JP2583373Y2 - 自動車の車体後部の補強構造 - Google Patents

自動車の車体後部の補強構造

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JP2583373Y2
JP2583373Y2 JP1992075845U JP7584592U JP2583373Y2 JP 2583373 Y2 JP2583373 Y2 JP 2583373Y2 JP 1992075845 U JP1992075845 U JP 1992075845U JP 7584592 U JP7584592 U JP 7584592U JP 2583373 Y2 JP2583373 Y2 JP 2583373Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車の車体の後壁
側部に、リヤコンビネーションランプ取付用の開口を形
成し、同上車体の側壁後部に、この側壁後部に沿ったス
ライドドアの所定以上の後方移動を阻止するストッパを
設けた場合に、上記開口の開口縁やストッパを補強する
ための補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車では、通常、車体の後壁側部に、
リヤコンビネーションランプ取付用の開口が形成されて
いる。また、特にワンボックスタイプの自動車には、従
来、その車体の側壁後部に、この側壁後部に沿って上記
開口の開口縁の一側部近傍にまで延びるスライドドア用
のスライドレールが設けられ、かつ、上記スライドドア
の所定以上の後方移動を阻止するストッパが上記スライ
ドレールの後端側に取り付けられたものがある(例え
ば、実開平3‐81123号公報)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成のように、車体の後壁側部に開口を形成すると、その
分、上記車体後部の剛性が低くなりがちであり、これに
より、上記スライドレールの後端側も十分の強度を得に
くくなっている。
【0004】このため、上記したようにスライドレール
の後端側に取り付けられたストッパがスライドドアの後
方移動を阻止したときには、この阻止のための強度が不
十分となって、このときの衝撃力が、上記開口の開口縁
を歪ませるなどして、この開口縁に取り付けられている
上記コンビネーションランプに悪影響を与えるおそれが
ある。
【0005】
【考案の目的】この考案は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、スライドドアの後方移動をストッパ
が阻止するときの衝撃力が、リヤコンビネーションラン
プに悪影響を与えないようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの考案の特徴とするところは、車体の後壁の側部に
開口を形成して、この開口の開口縁にリヤコンビネーシ
ョンランプを取り付け、同上車体の側壁後部に、この側
壁後部に沿って上記開口の開口縁の一側部近傍にまで延
びるスライドドア用のスライドレールを設け、上記スラ
イドドアの所定以上の後方移動を阻止するストッパを上
記スライドレールの後端側に取り付けた自動車におい
て、上記スライドレールの後端側に一端側が取り付けら
れ、この一端側から延びる他端側が上記開口を横切っ
て、この開口の開口縁のうち、この開口を基準として上
記一側部とは反対側の他側部に取り付けられる補強材を
設けた点にある。
【0007】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0008】なお、下記した括弧内の用語は、実用新案
登録請求の範囲の用語に対応するものである。
【0009】車体2の後壁7のリヤパネル(側部)11
に開口15を形成して、この開口15の開口縁16にリ
ヤコンビネーションランプ14を取り付け、同上車体2
の側壁8後部に、この側壁8後部に沿って上記開口15
の開口縁16の一側部16a近傍にまで延びるスライド
ドア10用のスライドレール17を設け、上記スライド
ドア10の所定以上の後方移動を阻止するストッパ21
を上記スライドレール17の後端側に取り付けた自動車
において、上記スライドレール17の後端側に一端側
7aが取り付けられ、この一端側27aから延びる他端
27bが上記開口15の開口縁16のうち、この開口
15を基準として上記一側部16aとは反対側の他側部
16bに取り付けられる補強材27を設けてある。
【0010】このため、上記スライドドア10が所定以
上に後方移動しようとして、上記ストッパ21に衝突
し、上記移動が阻止されたときには、このときの衝撃力
28は、上記車体2の側壁8後部で支持されると共に、
上記補強材27を介し車体2の後壁7のリヤパネル(側
部)11によっても支持されることとなる。
【0011】よって、上記ストッパ21によるスライド
ドア10の後方移動の阻止が十分の強度で行われる。
【0012】また、上記補強材27は上記開口15の開
口縁16における一側部16aと他側部16bとに跨っ
て設けられており、このため、上記開口15の開口縁1
6の剛性が高められることとなっている。
【0013】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。
【0014】図において、符号1はワンボックスタイプ
の自動車で、図中矢印Frはその前方を示している。
【0015】上記自動車1の車体2の後壁7中央にはド
ア開口3が形成され、このドア開口3を開閉自在に閉じ
るバックドア4が設けられている。5は後輪で、6はリ
ヤバンパである。上記車体2の側壁8の前後中途部には
ドア開口9が形成され、このドア開口9を開閉可能とす
るスライドドア10が設けられている。
【0016】上記車体2の各側壁8後部は、それぞれ左
右に少し離れて互いに対面するアウタパネル12とイン
ナパネル13とで構成されている。これらアウタパネル
12とインナパネル13の各後端縁12a,13aに
は、上記後壁7の側部を構成するリヤパネル11が架設
されている。そして、上記各後端縁12a,13aと上
記リヤパネル11の左右各端縁11a,11aとは互い
に接合されてスポット溶接S1 され、これによって、ア
ウタパネル12、インナパネル13、およびリヤパネル
11が互いに強固に結合されている。
【0017】上記リヤパネル11の左右中途部にはリヤ
コンビネーションランプ14取付用の開口15が形成さ
れている。上記リヤコンビネーションランプ14は上記
開口15の開口縁16に取り付けられるハウジング14
aと、このハウジング14aに取り付けられる上バルブ
14bおよび下バルブ14cを備えている。
【0018】これら上バルブ14bと下バルブ14cの
各前端は、上記開口15を通し、側壁8内に延び、これ
ら上バルブ14bと下バルブ14cの各前端間には所定
の空間14dが設けられている。なお、上記上バルブ1
4bはリヤターンシグナルランプ用で、下バルブ14c
はテールランプ用とストップランプ用である。
【0019】上記アウタパネル12に沿って前後方向に
延びる上記スライドドア10案内用のスライドレール1
7が設けられている。このスライドレール17は、上記
アウタパネル12の外面に形成されてアウタパネル12
の後端近傍にまで延びる凹溝18を有し、この凹溝18
の後端は上記開口15の開口縁16における車体2外側
方側の一側部16a近傍にまで延びている。
【0020】上記スライドレール17は上記凹溝18内
に取り付けられる図示しないレール本体を備え、このレ
ール本体内に上記スライドドア10に設けられたローラ
ー19が前後転動自在に収容されて、上記スライドドア
10がスライドレール17に前後移動自在に支持されて
いる。
【0021】なお、図示しないが、上記ドア開口9の
上、下縁にもそれぞれ前後に延びるスライドレールが設
けられており、これらによってもスライドドア10が支
持されている。
【0022】そして、上記スライドレール17等各レー
ルに沿ってスライドドア10を前方移動させたときに
は、図2で示すようにドア開口9が上記スライドドア1
0で閉じられる。一方、図1、図2中仮想線で示すよう
に、上記スライドドア10を後方移動させたときには、
上記ドア開口9が開かれる。
【0023】上記ドア開口9が全開となったとき、スラ
イドドア10がそれ以上に後方移動することを阻止する
ストッパ21が設けられている。このストッパ21は、
上記凹溝18の後端側に前後一対のボルト22,22に
よってねじ止めされる板金製の箱状ブラケット23と、
このブラケット23の前端に取り付けられたゴム製の緩
衝体24と、上記ブラケット23の開口を閉じる樹脂製
のガーニッシュ25とで構成されている。そして、上記
スライドドア10が、上記したように所定以上に後方移
動したとき、そのローラー19が上記緩衝体24の突出
端に衝突して、それ以上の後方移動が阻止される。
【0024】27は板金製補強材で、この補強材27の
一端側27aは、上記凹溝18の後端の車内側面にスポ
ット溶接S2 され、かつ、上記ボルト22,22によっ
てアウタパネル12に対しストッパ21と共締めされて
いる。上記の場合、スポット溶接S2 は溶接ガンを上記
開口15を通すことにより行われる。また、上記各ボル
ト22をねじ込ませるナット29は、上記補強材27の
上記一端側27aに溶接されている。
【0025】一方、同上補強材27の上記一端側27a
から延びる他端側27bは、上記開口15を左右に横切
るように車体2の左右方向の中央側に向って延び、上記
開口15の開口縁16のうち、この開口15を基準とし
て上記一側部16aとは反対側の他側部16bにスポッ
ト溶接S3 され、これにより、上記補強材27は上記車
体2における側壁8後部と後壁7の側部とを互いに連結
させている。この場合、上記補強材27の左右方向の
途部は上バルブ14bと下バルブ14cの各前端間の空
間14dに設けられ、つまり、この空間14dが有効利
用されている。
【0026】そして、前記したようにスライドドア10
が所定以上に後方移動しようとして、上記ストッパ21
に衝突し、上記移動が阻止されるときには、このときの
衝撃力28は、まず、上記緩衝体24によって緩衝され
ながらアウタパネル12の後部で支持され、次いで、上
記補強材27を介し上記開口縁16の一側部16a、お
よび他側部16bによっても支持される。このようにし
て、上記スライドドア10の後方移動の阻止は十分の強
度でなされる。
【0027】また、上記補強材27は上記開口15の開
口縁16における一側部16aと他側部16bとに跨っ
て設けられており、このため、上記開口15の開口縁1
6の剛性が高められている。
【0028】よって、上記ストッパ21がスライドドア
10の後方移動を阻止したときの衝撃力が上記開口15
の開口縁16に与えられたとしても、上記開口15の開
口縁16はその所定形状を保持することから、上記開口
15の開口縁16に取り付けられたリヤコンビネーショ
ンランプ14が上記開口縁16から外力を受けて、この
リヤコンビネーションランプ14に内部応力が生じさせ
られるなど、悪影響が与えられることが防止される。
【0029】なお、上記構成では、補強材27の一端側
27aはスライドレール17の凹溝18の後端に直接的
に取り付けられているが、上記一端側27aをストッパ
21のブラケット23に溶接し、つまり、このブラケッ
ト23を介して、上記スライドレール17に取り付ける
ようにしてもよい。
【0030】また、上記実施例は、車体2後部の右側の
ものにつき説明したが、左側についても同構成である。
【0031】
【考案の効果】この考案によれば、車体の後壁の側部に
開口を形成して、この開口の開口縁にリヤコンビネーシ
ョンランプを取り付け、同上車体の側壁後部に、この側
壁後部に沿って上記開口の開口縁の一側部近傍にまで延
びるスライドドア用のスライドレールを設け、上記スラ
イドドアの所定以上の後方移動を阻止するストッパを上
記スライドレールの後端側に取り付けた自動車におい
て、上記スライドレールの後端側に一端側が取り付けら
れ、この一端側から延びる他端側が上記開口の開口縁の
うち、この開口を基準として上記一側部とは反対側の
側部に取り付けられる補強材を設けてある。
【0032】このため、上記補強材は上記車体における
側壁後部と後壁の側部とを互いに連結させることから、
上記スライドドアが所定以上に後方移動しようとして、
上記ストッパに衝突し、上記移動が阻止されたときに
は、このときの衝撃力は、上記車体の側壁後部で支持さ
れると共に、上記補強材を介し車体の後壁の側部によっ
ても支持されることとなる。
【0033】よって、上記ストッパによるスライドドア
の後方移動の阻止が十分の強度で行われることから、上
記車体の後壁の側部に取り付けられたリヤコンビネーシ
ョンランプに悪影響が与えられることが防止される。
【0034】また、上記補強材は上記開口の開口縁にお
ける一側部と他側部とに跨って設けられたため、上記開
口の開口縁の剛性が高められることとなっている。
【0035】よって、上記ストッパがスライドドアの後
方移動を阻止したときの衝撃力が上記開口の開口縁に与
えられたとしても、上記開口の開口縁は上記補強材によ
その所定形状を保持することから、この点でも、上記
開口の開口縁に取り付けられたリヤコンビネーションラ
ンプが上記開口縁から外力を受けて、このリヤコンビネ
ーションランプに内部応力が生じさせられるなど、悪影
響が与えられることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の1‐1線矢視断面図である。
【図2】車体の後部斜視図である。
【図3】図1の3‐3線矢視断面図である。
【図4】図1で示したものの展開斜視図である。
【符号の説明】 1 自動車 2 車体 7 後壁 8 側壁 10 スライドドア 11 リヤパネル(側部) 14 リヤコンビネーションランプ 15 開口 16 開口縁 16a 一側部 16b 他側部 17 スライドレール 21 ストッパ 27 補強材 27a 一端側 27b 他端側 28 衝撃力

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の後壁の側部に開口を形成して、こ
    の開口の開口縁にリヤコンビネーションランプを取り付
    け、同上車体の側壁後部に、この側壁後部に沿って上記
    開口の開口縁の一側部近傍にまで延びるスライドドア用
    のスライドレールを設け、上記スライドドアの所定以上
    の後方移動を阻止するストッパを上記スライドレールの
    後端側に取り付けた自動車において、 上記スライドレールの後端側に一端側が取り付けられ、
    この一端側から延びる他端側が上記開口を横切って、こ
    の開口の開口縁のうち、この開口を基準として上記一側
    部とは反対側の他側部に取り付けられる補強材を設けた
    自動車の車体後部の補強構造。
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