JP2592981B2 - タンパク質アミノ末端配列の酸素的除去 - Google Patents

タンパク質アミノ末端配列の酸素的除去

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JP2592981B2
JP2592981B2 JP2118497A JP11849790A JP2592981B2 JP 2592981 B2 JP2592981 B2 JP 2592981B2 JP 2118497 A JP2118497 A JP 2118497A JP 11849790 A JP11849790 A JP 11849790A JP 2592981 B2 JP2592981 B2 JP 2592981B2
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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Description

【発明の詳細な説明】 遺伝子変更した原核細胞においてタンパクを生合成さ
せると、通常、アミノ末端にメチオニンが結合したタン
パクが発現される。天然のタンパクにメチオニンが付加
すると、その生物学的活性、コンフォーメーション安定
性、抗原性等を変更することがあるので、可能であれば
それを除去することが非常に望ましい。
アミノ末端メチオニンと所望の天然のペプチドの間に
切断部位を挿入することによって、所望の天然のペプチ
ドの製造方法を、理論上、より自由に選択することがで
きる。しかしながら、実際には、選択的切断を行うため
に有用な方法は、非常に限られた数しかなかった。
例えば、メチオニンが存在しない天然のタンパクで
は、臭化シアンに媒介される切断(メチオニンが選択的
切断部位である)が、天然のタンパクを製造するための
非常に有効な方法であることがわかっている。しかしな
がら、実際には、中程度の大きさのペプチドおよびタン
パクにメチオニンが存在しないことはめったにない。ま
た、臭化シアンは強い毒性を有するので、その使用はあ
まり望ましくなく、その取り扱いに大きな注意を払う必
要がある。従って、アミノ末端メチオニンを除去し、天
然の、生合成的に生産されるタンパクを製造し得る別の
方法を見いだすことは、非常に重要な課題である。
N−末端メチオニンの除去に有用であると認識されて
いる1つの方法は、ジペプチジル−アミノペプチダーゼ
1(DAP−1)とも呼ばれるカテプシンCの使用であ
る。カテプシンCは、タンパクまたはポリペプチドのア
ミノ末端から2個のアミノ酸を1単位として除去する酵
素である。適当な条件下で、ジペプチドの除去が始ま
り、(1)N−末端アミノ酸のアミノ基がブロックされ
るか、(2)除去の部位がプロリンのいずれかの側であ
るか、またはN−末端アミノ酸がリシンまたはアルギニ
ンでない場合、そうなるまで継続するであろう。
従って、カテプシンCは、開始メチオニンと所望の生
成物の間にアミノ酸残基を含むように前駆体分子をデザ
インすることによって、この様な前駆体分子から所望の
生合成的に生産されるタンパクを製造する場合、有用と
なり得る。前駆体分子をカテプシンCで処理すると、開
始ジペプチドが除去され、所望の生成物を製造すること
ができる。しかしながら、ジペプチドの除去は前記終止
配列の1つに到達するまで連続して続くと予想されるの
で、この方法は、その適用が厳しく制限されることがあ
る。即ち、カテプシンCのアプローチには有用性に制限
があり、通常、所望の生成物のN−末端部分がそれ自体
カテプシンC終止点である場合にのみ適用し得る。
しかしながら、本発明者らは、前駆体分子のN−末端
ジペプチドの種類が、カテプシンCによるジペプチドの
除去をコントロールし得る度合に関係があることを見い
だした。この知見が、本発明の基礎を構成する。即ち、
本発明者らは、開始ジペプチドがMet−TyrまたはMet−A
rgである時、配列における次のジペプチドがカテプシン
C終止点であるか否かに関係なく、それ以上分解される
ことなく所望の生成物が得られるように、ジペプチドの
除去を注意深くコントロールし得ることを見いだした。
本発明は、この発見に関するものである。
即ち、本発明は、式: Met−Y−[タンパク] [式中、[タンパク]はヒトインシュリンまたは修飾ヒ
トインシュリンへの前駆体として有用なアミノ酸配列を
含有し、該配列のアミノ末端部分はカテプシンCによる
ジペプチド除去終止点を意味せず、YはTyrまたはArgで
ある] で示される化合物に関するものである。
本発明はまた、式: Met−Y−[タンパク] [式中、[タンパク]はヒトインシュリンまたは修飾ヒ
トインシュリンへの前駆体として有用なアミノ酸配列を
含有し、該配列のアミノ末端部分はカテプシンCによる
ジペプチド除去終止点を意味せず、YはTyrまたはArgで
ある] で示される化合物をカテプシンC、塩素イオンおよびス
ルフヒドリル部分を与える化合物の存在下で処理するこ
とからなるヒトインシュリンまたは修飾ヒトインシュリ
ンの前駆体の製造方法に関するものである。
前記の様に、本発明は[タンパク]として定義した部
分を含む化合物に関するものである。この[タンパク]
は、配列がカテプシンCの使用によるジペプチドの除去
のための天然の終止点を意味しないアミノ末端部分を有
する、ヒトインシュリンまたはヒトインシュリン類似体
の前駆体として有用なアミノ酸配列を含有する。通常、
この配列は、N−末端から順に、B、XおよびAで示さ
れる3個のアミノ酸配列単位で構成される。“B"で示さ
れる配列は、ヒトインシュリンのB−鎖または修飾B−
鎖を表わす。“A"で示される配列は、ヒトインシュリン
のA−鎖または修飾A−鎖を表わす。“修飾B−鎖”ま
たは“修飾A−鎖”は、天然または修飾形態のもう一方
の鎖にジスルフィド結合によって連結されるとインシュ
リン様特性を有する分子を与えるアミノ酸配列を意味す
る。
基:XはインシュリンA−鎖または修飾A−鎖のA−鎖
アミノ末端およびインシュリンB−鎖または修飾B−鎖
のB−鎖カルボキシ末端に結合している部分を表わす。
前駆体の連結部分、Xは、広範なポリペプチド構造のい
ずれであってもよい。ポリペプチドは通常、少なくとも
2、好ましくは約2〜約35、最も好ましくは約6〜約35
アミノ酸残基を有する。連結部分、Xは、これがペプチ
ドである場合、式: −Arg−Arg−Glu−Ala−Glu−Asp−Leu−Gln−Val−Gly−Gln −Val−Glu−Leu−Gly−Gly−Gly−Pro−Gly−Ala−Gly−Ser −Leu−Gln−Pro−Leu−Ala−Leu−Glu−Gly−Ser−Leu−Gln −Lys−Arg− を有する連結ペプチドの様な、ヒトプロインシュリンの
天然の連結ペプチドであるのが最も好ましい。
前記の様に、Xは天然の連結配列であるのが好ましい
が、Xは広範な、より短いペプチド配列のいずれかであ
ってもよい。(1)配列がA−およびB−鎖間に適当な
ジスルフィド結合を形成させるのに十分な長さであり、
(2)インシュリンまたは修飾インシュリン前駆体か
ら、インシュリンまたは修飾インシュリンの生成を伴っ
て切断し得ることのみが必要である。Xのための代表的
ジペプチドは−Arg−Arg−とすることができる。また、
Xは前記ジペプチドの伸長形、即ち、式:−Arg−X′
−Arg−を有する配列とすることができる(X′は少な
くとも1個のアミノ酸残基を表わす)。非常に好ましい
連結ペプチドは−Arg−Arg−Lys−Arg−、および構造
式:−Arg−Arg−X2−Lys−Arg−(X2は少なくとも1個
のアミノ酸残基、好ましくは少なくとも2個のアミノ酸
残基である)を有する、より長鎖のペプチドである。も
ちろん、これらの後者には天然の連結ペプチドが包含さ
れる。
天然のヒトインシュリンでは、B−鎖は以下の配列を
有している: 本発明の化合物のうち、非常に好ましいのは天然のヒ
トB−鎖配列である。しかしながら、個別に1またはそ
れ以上の、下記のアミノ酸修飾を有する配列も好まし
い。
(1)Asp、Val、Leu、Ile、Nle、Arg、His、Lys、Ph
e、Ala、Gly、シトルリンおよびオルニチンのいずれか
による28位のProの置換。これらの置換の内、Val、Le
u、Ile、Nle、Arg、His、Lysおよびオルニチンがより好
ましく、これらの内、Lysが最も好ましい。
(2)L−Pro、D−Pro、D−ヒドロキシプロリン、L
−ヒドロキシプロリン、L−(N−メチル)Lys、D−L
ys、L−(N−メチル)ArgおよびD−Argのいずれかに
よる29位のLysの置換。
(3)Aspによる10位のHisの置換。
(4)30位のThrの欠失。
天然のヒトインシュリンでは、A−鎖は以下の配列を
有している: 本発明の化合物の内、非常に好ましいのは天然のヒト
A−鎖配列である。しかしながら、21位のAsnがAlaで置
換されている配列も好ましい。
本明細書では、通常のアミノ酸略号が使用され、以下
の意味を有している:略号 アミノ酸 Ala アラニン Arg アルギニン Asn アスパラギン Cys システイン Gln グルタミン Glu グルタミン酸 Gly グリシン His ヒスチジン Ile イソロイシン Leu ロイシン Nle ノルロイシン Phe フェニルアラニン Pro プロリン Ser セリン Thr スレオニン Tyr チロシン Val バリン ヒトインシュリンまたはヒトインシュリン類似体への
前駆体のMet−TyrまたはMet−Arg伸長形である本発明の
化合物は、カテプシンCで処理することによって、選択
的にこの様な前駆体に変換される。カテプシンCによる
処理を、以下に簡単に説明する。
カテプシンCを活性化するために、塩素イオン(C
l-)の存在が必要である。従って、本発明の化合物の変
換では、媒体にCl-が加えられる。塩素イオンの量は、
触媒的でさえあれば最小量でよい。事実、例えば、塩化
ナトリウムの存在下でタンパクの一次処理を行うと、存
在する残留物の量は全く相応であることがわかってい
る。従って、少なくとも微量の塩素イオンの存在で十分
である。
また、本発明の化合物を変換するための方法は酵素的
なので、Met−Y[タンパク]出発物質に比較して少量
のカテプシンCが使用される。通常、タンパク基質に比
較して、モル基準で約1:1000〜約1:100,000の比でカテ
プシンCを存在させる。この比は約1:10,000より大きく
ないのが好ましく、通常、約1:10,000〜約1:70,000とな
ろう。
反応は通常、約2.5〜約10のpHを得、維持するように
好適に緩衝化された水性媒質中で行われる。媒質のpHは
約2.5〜約7の範囲の、わずかに酸性から中性であるの
が好ましく、約3.0〜約6.0であるのが最も好ましい。
場合によって、尿素、ドデシル硫酸ナトリウム、グア
ニジン等の様な可溶化剤を使用してもよい。
広範な緩衝剤を使用することができ、所望の範囲のpH
を生じる活性が必要であるだけである。この様な緩衝剤
の代表例は、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酢酸カリウム、クエ
ン酸カリウム等である。好ましい緩衝剤は、酢酸ナトリ
ウムおよび酢酸カリウムである。
本発明の化合物の交換には更に、スルフヒドリル部分
を与える試薬の存在が必要である。代表的なこの様な試
薬は、β−メルカプトエタノール、ジチオスレイトー
ル、ジチオエリスリトール、β−メルカプトエチルアミ
ン、システイン等である。この用途に好ましいスルフヒ
ドリル試薬は、β−メルカプトエタノール、ジチオスレ
イトールおよびシステインであり、システインが最も好
ましい。
スルフヒドリル試薬は通常、最終反応媒体中に約0.1m
M〜約200mMのモル濃度で存在させ、約1mM〜約20mMが好
ましい。
反応は通常、約15℃〜約45℃の温度で約1時間〜約24
時間行われる。反応の温度は約20℃〜約45℃が好まし
く、約22℃〜約42℃が最も好ましく、反応は約6時間〜
約20時間進行する。
カテプシンC処理によって本発明の化合物から製造さ
れる生成物は、ヒトインシュリンまたはヒトインシュリ
ン類似体の前駆体を表わす“[タンパク]”で定義され
る構造を有するであろう。
Met−Y−[タンパク]をカテプシンC処理すること
によって[タンパク]が製造されたら、分子の適当なジ
スルフィド結合形成(ひだ形成)を誘導する条件に付
す。得られた、ひだ形成されたヒトインシュリンまたは
ヒトインシュリン類似体への前駆体は通常、(1)ヒト
インシュリンA−鎖(または類似体)およびヒトインシ
ュリンB−鎖(または類似体)を含有し、(2)A−お
よびB−鎖中、(a)A−6およびA−11、(b)A−
7およびB−7、および(c)A−20およびB−19にそ
れぞれ位置するCys部分の各イオウの結合で示される3
個のジスルフィド結合を有し、(3)インシュリンA−
鎖(または類似体)のアミノ基およびインシュリンB−
鎖(または類似体)のカルボキシル基に結合している除
去可能な連結部分を有する分子によって表わされる。
[タンパク]をひだ形成させるための通常の条件は、
20mMグリシン、pH9中濃[タンパク]溶液を水で1gm/Lの
最終[タンパク]濃度に希釈することである。1.25mMの
終濃度までシステイン−HClを加えた後、pHをNaOHで10.
5−10.7に調節し、溶液を5℃で約16時間までインキュ
ベートする。
次いで、ひだ形成した分子を酵素処理に付し、連結部
分を除去し、所望のヒトインシュリンまたはヒトインシ
ュリン類似体を生成させることができる。この様な切断
を行うための非常に好ましい条件は、トリプシンおよび
カルボキシペプチダーゼBの組合わせの使用であり、当
業者に周知である。この方法は、何年も前に初めて知ら
れた[例えば、ケムラー、クラーク、ボルグおよびシュ
タイナー(Kemmler,W.,Clark,J.L.,Borg,J.and Steine
r,D.F.,Fed.Proc.30(1971)1210);ケムラー、ピータ
ーソンおよびシュタイナー(Kemmler,W.,Peterson,J.
D.,and Sateiner,D.F.,J.Biol.Chem.,246(1971)6786
−6791)参照]。
本発明の化合物は、組換えDNA法によって製造され
る。これらの製造では、所望の化合物をコードしている
ヌクレオチド配列は、この様な合成のために現在では通
常となっている方法を使用して製造される。これらの方
法は通常、所望のコード配列のフラグメントおよびその
相補的配列の両者をコードしているオリゴヌクレオチド
の製造を含む。オリゴヌクレオチドは、コード配列の1
個のフラグメントに、相補的配列およびその逆の2個の
フラグメントを与えるようにデザインされる。オリゴヌ
クレオチドは対合されて結合され、最終的に所望の遺伝
子配列を生成する。
配列は、それが発現されるべくコードしている生成物
を与える位置でクローニングベクターに挿入される。好
適なクローニングベクターは、発現コントロール配列の
少なくとも1部分を含んでいる。
以下に実施例を挙げ、本発明を説明する。これらは本
発明を限定するものと理解されるべきではない。
実施例1 ひだ形成していないMet−Tyr−プロインシュ
リンの開裂 凍結乾燥したMet−Tyr−プロインシュリン(システイ
ニル形、36%純度)を0.25N酢酸、7M尿素に溶解し、4.6
8mg/ml(A276、E=1)の最終総タンパク濃度にした。
この溶液を0.25N酢酸で2倍希釈した。終容量0.8mlとす
るために、この希釈液334μに、0.25N酢酸、7M尿素29
0μ、0.25N酢酸136μおよび1M NaH2PO440μを加
えた。この溶液のpHを5N NaOHによって6.0に調節した。
1M NaCl400μ、100mMシステインHCl(水中、pH6)250
μ、および50mMクエン酸塩、10mM NaCl、pH5中、1.93
単位/mlのDAP−1溶液400μを混合することによっ
て、DAP−1/システイン/NaCl溶液を調製した。DAP−1
システイン/NaCl溶液(53μ)を、Met−Tyr−プロイ
ンシュリン希釈液と混合し、室温(22℃)で30分間イン
キュベートした(最終DAP−1/Met−Tyr−プロインシュ
リン=120U/g)。6倍容量のスルフィトリシス試薬(7M
尿素、0.5MトリスpH8.5、0.2M Na2SO3、0.01M K2S4O6
で反応を停止させ、逆相HPLCによって分析した。これら
の条件下で、Met−Tyr−プロインシュリン混合ジスルフ
ィドのプロインシュリンS−スルホネートへの定量的変
換が行われた。
実施例2 ひだ形成していないMet−Tyr−プロインシュ
リン類似体(B28Lys、B29Pro)の開裂 E.コリの細胞質において、Met−Tyr−プロインシュリ
ン類似体(B28Lys、B29Pro)を不溶性タンパクとして産
生させた。細胞破壊および分画遠心分離によって、不溶
性タンパクを分離した。7M尿素、5mMシステイン中、pH
を一次的に11.5に上昇させ(10分間)、次いで、pH8.9
でインキュベートすることによって、溶解させた。NaCl
直線グラジエントを使って、50mM酢酸、7M尿素、pH4
中、陽イオン交換クロマトグラフィーによって、タンパ
クを精製した。この生成物(1.5〜1.7mg/ml、プロイン
シュリン類似体、30−50%OD純度)を、6N NaOHを使用
してpH5.7に調節した。溶液の1部分(1.5ml)を、pH5.
7緩衝液(50mM酢酸、50mM NaH2PO4)1.35ml、200mMシス
テイン(pH5.7緩衝液中)0.075ml、および1ml当たり7.7
6単位のDAP−1(pH5.7緩衝液中)0.075mlに加えた。混
合物を室温(22℃)で0.7〜20時間インキュベートし
た。9倍容量のスルフィトリシス試薬(7M尿素、0.5Mト
リスpH8.5、0.2M Na2SO3、0.01M K2S4O6)で反応を停止
させ、逆相HPLCによって分析した。これらの条件下で、
Met−Tyr−プロインシュリン類似体混合ジスルフィドは
プロインシュリン類似体S−スルホネートに80−86%変
換され、それ以上の酵素的切断による生成物の分解は検
出されなかった。
実施例3 ひだ形成していないMet−Arg−プロインシュ
リン類似体(B28Lys、B29Pro)の開裂 E.コリの細胞質において、Met−Arg−プロインシュリ
ン類似体(B28Lys、B29Pro)を不溶性タンパクとして産
生させた。細胞破壊および分画遠心分離によって、不溶
性タンパクを分離した。7M尿素、5mMシステイン中、pH
を一次的に11.5に上昇させ(10分間)、次いで、pH8.9
でインキュベートすることによって、溶解させた。NaCl
直線グラジエントを使って、50mM酢酸、7M尿素、pH4
中、陽イオン交換クロマトグラフィーによって、タンパ
クを精製した。この生成物(1.5〜1.7mg/ml、プロイン
シュリン類似体、30−50%OD純度)を、6N NaOHを使用
してpH5.7に調節した。溶液の1部分(1.5ml)を、pH5.
7緩衝液(50mM酢酸、50mM NaH2PO4)1.35ml、200mMシス
テイン(pH5.7緩衝液中)0.075ml、および1ml当たり7.7
6単位のDAP−1(pH5.7緩衝液中)0.075mlに加えた。混
合物を室温(22℃)で0.7〜20時間インキュベートし
た。9倍容量のスルフィトリシス試薬(7M尿素、0.5Mト
リスpH8.5、0.2M Na2SO3、0.01M K2S4O6)で反応を停止
させ、逆相HPLCによって分析した。これらの条件下で、
Met−Arg−プロインシュリン類似体混合ジスルフィドは
プロインシュリン類似体S−スルホネートに80−86%変
換され、それ以上の酵素的切断による生成物の分解は検
出されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウォーレン・シー・マッケラー アメリカ合衆国インディアナ46217、イ ンディアナポリス、ブレホブ・ロード 3541番 (72)発明者 ジェイムズ・パトリック・マクドノー アメリカ合衆国インディアナ46227、イ ンディアナポリス、グリフィン・ロード 421番

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: Met−Y−[タンパク] [式中、[タンパク]は、BがヒトインシュリンのB−
    鎖または修飾B−鎖を表し、AはヒトインシュリンのA
    −鎖または修飾A−鎖を表し、XはインシュリンA−鎖
    または修飾A−鎖のA−鎖アミノ末端およびインシュリ
    ンB−鎖または修飾B−鎖のB−鎖カルボキシ末端に結
    合している部分を表す、B、AおよびXで示される3個
    のアミノ酸配列単位を含有し、該配列のアミノ末端部分
    はカテプシンCによるジペプチド除去終止点を意味せ
    ず、YはTyrまたはArgである]で示される化合物。
  2. 【請求項2】Yはチロシンであり、Bは28位のプロリン
    が、リシンにより置換され、29位のリシンが、プロリン
    により置換されたヒトインシュリンのB鎖であり、Aは
    ヒトインシュリンのA−鎖であり、及びXがヒトプロイ
    ンシュリンの天然の連結ペプチドである請求項1に記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物を、カテプシン
    C、塩素イオンおよびスルフヒドリル部分を与える化合
    物を用いて処理することからなるヒトインシュリンまた
    は修飾ヒトインシュリンの前駆体の製造方法。
  4. 【請求項4】式: Met−Y−[タンパク] で示される化合物が、請求項2に記載の化合物である請
    求項3に記載の製造方法。
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