JP5919855B2 - 固形石鹸 - Google Patents

固形石鹸 Download PDF

Info

Publication number
JP5919855B2
JP5919855B2 JP2012020438A JP2012020438A JP5919855B2 JP 5919855 B2 JP5919855 B2 JP 5919855B2 JP 2012020438 A JP2012020438 A JP 2012020438A JP 2012020438 A JP2012020438 A JP 2012020438A JP 5919855 B2 JP5919855 B2 JP 5919855B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soap
potassium
sodium
mass
hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012020438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013173807A (ja
Inventor
仁科 哲夫
哲夫 仁科
隆人 牧田
隆人 牧田
戸田 知子
知子 戸田
吉信 齊藤
吉信 齊藤
奥田 隆弥
隆弥 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHISEIDO HONEYCAKE INDUSTRIES CO., LTD.
Original Assignee
SHISEIDO HONEYCAKE INDUSTRIES CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHISEIDO HONEYCAKE INDUSTRIES CO., LTD. filed Critical SHISEIDO HONEYCAKE INDUSTRIES CO., LTD.
Priority to JP2012020438A priority Critical patent/JP5919855B2/ja
Priority to US13/745,969 priority patent/US8697620B2/en
Priority to EP13152535.4A priority patent/EP2620488B1/en
Publication of JP2013173807A publication Critical patent/JP2013173807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5919855B2 publication Critical patent/JP5919855B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D9/00Compositions of detergents based essentially on soap
    • C11D9/04Compositions of detergents based essentially on soap containing compounding ingredients other than soaps
    • C11D9/22Organic compounds, e.g. vitamins
    • C11D9/26Organic compounds, e.g. vitamins containing oxygen
    • C11D9/262Organic compounds, e.g. vitamins containing oxygen containing carbohydrates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D9/00Compositions of detergents based essentially on soap
    • C11D9/02Compositions of detergents based essentially on soap on alkali or ammonium soaps
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D9/00Compositions of detergents based essentially on soap
    • C11D9/04Compositions of detergents based essentially on soap containing compounding ingredients other than soaps
    • C11D9/22Organic compounds, e.g. vitamins
    • C11D9/30Organic compounds, e.g. vitamins containing nitrogen

Description

本発明は固形石鹸、特に脂肪酸石鹸を主成分とする固形石鹸の改良に関する。
一般的な固形石鹸は、脂肪酸石鹸を基剤とし、必要に応じてショ糖、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなどの糖類またはポリオール類を添加、枠ねり法あるいは機械ねり法により製造しているのが通例である。
脂肪酸の対イオンは、石鹸の物性に大きな影響を与え、通常は対イオンとしてナトリウムを用いると凝固点、硬度が上昇し、固形石鹸としての形態を整えやすくなるが、一方で冷水に対する溶解性、泡立ち性が低下し、洗浄力、使用感の低下につながりやすい。これに対し、対イオンとしてカリウムを採用すると冷水に対する溶解性、泡立ち性が大きく向上するが、凝固点、硬度が著しく低下し、固形石鹸としての製造適性、保形性が悪化する。このため、対イオンとしてのカリウムは、液状石鹸(液状ボディソープ等)には汎用されるが、固形石鹸については20%程度採用するのが事実上の限界であった。
特に透明石鹸にあっては、透明性を得るために糖類、ポリオール類を相当量添加する必要があり、凝固点の低下が大きく、対イオンとしてのカリウム使用はより難しい傾向にあった。
すなわち、透明石鹸の透明化の構造的メカニズムは、可視光線に対して光学的に不連続な大きさである不透明石鹸の繊維状微結晶群が、前記糖類、ポリオール類の添加により主として繊維軸に対して直角に分断されて、それが可視光線の波長以下に微細化されて石鹸が透明化しているものと考えられる。このため、糖、ポリオール類を添加しない石鹸に比較し、硬度、凝固点が低下しやすい。
特に糖、ポリオール類などの溶剤としてエタノールを使用しない透明石鹸を枠練り法にて製造する際には、枠抜き後、直ちに切断、成形、包装を行うことが多く、凝固点低下、硬度低下はそのまま製造適性の悪化にもつながる。
このため、硬度、凝固点を低下させる傾向にある対イオンとしてのカリウムの使用は困難であった。
これに対し、アミノ酸、トリメチルグリシンを配合した石鹸は公知(特許文献1,2)であるが、対イオンとしてカリウムを大量の凝固点、硬度低下の調整作用があることは全く知られていない。
特開2001−40390 WO2004/029190
本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は脂肪酸石鹸の対イオンにカリウムを大量に用いたとしても、その冷水溶解性、使用感等の特性を発揮しつつ、凝固点、硬度を向上させることのできる固形石鹸を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者らは、脂肪酸石鹸の凝固点を上昇させる手段について検討を進めた結果、ベタイン、特にトリメチルグリシンに優れた凝固点上昇作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記目的を達成するために本発明に係る固形石鹸は、脂肪酸の対イオンとしてナトリウム及びカリウムからなり、対イオン中、Na/K=80/20〜60/40である透明固形石鹸であって、トリメチルグリシンを1〜5質量%含み、硬度が450以上であり、25℃での摩擦溶解度が20以上であることを特徴とする。
前記透明固形石鹸において、対イオン中、Na/K=70/30〜60/40であることが好適である。
また、前記透明固形石鹸は、脂肪酸石鹸部を20〜70質量%と、糖・ポリオール部を30〜70質量%と、を含み、エタノールを含まない透明固形石鹸であることが好適である。
以下、本発明の構成について詳述する。
[脂肪酸石鹸部]
本発明の石鹸で使用される、脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩における脂肪酸としては、炭素原子数が好ましくは8〜20、より好ましくは12〜18の、飽和または不飽和の脂肪酸であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等や、それらの混合物である牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げられる。
脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩の具体例としては、ラウリン酸ナトリウム/カリウム、ミリスチン酸ナトリウム/カリウム、パルミチン酸ナトリウム/カリウム、ステアリン酸ナトリウム/カリウム、オレイン酸ナトリウム/カリウム、イソステアリン酸ナトリウム/カリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム/カリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム/カリウム、パーム核油脂肪酸ナトリウム/カリウム等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2つ以上を混合して使用してもよい。上記の脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩の中でも、ラウリン酸ナトリウム/カリウム、ミリスチン酸ナトリウム/カリウム、パルミチン酸ナトリウム/カリウム、ステアリン酸ナトリウム/カリウム、オレイン酸ナトリウム/カリウム、イソステアリン酸ナトリウム/カリウムが好適に使用できる。
本発明の石鹸における、脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩の含有量は、透明石鹸の場合、20〜70質量%であることが好ましい。この含有量が20質量%未満であると、透明性が低下したり、凝固点が低くなるため、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。逆に、70質量%を超えると、やはり透明性が低下したり、使用後につっぱり感が生じるおそれがある。
また、脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩においては、その塩を構成するナトリウムとカリウムとのモル比(ナトリウム/カリウム比)が、70/30〜40/60、特に70/30〜60/40であることが好ましい。このナトリウム/カリウム比が40/60を超えてカリウムの割合が多くなると、ベタインの添加によっても十分な凝固点が得られず、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。また、硬度が低下したり、使用時の溶け減りが大きくなったり、高温多湿の条件下で発汗が生じたり、使用途中に表面が白濁化するおそれがある。
[糖・ポリオール部]
本発明を透明固形石鹸に用いる際に好適に用いられる糖・ポリオールとしては、マルチトール、ソルビトール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、砂糖、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテル等が例示され、組成物中30〜70質量%配合することが好適である。
特に、透明性とともに良好な使用性を得るため、糖・ポリオール部中、糖及び糖アルコールと、ポリオールの比は、40〜60:60〜40であることが好ましい。
[両性界面活性剤]
本発明にかかる固形石鹸は、以下の両性界面活性剤を含むことが好適である。
本発明の固形石鹸で使用され得る両性界面活性剤としては、下記化学式(A)〜(C)で表される両性界面活性剤が挙げられる。
[式中、R1は、炭素原子数7〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、nおよびmは、同一または相異なって、1〜3の整数を表し、Zは、水素原子または(CH2pCOOY(ここで、pは1〜3の整数であり、Yは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または有機アミンである。)を表す。]、
[式中、R2は、炭素原子数7〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、R3およびR4は、同一または相異なって、低級アルキル基を表し、Aは、低級アルキレン基を表す。]、および
[式中、R5は、炭素原子数8〜22のアルキル基またはアルケニル基を表し、R6およびR7は、同一または相異なって、低級アルキル基を表す。]。
化学式(A)において、R1の「炭素原子数7〜21のアルキル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは7〜17である。また、R1の「炭素原子数7〜21のアルケニル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは7〜17である。また、Yの「アルカリ金属」としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、「アルカリ土類金属」としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられ、「有機アミン」としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
化学式(A)で表される両性界面活性剤の具体例としては、イミダゾリニウムベタイン型、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(ラウリン酸より合成されたもの、以下、便宜上「ラウロイルイミダゾリニウムベタイン」ともいう)、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(ステアリン酸より合成されたもの)、ヤシ油脂肪酸より合成された2−アルキルまたはアルケニル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(R1がC7〜C17の混合物、以下、便宜上、「ココイルイミダゾリニウムベタイン」ともいう)等が挙げられる。
化学式(B)において、R2の「炭素原子数7〜21のアルキル基」および「炭素原子数7〜21のアルケニル基」は、化学式(A)のR1と同様である。また、R3、R4の「低級アルキル基」は、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素原子数が1〜3のアルキル基である。さらに、Aの「低級アルキレン基」は、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素原子数が3〜5のアルキレン基である。
化学式(B)で表される両性界面活性剤(アミドアルキルベタイン型)の具体例としては、アミドプロピルベタイン型、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(R2がC7〜C17の混合物)等が挙げられる。
化学式(C)において、R5の「炭素原子数8〜22のアルキル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは8〜18である。また、R5の「炭素原子数8〜22のアルケニル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは8〜18である。さらに、R6、R7の「低級アルキル基」は、化学式(B)のR3、R4と同様である。
化学式(C)で表される両性界面活性剤(アルキルベタイン型)の具体例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸より合成されたアルキルまたはアルケニルジメチルアミノ酢酸ベタイン(R5がC8〜C18の混合物)等が挙げられる。
本発明においては、上記化学式(A)〜(C)で表される両性界面活性剤からなる群より少なくとも1つが選択されて使用される。これら(A)〜(C)のうち、特に好適には化学式(C)で示されるアルキルベタイン型両性界面活性剤である。複数使用する場合、上記化学式(A)で表される両性界面活性剤を複数使用しても、上記化学式(B)で表される両性界面活性剤を複数使用しても、上記化学式(C)で表される両性界面活性剤を複数使用してもよいが、アルキルベタイン型両性界面活性剤を必須とすることが好ましい。
本発明の固形石鹸においては、上記の両性界面活性剤を配合することにより、肪酸石鹸(脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩)と両性界面活性剤が複合塩を形成し、「きしみ感」改善等の使用性が向上し、また硬度が向上して溶け減り度合いが低くなる等の作用が発揮される。
本発明の固形石鹸における上記の両性界面活性剤の含有量は、1〜15質量%、特に4〜8質量%が好ましい。この含有量が1質量%未満であると、凝固点が低くなるため、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。また、硬度が低下したり、使用時の溶け減りが大きくなるおそれがある。さらに、透明性も低下するおそれがある。逆に、15質量%を超えると、使用後にベタツキ感を生じ、また、長期保存すると表面が褐色に変質して商品価値を損なうおそれがある。

[ノニオン界面活性剤]
本発明の固形石鹸には、さらにノニオン界面活性剤を配合することが好適である。使用され得るノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン2−オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、プロピレンオキシドエチレンオキシド共重合ブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン変性シリコン(例えば、ポリオキシエチレンアルキル変性ジメチルシリコン)、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2つ以上を混合して使用してもよい。上記のノニオン界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、プロピレンオキシドエチレンオキシド共重合ブロックポリマーが好適に使用できる。
本発明の固形石鹸においては、ノニオン界面活性剤を配合することにより、使用性が一層向上する作用が発揮される。
本発明の固形石鹸におけるノニオン界面活性剤の含有量は、1〜15質量%、特に6〜12質量%が好ましい。この含有量が1質量%未満であると、むしろ使用後につっぱり感が生じるおそれがある。逆に、15質量%を超えると、凝固点が低くなるため、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。また、硬度が低下したり、使用時の溶け減りが大きくなるおそれがある。さらに、使用後にベタツキ感が生じるおそれがある。
[ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤]
本発明にかかる固形石鹸にはヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤を添加することが好適であり、泡立ちの改善が認められる。
本発明において好適なヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤は下記構造(D)を有する。
(式中、Rは炭素原子数4〜34の飽和又は不飽和の炭化水素基を表し;X、Xのいずれか一方は−CHCOOMを表し、他方は水素原子を表し;Mは水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、低級アルカノールアミンカチオン、低級アルキルアミンカチオン、又は塩基性アミノ酸カチオンを表す。)
式中、Rは芳香族炭化水素、直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素のいずれでもよいが、脂肪族炭化水素、特にアルキル基、アルケニル基が好ましい。例えば、ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルウンデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルヘキサデシル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基等が好ましい例として挙げられ、中でもデシル基、ドデシル基が界面活性能力の面で優れている。
また、式中、X、Xのいずれか一方は−CHCOOMで表されるが、Mとしては、水素原子、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
具体的には、上記(A)ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤のうち、ドデカン−1,2−ジオールのいずれかのOH基のHが−CHCOONaで置換されたドデカン−1,2−ジオール・酢酸エーテルナトリウムが本発明で最も好ましい。
なお、本発明においてヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤は、泡立ちを改善する観点から1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%配合することができる。
本発明において、前記以外の添加材として、上記した作用を損なわない範囲内で、次のような成分を任意に配合することができる。この任意成分としては、トリクロロカルバニリド、ヒノキチオール等の殺菌剤;油分;香料;色素;エデト酸3ナトリウム2水和物等のキレート剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;グリチルリチン酸ジカリウム、オオバコエキス、レシチン、サポニン、アロエ、オオバク、カミツレ等の天然抽出物;非イオン性、カチオン性あるいはアニオン性の水溶性高分子;乳酸エステル等の使用性向上剤等である。
また、本発明にかかる洗浄組成物にキレート剤を用いる場合には、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩が好適に例示され、さらに好ましくは、ヒドロキシエタンジホスホン酸である。配合量としては、0.001〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩の配合量が0.001質量%より少ない場合は、キレート効果が不十分となり、経時で黄変等の不都合を生じ、1.0質量%より多いと皮膚への刺激が強くなり、好ましくない。
本発明の石鹸の製造方法については、上記した各成分の混合物に枠練り法、機械練り法等の一般的な方法を適用することができる。
また、本発明の固形石鹸を透明石鹸とする場合、顔料等の配合により透明性が低下したものも含まれる。
以上説明したように本発明にかかる石鹸によれば、ベタインの添加により、脂肪酸石鹸の対イオンとしてカリウムを20モル%以上用いることが可能となり、冷水に対する溶解性、泡立ち性を発揮しつつ、適正な成形性、保形性を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明者らは脂肪酸石鹸系透明石鹸の泡立ち性改善を検討するため、次のような基本処方を用いて検討を行った。なお、配合量は質量%で示す。
まず、本発明者らは、下記石鹸部、糖・糖・ポリオール部、およびその他からなる基本処方の石鹸を用いて透明固形石鹸の製造を試みた。
基本処方
脂肪酸石鹸部 30.0%
ラウリン酸 28部
ミリスチン酸 52部
ステアリン酸 15部
イソステアリン酸 5部
各表記載の水酸化ナトリウム:水酸化カリウム(モル比)で中和
糖・ポリオール部 40.0%
1,3−BG 15.0部
PEG1500 2.5部
ソルビトール 20.0部
ショ糖 23.0部
グリセリン 30.0部
その他 30.0%
トリメチルグリシン X%
ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム 1.0%
N−ラウロイル−N'−カルボキシメチル−N’
−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム 2.0%
PEG−60水添ヒマシ油 5.0%
キレート剤 0.1%
イオン交換水 残部
なお、以下の試験において、起泡力は、ミキサー法泡立て機を用いて測定した。すなわち石鹸濃度1%水溶液(人口硬水70ppm、温度25℃)を作成し、20秒間攪拌後の泡の高さを測定する。
また、摩擦溶解度は、JISK−3304に準じて測定した。すなわち、40℃に調整した水道水で濡らしたフィルム面上に一定重量の試料片(断面15mm×20mm)を載せ、このフィルムを回転し10分間摩擦溶解させる。摩擦溶解前後の重量より、次式により一定面積当たりの摩擦溶解度を求めた。
摩擦溶解度(%)=(前重量−後重量)×100/3
また、硬度は、レオメーター(不動工業社製)にて石鹸表面より深度10mmまで針を圧入した際の最大応力にて示した。
他の評価は、定法による。
なお、総合評価は、おもに凝固点、硬度に基づき評価を行った。
凝固点については、×(40℃以下)、△(40〜45℃)、○(45〜50℃)、◎(50℃以上)
硬度については、×(400以下)、△(400〜450)、○(450〜500)、◎(500以上)
他の評価項目についても劣る場合にはその評価も加味した。
まず、本発明者らは、前記基本処方の脂肪酸石鹸部、糖・ポリオール部及びその他の比率を固定し、対イオンの割合を順次変更して、トリメチルグリシンの添加効果について検証を行った。
結果を表1〜5に示す。
前記表1はNa/K=80/20の組成例であるが、トリメチルグリシンを配合するまでもなく凝固点、硬度共に問題のない範囲である(試験例1−1)。しかしながら、泡質、摩擦溶解度にやや難点がある。そして、トリメチルグリシンの配合により凝固点、硬度は上昇し、泡質の改善も認められるが、結晶を生じ、石鹸としての基本的な機能には影響がないものの、透明石鹸としての外観が悪化する。
前記表2はNa/K=70/30の組成例である。トリメチルグリシンを配合しない試験例2−1では凝固点、硬度共にが試験例1−1(Na/K=80/20)よりも低下し、実用下限に近くなる。一方、低温摩擦溶解度、及び低温気泡力は上昇し、低温での使用性が上昇していることが理解できる。
そして、試験例2−2〜2−4に示すようにトリメチルグリシンを1〜2%添加することにより摩擦溶解度、起泡力をそのままに凝固点、硬度を上昇させることができる。さらに、トリメチルグリシンを4〜5%としても、石鹸の機能自体には特に支障がないが、結晶化に伴い透明石鹸としての美観には影響を生じる。
前記表3はNa/K=60/40の組成例である。トリメチルグリシンを配合しない試験例3−1では凝固点が45℃を下回り、硬度も400を下回る。このため、溶融石鹸液を冷却枠などで冷却固化させる製造作業上、及び使用上の支障を生じる可能性がある。
一方、トリメチルグリシンを1〜4%配合した試験例3−2〜3−5は摩擦溶解度、気泡力を悪化させることなく凝固点、硬度を上昇させることができる。ただし、トリメチルグリシンの配合量が6%となると、やはり結晶化が生じ、石鹸の基本的な機能には影響がないが、透明石鹸としての透明度が低下する傾向にある。
前記表4はNa/K=50/50の組成例であり、前記表3に示すNa/K=60/40とほぼ同様の傾向を示した。なお、試験例4−5,5−6については、硬度が低めではあったが、製造適性に問題はないため、評価を△とした。
前記表5はNa/K=40/60の組成例を示している。試験例5−2に示すように、トリメチルグリシンを8%程度配合することにより、硬度が低めではあるものの、製造適性が許容範囲に入るが、透明度は低下する。
以上のように、本発明において特徴的なトリメチルグリシンの添加効果は、Na/K=80/20〜50/50、トリメチルグリシン1〜8%の範囲で認められ、特にNa/K=70/30〜50/50、トリメチルグリシン1〜5質量%の領域で顕著に認められる。
また、前記表1〜5に示す透明固形石鹸は、製造時にエチルアルコールを実質的に用いずに製造する、いわゆるノンアルコールタイプであり、特にトリメチルグリシンの添加の利点が大きい。
すなわち、製造時にエチルアルコールを10ないし20%以上用いる、いわゆるアルコールタイプの透明固形石鹸を枠練り法にて製造する場合には、溶融石鹸液を長尺円筒状の冷却枠に流し込み、冷却を行い、冷却枠より石鹸素地棒を取り出した後に切断を行う。そして、製造時に用いたエチルアルコールの除去を行うため長時間(数日〜数週間)にわたるエージングを行う。このようなアルコールタイプの枠練り石鹸は、石鹸素地棒の冷却枠からの取り出し及び切断が可能な程度の硬度を有していれば、その後のエージング期間中に硬度の上昇が認められ、必要に応じエージング後に成形を行うことが可能となる。
しかしながら、前記ノンアルコールタイプは、エチルアルコールを実質的に用いない(多くても5%以下)ため、エージングが必要ないという利点を有するが、一方で石鹸素地棒の取り出し、切断、及び成形が連続的に行われることになり、冷却時間の短縮(凝固点の上昇)、硬度(切断、成形性)が極めて重要となる。
この点で本発明におけるトリメチルグリシンの添加効果(凝固点上昇、硬度上昇)は特に有用である。
更に本発明者らはトリメチルグリシンの類縁物質であるグリシンについて、効果の検証を行った。結果を表6に示す。
グリシンについても、低濃度で硬化作用がある程度認められたが、外観色が黄変し、しかも保存により変臭を生じる場合があった。
このため、トリメチルグリシンによる石鹸の特性改善作用は、他のアミノ酸には見られない特異な作用であることが理解される。

Claims (3)

  1. 脂肪酸の対イオンとしてナトリウム及びカリウムからなり、対イオン中、Na/K=80/20〜60/40であって、トリメチルグリシンを1〜5質量%含み、硬度が450以上であり、25℃での摩擦溶解度が20以上であることを特徴とする透明固形石鹸。
    なお、硬度は、レオメーターにて石鹸表面より深度10mmまで針を圧入した際の最大応力を表す。
    なお、摩擦溶解度は、JISK−3304に準じて測定した。すなわち、40℃に調整した水道水で濡らしたフィルム面上に一定重量の試料片(断面15mm×20mm)を載せ、このフィルムを回転し10分間摩擦溶解させる。摩擦溶解前後の重量より、次式により一定面積当たりの摩擦溶解度を求めた。
    摩擦溶解度=(前重量−後重量)×100/3
  2. 請求項1記載の透明固形石鹸において、対イオン中、Na/K=70/30〜60/40であることを特徴とする透明固形石鹸。
  3. 請求項1または2記載の透明固形石鹸において、脂肪酸石鹸部を20〜70質量%と、糖・ポリオール部を30〜70質量%と、を含み、エタノールを含まないことを特徴とする透明固形石鹸。
JP2012020438A 2012-01-25 2012-02-02 固形石鹸 Active JP5919855B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012020438A JP5919855B2 (ja) 2012-01-25 2012-02-02 固形石鹸
US13/745,969 US8697620B2 (en) 2012-01-25 2013-01-21 Solid soap
EP13152535.4A EP2620488B1 (en) 2012-01-25 2013-01-24 Solid soap

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012013044 2012-01-25
JP2012013044 2012-01-25
JP2012020438A JP5919855B2 (ja) 2012-01-25 2012-02-02 固形石鹸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013173807A JP2013173807A (ja) 2013-09-05
JP5919855B2 true JP5919855B2 (ja) 2016-05-18

Family

ID=47563316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012020438A Active JP5919855B2 (ja) 2012-01-25 2012-02-02 固形石鹸

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8697620B2 (ja)
EP (1) EP2620488B1 (ja)
JP (1) JP5919855B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109825386B (zh) * 2019-01-29 2021-09-10 丰益油脂科技(东莞)有限公司 一种含有有机葡萄糖酸钠的皂粒及环保皂

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5264145A (en) 1991-06-18 1993-11-23 The Procter & Gamble Company Personal cleansing freezer bar with selected fatty acid soaps and synthetic surfactant for reduced bathtub ring, improved mildness, and good lather
US5387362A (en) 1992-10-13 1995-02-07 The Procter & Gamble Company Personal cleansing bar with tailored base soaps with mixed counterions for improved mildness and processability without lather negatives
JP3752033B2 (ja) * 1996-11-27 2006-03-08 花王株式会社 固形洗浄剤組成物
JPH11130652A (ja) * 1997-10-24 1999-05-18 Lion Corp 皮膚化粧料
JP4379961B2 (ja) 1999-08-02 2009-12-09 日油株式会社 洗浄剤組成物
JP2002080896A (ja) * 2000-09-06 2002-03-22 P & P F:Kk 透明固形石鹸組成物
JP3609768B2 (ja) * 2000-12-25 2005-01-12 資生堂ホネケーキ工業株式会社 透明固形石鹸組成物
JPWO2004029190A1 (ja) * 2002-09-24 2006-01-26 株式会社ピーアンドピーエフ 新規な界面活性剤およびその用途
JP2008266285A (ja) * 2006-10-24 2008-11-06 Shiseido Co Ltd オルガノシロキサン誘導体
JP5560523B2 (ja) * 2007-12-14 2014-07-30 日油株式会社 透明固形石鹸およびその製造方法
JP5305677B2 (ja) * 2008-02-05 2013-10-02 株式会社 資生堂 洗浄料
US7867964B2 (en) 2008-09-16 2011-01-11 Conopco, Inc. Shaped toilet bars
JP5791233B2 (ja) * 2010-02-26 2015-10-07 株式会社ピーアンドピーエフ 固形洗浄組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP2620488B1 (en) 2016-12-07
US20130190220A1 (en) 2013-07-25
JP2013173807A (ja) 2013-09-05
EP2620488A1 (en) 2013-07-31
US8697620B2 (en) 2014-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100736667B1 (ko) 투명고형 비누 조성물
JPH041297A (ja) 透明固形洗浄剤
JPS591600A (ja) 洗剤
JP5577366B2 (ja) 固形石鹸
US9376652B2 (en) Solid soap
JP5919855B2 (ja) 固形石鹸
JP3824669B2 (ja) 液体身体洗浄剤組成物
JP5715972B2 (ja) 固形石鹸
JP5791233B2 (ja) 固形洗浄組成物
JP2012201789A (ja) 透明石鹸
JP4246945B2 (ja) 液体身体洗浄剤組成物
JPH09165319A (ja) 透明ゲルシャンプー組成物
JP5525859B2 (ja) 固形洗浄組成物
JP5525837B2 (ja) 固形洗浄組成物
JP4035397B2 (ja) 液体皮膚洗浄剤組成物
JP5525836B2 (ja) 固形洗浄組成物
JP4916098B2 (ja) 透明固形石鹸組成物
JP2012184340A (ja) 透明石鹸
JP2021050157A (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP2004075950A (ja) 固型洗浄剤組成物
JP2004075949A (ja) 固型洗浄剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160201

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160317

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5919855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250