JP2007105040A - 組換体ポックスウイルス−ネコ感染性腹膜炎ウイルス、その組成物およびそれらの製造および使用方法 - Google Patents

組換体ポックスウイルス−ネコ感染性腹膜炎ウイルス、その組成物およびそれらの製造および使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネコ感染性腹膜炎ウイルス(FIPV)組換体ポックスウイルスおよびそれ由来の産物を提供する。
【解決手段】FIPV抗原(群)をコードしているDNAを含有する弱毒化組換体ウイルス、並びにウイルス、そこからの発現産生物、およびウイルスまたは発現産生物から産生された抗体を用いた方法および組成物。組換体ウイルスは、病原性に関与する特定の遺伝子領域の欠失した弱毒化組換体、特にNYVAC(新しいワクシニアワクチン菌株)、または連結継代によって弱毒化されたALVAC(カナリアポックス/狂犬病糖タンパク質)組換体ウイルスである組成物、それからの生産物および産生された抗体には、いくつかの予防、治療および診断の用途がある。
【選択図】なし

Description

1991年3月7日に出願された出願番号第07/666056号の一部継続出願である1991年6月11日に出願された出願番号第07/713967号の一部継続出願である1992年3月6日に出願された出願番号第07/847951号の継続出願である1993年8月12日に出願され、既に許可された出願番号第08/105483号、および1993年3月24日に出願され、1994年11月15日に米国特許第5,364,773号として許可された、出願番号第08/036217号を参照する。前述の参照された出願および特許をここに参考として取り込むものとする。
本発明は、改変ポックスウイルスおよびその製造並びに使用方法;例えば、ワクシニアウイルスまたはアビポックス(例えば、カナリアポックスまたはファウルポックス)ウイルスに関するものである。例えば、本発明は改変ポックスウイルス−ネコ感染性腹膜炎ウイルス(FIPV)組換体、その組成物、および組換体と組成物の製造および使用方法に関する。本発明はさらに、弱毒化組換体、特にNYVACまたはALVAC FIPV組換体、その組成物および組換体と組成物の製造および使用方法に関するものである。このように、本発明は組換体ポックスウイルス−FIPV、FIPVの遺伝子産物(群)を発現する組換体、そのような組換体および/または遺伝子産物(群)を含有する組成物および該組換体または組成物の製造および使用方法に関するものである。当該遺伝子産物はFIPV N、M、およびSの3つのバージョン(S1−完全スパイク(spike);S2−スパイクマイナスシグナル配列;S3−スパイクC末端部分)またはMおよびN等のそれらの組合せとすることができる。組換体またはそれらを含有している組成物は、宿主に投与された時にFIPV感染に対する免疫反応を誘導可能である。宿主は好ましくは、ネコまたは子ネコなどのネコである。反応は防御的であり得る。このように、組成物は免疫的または抗原的、またはワクチンであり得る。
本発明はさらに、ポックスウイルスの発現産物であって、抗体を生成させるかまたは細胞仲介反応を刺激する等の免疫反応を誘導するのにそれ自体有用であり、当該抗体または反応はFIPV感染に対して有用であるもの、あるいは発現産物もしくはそれらによって誘導された抗体であって、細胞培養または動物から単離されたものであり、FIPV検出のための診断キット、テストまたはアッセイの調製のために有用であるもの、あるいは組換体ウイルス、またはそれに感染した細胞、または他のシステムにおける抗原または産物の発現に関する。組換体によって誘導された、単離された発現産物および抗体は、システム、宿主、血清または試料中の抗体または抗原の検出に特に有用であり;発現産物は抗体の生成に有用である。
いくつかの出版物がこの出願において参照されている。これらの参考文献については、請求の範囲の直前の明細書の終わりまたは出版物が述べられている箇所に完全に引用されている。これらの出版物の各々をここに参照文献として引用する。
ワクシニアウイルスおよびごく最近では他のポックスウイルスが、異種遺伝子の挿入および発現に用いられている。異種遺伝子を感染性生ポックスウイルス中に挿入する基本技術は、ドナープラスミド中の異種遺伝要素に隣接するポックスDNA配列と、レスキューポックスウイルス中に存在する相同性配列との間の組換えに関するものである(Piccini他, 1987)。
特に、組換体ポックスウイルスは、従来技術において知られており、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5に記載されているワクシニアウイルスおよび鳥類ポックスウイルスのようなポックスウイルスの合成組換体を形成する方法と類似の2段階で構築される。上記各米国特許の開示内容をここに参考として取り込む。
第1に、ウイルスに挿入されるべきDNA遺伝子配列、特に非ポックス供給源由来のオープンリーディングフレームを、ポックスウイルスのDNA部分に相同的なDNAが既に挿入されているE.コリプラスミド中に配置する。それとは別に、挿入されるべきDNAはプロモーターに連結させる。プロモーター−遺伝子連結物は、プロモーター−遺伝子連結物が両端で、非必須座を含むポックスDNA領域中に隣接するるDNA配列に相同的なDNAに隣接するようにプラスミド構築物中に位置される。その結果得られるプラスミド構築物を、続いてE.コリ細菌の増殖により増幅させ(Clewell,1972)、単離する(Clewell 他,1969;Maniatis 他,1982)。
第2に、挿入されるべきDNA遺伝子を含む単離されたプラスミドは、例えばニワトリ繊維芽細胞等の細胞培養中に、ポックスウイルスとともに移入される。プラスミド中の相同ポックスDNAとウイルスゲノムそれぞれとの間の組換えは、そのゲノムの非必須領域中に、外来DNA配列を存在させることにより改変されたポックスウイルスを提供する。用語「外来」DNAとは、外因性DNA、特に非ポックス供給源由来のDNAで、その外因性DNAが組み込まれたゲノムによっては本来生産されない遺伝子産物をコードするものを意味する。
遺伝的組換えとは、一般に、DNAの2つの鎖の間での相同性部分の交換である。ある種のウイルスにおいては、RNAがDNAと置き換わっていることもあり得る。核酸の相同性部分とは、ヌクレオチド塩基の同じ配列を有する核酸部分(DNAまたはRNA)である。
遺伝的組換えは、複製、即ち感染された宿主細胞内部での新しいウイルスゲノムの製造の間に自然に生じ得る。このように、ウイルス遺伝子間の遺伝的組換えが、2またはより多くの異なったウイルスまたはその他の遺伝的構築物で共感染させた宿主細胞中で行われるウイルス複製サイクルの間に起こり得る。第1のゲノム由来のDNA部分は、DNAが第1のウイルスゲノムに相同であるところの第2の共感染ウイルスのゲノム部分構築において交換可能に利用される。
しかしながら、組換えはまた、完全には相同でない異なったゲノム中のDNA部分の間でも生じ得る。そのような部分が、例えば相同性DNAの部分に挿入された遺伝子マーカーまたは抗原決定基をコードする遺伝子等を第1の部分に有していることを除いて別のゲノム部分と相同である第1のゲノム由来である場合、組換えは依然として起こり得るものであり、そしてその組換え産物は、組換体ウイルスゲノム中のその遺伝的マーカーまたは遺伝子の存在により検出可能である。組換えワクシニアウイルスの産生のための付加的な戦略が近年報告された。
挿入されたDNA遺伝子配列を改変された感染可能ウイルスによってうまく発現させるには、2つの条件が必要である。第1は、改変ウイルスが生育可能なままであるように、挿入はウイルスの非必須領域中になされなければならない。挿入されたDNAの発現のための第2の条件は、挿入されたDNAと適切な関係にあるプロモーターの存在である。プロモーターは、それが発現されるべきDNA配列の上流に位置するように配置されなければならない。
ワクシニアウイルスは、天然痘に対する免疫化のために成功して用いられてきており、1980年には天然痘の全世界での撲滅を成し遂げた。その歴史において、多くのワクシニア株が生成されている。これらの異なった株は多様な免疫原性を示し、種々の程度で潜在的な複雑性を伴う。その最も深刻なものはワクチン後の脳炎と汎発性種痘疹である(Behbehani,1983)。
天然痘の撲滅と共に、ワクシニアの新しい役割、外来遺伝子の発現のための遺伝的に操作されたベクターの役割が重要となった。数多くの異種抗原をコードしている遺伝子がワクシニア中で発現され、その結果、しばしば対応する病原体による攻撃に対して防御的な免疫性を発揮することとなる(Tartaglia 他,1990aにおいて概説)。
ワクシニアベクターの遺伝的背景が、発現された外来免疫原の防御的効率に影響することが示されている。例えば、ワクシニアウイルスWyethワクチン株におけるエプスタイン−バーウイルス(EBV)gp340の発現では、EBVウイルス誘導リンパ腫に対してコットントップ タマリン(cottontop tamarins)を防御しなかったが、一方で、ワクシニアウイルスWR実験室株における前記遺伝子の発現では防御的であった(Morgan 他,1988)。
ワクシニアウイルスベースの組換えワクチン候補の、効率と安全性との微妙なバランスは非常に重要である。組換体ウイルスは、ワクチン接種された動物において防御的免疫反応を誘導するような様式で免疫原(群)を提示しなければならないが、如何なる重大な病原性特性をも有してはならない。故にベクター株の弱毒化は、現在の技術の段階を超えた進歩が大いに望まれている。
数多くのワクシニア遺伝子で、組織培養におけるウイルスの増殖に非必須でありその欠失または不活性化が多様な動物系での毒性を減少させるものが同定されてきた。
ワクシニアウイルスのチミジンキナーゼ(TK)をコードする遺伝子についてはマッピングが行われ(Hruby 他、1982)、また、配列決定も行われている(Hruby 他、1983;Wier他、1983)。チミジキナーゼ遺伝子が不活化または完全欠失しても、広範な組織培養中でワクシニアウイルスの増殖は妨げられない。また、TKワクシニアウイルスは各種の投与法により各種の宿主における接種部位においてインビボ複製する能力を有する。
単純ヘルペスウイルス2型については、TKウイルスをモルモットに膣内投与すると、TKウイルスの投与の場合よりも脊髄中のウイルス力価がかなり低くなることが示された(Stanberry 他、1985)。ヘルペスウイルスではインビトロでのTK活性は、代謝の活発な細胞中ではウイルスの増殖に重要でないが、静止細胞中ではウイルス増殖に必須であることが示された(Jamieson他、1974)。 TKワクシニアが弱毒化されていることが、マウスに脳内投与および腹膜内投与することにより明らかとなった(Buller他、1985)。神経毒性のあるWR実験室株およびWyeth ワクチン株の双方について弱毒化が認められた。皮内投与されたマウスにおいては、TK組換えワクシニアが、親株のTKワクシニアウイルスと同等の抗ワクシニア中和抗体を産生したが、これは、この試験系では、TK機能の喪失がワクシニアウイルスベクターの免疫原性を有意に減少させないことを示唆している。TKおよびTKの組換えワクシニアウイルス(WR株)をマウスに鼻内接種すると、他の部位(脳を含む)へのウイルスの伝播が顕著に減少したことが見出された(Taylor他、1991a)。
ヌクレオチドの代謝に関連する別の酵素は、リボヌクレオチドレダクターゼである。単純ヘルペスウイルス(HSV)内でウイルスにコードされているリボヌクレオチドレダクターゼの活性が、そのラージサブユニットをコードしている遺伝子を欠失させることにより喪失しても、インビトロの分裂細胞中でのウイルス増殖やDNA合成は影響されないが、無血清細胞でのウイルスの増殖能力は極めて損なわれることが示された(Goldstein 他、1988)。眼部の急性HSV感染および三叉神経ガングリオンにおける再活性性潜伏感染に関するマウスモデルを用いた場合、リボヌクレオチドレダクターゼのラージサブユニットを欠失したHSVについては、野生型HSVに比べて毒性が減少することが示された(Jacobson他、1989)。
ワクシニアウイルスにおいては、リボヌクレオチドレダクターゼのスモールサブユニット(Slabaugh他、1988)およびラージサブユニット(Schmidtt他、1988)のいずれも同定されている。ワクシニアウイルスのWR株において、挿入によりリボヌクレオチドレダクターゼを不活化すると、ウイルスの弱毒化がもたらされるが、それはマウスの頭蓋内接種により測定され得る(Child 他、1990)。
ワクシニアウイルスの血球凝集素(HA)遺伝子についてはマッピングおよび配列決定が行われている(Shida 、1986)。ワクシニアウイルスのHA遺伝子は、組織培養中の増殖にとって非必須なものである(Ichihashi 他、1971)。ワクシニアウイルスのHA遺伝子を不活化すると、頭蓋内投与されたウサギにおいては神経毒性化が減少し、また、皮膚内投与部位におけるウサギの外傷は小さくなっていた(Shida 他、1988)。HAの遺伝子座を利用して、ワクシニアウイルスのWR株(Shida 他、1987)、Lister株の誘導体(Shida 他、1988)およびCopenhagen株(Guo 他、1989)に外来遺伝子を挿入している。外来遺伝子を発現する組換えHAワクシニアウイルスは、免疫原性があり(Guo 他、1989;Itamura 他、1990;Shida 他、1988;Shida 他、1987)、また、関連する病原体による免疫性テストに対して防御効果を有する(Guo 他、1989;Shida 他、1987)ことが示された。
牛痘ウイルス(Brighton赤色株)は、鶏卵の漿尿膜上に赤色(出血性)痘瘡を生じさせる。牛痘ゲノム内で自然欠失すると白色痘瘡を生じる変異体となる(Pichup他、1984)。出血性機能(u)は、初期遺伝子によってコードされた38kDaのタンパク質の遺伝子を配置している(Pickup他、1986)。この遺伝子は、セリンプロテアーゼインヒビターと相同性を有し、牛痘ウイルスに対する宿主の炎症応答を阻害し(Palumbo 他、1989)、また、血液凝固のインヒビターである。
このu遺伝子は、ワクシニアウイルスのWR株中に存在する(Kotwal他、1989b)。外来遺伝子を挿入することによりu領域が不活化されているWRワクシニアウイルス組換体が接種されたマウスは、u遺伝子がインタクトのままである類似の組換えワクシニアウイルスが接種されたマウスよりも、該外来遺伝子に対して高い抗体レベルを産生する(Zhou他、1990)。このu領域は、ワクシニアウイルスのCopenhagen株内で欠陥性非機能形態として存在する(Goeberu 他による報告(1990a,b)においてB13およびB14と称されているオープンリーディングフレーム)。
感染細胞内において牛痘ウイルスは、細胞質A型封入体(ATI)において局在化している(Kato他、1959)。ATIの機能は、動物から動物への伝播に際して牛痘ウイルス粒子を防御することにあると考えられている(Bergoin 他、1971)。牛痘ゲノムのATI領域は160 kDaのタンパク質をコードしており、これがATI封入体のマトリックスを形成する(Funahashi 他、1988;Patel 他、1987)。ワクシニアウイルスは、そのゲノムに相同領域を含有するが、一般にATIを産生しない。ワクシニアのWR株においては、ゲノムのATI領域は94kDaのタンパク質として翻訳される(Patel 他、1988)。ワクシニアウイルスのCopenhagen株においてはATI領域に相応するDNA配列の大部分は欠失されており、該領域の残存する3′末端はATI領域の上流にある配列と融合して、オープンリーディングフレーム(ORF)A26Lを形成する(Goebel他、1990a,b)。
ワクシニアウイルスの左末端近傍については、各種の自然欠失(Altenburger 他、1989;Drillien他、1981;Lai 他、1989;Moss他、1981;Paez他、1985;Panicali他、1981)や人為的欠失(Perkus 他,1991;Perkus 他,1989;Perkus 他,1986)が報告されている。10kbが自然欠失したワクシニアウイルスのWR株(Moss他、1981;Panicali他、1981)が弱毒化されていることが、マウスに頭蓋内接種することにより明らかとなった(Buller他、1985)。後に、この欠失部は17ヶの潜在的ORFを含むことが判明した(Kotwal他、1988b)。該欠失部内にある特定の遺伝子としては、ビロカインN1Lおよび35kDaタンパク質(Goebel他による1990a,b の報告でC3Lと称するもの)が挙げられる。挿入によりN1Lを不活化すると、通常のマウスおよびヌードマウスのいずれについても、頭蓋内接種により毒性が減少する(Kotwal他、1989a)。上記の35kDaタンパク質は、ワクシニアウイルス感染細胞の培地にN1Lと同様に分泌される。このタンパク質は、補体コントロールタンパク質群、特に補体4B結合タンパク質(C4bp)に相同性である(Kotwal他、1988a)。細胞性C4bpと同様に、ワクシニアの35kDaタンパク質は補体の第4成分と結合し、古典的補体カスケードを阻害する(Kotwal他、1990)。このように、ワクシニアの35kDaタンパク質は、該ウイルスが宿主の防御機構を回避するのを助けることに関与しているものと考えられる。
ワクシニアゲノムの左末端は、宿主範囲遺伝子として同定された2つの遺伝子、K1L(Gillard 他、1986)およびC7L(Perkus他、1990)を含む。これらの遺伝子の双方が欠失すると、各種のヒト細胞系でワクシニアウイルスの増殖能が減少する(Perkus他、1990)。
本来的に宿主が制限されているポックスウイルスであるアビポックスウイルスを使用することに関する2つの付加的なワクチンベクター系がある。すなわち、ファウルポックスウイルス(FPV:fowlpoxvirus)およびカナリアポックスウイルス(CPV:canarypoxvirus)の両者を操作して外来遺伝子産生物を発現させてきた。ファウルポックスウイルス(FPV)は、ポックスウイルス科のアビポックス(Avipox)属の原型ウイルスである。このウイルスは、家禽類に経済的に重要な疾病を引き起こすが、1920年代から弱毒化生ワクチンを使用することにより良好な対策が講じられてきた。アビポックスウイルスの複製は鳥類に限られ(Matthews、1982)、ヒトを含む非鳥類においてアビポックスウイルスの感染が起こったという文献の報告は存在しない。このように宿主が制限されているので、他の種にウイルスが伝染することに対する本質的な安全性が確保され、アビポックスウイルス由来のワクチンベクターは魅力ある手段として獣医学やヒト用途へ応用される。
FPVは、家禽類病原体由来の抗原を発現する優れたベクターとして使用されてきた。毒性トリインフルエンザウイルスの血球凝集素タンパク質がFPV組換体で発現された(Taylor他、1988a)。この組換体をニワトリおよび七面鳥に接種すると、同種または異種のビルレントインフルエンザウイルスのいずれの免疫性テストに対しても防御能のある免疫応答が誘起された(Taylor他、1988a)。ニューカッスル病ウイルスの表面糖タンパクを発現するFPV組換体も開発された(Taylor他、1990;Edbauer 他、1990)。
宿主制限によりFPVおよびCPVの複製はトリ系に限られているにも拘わらず、これらのウイルスから誘導された組換体は、非トリ供給源細胞において外来遺伝子を発現することが見出された。さらに、そのような組換体ウイルスは、該外来遺伝子産生物に対する免疫応答を引き起こし、場合によっては、相応する病原体による免疫性テストに対する防御能を有することが示された(Tartaglia 他、1993a,b ;Taylor他、1992;1991b ;1988b)。
ネコ感染性腹膜炎ウイルス(FIPV)は、国内および外国のネコ等のネコにおける慢性、進行性で、免疫学的に媒介される病気である。FIPV感染の経路は主に口腔および咽頭を通して発生すると考えられている。臨床的に明白なFIPは、ウイルスが粘膜バリアを越えた後に生じ、第1次ウイルス血症により、FIPVが多くのその標的器官(肝臓、脾臓、腸および肺)へ送られる。2つの病気の型が、発露(ウエット)および非発露(ドライ)として記述されている。発露型は、感染したネコにおいて見られる、補体の活性化と強度の炎症反応によって仲介されたアルツス型脈管炎によって引き起こされた古典的液体蓄積という結果となる。非発露型は、腹水液体蓄積が僅かであるかまたは無いが内部器官は粒状繊維状堆積物により膨張していることがある、という特徴を有する。これまでは、FIPV感染に反応して生成された抗体(主にスパイクタンパク質に対するもの)は、病気の病原性を促進させる傾向にあり、ワクチンまたは免疫学的組成物中には明らかに望まれてはいなかった(Olsen and Scott,1991)。(しかしながら、そのようなタンパク質の組換体による発現および組換体それら自身は、抗原またはそれ由来の抗体のためのキット、テストまたはアッセイまたはそのようなものが要望される場合には有用である)。
FIPVはコロナウイルス科のメンバーである。コロナウイルスは大型の、ゲノム長27−30kbの陽性鎖RNAウイルスである。ウイルス粒子は覆われており、スパイクと呼ばれるポリマー性構造がちりばめられている。FIPVゲノムの左半分は小さい断片に分解されるラージポリプロテインをコードしており、それらのうちのいくつかはRNA複製に関与している。FIPVゲノムの右半分は、ヌクレオキャプシド(N)、マトリックス(M)、およびスパイク(S)と称する3つの主要な構造タンパク質をコードしている。FIPV S遺伝子産物は、ウイルスの細胞レセプターへの取付を仲介し、膜融合の引き金となり、ウイルス中性化抗体を誘導する。Nタンパク質は、RNAゲノムのキャプシド化(encapsidating)およびそのキャプシドへの取り込みの指示に必要であり、RNA複製に関与していると考えられている。FIPV M糖タンパク質は、FIPウイルス成熟に関して、およびウイルス粒子が集合するサイトの決定に関して重要であるように見受けられる(Spann 他、1988)。
FIPのネコにおける抗体依存促進(ADE)のため、FIPVに対する安全で有効なワクチンまたは免疫学的組成物は概ね不成功に終わっていた。不活性化されたFIPVワクチンおよび異種生コロナウイルスワクチンは、FIPV感染に対する如何なる防御をも可能とはせず、ワクチン接種は通常、病気に対する感作を増加されるという結果に終わった。改変生ウイルスワクチン、プリムセル(Primucell)は最初で唯一の市販されたFIPVワクチンである。プリムセルは鼻腔内の比較的低い温度においてのみ複製可能であるが全身の温度では可能ではないFIPV温度感受性株である(Gerber 他、1990)。これまで、鼻腔内投与されたプリムセルはFIPVに対する局在化された免疫を生じさせると考えられている。しかしながら、このワクチンの有効性および促進可能性に関する深刻な疑問は依然残っている(Olsen and Scott,1991)。
ワクシニアウイルスは、FIPV構造遺伝子を発現する組換体ウイルスの生成のためのベクターとして利用されてきている。FIP M遺伝子を発現する組換体はFIPVでの免疫性テストの後のネコの生存時間を増加させることが示された(Vennema 他、1990)。
Vennema他(1991)は、ネコ感染性腹膜炎ウイルスの膜の1次構造およびヌクレオキャプシドタンパク質遺伝子、および、子ネコに導入されたそれらの組換体ワクシニアウイルスに関するものである。Vennema他のFIPVマトリックス遺伝子は病原性株(79−1146)からクローン化され、その配列はマトリックス遺伝子(ここにおいて議論される)と同一であるように見受けられる。Vennema他の組換体vFMは、チミジンキナーゼ(tk)座に挿入された、ワクシニア7.5k初期/後期プロモーターと結合されたマトリックスのコード領域を含有している。このプロモーターが正確にマトリックスATG開始コドンに結合されておらず、むしろATCから位置48上流に結合されていることに注意されたい。また、マトリックス遺伝子のコード領域内に位置しているワクシニアT5NT初期転写終結シグナル(Yuen 他、1987)は除去されていない。
さらに、Vennema他のワクシニア株は、WR株である(Vennema他、328頁、左側縦段、最初の2行;また、同じ頁の左のカラムの中程から始まっている「FIPV MおよびNタンパク質を発現する組換体ワクシニアウイルスの構築」の部分において言及されているドナープラスミドおよび対照ウイルスは、明らかに、引用文献を通して、WR株が用いられていることを示していることを参照されたい)。株の選択は重要である。それはWR株が実験室用の菌株である(ワクチン菌株ではない)ため、および、最近の接触伝播の懸念により、子ネコ等のネコ、またはヒト、特に子供または免疫抑制個体と接触している他の動物(このような「他の動物」は、抗原発現のため、またはキット、テストまたはアッセイの作成のための抗体生成のための実験室用細胞培養または動物であり得る)を標的としたワクチンまたは抗原性または免疫的組成物などの組成物における組換体はいうまでもなく、ヒトと接触する可能性のあるベクターとして今のところは許容可能とはしていないWR株の毒性のためである。
このように、Vennema他の記事は本発明の組換体、組成物および方法を教示または示唆してはいない。
より特定的には、本発明の組換体は好ましくはNYVACまたはベクターを使用している(NYVACおよびALVACはBSL1汚染レベルを有する高度に弱毒化されたベクターである)。
さらに、本発明の構築物においては、好ましくはコード領域は、介在配列無しにATGコドンへの厳密な結合によりプロモーターに結合されている。(いずれかのT5NT配列が、ポックスウイルスベクターにおいてアミノ酸配列を変化させないが初期転写終結を防いでいる塩基置換によって不活性化されていても良い)。さらに、複数の、例えば2つの、プロモーターに直接結合されたコード領域のコピーが、本発明の各々の組換体ウイルスゲノム中に存在しても良い。
Vennema他の効率試験では、第0日および第21日にそれぞれ1x10および5x10pfuで皮下ワクチン接種されたSPF子ネコ(生後13−14週)を用いた。第35日にネコを、FIP株79−1146で経口で免疫性テストした。
ここにおいての手順は、より低いワクチン接種量(1x10)という主な違いはあるが同様であった。Vennemaの防御の結果はvFMでワクチン接種された8匹のネコのうちの3匹が生存した死亡率(37.5%)に基づいている。Vennema他は、ワクチン接種されていないネコ8匹のうち7匹が免疫性テストを受けて倒れ死亡したことを免疫性試験として十分であるとしている。剖検において、Vennemaでは、vFMワクチン接種された3匹の生存したネコを含めた全ての免疫性テストを受けたネコが、内蔵に腹膜溢出および肉芽腫性外傷を含むFIP感染の病原性兆候を有していた。
これとは対照的に、ここにおける試行はより厳密であった。ここにおいて、出願人は、生存し、剖検においてFIP病原を有していないことを防御として評価した。この判断基準を用いて、本出願人はワクチン接種されていないネコの0%が防御された条件で5匹のうち3匹を防御した。Vennemaの結果を本出願人の基準で評価すると、Vennemaでは防御が得られず、従ってワクチンとしての使用に好適な組換体も得られていない。さらに、Vennemaにおいては、免疫性テストを受けた全てのネコにおいて熱および体重減少が見られた。本出願人の試行においては、投与後に体重減少も低温の発熱反応すらも見られなかった(特に試行3を参照)。
このように、本発明の組換体は、全ての利用のために許容可能であるベクターおよびVennema他のワクシニア組換体と比較してより低い用量で驚異的に高い防御レベルを採用している。
S遺伝子に対するモノクローナル抗体を用いた最近の研究により(Olsen 他、1992)、ウイルスを中性化するmAB群もまたADEを引き起こすことが示された。マトリックスまたはヌクレオキャプシドタンパク質に対するmAB群に関しては促進は見られなかった。
このように、本発明の以前には、ポックスウイルス−FIPV組換体、特に許容できるベクターを用いた組換体であって確実に防御を可能とする低い用量での発現を有する組換体の需要があった;そして、そのような組換体を含む組成物に対する需要、並びに、それらの製造および使用方法に対する需要があった。さらには、このポックスウイルス−FIPV組換体が弱毒化されるよう改変されるかどうか、例えば、NYVAC−FIPVまたはALVAC−FIPV組換体等の弱毒化されたワクシニアウイルス−FIPVまたはアビポックス−FIPV組換体はまったく驚異的で予想されてはいなかった;例えば弱毒化および宿主中でのポックスウイルスの生産的複製を減少されているかまたは欠失していることから、弱毒化組換体の有用性、特にネコその他の宿主のための組成物においての、さらに特にネコにおける防御を含む反応を提供する組成物においての有用性を当業者は予想しなかったであろうし、それに驚かされるであろう。
弱毒化ポックスウイルスベクターは抗原的またはワクチン組成物のために、特に、意図された宿主に関して、または、例えばベクターまたは抗原の調合または投与に関わる者、またはそれ以外にそれらと接触する機会のある者等の潜在的、偶発的な意図されていない宿主に関して病原性特性をもたらさないという観点から非常に有用である。即ち、ネコ、子ネコおよびそのようなもの等の意図された宿主、および、意図されていない宿主、例えば、投与のための組成物中へのベクターの配合、または組成物の投与に従事している人(獣医師、技術者、その他の労働者等)、またはそれ以外にベクターと接触する機会のある者(ペットのオーナー等)に弱毒化されたポックスウイルスがもたらす病原性は、減少された、または僅かであるか、または無である。
米国特許第4,769,330号公報 米国特許第4,772,848号公報 米国特許第4,603,112号公報 米国特許第5,100,587号公報 米国特許第5,179,993号公報
このように、FIPV組換体ポックスウイルスおよびそれ由来の産物、特にNYVACまたはALVACベースの、FIPV組換体および組成物およびそれら由来の産物、およびそれ由来の組成物および産物を供給することは、現在の技術水準を超える高度に好ましい前進であろう。
したがって、本発明の目的は、安全性の向上した改変組換体ウイルスを提供すること、およびそのような組換体ウイルスを製造する方法を提供することにある。
本発明の付加的な目的には、組換体ポックスウイルス−FIPV、該組換体を含む組成物、該組換体由来または該組成物由来の抗原(群)、組換体と組成物の製造方法、例えば、投与または感染によるインビボまたはインビトロでの発現のための使用等の、組換体と組成物の使用方法が含まれる。好ましくは、ポックスウイルス−FIPV組換体組成物は抗原性またはワクチンまたは免疫性組成物である(即ち、抗原を発現する組換体、または抗原の発現からの産物を含む組成物)。
本発明のさらなる目的は、既知の組換体ポックスウイルスワクチンと比較して安全性のレベルが増大した免疫組成物または組換体ポックスウイルス抗原ワクチンを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、ベクターが宿主中において弱毒化された毒性を有するように改変されている、宿主中において遺伝子産生物を発現する改変ベクターを提供することにある。
本発明の別の目的は、安全性のレベルが増大した改変組換体ウイルスまたは改変ベクターを用いて、インビトロで培養された細胞中で遺伝子産生物を発現する方法を提供することにある。
1つの側面において、本発明は、組換体ウイルスが減衰された毒性と促進された安全性を有するように、ウイルスにコードされた遺伝的機能が不活性化された改変組換体ウイルスに関する。その機能とは、非必須かまたは毒性に関連したものであり得る。ウイルスは、有利には、ポックスウイルス、特にワクシニアウイルス、または、ファウルポックスウイルスおよびカナリアポックスウイルス等のアビポックスウイルスである。改変組換体ウイルスは、ウイルスゲノムの非必須領域内に、FIPVから派生された抗原またはエピトープをコードしている異種DNA配列を有していても良い。
別の側面においては、本発明は、その組成物が接種された宿主動物において抗原性または免疫性または防御反応を誘導するための抗原性、免疫性またはワクチン組成物または治療組成物であって、そこにおいて当該組成物は担体と改変組換体ウイルスであって当該組換体ウイルスが減衰された毒性および促進された安全性を有するように非必須ウイルスコード遺伝子領域を不活性化されているものを含有しているものに関する。本発明に従った組成物において用いられているウイルスは、有利には、ポックスウイルス、特にワクシニアウイルス、または、例えばファウルポックスウイルスおよびカナリアポックスウイルス等のアビポックスウイルスである。改変組換体ウイルスは、ウイルスゲノムの非必須領域内に、FIPVから派生された等の抗原タンパク質をコードしている異種DNA配列を有していても良い。組成物は、FIPV抗原(群)をコードし発現する組換体または単離された抗原(群)を含有していても良い。
さらに別の側面においては、本発明は、前述の組換体または組成物を用いる方法に関する;例えば、FIPV抗原(群)に対するインビボ反応を得ることである。この方法は、キット、アッセイおよびそのような物のための抗体の製造のために、ネコまたは実験動物等(ラット、マウス、ジャービルまたはそのような物等のげっ歯類等)の他の宿主に組換体または組成物を投与することを含んでも良い。
さらなる側面においては、本発明は、減衰された毒性と促進された安全性を有する改変組換体ウイルスを細胞中に導入することによりインビトロで遺伝子産物を発現させるための方法に関する。改変組換体ウイルスは、ウイルスゲノムの非必須領域内に、FIPVウイルスから派生された抗原タンパク質をコードしている異種DNA配列を有していても良い。産物は続いて、免疫反応を刺激するためにネコまたはネズミ等の個体に投与可能である。生成された抗体は個体内でFIPVの防御または治療に有用であり得、そして、個体または動物由来の抗体または単離されたインビトロ発現産物は、狂犬病や他の疾患またはそれ由来の抗原またはそれに対する抗体の、血清などの試料における存在または不在(および、それ故、ウイルスまたはその産物またはウイルスまたは抗原に対する免疫反応の存在または不在)を決定するためのウイルス診断キット、アッセイまたは試験のために利用可能である。
またさらなる側面においては、本発明は改変組換体ウイルスおよびそのような物を含む組成物に関する。該組換体ウイルスは、ウイルスにコードされている非必須遺伝子機能が不活化されていることにより毒性が弱毒化されており、さらに、ウイルスゲノムの非必須領域に外来源のDNAを含有している。このDNAは、FIPV抗原(群)をコードしていても良い。さらに詳述すれば、遺伝子機能は、毒性因子をコードするオープンリーディングフレームを欠失させることにより、または、自然の宿主制限ウイルスを利用することによって不活化されている。本発明に用いるウイルスは、ポックスウイルスが有利であり、特にワクシニアウイルスまたはアビポックスウイルス、例えばファウルポックスウイルスまたはカナリアポックスウイルスである。オープンリーディングフレームは、J2R、B13R+B14R、A26L、A56R、C7L−K1L、およびI4L(Goebel他による1990a,b の報告における名称による)から成る群、ならびにそれらの組合せにより選択されるのが好ましい。ここで、オープンリーディングフレームは、チミジンキナーゼ遺伝子、出血性領域、A型封入体領域、血球凝集素遺伝子、宿主範囲遺伝子領域もしくはリボヌクレオチドレダクターゼのラージサブユニット、またはそれらの組合せを含むゲノム領域から成る。ワクシニアウイルスの好適な改変Copenhagen株は、NYVACとして同定されたものであり( Tartaglia 他、1992)、または、J2R、B13R+B14R、A26L、A56R、C7L−K1LおよびI4Lまたはチミジンキナーゼ遺伝子、出血性領域、A型封入体領域、血球凝集素遺伝子、宿主範囲領域、リボヌクレオチドレダクターゼのラージサブユニットが欠失されたワクシニアウイルスである(米国特許第5,364,773 号も参照されたい)。他の好適なポックスウイルスは、ALVACであり、カナリアポックスウイルス( Rentschlerワクチン株)が、例えば、ニワトリ胚繊維芽細胞による200 回を超える継代培養により弱毒化され、そのマスター種株が寒天培地下の4回の連続的なプラーク精製に供された後、5回の追加の継代培養によりプラーククローンが増幅されたものである。
本発明は、さらに別の態様として、本発明によるポックスウイルス−FIPV組換体の発現産生物およびその使用、例えば、ネコ等の動物等の宿主への投与、または治療、予防、診断または試験のための、または防御または反応のための投与のための抗原性、免疫性またはワクチン組成物の調製、およびそのような組成物の使用方法に関する。FIPV抗原(群)、またはFIPV抗原群をコードしているDNAは、M、N、および3つのバージョンのS;S1、S2、S3またはM+N等のそれらの組合せをコードしていても良い。
本発明(組換体、組成物および方法および使用)は、NYVACおよびALVAC組換体、特にNYVAC−およびALVAC−FIPV組換体は、弱毒化されているにもかかわらず、驚くべき発現を有し、その発現は感受性宿主において真正の防御的反応を付与するものであるという発見に基礎を見いだしている。
これらの態様およびその他の態様は、以下の詳細な説明によって提供され、それより明らかであろう。
新しいワクシニアワクチン菌株NYVAC(vP866)を開発するために、ワクシニアウイルスのコペンハーゲンワクチン菌株を、既知または潜在的な毒性要因をコード化するゲノムの6つの非必須領域の欠失により改変した。一連の欠失が以下詳細に記載されている(米国特許第5,364,773号を参照されたい)。ワクシニア制限断片、オープンリーディングフレームおよびヌクレオチド位置の全ての指定は、Goebel等, 1990a,bに報告されている用語法に基づいている。
欠失座もまた、異種遺伝子を挿入するための受容体座として設計された。
NYVAC中で欠失された領域が以下に列記されている。欠失された領域の省略形およびオープンリーディングフレームの命名(Goebel等,1990a,b)並びに指定された欠失により全ての欠失を含有するワクシニア組換体(vP)の命名もまた列記されている:
(1) チミジンキナーゼ遺伝子(TK;J2R)vP410;
(2) 出血性領域(;B13R+B14R)vP553;
(3) A型封入体領域(ATI;A26L)vP618;
(4) 血球凝集素遺伝子(HA;A56R)vP723;
(5) 宿主範囲遺伝子領域(C7L−K1L)vP804;および
(6) リボヌクレオチドレダクターゼラージサブユニット(I4L)vP866(NYVAC)。
NYVACは、毒性および宿主範囲に関連する遺伝子産生物を含む遺伝子産生物をコードする18のオープンリーディングフレームを特異的に欠失させることにより遺伝子工学的手法で得られたワクシニアウイルス株である。NYVACは高度に弱毒化されるが、このことは以下のような多くの特徴からも判る:i)新生マウスに脳内接種後の毒性が減少されていること、ii) 遺伝学的に(nu+ / nu+ )または化学的(シクロホスホアミド)に免疫無防備状態であるマウスにおける接種可能であること、iii)免疫無防備状態マウスにおいて、播種性感染を起こさないこと、iv) ウサギ皮膚の顕著な硬化や潰瘍形成がなくなること、v)接種部位から迅速に消散すること、vi) 多くの組織培養細胞系統(ヒト由来のものを含む)において複製能が激減していること。これにも拘わらず、NYVACに基づくベクターは、外来性免疫原に対して優れた応答を誘起し防御免疫を提供する。
TROVACとは、弱毒化ファウルポックスであって、ニワトリへのワクチン接種がライセンスされているファウルポックスウイルスFP−1ワクチン株からプラーククローンされた単離体である。ALVACは、弱毒化カナリアポックスを基礎とするベクターであり、ライセンスされているカナリアポックスワクチンKanapox(Tartaglia 他、1992)からプラーククローンにより得られたものである。ALVACの一般的性質には、Kanapoxの一般的性質と同じものがある。外来性免疫原を発現するALVAC系組換体ウイルスは、ワクチンベクターとしても有効であることが示されている(Tartaglia 他、1993a,b)。このアビポックスベクターは、その複製がトリ類に限定されている。ヒトの培養細胞においては、ウイルスのDNA合成の前にウイルス複製サイクルの初期にカナリアポックスウイルスの複製は中断してしまう。しかしながら、外来性免疫原を発現するように操作すれば、哺乳動物細胞中でインビトロで真正な発現とプロセシングが認められ、多くの哺乳動物種に接種すると該外来性免疫原に対する抗体および細胞性免疫応答を誘発し、同種の病原体の免疫性テストに対する防御を与える(Taylor他、1992;Taylor他、1991)。カナリアポックス/狂犬病糖タンパク質組換体(ALVAC−RG)に関するヨーロッパおよび米国における最近のフェーズI臨床試験によれば、この試験ワクチンは、充分に受け入れられるものであり、防御レベルの狂犬病ウイルス中和抗体を誘起することが示された(Cadoz 他、1992;Fries 他、1992)。さらに、ALVAC−RG被接種者由来の末梢血単核細胞(PBMCs)は、精製狂犬病ウイルスで刺激すると有意レベルのリンパ球増殖を示した(Fries 他、1992)。
また、NYVAC、ALVACおよびTROVACは、以下の点において、あらゆるポックスウイルスの中でも独特であると考えられている。すなわち、米国公衆衛生局「NIH」(National Institutes of Health)の組換えDNA勧告委員会(Recombinant DNA Advisory Committee)は、ウイルスやベクターのような遺伝子材料の物理的封じ込めに関するガイドライン、すなわち、特定のウイルスやベクターの病原性に基づくそれらのウイルスやベクターの利用における安全な取扱に関するガイドラインを出しているが、この物理的封じ込めのレベルをBSL2からBSL1に下げることを認めた。ここで、他のいずれのポックスウイルスもBSL1の物理的封じ込めレベルを認められていない。ワクシニアウイルスのCopenhagen株(最も一般的な天然痘ワクチンである)ですら、これよりも高い物理的封じ込みレベル、すなわち、BSL2を有する。このように、当該分野においては、NYVAC、ALVACおよびTROVACは他の何れのポックスウイルスよりも病原性が低いことが認められている。
NYVAC、ALVAC、TROVACベクターの弱毒化特性およびそれらの示す外来免疫原に対する体液および細胞の両方の免疫学的反応を誘導する能力に明らかに基づいて(Tartaglia 他,1993a,b;Taylor 他,1992;Konishi 他,1992)、そのような組換体ウイルスは、以前に記述されたワクシニアベースの組換体ウイルスを超えためざましい利点を提供するものである。
本発明はポックスウイルス−FIPV組換体、好ましくはFIPV M、N、およびSの3つのバージョン;S1、S2、S3またはM+N等のそれらの組合せ、の何れかまたは全てをコードしている異種DNAを含んでいるNYVAC−またはALVAC−FIPV組換体を提供するものである。
組換体ポックスウイルス−FIPVまたはその発現産生物、組成物、例えば、免疫原性、抗原性もしくはワクチン組成物または治療組成物の投与手順は、非経口経路(皮内、筋肉または皮下)であっても良い。そのような投与により全身性免疫応答が可能となる。
さらに概説すれば、本発明に従うポックスウイルス−FIPV組換体、抗原性、免疫原性もしくはワクチンポックスウイルス−FIPV組換体組成物または治療組成物は、製薬または獣医の技術分野における当業者に周知の標準的な方法に従って調製することができる。それらの組成物は、特定の患者の年齢、性別、体重、種および症状、ならびに投与経路を考慮しながら、適当な投与量で獣医学または医学的分野の当業者に周知の方法に従って投与することができる。該組成物は、単独投与することもできるが、さらに、「他の」免疫原性、抗原性、ワクチンもしくは治療組成物と同時に、または、それらとともに特定の順序で逐次的に、動物または患者に投与することもでき、それにより本発明の、多価または「カクテル」または組合せ組成物、およびそれらを用いる方法が提供される。再び、成分および投与方法(逐次的または同時)並びに用量は、特定の患者の年齢、性別、体重および症状ならびに投与経路などの因子を考慮して決定できる。これに関し、ここに参考文献として取り込まれている、1995年6月7日に出願され、狂犬病組成物および組合せ組成物およびそれらの使用を標的としている米国特許出願番号第08/486969号を参照する。
本発明の組成物の例には、例えば、腔部(例えば、口、鼻、肛門、膣、経口、胃内など)投与用の液状製剤、例えば、懸濁液、シロップまたはエリキシル剤など;さらには、非経口、皮下、皮内、筋肉内または静脈内投与(例えば、注入投与)用製剤、例えば、無菌の懸濁液またはエマルジョンが含まれる。それらの組成物においては、組換体ポックスウイルスに、適当なキャリア、稀釈剤、または賦形剤、例えば無菌水、生理食塩水、ブドウ糖などを混合させてもよい。組成物は凍結乾燥されていても良い。組成物は、潤化またはエマルジョン化剤、pH緩衝剤、アジュバント、ゲル化または粘度増加添加物、保存剤、調味料、着色剤等の補助物質を、投与経路および所望の調製に応じて含んでいても良い。標準的なテキスト「REMINTON’S PHAMACEUTICAL SCIENCE」、第17版(ここに参考文献として取り込まれている)等が、過度の実験を行うことなく好適な調製物を調製するために参考にされるであろう。
さらに、本発明の組換体ポックスウイルスの発現産生物およびそれらを含む組成物を直接使用して、ヒトまたは動物における免疫応答を刺激することもできる。すなわち、上述の組成物における本発明の組換体ウイルスの代わりにまたはそれに加えて、該発現産生物を使用することができる。
さらに、本発明の組換体ポックスウイルスおよびそれに由来する発現産生物は、動物における免疫または抗体応答を刺激し、したがって該産生物は抗原である。これらの抗体または抗原から、当該技術分野で周知の手法により、モノクローナル抗体を調製することができ、そして、周知の抗体結合アッセイ系、診断キットまたはテストにおいてこれらのモノクローナル抗体または抗原を、特定のFIPV抗原(群)の有無、したがって、該ウイルスまたは抗原群の有無を測定したり、または、該ウイルスまたは抗原に対する免疫応答が単に刺激されたか否かを判定するための公知の結合アッセイ、診断キットまたは試験において用いることができる。これらのモノクローナル抗体または抗原は、免疫吸着クロマトグラフィーに使用されて、FIPV抗原(群)または本発明の組換体ポックスウイルスの発現産生物または本発明の組成物を回収したり単離することもできる。
モノクローナル抗体を製造する方法およびモノクローナル抗体の使用方法、ならびにFIPV抗原(本発明のポックスウイルスの発現産生物および組成物)の使用法などは当該技術分野における当業者には周知である。それらは、診断法、キット、テストまたはアッセイなどに使用されるとともに、免疫吸着クロマトグラフィーまたは免疫沈降反応による物質回収に使用され得る。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞により産生される免疫グロブリンである。モノクローナル抗体は、単一の抗原決定基に反応し、通常の血清由来の抗体よりも高い特異性を与える。さらに、多数のモノクローナル抗体にスクリーニングを行うことにより、所望の特異性、アビディディ(抗原結合力)およびイソタイプを有する個々の抗体を選択することができる。ハイブリドーマ細胞系は、化学的に同一の抗体の恒常的且つ安価な供給源となり、そして、そのような抗体の調製は容易に標準化できる。モノクローナル抗体を産生する方法は当該技術分野における当業者には周知であり、例えば、Koprowski,H 他による米国特許第4,196,265 号1989年4月1日査定)が参考文献としてここに取り込まれている。
モノクローナル抗体の用途も既知である。そのような用途の一つは診断法に利用するものであり、例えば1983年3月8日付でDavid,G.およびGreene,H. に付与された米国特許第4,376,110 号を引用しておく。モノクローナル抗体は、免疫吸着クロマトグラフィーにより物質を回収するのにも利用されており、例えば、Milstein,C. による「Scientific American 243 : 66, 70 (1980) 」を引用しておく。
さらに、本発明の組換体ポックスウイルスおよび組成物は、ここにおいて言及されたいくつかの用途を有する。本発明の実施態様としてはその他の用途もある。
本発明およびその多くの利点は、説明のために記載する以下の実施例から良好に理解されよう。
DNAクローニングおよび合成 標準的な方法により、プラスミドを構築し、スクリーニングし、増殖させた(Maniatis等,1982; Perkus等,1985; Piccini等,1987)。制限エンドヌクレアーゼは、メリーランド州、ゲイサースブルグのベセスダリサーチラボラトリーズ;マサチューセッツ州、ビバーリーのニューイングランドバイオラド;およびインディアナ州、インディアナポリスのベーリンガーマンハイムバイオケミカルズから得た。E.coliポリメラーゼのクレノー断片は、ベーリンガーマンハイムバイオケミカルズから得た。BAL−31エキソヌクレアーゼおよびファージT4 DNAリガーゼは、ニューイングランドバイオラボから得た。様々な供給者により指定された試薬を用いた。
合成オリゴデオキシリボヌクレオチドは、既述のように(Perkus他、1989)Biosearch 8750またはApplied Biosystems 380B DNA合成装置を用いて調製した。DNA配列決定は、既述の手法に従い(Guo 他、1989)シークエナーゼ(Sequenase)を用いて(Tabor 他、1987)ジデオキシ−チェインターミネーション法により(Sanger他、1977)行った。配列確認のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅(Engelke 他、1988)は、自動式Perkin Elmer Cetus DNA熱サイクル装置(DNA Thermal Cycler)によりカスタム合成オリゴヌクレオチドプライマーおよびGeneAmp DNA増幅試薬キット(米国コネチカット州Norwalk のパーキン・エルマー・シータス(Perkin Elmer Cetus)社製)を用いて実施した。制限エンドヌクレアーゼでの消化、それに続くBAL−31エキソヌクレアーゼによる限定的消化、および合成オリゴヌクレオチドを用いた突然変異法(Mandecki,1986)により、過剰DNA配列をプラスミドから除去した。
細胞、ウイルスおよびトランスフェクション ワクシニアウイルスのコペンハーゲン(Copenhagen)株の起源および培養条件については既に記述されている(Guo 他、1989;)。組換えによる組換体ウイルスの調製、ニトロセルロースフィルターを用いるインサイチュハイブリダイゼーションおよびβ−ガラクトシダーゼ活性を利用するスクリーニングについては既に記述されている(Piccini 他、1987)。
ワクシニアウイルスのコペンハーゲン(Copenhagen)株およびNYVACの起源および培養条件については既に記述されている(Guo 他、1989;Tartaglia他、1992)。組換えによる組換体ウイルスの調製、ニトロセルロースフィルターを用いるインサイチュハイブリダイゼーションおよびβ−ガラクトシダーゼ活性を利用するスクリーニングについては既に記述されている(Panicali 他,1982;Perkus 他,1989)。
NYVACは、ここに参考文献として取り込まれている米国特許第5364773号および許可された米国特許出願第105483号を参照し調製された。
カナリアポックスウイルスの親株(Rentschler株)はカナリアのワクシニア菌株である。このワクチン株は、野生型の単離体から得られ、ニワトリ胚繊維芽細胞を用いる200 回を超える継代培養を経て弱毒化されたものである。そのマスターウイルス種株は寒天を用いたの4回の連続的なプラーク精製に供され、そのプラーククローンの1つが5回の追加の継代培養により増幅され、その後、このストックウイルスが親ウイルスとしてインビトロ組換え試験に使用されてきた。このプラーク精製カナリアポックス単離体をALVACと称する。
FP−1と称するファウルポックスウイルス(FPV)株については既に明らかにされている(Taylor他、1988a)。これは、日齢のニワトリのワクチン接種に有用な弱毒化ワクチン株である。親ウイルス株Duvette は、フランスにおいてニワトリからファウルポックス疥癬として入手された。このウイルスが胚ニワトリ卵での約50回の連続的な継代培養およびそれに続くニワトリ胚繊維芽細胞における25回の継代培養により弱毒化された。該ウイルスは4回の連続的なプラーク精製に供された。プラークの1つが単離され、初期CEF細胞中で増幅され、TROVACと称するストックウイルスが確率された。
NYVAC、ALVACおよびTROVAC各ウイルスベクターおよびそれらの派生体が既に記述されている(Piccini 他、1987;Taylor他、1988a,b)とおりに増殖させた。ベロ(Vero)細胞およびニワトリ胚繊維芽細胞(CEF)を既に明らかにされているとおりに(Taylor他、1988a,b)増殖させた。
実施例1−ALVACベースのFIPV組換体の生成
1.ネコ感染性腹膜炎ウイルス(FIPV)マトリックス糖タンパク質遺伝子オープンリーディングフレームを発現するALVAC組換体(vCP262)の生成
79−1146FIPV株をDr.F.Scott(Cornell大学、Ithaca、NY)より入手した。FIPV感染CRFK細胞から全RNAを、Chirgwin他(1979)のグアニジウムイソチオシアネート−塩化セシウム手順を用いて単離した。第1鎖cDNAを、AMV逆転写酵素およびランダムオリゴヌクレオチドプライマー(6マー)を用いてWatson and Jackson(1985)の手順により合成し、FIPV陽性鎖mRNAに相補的な1本鎖cDNAを得た。
マトリックス遺伝子(M)を、第1鎖cDNAから、オリゴヌクレオチドプライマーRG739(配列番号1)(5’−TAAGAGCTCATGAAGTACATTTTGCT−3’)およびRG740(配列番号2)(5’−ATTGGTACCGTTTAGTTACACCATATG−3’)を用いて増幅した。これらのプライマーはGenBank配列COFIPVMN(預託番号X56496)(Vennema 他、1991)から派生された。この800bpPCR断片をAsp718/SacIで消化し、ゲル精製し、Asp718/SacIで消化されたpBluescript SK+中に連結し、pBSFIPMを得た。M遺伝子ORFは配列決定され、図1に示されている(配列番号3)。
pBSFIPMをGM48(dam−)細胞中に形質転換し、ジメチル化されたプラスミドを単離した(pBSFIPM−demeth)。330bpのPCR断片を、オリゴヌクレオチドRG751(配列番号4)(5’-TCTGAGCTCTTTATTGGGAAGAATATGATAATATTTT-GGGATTTCAAAATTGAAAATATATAATTACAATATAAAATGAAGTACATTTTGCT-3’)およびRG752(配列番号5)(5’-CACATGATCAGCATTTTAATGCCATAAACGAGCCAGCTAAA-TTGTGGTCTGCCATATTG TAACACTGTTATAAATACAATC-3’)を用いてpBSFIPMから増幅し、SacI/BclIで消化した。この断片をゲル精製し、BclIで消化されたpBSFIPM(demeth)中に連結し、pFIPM42Kを得た。85bp断片を、オリゴヌクレオチドRG749(配列番号6)(5’-TCCGAGCTCTAATTAATT-AACGAGCAGATAGTCTCGTTCTCGCCCTGCCTG-3’)およびRG750(配列番号7)(5’-TACGAGCTCAAGCTTCCCGGGTTAATTAATTAGTCATCAGGCAGGGCGAGAACG-3’)からPCRダイマーとして生成した。この断片をSacIで消化し、SacIで消化されたpFIPM42K中に連結し、pFIPM42KVQを得た。このプラスミド構築物は、エントモポックス42Kプロモーター(配列番号8)(5’-TTTATTGGGAAGAATATGATAATATTTTGGG-ATTTCAAAATTGAAAATATATAATTACAATATAAA-3’)と結合された完全FIPVマトリックスORF(変異T5NT早期転写停止コドン有り)から成る発現カセットを有している。T5NT配列は、それ自身がもはや早期転写停止シグナルとして機能せず、またアミノ酸は変化しないように改変されている。このカセットはpFIPM42KVQをAsp718/HindIIIで消化することにより切り出され、950bpの断片として単離される。この断片の末端をクレノーポリメラーゼを用いて平滑化し、SmaI消化されたALVAC C5座挿入プラスミドpNC5LSP−5と連結した。その結果得られるドナープラスミドpC5FIPM42Kを、DNA配列分析で確認した。それは、ALVAC C5挿入座の左および右腕が隣接している、ATGでFIPVマトリックスORFに結合されたエントモポックス42Kプロモーターを有している(図2(配列番号9))。
ドナープラスミドpC5FIPM42Kを、ALVACウイルスベクターとともにインビボ組換え(Piccini他、1987)において用い、組換体ウイルスvCP262を生成した。
vCP262を感染させたVERO細胞の放射性標識破砕物を、15A9.9と称するFIPマトリックス特異的モノクローナル抗体(Olsen他、1992)を用いて免疫沈降分析することにより、30kDaのポリペプチドバンドの発現が示された。これはM遺伝子産物の期待される大きさと一致している。さらに、このバンドはFIPV感染細胞から免疫沈降されたバンドと共に移動する。同じモノクローナル抗体を用いた蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)分析により、この発現されたタンパク質は感染細胞の細胞質に局在化されることが判明した。
2.FIPVヌクレオキャプシド遺伝子オープンリーディングフレームを発現するALVAC組換体(vCP261A)の生成
FIPVヌクレオキャプシド遺伝子(N)を、第1鎖cDNA(上記1に記載)をテンプレートとして、およびプライマーRG741(配列番号10)(5’−TAAGAGCTCATG−GCCACACAGGGACAA−3’)およびRG742(配列番号11)(5’−TATGGTACCTTA−GTTCGTAACCTCATC−3’)を用いてPCRにより増幅した。これらのプライマーはGenBank配列COFIPVMN(預託番号X56496)(Vennema 他、1991)から派生された。この1150bpPCR断片をAsp718/SacIで消化し、ゲル精製し、Asp718/SacIで消化されたpBluescript SK+中に連結し、pBSFIPNを得た。N遺伝子ORFは配列決定され、図3に示されている(配列番号12)。
ワクシニアI3Lプロモーター(配列番号13)(5’-TGAGATAAAGTGAAAATATATATCATTATATTACAAAGTACAATTATTTAGGTTTAATC-3’)(Schmitt and Stunnenberg、1988)をN ORFのATGに以下のように連結した。370bpのPCR断片を、オリゴヌクレオチドプライマーRG747(配列番号14)(5’-CATCAGCATGAGGTCCTGTACC-3’)およびRG748(配列番号15)(5’-TAAGAGCTCTGAGATAAAGTGAAAATATATA-TCATTATATTACAAAGTACAATTATTTAGGTTTAATCATGGCCACACAGGGACAA-3’)を用いてpBSFIPNをテンプレートとしてPCRにより増幅した。この断片をSacI/PPuMIで消化し、SacI/PPuMIで消化されたpBSFIPN中に連結し、pFIPNI3Lを得た。85bpの断片を、オリゴヌクレオチドRG749(配列番号6)(5’-TCCGAGCTCTAATTAATTAACGAGCAGATAGTCTCGTTCTCGCCCTGCCTG-3’)およびRG750(配列番号7)(5’-TACGAGCTCAAGCTTCCCGGGTTAATTAATTAGTCATCAGGCAGGGCGAGAACG-3’)からPCRダイマーとして生成した。この断片をSacIで消化し、SacIで消化されたpFIPNI3L中に連結し、pFIPNI3LVQを得た。このN遺伝子発現カセット(I3LプロモートされたN)は、pFIPNI3LVQをAsp718/HindIIIで消化することにより1300bpの断片として切り出された。この断片の末端をクレノーポリメラーゼを用いて平滑化し、SmaI消化されたC3座挿入プラスミドpSPCP3LSA(以下を参照)と連結した。その結果得られるドナープラスミドpC3FIPNI3Lを、DNA配列分析で確認した。それは、ALVAC C3挿入座の左および右腕が隣接している、FIPV N遺伝子ORFに結合されたワクシニアI3Lプロモーターを有している(図4(配列番号16))。
このドナープラスミドpC5FIPNI3Lを、ALVACウイルスベクターとともにインビボ組換え(Piccini他、1987)において用い、組換体ウイルスvCP261Aを生成した。
vCP261Aを感染させたVERO細胞の放射性標識破砕物を、17B7.1と称するFIPヌクレオキャプシド特異的モノクローナル抗体(Olsen他、1992)を用いて免疫沈降分析することにより、45kDaのポリペプチドバンドの発現が示された。これはN遺伝子産物の期待される大きさと一致している。さらに、このバンドはFIPV感染細胞から免疫沈降されたバンドと共に移動する。同じモノクローナル抗体を用いたFACS分析により、このvCP261A由来の発現されたタンパク質は感染細胞の細胞質に局在化されることが判明した。
3.FIPVマトリックスおよびヌクレオキャプシドオープンリーディングフレームの両方を発現するALVAC組換体(vCP282)の生成
エントモポックス42Kプロモーターに結合されたFIPVマトリックス遺伝子ORFを含むプラスミドpC5FIPM42K(図2、配列番号9)を、ALVAC−FIP−N組換体(vCP261A)(上記2に記載)とともにインビボ組換え(Piccini他、1987)において用い、二重組換体vCP282を生成した。この組換体は、C5座に挿入されたFIPV M遺伝子ORF(42Kプロモーター)およびC3座に挿入されたFIPV N遺伝子ORF(I3Lプロモーター)を有している。
vCP282を感染させたVERO細胞の放射性標識破砕物を、15A9.9(Olsen他、1992)と称するFIPマトリックス特異的モノクローナル抗体を用いて免疫沈降分析することにより、30kDaのポリペプチドバンドの発現が示され、一方で17B7.1と称するFIPヌクレオキャプシド特異的モノクローナル抗体を用いて免疫沈降分析することにより、45kDaのポリペプチドバンドの発現が示された。このことはMおよびN遺伝子産物の期待される大きさと一致している。さらに、両方のバンドはFIPV感染細胞から免疫沈降されたバンドとともに移動した。同じモノクローナル抗体を用いた蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)分析により、これらの発現されたタンパク質は感染細胞の細胞質に局在化されることが判明した。
4.完全FIPV スパイク糖タンパク質遺伝子ORFを発現するALVAC組換体(vCP281)の生成
FIPVスパイク遺伝子(S)を、第1鎖cDNAテンプレート(上記1に記載)から3つの部分でPCR増幅により得た。PCRプライマーを、Genbank配列COFIPE2(預託番号X06170)(De Groot他、1987)に基づいて合成した。5’末端はオリゴヌクレオチドプライマーJP53(配列番号17)(5’−CATCATGAGCTCATGATTGTGCTCGTAAC−3’)およびJP77(配列番号18)(5’−AACAGCCGCTTGTGCGC−3’)を用いて増幅させた。単離した1630bp断片をSacI/HindIIIで消化し、SacI/HindIIIで消化されたpBluescript SK+中に連結し、pBSFIP−SAを得、これをDNA配列分析で確認した。
Sの中間部分を、オリゴヌクレオチドプライマーJP84(配列番号19)(5’−CTTGGTATGAAGCTTAG−3’)およびJP85(配列番号20)(5’−GGTGACTTAAAGCTTGC−3’)を用いてPCRによって増幅した。単離した1715bp断片をHindIIIで消化し、HindIIIで消化されたpBluescript SK+中に連結した。2つのクローン、pKR5およびpKW13を配列決定したが、エラー(GenBank配列COFIPE2に基づく)を異なった位置に有していることが判明した。これらのPCRエラーを修正するため、pKW13の部分をpKR5のサブ断片で以下のように置換した。pKR5をClaIで消化し、クレノーポリメラーゼで平滑化し、BstEIIで消化し、単離した750bp断片を、SmaI/BstEIIで消化したpKR13中に連結した。その結果得られたプラスミドpBSFIP−MIIを、DNA配列決定で確認した。
Sの3’部分を、オリゴヌクレオチドプライマーJP71(配列番号21)(5’−TAATGATGCTATACATC−3’)およびJP90(配列番号22)(5’−CATCATGGTACCTTAGTGGACATGCACTTT−3’)を用いてPCRにより増幅させた。単離した1020bp断片をHindIII/Asp718で消化し、HindIII/Asp718で消化したpBluescript SK+中に連結させ、pBSFIPS−Cを得、DNA配列分析により確認した。
79−1146株cDNAから派生されたFIPV スパイク遺伝子の完全DNA配列は図5に示されている(配列番号23)。
スパイクORFは3つのT5NT早期転写停止シグナルを含んでいる。2つをPCRを介して変異を導入することにより中間部分から除去した。330bpのPCR断片をpBSFIPS−MIIから、オリゴヌクレオチドプライマーRG757B(配列番号24)(5’-CATTAGACTCTGTGACGCCATGTGATGTAA-GCGCACAAGCGGCTGTTATCGATGGTGCCATAGTTGGAGCTATGACTTCCATTAACAGT-GAACTGTTAGGCCTAACACATTGGACAACGACACCTAATTTCTATTAC-3’)およびRG758B(配列番号25)(5’-CATTAGACTGTAAACCTGCATGTATTCAACTTG-CACAGATATTGTAAAATTTGTAGGTATCGTGACATTACCAGTGCTAATTGGTTGCACGT-CTCCGTCAGAATGTGTGACGTTAATAAATACCAAAG-3’)を用いて増幅し、HgaI/BspMIで消化し、HgaI/BspMI消化されたpBSFIPS−MII中にクローン化しpMJ5を得た。pMJ5の配列分析により、33bpの欠失が明らかとなったが、これは250bpのStuI/BspMI断片を、オリゴヌクレオチドプライマーRG758B(配列番号25)およびJP162(配列番号26)(5’-GTGAACTGTTAGGCCTAACACA-TTGGACAACGACACCTAATTTCTATTAC-3’)を用いてpBSFIPS−MIIから増幅した断片で置き換えることにより修正した。単離された断片をStuI/BspMIで消化し、StuI/BspMI消化されたpMJ5中にクローン化してpNR3を得た。このプラスミドは位置2384に塩基の変化を有していたが、これをU.S.E変異キット(Pharmacia)を用いて修正し、pBSFIPS−MIIDIIを得た。このプラスミドは、正しいアミノ酸配列を維持する一方で変化されたT5NT配列および新しく導入されたClaIおよびStuサイトを有するところのS遺伝子の中間部分を含んでいる。
ワクシニアウイルスH6プロモーター(配列番号27)(5’-TTCTTTATTCTATACTTAAAAAGTGAAAATAAATACAAAGGTTCTTGA-GGGTTGTGTTAAATTGAAAGCGAGAAAAAAAATAATCATAAATTATTTCATTATCGCG-ATATCCGTTAAGTTTGTATCGTA-3’)(Perkus 他、1989)をS遺伝子のATGに結合させるために、以下のことを実行した。pBSFIPS−A(S遺伝子の5’部分)から、オリゴヌクレオチドプライマーRG755(配列番号28)(5’−CTTGTATGCATTCATTATTTG−3’)およびRG756(配列番号29)(5’-TCCGAGCTCGATATCCGTTAAGTTTGTATCGTAATGATTGTGCTCGTAAC-3’)を用いたPCR断片として増幅されたS遺伝子に、H6プロモーターの3’末端を結合した。100bpの断片をSacI/NsiIで消化し、SacI/NsiIで消化されたpBSFIPS−Aに連結させ、pBSFIPS−AH6を得た。
5’部分のスパイク遺伝子部分のT5NTをアミノ酸配列を変更せずに除去するために、350bpのPCR断片を、pBSFIPS−AH6から、オリゴヌクレオチドプライマーRG753(配列番号30)(5’−TCACTGCAGATGTACAATCTG−3’)およびRG754(配列番号31)(5’-CAGTATACGATGTGTAAGCAATTGTCCAAAAA-GCTCCACTAACACCAGTGGTTAAAT- TAAAAGATATACAACCAATAGGAAATGTGCTAAAGAAATTGTAACCATTAATATAGAAATGG-3’)を用いて増幅した。断片はPstI/AccIで消化し、PstI/AccIで消化したpBSFIPS−AH6中に連結し、pNJ1を得た。
S遺伝子の5’、中間および3’末端は、完全ORFを形成するために以下のように一緒に結合させた。第1に、3’領域を、pBSFIPS−CをAsp718/HindIIIで消化し1000bp断片として切り出し、Asp718/HindIIIで消化されたpNJI(5’部分)中に連結しpBSFIPS−AH6を得た。pBSFIPSMIIDIIからHindIII消化により1700bpの断片を切り出し、HindIII消化pBSFIPS−A/CH6中に連結し方向を検索することにより中間部分を付加した。その結果得られたプラスミドpBSFIPSH6IIは、H6プロモーターの3’末端に結合された完全SORFを、3つすべてのT5NT配列を除去した状態で有している。
完全SORFをC6ドナープラスミド中に挿入するために、4.4kbのカセットをpBSFIPSH6IIから、EcoRV/EcoRIで消化し末端をクレノーポリメラーゼで埋めることにより切り出した。このカセットをEcoRV/EcoRI消化されクレノーポリメラーゼで埋めたpJCA070中に連結した。その結果得られたプラスミドpOG9は、DNA分析により、H6プロモーター中のNruIサイトとEcoRIサイトとの間に110bpのインサートを有していることが判明した。これらの配列を除去するために、pOG9をNruI/EcoRVで消化し再度ライゲーションし、早期および後期転写には必要ではないNruIとEcoRIサイト間の4塩基対を欠失している完全H6プロモーターを有するドナープラスミドpC6FIPSH6IIを得た。このプラスミドは、C6座の左腕、H6プロモーター、完全S遺伝子ORFおよびC6座の右腕から成る(図6(配列番号32))。停止コドンにおける変異により、スパイクのC末端に9つの付加的なアミノ酸が付加されている(図7)。
このドナープラスミドpC6FIPSH6IIをALVACウイルスベクターとのインビボ組換え(Piccini他、1987)に用いて、組換えウイルスvCP281を生成した。
vCP281を感染させたCRFK細胞の放射性標識破砕物を、23F4.5と称するFIPスパイク特異的モノクローナル抗体(Olsen他、1992)を用いて免疫沈降分析することにより、220kDaのポリペプチドバンドが発現していることが示された。これは期待されるS遺伝子産物の大きさと一致している。さらに、このバンドはFIPV感染細胞から免疫沈降されたバンドと共に移動したが、これは適当にグリコシル化されていることと一致していた。同じ抗体を用いたFACS分析により、vCP281から発現されたタンパク質は、感染細胞の細胞質に局在化していることが示された。しかしながら、CRFK細胞の単層にvCP281を接種すると、強力なフュージジェニック(fusigenic)活性が見られ、タンパク質はまたこれら細胞表面上にも存在していることを示唆していた。親ウイルスALVAC(対照)を感染させたCRFK細胞においてはフュージジェニック活性は見られなかった。
5.FIPVスパイク糖タンパク質遺伝子ORFマイナスシグナル配列を発現するALVAC組換体(vCP283B)の生成
以下のように、270bpのPCR断片をpOG9中に挿入することにより57bpのシグナル配列を除去し、ATGで置換した。PCR断片はpBSFIPS−Aから、オリゴヌクレオチドプライマーRG759(配列番号33)(5’−GCTATTTTCCATGGCTTCC−3’)およびRG760(配列番号34)(5’-TCCGAGCTCGATATCCGTTAAGTTTGTATCGTAATGA-CAACAAATAATGAATGC-3’)を用いて増幅した。断片をEcoRV/NcoIで消化し、EcoRV/NcoIで消化したpOG9に連結し、pOM12を得た。pOM12をEcoRV/NruIで消化した後再連結させ、H6プロモーター中の110bpのインサートを除去した。その結果得られたドナープラスミドpC6FIPSH6−SSをDNA配列分析で確認した(図7(配列番号35)。
このドナープラスミドpC6FIPSH6−SSを、ALVACウイルスベクターとインビボ組換え(Piccini他、1987)に用いて組換体ウイルスvCP283Bを生成した。
vCP283Bを感染させたCRFK細胞の放射性標識破砕物を、ネコFIP−免疫血清(#511)を用いて免疫沈降分析することにより、約145±10kDaのポリペプチドバンドが発現していることが示された。これは非グリコシル化S遺伝子産物の期待される大きさと一致している。同じポリクローナル抗体を用いた免疫蛍光分析により、この発現されたタンパク質は、vCP283B感染CEF細胞の細胞質に局在化していることが示された。CRFK細胞においてはフュージジェニック活性は見られなかった。
6.FIPVスパイク糖タンパク質遺伝子ORFのC末端部分を発現するALVAC組換体(vCP315)の生成
S遺伝子の1749bpのC末端(全1452aaからの末端582aa)を、以下のようにH6プロモーターに結合した。pOG9をNruI/BstEIIで消化し、6.2kbの断片を単離した。この断片はS遺伝子の1749bpC末端を含む。BstEIIサイトが隣接しているATGコドンと結合されたH6プロモータの3’末端を、オリゴヌクレオチドJP226(配列番号36)(5’-CATTAGCATGATATCCGTTAAGTTTGTATCGT-AATGGGTAACCCTGAGTAGCAT-3’)およびJP227(配列番号37)(5’-ATGCTACTCAGGGTTACCCATTACGATACAAACTTAACGGATATCATGCTAATG-3’)をアニーリングさせ、NruI/BstEIIで消化することにより生成した。この断片を6.2kbのpOG9断片(上の4を参照)中に連結させ、ドナープラスミドpC6FIPSH6−Cを得て、これをDNA配列分析で確認した(図8(配列番号38))。
このドナープラスミドをpC6FIPSH6−SSを、ALVACウイルスベクターとインビボ組換え(Piccini他、1987)に用いて組換体ウイルスvCP315を生成した。
ネコFIP免疫血清(#511)を用いて、vCP315を感染させたCRFK細胞の破砕物をウエスタンブロット分析することにより、56kDaのポリペプチドバンドの発現が示された。これは、一部を切断されていてグリコシル化されていないS遺伝子産物(64kDa)の予期される大きさよりも少し小さい。同じポリクローナル血清を用いた免疫蛍光分析により、vCP315感染CEF細胞の細胞質に局在化されたタンパク質が僅かに検出されることが判明した。CRFK細胞においてはフュージジェニック活性は見られなかった。
実施例2 C3、C5およびC6挿入プラスミド
C3挿入プラスミドpSPCP3LAの生成
8.5kbカナリアポックスBglII断片を、pBluescript SK+(Stratagene,La Jolla,CA)のBamHIサイトにクローン化し、pWW5を得た。この断片のヌクレオチド配列分析により、図9に示された配列(配列番号39)中の位置1458から始まり位置2897で終わる、C3と称するオープンリーディングフレームが明らかにされた。C3オープンリーディングフレーム(ORF)全体を欠失させるために、C3ORFに関連した5’および3’断片を増幅するためにPCRプライマーを設計した。オリゴヌクレオチドプライマーRG277(配列番号40)(5’−CAGTTG−GTACCACTGGTATTTTATTTCAG−3’)およびRG278(配列番号41)(5’-TATCTGAATTCCTGCAGCCCGGGTTTTTATAGCTAATTAGTCAAATG-TGAGTTAATATTAG-3’)を、pWW5から5’断片を増幅するために用い、オリゴヌクレオチドプライマーRG279(配列番号42)(5’-TCGCTGAATTCGATATCAAGCTTATCGATTTTTATGACTAGTTAATCAAATAAAAA-GCATACAAGC-3’)を、pWW5から3’断片を増幅するために用いた。5’断片をAsp718/EcoRIで消化し、3’断片をEcoRI/SacIで消化した。5’および3’を続いて、Asp718/SacIで消化されたpBluescript SK+に連結させ、pC3Iを得た。このプラスミドはC3ORFを欠失し、ワクシニア早期転写および翻訳終了シグナルが隣接しているマルチクローニングサイトを有するC3挿入座を含む。pC3IをDNA配列分析で確認した。
pC3Iの隣接腕を、以下のように延長させた。C3座の上流の908bpの断片をpWW5をNsiIおよびSspIで消化することによって得た。604bpのPCR断片をpWW5から、オリゴヌクレオチドプライマーCP16(配列番号43)(5’−TCCGGTACCGCGGCCGCAGATATTTGTTAGCTTCTGC−3’)およびCP17(配列番号44)(5’−TCGCTCGAGTAGGATACCTACCTACTACCTA−CG−3’)を用いて増幅させ、Asp718/XhoIで消化し、pIBI25(International Biotechnologies,Inc.,New haven,CT)中に連結し、pSPC3LAを得た。pSPC3LAをpIBI25内部をEcoRVで、インサート(カナリアポックスDNA)内部をNsiIで消化し、908bpのNsiI/SspI断片と連結してpSPCPLAXを得たが、これはC3座の上流の1444bpのカナリアポックスDNAを含むものである。2178bpのカナリアポックスDNAのBglII/StyI断片をpXX4(pBluescript SK+のPstIサイト中にクローン化された6.5kbのカナリアポックスDNAのNsiI断片を有する)から単離した。279bpのPCR断片をpXX4から、オリゴヌクレオチドプライマーCP19(配列番号45)(5’−TCGCTCGAGCTTTCTTGACAATAACATAG−3’)およびCP20(配列番号46)(5’−TAGGAGCTCTTTATACTACTGGGTTACAAC−3’)を用いて増幅し、XhoI/SacIで消化し、SacI/XhoI消化されたpIBI25中に連結し、pSPC3RAを得た。
付加的な単一のサイトをpC3Iのマルチクローニングサイト(MCS)に付加するために、pC3IをEcoRI/ClaI(MCS中)で消化して、キナーゼ処理されアニーリングしているオリゴヌクレオチドCP12(配列番号47)(5’−AATTCCTCGAGGGATCC−3’)および(配列番号48)(5’−CGGGATCCCTCG−AGG−3’)(EcoRI粘着末端およびXhoIサイトおよびBamHIサイトおよびClaI互換の粘着末端を有する)に連結し、pSPCP3Sを得た。pSPCP3Sを、C3座の下流のカナリアポックス配列内部でStyIおよびSacIで消化し(pBluescript SK+より)、pSPC3RA由来の261bpのBglII/SacI断片およびpXX4由来の2178bpのBglII/StyI断片と連結させ、2572bpのC3座の下流のカナリアポックス配列を含むpCPRALを得た。pSPCP3Sを、C3座の上流のカナリアポックス配列内部でAsp718(pBluescript SK+内)およびAccIで消化し、pSPCPLAX由来の1436bpのAsp718/AccI断片と連結し、pCPLAIAを得たが、これはC3座の上流の1457bpのカナリアポックスDNAを含む物である。pCPLAIを、C3座下流のカナリアポックス配列内部でStyI/SacI(pBluescript SK+中)で消化し、pCPRAL由来の2438bpStyI/SacI断片と連結させ、プラスミドpSPCP3LAを得た。pSPCP3LAの左腕を、以下のように、約500bpまで短縮した。pSPCP3LAをNotI/NsiIで消化し、6433bpの断片を単離した。オリゴヌクレオチドCP34(配列番号49)(5’−GGCCGCGTCGACATGCA−3’)およびCP35(配列番号50)(5’−TGTCGACGC−3’)をアニーリングさせ、この断片に連結してpSPCP3LSAを得た。これがC3挿入プラスミドであり、939bpのC3座の上流カナリアポックスDNA、6つのリーディングフレーム内の停止コドン、早期転写終結シグナル、MCS、早期転写終結シグナル、6つのリーディングフレーム内の停止コドン、および2575bpのC3座下流のカナリアポックスDNAから成っている。
C5挿入プラスミドpNC5LSP−5の生成
カナリアポックスDNAのゲノムライブラリーをコスミドベクターpVK102(Knauf and Nester,1982)中に構築し、pRW764.5(C5ORFを含む880bpのカナリアポックスPvuII断片を含有するpUC9ベースのプラスミド)で探索し、29kbpのインサートを含有するコスミドクローンが同定された(pHCOS1)。pHCOS1由来のC5領域を含む3.3kbpClaI断片を同定した。C5ORFは図10に示された配列(配列番号51)中の位置1537から始まり位置1857で終わっている。
C5挿入ベクターを2段階で構築した。1535bp上流配列を、オリゴヌクレオチドプライマーC5A(配列番号52)(5’−ATCATCGAATTCTGAATGTTAAATGTTATACTTTG−3’)およびC5B(配列番号53)(5’−GGGGGTACCTTTGAGAGTACCACTTCAG−3’)を用いて精製ゲノムカナリアポックスDNAからPCR増幅によって生成した。この断片をEcoRIで消化し、EcoRI/SmaI消化されたpUC8中に連結し、pC5LABを得た。404bpの腕を、オリゴヌクレオチドC5C(配列番号54)(5’-GGGTCTAGAGCGGCCGCTTATAAAGATCTAAAATGCATAATTTC-3’)およびC5DA(配列番号55)(5’-ATCATCCTGCAGGTATTCTAAACTAGGAATAGATG-3’)を用いてPCR増幅により生成した。この断片をPstIで消化し、SmaI/PstI消化されたpC5LAB中にクローン化しpC5Lを得た。pC5LをMCS内部でAsp718/NotIで消化し、キナーゼ処理しアニーリングさせたオリゴヌクレオチドCP26(配列番号56)(5’-GTACGTGACTAATTAGCTATAAAAAGGATCCGGTACCCTCGAGTCTAGAATCGATCC-CGGGTTTTTATGACTAGTTAATCAC-3’)およびCP27(配列番号57)(5’-GGCCGTGATTAACTAGTCATAAAAACCCGGGATCGATTCTAGACTCGAGGGTACCGG-ATCCTTTTTATAGCTAATTAGTCAC-3’)と連結し、pC5LSPを得た。このプラスミドをEcoRIで消化し、キナーゼ処理し自己アニーリングしたオリゴヌクレオチドCP29(配列番号58)(5’−AATTGCGGCCGC−3’)に連結し、NotIで消化した。この直線化されたプラスミドを精製し、自己連結し、pNC5LSP−5を生成した。このC5挿入プラスミドはC5ORFの上流の1535bpのカナリアポックスDNA、6つのリーディングフレーム中の翻訳停止コドン、ワクシニア早期転写終結シグナル、BamHI、KpnI、XhoI、ClaIおよびSmaI制限サイトを有するMCS、ワクシニア早期転写終結シグナル、6つのリーディングフレーム中の翻訳停止コドンおよび404bpの下流カナリアポックス配列(31bpのC5コード領域および373bpの下流カナリアポックス配列)を含有している。
C6挿入プラスミドpC6Lの生成
図11(配列番号59)は、カナリアポックスDNAの3.7kbの部分の配列を示している。配列の分析により、C6Lと称するORFが位置377から始まり位置2254で終わっていることが判明した。以下は、C6ORFを欠失させ、転写および翻訳停止シグナルに隣接しているMCSで置き換えることにより構築されたC6挿入プラスミドを記述する。380bpのPCR断片をゲノムカナリアポックスDNAから、オリゴヌクレオチドプライマーC6A1(配列番号60)(5’-ATCATCGAG-CTCGCGGCCGCCTATCAAAAGTCTTAATGAGTT-3’)およびC6B1(配列番号61)(5’-GAATTCCTCGAGCTGCAGCCCGGGTTTTTATAGCTAATTAGTCATTTT-TTCGTAAGTAAGTATTTTTATTTAA-3’)を用いて増幅した。1155bpのPCR断片をゲノムカナリアポックスDNAから、オリゴヌクレオチドプライマーC6C1(配列番号62)(5’-CCCGGGCTGCAGCTCGAGGAATTCTT-TTTATTGATTAACTAGTCAAATGAGTATATATAATTGAAAAAGTAA-3’)およびC6D1(配列番号63)(5’-GATGATGGTACCTTCATAAATACAAGTTTGATTAAACTT-AAGTTG-3’)を用いて増幅した。この380bpおよび1155bp断片を、ともにテンプレートとして加え、オリゴヌクレオチドプライマーC6A1(配列番号49)およびC6D1(配列番号52)を用いて1613bpのPCR断片を増幅することにより融合した。この断片をSacI/KpnIで消化し、SacI/KpnI消化されたpBluescript SK+中に連結した。この結果得られたプラスミドpC6LをDNA配列分析により確認した。それは、C6の上流の370bpのカナリアポックスDNA、ワクシニア早期終了シグナル、6つのリーディングフレーム中の翻訳停止コドン、SmaI、PstI、XhoIおよびEcoRIサイトを有するMCS、ワクシニア早期終結シグナル、6つのリーディングフレーム中の翻訳停止コドンおよび1156bpの下流カナリアポックス配列から成る。
別の外来遺伝子に結合されたワクシニアH6プロモーターを有するカセットをpC6LのSmaI/EcoRIサイト中へ連結することによって、pJCA070をpC6Lから派生させた。pJCA070をEcoRV/EcoRIで切断することにより、外来遺伝子とH6プロモーターの5’末端が切り出される。
実施例3 ALVACベースのネコ感染性腹膜炎ウイルス組換体に関しての効率の試行
試行1 vCP261A(N)、vCP262(M)、およびvCP282(M+N)についての安全性、抗原性および効率の試行
Harlan Sprage Dawley,Inc.より入手した25匹の特定病原体不在(SPF)10−12週齢のネコをランダムに5つの群に分けた(5匹のネコ/群)。群を、皮下で(頸部)2回(第0日および第21日)、10TCID50/投与量で、vCP261、vCP262、vCP282あるいはvCP261A+vCP262の何れかでワクチン接種した。1つの群の5匹のネコはワクチン接種されず免疫性テスト対照とした。第35日に、全てのネコに、経口でネコあたり103.5 TCID50の毒性FIPウイルス(1146株)で免疫性テストを行った。免疫性試験後33日間、FIPウイルス感染の明らかな症状発現を調べるために、ネコを毎日観察した。第33日目に全ての生存していたネコを剖検し、FIP病原性を調べた。腸管からのFIPウイルスの単離およびウイルス中和抗体の同定により、非発露型が検出された。発露型を有していたネコは腹腔に厚い黄色の液体、肋膜に白い水腫液および腸、脾臓および肝臓に外傷を有していた。感染したネコのいくつかは、結膜炎、眼瞼痙攣および網膜混濁とともに目の関与を示した。
ワクチン接種されたネコで、何れかの好ましくない局所的または全身のワクチン接種後の反応を示したものはなかった。5匹のワクチン接種されなかったネコの全ては、FIP兆候を示して死ぬか、剖検でFIP兆候を有しており、このように免疫性テスト用量の妥当性を示していた。死亡したかまたは死んでゆくネコは、FIPの発露型および非発露型の両方を兆候を示した。ALVAC−FIP組換体でワクチン接種されたネコから得られた結果は表1に示されている。これらのネコのうち、免疫性テスト前の第35日にウイルス中和公知を生成したものはなかった。全てのネコは、免疫性テストに続いて発熱性反応を示した。全てのワクチン接種された群は部分的防御を示したが、最も良く防御されたのはvCP262およびvCP282ワクチン接種群で、各々3/5のネコを、FIP死亡または兆候の無いものとしていた。このように、この研究からALVAC−FIPマトリックス組換体は全てを越える最高の防御を提供した。
試行2.プリムセルと比較したvCP262(M)の安全性、抗原性および効率の試行
Hill Grove、Great Britainより入手した23匹の10−12週齢のSPFネコをこの試行で用いた。10匹のネコを、皮下で、10TCID50/投与量で、vCP262で第0日と第21日にワクチン接種した。5匹のネコに、市販のFIPワクチン(プリムセル、Snithkline Beecham)を製造者が推薦するように投与した(2用量を21日間隔で、鼻腔経路、104.8 TCID50)。8匹のネコはワクチン接種されず免疫性テスト対照とした。第35日に、全てのネコに、鼻腔経路で320DECP50の投与量で毒性FIPウイルス(79−1146株)で免疫性テストを行った。生存したネコには第84日に再度免疫性テストを行い、これらの生存したネコは第104日に剖検し、FIP病原性に関して調べた。
ワクチン接種されたネコで、何れかの好ましくない局所的または全身のワクチン接種後の反応を示したものはなかった。対照群のうちでは、4匹のネコが死ぬか、剖検された際にFIP病原性を有していた。残りの4匹の対照(もう一方の対照とは分離されたユニットに収納された)は、両方の免疫性テストに生存し、防御されたと見受けられた。それらの全ては、免疫性テストに続いて、血清中のFIPに対する中和抗体の顕著な増加を示し、このようにウイルスへの接触を示していた。これが免疫性テスト手順の技術的問題点を示唆しているのかあるいは自然の防御なのかは不明である。
血清学的分析により、vCP262の接種を2回受けたネコにおいて、FIPに対する、顕著なウイルス中和抗体力価が見られなかった。これとは対照的に、1度のプリムセル接種後には顕著な力価が見られ、これらの力価は第2の接種の後に追加免疫された。両方の群のネコが、免疫性テストに続いて高い力価を示した。
ワクチン接種されたネコの死亡率データの結果を表2に示す。vCP262群においては、8/10のネコ(80%)が第1の免疫性試験で生存し、一方6/10(60%)が両方の免疫性テストで生存した(60%)。これとは対照的に、プリムセルの群においては、1/5のみが第1の免疫性テストで生存した。生存したネコは、第2の免疫性テストでも生存した。死んだ4匹のプリムセルをワクチン接種されたネコのうちの3匹が第11日までに死亡しており、このことは通常の病気の進行の促進を示唆していることは重要である。vCP262をワクチン接種されたネコにおいては促進は見られなかった。このように、プリムセルと比較して、vCP262は、病気を促進することなくより大きな防御を提供している。
試行3.スパイク組換体(vCP281(S1)、vCP283B(S2)およびvCP315(S3))と組み合わせたvCP262(M)の安全性、抗原性および効率の試行
Harlan Sprage Dawley,Inc.より入手した36匹の9週齢のSPFネコをランダムに6つの群に分けた(6匹のネコ/群)。群を、皮下で2回(第0日および第21日にそれぞれ約10TCID50/投与量で)、以下の組換体でワクチン接種した:1)vCP262(マトリックス)、2)vCP262プラスvCP281(S1スパイク−完全)、3)vCP262プラスvCP283B(S2スパイク−マイナスシグナル配列)、4)vCP262プラスvCP315(S3−C末端部分)。1つの群のネコに、市販のFIPワクチン(プリムセル、Pfizer Animal Health)を製造者が推薦するように鼻腔経路でワクチン接種した(2用量、第0日および第21日)。1つの群のネコはワクチン接種されず免疫性テスト対照とした。第2のワクチン接種(第36日)に続く15日、全てのネコに、経口でネコあたり103.5 TCID50の毒性FIPウイルス(NVSL FIP−1146、89−5−1)で免疫性テストを行った。免疫性テスト後35日間、体重、温度、血清反応および死亡率を調べるために、ネコを観察した。死亡したネコの大部分に対してFIP兆候を調べるために剖検を行い、FIPウイルスが2匹のネコから単離され、感染が確認された。
ALVAC組換体でワクチン接種されたネコは全て、局所的または全身のワクチン接種後の好ましくない反応を示さなかった。プリムセルでワクチン接種されたネコは全て、ウイルス中和力価を有していた。組換体の群においては、マトリックスプラス完全スパイクを受容した群のネコのみがウイルス中和力価を有していた(第2のワクチン接種後の3/6)。
死亡率のデータを表3に示す。剖検されたネコは発露型(多数)および非発露型の病気の兆候を示した。1匹のネコがFIP誘導脳炎を罹病していた(対照群)。最も低い死亡率(33%)はvCP262(マトリックス)単独でワクチン接種された群でみられた。vCP262プラス何れかのスパイク組換体を受容した群は、防御を、たとえあったとしても僅かに示した。プリムセルワクチン接種群は66.7%の死亡率を示した。抗体誘導促進(早期死亡)は、プリムセルおよびvCP281(S1−完全スパイク)群の両方で見られた。ワクチン接種されていない対照のネコ6匹のうち5匹がFIP感染により死亡したが、このことは免疫性テストの妥当性を示している。
熱および体重減少はFIP疾患の指標である。全ての群において免疫性試験後の相対的な体重減少が示された。しかしながら、vCP262でワクチン接種された群は、プリムセルおよび対照群と比較して僅かな体重減少のみを示した。慢性熱が全てのネコにおいて見られたが、vCP262でワクチン接種された群は一致して他の群よりも低い温度を示した。
この研究から、vCP262は過酷なFIP免疫性テストに対して防御(67.7%)を提供したと結論づけられた。さらに、この組換体ウイルスでワクチン接種されたネコはより低い発熱性反応およびより少ない体重減少を示した。他の組換体(vCP281、vCP283BおよびvCP315)並びにプリムセルは貧弱な防御を提供し、また死亡率を促進させることさえも提供した(プリムセル、vCP281)。
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実施例4 NYVACベースのFIPV組換体の生成
参考文献として取り込まれている米国出願第105483号にあるように、挿入座およびプロモーターを用いて、例えば、狂犬病糖タンパク質GをTK欠失座へ挿入するためのプラスミドpRW842(vP879の生成に用いられた)を改変することによる等、例えばpRW842から狂犬病DNAを切り出し、その代わりにここに記載されている、M、N、およびSの3つのバージョン;S1、S2、S3、またはそれらの組合せ(例えばMおよびN)をコードしているFIPV DNAを挿入し、続いてその結果得られるプラスミドをNYVAC、vP866との組換えにおいて用いることによって、NYVAC−FIPV(M)、(N)、および3つの(S)のバージョン;(S1)、(S2)、(S3)および(M+N)組換体を生成し、分析により発現を確認した。
このように、本発明の好ましい実施態様を詳細に記述してきたが、添付されたクレームによって定義される本発明は、上の記述において示された特定の細目に限定されるものではなく、その精神または範囲から離れることなく、それらの数多くの明らかな変化型が可能である。
参考文献
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図1は、FIPVマトリックス遺伝子オープンリーディングフレーム(79−1146)のDNA配列を示す 図2−1は、FIPVマトリックス遺伝子ドナープラスミド(改変マトリックス遺伝子コード領域は2408から開始し1620で終結する;エントモポックス42kプロモーターは2474から開始する;C5左腕は1から1549であり、C5右腕は2580から2989までである)のDNA配列を示す 図2−2は、図2−1の続きを示す 図3は、FIPVヌクレオキャプシド遺伝子オープンリーディングフレーム(79−1146)のDNA配列を示す 図4−1は、FIPVヌクレオキャプシド遺伝子ドナープラスミド(ヌクレオキャプシド遺伝子コード領域は2101から開始し968で終結する;ワクシニアI3Lプロモーターは2160から開始する;C3左腕は1から939であり、C3右腕は2285から4857までである)のDNA配列を示す 図4−2は、図4−1の続きを示す 図4−3は、図4−2の続きを示す 図5−1は、FIPVスパイク遺伝子オープンリーディングフレーム(79−1146)のDNA配列を示す 図5−2は、図5−1の続きを示す 図5−3は、図5−2の続きを示す 図6−1は、FIPVスパイク遺伝子ドナープラスミド(改変スパイク遺伝子コード領域は591から開始し4976で終結する;ワクシニアH6プロモーターは471から開始する;C6左腕は1から387であり、C6右腕は4983から6144までである)のDNA配列を示す 図6−2は、図6−1の続きを示す 図6−3は、図6−2の続きを示す 図6−4は、図6−3の続きを示す 図7−1は、FIPVスパイク遺伝子マイナスシグナル配列ドナープラスミド(改変スパイク遺伝子コード領域は591から開始し4922で終結する;ワクシニアH6プロモーターは471から開始する;C6左腕は1から387であり、C6右腕は4929から6090までである)のDNA配列を示す 図7−2は、図7−1の続きを示す 図7−3は、図7−2の続きを示す 図7−4は、図7−3の続きを示す 図8−1は、FIPVスパイク遺伝子C末端断片ドナープラスミド(改変スパイク遺伝子コード領域は591から開始し2369で終結する;ワクシニアH6プロモーターは471から開始する;C6左腕は1から387であり、C6右腕は2376から3537までである)のDNA配列を示す 図8−2は、図8−1の続きを示す 図9−1は、C3オープンリーディングフレームを含むカナリアポックスDNAの7351bp断片(C3オープンリーディングフレームは1458から開始し2897で終結する)のDNA配列である 図9−2は、図9−1の続きを示す 図9−3は、図9−2の続きを示す 図9−4は、図9−3の続きを示す 図9−5は、図9−4の続きを示す 図10−1は、C5オープンリーディングフレームを含むカナリアポックスDNAの3208bp断片(C5オープンリーディングフレームは1537から開始し1857で終結する)のDNA配列である 図10−2は、図10−1の続きを示す 図11−1は、C6オープンリーディングフレームを含むカナリアポックスDNAの3706bp断片(C6オープンリーディングフレームは377から開始し2254で終結する)のDNA配列である 図11−2は、図11−1の続きを示す 図11−3は、図11−2の続きを示す

Claims (17)

  1. ポックスウイルスゲノムの非必須領域にネコ感染性腹膜炎ウイルス由来のDNAを含有する組換えポックスウイルスであって、該ポックスウイルスが、
    (i)J2R、B13R+B14R、A26L、A56R、C7L−K1LおよびI4L、が欠失しているか、もしくはチミジンキナーゼ遺伝子、出血性領域、A型封入体、血球凝集素遺伝子、宿主範囲領域およびリボヌクレオチドレダクターゼラージサブユニットが欠失しているワクシニアウイルスか;または
    (ii)ニワトリ胚繊維芽細胞での200回を超える連続継代、マスターシードの4回の寒天下での連続プラーク精製、およびプラーククローンの5回の付加的な継代による増幅によって弱毒化されたカナリアポックスウイルス;であることを特徴とする組換えポックスウイルス。
  2. 前記ポックスウイルスがカナリアポックスウイルスであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組換えポックスウイルス。
  3. vCP262、vCP261A、vCP282、vCP281、vCP283B、vCP315であることを特徴とする請求の範囲第2項記載の組換えポックスウイルス。
  4. 前記ネコ感染性腹膜炎ウイルスDNAが、M、N、およびSの3つのバージョンS1、S2、S3、またはそれらの組合せをコードしていることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組換えポックスウイルス。
  5. 前記DNAがMをコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  6. 前記DNAがNをコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  7. 前記DNAがSをコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  8. 前記DNAがS1をコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  9. 前記DNAがS2をコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  10. 前記DNAがS3をコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  11. 前記DNAがM+Nをコードしていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の組換えポックスウイルス。
  12. 前記ポックスウイルスがワクシニアウイルスであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の組換えポックスウイルス。
  13. vCP262であることを特徴とする請求の範囲第3項記載の組換えポックスウイルス。
  14. 請求の範囲第1、2、3、11、12または13項記載の組換えポックスウイルスおよび担体を含有することを特徴とする免疫学的組成物。
  15. 請求の範囲第1、2、3、11、12または13項記載の組換えポックスウイルスを宿主(ヒトを除く)に投与することを含む、宿主中で免疫反応を誘導する方法。
  16. 請求の範囲第14項記載の組成物を宿主(ヒトを除く)に投与することを含む、宿主中で免疫反応を誘導する方法。
  17. 請求の範囲第1、2、3、11、12または13項記載の組換えポックスウイルスを培養細胞に感染させることを含む、インビトロで遺伝子産物を発現させる方法。
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