230と表される組換えウイルスについて分析された。「材料および方法」に記述されるとおり青色プラークアッセイによって監視される複数継代によって、このウイルスを、β−ガラクトシダーゼ発現、純度および挿入物安定性について分析した。当初の三回の精製後、観察される全プラークは、青色であり、それにより、ウイルスが、純粋で、安定で、そして外来遺伝子を発現していることが示された。
「組換えSPV中での外来遺伝子発現についての黒色プラークスクリーン」を使用して、S−SPV−230を、ネコCD28特異的抗原の発現について分析した。ここに記述されるアッセイは、ESK−4細胞で行われ、それにより、ESK−4細胞は、SPV組換えワクチンの産生のための安定な基質であることが示された。
ネコCD28遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−230で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
S−SPV−230は、ネコ科での疾病に対するワクチンとして有用である。S−SPV−230は、単独で、またはFIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病ワクチンとの組合せで使用されるときに、FIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病に対するワクチンの効力を改善する。S−SPV−230は、ネコCD28ポリペプチドの発現のために有用でもある。S−SPV−230感染細胞の細胞溶解液を、マウスまたはウサギに注入して、ネコCD28に対するポリクローナルで、単一特異的抗体を生成する。
(例4)
S−SPV−225:
S−SPV−225は、少なくとも2つの外来遺伝子を発現する豚痘ウイルスである。E.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)のための遺伝子、およびネコインターフェロン−γ(ネコIFN−γ)のための遺伝子を、SPVゲノム断片HindIII M(特徴的NotI制限部位は、特徴的AccI制限部位に置換した)の大型のBglIIからHindIIIまでの副断片内のSPVAccI部位に挿入した。lacZ遺伝子は、豚痘01Lプロモーターの制御下にあり、そしてネコIFN−γ遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にある。
S−SPV−225は、S−SPV−001(カザ菌株)から誘導された。これは、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター917−60.B9(「材料および方法」参照)およびウイルスS−SPV−001を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。赤色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−225と表される組換えウイルスについて分析された。「材料および方法」に記述されるとおり青色プラークアッセイによって監視される複数継代によって、このウイルスを、β−ガラクトシダーゼ発現、純度および挿入物安定性について分析した。当初の三回の精製後、観察される全プラークは、青色であり、それにより、ウイルスが、純粋で、安定で、そして外来遺伝子を発現していることが示された。
「組換えSPV中での外来遺伝子発現についての黒色プラークスクリーン」を使用して、S−SPV−225を、ネコIFN−γ特異的抗原の発現について分析した。ここに記述されるアッセイは、ESK−4細胞で行われ、それにより、ESK−4細胞は、SPV組換えワクチンの産生のための安定な基質であることが示された。
ネコIFN−γ遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−225で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
「VSVプラーク減少を用いた組換えSPV、RPVまたはFHVから発現されるネコインターフェロン・ガンマ生物活性についてのスクリーン」を用いて、S−SPV−225を、生物活性ネコIFN−γの発現について分析する。
S−SPV−225は、ネコ科での疾病に対するワクチンとして有用である。S−SPV−225は、単独で、またはFIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病ワクチンとの組合せで使用されるときに、FIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病に対するワクチンの効力を改善する。
(例5)
S−SPV−200:
S−SPV−200は、3つの外来遺伝子を発現する豚痘ウイルスである。ネコ免疫不全ウイルス(FIV)gag/プロテアーゼ、およびFIVエンベロープ(全長)のための遺伝子、およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)のための遺伝子を、特徴的なNotI制限部位に挿入した(NotIリンカーは、SPV HindIII M断片の01L ORF中の特徴的AccI制限部位に挿入した)。FIVgag/プロテアーゼおよびエンベロープ遺伝子は、別々であるが同一の合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にある。lacZ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。
S−SPV−200は、S−SPV−001(カザ菌株)から誘導された。これは、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター904−63.B7およびウイルスS−SPV−001を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン、および酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えヘルペスウイルス用のスクリーン」によってスクリーニングした。赤色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−157と表される組換えウイルスであった。「材料および方法」に記述されるとおり青色プラークアッセイによって、このウイルスを、β−ガラクトシダーゼ発現について分析した。黒色プラークアッセイでのFIVgagおよびβ−ガラクトシダーゼの検出、およびウエスタン・ブロットアッセイでのFIVgagおよびエンベロープの検出を介して、5回継代後の純度および挿入物安定性の分析を行った。
S−SPV−200は、FIVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベロープタンパク質を発現し、そしてFIV感染に対するネコ科でのワクチンとして有用である組換え豚痘ウイルスである。S−SPV−200は、FIVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベロープタンパク質の発現に有用でもある。
(例6)
S−SPV−233:
S−SPV−233は、5つの外来遺伝子:FIVgag、FIVenv、ネコCD80、E.coli lacZおよびE.coli uidAを発現する豚痘ウイルスである。全長のネコCD80遺伝子、およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(uidA)のための遺伝子を、特徴的なNotI制限部位に挿入した(NotIリンカーは、6.7kbのSPV HindIII K断片のおよそ3.2kb領域(配列番号)の範囲にある特徴的AccI制限部位に挿入した)。ネコ免疫不全ウイルス(FIV)gag/プロテアーゼ、およびFIVエンベロープ(全長)のための遺伝子、およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)のための遺伝子を、特徴的NotI制限部位に挿入した(NotIリンカーを、SPV HindIII M断片の01L ORF中の特徴的AccI限定部位に挿入した)。CD80遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にあり、そしてuidA遺伝子は、別々で、そして特徴的な合成前期プロモーター(EP2)の制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ、およびFIVエンベロープは、別々であるが、同一の合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下である。lacZ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。(PCT国際出願WO96/22363号は、参照してここに組込まれる。)
S−SPV−233は、S−SPV−200(FIVgag、FIVエンベロープおよびE.coli lacZ遺伝子を含む)から誘導された。これは、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター931−21.A1およびウイルスS−SPV−200を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼを発現する組換えSPV用のスクリーン(X−gLUC、および酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えヘルペスウイルス用のスクリーン)」によってスクリーニングした。青色/緑色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−233と表される組換えウイルスであった。
「組換えSPV中での外来遺伝子発現についての黒色プラークスクリーン」を使用して、S−SPV−233を、FIVgag、FIVenvおよびネコCD80特異的抗原の発現について分析する。ここに記述されるアッセイは、ESK−4細胞で行われ、それにより、ESK−4細胞は、SPV組換えワクチンの産生のための安定な基質であることが示された。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えSPV、RPVまたはFHV中でのネコCD80(B7−1)およびCD86(B7−2)発現用のスクリーン」を使用して、S−SPV−233を、ネコCD80特異的抗原の発現について分析する。ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体は、S−SPV−233プラーク(ネコCD80を発現する)に特異的に反応し、S−SPV−001負の対照プラークとは反応しないことが示される。全てのS−SPV−233観察プラークは、ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体と反応することが示され、それにより、ウイルスは、ネコCD80外来遺伝子を安定に発現することが示される。
FIVgag、FIVenv、およびネコCD80遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−233で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
S−SPV−233は、FIVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベロープタンパク質を発現し、そしてFIV感染に対するネコ科でのワクチンとして有用である組換え豚痘ウイルスである。S−SPV−233は、FIVgag/プロテアーゼおよびエンベロープタンパク質の発現に有用でもある。
(例7)
S−SPV−235:
S−SPV−235は、5つの外来遺伝子:FIVgag、FIVenv、ネコINF−γ、E.coli lacZおよびE.coli uidAを発現する豚痘ウイルスである。全長のネコIFN−γ遺伝子、およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(uidA)のための遺伝子を、特徴的なNotI制限部位に挿入した(NotIリンカーは、6.7kbのSPV HindIII K断片のおよそ3.2kb領域(配列番号)の範囲にある特徴的EcoRI制限部位に挿入した)。ネコ免疫不全ウイルス(FIV)gag/プロテアーゼ、およびFIVエンベロープ(全長)のための遺伝子、およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)のための遺伝子を、特徴的NotI制限部位に挿入した(NotIリンカーを、SPV HindIII M断片の01L ORF中の特徴的AccI制限部位に挿入した)。INF−γ遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にあり、そしてuidA遺伝子は、別々で、そして特徴的な合成前期プロモーター(EP2)の制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ、およびエンベロープは、別々であるが、同一の合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下である。lacZ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。
S−SPV−235は、S−SPV−200(FIVgag、FIVエンベロープおよびE.coli lacZ遺伝子を含む)から誘導された。これは、「組換えSPVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター931−55.B12およびウイルスS−SPV−200を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼを発現する組換えSPV用のスクリーン(X−gLUC、および酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えヘルペスウイルス用のスクリーン)」によってスクリーニングした。青色/緑色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−235と表される組換えウイルスである。
「組換えSPV中での外来遺伝子発現についての黒色プラークスクリーン」を使用して、S−SPV−235を、FIVgag、FIVenvおよびネコIFN−γ特異的抗原の発現について分析する。ここに記述されるアッセイは、ESK−4細胞で行われ、それにより、ESK−4細胞は、SPV組換えワクチンの産生のための安定な基質であることが示された。
「VSVプラーク減少を用いた組換えSPV、RPVまたはFHVから発現されるネコインターフェロン・ガンマ生物活性用のスクリーン」を使用して、S−SPV−225を、生物活性ネコINF−γの発現について分析する。
FIVgag、FIVenv、およびネコINF−γ遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−235で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
S−SPV−235は、FIVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベロープタンパク質を発現し、そしてFIV感染に対するネコ科でのワクチンとして有用である組換え豚痘ウイルスである。S−SPV−235は、FIVgag/プロテアーゼおよびエンベロープタンパク質の発現に有用でもある。
(例8)
S−SPV−224:
S−SPV−224は、3つの外来遺伝子を発現する豚痘ウイルスである。ネコ白血病ウイルス(FeLV)gag/プロテアーゼ、およびFeLVエンベロープ(全長)についての遺伝子およびE.coli(lacZ)についての遺伝子を、SPV1869bp部分HindIII Nゲノム断片から由来する欠失SPVI5Lに挿入した。FeLVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP2)の制御下にある。FeLVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP1)の制御下にある。lacZ遺伝子は、構造的後期SPV I5Lプロモーターの制御下にある。
S−SPV−224は、S−SPV−001(カザ菌株)から誘導された。これは、「組換えRPV、SPV、FHVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター921−65.B5およびウイルスS−SPV−001を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−ガラクトシダーゼ(X−グルクアッセイズ)を発現する組換えRPVまたはSPV FHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。赤色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−224と表される組換えウイルスであった。このウイルスは、「材料および方法」に記述されるとおり青色プラーク酸によるβ−ガラクトシダーゼについての酸であった。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えRPV、SPVまたはFHV中での外来遺伝子発現についてのスクリーン」を使用して、S−SPV−224を、FIVgag/プロテアーゼ、FeLVenvおよびβ−ガラクトシダーゼタンパク質の発現について分析する。ここに記述されるアッセイは、SPV組換えワクチンの産生のための安定な基質であるESK−4細胞で行われた(1998年8月14日)。
FIVgag/プロテアーゼおよびFeLVenv遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−224で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
S−SPV−224は、FeLVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベロープタンパク質を発現し、そしてFeLV感染に対するネコ科でのワクチンとして有用である組換え豚痘ウイルスである。S−SPV−224は、FeLVgag/プロテアーゼおよびエンベロープタンパク質の発現に有用でもある。
(例9)
S−SPV−246:
S−SPV−246は、4つの外来遺伝子:FeLVgag/プロテアーゼ、FeLVenv、ネコCD80、E.coli lacZおよびE.coli uidAを発現する豚痘ウイルスである。全長ネコCD80遺伝子、およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(uidA)についての遺伝子を、特徴的なNotI制限部位に挿入した(NotIリンカーは、6.7kbのSPV HindIII K断片のおよそ3.2kb領域の範囲にある特徴的EcoRI制限部位に挿入した)。CD80遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にあり、そしてuidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP2)の制御下にある。FeLVgag/プロテアーゼ、FeLVエンベロープ(全長)およびE.coli β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子を、1869部分HindIII Nゲノム断片から由来する欠失I5L部位に挿入した。FeLVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP2)の制御下である。FeLVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーター(EP1)の制御下にある。lacZ遺伝子は、構造的後期ポックスプロモーター(I5L)の制御下にある。(PCT国際出願WO96/22263号は、参照してここに組込まれる。)
S−SPVは、S−SPV−224(FeLVgag/プロテアーゼ、FeLVエンベロープおよびI5L欠失した1869kb部分HindIII N断片中のE.coli lacZ遺伝子を含む)から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター931−21.B1およびウイルスS−SPV−224を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−ガラクトシダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えRPVまたはSPVまたはFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。青色/緑色プラーク精製の最終結果は、S−SPV−246と表される組換えウイルスである。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えRPV、SPVまたはFHV中での外来遺伝子発現についてのスクリーン」を使用して、S−SPV−246を、FeLVgag/プロテアーゼ、およびFeLVエンベロープタンパク質の発現について分析する。ここに記述されるアッセイは、ESK−4細胞で行われ、それにより、ESK−4細胞は、SPV組換えワクチンの産生のための適切な基質であることが示された。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えSPV、RPVまたはFHVでのネコCD80(B7−1)およびCD86(B7−2)発現用のスクリーン」を使用して、S−SPV−246を、ネコCD80特異的抗原の発現について分析する。ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体は、S−SPV−246プラーク(ネコCD80を発現する)と特異的に反応するが、S−SPV−001負の対照プラークとは反応しないことが示される。全S−SPV−246で観察されるプラークは、ヒトCTLA−4/Feキメラ抗体と反応することが示され、それによりそのウイルスは、ネコCD80外来遺伝子を安定に発現していることが示される。
FeLVgag/プロテアーゼ、FIVエンベロープ、およびネコCD80遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、S−SPV−246で感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。
S−SPV−246は、FeLVgag/プロテアーゼおよびFeLVエンベロープタンパク質を発現し、そしてFeLV感染に対するネコ科でのワクチンとして有用である組換え豚痘ウイルスである。S−SPV−246は、FIVgag/プロテアーゼおよびエンベロープタンパク質の発現に有用でもある。
(例10)
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)またはネコ感染性腹膜炎(FIP)に対するワクチンとして有用な組換え豚痘ウイルスの別の例は:
組換え豚痘ウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。FIVenv遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEPIの制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、豚痘プロモーターI5Lの制御下にある。ネコCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子、FIVgag/プロテアーゼおよびE.coli lacZ遺伝子は、ネコCD80およびE.coli uidA遺伝子挿入から得られる、異なり、そして区別できる非必須SPV挿入部位に配置される。
組換え豚痘ウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。FIVenv遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEPIの制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、豚痘プロモーターI5Lの制御下にある。ネコCD86遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子、FIVgag/プロテアーゼおよびE.coli lacZ遺伝子は、ネコCD80およびE.coli uidA遺伝子挿入から得られる、異なり、そして区別できる非必須SPV挿入部位に配置される。
組換え豚痘ウイルスは、2つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。このウイルスは、単独で、または他の組換えタンパク質またはワクチンと組合わせた用途を示す。
である。
FeLV疾病の対するワクチンの発現に有用な組換え豚痘ウイルスの別の例は、FIV遺伝子を比較できるFeLV特異的遺伝子に変える以外は、上に記述されるものと同じである。
ポリクローナル抗体産生および精製用のワクチンとして使用するためのタンパク質の産生に有用な組換え豚痘ウイルスの別の例は、
組換え豚痘ウイルスは、1つの外来遺伝子を発現する。膜貫通ドメインを欠くネコCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。代替的には、膜貫通ドメインを欠くネコCD80遺伝子は、カルボキシル末端にヒスチジンタグ融合を有して、ニッケルアフィニティーカラムでの精製を可能にする。
組換え豚痘ウイルスは、外来遺伝子を発現する。膜貫通ドメインを欠くネコCD28遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。代替的には、膜貫通ドメインを欠くネコCD28遺伝子は、カルボキシル末端にヒスチジンタグ融合を有して、ニッケルアフィニティーカラムでの精製を可能にする。
組換え豚痘ウイルスは、1つの外来遺伝子を発現する。膜貫通ドメインを欠くネコCD86遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。代替的には、膜貫通ドメインを欠くネコCD86遺伝子は、カルボキシル末端にヒスチジンタグ融合を有して、ニッケルアフィニティーカラムでの精製を可能にする。
である。
CD80およびCD86の両方を利用し、そしてネコ科でのFIVおよびFeLV疾病のためのワクチン開発に有用な組換え豚痘ウイルスの別の例は、
組換え豚痘ウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP1の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、豚痘プロモーター0ILの制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下にある。ネコCD80/CD86およびE.coli uidA遺伝子は、FIVgag/プロテアーゼおよびE.coli lacZ遺伝子挿入から得られる、異なっており、そして区別できる非必須SPV挿入部位に含まれる。
組換え豚痘ウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP1の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli lacZ遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックス・アンダープロモーターEP1の制御下にある。
E.coli uidA遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下にある。CD80/CD86およびE.coli uidA遺伝子は、FIVgag/プロテアーゼおよびE.coli lacZ遺伝子挿入から得られる、異なっており、そして区別できる非必須SPV挿入部位に含まれる。
組換え豚痘ウイルスは、6つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP1の制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、構造的15Lポックスプロモーターの制御下にある。CD80/CD86、およびE.coli uidA遺伝子は、FIVエンベロープの挿入、FIVgag/プロテアーゼおよびE.coli lacZ遺伝子挿入と異なった部位に挿入される。
である。
ネコ科でのFeLVワクチン用途の別の組換え豚痘ウイルスは、上に記述されるとおり構築され、それにより、FIV遺伝子を比較できるFeLV遺伝子構築物に変える。
(例11)
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、またはネコ感染性腹膜炎(FIP)に対するワクチンとして有用な組換えアライグマ痘ウイルスの別の例は:
組換えアライグマ痘ウイルスは、2つの外来遺伝子を発現する。ネコCD80は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、後期ポックスプロモーターL1の制御下にある。
ワクチンとして使用するための、またはポリクローナル抗体産生および精製のためのタンパク質の産生に有用な組換えアライグマ痘ウイルスの別の例。
組換えアライグマ痘ウイルスは、1つの外来遺伝子を発現する。膜貫通ドメインを欠くネコCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。代替的には、膜貫通ドメインを欠くネコCD80遺伝子は、カルボキシル末端にヒスチジンタグ融合を有して、ニッケルアフィニティーカラム上で精製させる。
組換えアライグマ痘ウイルスは、1つの外来遺伝子を発現する。膜貫通ドメインを欠くネコCD28遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。代替的には、膜貫通ドメインを欠くネコCD28遺伝子は、カルボキシル末端にヒスチジンタグ融合を有して、ニッケルアフィニティーカラム上で精製させる。
組換えアライグマ痘ウイルスは、1つの外来遺伝子を発現する。膜貫通ドメインを欠くネコCD86遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。代替的には、膜貫通ドメインを欠くネコCD86遺伝子は、カルボキシル末端にヒスチジンタグ融合を有して、ニッケルアフィニティーカラム上で精製させる。
組換えアライグマ痘ウイルスは、4つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして第二の下流遺伝子CD80の翻訳を起動する2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。FIVgag遺伝子は、豚痘プロモーター0ILの制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターE2の制御下にある。
組換えアライグマ痘ウイルスは、4つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして第二の下流遺伝子CD80の翻訳を起動する2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターE1の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。
組換えアライグマ痘ウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして第二の下流遺伝子CD80の翻訳を起動する2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。FIVgag遺伝子は、豚痘プロモーター0ILの制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP1の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。
である。
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)またはネコ感染性腹膜炎(FIP)のようなネコ疾病に対するワクチンとして有用な組換えアライグマ痘ウイルスの別の例は、
組換えアライグマ痘ウイルスは、2つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下にある
である。
CD80およびCD86の両方を利用し、ネコ科におけるFIVおよびFeLV疾病のためのワクチン開発に有用である、組換えアライグマ痘ウイルスの別の例は、
組換えアライグマ痘ウイルスは、4つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターLP2の制御下にある。CD80/CD86、FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、全て、単独の非必須RPV部位に挿入される。
組換えアライグマ痘ウイルスは、4つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期/前期ポックスプロモーターLP2の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli lacZ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターE1の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターE2の制御下にある。CD80/CD86、FIVエンベロープおよびuidA遺伝子は、全て、単独の非必須RPV部位に挿入される。
組換えアライグマ痘ウイルスは、6つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCVIRIS要素が含まれる。E.coli lacZ遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターの制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターE2の制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期プロモーターEP2の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEPIの制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、E.coli lacZ遺伝子の制御下にあり、FIVエンベロープの挿入、FIVgag/プロテアーゼおよびE.coli uidA遺伝子挿入から異なる部位に挿入される。
である。
ネコ科についてのFeLVワクチンとして使用するための別のアライグマ痘組換えウイルスは、上に記述されるとおり構築され、それによりFIV遺伝子を比較に値するFeLV遺伝子に置換される。
(例12)
S−FHV−020:
S−FHV−020は、全FHVgE遺伝子(1638塩基対)の欠失を示す組換えネコヘルペスウイルスである。E.coli lacZ遺伝子の挿入は、gE部位を欠失させる。E.coli lacZ遺伝子は、構造的FHVgEプロモーターの転写制御下にある。
S−SPV−020は、S−FHV−001(NVSL菌株)から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター486−88.B17およびウイルスS−FHV−001を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−ガラクトシダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えRPVまたはSPVまたはFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。青色プラーク精製の最終結果は、S−FJV−020と表される組換えウイルスであった。純度の分析、および5継代後の挿入安定性を、「黒色プラークアッセイを用いた組換えRPV、SPVまたはFHV中での外来遺伝子発現用のスクリーン」中でのβ−ガラクトシダーゼの検出を介して行った。
(例13)
S−FHV−031:
S−FHV−031は、全1638塩基対FHVgE遺伝子の欠失を示し、そしてgE欠失部位に3つの外来遺伝子の挿入を示す組換えネコヘルペスウイルスである。CD80遺伝子は、構造的FHVgEプロモーターの転写制御下にあり、欠失gE遺伝子として同じ方向に向けられる。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にあり、FIVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。gag/プロテアーゼおよびエンベロープ遺伝子は、互いに関して同じ方向に向けられるが、しかしCD80遺伝子に対する配向で対峙する。
S−FHV−031は、S−FHV−020(gEプロモーターの後ろにE.coli LacZ遺伝子を含む)から誘導される。これは、「相同な組換えRPV、SPVまたはFHV」で相同ベクター942−03.X6(「材料および方法」参照)およびウイルスS−FHV−020を利用して達成される。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−ガラクトシダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えRPVまたはSPVまたはFHV発現用のスクリーン」によってスクリーニングする。組換えプラークを選択し、そして白色プラーク選択によって精製する。このウイルスは、制限エンドヌクレアーゼマッピングおよび「サザンブロッティングDNA」手段によって特徴付けられる。この分析では、ネコCD80、FIV/プロテアーゼおよびFIVエンベロープ遺伝子の挿入、および1638塩基対のFIVgE遺伝子の欠失を確認される。(PCT国際出願WO96/13575は、参照してここに組込まれる)。
「ウエスタンブロッティング手段」を用いて、本実施例でのS−FHV−031を、ネコCD80、FIVgag/プロテアーゼおよびFIVエンベロープ特異的抗原の発現について分析する。ここに記述されるアッセイは、CRFK細胞中で行われ、それにより、CRFK細胞が、FHV組換えワクチンの産生に適切な基質であることが示された。組換えネコヘルペスウイルスに感染した細胞から得られる溶解液は、ネコCD80タンパク質の予測サイズでハンドを示した。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えSPV、RPVまたはFHV中でのネコCD80(b7−1)およびCD86(B7−2)発現用のスクリーン」を用いて、本実施例でのS−FHV−031inを、ネコCD80特異的抗原の発現について分析する。ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体は、組換えネコ・ヘルペスウイルス・プラーク(ネコCD80を発現する)と特異的に反応するが、SFHV−001負の対照プラークとは反応しないことが示された。全組換えネコ・ヘルペスウイルス観察プラークは、ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体と作用することが示され、それによりウイルスは、ネコCD80外来遺伝子を安定に発現することが示される。
S−FHV−031は、FIVgag/プロテアーゼを発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスである。FIVエンベロープおよびネコCD80タンパク質は、FIV感染に対するネコ科におけるワクチンとして有用である。
(例14)
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、gE遺伝子の欠失、およびgE欠失部位での少なくとも1つの外来遺伝子の挿入を示す。外来遺伝子は、ネコCD86遺伝子であり、そしてFHVgEプロモーターの転写制御下にある。
ネコCD86を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスは、ネコ科における疾病に対するワクチンとして有用である。組換えネコヘルペスウイルスは、単独で、またはFIV、FeLV、FIPまたは他のネコワクチンとの組合せで使用されるときに、FIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病に対するワクチンの効力を改善する。
(例15)
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)またはネコ感染性腹膜炎(FIP)に対するワクチンとして有用な組換えネコ・ヘルペスウイルスの別の例は、
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、FHV gE欠失部位で3つの外来遺伝子を発現する。FeLVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD80遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。組換えネコ・ヘルペスウイルスは、FHVgE欠失部位で3つの外来遺伝子を発現する。FeLVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD86遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。組換えネコ・ヘルペスウイルスは、FHVgE欠失部位で3つの外来遺伝子を発現する。FeLVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD86遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスglプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli uidA遺伝子は、非必須であると決定された部位中のFHVゲノムの特徴的な長い領域に挿入される。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にあり、そして偽狂犬病gXプロモーターの制御下にあるE.coli LacZ遺伝子は、FHVgE欠失部位に向けられる。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動される。第二の下流CD80開放読取枠の翻訳は、EMCV IRES要素の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli uidA遺伝子は、非必須であると決定された部位中のFHVゲノムの特徴的な長い領域に挿入される。FIVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にあり、そして偽狂犬病gXプロモーターの制御下にあるE.coli lacZ遺伝子は、FHVgE欠失部位に向けられる。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、6つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli uidA遺伝子は、非必須部位中のFHVゲノムの特徴的な長い試薬(reagent)に挿入される。FIVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。狂犬病gXプロモーターの制御下にあるFIVgag/プロテアーゼ遺伝子、およびFHVgEプロモーターの制御下にあるE.coli lacZ遺伝子は、FHVgE欠失部位に向けられる。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli uidA遺伝子は、非必須部位中のFHVゲノムの特徴的な長い領域に挿入される。サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にあるFIVgag/プロテアーゼ遺伝子、および狂犬病gXプロモーターの制御下にあるE.coli lacZ遺伝子は、FHVgE欠失部位に挿入される。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動さる。第二の下流CD80開放読取枠の翻訳は、EMCV IRES要素の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli uidA遺伝子は、非必須部位中のFHVゲノムの特徴的な長い領域に挿入される。サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にあるFeLVエンベロープ遺伝子、および狂犬病gXプロモーターの制御下にあるE.coli lacZ遺伝子は、FHVgE欠失部位に挿入される。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、6つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli uidA遺伝子は、非必須部位中のFHVゲノムの特徴的な長い領域に挿入される。サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にあるFIVエンベロープ遺伝子、狂犬病gXプロモーターの制御下にあるFeLV/プロテアーゼ遺伝子、およびFHVgEプロモーターの制御下にあるE.coli lacZ遺伝子は、FHVgE欠失部位に挿入される。
である。
(例17)
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、gE欠失部位にgE遺伝子の欠失、および少なくとも1つの外来遺伝子の挿入を示す。外来遺伝子は、ネコCD80遺伝子であり、そしてFHVgEプロモーターの転写制御下にある:
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、FHV−001から誘導される。これは、「組換えヘルペスウイルスを生成するための相同な組換え手段」で相同ベクター926−76.D7(「材料および方法」参照)およびウイルスS−FHV−001を利用して達成される。形質移入保存物を、「酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えヘルペスウイルス用のスクリーン」によってスクリーニングする。このウイルスは、制限エンドヌクレアーゼマッピングおよび「サザンブロッティングDNA」手段によって特徴付けられる。この分析では、ネコCD80の挿入、および1683塩基対のFHVgE遺伝子の欠失を確認される。(PCT国際出願WO96/13575は、参照してここに組込まれる)。
「組換えFHV中の外来遺伝子発現用の黒色プラークスクリーン」を用いて、本実施例での組換えネコ・ヘルペスウイルスを、ネコCD80特異的抗原の発現について分析する。ここに記述されるアッセイは、CRFK細胞で行われ、それによりCRFK細胞は、RPV組換えワクチンの産生に適切な基質であることが示された。
「黒色プラークアッセイを用いた組換えSPV、RPVまたはFHVでのネコCD80(B7−1)およびCD86(B7−2)発現用のスクリーン」を使用して、本実施例での組換えネコ・ヘルペスウイルスを、ネコCD80特異的抗原の発現について分析する。ヒトCTLA−4/Fcキメラ抗体は、組換えネコ・ヘルペスウイルス・プラーク(ネコCD80を発現する)と特異的に反応するが、S−FHV−001負の対照プラークとは反応しないことが示される。全組換えネコ・ヘルペスウイルスで観察されるプラークは、ヒトCTLA−4/Feキメラ抗体と反応することが示され、それによりそのウイルスは、ネコCD80外来遺伝子を安定に発現していることが示される。
である。
ネコCD80遺伝子産物の発現を確認するために、細胞を、本実施例の組換えネコ・ヘルペスウイルスで感染させ、そして感染細胞溶解液のサンプルを、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に掛けた。ゲルを、ブロットにかけ、そして「ウエスタン・ブロッティング手段」を用いて分析する。組換えネコ・ヘルペスウイルスで感染した細胞からえられる溶解液は、のネコCD80タンパク質の予想されるサイズでバンドを示した。
(例18)
組換えネコヘルペスウイルスは、gE遺伝子の欠失、およびgE欠失部位に少なくとも1つの外来遺伝子の挿入を示す。外来遺伝子は、ネコCD80遺伝子であり、そしてFHVgEプロモーターの転写制御下にある:
ネコCD86を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスは、ネコ科での疾病に対するワクチンとして有用である。組換えネコ・ヘルペスウイルスは、単独で、またはFIV、FeLV、FIPまたは他のネコワクチンと組合わせて使用される場合、FIV、FeLV、FIPまたは他のネコ疾病に対するワクチンの効力を改善する。
(例19)
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)またはネコ感染性腹膜炎(FIP)に対するワクチンとして有用な組換えネコ・ヘルペスウイルスの別の例は:
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、3つの外来遺伝子を発現する。FIVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD80遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、3つの外来遺伝子を発現する。FeLVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FeLVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD80遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、3つの外来遺伝子を発現する。FIVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD86遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、3つの外来遺伝子を発現する。FeLVenv遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。FeLVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。ネコCD86遺伝子は、ネコ・ヘルペスウイルスgEプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして第二の下流遺伝子CD80の起動する2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスglプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。5つの外来遺伝子は、2つの別々のネコ・ヘルペスウイルス挿入部位に含まれる。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動さる。第二の下流遺伝子CD80の開放読取枠の翻訳は、EMCV IRES要素の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスglプロモーターの制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間のEMCV IRES要素が含まれ、第二の下流遺伝子CD80の翻訳が起動される。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして第二の下流遺伝子CD80の翻訳を起動する2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。FIVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーターの制御下にある。5つの外来遺伝子は、2つの異なるネコ・ヘルペスウイルス挿入部位に含まれる。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、5つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動される。第二の下流CD80開放読取枠の翻訳は、EMCV IRES要素の制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。FeLVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。E.coli uidA遺伝子は、狂犬病gXプロモーターの制御下にある。
組換えネコ・ヘルペスウイルスは、6つの外来遺伝子を発現する。ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターの制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれ、第二の下流遺伝子の翻訳が起動される。E.coli uidA遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。FeLVgag遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。FeLVエンベロープ遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーターの制御下にある。E.coli lacZ遺伝子は、狂犬病gXプロモーターの制御下にある。
である。
(例20)
ネコCD80(B7−1)−TAMU、CD86(B7−2)、CD28、CTLA−4およびCD80(B7−1)−シントロ/SPAHcDNAおよびポリペプチドの特徴付け:
およそ941ヌクレオチドの単離および精製されたネコCD80(B7−1)cDNAは、およそ292アミノ酸のネコCD80ポリペプチドの開放読取枠をコードし、その生来の膜結合形態または成熟形態は、約33,485kDaの分子量、約9.1の等電点、10.24のpH7・0での総荷電を示す。膜貫通ドメインのタンパク質は、アミノ酸およそ241から271である。
ネコCD80−TAMUおよびCD80−シントロ/SPAHは、2つの異なる源から独立して単離されるcDNAおよびポリペプチドであり、そしてDNAおよびアミノ酸配列は、わずかに異なる。CD80−TAMU mRNAの源は、ConAで刺激されるネコ末梢血単核細胞であり、そしてCD80−シントロ/SPAH、RNAの源は、ConAで刺激されるネコ脾臓細胞であった。CD80−TAMUおよびCD80(B7−1)−シントロ/SPAHの間のcDNA配列における差異は、ヌクレオチド351でTからC、そしてヌクレオチド670でCからAである。アミノ酸配列で、ヌクレオチド351での変化は、サイレントであり、そしてヌクレオチド670での変化は、アミノ酸残基224での中性アミノ酸ロイシンからイソロイシンへの保存的変化を生じる。
およそ1176ヌクレオチドの単離および精製されたネコCD86(B7−2)cDNAは、およそ320アミノ酸のネコCD86ポリペプチドの開放読取枠をコードし、その生来の膜結合形態または成熟形態は、約36,394kDaの分子量、約9.19の等電点、11.27のpH7・0での総荷電を示す。
およそ689ヌクレオチドの単離および精製されたネコCD28cDNAは、およそ221アミノ酸のネコCD28ポリペプチドの開放読取枠をコードし、その生来の膜結合形態または成熟形態は、約25,319kDaの分子量、約9.17の等電点、9.58のpH7・0での総荷電を示す。
およそ749ヌクレオチドの単離および精製されたネコCTLA−4cDNAは、およそ223アミノ酸のネコCTLA−4ポリペプチドの開放読取枠をコードし、その生来の膜結合形態または成熟形態は、約24,381kDaの分子量、約6.34の等電点、−0.99のpH7・0での総荷電を示す。
同時刺激分子CD28またはCTLA−4との、および腫瘍抗原または病原体生物から得られる抗原とのCD80の同時発現は、Tリンパ球、いっそう特には1型リンパ球の活性化を活性または増強し、そして他の型の成長を促進する能力を示す。同時刺激分子CTLA−4との、および腫瘍抗原または病原体生物から得られる抗原とのCD80の同時発現は、Tリンパ球、いっそう特には1型リンパ球の活性化を活性または増強する能力を示す。同時刺激分子CD28またはCTLA−4との、および腫瘍抗原または病原体生物から得られる抗原とのCD86の同時発現は、Tリンパ球、いっそう特には1型リンパ球の活性化を活性または増強し、そして他の細胞型の成長を促進する能力を示す。同時刺激分子CTLA−4との、CD86の同時発現は、Tリンパ球、いっそう特には1型リンパ球の活性化を抑制する能力を示す。
(例21)
ワクチンでのネコCD80(B7−1)、CD86(B7−2)、CD28、およびCTLA−4の使用法:
以下の実験は、ネコワクチンでのネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4免疫増強活性を評価するために行われる。
ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4は、ネコ科での組換えタンパク質の発現に有用な組換えウイルス性ベクター(ネコ・ヘルペスウイルス、豚痘ウイルス、またはアライグマ痘ウイルスから誘導される)に挿入される(PCT国際出願WO96/22363またはWO96/13575参照)。全4つの免疫増強分子を発現するか、または選択的にはCD80とCD28、またはCD80とCTLA−4、またはCD86とCD28、またはCD86とCTLA−4の対方法の組合せを発現する組換えウイルス性ベクターは、8週齢にあるネコに、経口で、または筋肉内に、0.1から10.0mgまでの投与範囲で、またはおよそ104から109プラーク形成単位(pfu)の投与量で、または好ましくはおよそ106pfuの投与量で投与される。FIVまたはFeLVについてのサブ単位ワクチン、またはFIVまたはFeLV(上記参照)についてのウイルス性ベクターのワクチンを、最小保護容量で、免疫増強ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4ベクターワクチンと同時に投与する。3から4週後、そのネコに、第二の用量のワクチンを付与した。ネコに、USDA標準誘発用量レベルで、毒性FIV菌株(PPRまたはペタルマ(Petalum))またはFeLVリチャード菌株(ネコを免疫抑制するためにメチルプレドニソロンを投与する)を誘発させ、そしてウイルス血症の発生について12週間常に観察する。ワクチン接種したネコの1群を、FeLVによって引起された腫瘍の発生について12ヶ月間まで観察する。ネコにおける疾病の発生を、ワクチンを受けない対照、または免疫増強分子なしのFIVまたはFeLVワクチンと比較する。発生実験の結果は、ワクチンを受けていないで、そしてその後、FeLVまたはFIVを発生させるネコでは、60%以上が、頑固なウイルス血症を発生する。サブユニットFIVまたはFeLVワクチンでワクチン接種され、そしてその後誘発されたネコは、75%、ウイルス血症から保護される。サブユニットFIVまたはFeLVワクチン、および免疫増強ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4ベクター化ワクチンの組合せを受け、そしてその後誘発されたネコは、100%、ウイルス血症から保護される。ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4ベクター化ワクチンを加える別の有益な態様は、ウイルス血症および/または腫瘍形成に対して100%保護がある。長期間の免疫性(1年以上);免疫性の早期発症;または2回投与ではなく単回投与一次ワクチン接種が、現在、全ての製造業者に要求されている。ウイルス性ベクター化FIVまたはFeLVワクチンでワクチン接種されたネコは、サブユニットFIVまたはFeLVワクチンでワクチン接種したネコより明らかに高いレベルで、誘発から保護される。ウイルス性ベクター化FIVまたはFeLVワクチン、および免疫増強ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4ベクター化ワクチンの組合せを受け、そしてその後誘発させたネコでは、100%が、ウイルス血症から保護される。ウイルス性ベクター化FIVまたはFeLVワクチン、および免疫増強ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4ベクター化ワクチンの組合せでワクチン接種たネコも、上に記述される別の有益な態様を受ける。
選択的手段では、8週齢にあるネコに、FIVenvとgag、またはFeLVenvとgagについてのcDNAを含むプラスミドとの混合で、ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4分子についてのcDNAを含む100μgのプラスミドを、筋肉内に注入するか、または代替的には、FIVenvとgag、またはFeLVenvとgagについてのcDNAを含むプラスミドとの混合で、CD80とCD28、またはCD80とCTLA−4、またはCD28またはCTLA−4と対にしたCD86とCD28またはCD86とCTLA−4の対の組合せを発現するcDNAを含む100μgのプラスミドを筋肉内に注入する。対照ネコは、CD80、CD86、CD28、およびCTLA−4を受けない。ネコに、有毒なFeLVまたはFIVを誘発させ、そして上に記述されるとおり疾病の徴候について観察する。誘発実験の結果は、ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4を含むcDNAベクター、およびFIV遺伝子またはFeLV遺伝子を含むcDNAベクターを受けるネコが、疾病から75%保護を示すFIV遺伝子またはFeLV遺伝子を含むcDNAベクターのみを受けるネコと比較して、疾病から100%保護を示すことである。
選択的手段では、8週齢にあるネコに、ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4分子についての0.1から100mgの精製タンパク質を、または代替的には、上に記述される組換えcDNAベクターから得られる、CD80またはCD86の対の組合せで筋肉内に注入し、そしてFIVenvとgag、またはFeLVenvとgagを含むサブユニットワクチン0.1から100mgを筋肉内に注入する。対照ネコは、CD80、CD86、CD28、およびCTLA−4を受けない。ネコに、有毒なFIV菌株またはFeLV菌株を誘発させ、そして疾病の徴候について常に観察する。誘発実験の結果は、ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4についての精製タンパク質、およびFIVまたはFeLVを含むサブユニットワクチンを受けるネコが、FIVまたはFeLVタンパク質を含むサブユニットワクチンのみを受けるネコと比較して、疾病の発生を明らかに減少させたことを示す。
(例22)
疾病保護のについての予防ワクチンとしてのネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4の使用法:
例17に記述されるとおり投与されるが、病原体生物からサブユニットまたはウイルス性ベクター化抗原を投与させない場合、組換え豚痘、組換えアライグマ痘、または組換えネコ・ヘルペスウイルス・ベクターにおける、ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4は、ウイルス性、寄生、または細菌性病原体を誘発させる場合、保護的免疫応答を引出す免疫原および1型応答を刺激するのに有用である。選択的手段では、例3に記述されるとおり投与される場合、ウイルス性ベクター中のネコCTLA−4と組合せたネコCD80またはCD86は、免疫応答を抑制し、そしてネコにおける自己免疾病に対して保護するのに有用である。
(例23)
腫瘍細胞成長を阻害し、そして破壊するネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4の使用法:
ネコから得られる腫瘍細胞を、CD28またはCTLA−4と組合わせてネコCD80またはCD86を発現する組換え豚痘、組換えアライグマ痘、または組換えネコ・ヘルペスウイルス・ベクターに形質移入させた。形質移入した腫瘍細胞を、ネコに再投与し、そして腫瘍細胞の表面におけるネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4の存在は、形質移入および非形質移入腫瘍細胞に対する広範な免疫学上の応答を生じさせ、それにより、局在化し、そして転移した腫瘍細胞の死滅を生じさせた。選択的手段では、CD28またはCTLA−4と組合わせてネコCD80またはCD86を発現するベクターを、ネコにある腫瘍に直接注入し、それにより局在化し、そして転移した腫瘍細胞の死滅を生じさせる腫瘍細胞に対する広範な免疫学上の応答を生じさせる。
(例24)
ネコにおける疾病を治療する治療薬としてのネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4の使用法:
例17に記述されるとおり投与されるが、病原体生物からサブユニットまたはウイルス性ベクター化抗原を投与させない場合、組換え豚痘、組換えアライグマ痘、または組換えネコ・ヘルペスウイルス・ベクターにおける、ネコCD80、CD86、CD28、およびCTLA−4は、疾病の病原体のレベルを排除するかまたは減少させるのに有用である。
支持実験データ:SPV246
FeLVgagおよびエンベロープおよびネコCD80を含む組換えウイルス性ベクター化SPVワクチンの安全性および効力
組換えSPVウイルス、SPV246の構築は、上に記述された(元のファイルの本体で)。SPV246は、2つのマーカー遺伝子β−グルクロニダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼと同様に、FeLVgagおよびエンベロープおよびネコCD80をコードする遺伝子を含めた5つの外来遺伝子を含む。SPV246で感染されたFeLVgagおよびエンベロープおよびCD80の発現は、「ウエスタンブロット」分析によって確認された。特異的FeLVgagおよびエンベロープタンパク質を表すバンドを、それぞれ、FeLV P27に対するヤギポリクローナル抗体(バイオデザイン、ME)およびFeLV gp70に対するモノクローナル抗体(バイオデザイン、ME)で検出した。FeLVgagおよびエンベロープタンパク質は、生来のウイルス性タンパク質に類似して後期翻訳で明らかに加工される。上に記述される抗体を利用する「黒色プラーク」アッセイによって純度、発現および安定性の分析を行った。SPV246を、少なくとも5回、安定して継代させた。SPV246で感染した細胞から発生される100%のプラークは、FeLVgag、エンベロープ、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼについて陽性であった。
ネコCD80の発現は、ポリクローナル抗ヒトCD80抗体を用いて「黒色プラーク」アッセイで確認された。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、SPVおよびESK−4細胞の内容物中で発現され、そして修飾されたCD80の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。
SPV246および対照ウイルス、SPV003、並びに他の組換えFHVおよびSPV FeLVワクチン候補を、FeLVの頑固な感染に対してネコを保護するそれらの能力について試験した。簡便には、8週齢の仔ネコ10ネコ/群を、1mlのSPV246、対照ウイルスまたは他の組換えウイルスを皮下にワクチン接種した(7×105pfu/ネコから1×107pfu/ネコまでの範囲内の用量)。ネコに、3週ずれて、三回ワクチン接種した。ワクチン接種に続いて、酢酸メティルプレドニソロン(デポ−メドロール(Depo-Medrol))を用いた前処置した後、ネコを、リチャードFeLV標準誘発菌株(106.2TCID50/ml/ネコ)で経口鼻腔経路によって誘発させた。
ネコから得られる血清を、15週後誘発の間、週基本で、頑固なウイルス血症について分析した。継続3週間、FeLV p27の存在について陽性を試験した後、ネコは、頑固にウイルス血症であると考えられた。
結果:
SPV246でワクチン接種したネコは、FeLV誘発調査でのFeLVウイルス血症から部分的に保護される。SPV246で処置されるネコについての推定される防止可能な画分(PF)値は、50%であった(表1)。
表1: 抗原接種後15週において一貫したウイルス血漿をもつ猫の数
およびパーセンテージ。各群についての推定予防可能画分(PF)
を計算した
CD80およびCD86を含む別の組換えウイルスの例
SPV280:
SPV280は、6つの外来遺伝子を発現する組換え豚痘ウイルスである。992−23.6と表される相同ベクターを、以下の方法で構築した:ネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素が含まれる。E.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。SPV280は、FeLVgagおよびエンベロープおよびβ−ガラクトシダーゼを含むSPV258から誘導された。SPV258は、先に、FeLVgag/プロテアーゼ遺伝子を含むように遺伝子操作され、そして合成前期/後期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下で切断FeLVエンベロープ(gp70)遺伝子;E.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子は、構造的I5Lポックスプロモーターの制御下にあり、そして欠失された1869bp部分的HindIII N断片に挿入される。CD80/CD86およびE.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子を、異なり、そして非必須SPV部分的HindIII K断片中の相同なベクター992−23.6にクローン化させた。
SPV280は、SPV258から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター992−23.6およびウイルスS−SPV−258を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスSPV280であった。
「黒色プラークアッセイ」により、SPV280を、FeLVgag、FeLVエンベロープおよびマーカー遺伝子、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼの発現について分析した。FeLVgagについてのヤギポリクローナル抗体(バイオデザイン、ME)およびFeLVエンベロープについてのマウスのモノクローナル抗体gp70(バイオデザイン、ME)を使用して、精製SPV280で感染されたESK−4細胞から発生される100%のプラークは、FeLVgagおよびFeLVエンベロープを発現していると決定された。
ネコCD80およびCD86の発現を、それぞれ、ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を用いて、「ウエスタンブロット」分析によって確認した。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、ESK−4細胞中のSPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。
SPV281:
SPV281は、6つの外来遺伝子を発現する組換え豚痘ウイルスである。992−23.6と表される相同ベクターを、上に記述されるとおり、SPV280について構築した。SPV281は、FIVgag/プロテアーゼおよびエンベロープおよびE.coli β−ガラクトシダーゼを含むSPV228から誘導された。FIVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にある。FIVエンベロープ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP1の制御下にある。E.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子は、構造的I5Lポックスプロモーターの制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ、エンベロープおよびE.coli β−ガラクトシダーゼを、SPVの欠失した1869bp部分的HindIII N断片に挿入させた。CD80/CD86およびE.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子を、異なり、そして非必須SPV部分的HindIII K断片に挿入した。
SPV281は、SPV228から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター992−23.6およびウイルスS−SPV−228を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ法)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスSPV281であった。
「黒色プラークアッセイ」により、SPV281を、FeLVgag、FeLVエンベロープおよびマーカー遺伝子、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼの発現について分析した。プラーク精製SPV281で感染したESK−4細胞から得た100%のプラークは、FIVgag(p27)およびFIVエンベロープ(gp100)(それぞれ、カスタム・モノクローナルズ、カリフォルニアウ州;バイオデザイン・インターナショナル、メイン州)についてのマウスのモノクローナル抗体、β−ガラクトシダーゼに対するマウスのモノクローナル、およびβ−グルクロニダーゼに対するウサギのポリクローナル抗体(それぞれ、バイオデザイン・インターナショナル、メイン州、およびモレキュラー・プローブス、オレゴン州)を利用して、FeLVgag、FIVエンベロープ、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼを発現していると決定された。
ネコCD80およびCD86の発現を、ポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を利用して、「ウエスタンブロット」分析によって確認した。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、ESK−4細胞中のSPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。FIVgagおよびエンベロープ発現も、上に記述される抗体を利用して「ウエスタンブロット」分析によって確認した。FIVgagおよびエンベロープは、それぞれ、P24およびgp100に加工されるようであった。
FHV043:
FHV043は、5つの外来遺伝子を発現する組換え豚痘ウイルスである。987−57.A1と表される相同ベクターを、以下の方法で構築した。:ネコCD86およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーター(CMV IE)の制御下で、ビシストロン性カセット中で発現され、それによりCD80およびCD86の転写が起動された。第二の下流CD80の開放読取枠の翻訳は、EMCV IRES要素の制御下にあった。E.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびE.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子を、FHVの部分的Sal I H断片から誘導される特徴的なEcoRI部位中のFHV特徴的な長い領域に挿入した。挿入は、gLの間にあり、そして転写アクチベーター遺伝子に隣接した。
FHV043は、FIVエンベロープおよびE.coli β−ガラクトシダーゼを含むFHV017から誘導された。FIVエンベロープ遺伝子は、CMV IEプロモーターの制御下にある。そして、イー.β−ガラクトシダーゼ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーター要素の制御下にある。FIVエンベロープおよびE.coli β−ガラクトシダーゼを、FHV US gE欠失部位に挿入される。
FHV043は、FHV017から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター987−57.A1およびウイルスFHV017を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BluogalおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ法)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV043であった。
「黒色プラークアッセイ」により、FHV043を、マーカー遺伝子、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼの発現について分析した。β−ガラクトシダーゼについてのマウスのモノクローナル抗体(バイオデザイン、メイン州)およびβ−グルクロニダーゼについてのウサギのポリクローナル抗体(モレキュラー・プローブス、オレゴン州)を利用して、プラーク精製FHV043で感染されたCRFK細胞から得られる100%のプラークは、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼを発現していると決定された。このウイルスは、少なくとも5継代後、安定であると決定された。
ネコCD80およびCD86の発現を、ポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を利用して、「ウエスタンブロット」分析によって確認した。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。FIVエンベロープ(gp130)の発現を、FIV感染ネコから得られる回復期ネコ血清を利用して、「ウエスタンブロット」分析で確認した。
相同ベクター1015−18.8A(LP1-CD86/IRES-CD80):
相同ベクター1015−18.8Aを使用して、CD80およびCD86を発現する組換えRPVウイルスを作成した。ポックスLP1プロモーター、EMCV IRES要素、およびポックス・ポリA転写ターミネーターを含むプラスミドを構築した。ネコCD80遺伝子を、プライマー1/97.6(5’−GCTAGGATCCAATCTATGTAGACAGGTGAGAT−3’)および3/98.4(5’−TCGAGGATCCGGGTCACGCAGCAAAGTGG−3’)でPCR増幅させ、そして両方が、BamHIクローニング部位を含んだ。CD80を、LP1プロモーターの後ろでクローニングした。ネコCD86遺伝子を、MfeIクローニング部位を有するプライマー1/98.18(5’−TCGACAATTGGATGGGCATTTGTGACAG−3’)および8/97.31(5’−GTGGATCCAGGATCCGGAGCGG−3’)平滑末端でPCR増幅させた。CD80を、EMCV要素の後でクローニングした。その後、カセットを、NotIで消化し、そして合成後期プロモーターI5Lの制御下にあるE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むRPV HindIII Nベクターにクローニングさせた。最終の相同ベクター1015−18.8Aを使用して、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」によって、FIVまたはFeLV遺伝子およびCD80およびCD86を含むウイルスを作成した。
S−RPV−045:
S−RPV−045は、3つの外来遺伝子を発現する組換えアライグマ痘ウイルスである。S−RPV−045は、アライグマ痘ウイルスRPV−000(ATCC VR−838)から誘導された。これは、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1015−18.8Aおよび親のウイルスS−RPV−000を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BLUO−GALアッセイおよび酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えRPV用のスクリーン)を発現する組換えRPV用のスクリーン」によって組換え体についてスクリーニングした。ウイルスを、プラーク精製し、そして5回継代させた。
「黒色プラークアッセイ」により、RPV−045を、β−ガラクトシダーゼの発現について分析した。ウサギのポリクローナル抗体(アイ・シー・エヌ、オハイオ州)を利用して、精製RPV−045で感染されたVERO細胞から発生される100%のプラークは、β−ガラクトシダーゼを発現していると決定された。
「ウエスタンブロット手段」を使用するウエスタン分析では、それぞれ、ヤギ・ポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)の発現が確認された。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、VERO細胞中のRPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。
S−RPV−046:
RPV−046は、5つの外来遺伝子を発現する組換えアライグマ痘ウイルスである。RPV−046は、アライグマ痘ウイルスRPV−036から誘導された。これは、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1015−18.8Aおよび親のウイルスRPV−036を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BLUO−GALアッセイおよび「酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えRPV用のスクリーン」)を発現する組換えRPV用のスクリーン」によって組換え体についてスクリーニングした。ウイルスを、プラーク精製し、そして5回継代させた。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV046であった。
RPV046は、合成前期/後期ポックスプロモーターLP2EP2の制御下でFIVgag遺伝子を、そして合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下でβ−グルクロニダーゼ遺伝子を含む。これらの遺伝子は、異なり、そして非必須の部分的RPV HindIII U部位に含まれる。CD80およびCD86遺伝子およびβ−ガラクトシダーゼが、特徴的で、異なる非必須の部分的RPV HindIII N部位に含まれる。
「黒色プラーク分析」によって、RPV−046を、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼ発現について分析した。精製RPV−046で感染されたVERO細胞から発生される100%のプラークは、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼを発現していると決定された。
「ウエスタンブロット手段」を使用するウエスタン分析では、それぞれ、ヤギ・ポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)の発現が確認された。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、VERO細胞中のRPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。FIVgag/プロテアーゼ発現も、FIVgagについてのマウスのモノクローナル抗体(p27)(カスタム・モノクローナルズ、カリフォルニア州)を利用して「ウエスタンブロット」分析によって確認された。
S−RPV−047:
RPV−047は、5つの外来遺伝子を発現するアライグマ痘ウイルスである:HindIII N断片中で合成後期プロモーター(I5L)の制御下でLP1−CD80/IRES−CD80カセットおよびE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含む1015−18.8A相同ベクターは、上に記述されるとおり構築された。RPV−047は、RPV−044から誘導され、それはHindIII N断片中でFIVenvおよびE.coli β−グルクロニダーゼ(β−グルクロニダーゼ)についての遺伝子を含んた。FIVenv遺伝子は、合成前期プロモーター(EP1)の制御下にある。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。
S−RPV−047は、アライグマ痘ウイルスRPV−044から誘導された。これは、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1015−18.8Aおよび親のウイルスS−RPV−044を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BLUO−GALアッセイおよび酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えRPV用のスクリーン)を発現する組換えRPV用のスクリーン」によって組換え体についてスクリーニングした。ウイルスを、プラーク精製し、そして5回継代させた。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV047であった。
「黒色プラーク」分析により、RPV−047を、β−ガラクトシダーゼの発現について分析した。ウサギのポリクローナル抗体(アイ・シー・エヌ、オハイオ州)を利用して、精製RPV−047で感染されたVero細胞から発生される100%のプラークは、β−ガラクトシダーゼを発現していると決定された。
「ウエスタンブロット手段」を使用するウエスタン分析では、それぞれ、ヤギ・ポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を使用してCD80およびCD86の発現が確認された。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、VERO細胞中のRPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。FIVenv発現も、FIVenvについてのマウスのモノクローナル抗体(gp100)(バイオデザイン・インターナショナル、メイン州)を利用して「ウエスタンブロット」分析によって確認された。
S−RPV−048:
RPV−048は、5つの外来遺伝子を発現するアライグマ痘ウイルスである。HindIII N断片中の合成後期プロモーター(I5L)の制御下でLP1−CD86/IRES−CD80カセットおよびE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含む1015−18.8A相同ベクターを、上に記述のとおり構築した。RPV−048は、アライグマ痘ウイルスRPV−036から誘導され、それはRPV HindIII U断片中のFeLVgag/プロテアーゼおよびE.coli β−グルクロニダーゼについての遺伝子を含んた。FeLVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成後期/前期プロモーター(LP2EP2)の制御下にある。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。
RPV−048は、組換えアライグマ痘RPV−038から誘導された。これは、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1015−18.8Aおよび親のウイルスRPV−038を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BLUO−GALアッセイおよび「酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えRPV用のスクリーン」)を発現する組換えRPV用のスクリーン」によって組換え体についてスクリーニングした。ウイルスを、プラーク精製し、そして5回継代させた。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV048であった。
RPV048を、黒色プラーク分析によってβ−ガラクトシダーゼ発現について分析した。ウサギのポリクローナル抗体(アイ・シー・エヌ、オハイオ州)を使用して、精製RPV−046で感染されたVero細胞から発生される100%のプラークは、β−ガラクトシダーゼを発現していると決定された。
「ウエスタンブロット手段」を使用するウエスタン分析では、それぞれ、ヤギ・ポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を使用してCD80およびCD86の発現が確認された。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、VERO細胞中のRPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。FIVgag/プロテアーゼ発現も、FIVgagについてのウサギのポリクローナル抗体(p27)(バイオデサイン・インターナショナル、ME)を利用して「ウエスタンブロット」分析によって確認された。
S−RPV−052:
RPV−052は、6つの外来遺伝子を発現するアライグマ痘ウイルスである。HindIII N断片中の合成後期プロモーター(I5L)の制御下でLP1−CD86/IRES−CD80カセットおよびE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含む1015−18.8A相同ベクターを、上に記述のとおり構築した。RPV−052は、RPV−030から誘導され、それはRPV HindIII U断片中のFeLVgag/プロテアーゼ、FeLVenv、およびE.coli β−グルクロニダーゼ(β−グルクロニダーゼ)についての遺伝子を含んた。FeLVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期プロモーター(EP2)の制御下にある。FeLV遺伝子は、合成初期プロモーター(EP1)の制御下にある。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。
RPV−052は、アライグマ痘ウイルスRPV−030から誘導された。これは、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1015−18.8Aおよび親のウイルスRPV−030を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BLUO−GALアッセイおよび「酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えRPV用のスクリーン」)を発現する組換えRPV用のスクリーン」によって組換えウイルスについてスクリーニングした。ウイルスを、プラーク精製し、そして5回継代させた。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV052であった。
RPV052を、黒色プラーク分析によってβ−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、FeLVgagおよびFeLVエンベロープ発現について分析した。それぞれ、ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を使用して、「ウエスタンブロット手段」を使用するウエスタン分析では、CD80およびCD86の発現が確認された。FIVgag/プロテアーゼおよびFeLVエンベロープの発現も、FIVgagについてのウサギのポリクローナル抗体(p27)(バイオデサイン・インターナショナル、ME)およびマウスのモノクローナル抗FeLVenv(gp100)(バイオデザイン、ME)を利用して「ウエスタンブロット」分析によって確認された。
S−RPV−053:
RPV−053は、6つの外来遺伝子を発現するアライグマ痘ウイルスである。HindIII N断片中の合成後期プロモーター(I5L)の制御下でLP1−CD86/IRES−CD80カセットおよびE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含む1015−18.8A相同ベクターを、上に記述のとおり構築した。RPV−053は、RPV−034から誘導されたが、それはRPV HindIII U断片中のFeLVgag/プロテアーゼ、FeLVenv、およびE.coli β−グルクロニダーゼについての遺伝子を含む。FeLVgag/プロテアーゼ遺伝子は、合成前期プロモーター(EP2)の制御下にある。FeLV遺伝子は、合成初期プロモーター(EP1)の制御下にある。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成後期プロモーター(LP1)の制御下にある。
RPV−053は、アライグマ痘ウイルスRPV−034から誘導された。これは、「組換えRPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1015−18.8Aおよび親のウイルスRPV−034を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(BLUO−GALアッセイおよび「酵素的マーカー遺伝子を発現する組換えRPV用のスクリーン」)を発現する組換えRPV用のスクリーン」によって組換え体についてスクリーニングした。ウイルスを、プラーク精製し、そして5回継代させた。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV053であった。
S−SPV275:
S−SPV275は、5つの外来遺伝子を発現する組換え豚痘ウイルスである。992−23.6と表される相同ベクターを、以下のとおり構築した:ネコCD86およびCD80遺伝子は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下でビシストロンDNAカセット中で発現され、それにより、CD86およびCD80の両方の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素を含んだ。E.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成ポックス前期プロモーターEP2の制御下にある。使用される親のウイルスは、S−SPV046であったが、それは、合成後期/初期プロモーターLP2EP2によって促進されるFIVgag/プロテアーゼ遺伝子を含み、そしてβ−ガラクトシダーゼ遺伝子は、構造的ポックスプロモーター01Lの制御下にある。FIVgag/プロテアーゼ、およびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を、SPV部分的HindIII M断片に挿入した一方で、CD86/CD80およびβ−グルクロニダーゼ遺伝子を、SPV部分的HindIII K断片に挿入した。
S−SPV275は、S−SPV046から誘導された。これは、「組換えSPVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター922−23.6およびS−SPV046を利用して達成された。形質移入保存物を、「b−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラークについての精製の最終結果は、組換えウイルスSPV275であった。
S−SPV275を、「黒色プラーク」分析によってFIVgag、およびマーカー遺伝子、β−グルクロニダーゼの発現について分析した。FIVgagのためのマウスのモノクローナル抗体(カスタム・モノクローナルズ、カリフォルニア州)を使用して、精製S−SPV275で感染されたESK−4細胞で発生される100%のプラークは、FIVgagを発現していると決定され、そして5継代後に安定である。
FIVgagについてのマウス・モノクローナル、およびネコCD86およびCD80についてのヤギのポリクローナル抗ヒトCD86およびCD80抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を使用して、FIVgag、CD86およびCD80の発現が「ウエスタンブロット」分析で確認された。2つの異なるバンドが、FIVgagに特異的な50kdaおよび27kdaで検出された。ネコCD86に特異的な40kDaから70kDaまでの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD80に特異的な30kDaから60kDaまでの範囲にあるバンドを検出した。
S−FHV040:
S−FHV040は、5つの外来遺伝子を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスである。957−87.A1と表される相同ベクターを、以下のとおり構築した:ネコCD86およびCD80遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーター(CMV IE)の制御下でビシストロンDNAカセット中で発現され、それにより、CD86およびCD80の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素を含んだ。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびβ−グルクロニダーゼ遺伝子を、gLの間で、そして転写アクチベーター遺伝子に隣接するFHVの部分的SalI H断片から誘導される特徴的なEcoRI部位中のFHVの特徴的な長い領域に挿入した。使用される親のウイルスは、CMV IE促進FeLVgag遺伝子、および偽狂犬病gXプロモーター下にあるE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むS−FHV019であった。両方の遺伝子は、FHV特徴的な短い(US)gE欠失部位に配置される。
S−FHV040は、S−FHV019から誘導された。これは、「組換えFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター987−57.A1およびウイルスS−FHV019を利用して達成された。形質移入保存物を、「b−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の緑色/青色プラークについての精製の最終結果は、組換えウイルスS−FHV040であった。
S−FHV040を、「黒色プラーク」分析によってFIVgag、およびマーカー遺伝子、β−グルクロニダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼの発現について分析した。CRFK細胞で発生される100%のプラークは、β−グルクロニダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼを発現していると決定された。FeLVgagの発現も、FeLVgp27(バイオデザイン、ME)に対するヤギ・ポリクローナル抗体を用いて「黒色プラーク」分析によって確認した。このウイルスは、5継代後安定しているようである。
ネコCD80、CD86、およびFeLVgagの発現が、「ウエスタンブロット」分析で確認された。ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を、ネコCD80およびCD86のために使用した。ネコCD80に特異的な30kDaから60kDaまでの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kDaから70kDaまでの範囲にあるバンドを検出した。FeLVgp27に対するヤギのポリクローナル抗体バイオデザイン、ME)を使用することによって、FeLVの発現を確認した。
S−FHV042:
S−FHV042は、5つの外来遺伝子を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスである。957−87.A1と表される相同ベクターを、以下のとおり構築した:ネコCD80およびCD86遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーター(CMV IE)の制御下でビシストロンDNAカセット中で発現され、それにより、CD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素を含んだ。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびβ−グルクロニダーゼ遺伝子を、gLの間で、そして転写アクチベーター遺伝子に隣接するFHVの部分的SalI H断片から誘導される特徴的なEcoRI部位中のFHVの特徴的な長い領域に挿入した。親のウイルスは、CMV IE促進FeLVエンベロープ遺伝子、および偽狂犬病gXプロモーター下にあるE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むFHV018であった。両方の遺伝子は、FHV特徴的な短い(US)gE欠失部位に配置される。
S−FHV042は、S−FHV018から誘導された。これは、「組換えFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター987−57.A1およびウイルスS−FHV018を利用して達成された。形質移入保存物を、「b−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の緑色/青色プラークについての精製の最終結果は、組換えウイルスS−FHV042であった。S−FHV042を、「黒色プラーク」分析によってFIVenv、およびマーカー遺伝子、β−グルクロニダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼの発現について分析した。CRFK細胞で発生される100%のプラークは、β−グルクロニダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼを発現していると決定された。FeLVenvの発現は、FeLVgp70に対するマウスのモノクローナル抗体(バイオデザイン、ME)を用いて「黒色プラーク」分析によって確認した。このウイルスは、5継代後安定していた。
ネコCD80、CD86、およびFeLVenvの発現が、「ウエスタンブロット」分析で確認された。ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を、ネコCD80およびCD86のために使用した。ネコCD80に特異的な30kDaから60kDaまでの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kDaから70kDaまでの範囲にあるバンドであった。gp70に対するマウスのモノクローナル抗体(バイオデザイン、ME)を使用することによって、100kDaのFeLVenvバンドを確認した。
S−FHV044:
S−FHV044は、5つの外来遺伝子を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスである。957−87.A1と表される相同ベクターを、以下のとおり構築した:ネコCD80およびCD86遺伝子は、サイトメガロウイルス即時型プロモーター(CMV IE)の制御下でビシストロンDNAカセット中で発現され、それにより、CD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素を含んだ。β−グルクロニダーゼ遺伝子は、感染性喉頭気管炎ウイルスgIプロモーターの制御下にある。CD80、CD86およびβ−グルクロニダーゼ遺伝子を、gLの間で、そして転写アクチベーター遺伝子に隣接するFHVの部分的SalI H断片から誘導される特徴的なEcoRI部位中のFHVの特徴的な長い領域に挿入した。親のウイルスは、CMV IE促進FIVgag/プロテアーゼ(プロテアーゼ遺伝子の5つのプライム末端での9つのアミノ酸欠失と共に)、および偽狂犬病gXプロモーター下にあるE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むS−FHV016であった。両方の遺伝子は、FHV特徴的な短い(US)gE欠失部位に配置される。
S−FHV044は、S−FHV016から誘導された。これは、「組換えFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター987−57.A1およびウイルスS−FHV016を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の緑色/青色プラークについての精製の最終結果は、組換えウイルスS−FHV044であった。S−FHV044を、「黒色プラーク」分析によってFIVgag、およびマーカー遺伝子、β−グルクロニダーゼおよびβ−ガラクトシダーゼの発現について分析した。CRFK細胞で発生される100%のプラークは、マウスのモノクローナル抗体(バイオデザイン、ME)を利用する両方のマーカー遺伝子を発現していると決定された。FeLVgagの発現も、FeLVgpに対するマウスのモノクローナル抗体(カスタム・モノクローナル、カリフォルニア州)を用いて「黒色プラーク」分析によって確認した。このウイルスは、5継代後安定していた。
ネコCD80、CD86、およびFeLVgagの発現が、「ウエスタンブロット」分析で確認された。ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を、ネコCD80およびCD86のために使用した。ネコCD80に特異的な30kDaから60kDaまでの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kDaから70kDaまでの範囲にあるバンドであった。2つの異なるバンドが、モノクローナル抗体FIVgag抗体を使用して、FIVgagに特異的な50kDaと27kDaであると検出した。
表2: CD80および/またはCD86、またはCD28をコードする
遺伝子を含むSPV組換えウイルス
表3: CD80および/またはCD86、およびCD28をコードする
遺伝子を含むRPV組換えウイルス
表4: CD80および/またはCD86、およびCD28をコードする
遺伝子を含むFHV組換えウイルス
FIVまたはFELVの部分的に、または全長のゲノムと共に同時ベクター化ネコCD80およびCD86などを含む別の例
注:FIVおよび/またはFIVの部分または全ゲノム補体と共に、そしてネコIL−12p35およびp40と共に、またはなしに、組換えウイルス中にCD80、CD86、CTLA−4またはCD28を含む組換えウイルス性ベクター。これらの組換えウイルスは、ネコ科でのFIVおよびFeLV疾病に対するワクチンとして能力を示す。
1.FIVの全長または部分ゲノムを含む組換え豚痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
2.FIVの全長または部分ゲノムを含む組換えネコヘルペスウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
3.FIVの全長または部分ゲノムを含む組換えアライグマ痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
4.FeLVの全長または部分ゲノムを含む組換え豚痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
5.FeLVの全長または部分ゲノムを含む組換えネコヘルペスウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
6.FeLVの全長または部分ゲノムを含む組換えアライグマ痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
7.FIVの全長または部分ゲノムおよびネコIL12、GM−CSF、p35およびp40についてのゲノムを含む組換え豚痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
8.FIVの全長または部分ゲノムおよびネコIL12、GM−CSF、p35およびp40についてのゲノムを含む組換えネコヘルペスウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
9.FIVの全長または部分ゲノムおよびネコIL12、GM−CSF、p35およびp40についてのゲノムを含む組換えアライグマ痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
10.FeLVの全長または部分ゲノムおよびネコIL12、GM−CSF、p35およびp40についてのゲノムを含む組換え豚痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
11.FeLVの全長または部分ゲノムおよびネコIL12、GM−CSF、p35およびp40についてのゲノムを含む組換えネコヘルペスウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
12.FIVの全長または部分ゲノムおよびネコIL12、GM−CSF、p35およびp40についてのゲノムを含む組換えアライグマ痘ウイルス中でのネコCD80、CD86、CD28およびCTLA−4単独または任意の組合せの発現。
表5: FIVゲノム(ΔLTRs)およびネコCD80および/または
CD86をコードする遺伝子含む組換えウイルス
例。
相同ベクター1007−70.A2(SPV N/CMV−FIVゲノムΔLTR/I5L−lacZ):
相同ベクター1007−70.A2を使用して、外来DNAをSPVのHindIII N挿入部位に挿入した。それは、フランキング長末端反復(LTR)要素なしに、E.coli β−ガラクトシダーゼマーカー遺伝子および全長のFIVゲノム(8.5kb)を組み込む。このカセットは、SPV H.III N断片内の非必須部位に相同なSPV DNAによって挟まれる。この相同ベクターは、「組換えSPVを生成する相同組換え手段」によって使用されたとき、外来遺伝子をコードするDNAを含むウイルスを生じる。β−ガラクトシダーゼマーカー遺伝子は、構造的ポックスプロモーターI5Lの制御下にあり、そしてFIVゲノム(ΔLTR)は、サイトメガロウイルス即時型(CMV IE)の制御下にあることに注目されたい。相同ベクターは、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。FIVゲノム(ΔLTR)は、「ポリメラーゼ連鎖反応を用いてクローニング」することによって合成した。PCR反応についてのテンプレートは、全長FIV PPRウイルスを含むプラスミドから得られる前ウイルス性DNAであった。上流プライマー(5’−ACGCGTCGACCAGCTAACAAGGTAGGAGAGACTCT−3’;11/23/98BW.3)は、Gagコーディング領域の上流のFIVゲノムの5’末端から合成し、そして特徴的なSalI部位を導入する。下流プライマー(5’−TCGAGTCGACTTGTGACAGTTCTTAGTCCATAAGC−3’;11/11/98BW.1)は、第二のRevエキソンの下流のFIVゲノムの3’末端から合成し、そして特徴的なSalI部位を導入する。
最終相同ベクター1007.70.A2を使用して、「組換えSPV、RPVおよびFHVを生成する相同組換え手段」によって、FIVゲノム(LTRなし)およびネコCD80およびCD86を含むか、FIVゲノム(マイナスLTR)およびネコCD80およびCD86およびネコIL−12ゲノムp35およびp40を含む組換えウイルスを作成した。
相同ベクター1005−95.1(RPV U/CMV−FIVゲノム(ΔLTR)/I5L−lacZ):
プラスミド1005−95.1を、外来DNAをRPVに挿入する目的のために構築した。それは、PRV DNAによって挟まれるFIVゲノム−ΔLTRおよびE.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子を組み込む。外来遺伝子の上流は、RPV DNAのおよそ906塩基対断片である。外来遺伝子の下流は、RPV DNAのおよそ895塩基対断片である。そのプラスミドは、「組換えRPVを生成する相同組換え手段」によって使用されたとき、外来遺伝子をコードするDNAを含むウイルスを生じる。FIVゲノム−ΔLTRは、サイトメガロウイルス即時型ポックスプロモーターEP2の制御下にあり、そしてE.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、合成前期ポックスプロモーターEP2の制御下にあることに注目されたい。相同ベクターは、以下の源から得られる制限断片を、合成DNA配列と繋げることによって、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して構築した。プラスミドベクターは、pSP64(プロメガ)のおよそ2999塩基対HindIII制限断片から誘導された。断片1は、RPV HindIII制限断片U(Knightら)のおよそ906塩基対HindIIIからXbaIまでの制限副断片である。断片2は、LTR要素なしのFIVゲノムのおよそ8.5kbSalI断片であり、そして「ポリメラーゼ連鎖反応を用いてクローニング」することによって合成した。PCR反応についてのテンプレートは、全長FIV PPRウイルスを含むプラスミドから得られる前ウイルス性DNAであった。上流プライマー(5’−ACGCGTCGACCAGCTAACAAGGTAGGAGAGACTCT−3’;11/23/98BW.3)は、Gagコーディング領域の上流のFIVゲノムの5’末端から合成し、そして特徴的なSalI部位を導入する。下流プライマー(5’−TCGAGTCGACTTGTGACAGTTCTTAGTCCATAAGC−3’;11/11/98BW.1)は、第二のRevエキソンの下流のFIVゲノムの3’末端から合成し、そして特徴的なSalI部位を導入する。断片3は、RPV HindIII制限断片Uのおよそ895塩基対XbaIからHindIIIまでの副断片である。最終相同ベクター1005.95.1を使用して、「組換えSPV、RPVおよびFHVを生成する相同組換え手段」によって、FIVゲノム(ΔLTR)およびネコCD80およびCD86遺伝子を含む組換えウイルスを作成するか、FIVゲノム(ΔLTR)およびネコCD80およびCD86およびネコIL−12ゲノムp35およびp40を含む組換えウイルスを作成した。
相同ベクター1016−74.A6(FHVΔgE/CMV−FIVゲノム−ΔLTR/gX−lacZ):
相同ベクター1016−74.A6を、ネコ・ヘルペスウイルスからgEコーディング領域の一部を欠失する目的のために構築した。それは、FHV DNAによって挟まれるFIVゲノム(マイナスLTR)およびE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子を組み込む。FIVゲノム−ΔLTRは、サイトメガロウイルスIEプロモーターの制御下であり、そしてβ−ガラクトシダーゼマーカー遺伝子は、偽狂犬病ウイルスgXプロモーターの制御下にある。それは、標準組換えDNA技術(Sambrookら)を利用して例示のDNA源から構築された。プラスミドベクターは、pSP18/19のおよそ2958塩基対Asp718IからAsp718Iまでの制限エンドヌクレアーゼ断片である。断片1は、FHV SalI B断片のおよそ1415塩基対のAsp718IからSmaIまでの副断片である。断片2は、LTR要素なしのFIVゲノムのおよそ8.5kbSalI断片であり、そして「ポリメラーゼ連鎖反応を用いてクローニング」することによって合成した。PCR反応についてのテンプレートは、全長FIV PPRウイルスを含むプラスミドから得られる前ウイルス性DNAであった。上流プライマー(5’−ACGCGTCGACCAGCTAACAAGGTAGGAGAGACTCT−3’;11/23/98BW.3)は、Gagコーディング領域の上流のFIVゲノムの5’末端から合成する。下流プライマー(5’−TCGAGTCGACTTGTGACAGTTCTTAGTCCATAAGC−3’;11/11/98BW.1)は、第二のRevエキソンの下流のFIVゲノムの3’末端から合成し、そして特徴的なSalI部位を導入する。断片3は、およそ3.5kbのβ−ガラクトシダーゼ遺伝子断片である。断片4は、FHV EcoRI E断片のおよそ2205塩基対のSalIからAsp718Iまでの副断片である。最終相同ベクター1016.74.A6を使用して、「組換えSPV、RPVおよびFHVを生成する相同組換え手段」によって、FIVゲノム(ΔLTR)およびネコCD80およびCD86遺伝子を含む組換えウイルスを作成するか、FIVゲノム(ΔLTR)およびネコCD80およびCD86およびネコIL−12ゲノムp35およびp40を含む組換えウイルスを作成した。
SPV288:
SPV288は、FIVゲノムに含まれるORFの全補体および4つの別の外来遺伝子を発現する組換え豚痘ウイルスである。SPV288は、SPV282から誘導された。SPV282は、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下でビシストロンDNAカセット中で発現されるネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子を含み、CD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素を含んだ。そして、E.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、SPV H.III Kゲノム断片内の合成前期プロモーターEP2の制御下にある。相同ベクター992−23.6は、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成する相同組換え手段」を利用して構築された。CD80、CD86およびE.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、異なり、そして非必須のSPV部分HindIII K断片に挿入される。CMV―FIVゲノムおよびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子は、異なり、そして非必須のSPV部分HindIII N断片に挿入される。
SPV288は、SPV282から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1007−70.A2(上記参照)およびウイルスSPV282を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスSPV288であった。
SPV288を、「黒色プラーク」分析によって、FeLVgag、FIVゲノムから得られるFeLVエンベロープおよびマーカー遺伝子、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼの発現について分析した。精製SPV280で感染したESK−4細胞から発生される100%のプラークは、FeLVgagについてのヤギのポリクローナル抗体(バイオデザイン、ME)およびFeLVエンベロープについてのマウスのモノクローナル抗体gp70(バイオデザイン、ME)を利用して、FeLVgagおよびFeLVエンベロープを発現していると決定された。
ネコCD80およびCD86の発現は、それぞれ、ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を用いて、「ウエスタン・ブロット」分析で確認された。ネコCD80に特異的な30kDaから60kDaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kDaから70kDaまでの範囲にあるバンドを検出した。これらのバンドは、ESK−4細胞中のSPVの内容物で発現されるCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。FIVゲノムでコードされるタンパク質の発現は、FIVで感染されたネコから得られるネコ血清を使用して、「ウエスタンブロット」分析で確認された。
FHV054:
FHV054は、FIVゲノムに含まれるORFの全補体および2つの別の外来遺伝子を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスである。1016−75.B1と表される相同ベクターを、FIVゲノム(ΔLTR)およびβ−ガラクトシダーゼを、FHV特徴的長い部分的SalH断片に挿入する目的のために構築した。
その挿入は、gL遺伝子と隣接の転写アクチベーター遺伝子との間にある。
FIVゲノムは、CMV IEプロモーターの制御下にある。そしてβ−ガラクトシダーゼ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーター要素の制御下にある。
FHV054は、FHV030から誘導され、それは、FHVgE欠失部位にネコCD80遺伝子を含んだ。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1016−75.B1およびウイルスFHV030を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ法)を発現する組換えFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV054であった。
FHV054を、「黒色プラーク」分析によってβ−ガラクトシダーゼの発現について分析した。プラーク精製FHV054で感染されたCRFK細胞から得られる100%のプラークは、マウスのモノクローナル抗体(バイオデザイン、ME)を利用するβ−ガラクトシダーゼを発現していると決定された。このウイルスは、少なくとも5継代後安定していると決定された。
ネコCD80、FIVgagおよびFIVエンベロープの発現は、ポリクローナル抗ヒトCD80抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)、マウスのモノクローナル抗FIVgag抗体(カスタム・モノクローナル、カリフォルニア州)およびマウスのモノクローナル抗IFVエンベロープ抗体(バイオデザイン)を利用いて、「ウエスタン・ブロット」分析で確認された。ゲノム中でコードされるFIV遺伝子の全補体の発現は、FIV感染ネコから得られる回復期ネコ血清を利用して、「ウエスタンブロット」分析で確認された。
FHV055:
FHV055は、FIVゲノムに含まれるORFの全補体および3つの別の外来遺伝子を発現する組換えネコ・ヘルペスウイルスである。1016−75.B1と表される相同ベクターを、FIVゲノム(ΔLTR)およびβ−ガラクトシダーゼを、FHV特徴的長い部分的SalH断片に挿入する目的のために構築した。
その挿入は、FHVgL遺伝子と隣接の転写アクチベーター遺伝子との間にある。
FIVゲノムは、CMV IEプロモーターの制御下にある。そしてE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子は、偽狂犬病gXプロモーター要素の制御下にある。
FHV055は、FHV041から誘導され、それは、FHVgE欠失部位にネコCD86遺伝子およびβ−グルクロニダーゼ遺伝子を含んだ。ネコCD86は、FHVgEプロモーターの制御下にあり、そしてβ−グルクロニダーゼ遺伝子は、偽狂犬病ウイルスgXプロモーターの制御下にある。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1016−75.B1およびウイルスFHV041を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ法)を発現する組換えFHV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスFHV055であった。
FHV055を、「黒色プラーク」分析によってβ−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼの発現について分析した。プラーク精製FHV055で感染されたCRFK細胞から得られる100%のプラークは、それぞれ、マウスのモノクローナル抗体(バイオデザイン、ME)およびウサギのポリクローナル(モレキュラー・プローブス、オレゴン州)を利用するβ−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼを発現していると決定された。このウイルスは、5継代後安定していると決定された。
ネコCD86、FIVgagおよびFIVエンベロープの発現は、ポリクローナル抗ヒトCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)、マウスのモノクローナル抗FIVgag抗体(カスタム・モノクローナル、カリフォルニア州)およびマウスのモノクローナル抗IFVエンベロープ抗体(バイオデザイン)を利用いて、「ウエスタン・ブロット」分析で確認された。ゲノム中でコードされるFIV遺伝子の全補体の発現は、FIV感染ネコから得られる回復期ネコ血清を利用して、「ウエスタンブロット」分析で確認された。
RPV055:
RPV055は、FIVゲノムに含まれるORFの全補体および4つの別の外来遺伝子を発現する組換えアライグマ痘ウイルスである。RPV055は、RPV045から誘導され、そしてそれは、合成後期ポックスプロモーターLP1の制御下でビシストロンDNAカセット中で発現されるネコCD86遺伝子およびCD80遺伝子を含み、CD80およびCD86の転写が起動され、そして2つの開放読取枠の間にEMCV IRES要素を含んだ。そして、E.coli β−グルクロニダーゼ遺伝子は、RPV H.III Nゲノム部分的断片内の合成前期プロモーターEP2の制御下にある。相同ベクター1005−95.1を使用して、「組換えRPV、SPVまたはFHVを生成する相同組換え手段」を利用して構築した。CD80、CD86およびE.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子は、異なり、そして非必須のRPV部分的HindIII N断片に挿入される。CMV―FIVゲノムおよびβ−グルクロニダーゼ遺伝子は、異なり、そして非必須のRPV部分的HindIII U断片に挿入される。
RPV055は、RPV045から誘導された。これは、「組換えRPV、SPVまたはFHVを発生する相同な組換え手段」で相同なベクター1005−95.1およびウイルスR PV045を利用して達成された。形質移入保存物を、「β−ガラクトシダーゼ(ブルーガルおよびCPRGアッセイ)またはβ−グルクロニダーゼ(X−GLUCアッセイ)を発現する組換えSPV用のスクリーン」によってスクリーニングした。複数回の青色/緑色プラーク精製の最終結果は、組換えウイルスRPV055であった。
RPV055を、「黒色プラーク」分析によって、FeLVgag、FIVゲノムから得られるFeLVエンベロープおよびマーカー遺伝子、β−ガラクトシダーゼおよびβ−グルクロニダーゼの発現について分析した。精製RPV055で感染したVERO細胞から発生される100%のプラークは、FeLVgagについてのヤギのポリクローナル抗体(バイオデザイン、ME)およびFeLVエンベロープについてのマウスのモノクローナル抗体gp70(バイオデザイン、ME)を利用して、FeLVgagおよびFeLVエンベロープを発現していると決定された。
ネコCD80およびCD86の発現は、それぞれ、ヤギのポリクローナル抗ヒトCD80およびCD86抗体(アール・アンド・ディー・システムズ、MN)を利用いて、「ウエスタン・ブロット」分析で確認された。ネコCD80に特異的な30kdaから60kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出し、そしてネコCD86に特異的な40kdaから70kdaまでのサイズの範囲にある多重バンドを検出した。これらのバンドは、VERO細胞中のRPVの内容物中で発現されたCD80およびCD86の選択的で複数のグリコシル化パターンを表す。FIVゲノム中でコードされるタンパク質の発現は、FIVで感染されたネコから得られるネコ血清を用いて、「ウエスタン・ブロット」分析で確認された。
参照文献