JP3088009B2 - ポリエステル組成物 - Google Patents

ポリエステル組成物

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JP3088009B2 JP02090015A JP9001590A JP3088009B2 JP 3088009 B2 JP3088009 B2 JP 3088009B2 JP 02090015 A JP02090015 A JP 02090015A JP 9001590 A JP9001590 A JP 9001590A JP 3088009 B2 JP3088009 B2 JP 3088009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステル組成物に関し、詳しくは表面欠
点の少ない、ないしは無いフィルムを形成し得るポリエ
ステル組成物に関し、さらに詳しくは、特に極薄用フィ
ルム形成に好適な粗大粒子含有量の少ないポリエステル
組成物に関する。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステ
ルは、その優れた機械的、化学的特性の故に、繊維・フ
ィルムの用途で広く使用されている。特に、近年めざま
しい発展を遂げているオーディオテープ、ビデオテー
プ、コンピューターテープ、フロッピーディスクなどの
磁気記録分野では、ポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンナフタレートなどの二軸延伸フィルムが好適に
使用されている。
また、フィルムに成型する際の成型工程における工程
通過性や製品自体での取扱い性、作業性や商品価値の向
上のため、ポリエステル中に微粒子を存在させ、表面に
微細な凹凸を形成せしめ、製品の表面滑性を向上させる
ことが一般的に行なわれている。
このようなポリエステル中に微粒子を存在させる方法
においては、フィルム用、特に磁気記録用フィルムやコ
ンデンサーなど、電気用途においては電気特性の悪化、
削れ物の発生などの問題を引き起こすこともよく知られ
ている。
かかる問題を解決するため、例えば、特開昭54−1209
8、特開昭55−9606号公報などでは微粒子のエチレング
リコールスラリーを機械的に分散させる方法、特開昭54
−131694、特開昭60−71632、特開昭61−28522号公報な
どでは分散剤または表面処理剤を使用し、粒子の分散性
を向上させる方法、特開昭59−17955、特開昭60−11284
9、特開昭63−72729、特開昭63−108037号公報などでは
粒子径分布が特定の範囲にある粒子を使用する方法が提
案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かかる従来技術においては、一定の改
良効果は認められるものの、その改良効果は不十分なも
のであった。
例えば、磁気テープ用途においては、録画、録音済み
の、いわゆるソフトテープなどの需要が増加してきてお
り、また再生装置の高性能化に伴ない、電気特性の向上
要求が大きくなり、またソフトテープに録画、録音する
際、高速ダビングされるようになってきている。このた
め、磁気テープベースフィルムの粗大突起の減少または
皆無化、高速速行時のガイドピンなどとの擦傷性、走行
安定性が必須となってきている。
高速速行時の耐擦傷性、走行安定性は、フィルム中で
の粒子濃度を高めることにより改良でき、フィルム中に
存在する粒子濃度を従来に比較して大幅に増加させるこ
とが試みられている。
しかるに、粒子高濃度含有フィルムを従来技術の方法
で製造した場合には、フィルム中に存在する微量の粗大
粒子の影響で、フィルム表面に粗大突起が多数生成し、
この結果、電気特性を大幅に低下させてしまうという問
題点を有していた。
また一方、フィルムの薄膜化の要求も強く、特に3μ
mの極薄フィルムが製造されるようになってきた。さら
に、これら極薄フィルムに粒子を多量に含有せしめ、滑
り性や機械的特性を向上せしめる試みが行なわれている
が、従来技術では製造時に圧が上昇したり、フィルム
破れが多発し、また、極薄フィルムを磁気記録用、コン
デンサー用といった用途に適用する場合には、電気特性
が低下してしまうといった重大な問題点を有しているこ
とが明らかになった。
本発明の目的は、上記した従来技術の有していた問題
点を解決し、粒子を多量に含有した極薄フィルムを製造
する場合に、圧上昇や膜破れといった工程通過性を改
良し、かつ欠点の少ない製品を形成し得るポリエステル
組成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、ポリエステルおよび該ポリ
エステルに対し不活性な平均径0.1〜3μmの粒子から
なり、かつ該粒子をポリエステルに対して3〜50重量%
含有し、プレポリマーまたは重縮合モノマーの溶液の粒
子スラリーに対して分級処理を施すことにより製造して
なる、5〜10μmの粗大粒子の存在量が下記一般式
(I)を満足することを特徴とするポリエステル組成物 B≦500×A ・・・・・・(I) 〔ただし、Aはポリエステル組成物中の不活性粒子の
量(重量%)、Bはポリエステル組成物中の5〜10μm
の粗大粒子の存在量(ppm、対ポリエステル組成物)を
表わす。〕 の発明によって達成することができる。
本発明におけるポリエステルとは、芳香族ジカルボン
酸成分とグリコール成分を主たる成分として構成される
固有粘土が0.4〜1.0、好適には0.45〜0.7のポリエステ
ルであり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキシルジメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シク
ロヘキシルジメチレン−2,6−ナフタレートなどを挙げ
ることができ、なかでもポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
もちろん、本発明のポリエステルには、イソフタル
酸、アジピン酸、ソジウムスルホイソフタル酸などのご
とき芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸、オキシ
安息香酸のごときオキシカルボン酸、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、キシリレングリコールなどのグリコ
ール成分、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリアルキレングリコール成分を共
重合したコポリマーであってもよい。
本発明におけるポリエステルに対し不活性な微粒子と
は、ポリエステルの製造時、成型時または成型後におい
てポリエステル成分と反応し、劣化を生じさせない微粒
子のことであり、具体的には、天然品を粉砕・分級した
り、合成法で製造したシリカ、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、セリア、酸化モリブテン、酸化タングステ
ン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化鉄、カオリン、カーボンなどの無機化合物粒
子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、架橋ポ
リスチレン、ポリイミド粒子、エポキシ樹脂粒子などの
有機化合物粒子などを挙げることができる。
なかでも合成法で製造した炭酸カルシウム、球状シリ
カ、アルミナ、球状チタニアなどの無機粒子、球状シリ
コーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子などの有機粒子が
均一性の面から好ましく使用される。
粒子形状は、天然品は粉砕法のため不定形をしている
が、粒子径の分布は均一であることが好ましい。粒子径
の分布は、積算粒度分布をとったときの積算10%時の粒
子径d10と積算90%時の粒子径d90の比が、5未満より好
ましくは4未満である。
一方、合成品については、球状、方形、多角形、ロゼ
ッタ状、また核となる粒子の表面に微細粒子の付着した
コンペイ糖状、いくつかの粒子が結合した繊維状粒子な
どがあり、いずれの形状も使用することができる。ま
た、合成後粉砕して不定形としたものであってもかまわ
ない。一般に合成法で製造した粒子は粒度分布が均一で
あり、例えばコロイダルシリカやチタニア、架橋ポリス
チレン、シリコーン粒子などは、d10とd90の比が2以下
となり特に好ましい。
本発明の組成物は、以下に説明する方法で測定した5
〜10μmの粗大粒子の存在量B(ppm対ポリマー組成
物)が式(I)で示される関係を満足することが必要で
ある。
B≦500×A ・・・・・・(I) 〔ただし、Aはポリエステル組成物中の不活性粒子の
量(重量%)を表わす。〕 さらに好ましくはB≦300×A、最も好ましくはB≦2
00×Aである。5〜10μmの粗大粒子の存在量が本発明
の範囲を超えると、成型時に圧が大きくなり、また糸
切れやフィルム破れの原因となり、また製品としての欠
点の原因となり好ましくない。5〜10μmの粗大粒子の
測定は、粒子含有ポリマーをあらかじめ1μmフィルタ
ーで過したオルソクロロフェノールなどの溶媒に溶解
し、コールターカウンター(COULTERELECTRONICS、INC
製)や液体微粒子カウンター(HIAC/ROYCO INSTRUMENT
S、DIVISION製)などで5〜10μmの粒子数を計数する
ことにより実施する。粒子数測定きざみの中間値Dと測
定された粒子数nから、次式により5〜10μmの粒子量
〔B(ppm)〕を計算する。
B=106{Σ(πρnD3/6)}/W 〔式中、ρは粒子の密度(g/cm3)、nは粒子径測定
きざみ中に存在する粒子数、Dは粒子数測定きざみの中
間値(cm)、Wはポリマー量(g)、Σは5〜10μmの
範囲を示す。〕 一方、既知量のポリマーを溶解し、高速遠心分離して
粒子のみをポリマーから分離して粒子量を測定するか、
無機粒子の場合にはポリマーを灰化処理してポリマーを
除去し、回収された粒子量をポリマー量で割って粒子含
有量〔A(%)〕を測定する。粒子量は、その他原子吸
光法や蛍光X線分析法で求めてもよい。
本発明で使用する微細粒子の平均径は0.1〜3μm、
より好ましくは0.1〜2μmである。粒子径が3μmを
超える場合には、極薄フィルムを製造した場合にフィル
ム破れが多くなったり、電気特性の低下などを引き起こ
し好ましくない。また、0.1μm未満のときは、滑り性
が不足し好ましくない。
本発明のポリマー組成物は、含有する粒子量が重量%
で3〜50%と多量である必要がある。好ましい含有量は
3〜30%、最も好ましくは6〜20%である。含有量が本
発明の範囲より少ない場合には、特に本発明で目的とし
ている極薄フィルムで滑り性が不足し、また本発明の範
囲より多い場合には、凝集粒子が生成しやすくなり好ま
しくない。
本発明のポリエステル組成物は、例えば次の製造法に
よって達成できる。
芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とするジカルボン
酸およびそのエステル形成性誘導体とグリコールとから
エステル交換反応またはエステル化反応を行ない、また
は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とするジカルボ
ン酸とエチレンオキサイドなどとからエステル化反応を
行ない、プレポリマーまたは重縮合モノマーを製造す
る。得られたプレポリマーまたは重縮合モノマーをグリ
コール、エタノールなどのプレポリマーまたは重縮合モ
ノマーを溶解する溶媒に溶解し、該溶液中にポリエステ
ルに対し不活性な粒子を分散させる。
プレポリマーまたは重縮合モノマーを溶解させると
き、必要であれば加熱溶解することもできる。また、ポ
リエステルに対し不活性な粒子を分散させるため、例え
ば超音波分散や高速分散などの公知の分散方法を適用す
ることが好ましい。
かくして得られたプリポリマーまたは重縮合モノマー
溶液の粒子スラリーを、例えば遠心分離法により分級を
行ない、粒子スラリー中の粗大粒子を除去し、(I)式
を満足するようにする。この遠心分離の条件は、粒子の
種類、粒度分布、溶媒の種類などによって調整する。さ
らにその後、例えば3μmの目開きのフィルターを用い
て過を行ない、スラリー中の粗大粒子を除去しておく
ことも有効である。
かくして得られたプレポリマーまたは重縮合モノマー
含有粒子スラリーは、重合反応器に移し、加熱しながら
微減圧または常圧下に溶媒を留去する。引き続き、減
圧、加熱して重縮合反応を行ない、所定の重合度をポリ
マーとする。
この場合、用いるプレポリマーまたは重縮合モノマー
によっては、これらを溶解する溶媒を用いることなく、
融解させて分子の分散および分級・過などを行なうこ
ともできる。
本発明の組成物は紫外線吸収剤、帯電防止剤などを含
有していてもかまわない。また、本発明の組成物は繊維
またはフィルム用途において有効であり、極細繊維や極
薄フィルム用途において好ましく用いることができる。
特に本発明の組成物は粗大粒子の存在量が極めて少量
のため、粒子量が3〜30%もの多量の場合で、かつ極薄
フィルムに用いる場合、あるいはさらにこの極薄フィル
ムと他のフィルムとの積層体に用いる場合でも、粗大突
起が少なく、かつ耐擦傷性、走行安定性が極めて良好で
あるため、使用頻度の高い磁気テープ用途に用いても、
電気特性、耐久性などに優れたフィルムとして使用され
る。
[実 施 例] 以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明す
る。なお、実施例中の物性は次のようにして測定した。
A.スラリー中平均粒子径 粒子スラリーを作成し、遠心沈降式粒度測定装置(CA
PA500、堀場製作所製)を用いて測定した。
B.ポリマー中平均粒子径 粒子含有ポリマーをあらかじめ1μmフィルターで
過したオルソクロロフェノールに溶解し、遠心沈降式粒
度測定装置(CAPA500、堀場製作所製)またはレーザー
散乱式粒子径測定装置(マイクロトラック、日機装株式
会社製)で測定した。
C.ポリマー固有粘度 オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定し
た。
D.ポリマー圧 5μmフィルターを装着した押出機でポリマーを押出
し、押出量と圧の関係から単位過面積当たりの圧
曲線を作成し、ポリマー組成物100g通過時の圧上昇
(kg/cm2/ポリマー100g/フィルター1cm2)から次のよう
に判定した。
圧上昇が 2kg/cm2未満 1級 2kg/cm2以上 5kg/cm2未満 2級 5kg/cm2以上10kg/cm2未満 3級 10kg/cm2以上 4級 3級以上で実用に供することができる。
E.工程通過性 ポリエステル組成物をポリマーの融点+30℃の温度で
押出し、冷却ドラム表面で冷却した後、縦方向に3.6
倍、横方向に3.9倍の延伸を行なって、厚さ3μmのフ
ィルムを作成した。このときに発生するフィルム破れや
巻取時の巻き姿を観察し、工程通過性の評価とした。
F.フィルム表面欠点 Eで作成したフィルムをアルミニウム蒸着し、微分干
渉顕微鏡を用いて観察し、画像解析装置(ルーゼックス
500、日本レギュレーター製)で3μm以上の大きさの
突起数をカウントした。
G.走行摩擦係数 幅1/2インチに裁断したフィルムを固定棒(表面粗さ
0.3μm)に角度120゜で接触させ、毎分200mの速さで移
動(摩擦)させる。入口テンションが20gになるよう調
整し、移動フィルムの出口テンションを検出機で検出し
て、走行摩擦係数μk0を測定した。また、同じフィルム
を50回摩擦したときの走行摩擦係数μk50を測定した。
実施例1 ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール7
0部の混合物に酢酸マンガン・4水塩0.04部を添加し、1
50℃から240℃まで徐々に昇温しながらエステル交換反
応を行なった。得られた反応混合物にエチレングリコー
ル250部および、あらかじめ分散処理を行ない、調整し
ておいた平均粒子径0.3μmの球形酸化チタンのエチレ
ングリコールスラリー(スラリー濃度15重量%)200部
およびリン酸トリメチル0.025部を添加し、100℃で1時
間撹拌混合した。得られた混合物を100℃で遠心分級を
行ない、その後、目開き3μmのフィルターで過し
た。得られた過スラリーを重合反応器に移し、三酸化
アンチモン0.04部を添加した後、240℃まで徐々に昇温
してエチレングリコールを留出させた。引き続き、昇
温、減圧を行ない、290℃、0.2mmHg以下の高真空下にて
重縮合反応を行なって、固有粘度0.60のポリエチレンテ
レフタレートを得た。ポリマー中の酸化チタンの含有量
は23.2重量%で、5〜10μmの粗大粒子量は1,000ppmで
あった。また、粒子の平均径は0.25μmで、積算粘度分
布曲線から得たd90/d10の比は2.3であった。
このポリマーを用いて過性テストを行なった結果
は、圧上昇が2.0kg/cm2であり、良好な過特性を有
していた。
さらに、このポリマーを用いてポリエステルフィルム
を製造した際の工程通過性は、製膜時にフィルム破れは
発生せず、また巻き姿も良好であった。フィルム表面欠
点は4個/cm2で良好な表面状態を有していた。
また走行摩擦係数は、μk0は0.25、μk50は0.25で耐
久走行性も良好であった。
比較実施例1 実施例1で用いた平均粒子径0.3μmの球形酸化チタ
ン粒子をエチレングリコールに分散し、得られたスラリ
ーをサンドミルで分散処理した。分散処理後、スーパー
デカンタにて該スラリー分級し、スラリー濃度15重量
%、平均径0.25μmの酸化チタンエチレングリコールス
ラリーを得た。得られたスラリーは目開き3μmのフィ
ルターで過した。
ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール7
0部の混合物に酢酸マンガン・4水塩0.04部を添加し、1
50℃から240℃まで徐々に昇温しなからエステル交換反
応を行なった。得られた反応物にリン酸トリメチル0.02
5部を添加し、15分間反応させてから三酸化アンチモン
0.04部を添加し、さらに5分間反応させてから酸化チタ
ンスラリー132部を添加した。続いて290℃まで昇温し、
0.2mmHg以下の高真空下にて重縮合反応を行なって、固
有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを得た。ポリ
マー中の酸化チタンの含有量は16.7重量%で、5〜10μ
mの粗大粒子量は12,000ppmであった。また、粒子の平
均径は0.26μmで、積算粒度分布曲線から得たd90/d10
の比は2.4であった。
このポリマーを用いて過性テストを行なった結果
は、圧上昇が40kg/cm2であり、過性が不良であっ
た。
さらに、このポリマーを用いてポリエステルフィルム
を製造した際の工程通過性は、製膜時にフィルム破れが
多発し、また圧も上昇し、フィルム厚さの均一性が不
良であった。フィルム表面欠点は80個/cm2で表面状態も
不良なものであった。
また走行摩擦係数は、μk0は0.24、μk50は0.29で耐
久走行性がやや不良であった。
実施例2〜4、比較実施例2〜4 実施例1において酸化チタンの添加量を変化させた
り、分級条件を変更する以外は、実施例1と全く同様に
して酸化チタン含有ポリエステル組成物および3μm厚
さのポリエステルフィルムを作成した。表−1から、粗
粒量が本願発明の範囲であれば過性、工程通過性およ
びフィルム特性が良好であることがわかる。
実施例5 平均径0.7μmの合成炭酸カルシウム15部をポリアク
リル酸ソーダ0.15部とともにエチレングリコール100部
に分散し、得られたスラリーをサンドミルで分散処理し
た。分散処理後、スーパーデカンタにて該カラリー分級
し、スラリー濃度10重量%、平均径0.55μmの合成炭酸
カルシウムエチレングリコールスラリーを得た。得られ
たスラリーは、さらに目開き5μmのフィルターで過
した。
実施例1において酸化チタンスラリーに替えて、上記
で調整した合成炭酸カルシウムスラリーを添加する以外
は、実施例1と同様にしてポリマーを作成した。得られ
たポリマーの固有粘度は0.59、ポリマー中の炭酸カルシ
ウムの含有量は9.9%で、5〜10μmの粗大粒子量は800
ppmであった。また、粒子の平均径は0.55μmで、積算
粒度分布曲線から得たd90/d10の比は3.5であった。
このポリマーを用いて過性テストを行なった結果
は、圧上昇が3.0kg/cm2であり、良好な過特性を有
していた。
さらに、このポリマーを用いてポリエステルフィルム
を製造した際の工程通過性は、製膜時にフィルム破れは
発生せず、また巻き姿も良好であった。フィルム表面欠
点は5個/cm2で良好な表面状態を有していた。
また走行摩擦係数は、μk0は0.27、μk50は0.28で良
好な耐久走行性を有していた。
実施例6 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部
とエチレングリコール50部の混合物に酢酸マンガン・4
水塩0.04部を添加し、150℃から240℃まで徐々に昇温し
ながらエステル交換反応を行なった。得られた反応物に
リン酸トリエチル0.025部を添加し、次いでエチレング
リコール400部および平均粒子径0.4μの球状コロイダル
シリカを10%含有するエチレングリコールスラリーを15
0部添加した。100℃に加温した後、遠心分離器を用いて
分級を行ない、次いで目開き3μmのフィルターで過
した。液に三酸化アンチモン0.04部を添加し、重合反
応器に移して240℃まで昇温し、エチレングリコールを
留去した。エチレングリコールの留出が止まってから徐
々に減圧および昇温を行ない、300℃、0.2mmHg以下の高
真空下にて重縮合反応を行なって、固有粘度0.62のポリ
エチレン−2,6−ナフタレートを得た。ポリマー中のシ
リカの含有量は13.1重量%で、5〜10μmの粗大粒子量
は500ppmであった。また、粒子の平均径は0.41μmで、
積算粒度分布曲線から得たd90/d10の比は1.2であった。
このポリマーを用いて過性テストを行なった結果
は、圧上昇が2.0kg/cm2であり、良好な過特性を有
していた。
さらに、このポリマーを用いてポリエステルフィルム
を製造した際の工程通過性は、製膜時にフィルム破れは
発生せず、また巻き姿も良好であった。フィルム表面欠
点は3個/cm2で良好な表面状態を有していた。
また走行摩擦係数は、μk0は0.26、μk50は0.27で耐
久走行性に優れていた。
比較実施例5 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部
とエチレングリコール50部の混合物に酢酸マンガン・4
水塩0.04部を添加し、150℃から240℃まで徐々に昇温し
ながらエステル交換反応を行なった。得られた反応物に
リン酸トリエチル0.025部を添加し、15分間反応させて
から三酸化アンチモン0.04部を添加し、さらに5分間反
応させてから、平均径0.4μmの球状コロイダルシリカ
を10%含有するエチレングリコールスラリー100部を添
加した。続いて300℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空
下にて重縮合反応を行なって、シリカ含有量9.16重量
%、固有粘度0.63のポリエチレン−2,6−ナフタレート
を得た。粒子の平均径は0.41μm、積算粒度分布曲線か
ら得たd90/d10の比は1.2で実施例6と同等であったが、
5〜10μmの粗大粒子量は6,000ppmであった。
このポリマーを用いて過性テストを行なった結果
は、圧上昇が15kg/cm2であり、過特性が劣ってい
た。
さらに、このポリマーを用いてポリエステルフィルム
を製造した際の工程通過性は、製膜時にフィルム破れが
多発した。フィルム表面欠点は40個/cm2で表面状態も不
良なのであった。
[発明の効果] 本発明のポリエステル組成物は、ポリマー中に粒子を
多量に含有し、かつ粗大粒子量が少ないことから、特に
極薄フィルムを製造するとき、圧の上昇が少なく、フ
ィルム破れといった問題がなく、良好な生産性で製造す
ることができ、また製品としても以下のような効果を奏
する。
磁気記録用途や電気絶縁用途などのベースフィルム
に使用したとき、良好な滑り性を有し、かつ電気特性の
低下が少ないフィルムを得ることができる。
製品に成型する場合や製品として使用する場合、擦
過に対して抵抗力の大きなフィルムを製造でき、崩れ物
の発生を抑制することができる。
特に3μm厚さ以下のフィルムを製造するとき、一
般に滑り性が低下するが、本発明の組成物を用いたとき
には、良好な滑り性を有する極薄フィルムや、この極薄
フィルムと他のフィルムとの複合フィルムを得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 雅俊 静岡県三島市4845番地(町、丁目表示な し) 東レ株式会社三島工場内 (56)参考文献 特開 昭61−66626(JP,A) 特開 昭63−105059(JP,A) 特公 昭62−44775(JP,B2) 特公 昭62−44774(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルおよび該ポリエステルに対し
    不活性な平均径0.1〜3μmの粒子からなり、かつ、該
    粒子をポリエステルに対して3〜50重量%含有し、プレ
    ポリマーまたは重縮合モノマーの溶液の粒子スラリーに
    対して分級処理を施すことにより製造してなる、5〜10
    μmの粗大粒子の存在量が下記一般式(I)を満足する
    ことを特徴とするポリエステル組成物。 B≦500×A ・・・・(I) [ただし、Aはポリエステル組成物中の不活性粒子の量
    (重量%)、Bはポリエステル組成物中の5〜10μmの
    粗大粒子の存在量(ppm、対ポリエステル組成物)を表
    わす。]
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