JP2020011912A - 透明固形洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、この透明固形洗浄剤の組成成分としては、高級脂肪酸塩を主剤とし、透明化剤としてグリセリンやショ糖、ソルビトール等を添加したものが主に用いられている。しかしながら、上記した従来の透明石鹸は透明性が十分でなく、また使用途中において石鹸表面がゲル化し不透明化してしまう問題がある。
更に、上記した透明固形洗浄剤の改良としてN-アシル酸性アミノ酸塩の塩をカリウム塩とナトリウム塩及びエタノールアミン塩から構成した透明固形洗浄剤組成物の技術も開示されているが、依然硬度については十分でなく、高温高湿保管下で軟化しやすい問題を有している(特許文献3)。
現在に至るまで十分満足できる透明固形洗浄剤組成物は開発されていない。
[1] N−アシルグルタミン酸のトリエタノールアミン塩と、
N−アシル中性アミノ酸のトリエタノールアミン塩と、
尿素とを含有し、
原料配合において、N−アシルグルタミン酸:10〜40重量%、N−アシル中性アミノ酸:5〜20重量%、尿素:5〜20重量%であり、N−アシルグルタミン酸とN−アシル中性アミノ酸との比率が重量比で50:50〜85:15であり、
N−アシルグルタミン酸およびN−アシル中性アミノ酸の総中和度が80〜100%である透明固形洗浄剤。
[2] N−アシル中性アミノ酸がN−アシル−N−メチル−β−アラニンまたはN−アシルサルコシンである請求項1記載の透明固形洗浄剤。
未中和のN−アシルグルタミン酸(成分(A1))としては、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ステアロイルグルタミン酸、N−ココイル(ヤシ油脂肪酸アシル)グルタミン酸などが挙げられる。例えばこれらのうち必要に応じて1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は原料配合において全組成中の10〜40重量%で、硬度及び製造性の観点から、好ましくは15〜30重量%である。
N−アシルグルタミン酸の配合量が10重量%を下回ると硬度の低下を引き起こし透明固形洗浄剤としての剤型が保てなくなり、40重量%を超えて配合されると製造時にゲル化が生じ製造が困難になる場合がある。
本発明の透明固形洗浄剤は、成分(A1)および成分(A2)がトリエタノールアミンにより中和されている、これらのトリエタノールアミン塩を含有する。N−アシルグルタミン酸及びN−アシル中性アミノ酸についての以下の式で定義される総中和度が80〜100%であり、より好ましくは82〜100%である。総中和度が80%未満では透明性や硬度の低下につながり、総中和度が100%を超える場合では高温保存安定性が低下するため好ましくない。
また、本発明の透明固形洗浄剤は、製造の手間やコストなどの製造上の観点から、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールを0.5〜10重量%の割合で含有することが好ましい。
本発明の透明固形洗浄剤についてその製造方法は特に限定されず当業者が適宜設定でき、例えば配合される原料を溶解させ、得られた溶解物を固化させることにより得ることができる。具体的には、例えば枠練り法によって製造することができる。枠練り法の場合、上記した(A1)未中和のN−アシルグルタミン酸、(A2)未中和のN−アシル中性アミノ酸、トリエタノールアミン、(B)尿素、水、および必要に応じて含有されるその他の成分の混合物を70℃〜90℃に加熱し、均一に溶解した後、型に注入して冷却固化させる。その後、乾燥熟成を経て、透明固形洗浄剤を得ることができる。
表1に配合成分を示す各種透明固形洗浄剤を枠練り法により製造し、下記の評価項目で評価した。
製造性を以下の基準で評価した:
×:製造時にゲル化や固化不良が生じるもの
〇:製造可能なもの
なおゲル化や固化不良が生じたものは、以下にその評価基準を示す他の評価の対象外とした(表中「−」で示す)。
厚さ20mmの透明固形洗浄剤を26ポイントの活字の上に置き、判読できるか否かで下記評価基準で判定し評価した。
◎:はっきりと判読できる
○:判読できる
△:何とか判読できる
×:判読できない
各透明固形洗浄剤を触感により固形洗浄剤として十分な硬さであるか否かで下記判定基準で判定し評価した。
○:十分に硬い
△:固形洗浄剤として実用可能な硬度を有しているが、やや不足している
×:まったく実用に足りない
各透明固形洗浄剤について、40℃の水道水で手洗いを行い、泡立ち、泡量、泡質(泡のクリーミーさ(泡に触れたときに感じられる柔らかさ))、泡の弾力、すすぎやすさについて以下の基準で評価した。評価は下記評価基準に従って5名のパネラーによって行い、平均値が4.0〜3.5以上を◎、3.5未満〜2.5以上を○、2.5未満から1.5以上を△、1.5未満を×とした。
また、評価項目ごとに評価を行ったほか、評価がより高い項目の数が多いものについて、使用感がより優れていると判定した(具体的には、◎と判定された数がより多いものについて、使用感がより優れていると判定した)。
4:非常に良い
3:良い
2:やや悪い
1:悪い
各透明固形洗浄剤をストレッチフィルムで包装後、5℃の条件下で1ヵ月間保存し、常温に戻した後に下記判定基準で判定し評価した。
○:透明で且つ十分な硬さを有している
△:透明ではあるが僅かにくすみがある
×:析出が生じ失透している
各透明固形洗浄剤をストレッチフィルムで包装後、40℃/湿度75%RHの条件下で3ヵ月間保存し、常温に戻した後に下記判定基準で判定し評価した。
○:透明で且つ十分な硬さを有している
△:透明ではあるが少し軟化している
×:軟化し変形している
総中和度は以下の方法で計算した。
比較例2はN−アシル中性アミノ酸に該当しないアニオン活性剤を配合した場合の例であるが、実施例と比較して製造時の固化不良により、透明固形洗浄剤としての剤型を保つことができない結果となった。
比較例3はアシル中性アミノ酸のナトリウム塩を配合した例であるが、使用性の向上はみられるものの、実施例と比較して硬度が不足しており、実施例と比較して低温及び高温安定性も劣る結果となった。
比較例4,5はN−アシル中性アミノ酸に該当しないアニオン活性剤をナトリウム塩として配合した場合の例であるが、使用性(泡立ち、泡量、泡質、泡の弾力)の面で実施例に劣る結果となった。
比較例6はN−アシル中性アミノ酸の配合量が5重量%より少ない場合の例であるが、実施例と比較して使用性(泡立ち、泡量、泡質、泡の弾力)に劣る結果となった。
比較例7はN−アシルグルタミン酸の配合量が10重量%より少ない場合の例であるが、実施例と比較して硬度が大きく低下しており、透明固形洗浄剤としての剤型を保つことができない結果となった。
比較例8は尿素の配合量が5重量%より少ない場合の例であるが、実施例と比較して硬度及び安定性が大きく低下しており、透明固形洗浄剤としての剤型を保つことができない結果となった。
比較例9は尿素の配合量が20重量%より多い場合の例であるが、実施例と比較して透明性及び安定性が大きく低下しており、透明固形洗浄剤としての剤型を保つことができない結果となった。
比較例10はN−アシルグルタミン酸の配合量が40重量%より多い場合の例であるが、実施例と比較し製造時のゲル化が酷く製造が難しい結果となった。
比較例11はN−アシル中性アミノ酸の配合量が20重量%より多い場合の例であるが、実施例と比較し製造時の固化不良により、透明固形洗浄剤としての剤型を保つことができない結果となった。
一方、実施例1〜12の透明固形洗浄剤はいずれも透明性についてはっきりと判読できると判断され、また、硬度についても固形洗浄剤としての形状を保ち得るものであった。さらに、使用性(泡立ち、泡量、泡質、泡の弾力、すすぎやすさ)についていずれも良いまたは非常に良いと判断され、比較例1よりも泡立ち、泡量、泡質、泡の弾力に優れていることが理解できる。さらにまた、低温保存安定性、高温保存安定性についても比較例と同等またはそれ以上との評価が得られた。
Claims (2)
- N−アシルグルタミン酸のトリエタノールアミン塩と、
N−アシル中性アミノ酸のトリエタノールアミン塩と、
尿素とを含有し、
原料配合において、N−アシルグルタミン酸:10〜40重量%、N−アシル中性アミノ酸:5〜20重量%、尿素:5〜20重量%であり、N−アシルグルタミン酸とN−アシル中性アミノ酸との比率が重量比で50:50〜85:15であり、
N−アシルグルタミン酸およびN−アシル中性アミノ酸の総中和度が80〜100%である透明固形洗浄剤。 - N−アシル中性アミノ酸がN−アシル−N−メチル−β−アラニンまたはN−アシルサルコシンである請求項1記載の透明固形洗浄剤。
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-
2018
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