JP2645472B2 - ポリエステル組成物の製造法及びポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物の製造法及びポリエステル組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリエステル組成物の製造法及びポリエステ
ル組成物に関し、特に成形品が顕著に優れた滑り性、巻
き特性表面平滑性および耐摩耗性を示す炭酸カルシウム
粒子含有ポリエステル組成物の製造法及びポリエステル
組成物に関する。
〔従来の技術〕
一般に飽和線状ポリエステル例えばポリエチレンテレ
フタレートは優れた物理的、化学的特性を有しており、
繊維、フイルム、その他の成形品として広く使用されて
いる。しかしながら、その優れた特性とは逆に上記成形
品を得る成形工程における工程通過性、表面処理等の後
加工工程あるいは製品自体での取扱い性の面で滑り性が
悪いため、作業性の悪化、商品価値の低下といつた好ま
しくないトラブルが発生することが知られている。この
トラブルに対してポリエステル中に微粒子を配合せし
め、成形品の表面に適当な凹凸を付与し、成形品の表面
滑性を向上させることが通常行なわれており、かかる微
粒子として炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、タ
ルク、カオリン等のポリエステルに不溶、不活性な無機
粒子をポリエステルに添加することが知られている。し
かしながら、これら微粒子により表面に凹凸を形成し、
滑り性を改善する方法は、一方では成形品の表面均一性
を阻害することになるため、滑り性と表面均一性の双方
を満足した成形品を得ることが極めて困難だつた。しか
し近年、これら相反する表面特性を共に満足した成形品
の提供が強く求められるようになつてきた。たとえば磁
気テープ分野においては、小型化、長時間化のために、
フイルム厚みを薄くする必要があり、滑り性とともに、
フイルム表面の凹凸のより均一微細化の要求が、また繊
維分野においても製糸の際の引取速度の高速化にともな
い、滑り性と粒子のより均一微細化の要求が強まつてき
ている。
かかる要求に対処すべく従来から種々の検討がなされ
ており、無機粒子の分散方法については、例えば特開昭
50−1144号公報、特開昭51−68695号公報には、グリコ
ールスラリを調整するに際し、特定の分散剤を使用する
方法、特開昭52−78953号公報においては、グリコール
スラリを調整するに際に、超音波振動を与える物理的分
散方法が提案されている。しかしながらこれらの方法で
は、粒子の分布が制御されておらず成形品にした場合滑
り性、表面特性を調節することが困難である。
また特開昭59−179555号公報においてはポリエステル
フイルムを製造するに際し、特定の粒度分布比を持つ炭
酸カルシウムと炭酸カルシウムより小さい平均粒子径を
持ち特定の粒度分布比を持つアナターゼ型二酸化チタン
の2種類の粒子を配合し、フイルムの滑り性、表面の平
滑性を向上させる方法が提案されている。この方法を適
用した場合成形品の表面の平滑性は満足できる範囲であ
つたが、滑り性の点で十分満足する効果は得られなかつ
た。
また、フイルム製造工程あるいは、加工工程において
はフイルムの巻き特性も生産性に重要な要素である。巻
き特性が不十分であると、フイルムのずれ、変形が生じ
特に磁気テープなどにおいては記録精度の悪化につなが
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消する
ことにあり、特に炭酸カルシウム粒子が良好に分散し、
かつ成形品の滑り性、巻き特性、表面平滑性および耐摩
耗性を十分満足するに値するポリエステルの製造法、ポ
リエステル組成物およびそれからなるフイルムを提供す
ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の前記目的は芳香族ジカルボン酸もしくはその
機能誘導体を主とする二官能性成分と、グリコール成分
よりポリエステルを製造するに際し、ポリエステル製造
反応系に、幾何平均径dgが0.02〜2.0μmであり、幾何
標準偏差σgが2.0〜3.5である炭酸カルシウム粒子をポ
リエステルに対し、0.001〜5重量%添加することを特
徴とするポリエステルの製造方法によつて達成される。
本発明においてポリエステルとは芳香族ジカルボン酸
もしくはそのアルキルエステル等の機能誘導体を主とす
る二官能性成分とクリコール成分との重縮合反応によつ
て得られる繊維、フイルムその他の成形品に成形しうる
ポリエステルであるが、特にテレフタル酸もしくはその
機能誘導体とエチレングリコールを主要モノマ成分とし
て重縮合反応させて得られるポリエチレンテレフタレー
トを主体とするものが好ましい。このポリエチレンテレ
フタレートを主体とするポリエステルはホモポリエステ
ルであつてもコポリエステルであつてもよく、共重合成
分の例としては、例えばアジピン酸、セバシン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成
分、トリメリツト酸、ピロメリツト酸等の多価カルボン
酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボ
ン酸成分およびテトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキ
レングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、5−ナトリウムスルホレゾ
ルシン等のジオール成分が挙げられる。
本発明で用いる炭酸カルシウムは天然品であつても合
成品であつてもよいが、その粒度分布に特徴があり、遠
心式粒度分布測定装置で得られた対象となる炭酸カルシ
ウムの粒子径分布、即ち粒子径に対して0〜該粒子径ま
での粒子頻度(重量百分率)の積算値(積算ふるい下あ
るいは積算通過百分率)を対数確率紙上にプロットした
際積算通過百分率が50%となる点から読みとつた幾何平
均径dgが0.02〜2μmあり、かつ積算通過百分率84%時
の粒子径と50%時の粒子径(幾何平均径)との比として
求めた幾何標準偏差σg(=積算通過百分率84%時の粒
子径/積算通過百分率50%時の粒子径)が2.0〜3.5の範
囲である炭酸カルシウムである(幾何平均径及び幾何標
準偏差については、例えば「改訂二版 粉体−理論と応
用−」「昭和54年5月12日丸善株式会社発行第446頁〜
第450頁)、「粉体」(昭和39年3月20日丸善株式会社
発行第83頁〜第87頁に詳説されている)。幾何平均径が
0.02μmより小さい時には、フイルムや繊維に成形した
時の滑り性が不十分であり、また2.0μmより大きい時
には表面平滑性が満足できない。好ましい幾何平均径は
0.1〜1.6μm、より好ましくは0.2〜1.3μmである。ま
た標準偏差σgが2.0より小さくなると、滑り性、巻き
特性、耐摩耗性が不足しσgが3.5より大きくなると、
滑り性、巻き特性は改良されるものの表面平滑性が低下
し、粗大な突起が生成するため好ましくない。より好ま
しい標準偏差σgの範囲は2.3〜3.0である。
本発明で用いる炭酸カルシウム粒子としては、特にリ
ン元素を五酸化リン換算で0.002〜5重量%含有するも
のが好ましい。リン元素が五酸化リン換算で0.002重量
%より少ないと、スラリおよびポリマ中での凝集が生
じ、フイルム、繊維などに成形した時、脱落、摩耗など
を生じ易く、好ましくない。またリン元素が五酸化リン
換算で5重量%より多いと、もはやポリマ中での分散性
向上効果は認められず、逆に重合反応性の低下などの悪
影響が生じ好ましくない。好ましいリン元素量は0.003
〜4重量%である。
本発明で使用する特性化された粒度分布を有する炭酸
カルシウムは現在までのところ市販品としては入手し得
ず、たとえばエチレングリコール等のグリコール中で所
定条件下に分散処理を施し、ろ過処理する等の前処理を
実施することにより得られるものである。勿論前記の粒
度分布を有する限り、その製造法が限定されるものでな
いことは当然である。
炭酸カルシウムをグリコール中で分散させる場合その
分散法は特に制限されないが、高速分散機、コロイドミ
ル、ウルトラターレツクス、サンドミル、アトライタ、
ロールミル等を用いて分散するのが好ましい。特に媒体
攪拌型分散機は凝集粒子を微分散できるために有利であ
り好ましい。また分散処理時にリン酸、アルカリ化合物
等の分散剤を使用すると、グリコールスラリ中およびポ
リマ中の炭酸カルシウムの再凝集を防止でき好ましい。
なかでも特にリン酸一塩およびリン酸二塩の使用が好ま
しい。
本発明で使用する粒度分布を有する炭酸カルシウムを
得る具体的な方法を以下に例示する。まず、市販の比較
的粒度分布の良好な炭酸カルシウムをジェット式アジタ
等の高速撹拌翼を有する高速分布機でエチレングリコー
ルのスラリーとする。このときスラリー濃度は後の分散
処理を効率よく行なうために5〜30%程度が好ましい。
次に媒体撹拌型分散機として例えば五十嵐機械(株)製
サンドグラインダーを用いる。このとき媒体としては均
一なものが得られるガラスビーズ、アルミナビーズ、ジ
ルコニアビーズが好ましく、該媒体の粒子径は1〜2mm
が分散効果が大きく好ましい。また運転条件は撹拌速度
を1000rpm以上とすることが好ましく、スラリーを連続
処理する場合にはスラリーの平均滞留時間を5分以上、
好ましくは10分以上とし、複数回処理することが好まし
い。また該装置をバッチ式で運転しも良く、その場合に
は処理時間を30分以上、好ましくは1時間以上とする。
このような媒体撹拌型分散機処理によって本願発明の炭
酸カルシウムを得ることができるが、更に微量残存して
いる粗大粒子を除去するために、上記分散処理したスラ
リーを目開き1〜3μmのフィルターで濾過するとより
好ましい。
このように分散処理を施し、かつ粒度分布が特定の範
囲になるようにろ過処理等を実施して得られた炭酸カル
シウムのグリコールスラリはポリエステル製造工程の任
意の段階で添加できるが、ジカルボン酸成分とグリコー
ルからのエステル化ないしはエステル交換反応の初期か
ら該反応が終了してプレポリマーが得られるまでの段階
ないしはプレポリマーを重縮合せしめる初期段階で添加
することが好ましい。
本発明で用いる炭酸カルシウムのポリエステルに対す
る添加量は、0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜5重
量%である。添加量が0.001重量%より少ない時には成
形品の滑り性が不充分であり、5重量%より多くなると
炭酸カルシウムが凝集し、表面の平滑性が損われたりま
た凝集粒子の摩耗脱落が生じ好ましくない。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。実施例中の
「部」は特にことわらない限り「重量部」を意味してい
る。また実施例中の〔η〕はフエノール:テトラクロル
エタンが1:1(重量比)の混合溶媒中30℃で求めた極限
粘度であり、炭酸カルシウム粒子の粒径、粒度分布は遠
心式粒子径測定装置(島津製作所製、CP2)で測定し
た。また用いた評価方法は次の通りである。
(フイルムの滑り性) ASTM−D−1894B法に従つて測定した静摩擦係数を滑
り性の目安として用い次のようにランク付けした。摩擦
係数はその値が小さいほど滑り性は良好である。摩擦係数 滑り性 1.2未満 1級 1.2以上2.0未満 2級 2.0以上 3級 (フイルムの表面平滑性) JIS B 0601に準じサーフコム表面粗さ計を用い、針径
2μm、荷重70mg、測定基準長0.25mm、カツトオフ0.08
mmの条件下で測定した中心線平均粗さ(Ra)で表示す
る。
(フイルムの耐摩耗性) フイルムを細幅にスリツトしたテープ状ロールをステ
ンレス鋼SUS−304製ガイドロールにこすりつけ、高速、
長時間走行させるとき一定の供給張力に対して、ガイド
ロール表面に発生する白粉量の多少で次のようにランク
付けした。
1級…白粉発生まつたくなし 2級…白粉発生わずかにあり 3級…白粉発生ややあり 4級…白粉発生多い 5級…白粉発生非常に多い。
(フイルムの巻き特性) フイルムを幅1000mm、長さ1800mのロールに、巻取速
度300m/分で巻き取り、この巻き上げたロールの端面ず
れ(幅方向のずれの距離)、縦しわの発生状態を検査
し、次のとおり判定した。
1級…端面ずれが0.5mm未満、かつ縦しわのないもの 2級…ロール巻き取り直後は端面ずれが0.5mm未満、縦
しわなしだが、24時間放置後に目視で縦しわが認められ
たもの 3級…端面ずれが0.5mm以上あるか、またはロール巻き
取り直後に目視で 縦しわが認められたもの 1級、2級のものを合格とした。
実施例1 幾何平均径(以後dgと略す)1.84μm、幾何標準偏差
(以後σgと略す)3.8を有し、リン元素を五酸化リン
換算で2重量%含有する炭酸カルシウム粉末10部をエチ
レングリコール100部へ添加し、ホモジナイザーにて高
速攪拌してdg1.32μmでσg3.7を有する炭酸カルシウム
のスラリーを得た。該スラリーを更にサンドグラインダ
ー(五十嵐機械(株)製)で3時間処理した後スラリー
を抜き出し、静置して粗大粒子を沈降させて除去してか
ら、目開き1.0μmのフイルターでろ過して、dgが0.40
μm、σgが2.3である炭酸カルシウムのエチレングリ
コールスラリーを得た。得られたスラリーをカバーガラ
スの間に挾み、顕微鏡観察した結果粗大凝集粒子は存在
しなかつた。
更にジメチルフタレート100部とエチレングリコール6
4部を酢酸マンガン4水和物0.04部を触媒として常法通
りエステル交換せしめた後、上記で得られた炭酸カルシ
ウムのスラリー5.5部(炭酸カルシウムとして0.5重量%
対ポリマ)、リン酸トリメチル0.03部および重合触媒と
して0.035部の酸化アンチモンを攪拌下に添加した。そ
の後反応温度240℃で反応系の減圧を開始し、徐々に反
応系を高真空化するとともに反応温度を上昇させ、75分
で290℃にするとともに反応圧も1mmHg以下として重縮合
反応を実施した。その結果、重縮合反応時間2時間52分
で〔η〕0.620のポリマを得ることができた。
得られたポリマを2枚のカバーガラスの間に挾み280
℃で溶融プレスし急冷後顕微鏡観察した結果は粒子が均
一に分布し、凝集粒子は存在しなかつた。
実施例2 dg 2.65μm、σg 1.9を有し、リン酸を五酸リン換算
で0.01重量%含有する炭酸カルシウム粉末10部をエチレ
ングリコール100部へ添加し、更にリン酸2部およびト
リエチレンアミン1.6部を加えてからサンドグラインダ
ー(五十嵐機械(株)製)で4時間処理してからスラリ
ーを抜き出し静置して粗大粒子を沈降させ除去してか
ら、目開き2.0μmフイルターでろ過してdgが0.82μm
でσgが2.8である炭酸カルシウムのエチレングリコー
ルスラリーを得た。得られたスラリーを顕微鏡観察した
結果粗大凝集粒子は存在しなかつた。
その後実施例1と同様に操作して重縮合時間2時間38
分で炭酸カルシウム0.5重量%含み〔η〕0.635を有する
ポリエチレンテレフタレートを得た。
得られたポリマを2枚のカバーガラスの間に挾み、28
0℃にて溶融プレスし急冷した後、顕微鏡観察した結
果、粒子が均一に分散し、凝集粒子は存在しなかつた。
実施例3および4 実施例1および2で得たポリマを170℃で2時間減圧
で乾燥した後290℃で溶融押出し90℃で縦方向に30倍、1
30℃で横方向に3.0倍延伸した後220℃で熱処理し、1.5
μmの厚さのフイルムを作成した。得られたフイルムの
静摩擦係数はそれぞれ0.89、0.86であり、滑り性の評価
はともに1級であり、フイルムの耐摩耗性はともに1級
であつた。又、フイルムの表面平滑性であるRaはそれぞ
れ0.012、0.015であつた。また、巻き特性は共に1級で
あつた。
比較実施例1 dg 1.84μm、σg 3.8を有し、リン元素を五酸化リン
換算で2重量%含有する炭酸カルシウム粉末10部をエチ
レングリコール100部へ添加し、ホモジナイザーにて高
速攪拌してdg 1.32μm、σg 3.7を有する炭酸カルシウ
ムのエチレングリコールスラリーを得た。得られたスラ
リーを顕微鏡観察した結果、粗大粒子が点在していた。
このスラリーを用いて実施例1と同様にして、重縮合時
間2時間48分で炭酸カルシウム0.5重量%含み〔η〕0.6
23を有するポリエチレンテレフタレートを得た。
得られたポリマーを2枚のカバーガラスの間に挾み、
280℃にて溶融プレスし、急冷した後顕微鏡観察した結
果、粗大粒子がスラリーに対応し点在していた。
また実施例3および4と同様にしてフイルムを作成し
た。得られたフイルムの静摩擦係数は0.84であり滑り性
は1級であつたが、フイルムの耐摩耗性は4級でありフ
イルムの表面平滑性であるRaは0.031であつた。また、
巻き特性は2級であった。
比較実施例2 dg 0.42μmでσg 1.7を有し、リン元素を五酸化リン
換算で0.6重量%含有する炭酸カルシウムのグリコール
スラリーを実施例1と同様の方法で調整した。その後更
に実施例1と同様にして重縮合時間2時間45分で炭酸カ
ルシウム0.5重量%含み、〔η〕0.633を有するポリエチ
レンテレフタレートを得た。スラリー、ポリマ共に顕微
鏡観察の結果粗大粒子は存在していなかつた。
更に、得られたポリマから実施例3および4と同様に
してフイルムを作成した。得られたフイルムの静摩擦係
数は1.41で、滑り性は2級であり、フイルムの耐摩耗性
は3級であつた。またフイルムの表面平滑性であるRaは
0.011であつた。また、巻き特性は3級であった。
比較実施例3 dg 2.46でσg 2.5を有し、リン元素を五酸化リン換算
で0.01重量%含有する炭酸カルシウムのグリコールスラ
リーをろ過の際用いるフイルムの目開きを2μmから5
μmにした以外は実施例2と同様の方法で調整した。得
られたスラリーを顕微鏡観察した結果、粗大凝集粒子は
存在していなかつた。
その後実施例1と同様に操作して、重縮合時間2時間
43分で炭酸カルシウム0.5重量%含み〔η〕0.635を有す
るポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリマ
を2枚のカバーガラスの間に挾み、280℃にて溶融プレ
スし、急冷した後顕微鏡観察した結果、粗大凝集粒子は
存在していなかつた。
更に得られたポリマから実施例3および4と同様にし
てフイルムを作成した。得られたフイルムの静摩擦係数
は0.82で、滑り性およびフイルムの巻き特性は共には1
級であつたが、フイルムの耐摩耗性は3級であつた。
またフイルムの表面平滑性であるRaは0.042であつ
た。
〔発明の効果〕 本発明方法により粗大粒子の少ない、粒子分散性がよ
いポリエステルが得られ、表面平坦性、滑り性および耐
摩耗性の優れた成形品を得ることができる。
本発明は、ポリエステル繊維、フイルムあるいはその
他の成形品分野において有効であるが、特に表面平坦
性、滑り性に大きく影響をうける磁気テープ、マイクロ
フイルム、蒸着フイルム分野およびスーパーブライト繊
維、ブライト繊維の分野において好ましく用いることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−168719(JP,A) 特開 昭60−58431(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸もしくはその機能誘導
    体を主とする二官能性酸成分とグリコール成分よりポリ
    エステルを製造するに際し、ポリエステル製造反応系に
    幾何平均径(dg)が0.02〜2.0μmであり、幾何標準偏
    差(σg)が2.0〜3.5である炭酸カルシウム粒子をポリ
    エステルに対し0.001〜5重量%添加することを特徴と
    するポリエステル組成物の製造法。
  2. 【請求項2】炭酸カルシウム粒子がリン元素を五酸化リ
    ン換算で0.002〜5重量%含有する特許請求の範囲第1
    項記載のポリエステル組成物の製造法。
  3. 【請求項3】炭酸カルシウム粒子をグリコールスラリー
    としてポリエステルの製造反応系に添加する特許請求の
    範囲第2項記載のポリエステル組成物の製造法。
  4. 【請求項4】芳香族ジカルボン酸もしくはその機能誘導
    体を主とする二官能性酸成分とグリコール成分よりなる
    ポリエステルであって、幾何平均径(dg)が0.02〜2.0
    μmであり、幾何標準偏差(σg)が2.0〜3.5である炭
    酸カルシウム粒子をポリエステルに対し0.001〜5重量
    %含有することを特徴とするポリエステル組成物。
  5. 【請求項5】炭酸カルシウム粒子がリン元素を五酸化リ
    ン換算で0.002〜5重量%含有する特許請求の範囲第4
    項記載のポリエステル組成物。
  6. 【請求項6】フィルム用に使用されることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項または第5項記載のポリエステル
    組成物。
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