JP2592686Y2 - 電気溶接機器用コイル - Google Patents

電気溶接機器用コイル

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JP2592686Y2
JP2592686Y2 JP1993063106U JP6310693U JP2592686Y2 JP 2592686 Y2 JP2592686 Y2 JP 2592686Y2 JP 1993063106 U JP1993063106 U JP 1993063106U JP 6310693 U JP6310693 U JP 6310693U JP 2592686 Y2 JP2592686 Y2 JP 2592686Y2
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coil
electric welding
conductor
corner spacer
corner
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章治 郷原
精哉 永田
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Daihen Corp
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Daihen Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、コイル導体の固定手段
を改良した溶接用変圧器や溶接用リアクトルなどに用い
る電気溶接機器用コイルの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1(a)および(b)に従来の電気溶
接機器用コイルの例を示す。同図(a)は平面図、
(b)は側面図である。同図において、1は鉄心、2は
コーナースペーサー、3は絶縁被覆電線よりなる1次コ
イル、4は絶縁紙、5は絶縁被覆導体よりなる2次コイ
ル、6はコイル結束用ガラス繊維テープ、7および8は
コイル端引出し線である。
【0003】コイルの製作は、まず鉄心1の各角部にそ
れぞれコーナースペーサ2を当接して固定し、その上に
絶縁被覆電線を巻き付けて1次コイル3を形成し、その
上に絶縁紙4をかぶせ、2次コイル5を形成する。その
後、コイル端引出し線7および8を固定するために絶縁
性でかつ耐熱性に優れたガラス繊維テープ6で1次コイ
ル3,2次コイル5をともに巻き付けて結束した後にワ
ニスを含浸乾燥して固定していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記のような従来の電
気溶接機器用コイルにおいてはガラス繊維テープ6によ
ってコイルを結束するときにコイルと鉄心との狭い間隙
に比較的腰の弱いガラステープを挿入することになるの
で、作業性が悪くまた結束する距離が長くなるために堅
牢な結束を得ることが難しく、緩むことが多かったため
に引出し線7,8の固定が十分でなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、鉄心の各角部
に絶縁性でかつ断面が鞍形のコーナースペーサーを当接
し、前記コーナースペーサーの上から導体を巻いてコイ
ルとした電気溶接機器用コイルにおいて、前記コーナー
スペーサーを長さ方向の両端が外方に突出したコの字形
に形成するとともに前記突出部に前記導体を結束するた
めの係止部を形成した構造とした電気溶接機器用コイル
を提案したものである。
【0006】
【実施例】図2に本考案の実施例を示す。同図は、本考
案の電気溶接機器用コイルを用いた溶接用変圧器の例で
あり、同図(a)は平面図(b)は一部破断面にて示す
側面図である。同図において、1ないし8は図1の従来
例と同機能のものに同符号を附してある。また11は、
本考案の中心となる絶縁物からなるコーナースペーサで
あり、図1の従来例のスペーサと異なり、その長さ方向
の両端がコイルの中心から外に向かう方向に突出してコ
の字形を呈しており、かつその突出部11bの先端付近
にはコイル端部を結束するための結束具の係止部11
a、例えば図示のような突起部が形成されている。12
はコイル端部を固定するための結束具であり、絶縁性の
紐、テープまたは結束バンドである。その材質としては
従来と同様にガラス繊維のものや耐熱性のある合成樹脂
が利用できる。
【0007】図2に示すように本考案の電気溶接機器用
コイルにおいては、コーナースペーサ11を鉄心1の四
隅に当接し、その上から所定の絶縁処理をしたあと導体
を巻き付けてコイルを形成する。図2の実施例において
は内側に丸導体からなる1次コイルを形成し、絶縁紙4
を挿入した後に平角導体を平巻きして2次コイルを形成
している。各コイルはコーナースペーサ11の突出部1
1bの内側に巻き込まれるので、各巻線はその巻き終り
以外はこのスペーサの突出部によって拘束されるので何
等結束する必要はない。コイルの巻き終り部は結束具1
2にてコーナースペーサ11の突出部11bに固定す
る。この際、コーナースペーサ11の突出部11bの先
端には係止部11aが設けてあるのでテープや紐等で容
易にかつ確実に結束することが出来る。
【0008】図3に本考案に用いるコーナースペーサの
構造の1例を示す。同図(a)は側面図、(b)は
(a)のA−A断面図である。また、1点鎖線で示した
部分は使用状態における鉄心の一例を示す。同図に示す
ようにコーナースペーサはその断面が鞍状をなし、表側
はコイルとの接触が良好なように1/4円筒状を呈し、
裏面は鉄心に当接するために鉄心角部と同一角度の溝が
設けられている。また、長手方向の両端には、鉄心当接
面と反対側に向かう突出部11bが設けられており、そ
の長さは巻線の巻き厚に大略等しいかまたはこれより長
くしておく。突出部11bの先端付近には図示のように
外側に突起部11aが設けられており、この部分がコイ
ルを結束するための係止部となる。
【0009】なお、本考案に用いるコーナースペーサに
設ける結束具のための係止部11aとしては、図3に示
した構造の物に限られるものではなく、コイルを結束固
定するテープや紐、バンド等の結束具がすべらない構造
であればよい。図4にこの係止部11aの異なる実施例
を示す。同図(a)は外方向に鈎状の係止部を設けたも
のであり、(b)は小さな突起を設けたもの、(c)は
側方に突出させたもの、(d)は外方向に凹溝を設けた
もの、(e)は側方に複数の凹溝を設けたものである。
また、(f)及び(g)は結束具を貫通させる孔を設け
たものである。いずれの場合もコーナースペーサ11の
突出部11bの内側には導体が巻回収納されるので突起
や溝を設けることは好ましくない。なお、コーナースペ
ーサ11の鉄心当接面には、鉄心の角度に一致した溝を
設けるが、この溝の底部には鉄心組立時に発生する若干
の突起部を逃がすとともにこの部分に対する応力集中を
緩和してコーナースペーサの強度を確保することを兼ね
て図3に示したように略半円形の逃がし溝11cを設け
ておくのが望ましい。
【0010】図5にコーナースペーサの別の例を示す。
同図の例においてはスペーサの突出部11bの突出方向
が当接する鉄心の一方の面と平行な方向になっているも
のであり、突出部の角度以外の他の構造は図3に示した
物と同様である。また、同図の例においてもコーナース
ペーサの突出部の先端付近に設ける結束具のための係止
部としては図4に示したように種々の形状を用いること
もできる。
【0011】図6(a)および(b)は、本考案の別の
実施例を示す図である。同図においては図2の実施例と
は異なり、同図(b)に一部破断面にて示すように2次
コイルを絶縁被覆を施した平角導線を縦巻き工法によっ
て密着巻きにより1次コイルの上に形成している。同図
の実施例においては、縦巻き工法によって2次コイルを
形成するので、コイルそのものが変形しにくいうえ2次
コイルの巻き始め、巻き終わりともにコーナースペーサ
11の突出部11bに係止部11aを利用して結束する
ことが出来るのでさらに強固なコイルを製作することが
できる。上記によって形成されたコイルは、その後ワニ
ス含浸をして全体を固定する。
【0012】また、本考案は図2および図6に示したよ
うな1次コイルと2次コイルとを重ねて1つの鉄心上に
形成するものに限らず、別々の鉄心に1次、2次各コイ
ルを独立して形成する変圧器や変流器にも適用出来るこ
とはもちろんである。また、リアクトル等のように一つ
の鉄心上に一つのコイルのみを形成するものにも適用で
きる。
【0013】
【本考案の効果】本考案においては、鉄心のコーナース
ペーサを工夫するだけでコイル端部の結束を簡単でかつ
緩むことなく確実・強固にすることが出来るので、従来
技術に比較して作業性がきわめて向上するものであり、
品質が安定し、製造コストの低減に効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電気溶接機器用コイルを用いた溶接用変
圧器の例を示す図である。
【図2】本考案の電気溶接機器用コイルを用いた溶接用
変圧器の例を一部破断面にて示す図である。
【図3】本考案に用いるコーナースペーサの例をを示す
図である。
【図4】本考案に用いるコーナースペーサの突出部に設
ける結束具のための係止部の異なる例を示す図である。
【図5】本考案に用いるコーナースペーサの別の例を示
す図である。
【図6】本考案の電気溶接機器用コイルを用いた溶接用
変圧器の別の例を一部破断面にて示す図である。
【符号の説明】
1 鉄心 2 コーナースペーサ 3 1次コイル 4 絶縁紙 5 2次コイル 6 コイル結束具 7 コイル端引出し線 8 コイル端引出し線 11 コーナースペーサ 11a 係止部 11b 突出部 11c 逃がし溝 12 結束具

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄心の各角部に絶縁性でかつ断面が鞍形の
    コーナースペーサーを当接し、前記コーナースペーサー
    の上から導体を巻いてコイルとした電気溶接機器用コイ
    ルにおいて、前記コーナースペーサーを長さ方向の両端
    が外方に突出したコの字形に形成するとともに前記突出
    部に前記導体を結束するための係止部を形成した構造と
    した電気溶接機器用コイル。
  2. 【請求項2】前記係止部は、前記コーナースペーサの両
    端の突出部の先端または先端付近に設けた鈎状部または
    突起部である請求項1に記載の電気溶接機器用コイル。
  3. 【請求項3】前記係止部は、前記コーナースペーサの両
    端の突出部の先端付近に設けた凹溝である請求項1に記
    載の電気溶接機器用コイル。
  4. 【請求項4】前記係止部は、前記コーナースペーサの両
    端の突出部の先端付近に設けた孔である請求項1に記載
    の電気溶接機器用コイル。
  5. 【請求項5】前記導体は、平角導体の絶縁被覆導体であ
    り、前記導体を前記コーナースペーサの上から鉄心に縦
    巻工法により密着巻で巻いてコイルとした請求項1ない
    し請求項4のいづれかに記載の電気溶接機器用コイル。
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