JP2618795B2 - 転がり軸受のセンサを内蔵したシールアッセンブリ - Google Patents

転がり軸受のセンサを内蔵したシールアッセンブリ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、センサを内蔵したシ
ールアッセンブリ、特に転がり軸受のシールアッセンブ
リに関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受の転動体を、外部から侵入す
る固体や液体などの異物から保護するため、転がり軸受
の2つのリングの間にシールアッセンブリが装着されて
いる。シールアッセンブリは上記リングの一方と一体の
1つ、又はそれ以上の環状シールを有し、弾性リップや
ラビリンスシールによって他方のリングに対向してい
る。
【0003】可動なリングの回転速度、従ってそれと一
体の軸の回転速度は、該軸に直接取付けたホニック車に
対面して配置したホール効果、或いは磁気抵抗効果を有
するスピードセンサによって通常は測定される。ホニッ
ク車は磁性材料から作られ、等間隔の磁気的に不均一な
部分を多数有する。磁気的に不均一な部分とは、センサ
と対面する面に多数の中実部分と、多数の孔などの中空
部分があること、若しくはセンサと対面する面に多数の
突起が歯車のように形成されていることを意味する。そ
して、それが磁界を通過すると、そこに磁界の変化が生
じる。ホニック車が軸と一体に回転すると、交互にセン
サを通過する多数の磁気的に不均一な部分は、磁気的イ
ンダクタンスに変化をもたらし、磁気センサによって周
期的に信号を発生する。この信号は、演算処理装置に送
られ、ホニック車、即ち軸の単位時間当りの回転数を計
算する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成における主
な欠点は、正確な回転速度を測定するにはホニック車
と、センサとを可能な限り最小の寸法で確実に対面させ
て装着することが必要である。本発明は上記の欠点を克
服すると共に、正確、且つ低コストで回転速度を測定す
るセンサを内蔵した転がり軸受のシールアッセンブリを
得ることを目的とする。更に、本発明は他の型式のセン
サ、特に軸受の内部の温度を検知するセンサを装着した
シールアッセンブリを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、転がり軸受(3)の第1,第2のリング
(4,5)の間の空間(8)を閉鎖すると共に、該空間
に対面して前記転がり軸受の外側に配置され、前記第2
リング(5)に結合する装着部(13)を有する少なく
とも1個の第1密封環(11)と、前記第2リング
(5)に対して可動な第1リング(4)と、該第1リン
グ(4)と第2リング(5)との間に装入されて前記空
間(8)内に収容される複数の転動体(6)とを備えた
転がり軸受(3)と、センサ(2)とを有する転がり軸
受のシールアッセンブリにおいて、前記装着部(13)
は、前記第2リングに対する第1密封環(11)の側部
から軸方向に突出する環状突起部(14)を有し、該突
起部(14)は前記第2リングの内周壁に形成された、
上記突起部に対応する環状の溝(16)に噛合い係合
し、前記シールアッセンブリは前記第1密封環(11)
に形成された第1,第2の複数のシート(12)の内部
に収容された少なくとも2個のセンサ(2,25)を有
し、上記センサ(25)は軸受内の温度を検出する温度
センサであり、この温度センサは該第1密封環(11)
に形成された第2シートに収容され、この第2シートは
他の第1シートと角度的に喰違っていることを特徴とす
る。
【0006】
【実施例】図面は本発明の一実施例を示すもので、図
中、1はセンサ2と、転がり軸受3とを有するシールア
ッセンブリで、軸受3は第2リング5に対して回転可能
な第1リング4を有し、これら両リング4,5の間の空
間8に多くの転動体6が配置され、保持器7で所定の位
置に保持されている。
【0007】シールアッセンブリ1は転がり軸受3の外
側に装着されて上記空間8を密封する環状の第1密封環
11を有する。この密封環11はセンサ2を保持するシ
ート12と、第2リング5に装着するための装着部13
とを有する。装着部13は、第1密封環の内面15から
軸方向に突出する突起部14を有し、この突起部14は
第2リング5の内周壁18に対応して設けられた環状の
溝16に係合する。この溝16は、第1密封環の代りに
図示してないが通常のシールをも装着できる断面形状に
なっている。
【0008】図1に示したようにセンサ2を収容するた
め第1密封環11に設けたシート12は孔であり、収容
したセンサの外側はプラグなどのカバー9で密封されて
いる。
【0009】回転可能な第1リング4の外周には第2密
封環21のスリーブ部分が一体に固着してある。第2密
封環21は強磁性材料で作られ、センサ2に対面する壁
22には磁気的に不均一な部分23、例えば複数の孔2
4が設けてある。
【0010】第1密封環11に装着されたセンサ2は好
ましくはホール効果、或いは磁気抵抗効果を有する磁気
検出器であり、このセンサと、実質的にホニック車であ
る第2密封環21とで第1リング4の回転速度を検出す
る。
【0011】図2に示すように、第1密封環11は形状
が異なる複数のシート12を備え、夫々に形状が違うセ
ンサを装着している。第1密封環には2つのセンサ2,
2の他に、例えば周知の小型の温度センサ25(詳細は
図示せず)を第2センサとして角度的に異なった位置の
第2シート12内に取付け、これにより軸受3の内部の
温度を連続的に、正確に計測することができる。第1セ
ンサ2の第1シート12に対して所定の角度ずらせて点
線で示す第3センサ2が第3シート12内に配置してあ
る。この異なる角度で配置した2つのスピードセンサ
2,2は第2密封環21と協同して第1リング4の回転
方向を検知する。即ち、2つのセンサ2,2が順序に従
って信号を検知すると、軸の回転速度のみならず第1リ
ング4の回転方向をも知ることができる。
【0012】上記した各センサ2,25の空間8に向い
た面は、図1に示したように第1密封環11の内面15
と同一面になっている。
【0013】使用するには、計測装置(図示せず)に結
合されたセンサ2は、軸受3の可動のリング4と一体の
第2密封環21に対面して第1密封環11の1つのシー
ト12の内部に装着する。リング5に対してリング4が
回転すると、第2密封環21の磁気的に不均一な部分2
3が連続してセンサ2を通過することにより高磁性の第
2密封環21に対面するセンサ2によって生じた磁気回
路を変えてマグネチックインダクタンスに変化を与え、
センサ2の作動パラメータに変化を与える。センサ2に
与えられたパラメータの変化は計測装置(図示せず)に
記録され、単位時間の回転数を計測し、その結果、リン
グ5に対するリング4の回転スピードを測定する。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、センサを非常に小型化
したので、1つのシールの形に一体化して軸受の2つの
リングの間の転動体が配列された空間に対面して多数、
並べて配置することができる。そして、速度の測定に関
しては、上記空間にホニック車を配置したので、これが
回転数を積極的に測定する要素となると同時に、第2の
シールとして転動体を保護する。更に、従来のホニック
車を取り去り、第1密封環の内側に多数のセンサを一体
化して装着したので、構造が簡略化し、組立てコストが
低減できるという特有の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シールアッセンブリを適用した本発明の転がり
軸受の要部の断面図である。
【図2】図1のシールアッセンブリの正面図である。
【符号の説明】
1 シールアッセンブリ 2 センサ(スピードセンサ) 3 転がり軸受 4 第1リング 5 第2リング 6 転動体(ボール) 7 保持器 8 第1リングと第2リングとの間の空間 9 カバー 11 第1密封環 12 センサを装着するシート 13 装着部 14 環状突起部 16 環状の溝 21 第2密封環 22 第2密封環のセンサに対面する壁 23 壁に設けた磁気的不均一部分 24 磁気的不均一部分としての孔 25 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート モレッティー イタリア 10024 モンカリエリ スト ラダ トリノ 73 (56)参考文献 特開 平4−15312(JP,A) 特開 昭58−62537(JP,A) 実開 平3−33372(JP,U) 実開 昭59−30952(JP,U) 実開 昭63−53923(JP,U) 実開 平3−60069(JP,U)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受(3)の第1,第2のリング
    (4,5)の間の空間(8)を閉鎖すると共に、該空間
    に対面して前記転がり軸受の外側に配置され、前記第2
    リング(5)に結合する装着部(13)を有する少なく
    とも1個の第1密封環(11)と、前記第2リング
    (5)に対して可動な第1リング(4)と、該第1リン
    グ(4)と第2リング(5)との間に装入されて前記空
    間(8)内に収容される複数の転動体(6)とを備えた
    転がり軸受(3)と、センサ(2)とを有する転がり軸
    受のシールアッセンブリにおいて、前記装着部(13)
    は、前記第2リングに対する第1密封環(11)の側部
    から軸方向に突出する環状突起部(14)を有し、該突
    起部(14)は前記第2リングの内周壁に形成された、
    上記突起部に対応する環状の溝(16)に噛合い係合
    し、前記シールアッセンブリは前記第1密封環(11)
    に形成された第1,第2の複数のシート(12)の内部
    に収容された少なくとも2個のセンサ(2,25)を有
    し、上記センサ(25)は軸受内の温度を検出する温度
    センサであり、この温度センサは該第1密封環(11)
    に形成された第2シートに収容され、この第2シートは
    他の第1シートと角度的に喰違っていることを特徴とす
    る転がり軸受のセンサを内蔵したシールアッセンブリ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシールアッセンブリに
    おいて、前記第1リング(4)に一体に装着された第2
    密封環(21)を有し、該第2密封環は強磁性材料から
    なり、磁気的に不均一な部分(23)を有することを特
    徴とする転がり軸受のセンサを内蔵したシールアッセン
    ブリ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシールアッセンブリに
    おいて、前記第1密封環(11)内の前記センサ(2)
    の1つが磁気センサであり、前記第2密封環(21)は
    ホニック車であることを特徴とする転がり軸受のセンサ
    を内蔵したシールアッセンブリ。
  4. 【請求項4】 請求項2と、請求項3のどちらか1項に
    記載のシールアッセンブリにおいて、前記第2密封環
    (21)がスリーブを有することを特徴とする転がり軸
    受のセンサを内蔵したシールアッセンブリ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のシールアッセンブリに
    おいて、前記磁気センサ(2)が、好ましくはホール効
    果、又は磁気抵抗効果の型式のセンサであることを特徴
    とする転がり軸受のセンサを内蔵したシールアッセンブ
    リ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のシールアッセンブリに
    おいて、前記転がり軸受(3)の回転する第1リング
    (4)の回転方向を測定するために少なくとも2個の速
    度センサ(2,2)を備えていることを特徴とする転が
    り軸受のセンサを内蔵したシールアッセンブリ。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のシールアッセンブリに
    おいて、2個のセンサ(2,25)の前記空間(8)に
    向いた面は、第1密封環(11)の内面と同一面上にあ
    ることを特徴とする転がり軸受のセンサを内蔵したシー
    ルアッセンブリ。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のシールアッセンブリに
    おいて、前記第1密封環(11)は、前記第2リング
    (5)の内周の環状の溝(16)にスナップ係合してい
    ることを特徴とする転がり軸受のセンサを内蔵したシー
    ルアッセンブリ。
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JPH0681833A JPH0681833A (ja) 1994-03-22
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