JP7098582B2 - 無機粒子含有組成物用添加剤 - Google Patents
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Description
また、無機粒子を含有する組成物に添加する薬剤は、水溶液にした場合は粘性が小さく適度な粘度を有することが、取り扱い性や添加装置の自由度などの観点で望ましい。また、ケーキング抑制などの観点で、添加剤は、粉体の形態とした場合には吸湿性の少ないものが好ましい。
本発明は、(A)成分が、この範囲の分子量を有するオルト位多価フェノール骨格を有する化合物である、無機粒子含有組成物用添加剤を含む。すなわち、本発明は、オルト位多価フェノール骨格を有する分子量100以上4000以下の化合物を含有する、無機粒子含有組成物用添加剤を含む。
(A)成分としては、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、エーテル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する化合物、更に、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基及びエステル基から選ばれる1種以上の基を有する化合物が挙げられる。前記エステル基は、-COORで表される基である。Rは炭素数1以上6以下のアルキル基が挙げられる。前記エーテル基は、-O-で表される基である。前記炭化水素基は、アルキル基が好ましい。前記炭化水素基の炭素数は1以上8以下が好ましい。前記炭化水素基は、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。
Xのスルホン酸基、カルボン酸基は、それぞれ、塩となっていてもよい。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩(1/2原子)などが挙げられる。
Xのエステル基は、-COORで表される基である。Rは炭素数1以上6以下のアルキル基が挙げられる。
また、他の(A)成分として、芳香族オルト位多価縮合環化合物が挙げられる。芳香族オルト位多価縮合環化合物としては、オルト位多価ナフタレンが挙げられる。より具体的には、2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸又はその塩などが挙げられる。
本発明は、(A)成分が、ピロガロール構造を有する化合物である添加剤を含む。
本発明は、(A)成分が、没食子酸構造を有する化合物である添加剤を含む。
(1)セメント、石膏などの水硬性粉体
(2)フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、けい酸白土などのポソラン作用を持つ粉体
(3)石炭灰、高炉スラグ、けい藻土などの潜在水硬性粉体
(4)土壌、粘土、及び、カオリン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、セリサイト、ベントナイトなどのケイ酸塩
(5)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛などの炭酸塩
(6)硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩
(7)ストロンチウムクロメート、ピグメントイエローなどのクロム酸塩
(8)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸マグネシウムなどのモリブデン酸塩
(9)アルミナ、酸化アンチモン、酸化チタニウム、酸化コバルト、四酸化三鉄、三酸化ニ鉄、四酸化三鉛、一酸化鉛、酸化クロムグリーン、三酸化タングステン、酸化イットリウムなどの金属酸化物
(10)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、メタチタン酸などの金属水酸化物
(11)炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化チタンなどの金属炭化物
(12)窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、チタン酸バリウム、サチンホワイト、カーボンブラック、グラファイト、クロムイエロー、硫化水銀、ウルトラマリン、パリスブルー、チタニウムイエロー、クロムバーミリオン、リトポン、アセト亜ヒ酸銅、ニッケル、銀、パラジウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの、上記(1)~(11)に分類されない他の無機粒子
還元剤としては、有機化合物系還元剤、無機化合物系還元剤が挙げられ、例えば、シュウ酸、ギ酸、ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩、亜硫酸塩、第二鉄塩、チオ硫酸塩などが挙げられる。亜硫酸塩は、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。還元剤の塩は、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
還元剤としては、ヒドロキシメタンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸又はその塩、亜硫酸塩、及びチオ硫酸塩から選ばれる1種以上が好ましく、チオ硫酸塩がより好ましい。
強度向上剤としては、アルカノールアミンが挙げられ、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが挙げられる。
遅延剤としては、オキシカルボン酸又はその塩が挙げられ、例えば、グルコン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、クエン酸又はその塩が挙げられる。
分散剤としては、有機系分散剤、無機系分散剤が挙げられる。有機系分散剤としては、不飽和カルボン酸重合物、ナフタレン系分散剤が挙げられ、例えば、不飽和カルボン酸重合物又はその塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物又はその塩が挙げられる。不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、マレイン酸、などが挙げられる。不飽和カルボン酸が含まれるコポリマーでも良い。また、無機系分散剤としては、リン酸塩類が挙げられ、例えば、ポリリン酸又はその塩、リン酸又はその塩、トリポリリン酸又はその塩が挙げられる。
多価イオン不溶化剤としては、無機炭酸塩が挙げられ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムが挙げられる。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を含有する、粘土含有組成物を提供する。すなわち、(A)成分、及び粘土を含有する粘土含有組成物を提供する。更に、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を混合する、粘土含有組成物の製造方法を提供する。すなわち、(A)成分、及び粘土を混合する、粘土含有組成物の製造方法を提供する。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を含有する、ソイルセメントを提供する。すなわち、(A)成分、土壌、及び水硬性粉体を含有するソイルセメントを提供する。更に、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を混合するする、ソイルセメントの製造方法を提供する。すなわち、(A)成分、土壌、及び水硬性粉体を混合するソイルセメントの製造方法を提供する。
これらにおける(A)成分には、前記した(A)成分の態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらの組成物やソイルセメント及びそれらの製造方法には、本発明の添加剤で述べた事項を適宜適用できる。例えば、これらの何れの態様においても、(A)成分は、オルト位多価フェノール骨格を有する分子量100以上4000以下の化合物であってよい。また、本発明の無機粒子含有組成物、粘土含有組成物及びソイルセメントは、それぞれ、消泡剤及び/又は還元剤を含有してよい。
本発明の粘土含有組成物中、(A)成分の含有量は、粘土に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、よりさらに好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明のソイルセメントは、例えば、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法、および埋め戻し工法等で用いられる。
本発明のソイルセメントとしては、(A)成分、土壌、水硬性粉体、及び水を含有するソイルセメントが挙げられる。
本発明のソイルセメント中、(A)成分の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。本発明の添加剤を用いる場合は、好ましくは、ソイルセメント中の(A)成分の含有量がこの範囲となるように用いられる。
本発明のソイルセメント中、土壌の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは400質量%以上、より好ましくは600質量%以上、そして、好ましくは1300質量%以下、より好ましくは1000質量%以下である。
本発明のソイルセメントは、水/水硬性粉体比(W/P)が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%以上、そして、好ましくは400質量%以下、より好ましくは300質量%以下、更に好ましくは200質量%以下である。ここで、水/水硬性粉体(W/P)は、ソイルセメント中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)であり、水/水硬性粉体×100で算出される。またW/Pは、水硬性粉体がセメントである場合は、W/Cで表記される場合がある。なお、水硬性粉体が、セメントなどの水和反応により硬化する物性を有する粉体の他、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。また、水和反応により硬化する物性を有する粉体が、高強度混和材を含有する場合、高強度混和材の量も水硬性粉体の量に算入する。これは、水硬性粉体の質量が関係する他の質量%などにおいても同様である。
本発明は、本発明の添加剤を含有する水硬性組成物を地盤と混合する、地盤の改良工法を提供する。すなわち、(A)を含有する水硬性組成物を地盤と混合する、地盤の改良工法を提供する。
これらにおける(A)成分には、前記した(A)成分の態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらの地盤改良体や地盤の改良工法には、本発明の添加剤で述べた事項を適宜適用できる。例えば、これらの何れの態様においても、(A)成分は、オルト位多価フェノール骨格を有する分子量100以上4000以下の化合物であってよい。
また、本発明は、オルト位多価フェノール骨格を有する化合物の、粘土含有組成物用添加剤としての使用を提供する。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を含有する組成物の、ソイルセメントとしての使用を提供する。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び(A)成分を含有する組成物の、ソイルセメントとしての使用を提供する。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、及び本発明の添加剤を含有する硬化体の、地盤改良体としての使用を提供する。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、及び(A)成分を含有する硬化体の、地盤改良体としての使用を提供する。
また、本発明は、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を含有する組成物の、地盤改良用スラリーとしての使用を提供する。
また、本発明は、水硬性粉体、水、及び(A)成分を含有する組成物の、地盤改良用スラリーとしての使用を提供する。
これらの使用における(A)成分には、前記した(A)成分の態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらの使用には、本発明の添加剤、ソイルセメント、地盤改良体、地盤改良用スラリー、地盤の改良方法で述べた事項を適宜適用できる。例えば、これらの何れの使用においても、(A)成分は、オルト位多価フェノール骨格を有する分子量100以上4000以下の化合物であってよい。
粘土(スミクレー、住友大阪セメント株式会社製)に上水道水を加え、密度を1.8g/cm3に調整した泥水を調製した。また、表1の添加剤と水とを撹拌混合して全体で10gの添加剤組成物を調製した。添加剤の量は、粘土に対する添加量が表1の値となるように調整した。
泥水360gに対し、添加剤組成物10gを添加し、ハンドミキサーで1分間撹拌した。得られた泥水をハンドタップにて脱気し、ベーンせん断抵抗値を測定した。測定には、ベーンせん断測定装置(テスコ社製ポケットベーン)を使用した。羽根(ベーン)は、20mm×40mmのものを使用した。結果を表1に示す。ベーンせん断抵抗値の値が小さいほど、泥水が低粘性であり、作業性が良好であることを意味する。
※2:ポリアクリル酸Na、重量平均分子量9000
粘土(スミクレー、住友大阪セメント株式会社製)に上水道水を加え、密度を1.8g/cm3に調整した泥水を350g調製した。さらに水酸化カルシウム5gと水5gを加え、ハンドミキサーで1分間撹拌した。また、表2の添加剤と水とを撹拌混合して全体で10gの添加剤組成物を調製した。添加剤の量は、粘土に対する添加量が表2の値となるように調整した。
泥水360gに対し、添加剤組成物10gを添加し、ハンドミキサーで1分間撹拌した。得られた泥水をハンドタップにて脱気し、ベーンせん断抵抗値を測定した。測定には、ベーンせん断測定装置(テスコ社製ポケットベーン)を使用した。羽根(ベーン)は、20mm×40mmのものを使用した。結果を表2に示す。
※4:ポリアクリル酸Na、重量平均分子量9000
粘土(スミクレー、住友大阪セメント株式会社製)に上水道水を加え、密度を1.8g/cm3に調整した泥水を調製した。
セメント40g及び表3の添加剤と水とを含有する混練水40gを混合してセメントミルクを調製した。添加剤の量は、セメントに対する添加量が表3の値となるように調整した。
泥水360gをハンドミキサーで1分間撹拌後、セメントミルクの全量を添加し、さらにハンドミキサーで1分間撹拌した。得られたソイルセメントをハンドタップにて脱気し、ベーンせん断抵抗値を測定した。測定には、ベーンせん断測定装置(テスコ社製ポケットベーン)を使用した。羽根(ベーン)は、20mm×40mmのものを使用した。結果を表3に示す。ベーンせん断抵抗値の値が小さいほど、ソイルセメントが低粘性であり、作業性が良好であることを意味する。
※6:ポリアクリル酸Na、重量平均分子量9000
表4に示す添加剤の25質量%水溶液又は35質量%水溶液を調製し、10℃での粘度を測定した。粘度は東機産業株式会社製TVB-10(B形粘度計)を用いM1ローター、12rpmの条件で測定した。結果を表4に示す。
実施例3(一部)と同様に、ただし、消泡剤を添加剤に対して3質量%の量で混練水に添加して、ソイルセメントの調製を行い、ベーンせん断抵抗値を測定した。結果を表5に示す。なお、消泡剤は、フォームレックス797(脂肪酸エステル系消泡剤、日華化学株式会社)を使用した。
実施例3(一部)と同様に、ただし、還元剤をセメントに対して表6の量となるように混練水に添加して、ソイルセメントの調製を行い、ベーンせん断抵抗値を測定した。結果を表6に示す。
Claims (11)
- オルト位多価フェノール骨格を有する分子量500以下の化合物を含有する、粘土含有組成物用添加剤であって、
粘土含有組成物が、地盤改良用又は土壌改良用である、
粘土含有組成物用添加剤。 - 粘土含有組成物が、ソイルセメントである、請求項1記載の粘土含有組成物用添加剤。
- 前記化合物が、ピロカテコール構造又はピロガロール構造を有する化合物である、請求項1又は2記載の添加剤。
- 前記化合物が、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、エーテル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する化合物である、請求項1~3の何れか1項記載の添加剤。
- 消泡剤を含有する、請求項1~4の何れか1項記載の添加剤。
- 還元剤を含有する、請求項1~5の何れか1項記載の添加剤。
- 土壌、水硬性粉体、水、及び請求項1~6の何れか1項記載の添加剤を含有する、ソイルセメント。
- 土壌、水硬性粉体、及び請求項1~6の何れか1項記載の添加剤を含有する、地盤改良体。
- 水硬性粉体、水、及び請求項1~6の何れか1項記載の添加剤を含有する地盤改良用スラリー。
- 請求項1~6の何れか1項記載の添加剤を含有する水硬性組成物を地盤と混合する、地盤の改良工法。
- オルト位多価フェノール骨格を有する分子量500以下の化合物の、粘土含有組成物用添加剤としての使用であって、
粘土含有組成物が、地盤改良用又は土壌改良用である、
使用。
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