JP2645156B2 - 料金カード - Google Patents

料金カード

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JP2645156B2
JP2645156B2 JP25495989A JP25495989A JP2645156B2 JP 2645156 B2 JP2645156 B2 JP 2645156B2 JP 25495989 A JP25495989 A JP 25495989A JP 25495989 A JP25495989 A JP 25495989A JP 2645156 B2 JP2645156 B2 JP 2645156B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は交通機関で使用される料金カード、例えば駅
務料金カードに関する。
(従来の技術) 鉄道などにおいて、A駅からB駅、C駅を通過してD
駅まで利用するのに際して、利用者がA駅−B駅間の定
期券PとC駅−D駅間の定期券Qを別々に所持し、A駅
にて定期券Pを用いて入場し、D駅にて定期券Qを用い
て出場することにより、B駅からC駅間の料金を支払わ
ずに利用する中間無礼(キセル)等の不正が行われる場
合がある。同様に、利用者がA駅にてA駅−B駅間の普
通乗車券又は回数券で入場し、D駅にてC駅−D駅間の
定期券Qを用いて出場することにより、B駅からC駅間
の料金を支払わずに利用する中間無礼(キセル)等の不
正が行われる場合がある。しかし、このような不正乗車
に対して現行の多くの駅務システムでは、改札口にてそ
の不正を見付けることができない。
そこで、全ての駅務を自動化し、入場時、出場時にお
いて、必ず自動改札装置を通って乗車するものとし、入
場時に定期券などに入場データを磁気情報として付与
し、出場時にその入場データが記録されているか否かの
チェックにより不正乗車か否かを判断する駅務システム
が開発されようとしている。
ところが、前記のように、定期券などに入場データを
磁気記録しただけでは係員が直接その情報を目視で確認
することができないことから、その不正乗車を直接かつ
明確に証明できないため、利用者の納得が得られずに利
用者と係員とのトラブルが絶えないという問題が生じる
おそれがある。したがって、中間無礼などの不正乗車を
確実に防止することができ、しかも不正乗車である否か
を明白に証明できるものが要望されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は前記課題を解決するためになされたものであ
り、係員が中間無礼などの不正利用である否かを直接か
つ明確に証明することができる料金カードを提供するこ
とを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の料金カードは、基材と、目視不可能な情報の
高密度記録層と、目視可能な情報を有彩色の色変化(無
色−有彩色間または有彩色−有彩色間の変化)として記
録及び消去できる表示層とを具備し、前記表示層は、転
移温度以上への加熱および急冷により発色し、転移温度
以上への加熱および徐冷により消色するか、または第1
の転移温度以上への加熱および急冷により第1の発色状
態を示し、第2の転移温度以上への加熱および急冷によ
り第2の発色状態を示す高分子液晶からなっていること
を特徴とするものである。
本発明の料金カードは、例えば、基材の一方の面に高
密度記録層が積層され、基材の他方の面に表示層が積層
された構造を有している。この場合、基材と表示層との
間に印刷層を設けてもよい。なお、基材に高密度記録
層、表示層を順次積層してもよい。この場合、高密度記
録層への記録に支障が生じないように、表示層の厚み、
及び表示層を形成する領域を規定することが望ましい。
また、いずれの場合でも表示層の上に保護層を形成する
ことが望ましい。
基材としては、プラスチック、金属、ガラス、紙、布
などからなるものが挙げられる。
高密度記録層は、例えば磁気記録層からなり、カード
の使用状況として、残額、利用日、乗車駅などの情報が
記録される。
表示層は、カードの使用状況として、高密度記録層の
情報の全部又は一部、すなわち残額、利用日、乗車駅な
どの情報を有彩色の色変化として表示及び消去できるも
のである。この表示層を構成する材料としては、高分子
液晶、フォトクロミック材料が好ましい。
高分子液晶としては、転移温度以上、分解温度以下の
温度領域で発色し、転移温度以下に急冷すると発色が保
持され、転移温度以下に徐冷すると基色するものを用い
ることができる。また、高分子液晶としては、転移温度
以上での加熱温度の違いにより、高分子液晶の螺旋ピッ
チが変化し、これに応じて発色状態が変化し、いずれの
状態からも転移温度以下に急冷するとその発色が保持さ
れ、有彩色の色調の違いを記録及び消去に対応させるこ
とができるものを用いることもできる。
前者では、第2図に示すように、高分子液晶を透明状
態の温度T4から、転移温度T6以上の温度T5まで昇温して
目視可能な分光スペクトルを示す発色状態とし、急冷す
ると温度T4でも発色が保持される。また、高分子液晶を
温度T5から温度T4へ徐冷すると、発色状態から透明状態
に戻り、転移温度以下の温度に保持するかぎり、そのま
ま透明状態が保持される。
後者では、第3図に示すように、高分子液晶を透明状
態の温度T4から、転移温度T6以上の温度T5まで昇温して
目視可能な分光スペクトルを示す第1の発色状態とし、
急冷すると温度T4でも第1の発色が保持される。高分子
液晶を第1の発色状態の温度T4から、転移温度T6以上の
他の温度T7まで昇温して目視可能な分光スペクトルを示
す第2の発色状態とし、急冷すると温度T4でも第2の発
色が保持される。ただし、この場合第1又は第2の発色
状態のいずれかが目視可能な領域に分光スペクトルを有
していればよい。
前記のいずれの場合でも、目視可能な情報は透過型で
あっても反射型であってもよい。
高分子液晶は、記録及び消去の応答速度を自在に制御
するため、螺旋構造をとり得る範囲で重合度を変化させ
たり、可塑剤を適宜添加してもよい。また、加熱時の安
定性を増すために、保護層を設けることが望ましい。
前記のような高分子液晶としては、具体的には特開昭
62−116629号公報、特開昭62−175939号公報、特開昭63
−51193号公報に記載されているコレステリック液晶が
挙げられる。より具体的には、下記一般式 [ここで、R1は炭素数1〜10の、R2は炭素数2〜30のア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアリール
アルキル基よりなる群から選ばれ(ただしR1≠R2)、m
及びnは50<m+n<2000、m/n=80〜10/20〜90であ
る。]で表わされるグルタミン酸エステル共重合体のう
ち、R1とR2との炭素数の差が5以上であるものである。
R1としては、以下のような基が挙げられる。アルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基な
どが挙げられる。また、これらと炭素数が同じで枝別れ
した構造のものが好ましい。シクロアルキル基として
は、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、エチ
ルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘ
キシル基、ブチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメ
チル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルプロ
ピル基、シクロヘキシルブチル基などが挙げられる。こ
れらのうちでも、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基
などが好ましい。アリール基としては、フェニル基、メ
トキシフェニル基、トルイル基、ジメチルトルイル基な
どが挙げられる。アリールアルキル基としては、ベンジ
ル基、メチルベンジル基、フェニルエチル基、メチルフ
ェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル
基が挙げられる。これらのうちでも、ベンジル基、メチ
ルベンジル基などが好ましい。
R2としては、以下のような基が挙げられる。アルキル
基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デ
シル基、ドデシル基、オクタデシル基、ヘキサデシル基
などが挙げられる。これらのうちでも、ヘキシル基、デ
シル基、ドデシル基、オクタデシル基などが好ましい。
また、これらと炭素数が同じで枝別れした構造のものが
好ましい。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル
基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル
基、ブチルシクロヘキシル基、ヘキシルシクロヘキシル
基、シクロオクチル基、メチルシクロオクチル基、シク
ロデシル基などが挙げられる。アリール基としては、フ
ェニル基、トルイル基、ブチルフェニル基、デシルフェ
ニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。アリー
ルアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル
基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニル
ヘキシル基、フェニルオクチル基、フェニルドデシル
基、メチルフェニルブチル基、エチルフェニルヘキシル
基、メチルフェニルドデシル基などが挙げられる。これ
らのうちでも、フェニルヘキシル基、フェニルオクチル
基、フェニルドデシル基などが好ましい。
また、式中mとnとの比は80〜10/20〜90、好ましく
は70〜40/30〜60である。この範囲外では、サーモトロ
ピック・コレステリック液晶性が明確に出現しない。ま
た、m+n、すなわち重合度は50〜2000、好ましくは10
0〜1500である。重合度が50未満では液晶構造が出現し
にくく、重合度が大きすぎるものは成形性が悪化した
り、コレステリック構造の成長が遅くなるなどして実用
的でなくなる。高分子液晶層の厚さは5〜400μm、好
ましくは5〜150μmで使用される。コレステリック液
晶を形成する温度は共重合体の重合度、組成、エステル
基の種類などに応じて室温から250℃まで変化するが、
取扱いの点から100〜200℃に液晶形成領域が存在するよ
うに重合度、組成、エステル基の種類を選定することが
望ましい。
フォトクロミック材料は、光照射により結晶、ガラ
ス、分子、又は錯体の吸収スペクトルが可逆的に変化す
るものである。フォトクロミック材料としては、無機物
から有機物まで多くのものが知られている。例えば、Ap
pl.Opt.,5,945(1966)、及びOpt.and Laser Tech.,6,6
1(1974)に記載されているSiO−NaO−Al2O3−B2O3ガラ
ス中に50〜100Åのハロゲン化銀(AgCl)粒子を含ませ
たフォトクロミックガラスが挙げられる。このフォトク
ロミックガラスは近紫外線を照射することにより銀が還
元され、光照射を停止すると室温で元の状態に戻る。ま
た、Appl.Phys.Lett.,22,299(1973)に記載されている
チタン酸ストロンチウムなどの酸化物やフッ化カルシウ
ムなどのフッ化物が挙げられる。これらは、300〜400nm
の近紫外線を照射することにより、チタン酸ストロンチ
ウムなどの酸化物ではドープした異種金属間の酸化還元
反応により、フッ化カルシウムなどのフッ化物では金属
イオンと母体結晶の格子欠陥との間の酸化還元反応によ
り、可視部に広い吸収が現われ、加熱又は可視光の照射
により消去される。また、その他のフォトクロミック材
料として、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.(1985)に記載
されているフルギド系化合物や、第32回応用物理学関係
連合講演会予稿集p.111(1985年)に記載されているス
ピロピラン系化合物、具体的にはインドリン・ベンゾチ
オピラン系スピロピラン誘導体が挙げられる。
(作用) 本発明の料金カードでは、目視可能な情報を有彩色の
色変化として可逆的に表示及び消去することができるの
で、係員は中間無礼などの不正利用が行われたとして
も、入場データの表示からその不正乗車を直接かつ明確
に証明することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明に係る駅務料金カード(乗車券、回数
券、定期券、ストアドフェアカード)の断面図である。
第1図において、基材101の表面側には表示層102及び保
護層103が順次積層されている。また、基材101の裏面側
には磁気記録層(磁気ストライプ)104が積層されてい
る。なお、表示層102は表面側の一部(表示エリア)に
設けられ、表示エリア以外では基材101と保護層103との
間に印刷層(図示せず)が設けられている。表示層102
は高分子液晶からなり、加熱と急冷もしくは徐冷によ
り、例えば第2図又は第3図に示すように、可逆的に透
明状態と有彩色の発色状態又は少なくともいずれかが有
彩色である第1の発色状態と第2の発色状態が繰返され
るものである。表示層102には後述するように有彩色で
日付と入場駅データが記録される。磁気記録層104には
利用区間、利用期間、発行駅、入場駅、発行日付、利用
者情報などが磁気情報として記録される。
第4図は本発明に係る乗車券Aの平面図、第5図は本
発明に係る定期券Bの平面図、第6図は本発明に係るス
トアドフェアカードCの平面図である。第4図〜第6図
に示すように、各券面には表示エリア110が設けられて
いる。
第5図に示すように、定期券Bの表面にはその券の利
用区間、利用期間、発行駅、発行日付、利用者情報(氏
名、年齢、性別)などが予め印字され、入場時に表示エ
リア110に日付と入場駅データが有彩色で記録されるよ
うになっている。また、第4図及び第6図に示すよう
に、乗車券A及びストアドフェアカードCでも、定期券
Bと同様に表示エリア110に目視可能な日付、入場駅デ
ータが有彩色で記録されるようになっている。
第7図は本発明の駅務料金カードが使用される自動改
札装置の外観を示すものである。すなわち、1は入出場
業務を行う自動改札装置の本体である。2は入場時には
乗車券A、定期券B、ストアドフェアカードCが投入さ
れ、出場時には投入された各券が排出される投入・排出
口、3は出場時には各券A、B又はCが投入され、入場
時には投入された各券が排出される投入・排出口、4は
出場時に券の投入者の通過を阻止するゲート、5は入場
時に券の投入者の通過を阻止するゲート、6は入場時に
ストアドフェアカードCの残金額を表示する残金額表示
器、7は出場時にストアドフェアカードCの残金額を表
示する残金額表示器、9は異常時に警報を発生せしめる
とともに、その警報後などに係員用の別の装置と連がる
インターホンとしてのスピーカ(本体1内部に設けられ
ている)に対向しているスピーカ孔、10は各改札装置の
本体1に対応する通路11を区別させるための仕切板であ
る。
第8図は本体1の内部機構の概略構成を示すものであ
る。すなわち、一方の投入・排出口2から投入されたカ
ードは図示しない公知の搬送ローラなどの搬送手段によ
って搬送路21上を矢印a方向に搬送されるようになって
いる。また、他方の投入・排出口3から投入されたカー
ドは図示しない搬送ローラによって搬送路21上を矢印b
方向に搬送されるようになっている。搬送路21上には一
方の投入・排出口2側から順に、出場時にストアドフェ
アカードC上に残金額を印字するプリンタ22、券面上の
磁気情報を読取る読取ヘッド23、券面上の表示エリアに
目視可能な日付と入場駅データを記録するサーマルヘッ
ド30、各カードに磁気情報を記録する書込ヘッド24、各
カードの磁気情報を読取る読取ヘッド25が設けられてい
る。また、書込ヘッド24と読取ヘッド25との間には、出
場時に精算処理が必要となった際にカードを停止させる
ストッパ26が設けられている。このストッパ26はソレノ
イド27で矢印c、d方向に上下動することにより搬送路
21を塞ぐようになっている。更に、投入・排出口2とプ
リンタ22との間の搬送路21上には振分け用の区分ゲート
28が設けられている。この区分ゲート28により、回収す
べき使用済みのカードは回収庫29へ振分けられ、再使用
可能なカードは投入・排出口2へ振分けられるようにな
っている。
第9図は電気回路の要部の構成を示すブロック図であ
る。すなわち、31は全体を制御するCPU(セントラル・
プロセッシング・ユニット)、32はスピーカ33を駆動し
たり、スピーカ33からの信号をCPU31へ出力するドライ
バ、34は読取ヘッド25からの信号を増幅する増幅部、35
は読取ヘッド23からの信号を増幅する増幅部、36は書込
ヘッド24を入場駅データ、日付データ、更新データ、回
収データなどの記録データに応じて駆動するドライバ、
37はストアドフェアカードCに対して残金額を印字する
プリンタ22を駆動するドライバ、38、39はそれぞれ前記
ゲート4、5を駆動するドライバ、40は区分ゲート28を
駆動するドライバ、41はソレノイド27を駆動するドライ
バ、42は搬送路21に対して各カードを矢印a、あるいは
b方向に搬送する搬送ローラ(図示しない)などの搬送
機構43を駆動するドライバ、44はCPU31から供給される
種々の入場駅データに応じた運賃データを記憶している
運賃テーブル、45はCPU31から供給される日付と入場駅
データとに応じてサーマルヘッド30を駆動することによ
り、カードの表示エリア110に日付、入場駅データを表
示するか、又はCPU31から供給される消去情報に応じて
カードの表示エリア110の情報を消去する印刷制御部、4
7はCPU31から供給される期間データ、区間データ、入場
駅データ、日付データなどにより各カードの正当性を判
定する判定部、48はストアドフェアカードCの残金額が
プラスかマイナスかを判定する残金額判定部である。
次に、各カードの使用方法を説明する。まず、本体1
が入場業務を行う自動改札装置として用いられる状態に
おける、乗車券A、定期券B及びストアドフェアカード
Cによる入場について説明する。
利用客により乗車券Aが投入・排出口2に投入される
と、その乗車券Aは搬送路21上を矢印a方向に搬送され
る。読取ヘッド23によって、乗車券Aの磁気記録層の内
容、つまり発行駅データ、区間データ、日付データが読
取られ、これらの情報がCPU31に供給される。これによ
り、CPU31は供給される発行駅データ、区間データ、日
付データを用いて判定部47で券が正しいか否か判定し、
正しい場合、サーマルヘッド30を用いて表示エリア110
に日付、入場駅データを表示する。表示エリア110は例
えば透明状態から発色状態へ変化し、有彩色で日付、入
場駅データが表示される。
また、CPU31は書込ヘッド24を用いて乗車券Aの磁気
記録層に入場駅データを記録する。この後、乗車券Aの
磁気記録層の内容が読取ヘッド25により読取られ、CPU3
1へ供給される。CPU31は磁気記録層に記録されたデータ
が正しいか否かチェックし、このチェックの結果が正し
い場合、ゲート4、5を開いたまま、つまり投入者の通
過を許可したまま、投入・排出口3から乗車券Aを排出
する。この結果、利用客は通路11を通過し、かつ乗車券
Aを受取ることができる。
また、利用客により定期券Bが投入・排出口2に投入
されると、その定期券Bは搬送路21上を矢印a方向に搬
送される。読取ヘッド23によって、定期券Bの磁気記録
層の内容、つまり発行駅データ、区間データ、期間デー
タが読取られ、これらの情報がCPU31に供給される。こ
れにより、CPU31は供給される発行駅データ、区間デー
タ、期間データを用いて判定部47で券が正しいか否か判
定し、正しい場合、サーマルヘッド30を用いて表示エリ
ア110に日付、入場駅データを表示するとともに、書込
ヘッド24を用いて定期券Bの磁気記録層に入場駅データ
を記録する。この後、定期券Bの磁気記録層の内容が読
取ヘッド25により読取られ、CPU31へ供給される。CPU31
は磁気記録層に記録されたデータが正しいか否かチェッ
クし、このチェックの結果が正しい場合、ゲート4、5
を開いたまま、つまり投入者の通過を許可したまま、投
入・排出口3から定期券Bを排出する。この結果、利用
客は通路11を通過し、かつ定期券Bを受取ることができ
る。
また、利用客によりストアドフェアカードCが投入・
排出口2に投入されると、そのストアドフェアカードC
は搬送路21上を矢印a方向に搬送される。読取ヘッド23
によって、ストアドフェアカードCの磁気記録層の内
容,つまり発行駅データ、区間データ、期間データ、額
面金額データ、及び残金額データが読取られ、これらの
情報がCPU31に供給される。これにより、CPU31は供給さ
れる発行駅データ、区間データ、期間データを用いて判
定部47でカードが正しいか否か判定し、正しい場合、額
面金額データ、及び残金額データを用いて残金額判定部
48で残金額が最低区間料金に達しているか否かを判定
し、この判定結果により残金額が最低区間料金に達して
いる場合、サーマルヘッド30を用いて表示エリア110に
日付、入場駅データを表示するとともに、書込ヘッド24
を用いてストアドフェアカードCの磁気記録層に入場駅
データを記録する。このとき、CPU31は現在の残金額を
残金額表示器6で表示する。この後、ストアドフェアカ
ードCの磁気記録層の内容が読取ヘッド25により読取ら
れ、CPU31へ供給される。CPU31は磁気記録層に記録され
たデータが正しいか否かチェックし、このチェックの結
果が正しい場合、ゲート4、5を開いたまま、つまり投
入者の通過を許可したまま、投入・排出口3からストア
ドフェアカードCを排出する。この結果、利用客は通路
11を通過し、かつストアドフェアカードCを受取ること
ができる。また、残金額判定部48の判定結果として金額
が足りない場合、CPU31は残金額表示器6で残金額をフ
リッカ表示し、かつスピーカ33により警報を発生する。
この場合、CPU31はゲートを閉じるとともに、ストアド
フェアカードCを搬送路21上を逆送させ、投入・排出口
2に戻す。
次に、本体1が出場業務を行う自動改札装置として用
いられる状態における、乗車券A、定期券B、及びスト
アドフェアカード−券Cによる出場について説明する。
利用客により乗車券Aが投入・排出口3に投入される
と、その乗車券Aは搬送路21上を矢印b方向に搬送され
る。読取ヘッド25によって、乗車券Aの磁気記録層の内
容つまり発行駅データ、区間データ、日付データ及び入
場駅データが読取られ、これらの情報がCPU31に供給さ
れる。これにより、CPU31は供給される発行駅データ、
区間データ、期間データ及び入場駅データを用いて判定
部47で券が正しいか否か判定し、正しい場合、ゲート
4、5を開いたまま、つまり投入者の通過を許可する。
そして、サーマルヘッド30を用いて乗車券Aの表示エリ
アの表示を消去する。その後、搬送路21上の乗車券Aを
区分ゲート28を用いて回収庫29へ回収する。この結果、
利用客は通路11を通過することができる。
判定部47の判定結果により乗越しが判定された場合、
CPU31はソレノイド27を励磁することにより乗車券Aを
ストッパ26で搬送路21上に停止した後、投入・排出口3
に戻し、ゲート4を閉じることにより、投入者の通路を
阻止している。また、このときCPU31は、図示しない表
示器を用いて利用者に乗車券Aを持って精算して下さい
という案内を行う。
また、利用客により定期券Bが投入・排出口3に投入
されると、その定期券Bは搬送路21上を矢印b方向に搬
送される。読取ヘッド25によって、定期券Bの磁気記録
層の内容、つまり発行駅データ、区間データ、期間デー
タ、入場駅データが読取られ、これらの情報がCPU31に
供給される。これにより、CPU31は供給される発行駅デ
ータ、区間データ、期間データ及び入場駅データを用い
て判定部47で券が正しいか否か判定し、正しい場合、書
込ヘッド24を用いて定期券Bの磁気記録層の入場駅デー
タを削除するとともに、サーマルヘッド30を用いて表示
エリアの表示を消去する。この後、CPU31はゲート4、
5を開いたまま、つまり投入者の通過を許可したまま、
投入・排出口2から定期券Bを排出する。この結果、利
用者は通路11を通過し、かつ定期券Bを受取ることがで
きる。
判定部47の判定結果により乗越しが判定された場合、
CPU31はソレノイド27を励磁することにより定期券Bを
ストッパ26で搬送路21上に停止した後、投入・排出口3
に戻し、ゲート4を閉じることにより、投入者の通過を
阻止している。また、このときCPU31は、図示しない表
示器を用いて利用者に定期券Bを持って精算して下さい
という案内を行う。
判定部47の判定結果により入場駅データが記録されて
いないことにより不正乗車(利用)を判定した場合、CP
U31はソレノイド27を励磁することにより定期券Bをス
トッパ26で搬送路21上に停止した後、投入・排出口3に
戻し、ゲート4を閉じることにより、投入者の通過を阻
止する。また、このときCPU31は、スピーカ33により警
報を発するとともに、係員用の別の装置へその警報が発
せられる。この結果、係員はその返却された定期券Bの
表示エリア110に日付、入場駅データが記録されている
かを確認し、そのデータが正しく記録されている場合、
図示しない係員用の装置により、その定期券Bの表示エ
リア110に記録されている日付、入場駅データを消去
し、利用客に返却し、通路11の通過を許可する。また、
表示エリア110に日付、入場駅データが記録されていな
い場合、係員は不正乗車に対する処理を行う。この場
合、表示エリア110に日付、入場駅データが記録されて
いるか否かを、係員も利用客も有彩色で目視確認できる
ため、不正乗車の確認に関して双方に争いが生じないよ
うになっている。
また、利用客によりストアドフェアカードCが投入・
排出口3に投入されると、そのストアドフェアカードC
は搬送路21上を矢印b方向に搬送される。読取ヘッド25
によって、ストアドフェアカードCの磁気記録の内容、
つまり発行駅データ、区間データ、期間データ、額面金
額データ、残金額データ及び入場駅データが読取られ、
これらの情報がCPU31に供給される。これにより、CPU31
は供給される発行駅データ、区間データ、期間データ及
び入場駅データでカードが正しいか否か判定し、正しい
場合、書込ヘッド24を用いてストアドフェアカードCの
磁気記録層の入場駅データを削除するとともに、サーマ
ルヘッド30を用いて表示エリア110に記録されている日
付、入場駅データを消去する。また、このときCPU31
は、ストアドフェアカードCの入場駅から本設置駅まで
の運賃を運賃テーブル44を用いて算出し、その金額を残
金額から差引く。そして、CPU31はその差引き金額を新
たな残金額として判定し、その新たな残金額を金額表示
器7で表示するとともに、書込ヘッド24を用いて磁気記
録層の内容つまり残金額データを更新し、入場駅データ
を削除する。この後、ストアドフェアカードCの磁気記
録層の内容が読取ヘッド23により読取られ、CPU31へ供
給される。CPU31は磁気記録層に更新記録されたデータ
が正しいか否かチェックし、このチェックの結果が正し
い場合、ゲート4、5を開いたまま、つまり投入者の通
過を許可したまま、投入・排出口2からストアドフェア
カードCを排出する。この排出時、CPU31はプリンタ22
を用いてストアドフェアカードCの上に新たな残金額を
印字する。この結果、利用客は通路11を通過し、かつス
トアドフェアカードCを受取ることができる。
また、残金額の判定時、判定結果として金額が足りな
い場合、CPU31は金額表示器7で精算金額を表示(マイ
ナスで表示)する。この場合、CPU31はソレノイド27を
励磁することによりストアドフェアカードCをストッパ
26で搬送路21上に停止した後、投入・排出口3へ戻し、
ゲート4を閉じることにより、投入者の通過を阻止す
る。また、このときCPU31は、図示しない表示器を用い
て利用者に定期券Bを持ってで精算して下さいという案
内を行う。
判定部47の判定結果により入場駅データが記録されて
いないことにより不正乗車(利用)を判定した場合、CP
U31はソレノイド27を励磁することによりストアドフェ
アカードCをストッパ26で搬送路21上に停止した後、投
入・排出口3に戻し、ゲート4を閉じることにより、投
入者の通過を阻止する。また、このときCPU31は、スピ
ーカ33により警報を発するとともに、係員用の別の装置
へその警報が発せられる。
この結果、係員はその返却されたストアドフェアカー
ドCの表示エリア110に日付、入場駅データが記録され
ているかを確認し、そのデータが正しく記録されている
場合、図示しない係員用の装置により、そのストアドフ
ェアカードCの表示エリアに記録されている日付、入場
駅データを消去するとともに、金額の更新を行い、利用
客に返却し、通路11の通過を許可する。
また、表示エリア110に日付、入場駅データが記録さ
れていない場合、係員は不正乗車に対する処理を行う。
この場合、表示エリア110に日付、入場駅データが記録
されているか否かを、係員も利用客も目視確認できるた
め、不正乗車の確認に関して双方に争いが生じないよう
になっている。
なお、前記実施例では、磁気記録された入場駅データ
により不正乗車の判定する場合について説明したが、こ
れに限らず、券面上の表示エリアの情報を読取る手段を
設け、この読取った情報の内容あるいはその内容と磁気
記録された入場駅データとにより判定するようにしても
よい。また、表示エリアと印刷データとが重なるように
なってもよい。
また、乗車時と、降車時とも自動改札装置を通す場合
について説明したが、自動改札装置を通さずに係員又は
利用客が乗車時に表示エリアにデータを表示して乗車
し、降車時や検札時に係員の目視により、通常の区間、
期間の確認の他に、表示エリアのデータも確認するよう
にしてもよい。この場合、乗車時には表示エリアにデー
タを表示する装置が必要であり、降車時には表示エリア
のデータを消去する消去装置が必要である。
表示エリア110は、券面の一部のエリアであっても券
面全体であってもよい。また、そこに記録される目視可
能な情報も、マーク、符号などでもよい。また、表示エ
リア110は、日付、入場駅データではなく、他の情報た
とえば時刻などを表示するようにしてもよい。更に、表
示エリア110に記録された情報が見やすいように、その
エリアの背景に青、黒、赤などの色を持たせたり、基材
と表示層との間に他の有彩色を有する色部材を挿入する
ようにしてもよい。
また、ストアドフェアカードCの場合には、表示層を
使用可能金額の表示に用いるようにしてもよい。この場
合、裏面の磁気記録層上の全面を表示エリアとし、上か
ら順に入場駅名、使用日時、出場駅名、残金額を使用の
たびに記録し、そのエリアが満杯となった際に一番古い
記録内容から更新記録するようにしたり、最後の使用日
時と、残金額とを順次更新記録する。
また、乗車券Aの場合には、その券面情報を全て表示
エリア全面に記録するようにすれば、回収後その券面情
報を消去することにより、再利用することも可能であ
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、入場時にカード
に有彩色の目視情報を付与できるので、中間無礼などの
不正乗車を防止することができ、しかも不正利用である
否かを目視によって容易に証明できるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る駅務料金カードの断面図、第2図
及び第3図はそれぞれは本発明に係る駅務料金カードの
表示層を構成する高分子液晶の温度変化に対する発色状
態の変化を説明するための図、第4図は本発明に係る乗
車券の平面図、第5図は本発明に係る定期券の平面図、
第6図は本発明に係るストアドフェアカードの平面図、
第7図は自動改札装置の全体構成を概略的に示す斜視
図、第8図は自動改札装置の内部機構の概略構成を示す
図、第9図は自動改札装置の電気回路の構成を概略的に
示すブロック図である。 2、3……投入・排出口、4、5……ゲート、6、7…
…残金額表示器、11……通路、A……乗車券、B……定
期券、C……ストアドフェアカード、21……搬送路、22
……プリンタ、23、25……読取ヘッド、24……書込ヘッ
ド、26……ストッパ、27……ソレノイド、28……区分ゲ
ート、29……回収庫、30……サーマルヘッド、31……CP
U、45……印刷制御部、47……判定部、101……基材、10
2……表示層、103……保護層、104……磁気記録層、110
……表示エリア。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と、目視不可能な情報の高密度記録層
    と、目視可能な情報を有彩色の色変化として記録及び消
    去できる表示層とを具備し、前記表示層は、転移温度以
    上への加熱および急冷により発色し、転移温度以上への
    加熱および徐冷により消色するか、または第1の転移温
    度以上への加熱および急冷により第1の発色状態を示
    し、第2の転移温度以上への加熱および急冷により第2
    の発色状態を示す高分子液晶からなっていることを特徴
    とする料金カード。
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