JP2611615B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造方法に
関し、特に多層配線構造の層間絶縁膜の平坦化を図った
半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の配線が微細化、多層化する
につれ、配線層間に設けられる層間絶縁膜の完全平坦化
が求められるようになっている。これを実現する一つの
方法として、化学剤を用いた機械的な研磨法である化学
機械研磨法(以下、CMP法と称する)で層間絶縁膜の
表面を研磨する方法が提案されている。例えば、図3は
その一例であり、図3(a)のように、半導体基板31
の表面の絶縁膜32上に下層配線としてのアルミニウム
配線33を所要パターンに形成した後、層間絶縁膜とし
てプラズマシリコン酸化膜(以下、P−SiO膜と称す
る)34を形成する。そして、このP−SiO膜34に
対してCMP法の研磨を施し、図3(b)のようにP−
SiO膜34の表面を平坦化する。その後、図示は省略
するが、上層のアルミニウム配線を形成し、多層配線構
造を得ている。
【0003】このCMP法を用いた平坦化技術では、P
−SiO膜34を所定の厚さになった時点で研磨を停止
させる必要があるが、その停止タイミングを把握するこ
とが困難であり、研磨量が多すぎると、図3(c)のよ
うに下層のアルミニウム配線33が研磨され、配線膜厚
が低減されてしまうことがある。逆に研磨量が少ない
と、図3(d)のようにP−SiO膜34が厚く残り過
ぎ、その表面凹凸を解消するまでに至らずに平坦化が不
十分なものとなる。従来では、研磨レートから換算した
時間により研磨量を決定しているが、この研磨レート自
体が変動された場合には、適切な研磨を行うことが困難
になる。
【0004】そこで、このような問題を解消するため
に、研磨レートの小さい絶縁膜を利用した平坦化技術が
提案されている。即ち、図4(a)のように、半導体基
板31の表面の絶縁膜42上に下層配線としてのアルミ
ニウム配線43を所要パターンに形成した後、全面に研
磨レートの小さい絶縁膜として、プラズマCVD法によ
りプラズマシリコン窒化膜(以下、P−SiN膜と称す
る)44を約0.3μmの厚さに被着する。更に、その上
にプラズマCVD法によりP−SiO膜45を約1.5μ
mの厚さに被着する。しかる上で、図4(b)のよう
に、CMP法により全面を研磨する。このとき、P−S
iNの研磨レートはP−SiOの約1/5であるので、
研磨が進行されて配線段差部のP−SiN膜44が露呈
される時点に至ると、全体の研磨レートが小さくなる。
このため、研磨時間に多少の誤差が生じ、研磨時間が長
くなってもアルミニウム配線43が露呈されて研磨され
ることが回避できる。
【0005】このようにして表面を平坦化した後、図4
(c)のように、全面にP−SiO膜46を約0.8膜被
着して層間絶縁膜を完成し、更に図4(d)のように、
この層間絶縁膜にスルーホールを開孔した上で上層のア
ルミニウム配線47を形成することにより多層配線構造
が完成される。この平坦化技術では、P−SiN膜をC
MP法でP−SiO膜を研磨する際のストッパとして利
用しているが、このようにストッパとしてP−SiN膜
を利用する方法は、例えば特開昭62−216344号
公報や特開昭63−207153号公報等に既に示され
ている。但し、これらの公報に記載されているものは金
属を研磨する際のストッパとしてP−SiN膜を用いた
例である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来では
P−SiN膜をCMP法のストッパに利用することで層
間絶縁膜の平坦化を行っているが、P−SiN膜をアル
ミニウム配線を含む全面に形成しているために、多層配
線構造が完成された後にはこのP−SiN膜が配線相互
間に残されることになる。このP−SiN膜は比誘電率
が約8と大きいため、完成された配線構造における配線
間容量が大きくなり、半導体装置の動作速度が低くなる
という特性劣化が生じるおそれがある。また、P−Si
Nは膜中応力が大きいため、後工程中の熱処理や、長期
信頼性試験等によりアルミニウム配線に応力が加えら
れ、アルミニウム配線中にボイドが発生したり、断線し
たりするという所謂ストレスマイグレーションが発生し
易いという問題もある。本発明の目的は、配線間容量の
増大を抑えると共に、配線におけるストレスマイグレー
ションを抑制して層間絶縁膜の平坦化を図り、信頼性の
高い多層配線構造を有する半導体装置の製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、半
導体基板上の絶縁膜上に配線金属膜を形成する工程と、
全面に化学機械研磨法の研磨レートが小さい第1の絶縁
膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜と配線金属膜を
同時にパターン形成して下側配線を形成する工程と、全
面に前記第1の絶縁膜よりも研磨レートが大きい第2の
絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜をストッパ
として全面を化学機械研磨して表面を平坦化する工程
と、この表面の平坦性を保持したままの状態で全面に第
3の絶縁膜を形成する工程とを含んでいる。また、本発
明の他の製造方法は、半導体基板上の絶縁膜上に配線金
属間を形成する工程と、全面に化学機械研磨法の研磨レ
ートが小さい第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶
縁膜と配線金属膜を同時にパターン形成して下側配線を
形成する工程と、全面に前記第1の絶縁膜よりも研磨レ
ートが大きい第2の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶
縁膜をストッパとして全面を化学機械研磨して表面を平
坦化する工程と、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜をエッチ
ングレートが等しい条件で全面エッチングして第1の絶
縁膜を除去する工程と、全面に第3の絶縁膜を形成する
工程とを含んでいる。前記各製造方法において、第1の
絶縁膜としてP−SiN膜が用いられる。
【0008】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の第1実施例を工程順に示す断面図で
ある。先ず、図1(a)のように、半導体基板11の表
面の絶縁膜12上に下層配線膜としてアルミニウム・シ
リコン・銅合金(Al/Si/Cu合金)膜13をスパ
ッタ法により0.5μmの厚さに形成する。その上で、全
面にP−SiN膜14を0.3μmの厚さに被着する。次
いで、前記P−SiN膜14上に図外のフォトレジスト
膜を塗布し、このフォトレジスト膜を配線パターンに現
像し、これをマスクにして前記P−SiN膜14と下層
配線膜13を選択イオンエッチング法等により順次選択
エッチングし、図1(b)のように、所要パターンの下
層配線13Aを形成する。
【0009】次に、図1(c)のように、全面に層間絶
縁膜としてP−SiO膜15を1.5μm程度成長し、前
記下層配線15A及びP−SiN膜14を完全に埋設さ
せる。そして、前記P−SiO膜15に対してCMP法
を施し、P−SiO膜15が所要の厚さになるまで研磨
を行う。この研磨により、図1(d)のように、P−S
iO膜15の表面は平坦化される。そして、このCMP
法の研磨では、前述したようにP−SiNの研磨レート
はP−SiOの研磨レートの約1/5であるため、P−
SiO膜15の研磨の進行に伴ってP−SiN膜14が
露呈される状態となると、このP−SiN膜14が研磨
のストッパとして機能し、研磨レートはそれまでの1/
5に減少される。
【0010】したがって、以後の研磨においては、研磨
時間に多少の誤差が生じてもP−SiN膜14及びP−
SiO膜15の厚さに大きな誤差が生じることはないた
め、研磨時間を多少長目に設定しても、P−SiN膜1
4が全て研磨されて下層配線13Aの表面が研磨される
ようなことはない。この例では、予め求めておいた研磨
レートに基づいて所望の研磨時間を算出しておき、この
時間で研磨を管理することで、P−SiN膜14が約
0.2μmの厚さだけ残るようにしている。その後、図1
(e)のように、改めて全面にP−SiO膜16を0.6
μm程度被着して層間絶縁膜を形成する。この層間絶縁
膜は、下地としての前記P−SiO膜15とP−SiN
膜14の表面がCMP法の研磨により平坦化されている
ため、その表面が平坦化状態に形成されることは言うま
でもない。そして、この層間絶縁膜にスルーホールを開
孔し、アルミニウム合金等の上側配線17を形成するこ
とで多層配線構造が完成される。
【0011】したがって、この製造方法により形成され
る多層配線構造は、CMP法の研磨に際してP−SiN
膜14をストッパとして利用しているので、研磨時間の
管理を緩くした場合でも下層配線13Aが研磨されるこ
とはなく、或いは層間絶縁膜15の表面に凹凸が残るこ
ともなく、表面の平坦化が実現できる。また、ストッパ
としてのP−SiN膜14が下側配線13Aの上側に残
されるものの、配線間には残されていないため、P−S
iNの比誘電率がP−SiO等に比較して大きい値であ
っても、配線間容量が大幅に増大されることはなく、半
導体装置の動作速度の低下が生じることはない。また、
P−SiNの膜中応力の影響も少なくなり、ストレスマ
イグレーションを抑制することができる。
【0012】図2は本発明の第2実施例を製造工程順に
示す断面図である。先ず、図2(a)のように、半導体
基板21の表面の絶縁膜22上に下層配線膜としてアル
ミニウム・シリコン・銅合金(Al/Si/Cu合金)
膜23をスパッタ法により0.5μmの厚さに形成する。
その上で、全面にP−SiN膜24を0.3μmの厚さに
被着する。次いで、フォトリソグラフィ技術により前記
P−SiN膜24と下層配線膜23を選択イオンエッチ
ング法等により順次選択エッチングし、図2(b)のよ
うに、所要パターンの下層配線23Aを形成する。
【0013】次に、図2(c)のように、全面に層間絶
縁膜としてP−SiO膜25を1.5μm程度成長し、前
記下層配線23A及びP−SiN膜24を完全に埋設さ
せる。そして、前記P−SiO膜25に対してCMP法
を施し、P−SiO膜25が所要の厚さになるまで研磨
を行ない、P−SiO膜25の表面を平坦化する。この
CMP法の研磨では、前述したようにP−SiNの研磨
レートはP−SiOの研磨レートの約1/5であるた
め、P−SiN膜24を研磨のストッパとして利用し、
予め求めておいた研磨レートに基づいて得られる研磨時
間で研磨を管理することで、P−SiN膜24が約0.2
μmの厚さだけ残るようにする。ここまでの工程は第1
実施例と同じである。
【0014】次いで、例えばCF4 をエッチングガスに
用い、平行平板型RIE(反応性イオンエッチング)装
置により、P−SiN膜24が完全に無くなるまで全面
をエッチングする。このとき、エッチングガス濃度、流
量、装置圧力等の設定条件を適宜に設定することで、P
−SiNとP−SiOのエッチングレートをほぼ等しく
でき、これにより、層間絶縁膜としてのP−SiN膜2
4とP−SiO膜25の表面の平坦化を損なうことなく
均一にエッチングし、結果として図2(d)のように下
層配線23A上のP−SiN膜を除去することができ
る。このとき、アルミニウム合金からなる下層配線23
Aの表面が露呈されてもエッチングされることがないの
は言うまでもない。
【0015】しかる上で、図2(e)のように、全面に
P−SiO膜26を0.8μm程度被着し、層間絶縁膜を
完成する。この層間絶縁膜は下地としてのP−SiO膜
25がCMP法による研磨と、RIE法によるエッチン
グにより表面が平坦化された状態であるため、その表面
も平坦化されることになる。その後、層間絶縁膜にスル
ーホールを開孔し、アルミニウム合金の上層配線27を
形成して多層配線構造が完成される。この製造方法によ
り形成された多層配線構造は、CMP法による研磨に際
してストッパに利用されるP−SiNが全く残されてい
ないため、P−SiNの比誘電率の値が原因とされる配
線容量の増加やストレスマイグレーションが確実に防止
され、信頼性が向上される。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、配線金属
膜とCMP法の研磨に際してのストッパとしての第1の
絶縁膜とを同時にパターン形成して下層配線を形成し、
しかる上で第2の絶縁膜により層間絶縁膜を形成し、か
つこれをCMP法により研磨して平坦化を施し、その表
面の平坦性を保持したままの状態でその上に第3の絶縁
膜を形成しているので、P−SiN等で構成される第1
の絶縁膜が配線間に残存されることがなく、配線容量の
増大を防ぎ、半導体装置の動作速度の低下や配線におけ
るストレスマイグレーションを抑制し、信頼性を向上す
ることができる。また、CMP法により研磨を行った後
に、エッチング法によりストッパとしての第1の絶縁膜
を完全に除去しているので、P−SiN等で構成される
第1の絶縁膜が多層配線構造中に全く存在しなくなり、
半導体装置の動作速度の低下や配線におけるストレスマ
イグレーションを更に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を製造工程順に示す断面図
である。
【図2】本発明の第2実施例を製造工程順に示す断面図
である。
【図3】従来のCMP法を用いた製造方法の一例を工程
順に示す断面図である。
【図4】従来のCMP法を用いた他の製造方法を工程順
に示す断面図である。
【符号の説明】
11,21 半導体基板 12,22 絶縁膜 13A,23A 下層配線 14,24 P−SiN 15,25 P−SiO 16,26 P−SiO 17,27 上層配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−124946(JP,A) 特開 平6−112175(JP,A) 特開 平5−315441(JP,A) 特開 平5−90263(JP,A) 特開 平3−295239(JP,A) 特開 平3−142833(JP,A) 特開 平2−152255(JP,A) 特開 平2−2619(JP,A) 特開 昭62−101034(JP,A) 特開 昭61−140424(JP,A) 特開 昭59−136943(JP,A) 特開 昭59−136934(JP,A) 特公 平7−111962(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上の絶縁膜上に配線金属膜を
    形成する工程と、全面に化学機械研磨法の研磨レートが
    小さい第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁
    膜と配線金属膜を同時にパターン形成して下側配線を形
    成する工程と、全面に前記第1の絶縁膜よりも研磨レー
    トが大きい第2の絶縁膜を前記配線金属膜よりも厚く
    成する工程と、前記第1の絶縁膜をストッパとして前記
    第2の絶縁膜の全面を化学機械研磨して表面を平坦化す
    る工程と、この表面の平坦性を保持したままの状態で
    面に第3の絶縁膜を形成する工程とを含むことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板上の絶縁膜上に配線金属間を
    形成する工程と、全面に化学機械研磨法の研磨レートが
    小さい第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁
    膜と配線金属膜を同時にパターン形成して下側配線を形
    成する工程と、全面に前記第1の絶縁膜よりも研磨レー
    トが大きい第2の絶縁膜を前記配線金属膜よりも厚く
    成する工程と、前記第1の絶縁膜をストッパとして前記
    第2の絶縁膜の全面を化学機械研磨して表面を平坦化す
    る工程と、前記第1の絶縁膜と第2の絶縁膜をエッチン
    グレートが等しい条件で全面エッチングして第1の絶縁
    膜を除去する工程と、全面に第3の絶縁膜を形成する工
    程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の絶縁膜がプラズマシリコン窒化膜
    である請求項1又は2の半導体装置の製造方法。
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