JP2579216B2 - 人工毛髪 - Google Patents

人工毛髪

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JP2579216B2
JP2579216B2 JP1180469A JP18046989A JP2579216B2 JP 2579216 B2 JP2579216 B2 JP 2579216B2 JP 1180469 A JP1180469 A JP 1180469A JP 18046989 A JP18046989 A JP 18046989A JP 2579216 B2 JP2579216 B2 JP 2579216B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は人工毛髪に関し、更に詳しくは、冷水及び熱
水のいずれにも耐久性を示し、外観(特に艶)、手触
り、感触等が人毛のそれと極めて近似している人工毛髪
に関する。
(従来の技術及びその問題点) 近年、老年層或いは壮年層ばかりでなく、かなりの若
年層においても頭部毛髪の部分的後退或いは全体の脱毛
で悩む人が増えている。
これらのいわゆる“薄毛”や”禿げ”を何らかの手段
で補い目立たなくする為には、人毛或いは合成繊維(ス
トランド)を用いた“かつら”を着用することが即座に
悩みを解消出来る簡便な方法として広く用いられてい
る。
これらのかつらに使用される毛のうち、人毛について
は、まさに本物の毛髪を使用する為、ソフト面及びハー
ド面のいずれにおいても最も良い結果が得られる様に思
われがちだが、ソフト面はともかく、ハード面では死毛
である為、毛の表面のキューティクルの乱れ等に起因す
る毛絡みが起こりがちである。
又、合成繊維ではアクリル樹脂や塩化ビニル樹脂等が
用いられてきたが、これらは熱に弱く、毛絡みも起こし
易いという欠点があり、人毛と比較して不自然な艶が出
る点も合成繊維系の欠点である。
この為繊維の表面を粗面化することによって、不自然
な艶を改良したポリエステル系の人工毛髪(特開昭63−
12716号公報参照)も開発されている。しかし、これま
での物は何れもかつらとした後は、自由な染色が出来な
いという問題があった。
従って本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、生きている人毛と区別が困難で、且つ自由に染色可
能な人工毛髪を提供することである。
(問題点を解決する為の手段) 上記目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、キトサン又はポリビニルアルコール
(PVA)とキトサンとを主成分とする繊維からなること
を特徴とする人工毛髪である。
(作用) 人工毛髪を、キトサン又はPVAとキトサンとの混合物
から形成することによって、自然な艶を持ち、手触り、
感触等が人毛のそれと極めて近似し、更にその上かつら
とした後も自由な染色が可能な人工毛髪を提供すること
が出来る。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。
本発明で使用するキトサンとは、キチンを公知の方法
で脱アセチル化処理することにより調製されるD−グル
コサミンとN−アセチル−D−グルコサミンとからなる
ポリマーである。
ここで原料となるキチンは、特に限定するものではな
く、通常、カニ、エビ等の節足動物のクチクラや、昆
虫、菌類等から公知の方法で得ることが出来る。
本発明で用いるキトサンの分子量は特に限定されない
が、繊維を紡糸する際に使用するドープの粘度を必要以
上に上げない為には、分子量はあまり大きくない方が良
い。脱アセチル化度は70乃至90%が最適であるが、希酸
に溶解する程度に脱アセチル化されていればよく、通常
50乃至100%程度の脱アセチル化物を用いることが出来
る。
本発明ではこれらのキトサンを希酢酸に溶解し、適当
なフィルターで濾過して不溶分を除いてキトサン溶液
(ドープ:紡糸原液)を調製し、これを通常の湿式紡糸
方法により紡糸して、キトサン繊維を得る。紡糸凝固浴
としては、濃芒硝とアルカリ溶液との混合液又は水と相
溶性の有機溶媒等が好ましい。
以上の如きキトサンの繊維は、冷水及び熱水の何れに
も極めて強く、人毛のキューティクルにも似た美しい輝
きがあり、又、腰が強く毛絡みし難いという特性を有す
る。
本発明の別の好ましい実施態様では、PVAとキトサン
との混合物からなる人工毛髪を提供する。
使用するPVAの分子量に特に限定はなく、紡糸性があ
ればよい。鹸化度も98乃至99%以上の完全鹸化物が耐水
性を上げる為にも望ましいが、それ以下でも差し支えな
い。このPVAを水に分散溶解してPVA溶液を調製し、前記
キトサン溶液と混合して紡糸用ドープとする。混合比は
固形分重量比でPVA/キトサン=5/95〜95/5の範囲が好ま
しい。キトサンの使用量が上記範囲未満であると耐水
性、耐熱性、色艶等の点で不満足であり、一方、PVAの
使用量が少なすぎると、強度、伸縮性、経済性等の点で
不十分である。
上記で得られたドープを細孔より凝固浴中に押し出
し、湿式紡糸を行ないロールに巻き取り、本発明の人工
毛髪が得られる。凝固液には、濃芒硝溶液、濃芒硝+Na
OH溶液、水と相溶性の有機溶媒等を用いることが出来
る。
紡糸に際して、強度のある繊維を得る為には、紡糸繊
維をシェアをかけながら巻き取ってもよい。風乾後、熱
処理を行ない更に結晶性を向上させることも必要に応じ
て行なう。
この様にして得られた繊維は冷水、温水のいずれにも
不溶で人工毛髪として利用することが出来る。
PVA単独の繊維は、毛髪として不自然な艶を持つ上、
腰がなく毛絡みし易いが、これにキトサンを加えること
により、低コストで適度な腰が出て、同時にあたかも人
毛の如き艶が得られる。
更に注目すべきは、塩化ビニル樹脂或いはPVA単独の
繊維等が染料で自由に染色することが不可能なのに対し
て、PVAにキトサンを加えて紡糸して人工毛髪とするこ
とにより、染料と顔料のいずれでも着色することが可能
となる。つまり、かつらとした後であってもユーザーが
市販の染色剤で自由に好みの色に染めることが可能であ
る。
又、高い耐水性が要求される場合には、PVA及びキト
サンを主成分とする繊維を黒褐色になるまで高温で長時
間乾熱処理、例えば、120乃至250℃において30分間以上
の熱処理すると、架橋剤等の第3の化学物質を加えるこ
となく耐水性を向上させることが出来る。
化学処理によって耐水性を付与することも可能であ
り、架橋によって耐水性を付与する場合の架橋剤として
は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの様
なエポキシ化合物、ヘキサメチレンジイソシアナート、
フェニルジイソシアナートの様なイソシアナート類、ア
ジピン酸ジクロライドの様な酸ハライド類或いはホルム
アルデヒド、グリオキサールの様なアルデヒド類から選
ばれた多官能化合物が挙げられ、又、疎水基の導入によ
って耐水性を向上させることも可能であり、この場合の
疎水基の導入剤としては、例えば、ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイドの様なエポキシ類、メチルイソ
シアナート、フェニルイソシアナートの様なイソシアナ
ート類、無水酢酸の様な酸無水物、アセチルクロライド
の様な酸ハライド類から選ばれた単官能化合物等がいず
れも使用出来る。
PVA及びキトサンを主成分とする繊維を架橋等により
耐水性を付与すると、熱水洗浄が可能になり、又、疎水
基の導入により親油性も上がり、グリースやヘアクリー
ム等のコンディショナーの乗りも良い。
又、人間の頭部毛髪にはかなり個人差があり、好みも
千差万別なので、従来の人工毛髪を自毛と併せて用いる
場合は、色艶や手触り等を合せるのが困難であったが、
本発明の人工毛髪に無機微粒子を分散させることによっ
て重質感が増し、艶を一層キメ細かく調整することが出
来る。
この様な無機粒子としては、亜鉛華、カオリン、カル
シウム、硅素酸化物、硅素の金属塩、酸化アルミニウ
ム、酸化錫、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタン
白、マグネシウム、マンガンの燐酸塩、硫化亜鉛、硫酸
バリウム等のいずれか又は2種以上の混合物が挙げられ
る。
又、紡糸時のドープに、テトラサイクリン、クロラム
フェニコール等の抗菌剤を添加して紡糸を行なうと、得
られた繊維に抗菌作用を付与することが出来る。
又、人工毛髪の着色に使用される顔料或いは染料とし
ては、黒色ではカーボンブラックが主体に使用されてい
る。しかし、カーボンブラックによる黒色は太陽光線下
において赤外線を吸収し易く、頭部の皮膚温が上昇して
汗、蒸れ、日照りなどの不快感を起こし易い。
本発明の好ましい実施態様では、赤外線反射タイプで
ある顔料或いは染料を用いて人工毛髪を着色し、太陽光
線に起因する頭部の皮膚温の上昇を抑えることが出来
る。
好ましい赤外線反射色素としては、下記の一般式
(I)で表わされるアゾメチン基を有する残基を有する
アゾ系色素が挙げられる。
(但し、上記式中のArは芳香族化合物或いは複素環式化
合物の残基であり、Xは水素原子又はハロゲン原子であ
り、mは1以上の整数である。) 上記赤外反射性色素は、アゾメチン基を有するジアゾ
成分を常法に従いジアゾ化し、従来公知のカップリング
成分或いはアゾメチン基を有するカップリング成分とカ
ップリング反応させることによって得られる。
又、従来公知のジアゾ成分をジアゾ化して、アゾメチ
ン基を有するカップリング成分とカップリング反応させ
ても、本発明で使用するアゾメチン基を有するアゾ系色
素とすることが出来る。
上記アゾメチン基を有する残基(I)において、Arは
芳香族或いは複素環式化合物の残基であり、例えば、ベ
ンゼン環、ナフタレン環、アンとラセン環、ピリジン環
等である。
アゾメチン基を有するジアゾ成分としては、例えば、 3−(4′−アミノフェニルイミノ)−1−オキソ−
4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン、 3−(3′−アミノフェニルイミノ)−1−オキソ−
4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン、 3−(2′−アミノフェニルイミノ)−1−オキソ−
4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン、 3−(4″−アミノ−ジフェニル−4′−イミノ)−
1−オキソ−4,5,6,7−テトラクロルイソインドリン等 及びそれらのフェニレン基又はジフェニレン基にハロゲ
ン原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基
等の置換基を1個乃至それ以上置換された化合物等が挙
げられる。
上記のアゾメチン基を有するジアゾ成分とカップリン
グ反応させる為に使用する従来公知のカップリング成分
としては、例えば、 C.I.アゾイックカップリングコンポーネント1、2、
10、22、17、27、18、31、8、21、29、20、34、41、
6、11、24、19、12、23、14、30、46、4、7、40、
3、32、36、25、13、15、16、5、35、13、19、 アセト酢酸アニライド、 アセト酢酸−2−メチルアニライド、 アセト酢酸−4−メチルアニライド、 4アセト酢酸−2,4−ジメチルアニライド、 アセト酢酸−2−メトキシアニライド、 アセト酢酸−2−クロルアニライド、 アセト酢酸−2−メトキシ−5−メチル−4−クロル
アニライド、 アセト酢酸−2,5−ジメトキシ−4−クロルアニライ
ド、 アセト酢酸−4−クロル−2−ニトロアニライド等の
アセトアセティックアリルアミド類; 3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、 1−フェニル−5−ピラゾロン−3−カルボン酸エチ
ルエステル、 ヒドロキシナフトエ酸、 フェノール等が挙げられる。
又、前記した該アゾメチン基を有するカップリング成
分としては、例えば、 2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、 2−ヒドロキシ−アントラセン−3−カルボン酸、 3−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸、 2−ヒドロキシカルバゾール−3−カルボン酸、 2−ヒドロキシ−α−ベンゾカルバゾール−3−カル
ボン酸、 1−フェニル−5−ピラゾロン−3−カルボン酸、 アセト酢酸等 のカップリングし得るカルボン酸類と前記のアゾメチン
基を有するアミノ化合物とを縮合反応させることにより
得られるもの等が挙げられる。
上記のアゾメチン基を有するカップリング成分とカッ
プリング反応させる為に使用する従来公知のジアゾ成分
としては、例えば、 C.I.アゾイックジアゾコンポーネント44、2、3、
6、7、37、9、16、49、17、18、19、26、33、46、1
1、32、34、12、8、10、5、13、1、29、31、42、1
4、24、43、41、40、20、15、38、51、21、23、4、2
7、39、48、22、47、35、45、36、アニリン、トルイジ
ン、アニシジン、ナフチルアミン等が挙げられる。
上記成分のジアゾ化、カップリング反応、生成した色
素の精製、顔料の場合の顔料化等は、常法に従って水性
或いは有機溶媒等の適当な媒体中行うことが出来る。
特に好ましいアゾメチン基を有するアゾ系色素として
は、例えば、 特開昭58−174446号公報、 特願昭59−4775号明細書、 特許第1063816号明細書、 特許第1052019号明細書、 特許第1141514号明細書、 特許第1141515号明細書、 特願昭60−168540号明細書、 特願昭60−277929号明細書に開示されているアゾ系色
素が挙げられる。
特に好ましいカップリング成分として2−ヒドロキシ
−α−ベンゾカルバゾール−3−カルボン酸アリルアミ
ド及びその誘導体を使用したアゾメチン基を有するアゾ
顔料は、可視光線下では暗緑色乃至黒色の色調を示し、
特に黒色においては黒色度の高い鮮明な黒色を示す。
上記のアゾメチン基を有するアゾ系色素は耐熱性、耐
光性、耐水性、耐薬品性に優れ、更に、高い着色力を有
している。又、顔料タイプの色素では更に耐溶剤性に極
めて優れた性質を示す。
以上の例は好ましい赤外線反射性色素の例であり、本
発明では無機複合顔料等の他の赤外線反射性色素も同様
に使用えきることは勿論である。
以上の本発明の人工毛髪の太さは、60乃至120μm程
度が最適であるが、特にこの範囲にある必要はなく、紡
糸時のノズルの口径を変えることにより自由に調節する
ことが出来、繊維の断面も特に丸である必要はない。
(実施例) 以下実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 キトサンを20℃で500乃至5,000cP程度の粘度となる様
に希酢酸溶液に溶解し、G3フィルターで濾過してキトサ
ンドープとした。
上記のドープを80μm×100holesの紡糸ノズルを通し
て、1.5mの濃芒硝+NaOH凝固液中に押し出した。これを
シェアをかけずに巻き取り、流水で充分洗浄した後風乾
してキトサン繊維からなる本発明の人工毛髪を得た。
この繊維は、水道水中で121℃及び15分間のオートク
レープにかけても全く変化はなく、後記実施例のPVA−
キトサン繊維以上に耐熱水性に優れ、外観、手触り、感
触も人毛のそれと極めて近似していた。
実施例2 鹸化度98乃至99%のPVAを溶解して15%PVA水溶液を調
製した。又、低粘度キトサンを10%酢酸水溶液を溶媒と
して溶解し、G3フィルターで濾過して10%キトサン溶液
を調製した。このPVA溶液80gに対して30gの割合でキト
サン溶液を添加してPVA−キトサンドープとした。
上記のドープを80μm×100holesの紡糸ノズルを通し
て1.5mの濃芒硝凝固液中に押し出した。これを約1.3倍
のシェアをかけて巻き取った。風乾後、緊張下で185℃
及び5分間の乾熱処理をした。これをNa2SO425Wt%、H2
SO420Wt%を含む10Wt%ホルマリン溶液中で、70℃で1
時間ホルマール化を行なった。流水で充分洗浄した後風
乾してPVA−キトサン繊維からなる本発明の人工毛髪を
得た。この繊維の外観(特に艶)、手触り、感触は人毛
のそれと極めて近似していた。
実施例3 実施例2のPVA−キトサンドープにおいて、キトサン
の含有率を5乃至80%まで変化させてドープを調製し、
実施例2と同様に紡糸を行なって、種々のキトサン濃度
の本発明の人工毛髪を得た。
得られた夫々の繊維を冷水及び熱水に浸したところ、
キトサン含有率の高い物の方が耐久性が優れていた。
又、キトサンが多い方が腰の強い糸が出来た。
実施例4 鹸化度98乃至99%のPVAを溶解して15%PVA水溶液を調
製し、実施例2と同様に紡糸を行なって比較用の人工毛
髪を得た。
実施例2で得られたPVA−キトサン繊維と、上記で調
製された比較用PVA繊維とを、市販の白髪染めにより染
色を行なったところ、PVA単独の繊維は若干着色した程
度で染色することは出来なかったが、PVA−キトサン繊
維はきれいに染色することが出来た。又、部分染め用の
ヘアダイで着色を試みたところ、PVA−キトサン繊維と
比較してPVA単独の繊維は、ヘアダイの乗りが悪く均一
に着色することが出来なかった。
実施例5 実施例2で得られたPVA−キトサンドープを80μm×1
00holesの紡糸ノズルを通して1.5mの濃芒硝凝固液中に
押し出した。これらを約1.3倍のシェアをかけて巻き取
った。風乾後、緊張下で夫々185℃及び5分間、185℃及
び60分間の乾熱処理を行ない各々繊維A及びBとした。
又、実施例4で調製されたPVAドープを実施例5と同
様に紡糸を行なった。風乾後、緊張下で夫々185℃及び
5分間、185℃及び60分間の乾熱処理を行ない各々繊維
C及びDとした。
これらの繊維A、B、C及びDを各々20乃至100℃の
水道水に30秒間浸したところ、下記第1表の様な結果を
得た。
繊維Bは更に水道水中で121℃及び15分間オートクレ
ーブにかけても、31cmから24cmに縮んだだけで強度及び
風合い共に変化はなかった。
実施例6 実施例2のドープの樹脂部に対してチタン白を0.1%
添加し、ペイントシェーカーで分散させた。このドープ
を濃芒硝凝固浴中に押し出して紡糸を行なうと、更に外
観や手触りがきめ細かく調整された。
実施例7 実施例2のドープの樹脂部に対してクロルテトラサイ
クリンを0.1%添加し、スリーワンモーターで攪拌して
溶解させた。このドープを濃芒硝凝固浴中に押し出して
紡糸を行なった。
この繊維とテトラサイクリンを添加していない通常の
繊維を各々Micrococcus pyogenes var.aureus209Pの標
準菌を接種したF.D.A.寒天培地の表面に置き、37℃で24
hr培養した。その後生じたHaloの程度を評価したところ
前者はFairで有意差が認められた。
実施例8 実施例2のドープの樹脂部に対して固形分が3乃至20
%となる様にクロモファインブラックA−1103(赤外線
反射性色素、以下A−1103とする)を添加し、ペイント
シェーカーで分散させた。又、比較の為、カーボンブラ
ックを添加したドープを調製した。
上記で調製されたドープを80μm×100holesの紡糸ノ
ズルを通して1.5mの濃芒硝凝固中に押し出した。これを
約1.3倍のシェアをかけて巻き取った。これらを風乾
後、緊張下で185℃及び5分間の乾熱処理をした。これ
をNa2SO425Wt%、H2SO420Wt%を含む10Wt%ホルマリン
溶液中で、70℃及び1時間ホルマール化を行なった。流
水で充分洗浄した後風乾して本発明の人工毛髪を得た。
この繊維の外観、手触り及び感触は人毛のそれと極めて
近似していた。
上記で得られた繊維を長さ7.5cmに切り、その1gを幅5
cmに揃えて両端を5mmづつクリップで挟んだ。これを3.5
cm間隔で置いた2本の細棒の上に渡し、繊維の下に温度
計をセットした。この繊維から9cm離れた真上から185W
の赤外線ランプを照射し、時間による温度変化を測定し
た。
A−1103を10%添加した繊維と、カーボンブラックを
5%添加した繊維の温度変化を比較すると、第1図に示
した様に、A−1103を10%添加した繊維は、ピーク温度
が5乃至6℃低く、温度上昇度も低かった。
又、上記赤外線反射性色素に代えて、3−(4′−ア
ミノフェニルイミノ)−1−オキソ−4,5,6,7−テトラ
クロルイソインドリンをジアゾ化し、2−ヒドロキシ−
N−(4′−メトキシフェニル)−11−H−ベンゾ
〔a〕−カルバゾール−3−カルボキシアミドとカップ
リングさせた色素、又は3−(3′−アミノフェニルイ
ミノ)−1−オキソ−4,5,6,7−テトラクロルイソイン
ドリンをジアゾ化し、1,4−ビス−[2′−ヒドロキシ
−11′−H−ベンゾ〔a〕−カルバゾール−3′−カル
ボニルアミノ]ベンゼンとカップリングさせた色素を用
いても同様な結果が得られた。
実施例9 上記実施例で用いたφ0.08mmの紡糸ノズルの他に、φ
0.35mmの紡糸ノズルを用いて紡糸を行ない、人毛と同程
度の太さの繊維を得ることが出来た。又、星形や楕円形
等の異型紡糸ノズルでも紡糸することが出来た。
(効果) 以上の如基本発明によれば、人工毛髪を、キトサン又
はPVAとキトサンとの混合物から形成することによっ
て、自然な艶を持ち、手触り、感触等が人毛のそれと極
めて近似し、更にその上かつらとした後も自由な染色が
可能な人工毛髪を提供することが出来る。勿論、本発明
の人工毛髪はかつらに限定されず、人形用の毛髪等とし
ても有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例8における昇温テストの結果を示す図で
ある。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサンを主成分とする繊維からなること
    を特徴とする人工毛髪。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコールとキトサンとの混合
    物を主成分とする繊維からなることを特徴とする人工毛
    髪。
  3. 【請求項3】120乃至250℃において30分間以上の熱処理
    により耐熱水性が付与されている請求項2に記載の人工
    毛髪。
  4. 【請求項4】化学的処理によって耐水性が付与されてい
    る請求項2に記載の人工毛髪。
  5. 【請求項5】化学的処理が架橋である請求項4に記載の
    人工毛髪。
  6. 【請求項6】架橋剤が、エチレングリコールジグリシジ
    ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
    テルの様なエポキシ化合物、ヘキサメチレンジイソシア
    ナート、フェニルジイソシアナートの様なイソシアナー
    ト類、アジピン酸ジクロライドの様な酸ハライド類或い
    はホルムアルデヒド、グリオキサールの様なアルデヒド
    類から選ばれた多官能化合物である請求項4に記載の人
    工毛髪。
  7. 【請求項7】化学的処理が疎水基の導入である請求項4
    に記載の人工毛髪。
  8. 【請求項8】疎水基の導入剤が、ブチレンオキサイド、
    スチレンオキサイドの様なエポキシ類、メチルイソシア
    ナート、フェニルイソシアナートの様なイソシアナート
    類、無水酢酸の様な酸無水物、アセチルクロライドの様
    な酸ハライド類かれ選ばれた単官能化合物である請求項
    7に記載の人工毛髪。
  9. 【請求項9】亜鉛華、カオリン、カルシウム、硅素酸化
    物、硅素の金属塩、酸化アルミニウム、酸化錫、シリ
    カ、タルク、炭酸カルシウム、チタン白、マグネシウ
    ム、マンガンの燐酸塩、硫化亜鉛、硫酸バリウム等のい
    ずれか又は2種以上の混合物を主成分とする無機微粒子
    を含有する請求項1乃至8に記載の人工毛髪。
  10. 【請求項10】テトラサイクリン類、クロラムフェニコ
    ール類等の抗菌剤を含有する請求抗1乃至9に記載の人
    工毛髪。
  11. 【請求項11】着色剤を含有する請求項1乃至10に記載
    の人工毛髪。
  12. 【請求項12】着色剤が赤外反射性色素である請求項11
    に記載の人工毛髪。
  13. 【請求項13】赤外線反射色素が、下記の一般式(I)
    で表わされるアゾメチン基を有する残基を有するアゾ系
    色素である請求項12に記載の人工毛髪。 (但し、上記式中のArは芳香族化合物或いは複素環式化
    合物の残基であり、Xは水素原子又はハロゲン原子であ
    り、mは1以上の整数である。)
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