JP2612493B2 - 3―置換メチル―3―セフェム―4―カルボン酸類の製造方法 - Google Patents

3―置換メチル―3―セフェム―4―カルボン酸類の製造方法

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JP2612493B2 JP1124284A JP12428489A JP2612493B2 JP 2612493 B2 JP2612493 B2 JP 2612493B2 JP 1124284 A JP1124284 A JP 1124284A JP 12428489 A JP12428489 A JP 12428489A JP 2612493 B2 JP2612493 B2 JP 2612493B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07D501/00Heterocyclic compounds containing 5-thia-1-azabicyclo [4.2.0] octane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. cephalosporins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、3−置換メチル−3−セフェム−4−カル
ボン酸類の製造方法に関するものである。当該製造方法
によって製造される一般式(II) (式中、R1は水素原子または低級アルコキシ基、R2は置
換基を有してもよい低級アルキル基、アリール基を表
す)で示される3−置換メチル−3−セフェム−4−カ
ルボン酸類は、種々の抗菌作用を有するセファロスポリ
ン系抗生物質の原料物質として重要なものである。本発
明により、目的物(II)を一工程にて、驚くべき高収
率、高純度で得ることができる。
(従来の技術) 一般式(I) (式中、R1は水素原子または低級アルコキシ基を表す)
で示される3−アセトキシメチル−3−セフェム−4−
カルボン酸から、一般式(II)で示される3−置換メチ
ル−3−セフェム−4−カルボン酸類を製造する方法と
しては、(1)アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロ
ゲン化物もしくは四級アンモニウムのハロゲン化物の存
在下に、低級アルコールを反応させる方法(USP−44827
10)、(2)三フッ化ホウ素または三フッ化ホウ素錯体
の存在下に、低級アルコールを反応させる方法(EP−20
4657)、(3)三フッ化ホウ素の低級アルコール錯化合
物とアルキルスルホン酸の存在下で低級アルコールと反
応させる方法(特開昭63−115887)、(4)アンチモ
ン、スズ、鉄、亜鉛、ビスマスのハロゲン化物またはそ
れらの錯化合物存在下で、低級アルコールと反応させる
方法(EP−262744)などが知られている。
(発明が解決しようとする課題) 前記(1)の方法は、収率が極めて低く(16〜43
%)、(2)の方法においては、一般式(III) (式中、R1は前述の意味を表す)で示されるラクトン体
が多量に副生したり、単離工程が複雑になる。ラクトン
体を多量に含む反応液から目的物(II)を単離するため
には、大量の溶媒抽出を繰り返し行い、ラクトン体を
除去する、大量の樹脂を用いて精製する、等電点沈
澱操作を繰り返し行うなどの煩雑な操作が必要となる、
特に一般式(II)で示される化合物の収率を向上させる
ために、三フッ化ホウ素または三フッ化ホウ素錯体の使
用量を増加させると、一般式(III)で示されるラクト
ン体がさらに多量に副生してしまうため、目的生成物の
純度が悪くなるか、あるいは単離工程がさらに複雑にな
り、単離工程でのロスが多くなる。
また、(3)および(4)の方法もラクトン体の副生
を十分阻止することができず、いまだ満足いくものでは
ない。さらに、一般式(I)の化合物から一般式(II)
の化合物への別途の製造方法としては、一般式(I)の
化合物のカルボン酸部分での副反応を避けるために、例
えば、エステル基などでカルボン酸を保護した後に、3
位を変換する方法もある。しかし、この方法では、エス
テル体を反応させた後に、さらに脱エステル化し、カル
ボン酸にしなくてはならず、操作が複雑となる。したが
って、一般式(II)で示される3−置換メチル−3−セ
フェム−4−カルボン酸類を高収率、高純度かつ一工程
で、工業的容易に製造できる方法の出現が望まれてい
た。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上述の背景下に3−置換メチル−3−
セフェム−4−カルボン酸類またはそれらの塩類の製造
方法について、工業的に容易に行うことができる方法を
鋭意検討した結果、 一般式(I)で示されるセファロスポラン酸類またはそ
れらの塩と、一般式Z(OR2n〔式中、Zはホウ素(こ
のときnは3を表す)であるか、一般式CR3 m基(式中、
R3は水素原子または低級アルキル基、mはまたは2を表
し、m+n=4である)、R2は置換基を有してもよい低
級アルキル基、アリール基を表し、nは2または3であ
る〕で示される化合物を、プロトン酸あるいはルイス酸
またはその錯化合物の中から選ばれた少なくとも一つの
酸触媒の存在下反応させると、一般式(II)で示される
化合物またはそれらの塩が、一工程で収率よく製造され
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記のプロトン酸とは、硫酸、ハロゲノ硫酸、置換さ
れてもよいアリールまたはアルキルスルホン酸の中から
選ばれるものであり、上記のルイス酸とは、MXl(Mは
金属原子またはホウ素、Xはハロゲン原子、lはMの価
数に対応する1〜5の整数を表す)で示される金属のハ
ロゲン化物中から選ばれるものである。
本発明によれば、優れた抗菌活性を有するセファロポ
リン系抗生物質の重要な中間体である前記式(II)で示
される化合物を、前記式(I)で示される化合物から工
業的に容易な操作にて製造することができる。また、カ
ルボン酸部分の保護等の工程を必要とせず、従来の技術
において問題点となっていた、前記式(III)のラクト
ン体の副生、および母核(β−ラクタム環)の開裂、分
解を大幅に抑制し、驚くべき高収率、高純度で目的物を
得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
前記式(I)および(II)のR1は水素原子または低級
アルコキシ基であり、アルコキシ基としては、アルキル
部分がC1〜C4の例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロ
ポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ基等が挙げられ
る。前記式(I)および(II)において示される化合物
の塩とは、それらにおいて遊離に存在するカルボキシ基
における塩またはアミノ基における酸付加塩を意味し、
カルボキシル基における塩としては、例えば、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウム、
マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニ
ウム塩;トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジ
ン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,
N−ジメチエルアニリン、ジシクロヘキシルアミンなど
の含窒素有機塩基との塩が挙げられ、また、アミノ基に
おける塩としては、塩酸、硫酸などの鉱酸との酸付加
塩;シュウ酸、ギ酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢
酸などのカルボン酸との酸付加塩;メタンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのスル
ホン酸との塩;塩化第二鉄、五塩化アンチモン、塩化亜
鉛等のルイス酸との酸付加物塩が挙げられる。
本発明で使用される一般式Z(OR2nで示される化合
物としては、式中、Zがホウ素であるホウ酸エステル類
(nは3を表す)、式中、ZがCR3 1であるオルソエステ
ル類(nは3を表す)、式中、Zが、CR3 2であるアセタ
ール類(nは2を表す)等が挙げられる。R3は水素また
は低級アルキル基であり、アルキル基の炭素数は1〜5
が好ましい。R2としては、メチル、エチル、プロピル、
ブチルなどのようなC1〜C6の脂肪族低級アルキル基、フ
ェニル、トリル、キシリルなどの芳香族基、ベンジル、
フェネチルなどの芳香族基を有する脂肪族低級アルキル
基等が用いられる。また、これらR2、R3中のアルキル
基、芳香族基中の炭素に結合した水素は、フッ素、塩
素、ヨウ素、臭素などのハロゲン原子、ニトロ基、およ
び炭素数が1〜6のアルコキシ基、炭素数が1〜6のア
ルキルチオ基、炭素数が1〜6のアルキルアミノ基、炭
素数が2〜12のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜6の
アシルアミノ基、炭素数が1〜6のアシル基等で置換さ
れてもよい。これらの前式Z(OR2nで示される化合物
を具体的に示すと、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸
トリエチル等のようなホウ酸エステル類;オルソ蟻酸メ
チル、オルソ蟻酸エチル、オルソ酢酸メチル、オルソ酢
酸エチル等のオルソエステル類;メチラール、ホルムア
ルデヒドジエチルアセタール、アセトンジメチルアセタ
ール、アセトンジエチルアセタール、2,2−ジメトキシ
ブタン、3,3−ジメトキシヘプタンのようなアセタール
類が挙げられる。これらのなかでもホウ酸エステル類、
オルソエステル類が特に好ましい。さらに、Z(OR2n
で示される化合物の使用量は、一般式(I)の化合物ま
たはその塩に対して等モル以上から30倍モルが用いられ
るが、等モルから10倍モルの範囲が望ましい。
次に、本発明において使用される酸触媒について説明
する。
ルイス酸としては、MXlで示される金属またはホウ素
のハロゲン化物である。Mは金属原子またはホウ素原子
であり、金属原子としては、例えば、アンチモン、鉄、
亜鉛、ビスマス、などが挙げられる。Xはハロゲン原子
であり、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子などが挙げられる。Mが金属原子の場合、Xは
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、特に塩素
原子が好ましい。Mがホウ素の場合は、フッ素原子が好
ましい。また、lはMの価数に対応する1〜5の整数を
表す。MXlを具体的に例示すると、五塩化アンチモンま
たは五臭化アンチモン等のハロゲン化アンチモン;塩化
第二鉄、臭化第二鉄またはヨウ化第二鉄等のハロゲン化
第二鉄;塩化亜鉛、臭化亜鉛またはヨウ化亜鉛等のハロ
ゲン化亜鉛;塩化ビスマスまたは臭化ビスマス等のハロ
ゲン化ビスマス;三フッ化ホウ素等のハロゲン化ホウ素
が挙げられる。
また、MXlで示されるルイス酸としては、その錯化合
物も用いることができる。アンチモン、鉄、亜鉛、ビス
マスの場合は、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエ
ーテル、ジ−n−ブチルエーテル等とのジアルキルエー
テル錯塩、さらには、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルホルムアミド等とのアミン錯塩、酢酸、プロピオン酸
等との脂肪酸錯塩、アセトニトリル、プロピオニトリル
等とのニトリル錯塩、酢酸エチル等とのカルボン酸エス
テル錯塩が挙げられる。ハロゲン化ホウ素の場合は、例
えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、
ジ−n−ブチルエーテル等のジアルキルエーテル錯塩;
エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン
等とのアミン錯塩;酢酸、プロピオン酸等との脂肪酸錯
塩が挙げられる。
プロトン酸としては、硫酸、ハロゲノ硫酸、アリール
またはアルキルスルホン酸等である。硫酸としては、例
えば、濃硫酸、発煙硫酸などが挙げられる。ハロゲノ硫
酸としては、例えば、フルオロ硫酸、クロロ硫酸などが
挙げられる。さらに、アルキルスルホン酸としては、ア
ルキル基の炭素数が1〜6を有するスルホン酸、例え
ば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などが挙げら
れる。アリールスルホン酸としては、例えば、p−トル
エンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などが挙げられ
る。アルキル基およびアリール基の炭素に結合した水素
は、他の置換基で置換されていてもよい。置換基として
は、例えば、炭素数が1〜6の低級アルキル基、炭素数
が1〜6の低級アルコキシ基、およびフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン等がある。
これらの酸触媒の使用量は、一般式(I)の化合物ま
たはその塩に対して、0.1倍モル以上30倍モル以下の範
囲であればよく、望ましくは0.5倍モル以上15倍モル以
下の範囲である。
これらの酸触媒は、単独でも、また、2種以上混合し
ても使用できる。特にMXlで示されるルイス酸とプロト
ン酸類の混合系においては、添加するプロトン酸類の使
用量が、一般式(I)の化合物またはその塩に対して0.
1倍モル以上2倍モル以下の範囲で驚くべき効果を発現
する。この際使用されるプロトン酸としては、例えば、
前述の硫酸、ハロゲノ硫酸、アリールまたはアルキルス
ルホン酸の他に、単独で使用しても効果の小さい燐酸、
硝酸等の鉱酸類;またはトリフルオロ酢酸、トリクロロ
酢酸などのハロゲン置換されてもよい酢酸等でも効果が
ある。特に好ましくは、硫酸、ハロゲノ硫酸、スルホン
酸などである。
この際、ルイス酸類とプロトン酸類の混合酸触媒の総
和使用量は、一般式(I)の化合物またはその塩に対し
て0.1倍モル以上30倍モル以下の範囲であればよく、望
ましくは0.5倍モル以上15倍モル以下の範囲である。ま
た、ルイス酸類とプロトン酸類の混合当量比は、ルイス
酸に対してプロトン酸が0.01以上、100以下の範囲でよ
く、望ましくは0.1以上、10以下の範囲である。
上記のプロトン酸類を使用した場合は、それらを使用
しない系と比較して、反応速度の加速化(約5〜10倍)
が起こり、前記式(III)で示されるラクトン体の副生
が一層抑制されるため、一般式(II)で示される目的生
成物の大幅な収率向上が達成される。プロトン酸類の使
用量をさらに増加させた場合、反応速度はさらに加速さ
れるが、一般式(III)で示されるラクトン体副生抑制
効果が相対的に低下するために、一般式(II)で示され
る目的生成物の収率向上も相殺されてしまう。したがっ
て、プロトン酸類の使用に際しては、低使用量で有意な
効果を発現するルイス酸類との混合使用が望ましい。
また、ルイス酸類同士の混合系においては、例えば、
塩化亜鉛と塩化第二鉄、三塩化ビスマスと五塩化アンチ
モンなどの混合形態が挙げられ、その際の混合当量比
は、一方のルイス酸に対して、他方が0.01以上、100以
下の範囲でよく、望ましくは0.1以上、10以下の範囲で
ある。
反応は通常、適当な溶媒中で行われる。このような溶
媒としては、反応に悪影響を及ぼさないすべての有機溶
媒を用いることができるが、例えば、反応に使用する前
記式Z(OR2nで示される化合物をそのまま使用できる
他、アセトニトリル、ピロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル、マロンジニトリルなどのニトリル類;ニトロメタ
ン、ニトロエタン、ニトロプロパンなどのニトロアルカ
ン類;ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;酢酸、
プロピオン酸、トリフロロ酢酸などの有機カルボン酸
類;酢酸メチル、酢酸エチル等の有機カルボン酸エステ
ル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、アセトフェノンなどのアルキルケトン類;ジク
ロルメタン、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭
素などのハロゲン化アルカン類;ジクロルエチレン、ト
リクロルエチレンなどのハロゲン化アルケン類;ホルム
アミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミドなどの酸
アミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、ト
ルエン、クロルベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族
アルカン類;n−ヘキサン、ヘプタンなどのアルカン類;
シクロヘキサンなどの脂環式アルカン類;およびスルホ
ラン等のスルホラン類;ジメチルスルホキシド等であ
り、これらの溶媒は2種以上混合して用いることができ
る、以上のような有機溶媒を使用する場合には、出発原
料に対して、例えば1〜200重量倍の溶媒を使用するこ
とができるが、2〜30重量倍の範囲が望ましい。
本反応は実質的には無水の状態で実施するのが好まし
いため、濃塩酸のような酸水溶液は、使用するプロトン
酸として不適当である。また、無水状態を維持する目的
で、反応系内に脱水剤が添加されていてもよい。脱水剤
としては、例えば、五酸化リン、ポリリン酸、五塩化リ
ン、オキシ塩化リン酸等のリン化合物;N,O−ビス(トリ
メチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルアセト
アミド、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシ
ラン等の有機シリル化剤;無水酢酸、無水トリフルオロ
酢酸等の酸無水物;無水硫酸マグネシウム、無水塩化カ
ルシウム、無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブ等
の無機乾燥剤等が挙げられる。前記リン化合物、有機シ
リル化剤、酸無水物については、例えば、出発原料に対
して0.001〜5倍モル、無機乾燥剤については、出発原
料に対して0.01〜6倍モル重量使用することができる。
反応温度は特に限定はなく、通常、反応は−20〜90℃で
行われ、反応に要する時間は、主として出発物質、試薬
の量、溶媒の種類、量、反応温度によって異なり、1分
から80時間である。反応終了後、目的物は常法によって
反応混合物から採取される。例えば、反応混合物に氷水
を加えた後、反応混合物の溶液をpH3〜4に調整し、析
出した結晶を濾取するか、または反応混合物の溶液をpH
6〜8に調整した後、沈殿物を濾別後、母液をXAD−II
(オルガノ社製)、HP−20〔三菱化成工業(株)製〕等
の逆相合成吸着樹脂を充填したカラムにかけて溶出さ
せ、目的物を含む溶出液をpH3〜4に調整し、析出した
結晶を濾取する。また、ハロゲン化鉄を触媒として使用
した反応液をpH3〜4に調整して結晶を濾取する場合、
晶析の前処理として、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素
ナトリウム等の無機系還元剤、L−アスコルビン酸等の
有機還元剤を用いることは、目的物の分解抑制に効果が
あり、収率上有効である。
(発明の効果) 本発明によれば、優れた抗菌作用を有するセファロス
ポリン系抗生物質の重要な原料物質である式(II)で示
される3−置換メチル−3−セフェム−4−カルボン酸
類を、ラクトン体の副生およびβ−ラクタム環の分解を
抑制して、収率よく、しかも、高純度で得ることができ
る。さらに、本発明は、3−アセトキシメチル−3−セ
フェム−4−カルボン酸のカルボキシル基を保護する必
要のない一工程の製造方法である。
(実施例) 次に、本発明を実施例および比較例により、詳細に説
明する。本発明は、これらによって限定されるものでは
ない。なお、実施例でいう収率は、以下の式で求めたも
のである。
A=目的物の重量(g) B=出発物質の重量(g) C=出発物質の分子量 D=目的物の分子量 不純物としてのラクトン体の生成率は、前述の式によ
り算出される。ただし、目的物の重量(g)および目的
物の分子量のかわりに、ラクトン体の重量(g)および
ラクトン体の分子量を各々AおよびDに置き換える。さ
らに、目的物中のラクトン体含有率は、目的物純度評価
の指標として示した。
実施例1 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄1.96g、ホウ酸トリメチル1.22mlをスルホラン1
0ml中に入れ、30℃で30時間加熱反応させる。反応終了
後、反応液を−10℃に冷却し、水30ml、メタノール10ml
を加え、−2〜2℃においてアンモニア水でpH7.8にす
る。沈澱物を濾別、水洗後、濾液と洗液を合わせる。そ
の合わせた濾液を36%塩酸でpH3.5(目的物の等電点p
H)に調整する。析出した沈澱物を濾取し、冷水10ml、
冷メタノール20mlで洗浄すると、目的物である7−アミ
ノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カルボン
酸0.70gが得られた(収率55%)。この際、ラクトン体
の副生は0.075g(収率6.0%)であった。また、生成物
中のラクトン体含有率は0.22%であった。
目的物の構造はNMRおよびIRスペクトルにより決定し
た。
NMR(CF3COOD) PPM値 3.63(3H,s,−CH2 OCH 3) 3.77(2H,s,2位の−CH2−) 4.86(2H,s,−CH 2OCH3) 5.43(2H,s,6位および7位のH) IRスペクトラム(Nujol,cm-1) 3160(−NH2) 1800(>C=O,β−ラクタム) 1620(−COOH) 1100(−CH2OCH3) 実施例2 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、濃
硫酸2.18g、ホウ酸トリメチル1.88mlをジクロロメタン1
0ml中に入れ、0℃で1時間反応させる。反応終了後、
実施例1と同様な操作をすることにより、目的物である
7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−
カルボン酸0.63gが得られた(収率50%)。この際、ラ
クトン体の副生は0.07g(収率6.3%)であった。また、
生成物中のラクトン体含有率は0.22%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は実施例1のNMR,IR分析結果とよ
く一致した。
実施例3 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、メ
タンスルホン酸5.1ml、ホウ酸トリメチル1.07mlをジク
ロロメタン10ml中に入れ、0℃で9時間反応させる。反
応終了後、実施例1と同様な操作をすることにより、目
的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸0.70gが得られた(収率55%)。
この際、ラクトン体の副生は0.07g(収率6.3%)であっ
た。また、生成物中のラクトン体含有率は0.22%であっ
た。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例4 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄1.96g、濃硫酸0.29ml、ホウ酸トリメチル1.22m
lをスルホラン10ml中に入れ、30℃で3時間加熱反応さ
せる。反応終了後、実施例1と同様な操作をすることに
より、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−
3−セフェム−4−カルボン酸1.00gが得られた(収率7
9%)。この際、ラクトン体の副生は0.073g(収率6.6
%)であった。また、生成物中のラクトン体含有率は0.
24%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は実施例1のNMR,IR分析結果とよ
く一致した。
実施例5 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、ホ
ウ酸トリメチル1.22ml、濃硫酸0.29ml、塩化第二鉄1.96
gをスルホラン20ml中に入れ、30℃で3時間反応させ
る。反応終了後、反応液を0℃まで冷却し、水30ml、メ
タノール10ml、チオ硫酸ナトリウム3.04gを添加し、氷
冷のまま1時間攪拌する。残渣を濾別、メタノール洗浄
し、濾液と洗浄液を合わせる。その合わせた液を36%塩
酸でpH3.5に調整する。析出した沈澱物を濾取し、冷水1
0ml、冷メタノール20mlで洗浄すると、目的物である7
−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カ
ルボン酸1.05gが得られた(収率83%)。この際、ラク
トン体の副生は0.073g(収率6.6%)であった。また、
生成物中のラクトン体含有率は0.24%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例6 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、三
フッ化ホウ素エチルエーテル3.2ml、濃硫酸0.84ml、ホ
ウ酸トリメチル6.12mlをスルホラン20ml中に入れ、30℃
で4時間加熱反応させる。反応終了後、実施例1と同様
な操作をすることにより、目的物である7−アミノ−3
−メトキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸0.86
gが得られた(収率68%)。この際、ラクトン体の副生
は0.080g(収率7.2%)であった。また、生成物中のラ
クトン体含有率は0.26%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例7 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化亜鉛3g、濃硫酸0.29ml、ホウ酸トリメチル3.13mlを酢
酸メチル10ml中に入れ、30℃で6時間加熱反応させる。
反応終了後、実施例1と同様な操作をすることにより、
目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セ
フェム−4−カルボン酸0.86gが得られた(収率69
%)。この際、ラクトン体の副生は0.049g(収率4.5
%)であった。また、生成物中のラクトン体含有率は0.
17%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例8 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、五
塩化アンチモン1.2ml、濃硫酸0.58ml、ホウ酸トリメチ
ル1.95mlをスルホラン10ml中に入れ、0℃で7時間反応
させる。反応終了後、実施例1と同様な操作をすること
により、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル
−3−セフェム−4−カルボン酸1.04gが得られた(収
率82%)。この際、ラクトン体の副生は0.064g(収率5.
8%)であった。また、生成物中のラクトン体含有率は
0.15%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は実施例1のNMR,IR分析結果とよ
く一致した。
実施例9 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄1.96g、メタンスルホン酸0.35ml、ホウ酸トリ
メチル1.95mlをスルホラン10ml中に入れ、30℃で5時間
加熱反応させる。反応終了後、実施例1と同様な操作を
することにより、目的物である7−アミノ−3−メトキ
シメチル−3−セフェム−4−カルボン酸0.74gが得ら
れた(収率58%)。この際、ラクトン体の副生は0.037g
(収率3.4%)であった。また、生成物中のラクトン体
含有率は0.20%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は実施例1のNMR,IR分析結果とよ
く一致した。
実施例10 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄1.96g、トリフルオロ酢酸0.40ml、ホウ酸トリ
メチル1.95mlをスルホラン10ml中に入れ、30℃で5時間
加熱反応させる。反応終了後、実施例1と同様な操作を
することにより、目的物である7−アミノ−3−メトキ
シメチル−3−セフェム−4−カルボン酸0.70gが得ら
れた(収率55%)。この際、ラクトン体の副生は0.027g
(収率2.5%)であった。また、生成物中のラクトン体
含有率は0.10%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例11 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄0.93g、塩化亜鉛5.25g、ホウ酸トリメチル3.13
mlをスルホラン10ml中に入れ、50℃で5時間加熱反応さ
せる。反応終了後、実施例1と同様な操作をすることに
より、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−
3−セフェム−4−カルボン酸0.89gが得られた(収率7
0%)。この際、ラクトン体の副生は0.089g(収率8.1
%)であった。また、生成物中のラクトン体含有率は0.
28%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例12 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、五
塩化アンチモン0.60ml、三塩化ビスマス15.18g、ホウ酸
トリメチル1.95mlをスルホラン10ml中に入れ、50℃で5
時間加熱反応させる。反応終了後、実施例1と同様な操
作をすることにより、目的物である7−アミノ−3−メ
トキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸0.81gが
得られた(収率64%)。この際、ラクトン体の副生は0.
098g(収率8.9%)であった。また、生成物中のラクト
ン体含有率は0.29%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例13 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化亜鉛6.0g、メタンスルホン酸0.34ml、ホウ酸トリメチ
ル3.06mlをスルホラン10ml中に入れ、30℃で23時間加熱
反応させる。反応終了後、実施例1と同様な操作をする
ことにより、目的物である7−アミノ−3−メトキシメ
チル−3−セフェム−4−カルボン酸0.95gが得られた
(収率75%)。この際、ラクトン体の副生は0.044g(収
率4.0%)であった。また、生成物中のラクトン体含有
率は0.17%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は実施例1のNMR,IR分析結果とよ
く一致した。
実施例14 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、三
フッ化ホウ素エチルエーテル2.4ml、メタンスルホン酸
0.34ml、ホウ酸トリメチル3.13mlをスルホラン10ml中に
入れ、30℃で5時間加熱反応させる。反応終了後、実施
例1と同様な操作をすることにより、目的物である7−
アミノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カル
ボン酸0.49gが得られた(収率39%)。この際、ラクト
ン体の副生は0.055g(収率5.0%)であった。また、生
成物中のラクトン体含有率は0.27%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例15 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、三
フッ化ホウ素エチルエーテル8.2ml、フルオロスルホン
酸1.9ml、ホウ酸トリメチル6.12mlをスルホラン20ml中
に入れ、25℃で20分間反応させる。反応終了後、実施例
1と同様な操作をすることにより、目的物である7−ア
ミノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カルボ
ン酸0.76gが得られた(収率60%)。この際、ラクトン
体の副生は0.082g(収率7.5%)であった。また、生成
物中のラクトン体含有率は0.30%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例16 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄0.99g、塩化亜鉛5.00g、オルソ蟻酸メチル0.92
mlをスルホラン10ml中に入れ、50℃で6時間加熱反応さ
せる。反応終了後、実施例1と同様な操作をすることに
より、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−
3−セフェム−4−カルボン酸0.81gが得られた(収率6
4%)。この際、ラクトン体の副生は0.100g(収率9.2
%)であった。また、生成物中のラクトン体含有率は0.
84%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
実施例17 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、濃
硫酸0.3ml、塩化第二鉄1.96g、オルソ蟻酸メチル1.15ml
をスルホラン10ml中に入れ、30℃で5時間加熱反応させ
る。反応終了後、実施例1と同様な操作をすることによ
り、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−3
−セフェム−4−カルボン酸0.75gが得られた(収率59
%)。この際、ラクトン体の副生は0.120g(収率10.9
%)であった。また、生成物中のラクトン体含有率は1.
00%であった。
得られた7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフ
ェム−4−カルボン酸は、実施例1のNMR,IR分析結果と
よく一致した。
(比較例) メトキシ化剤としてホウ酸トリメチルの代わりにメタ
ノールを用いた例を以下に示す。
比較例1 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、三
フッ化ホウ素エチルエーテル5.8ml、メタノール0.84ml
をスルホラン10ml中に入れ、50℃で1.25時間反応させ
る。反応終了後、実施例1と同様な操作をすることによ
り、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−3
−セフェム−4−カルボン酸0.23g(収率18%)が得ら
れたが、ラクトン体が0.23g(反応率21%)副生した。
そして、生成物中のラクトン体含有率は1.9%であっ
た。
比較例2 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、三
フッ化ホウ素エチルエーテル6.3ml、メタノール2.30ml
をスルホラン10ml中に入れ、50℃で3.5時間反応させ
る。反応終了後、実施例1と同様な操作をすることによ
り、目的物である7−アミノ−3−メトキシメチル−3
−セフェム−4−カルボン酸0.87g(収率69%)が得ら
れたが、ラクトン体が0.13g(反応率12%)副生した。
そして、生成物中のラクトン体含有率は1.1%であっ
た。
比較例3 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、メ
タンスルホン酸5.1ml、メタノール1.23mlをジクロロメ
タン10ml中に入れ、0℃で6時間反応させる。反応終了
後、反応混合物を氷水中に注入し、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えて、pH3.5に調整した。生成した結晶を
濾取し、水洗、乾燥すると、目的物である7−アミノ−
3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸・
メタンスルホン酸塩1.14g(収率69%)が得られたが、
ラクトン体が0.25g(反応率22%)副生した。そして、
生成物中のラクトン体含有率は1.8%であった。
比較例4 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、濃
硫酸2.1ml、メタノール1.05mlをジクロロメタン10ml中
に入れ、0℃で1.75時間反応させる。反応終了後、実施
例1と同様な操作をすることにより、目的物である7−
アミノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カル
ボン酸0.27g(収率21%)が得られたが、ラクトン体が
0.37g(反応率34%)副生した。そして、生成物中のラ
クトン体含有率は2.5%であった。
比較例5 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)1.41g、塩
化第二鉄1.96g、濃硫酸0.29ml、メタノール0.45mlをス
ルホラン10ml中に入れ、30℃で2時間反応させる。反応
終了後、実施例1と同様な操作をすることにより、目的
物である7−アミノ−3−メトキシメチル−3−セフェ
ム−4−カルボン酸0.71g(収率56%)が得られたが、
ラクトン体が0.35g(反応率32%)副生した。そして、
生成物中のラクトン体含有率は2.8%であった。
比較例6 7−アミノセファロスポラン酸1.44g、メタノール1.1
9gをニトロメタン3mlに懸濁させ、三フッ化ホウ素・メ
タノール錯化合物(三フッ化ホウ素51%含有)8.54g、
フルオロスルホン酸3.31gを順次加えて、25℃で15分間
攪拌する。反応液を0℃まで冷却し、減圧下メタノール
を留去、水100mlを加え、この溶液をHP−20〔三菱化成
工業(株)製〕を充填した逆相吸着カラムクロマトグラ
フィーにかける。目的物を含む溶出液を28%アンモニア
水でpH3.5に調整した後、析出晶を濾取し、氷水15ml、
冷メタノール5mlで洗浄すると、目的物である7−アミ
ノ−3−メトキシメチル−3−セフェム−4−カルボン
酸が1.50g(収率55.8%)得られたが、ラクトン体が0.2
4g(反応率21%)副生した。そして、生成物中のラクト
ン体含有率は2.8%であった。
比較例7 7−アミノセファロスポラン酸(7−ACA)2.72g、塩
化亜鉛9.63g、メタノール0.71gをニトロメタン10mlに懸
濁させ、60℃で90分加熱反応させる。反応液を5℃付近
に冷却し、水30ml、メタノール10mlを加え、−2〜2℃
において28%アンモニア水でpH7.8に調整する。析出し
た沈澱物を濾過し、沈澱を水洗後、この洗液と濾液とを
合わせて得られた混合液を、36%塩酸でpH3.5に調整す
る。析出した沈澱物を濾取し、冷水10ml、冷メタノール
20mlで洗浄すると、目的物である7−アミノ−3−メト
キシメチル−3−セフェム−4−カルボン酸0.98g(収
率40%)を得るが、ラクトン体が0.38g(反応率18%)
副生した。そして、生成物中のラクトン体含有率は2.4
%であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1は水素原子または低級アルコキシ基を表す)
    で示されるセファロスポラン酸類またはそれらの塩を、
    プロトン酸あるいはルイス酸またはその錯化合物の中か
    ら選ばれた少なくとも一つの酸触媒の存在下、一般式Z
    (OR2n〔式中、Zはホウ素(このときnは3を表す)
    であるか、一般式CR3 m基(式中、R3は水素原子または低
    級アルキル基、mは1または2を表し、m+n=4であ
    る)、R2は置換基を有してもよい低級アルキル基、アリ
    ール基を表し、nは2または3である〕で示される化合
    物と反応させることを特徴とする一般式(II) (式中、R1とR2は前述の意味を表す)で示される3−置
    換メチル−3−セフェム−4−カルボン酸類またはそれ
    らの塩の製造方法。 ただし、上記のプロトン酸とは、硫酸、ハロゲノ硫酸、
    置換されてもよいアリールまたはアルキルスルホン酸の
    中から選ばれるものであり、上記のルイス酸とは、MXl
    (Mは金属原子またはホウ素、Xはハロゲン原子、lは
    Mの価数に対応する1〜5の整数を表す)で示される金
    属のハロゲン化物中から選ばれるものである。
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