JP3187201B2 - C末端にプロリンアミドを有するペプチドの製法 - Google Patents

C末端にプロリンアミドを有するペプチドの製法

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JP3187201B2 JP10898893A JP10898893A JP3187201B2 JP 3187201 B2 JP3187201 B2 JP 3187201B2 JP 10898893 A JP10898893 A JP 10898893A JP 10898893 A JP10898893 A JP 10898893A JP 3187201 B2 JP3187201 B2 JP 3187201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はC末端にプロリンアミド
を有するペプチドの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】真核細胞由来のある種のペプチドホルモ
ンや各種成長因子などの蛋白質(以下、単に「ペプチ
ド」という。)は、そのペプチド鎖のC末端アミノ酸残
基α‐カルボキシル基がアミド化されており、酸アミド
(−CONH2 )が形成されている。そして、この酸ア
ミド基はこれらのペプチドの生理活性作用発現に必須で
あることが知られている(Experimentaria 32: 246,
(1976) )。
【0003】これらのペプチドは、各種の疾病の治療薬
としての有用性が期待されているが、元来これらの物質
は生体内では微量成分として存在しているため、相当量
を生体より直接調製することは極めて困難であり、特に
ヒト型の取得は不可能であった。近年の遺伝子工学の発
展は、これらのペプチドを組換え型として大量に生産さ
せることを可能にした。
【0004】しかしながら、先に述べたようなC末端酸
アミドをもつペプチドを組換え型として得る場合、大腸
菌のような原核細胞にはC末端アミド化反応機構は存在
しないので、産生されたペプチド鎖のC末端カルボキシ
ル基はアミド化されていない。従って、目的とする生理
活性ペプチドを得るために、生産させたペプチド鎖を前
駆体として、C末端α‐カルボキシル基のアミド化反応
を行なわなければならない。
【0005】C末端プロリンアミドを有するペプチドの
C末端アミド化反応として、本発明者らはイースト由来
酵素カルボキシペプチダーゼYを使用した新しいC末端
アミド化方法を開発した(特開 昭62−29997
号、Tamaoki、H.等: Ann Rep.Sa
nkyo Res.Lab.:38 73(198
6))。この方法は、使用する酵素を酵素源イーストよ
り容易にかつ大量に供給できるという利点がある。カル
ボキシペプチダーゼYを使用したC末端アミド化方法
は、アミド化をしようとするプロリンのα‐カルボキシ
ル基側にロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルア
ラニン及びアラニンから選ばれたアミノ酸残基の一種が
結合したペプチド(前駆体ペプチド)に、求核試薬であ
るアンモニアの高濃度での存在下で酵素を作用させてC
末端プロリンアミドを有するペプチドを生成させるもの
である。
【0006】カルボキシペプチダーゼYは、 ペプチド鎖上、C末端側から順次アミノ酸残基を遊離
させるペプチダーゼ活性、 C末端のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基またはペプ
チドと置き換えるペプチド交換活性、 の二つの活性を併せ持つ酵素である。
【0007】のペプチダ−ゼ活性は、至適pHが中性
付近であり、また、その特異性は極めて低いことが知ら
れている。
【0008】のペプチド交換活性は、1 mM 程度
の上記前駆体ペプチドを基質とし、1M以上のアミノ酸
又はペプチドなどの求核試薬の存在下、アルカリ側pH
において至適領域を示す。
【0009】したがって、上記のC末端アミド化方法
は、このうちの活性のみを利用していることに特徴づ
けられている。
【0010】一方、遺伝子工学の技術によるペプチドの
生産においてペプチドの分子量が比較的小さい場合は、
化学構造が安定な状態で発現させるために、他の蛋白質
と連結させた分子量の大きい融合蛋白質として発現さ
せ、その融合蛋白質を切断することにより切り出す方法
が一般的である。目的ペプチドを融合蛋白質から切り出
す手段には一般的にある種のプロテアーゼを用いたペプ
チド切断法が利用されるが、そのために目的ペプチドと
他の蛋白質との間に切断方法に対応した単一または複数
のアミノ酸残基がリンカー部分として挿入されている。
そして、融合蛋白質において、目的ペプチドのあとに他
の蛋白質が結合している場合は、切り出し反応後に、目
的ペプチドは、単一又は複数のアミノ酸残基がC末端側
に付加されたものとして得られてくる。
【0011】したがって、前述の前駆体ペプチドを遺伝
子工学の手法で得る場合においても、切り出し反応後
は、前駆体ペプチドのC末端側に単一又は複数のアミノ
酸残基残基が付加したものが得られていた。
【0012】そして、従来は、これらのアミノ酸残基に
特異的なエキソ・ペプチダ−ゼを作用させ、前述の前駆
体ペプチドを得る以外に方法はなかった。
【0013】例えば、前駆体ペプチド(C末端側アミノ
酸残基がロイシンであるものを例にする。)の融合蛋白
質からの切り出し反応にクロストリパインを使用した場
合、切り出し反応後得られるペプチドのC末端部分のア
ミノ酸配列はプロリルロイシルアルギニンである。この
場合、アミド化反応を行うために前駆体ペプチドを得る
べく、カルボキシペプチダーゼBを用いてC末端アルギ
ニンを取り除く工程を経由しなければならない。
【0014】また、切り出し反応にstaphyloc
occus aureas V8プロテアーゼを使用す
る場合は、得られるペプチドのC末端部分のアミノ酸配
列はプロリルロイシルグルタミン酸であり、アミド化反
応前駆体ペプチドを得るべくグルタミン酸のみを取り除
く方法はない。以上のように、従来は、C末端アミド化
反応を行なう前に、付加アミノ酸残基を除去する工程を
経る必要があった。
【0015】なお、前述したように、カルボキシペプチ
ダーゼYもペプチダ−ゼ活性を有することは知られてい
たが、(イ) 中性付近のpHにおいて、該酵素のペプチダ
−ゼ活性は特異性が低いため、前述の前駆体ペプチドに
おいては、プロリンとロイシン等の間のペプチド結合
や、プロリンとさらにそのN末端側のアミノ酸残基との
ペプチド結合も切断するおそれが考えられ、(ロ) C末端
アミド化反応を行なうpH領域においては、ペプチダー
ゼ活性自体は低い等の理由から、カルボキシペプチダー
ゼY自体をC末端側付加アミノ酸残基を除去する工程に
使用することは不適当と考えられていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、(a) カ
ルボキシペプチダーゼYは、C末端側アミド化反応を行
なう至適pH領域においても、相当のペプチダ−ゼ活性
を有すること、(b) しかるに、該ペプチダ−ゼ活性は、
同一の条件下にてプロリンのC末端側又はN末端側のペ
プチド結合については、僅かにしか切断しないこと、を
見出し、したがって、(c) アミド化しようとするプロリ
ンのαーカルボキシル基側にさらに単一又は複数のアミ
ノ酸残基が結合している場合においても、カルボキシペ
プチダーゼYのみを用いても、最終的にC末端プロリン
アミドを有するペプチドが得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0017】本発明によれば、前述したような、切り出
し反応後に得られる前駆体ペプチドに余分に結合してい
るアミノ酸残基を取り除く操作を経ることなく製造工程
が簡略化でき、より簡便に遺伝子操作法にてC末端プロ
リンアミドを有するペプチドを生産することができる。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)C末端
プロリンにロイシン、イソロイシン、バリン、フエニル
アラニン及びアラニンから選ばれた一種のアミノ酸残基
が結合し、そのあとにさらに1個又は2個以上のアミノ
酸残基が結合しているペプチドを基質とし、アンモニア
存在下にてカルボキシペプチダーゼYを作用させること
による、C末端にプロリンアミドを有するペプチドの製
法(但し、上記結合している1個又は2個以上のアミノ
酸残基においてプロリンを除く。)、(2)(1)記載
のペプチドの製法において、カルボキシペプチダーゼY
が最終濃度1〜5 μM 存在下、かつ、C末端プロリン
にロイシン、イソロイシン、バリン、フエニルアラニン
及びアラニンから選ばれた一種のアミノ酸残基が結合
し、そのあとにさらに1個又は2個以上のアミノ酸残基
が結合しているペプチドが最終濃度0.1〜0.3 mM
存在下において実施することを特徴とする、ペプチド
の製法、(3)(1)又は(2)記載のペプチドの製法
において、pHが8.0 以上で実施することを特徴とす
る、ペプチドの製法、(4)(1)、(2)又は(3)
記載のペプチドの製法において、温度が25〜55℃で
実施することを特徴とする、ペプチドの製法に関する。
【0019】アミド化反応を行う至適pHは、例えば、
温度45℃では8.4〜 8.5であり、温度37℃で
は、8.9〜9.2である。pH8.0以下ではカルボ
キシペプチダーゼYのペプチダーゼ活性がアミド化活性
より優先し殆どアミド化生成物を得ることができない。
アミド化反応温度は、25〜55℃でも行い得るが、4
5〜50℃の時最も反応収率が高い。25℃以下または
55℃以上では、反応収率は低くなる。以上の条件のも
とに反応させた時の反応時間は、45〜50℃の温度で
反応させた場合は、0.5〜1時間が好ましく、これ以
上の反応時間の延長は生成物の分解が生じ、収率の低下
を招く。
【0020】アミド化反応を効率良く行うためには、よ
り高濃度のアンモニア溶液を使用することが好ましく、
その調製時に目的pHも調整する。高濃度アンモニア溶
液の好ましい調製法としては、基本的にはTamaoki の方
法(特開昭62−29997号)により行い得るが、他
に、以下のような方法を例示できる。
【0021】(1)あらかじめ濃アンモニア水(29% )
を10M程度に蒸留水で希釈した溶液に濃塩酸を少量づ
つ加え、以後25℃に保ちながらpH8.9に調整す
る。この調製液は45℃でpH 8.5を示し、6.5
M程度のアンモニア濃度になっている。
【0022】(2)あらかじめ60℃程度に加温した6
35mlの蒸留水に326gの塩化アンモニウムを加え
撹拌する。完全に塩化アンモニウムが溶解した後に温度
を45℃に下げ、撹拌を続けるとともに45℃に保ちな
がら130mlの29%アンモニア水を少量づつ加え
る。この状態でpH8.4〜8.5を示し、アンモニア
濃度は8.3Mになっている。この調製液は、温度が下
がると塩化アンモニウムが析出してくるので、保存する
場合は45℃に保つ必要がある。
【0023】(3)578mlの29%アンモニア水に
40mlの蒸留水を加え混和、45℃に加温し、45
℃を保ちながら撹拌中571mlの濃塩酸を少量づつ加
える。この状態でpH8.4〜8.5を示し、アンモニ
ア濃度は8.2Mになっている。この調製液は、温度が
下がると塩化アンモニウム塩が析出してくるので、保存
する場合は45℃に保つ必要がある。以上の方法によっ
て得られるいずれのアンモニア溶液もアミド化反応に使
用することができるが、反応は基質溶液、酵素溶液及び
アンモニア溶液を混合して行うので、反応溶液の最終ア
ンモニア濃度は使用前のそれより低下する。また、基質
溶液や酵素溶液を使用するアンモニア溶液で調製するこ
ともでき、この場合はより高いアンモニア濃度を保つこ
とができる。通常、反応は基質溶液、カルボキシペプチ
ダーゼY溶液及びアンモニア溶液を1:1:8の割合で
混合し行うが、基質溶液量や酵素溶液量を少なくしてア
ンモニア溶液量の割合を多くすることもできる。ただ
し、基質が析出しない液量比でなければならない。
【0024】アミド化反応の生成物の同定及び精製は、
イオン交換カラムクロマトグラフイーや高速液体クロマ
トグラフイーなど周知の精製法を用いて行うことができ
る。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び参考例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
尚、実施例中、CBZ:カルボベンゾキシ、Ala:ア
ラニン、Pro:プロリン、Leu:ロイシン、Ly
s:リジン、Arg:アルギニン、を示す。
【0026】実施例1 合成ペプチド基質CBZ−Ala−Pro−Leu−L
ys−OHを1.6mMになるように40%ジオキサン
水溶液に溶解した。本ペプチド基質は水難溶のために4
0%ジオキサン水溶液を使用したが、以下のアミド化反
応に於て影響はなかった。氷冷した10Mのアンモニア
水に濃塩酸を少量ずつ加え、以後25℃に保ちながらp
H8.9に調整し、6.4Mのアンモニア溶液を得た。
カルボキシペプチダーゼY(ペプチド研究所製)を1.
7mg/ml(25μM)になるように、上記アンモニ
ア溶液に溶解した。75μlの基質溶液、75μlのカ
ルボキシペプチダーゼY溶液及び600μlのアンモニ
ア溶液を混和し、50℃で30分反応した。反応溶液中
の基質の最終濃度は0.16mMであり、カルボキシペ
プチダーゼYのそれは2.5μMであり、アンモニアの
それは5.12Mである。その後、反応は150μlの
濃ぎ酸(99%)及び0.38gの尿素を加えることに
より停止させた。反応停止後の最終容量は1155μl
になる。この溶液の500μl及び基質溶液の33μl
を逆相系高速液体クロマトカラム(TSKgel OD
S−120T 7.8mm × 30 cm)に付し、
10mM重炭酸アンモニウム溶液をベースにアセトニト
リル濃度を15%から45%まで40分の直線濃度勾配
で上げ、2.5ml/分の流速で溶出した。紫外部22
5nmで検出することにより、基質は23.2分に溶出
され、11.3分にCBZ−Ala−Pro−OH、1
6.3分にCBZ−Ala−Pro−Leu−OH、2
2.2分にCBZ−Ala−Pro−NH2 を認めた。
以上から、初期基質量に対する各々の生成収率をクロマ
トグラム上の標準品に対する面積値から算出した結果、
アミド化生成物CBZ−Ala−Pro−NH2 は4
3.5%、反応副産物であるCBZ−Ala−Pro−
OHは28.0%、CBZ−Ala−Pro−Leu−
OHは17.6%であった。
【0027】実施例2 合成ペプチド基質CBZ−Ala−Pro−Leu−A
rg−OHを1.6mMになるように40%ジオキサン
水溶液に溶解した。氷冷した10Mのアンモニア水に濃
塩酸を少量ずつ加え、以後25℃に保ちながらpH8.
9に調整し、6.4Mのアンモニア溶液を得た。カルボ
キシペプチダーゼY(ペプチド研究所製)を1.7mg
/ml(25μM)になるように、上記アンモニア溶液
に溶解した。75μlの基質溶液、75μlのカルボキ
シペプチダーゼY溶液及び600μlのアンモニア溶液
を混和し、50℃で30分反応した。反応溶液中の基質
の最終濃度は0.16mMであり、カルボキシペプチダ
ーゼYのそれは2.5μM、アンモニアのそれは5.1
2Mである。その後、反応は150μlの濃ぎ酸及び
0.38gの尿素を加えることにより停止させた。反応
停止後の最終容量は1155μlになる。この溶液の5
00μl及び基質溶液の33μlを逆相系高速液体クロ
マトカラム(TSKgel ODS−120T:7.8
mm × 30cm)に付し、10mM重炭酸アンモニ
ウム溶液をベースにアセトニトリル濃度を15%から4
5%まで40分の直線濃度勾配で上げ、2.5ml/分
の流速で溶出した。紫外部225nmで検出することに
より基質は24.3分に溶出された。アミド化生成物C
BZ−Ala−Pro−NH2 は初期基質量に対し3
9.3%の反応収率で得られた。
【0028】実施例3 合成ペプチド基質CBZ−Ala−Pro−Leu−
(Ala)3 −OHを1.1mMになるように40%ジ
オキサン水溶液に溶解した。氷冷した10Mアンモニア
水に濃塩酸を少量ずつ加え、以後25℃にたもちながら
pH8.9に調整し、6.4Mのアンモニア溶液を得
た。カルボキシペプチダーゼY(ペプチド研究所製)を
1.7mg/ml(25μM)になるように上記アンモ
ニア溶液に溶解した。75μlの基質溶液、75μlの
カルボキシペプチダーゼY溶液及び600μlのアンモ
ニア溶液を混和し、50℃で30分反応した。反応溶液
中の基質の最終濃度は0.11mMであり、カルボキシ
ペプチダーゼYのそれは2.5μMであり、アンモニア
のそれは5.12Mである。その後、反応は150μl
の濃ぎ酸(99%)及び0.38gの尿素を加えること
により停止させた。反応停止後の最終容量は1155μ
lになる。この溶液の500μl及び基質溶液の33μ
lを逆相系高速液体クロマトカラム(TSKgel O
DS−120T7.8mm × 30cm)に付し、1
0mM重炭酸アンモニウム溶液をベースにアセトニトリ
ル濃度を15%から45%まで40分の直線濃度勾配で
上げ、2.5ml/分の流速で溶出した。紫外部225
nmで検出することにより、基質は18.3分に溶出さ
れた。アミド化生成物CBZ−Ala−Pro−NH2
は初期基質量に対し36.4%の反応収率で得られた。
【0029】実施例4 合成ペプチド基質CBZ−Ala−Pro−Leu−
(Ala)5 ーOHを1.0mMになるように40%ジ
オキサン水溶液に溶解した。氷冷した10Mのアンモニ
ア水に濃塩酸を少量ずつ加え、以後25℃に保ちながら
pH8.9に調整し、6.4Mのアンモニア溶液を得
た。カルボキシペプチダーゼY(ペプチド研究所製)を
1.7mg/ml(25μM)になるように上記アンモ
ニア溶液に溶解した。75μlの基質溶液、75μlの
カルボキシペプチダーゼY溶液及び600μlのアンモ
ニア溶液を混和し、50℃で30分反応した。反応溶液
中の基質の最終濃度は0.10mMであり、カルボキシ
ペプチダーゼYのそれは2.5μMであり、アンモニア
のそれは5.12Mである。その後、反応は 150μ
lの濃ぎ酸(99%)及び0.38gの尿素を加えるこ
とにより停止させた。反応停止後の最終液量は1155
μlになる。この溶液の550μl及び基質溶液の33
μlを逆相系高速液体クロマトカラム(TSKgel
ODSー120T7.8mm × 30cm)に付し、
10mM重炭酸アンモニウム溶液をベースにアセトニト
リル濃度を15%から45%まで40分の直線濃度勾配
で上げ、2.5ml/分の流速で溶出した。紫外部22
5nmで検出することにより、基質は20.1分に溶出
された。アミド化生成物CBZ−Ala−Pro−NH
2は初期基質量に対し30.3%の反応収率で得られ
た。
【0030】実施例5 ヒトカルシトニンはC末端にPro−NH2 を有する3
2個のアミノ酸から構成されるペプチドホルモンであ
る。人工的にこれを生産する場合も本発明の方法に従っ
てC末端をアミド化することができる。
【0031】ペプチド合成機(アプライド・バイオシス
テムズ・ジャパン社製 430 型)を用い、ヒトカルシト
ニンーLeu−Argを化学合成法にて製造した。
【0032】合成操作における支持担体としては、HMP
(4-hydroxymethylphenoxymethyl:4−ヒドロキシメチ
ルフェノキシメチル)レジン(アプライド・バイオシス
テムズ・ジャパン社製)を用い、合成手法として、Fmoc
HOBT/NMP 法を採用した。各工程のアミノ酸縮合収率の
平均値は 98.5% であった。
【0033】合成終了後、同合成機上でピペリジン法に
よりアミノ末端の Fmoc 保護基をはずした後、TFA:
エタンジチオール:アニソール:エチルメチルスルフィ
ド=93:1:3:3の溶液中で室温、3時間処理する
ことにより、脱保護及び支持担体からの切断を行った。
【0034】このものに7倍量のジエチルエーテル(氷
冷)を加えペプチドを沈殿せしめ、6 μm のメンブレン
・フィルター(東洋濾紙(株)製: RF060)でろ過して
回収した。
【0035】残渣を 2ml TFAで溶解させて回収し、
100 倍量の蒸留水を加えた後に凍結乾燥した。この凍結
乾燥粉末を 0.1% TFAに溶解させ、その1/200 量をH
PLCカラムに供与し、以下の条件によりクロマトを行
った。
【0036】カラム:YMC AM−301 (直径:
4.6 mm × 100 mm ) 溶媒:0.1% TFA中において、アセトニトリル20%
(0分)より50% (10分)の直線濃度勾配 流速: 2ml/ 分 保持時間:6.4 分にて溶出 ヒトカルシトニンーLeu−Argは最終的に 1 mg 得
られた。
【0037】上記の手法により得られたヒトカルシトニ
ンーLeu−Argを、先ずR.David.Cole
の方法(Methods in Enzymoloーg
yvol. II 、Ed.by Hirs,C.H.
W.、pp206(1967)、Academic P
ress,New York and London)
に従って可逆的Sースルホン酸化を行った。このジスル
フイド結合のSースルホン酸化は、反応液中での試料の
不溶化を防ぐためのものである。326gの塩化アンモ
ニウムを 635 ml の蒸留水に加温溶解後、温度を45℃
に保ちながら130mlの29%アンモニア水を少量ず
つ添加しアンモニア溶液を調製した。この状態で、pH
8.4〜8.5を示しアンモニア濃度は8.3Mになっ
ている。この調製液は温度が下がると塩化アンモニウム
が析出するので45℃の状態で保存した。S−スルホン
酸化ヒトカルシトニン−Leu−Argを3mMになる
ように50%ジメチルスルホキシドに溶解した。カルボ
キシペプチダーゼY(ペプチド研究所製)を12.2m
g/ml(0.2mM)を蒸留水に溶解した。20ml
の基質溶液と200mlの上記アンモニア溶液を混合
後、直ちに0.6mlのカルボキシペプチダーゼY溶液
を添加し、45℃で30分反応した。反応溶液中の基質
の最終濃度は0.27mMであり、カルボキシペプチダ
ーゼYのそれは5μMであり、アンモニアのそれは7.
5Mであった。その後、反応は44ml(99%)の濃
ぎ酸及び110gの尿素を加えることにより停止させ
た。反応停止後の最終液量は330mlになる。
【0038】先ず反応を確認するために、反応終了液の
20μlを分析用逆相系高速液体クロマトカラム(YM
C:AM312 6mm × 15cm)に付し、10
mM重炭酸アンモニウム溶液をベースにアセトニトリル
濃度を24%から29%まで16分の直線濃度勾配で上
げ、1ml/分の流速で溶出した。紫外部225nmで
検出することにより、アミド化生成物S−スルホン酸化
ヒトカルシトニンが14.3分に、残存する基質が1
1.6分に溶出されることを認め、その他少量の反応副
産物の存在も認めた。各々の生成量を標準品に対する面
積値から算出した結果、アミド化生成物S−スルホン化
ヒトカルシトニンの初期基質に対する反応収率は45.
5%であった。
【0039】次に反応生成物を採取するために、上記反
応終了液の250mlを分取用逆相系高速液体クロマト
カラム(YMCgel ODS−230−20−SM
20mm × 300cm)に付し、10mM重炭酸ア
ンモニウム溶液をベースにアセトニトリル濃度を23%
から28%まで30分の直線濃度勾配で上げ、16ml
/分の流速で溶出した。紫外部225nmで検出するこ
とにより22.5分に溶出されるアミド化生成物S−ス
ルホン酸化ヒトカルシトニンの画分を集めた。さらに、
分画液に還元型グルタチオンを最終濃度2mM及びエチ
レンジアミン四酢酸を最終濃度1mMになるように添加
し、29%アンモニア水でpH8.5に調整後、室温、
2時間の条件で脱S−スルホン酸化反応を行うことによ
り55mgのヒトカルシトニンを得た。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明により、アミド化
しようとするプロリンのα−カルボキシ側にさらに単一
又は複数のアミノ酸残基が結合している場合において
も、カルボキシペプチダ−ゼYのみを用いて、最終的に
C末端プロリンアミドを有するペプチドを効率よく得る
ことが可能である。本発明の方法は、遺伝子操作の分野
において広く応用し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 裕一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 川口 淳子 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−29997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 - 21/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C末端プロリンにロイシン、イソロイシ
    ン、バリン、フエニルアラニン及びアラニンから選ばれ
    た一種のアミノ酸残基が結合し、そのあとにさらに1個
    又は2個以上のアミノ酸残基が結合しているペプチドを
    基質とし、アンモニア存在下にてカルボキシペプチダー
    ゼYを作用させることによる、C末端にプロリンアミド
    を有するペプチドの製法(但し、上記結合している1個
    又は2個以上のアミノ酸残基中において、プロリンを除
    く)。
  2. 【請求項2】請求項1記載のペプチドの製法において、
    カルボキシペプチダーゼYが最終濃度1〜5 μM 存在
    下、かつ、C末端プロリンにロイシン、イソロイシン、
    バリン、フエニルアラニン及びアラニンから選ばれた一
    種のアミノ酸残基が結合し、そのあとにさらに1個又は
    2個以上のアミノ酸残基が結合しているペプチドが最終
    濃度0.1〜0.3 mM 存在下において実施すること
    を特徴とする、ペプチドの製法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のペプチドの製法にお
    いて、pHが8.0 以上で実施することを特徴とする、ペ
    プチドの製法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載のペプチドの製法
    において、温度が25〜55℃で実施することを特徴と
    する、ペプチドの製法。
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