JP2567002B2 - セメントの凝結遅延方法 - Google Patents

セメントの凝結遅延方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセメントの凝結遅延方法に関する。
〔従来の技術および問題点〕 地熱発生地域、油井なども含めた熱帯地域や、暑中に
おけるコンクリートの打設やマスコンクリートの打設で
は、セメントの水和反応が活性となり、セメントの硬化
が速くなり、そのために、打設に支障をきたしたり、硬
化後にコールドジョイントや熱応力によるひびわれなど
の原因となっている。この防止策として、遅延剤や超遅
延剤として知られるグルコン酸塩やケイフッ化物等を添
加して凝結を遅延させる方法が取られている。
しかし、これら遅延剤は添加量が比較的微量でかつ遅
延効果が大きいために、凝結調節が難しく、添加量を誤
ると過剰に遅延されたり、逆に遅延の程度が小さかった
りして施工上問題になることがある。また、遅延剤の種
類によっては長期間遅延するため、過剰に添加すると、
初期にこわばりを生じ、異常凝結を起こす問題もある。
〔問題を解決するための手段〕 本発明者らは、前記従来の問題点を解決するために鋭
意研究を重ねたところ、次のような知見を得るに至っ
た。
従来、セメントの凝結遅延方法としては、グルコン酸
塩、しょ糖、ケイフッ化物等の遅延剤を添加する方法が
知られているが、添加量が少量であり、効果が著しく大
きいために、硬化時間を調整するには非常に困難な場合
が多かった。
これに対し、本発明者は、種々の遅延剤を検討した結
果、フェノールカルボン酸エステルは、酸化剤の添加に
よりセメントに対する遅延効果を大きく変化させること
ができ、遅延の程度はフェノールカルボン酸エステルと
酸化剤との比と、添加量とにより大きく変化することを
見い出した。この理由は明らかではないが、フェノール
カルボン酸エステルがセメントの存在するアルカリ性に
おいて、酸化剤の存在下で加水分解、酸化などの反応を
起こし、より遅延性の大きな低分子化合物に変化するた
めと考えられる。従来、フェノールカルボン酸エステル
を遅延剤としてセメントに添加した例は2、3あるが、
このように酸化剤の添加量により遅延作用が大きく異な
ることは知られていない。そのため、遅延剤としての特
徴が生かされなかったと考えられる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであ
る。
すなわち、本発明は、セメント100重量部に対して、
フェノールカルボン酸エステル0.01〜3重量部と酸化剤
0.01〜1重量部を添加することを特徴とするセメントの
凝結遅延方法である。
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
用いられるフェノールカルボン酸エステルとは、第1
図に示すように、フェノール性カルボン酸と糖とがエス
テル結合したgallotannin(1)やco−rilagin(2)ch
ebulagic acid(3),chebuli−nic acid(4)などの
物質を主成分とする物質や、タンニン酸として知られる
m−ガロイル没食子酸や没食子酸アルキルエステルなど
のフェノールカルボン酸とアルコールとからなる物質、
などである。これらの物質は酸化により一層セメントの
凝結遅延効果が大きい物質が生成すると考えられる。前
記酸化剤とは、過酸化水素、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化カルシウ
ム、過酸化ナトリウムなどの過酸化物や、過マンガン酸
塩、クロム酸塩、塩素酸塩、過炭酸塩、過塩素酸塩素、
過硫酸塩などのオキソ酸塩や、二酸化マンガン、フェリ
シアン化カリウムや、Fe3+の塩など、従来から用いられ
ている物質でよい。
さらに、この添加剤は他の混和剤すなわち、リグニン
系のAE減水剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
等の減水剤やリグニン系、オキシカルボン酸塩系、ケイ
フッ化物などの従来から知られている遅延剤と併用して
も良い。
用いることのできるセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、早強ポル
トランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫
酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント
やシリカセメント、フライアッシュセメント、高炉セメ
ントなどの混合セメント、あるいは、カルシウムアルミ
ネートを主成分とするアルミナセメントやC11A7CaF2
主成分とする超速硬セメント、カルシウムスルフォアル
ミネートを主成分とする特殊セメントなどである。
また、本発明による添加剤(フェノールカルボン酸エ
ステル)は、セメント100重量部に対して0.01〜3重量
部の範囲で添加し、酸化剤はセメント100重量部に対し
て0.01〜1重量部の範囲で添加する。好ましい添加量は
セメントの種類により大きく異なるが、普通ポルトラン
ドセメントの場合、フェノールカルボン酸エステルは0.
1〜1.0重量部、酸化剤は0.1〜0.5重量部の範囲である。
本発明においては、フェノールカルボン酸エステル
は、粉体にして前もってセメントと混合してもよいし、
水溶性なので混練水に溶解して使用してもよい。また、
酸化剤は混練水に溶解してもよいし、セメントと混合し
ておいて用いてもよい。
混練により気泡を生じる場合にはシリコーン系泡消
剤、アルコール系泡消剤を添加することもできる。
さらに、メチルセルロース、その他のポリマーと併用
してもよい。
〔作用〕
フェノールカルボン酸エステルのセメントに対する水
和遅延作用は、酸化剤がない場合には比較的小さいが、
酸化剤の添加に伴い著しく大きくなる。本発明はこのフ
ェノールカルボン酸エステルが酸化剤の存在により水和
遅延作用が著しく大きくなることを利用したものであ
る。
すなわち、一定量のフェノールカルボン酸エステルと
酸化剤を遅延の程度により、セメントに添加して混練す
る。これによって、任意の条件に凝結調節することがで
き、セメントモルタルあるいはセメントコンクリートを
得ることができる。硬化するまでの時間は、セメントの
種類と、フェノールカルボン酸エステルの量と、フェノ
ールカルボン酸エステルの量と酸化剤の量との比とによ
り異なるが、一旦硬化後の硬化体の強度は無添加の硬化
体より大きくなり、長期強度も大きくなる。
〔実施例1〕 20℃において、、;市販普通ポルトランドセメン
ト520gと豊浦標準砂1040gとを、タンニン酸(市販品)
および過酸化水素(酸化剤)を溶解した混練水で混練
(W/C:55%)したものを作製し、これらをそれぞれ、4
×4×16cm型枠に成型した。この各々を20℃の恒温槽に
入れ、硬化時間の確認と、3日、7日、28日強度の測定
を行なった。
これに対し、対照例として、;無添加のセメントモ
ルタルと、;タンニン酸のみを溶解した混練水で混練
し、成型したセメントモルタルと、、;グルコン酸
ナトリウムのみを溶解した混練水で混練し、成型したセ
メントモルタルとを作製し、同様にして硬化時間と強度
とを測定した。なお、これら対照例におけるセメントの
配合は実施例と同様である。結果を表1に示す。
〔実施例2〕 、;ジェットセメント(住友セメント株式会社製
超速硬セメント)520gと豊浦標準秒1040gとにマイティ1
00(花王社製高性能減水剤)を4.16g(セメント100重量
部に対して0.8重量部)添加し、没食子酸プロピルおよ
び過マンガン酸カリウム(酸化剤)または過酸化水素
(酸化剤)を添加した混練水でそれぞれ混練し(W/C:55
%)したものを作製し、これらをそれぞれ、4×4×16
cm型枠に成型した。得られた各成型品を20℃の恒温槽に
移して、硬化時間と、3時間後および1日後の強度を測
定した。
これに対し、対照例として、;没食子酸プロピルの
み添加のセメントモルタルと、;クエン酸ナトリウム
のみを添加したセメントモルタルとを作製し、それぞれ
同様にして硬化時間および強度を測定した。
結果を表2に示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明に係るセメントの凝結遅
延方法は、セメント100重量部に対して、フェノールカ
ルボン酸エステル0.01〜3重量部と酸化剤0.01〜1重量
部を添加することを特徴とするものであり、本発明によ
れば、目的とする遅延程度に応じて、一定量のフェノー
ルカルボン酸エステルと酸化剤をセメントに添加して混
練することによって、セメントを任意の時間経過後に任
意の条件に凝結調節することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用される加水分解性タンニン化合物
の代表例の化学構造式である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント100重量部に対して、フェノール
    カルボン酸エステル0.01〜3重量部と酸化剤0.01〜1重
    量部を添加することを特徴とするセメントの凝結遅延方
    法。
  2. 【請求項2】フェノールカルボン酸エステルが没食子酸
    エステルであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載のセメントの凝結遅延方法。
  3. 【請求項3】フェノールカルボン酸エステルと酸化剤と
    の比が10:90〜90:10であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のセメント凝結遅延方法。
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