JP2622926B2 - 透明状固型洗浄剤 - Google Patents
透明状固型洗浄剤Info
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Description
ミノ酸塩を成分要素とする透明状固型洗浄剤の改良組成
に関する。
として洗顔用石鹸、薬用石鹸などとして多々用いられて
いる。従来、この透明状固型洗浄剤の組成成分として
は、脂肪酸石鹸などの基材と、透明化剤としてのグリセ
リン、ショ糖などとを主成分としたものでありこれを一
般的な製造方法(枠練り法、機械練り法)によって、固
型洗浄剤として製造されてきた。
なおも透明性が十分でなく、また使用途中において表面
部分がゲル化して不透明化してしまうなどの欠点がある
ため、最近、基剤について、脂肪酸石鹸に代えてN−長
鎖アシル酸性アミノ酸塩を成分要素とする透明状固型洗
浄剤が開発されるに至った。
明性の点、及び使用途中において不透明化が生じること
もない点で優れている。なお、この透明状固型洗浄剤に
ついては、30℃以上の高温保存条件下にあって褐変変色
するという保存性不良、泡立ち性の不良なことが指摘さ
れていたが、このような欠点に対しては、次のような組
成を採用することによって改良された。
をナトリウム塩とエタノ−ルアミン塩とにより構成し、
この両者の構成比を特定割合とすることであった。この
特定割合とは、具体的には、ナトリウム塩とエタノ−ル
アミン塩とのモル構成比を20:80〜35:65とするもので
あった。
れた透明状固型洗浄剤については、なおも硬度性、特に
使用途中における石鹸容器への付着性が大きく、これが
使用性を低下させる大きな原因となっていた。
分要素とする透明状固型洗浄剤については、高温安定性
が悪く、製造時の70〜80℃の温度条件下での加熱溶融時
に褐色に色焼けし易いという欠点があった。
来の透明状固型洗浄剤においては、N−長鎖アシル酸性
アミノ酸に対する中和度を制限すること、具体的には中
和剤の量を1.8当量以下とすることを条件とするもので
あった。しかし、中和度が1.8当量以下であっても、製
造時における色焼けを十分かつ安定的に防止することは
できない。
を成分要素とする透明状固型洗浄剤については、長時間
(例えば2ケ月間以上)に亘る高温保管時に変臭(アミ
ン臭)が生じ、また褐変するという欠点もあった。
ミノ酸塩を成分要素とする透明状固型洗浄剤について、
先ず、硬度性を高めて、特に使用途中における容器上へ
の付着性を低めること、次いで、製造時における加熱に
よる褐変を防止すること、また長期間に亘る高温保存時
における変臭、褐変を防止し得る改良された組成を提供
することを目的とした。
め、本発明は透明状固型洗浄剤につき、第一に、次のよ
うな組成とした。即ち、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩
を成分要素として含み、このN−長鎖アシル酸性アミノ
酸塩の塩がカリウム塩とナトリウム塩と及びエタノール
アミン塩の20〜50:10〜40:40〜70のモル
構成比によってなることを特徴とする。
アシル酸性アミノ酸塩としては、N−直鎖アシルグルタ
ミン酸塩、N−長鎖アシルアスパラギン酸塩等を挙げる
ことができる。このN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の当
該透明状固型洗浄剤における配合量は、良好な透明状の
ものを得るためには、35重量%〜80重量%、好ましくは
40重量%〜70重量%である。
カリウム塩とナトリウム塩と及びエタノールアミン塩の
混合物からなる。なお、エタノールアミン塩としては、
モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリ
エタノールアミン塩等を挙げることができる。この混合
物において、このカリウム塩とナトリウム塩と及びエタ
ノールアミン塩のモル構成比は、20〜50:10〜4
0:40〜70であることが必要条件である。
保管時の安定性の低下をきたし、またその配合割合が少
なくなると、硬度性が低下する傾向となる。またナトリ
ウム塩の配合割合が多くなると、高温保管時の安定性の
低下、透明性の低下をきたし、またその配合割合が少な
いと、特に容器付着性の増大をきたす。またエタノ−ル
アミン塩の配合割合が多いと、特に、容器付着性の増大
傾向となりまたその配合割合が少ないと、高温保管時の
安定性の低下をきたすと共に透明性に悪影響を及ぼすこ
とにもなる。
において、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩についての中
和度は、好ましくは、1.5当量以上1.8当量以下とするこ
とである。中和度がより低くなると透明性の低下につな
がり、また中和度がより高くなると高温保存時の安定性
が低下傾向となるからである。
いての第二の組成は、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩を
成分要素とする透明状固型洗浄剤について、尿素を配合
してなることを特徴とする。
る色焼けと、長期間に亘る高温(30℃以上)保存時にお
ける変臭の発生を弊害なく有効に防止し得るという新知
見に基づいて得られたものである。この尿素の配合方法
は当該洗浄剤原料を調製する際に、配合することができ
る。また、当該洗浄剤における尿素の配合量は、制限的
ではないが、上記した効果を十分に得るためには0.5重
量%以上の量であること、また高温保管時におけるアミ
ン臭の発生を防止するために5.0重量%以下とすること
が好ましい。
の組成の洗浄剤については、その透明状固型洗浄剤とし
ての諸性状に悪影響を与えない限りにおいて、次のよう
な他機能成分を配合することができる。
け崩れ、摩擦溶解度及び起泡性につき改善を図るため
に、カチオン性ポリマ−と両性界面活性剤との混合剤を
適宜配合することができる。この場合、これら両成分の
相剰効果を期待したものであって、カチオン性ポリマ−
と両性界面活性剤とを95:5〜5:95の重量混合比で適用
することができる。
リジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ヒドロキ
シエチルセルロ−ストリメチルアンモニウムクロライ
ド、ヒドロキシエチルセルロ−スアルキルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ヒドロキシプロピルグァ−ガム
アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ガラクト
マンナンアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、
アクリル酸β−N−N−ジメチル−N−エチルアンチニ
オエチル塩ビニルピロリドン共重合物等を挙げることが
できる。
次の一般式で表わされるものを適用することができる。
即ち、次の一般式で表わされるアミドベタイン系両性界
面活性剤。
剤。
ン系両性界面活性剤。
界面活性剤。
活性剤との混合剤の本発明の洗浄剤における配合量は、
前記した溶け崩れ等の改善の効果を有効に弊害なく得る
ために、0.01〜10重量%の量であることが好ましい。
グリセリン、プロピレングリコ−ル、ソルビット、エチ
レングリコ−ル、ジグリセリン等の多価アルコ−ルを当
該洗浄剤においてその透明性を有効に得るために適宜配
合することができる。この多価アルコ−ルの配合量は、
当該洗浄剤についてその透明状を保持するために、好ま
しくは、5重量%〜30重量%の量とすることである。な
お、この量が多量となると、当該洗浄剤自体が溶液状と
なってしまう。
−ル等の低級アルコ−ルを適量配合することもできる。
この場合この低級アルコ−ルの配合量は、増粘化による
製造上の困難をきたさないように、前記した多価アルコ
−ルの量1重量部に対し0.1〜5重量部の量であることが
好ましい。なお、この低級アルコ−ル量が多量になる
と、製造時に乾燥時間が長くなるなどの欠点、及び透明
性の不良が生じたりする。
合することもできる。例えば、アニオン界面活性剤、カ
チオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性
剤、殺菌剤、保湿剤(ピロリドンカルボン酸、ピロリド
ンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエ
チレンアルキルグルコシドエ−テル等。)、油分、香
料、色素、キレ−ト剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、生
薬などの天然抽出物(レシチン、サポニン、アロエ、オ
オバク、カミツレ等。)、非イオン、カチオン、アニオ
ン性の水溶性高分子、乳酸エステル等の使用性向上剤、
起泡性向上剤などである。
エチレンアルキル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシ
ン塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、リン酸エス
テル塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、脂肪酸石鹸等の
アニオン界面活性剤、またアルカノ−ルアミド、ポリオ
キシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンオ
キシドポリプロピレンオキシドブロックポリマ−等のノ
ニオン界面活性剤などである。
ず、前記した本発明の第一の組成について、N−長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩が、カリウム塩とナトリウム塩と及
びエタノールアミン塩とのモル構成比20〜50:10
〜40:40〜70によってなる組成は、このN−長鎖
アシル酸性アミノ酸塩におけるアルカリ金属成分の構成
比を増大させることを可能とした。このアルカリ金属成
分の構成比の増大は、当該洗浄剤について、特に、その
硬度性を向上させ、さらに使用時における容器上への付
着性を低減化させるように作用する。
て、尿素の配合組成は、当該洗浄剤の製造時における加
熱の際の色焼け防止に有効に作用すると共に、長期間に
亘る高温保管時の変臭及び変色の発生を防止するように
作用する。
の透明性状を安定化させるようにも作用する。この結
果、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩についての中和度が
比較的に高くなる場合、例えば、2.0当量となる場合に
も、その透明性状、特にその高温保管時の安定性が保持
される。
洗浄剤についての硬度性等の物性の改善にも好影響を与
える。
即ち、ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩40重量
%(以下、単に「%」という。)、ステアリン酸アシル
−L−グルタミン酸塩12.5%、グリセリン17.5%及びイ
オン交換水30%の成分組成の原料を枠練り法によって固
型洗浄剤とした。
製し、この混合物を70〜80℃に加熱して各成分を均一に
溶解する。次いで、これを型に注入する。その後、これ
を冷却固化、乾燥熟成を経て、固型洗浄剤を得た。
ン酸塩及びステアリン酸アシル−L−グルタミン酸塩
は、カリウム塩とナトリウム塩と及びトリエタノ−ルア
ミン塩の1.8当量中和物により構成した。この場合、カ
リウム塩とナトリウム塩と及びトリエタノ−ルアミン塩
とのモル構成比(即ち、「対イオン比」)について次表
1のように種々のものとし、その対イオン比の構成位置
を図1にも試料記号A〜S、及びa〜lに対応して示し
た。
浄剤について、諸特性を以下のようにして調べた。高温
保存安定性については、各試料を30℃の恒温槽内に保存
し、2ケ月後の褐変度を目視観察し、次の基準によって
判断した。◎は、全く褐変していないとき、○は、僅か
に変色が認められたが、商品価値には全く影響しないと
き、△は、褐変が認められるとき、×は、褐変が著しい
とき、である。硬度は、針太さ1φに800gの荷重を作
用させることによって測定した。なお、測定器は、飯尾
電気製カ−ドメ−タ−によった。
ロピレン製の石鹸用受器内に置き、25℃下、24時間放置
したときの受器上への付着強度をkg/cm2の単位で測定し
た。
スライス片とし、このスライス片を26ポイントの活字上
に置いて、その活字が判読できるか否かを次の基準に従
って判断した。◎は、はっきり判読できる、○は、容易
に判読できる、△は、判読可能、×は、全く判読できな
い、ときである。
を付けて、これを20℃の水中に浸漬し、1時間後に取り
出して重量を測定した。この測定値から次式により溶出
率を求め、溶崩性の評価とした。
た。即ち、40℃に調整した水道水でぬらしたフィルム面
上に一定重量した試料片(断面15mm×20mm)を載せ、こ
のフィルムを回転し、10分間摩擦溶解させる。摩擦溶解
前後の重量より、次式により一定面積当たりの摩擦溶解
度を求めた。
置し、2週間後の状態を次の基準により評価した。○
は、透明性が極めて良好で変化がないとき、△は透明性
がやや落ちるとき、×は不透明に変化乃至は結晶が現れ
たとき、である。
名により通常の手洗時の態様で、各試料を手にとり、泡
立て操作し、次の基準でその泡立ち性を平均点で評価し
た。◎は、泡立ち性が極めて良好なとき、○は、泡立ち
が良好なとき、△は、泡立ちが普通なとき、×は、泡立
ちが悪いとき、である。
として十分に足る固さであるか否かで、次の基準により
評価した。○は、十分に固いとき、△は、多少不満なと
き、×は、軟弱なとき、である。
評価をそれぞれ次表2にまとめた。
好な評価が得られた試料についてのみ、図2〜図5に対
イオン比の構成位置でそれぞれ示した。なお、図2は高
温保存安定性、図3は硬度、図4は容器付着性、及び図
5は溶崩性についてのものである。
成位置について、重複部分に位置するものを図6に示し
た。これは、各特性について比較的に良好な結果が得ら
れる最適な対イオン比の範囲を示したものである。な
お、この範囲は、その他の摩擦溶解度、低温安定性、泡
立ち及び固形性についても良好な範囲である。
ナトリウム塩と及びトリエタノ−ルアミン塩との対イオ
ン比が20〜50:10〜40:40〜60であるときが最適である
ことを確認することができる。
ン酸塩55%、グリセリン15%、尿素及びイオン交換水の
成分組成の原料を枠練り法によって固型洗浄剤とした。
このとき、尿素配合量が1.0%のものを試料Tとし、同
2.0%のものを試料Uとした。また尿素を含まないもの
を比較例として試料Vとした。
塩は、ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩とステ
アリン酸アシル−L−グルタミン酸塩とを75:25の重量
比で混合したものである。また、この塩の対イオン比は
カリウム塩、ナトリウム塩及びトリエタノ−ルアミン塩
が30:10:60のモル構成比によってなり、中和度は、1.
8当量である。
時の加熱による色焼け、及び長期間に亘る高温保管時の
変臭発生の有無についての結果を次表3に示した。
り、前記した各成分の混合物を70〜80℃に加熱して均一
に溶解した後、所定の枠内に流し込み、冷却固化乾燥熟
成させたものを枠抜き切断し、着色度合を次の基準に従
って評価した。◎は、全く色焼けしていないとき、○
は、僅かに色焼けが認められるが商品価値に影響がない
とき、△は、色焼けが認められるとき、×は、全く実用
に耐えないとき、である。
保存し、2ケ月後の変臭発生状態を次の基準により評価
した。○は、変臭が全く認められないとき、△は、多少
変臭の発生が認められるとき、×は、かなりの変臭の発
生が認められるとき、である。
は、製造時の色焼け防止と、高温保管時の変臭発生の防
止に極めて有効であることが判る。なお、他の諸特性に
ついては、各試料ともに、実施例1における効果をその
まま保持していた。
ミン酸塩55%、グリセリン15%、尿素1.0%及びイオン
交換水の成分組成の原料を枠練り法によって固型洗浄剤
とした。
塩は、ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩とステ
アリン酸アシル−L−グルタミン酸塩とを75:25の重量
比で混合したものである。また、この塩の対イオン比は
カリウム塩、ナトリウム塩及びトリエタノ−ル塩が30:
10:60のモル構成比によってなる。このとき、中和度が
1.8 当量のものを試料W、同2.0当量のものを試料Xと
した。また、上記した成分組成において、尿素を含まな
いものについて、中和度が1.8当量のものを試料Y、同
2.0当量のものを試料Zとした。
色焼け変臭発生の有無及び高温保存安定性についての結
果を次表4に示した。
である。
は、1.8当量以上の高い中和度においても、高温保存安
定性等について、有効であることが判る。
から、次のような効果が発揮される。先ず、N−長鎖ア
シル酸性アミノ酸塩における対イオンをカリウム塩とナ
トリウム塩と及びエタノ−ルアミン塩とからの組成した
ことによって、透明状固型洗浄剤について透明性等の特
性を保持する状態で、特に、硬度、容器付着性について
改善を図ることが可能となった。これによって、透明状
固型洗浄剤について、実用性、使用性のあるものを市場
に提供することを可能とした。
洗浄剤について、製造時の色焼けを有効に防止すること
が可能となったことから、外観上、ほぼ完全に透明な固
型洗浄剤の提供ができる。これによって、商品価値をさ
らに向上させることができる。また、製造上、加熱温度
を厳格に維持する必要がないことから、製造も容易とな
る。
臭の発生を防止することが可能であることから、長期保
管が可能となり、この点も実用に寄与することになる。
位置を示す図。
す図。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩を成分要素
として含み、このN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の塩が
カリウム塩とナトリウム塩と及びエタノールアミン塩の
20〜50:10〜40:40〜70のモル構成比によ
ってなることを特徴とする透明状固型洗浄剤。 - 【請求項2】N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩の中和度が
1.5当量以上1.8当量以下であることを特徴とする
請求項1の透明状固型洗浄剤。 - 【請求項3】尿素を成分として配合してなることを特徴
とする請求項1の透明状固型洗浄剤。 - 【請求項4】カチオン性ポリマー及び両性界面活性剤を
成分として配合してなることを特徴とする請求項1、2
又は3の透明状固型洗浄剤。
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