JP6713389B2 - 水硬性組成物用分散剤組成物 - Google Patents

水硬性組成物用分散剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水硬性組成物用分散剤組成物、無機粉体用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、水硬性組成物の製造方法、及び分散性能の向上方法に関する。
水硬性組成物用の分散剤は、セメント粒子を分散させることにより、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させ、水硬性組成物の作業性等を向上させるために用いる化学混和剤である。分散剤としては、従来、リグニンスルホン酸塩等のリグニン系分散剤、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のナフタレン系分散剤、カルボン酸を有する単量体とアルキレングリコール鎖を有する単量体との共重合体等のポリカルボン酸系分散剤、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミン系分散剤等が知られている。リグニン系分散剤は、ポリカルボン酸系分散剤やメラミン系分散剤と比較して、材料や温度の変化に対する流動性発現の効果の変動が少なく、また得られる水硬性組成物の粘性が比較的低く、水硬性組成物の製造に際して使い易いという特徴がある。
特許文献1には、適切な空気量を一定時間保つことを目的として、セメント分散剤と脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤とを所定の重量比で含有するコンクリート混和剤が記載されている。特許文献2には、特定のポリアルキレンオキシド誘導体及び/又は特定の炭化水素誘導体を含有するセメント組成物のワーカビリティーを改良するためのワーカビリティー改良剤が記載されている。特許文献2には、前記ワーカビリティー改良剤と減水剤とを含有するセメント減水剤もまた記載されている。一方、界面活性剤をセメント混和剤として用いることも従来提案されている。特許文献3には、硫酸エステル型の陰イオン界面活性剤とポリオキシアルキレン系又は多価アルコール系の非イオン界面活性剤とを含有してなるセメント混和剤が記載されている。
特開昭61−281054号公報 特開2003−165755号公報 特開昭50−150724号公報
本発明は、流動性に優れた水硬性組成物が得られる水硬性組成物用分散剤組成物を提供する。
本発明は、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含み、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、水硬性組成物用分散剤組成物に関する。
Figure 0006713389
〔式中、
Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
Xは、O又はCOOであり、
Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
また、本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する水硬性組成物であって、
(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、
水硬性組成物に関する。
また、本発明は、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法であって、
(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)と(B)とを混合する、
水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する水硬性組成物の製造方法であって、
(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)と(B)とを混合する、
水硬性組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを混合して水硬性組成物を調製する際に、
(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように添加する、
(A)の水硬性粉体に対する分散性能の向上方法に関する。
また、本発明は、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する無機粉体用分散剤組成物であって、
(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、
無機粉体用分散剤組成物に関する。
以下、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物を(A)成分、(B)前記一般式(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)で表される化合物の一種以上を(B)成分として説明する。
本発明によれば、流動性に優れた水硬性組成物が得られる水硬性組成物用分散剤組成物が提供される。
〔水硬性組成物用分散剤組成物〕
本発明の効果発現機構の詳細は不明であるが、以下のように推定される。
(A)成分に含まれるベンゼン環などの芳香環を有する官能基及び(B)成分に含まれる基Rは疎水性が高い分子構造である。水硬性組成物中では、(A)成分に含まれるベンゼン環などの芳香環を有する官能基と、(B)成分に含まれる基Rとは、その高い疎水性によって水中で安定に存在するために集まって存在していることで、(A)成分と(B)成分は疑似的な会合体を形成すると考えられる。また、(B)成分中にスルホン酸基及び/又は所定の平均付加モル数のAO基を有することで、会合体全体の親水性及び斥力が向上すると考えられる。更に、(A)成分及び(B)成分の総量に対する(B)成分の質量比が0.02以上0.7以下であることで、(A)成分のみでは得られなかった斥力及び(B)成分のみでは得られなかった水硬性粉体への吸着力がバランス良く発現するため、水硬性組成物の流動性を向上させるものと推察される。
<(A)成分>
(A)成分は、リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物である。
リグニンスルホン酸又はその塩は、リグニンの分解物の一部を亜硫酸などでスルホン化されたもの又はその塩である。塩として、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩である。又これらに含まれる還元性糖類を限外ろ過により精製したものは、硬化遅延が低減されることから好ましい。
(A)成分は、木材から抽出されるリグニンを誘導体化して得られる高分子化合物である。(A)成分は、例えば、セメントや石膏などの水硬性粉体を含有する水硬性組成物用の分散剤として知られている。
リグニンスルホン酸又はその塩は、性能を損なわない限り、リグニンの分解物やスルホン化した際の副生成物等を含んでよい。
リグニンスルホン酸又はその塩は、例えば、BASF社製のマスターポゾリス#70、マスターポゾリス#72、日本製紙株式会社製のサンエキス252、日本シーカ社製のプラストクリートNCなどのような市販品を用いることができる。
メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、メラミンにホルムアルデヒドを反応させて得られたN−メチロール化メラミンに重亜硫酸塩を反応させてメチロール基の一部をスルホメチル化し、次いで酸を加えてメチロール基を脱水縮合させてホルムアルデヒド縮合物とし、アルカリで中和して得られる公知の化合物である(例えば特公昭63−37058号公報参照)。アルカリとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、モノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アミン、モノ、ジ、トリアルカノール(炭素数2〜8)アミン等を挙げることができる。
市販品として、マイテイ150V−2(花王(株)製)、SMF−PG(日産化学工業(株))、メルフロー(三井化学(株))、メルメントF−10(昭和電工(株)製)、スーパーメラミン(日産化学社製)、フローリックMS(フローリック社製)、メルメントF4000、メルメントF10M、メルメントF245(いずれもBASFジャパン社製)等がある。
メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の分子量は、好ましくは1000以上、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上、そして、好ましくは10万以下、より好ましくは5万以下、更に好ましくは2万以下である(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、ポリスチレンスルホン酸換算)。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(A)成分を、固形分中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは95質量%以下、より更に好ましくは80質量%以下含有する。
なお、水硬性組成物用分散剤組成物について、固形分とは、水以外の成分をいう。
<(B)成分>
(B)成分は、前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物、及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物である。
本発明は、一般式(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)中、Rが、炭素数が10以上27以下の炭化水素基及び置換基を含む炭素数が10以上27以下の炭化水素基である水硬性組成物用分散剤組成物を包含する。
特定の炭素数のRを有する一般式(B1)、(B2)、(B3)又は(B4)で表される化合物の疎水性相互作用の強さが、本発明の効果に関与しているものと考えられる。
例えば界面活性剤は、水中で安定に存在するために、親水基を水側に、疎水基を内側にしてミセル等を形成することで、できる限り疎水基が水と接触する面積を小さくしようとする。(A)成分に含まれるベンゼン環などのリグニン骨格やメラミンにおけるトリアジン骨格は非常に疎水性の高い構造であり、(B)成分に含まれる基Rも、所定の炭素数を有することで、非常に疎水性の高い構造となる。そのため水中では、水との接触面積を小さくするために(A)成分のフェノール環と(B)成分の基Rは疎水基同士で集まっており、その結果本発明の効果を発現するのに適した会合体を形成しているものと考えられる。本発明では、Rの炭素数が10以上27以下であることで、(A)成分と(B)成分が会合体となり、その結果、(A)成分のみでは得られなかった斥力及び(B)成分のみでは得られなかった水硬性粉体への吸着力が発現するため、水硬性組成物の流動性を向上させるものと推察される。つまり、本発明の効果を発現するのに適した会合体の形成には、(B)成分に含まれる基AOよりも基Rの方が、影響が大きいものと考えられる。
一般式(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)中、Rは、炭化水素基及び置換基を含む炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、炭化水素(芳香環)の水素原子の1つ、2つ又は3つが置換されたアリール基(以下、置換アリール基という)などが挙げられる。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基が好ましい。
置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
Rの炭素数は、10以上、好ましくは12以上、そして、27以下、好ましくは26以下、より好ましくは24以下から選択できる。
Rのアルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。
Rのアルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。
ここで、アルキル基又はアルケニル基についての第1級とは、当該アルキル基又はアルケニル基の炭素原子のうち、他の基と結合する炭素原子が第1級炭素原子であることを意味する。例えば、Rでは、アルキル基又はアルケニル基の炭素原子のうち、O又はNと結合する炭素原子が第1級炭素原子であることを意味する。
Rの置換アリール基は、炭化水素基で置換されたアリール基であり、炭素数13以上27以下の置換アリール基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、ジスチレン化フェニル基、及びトリスチレン化フェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
Rは、経済的な観点から、好ましくはアルキル基又は置換アリール基である。
Rは、水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
Rのアルキル基又はアルケニル基は、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基である。
各一般式中のRは、アルキル基、アルケニル基、及び置換アリール基から選ばれる基が好ましい。
各一般式中のRは、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、モノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、モノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、モノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。なお、一般式(B1)中のXがCOOの場合、Rとしては、これらの基のうち環構造を持たない基については、炭素数を1つ減じた基を例示することができる。例えば、デシル基の代わりにノニル基が、ラウリル基の代わりにドデシル基が例示される。
Rの具体例として、炭素数10以上、好ましくは12以上、そして、27以下、好ましくは26以下、より好ましくは24以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
Rの他の具体例として、炭素数10以上、好ましくは12以上、そして、27以下、好ましくは26以下、より好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基、並びに、炭素数13以上27以下の置換アリール基から選ばれる基が挙げられる。
Rの他の具体例として、
炭素数10以上、好ましくは12以上、そして、27以下、好ましくは26以下、より好ましくは24以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基、及び
炭素数10以上、好ましくは12以上、そして、27以下、好ましくは26以下、より好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基
から選ばれる基が挙げられる。
また、Rの他の具体例として、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、スチレン化したフェニル基が挙げられる。これらの基は、具体的には、ベンジル基で置換された炭素数13以上27以下のフェニル基、及び炭素数14以上27以下のスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B1)中、Xは、O又はCOOであり、好ましくはOである。
一般式(B1)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。一般式(B1)では、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B1)中、nは、AOの平均付加モル数であり、セメント分散性の観点から1以上200以下である。nは、流動性向上の観点から、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、より更に好ましくは30以上、より更に好ましくは40以上、より更に好ましくは50以上であり、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点から、好ましくは150以下、より好ましくは100以下の数である。
一般式(B1)中、Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基及びn−ブチル基が挙げられる。
(B)成分において、一般式(B1)で表される化合物を2種以上含む場合、nは、それぞれの化合物について、当該化合物の(B)成分中のモル分率と当該化合物のAOの付加モル数との積を求め、全ての化合物の前記積の値を合計することにより求めることができる。
一般式(B1)で表される化合物の全量中、Rの炭素数が18以上である化合物の割合が多いことが、流動性向上の観点から好ましい。
一般式(B1)で表される化合物の全量中、Rの炭素数が18以上である化合物の割合は、流動性向上の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
一般式(B1)で表される化合物の全量中、Rの炭素数が18以上である化合物の割合は、流動性向上の観点から、100質量%であってもよい。
一般式(B1)で表される化合物は、HLB(デイビス法)が、流動性の観点から、好ましくは0以上であり、より好ましくは1以上、更に好ましくは3以上、より更に好ましくは5以上であり、そして、好ましくは150以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは80以下、より更に好ましくは60以下である。従って、(B)成分の該化合物として、前記一般式(B1)で表される、HLB(デイビス法)が0以上の化合物が挙げられる。なお、一般式(B1)の化合物のHLBは、構造から算出できる。
一般式(B2)中、p、は、AOの平均付加モル数であり、分散性の観点から、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より更に好ましくは20以上、より更に好ましくは50以上、そして、経済的な観点から、200以下、好ましくは150以下、より好ましくは100以下の数である。
一般式(B3)及び(B4)中、q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。分散性の観点から、q+rは、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、より更に好ましくは10以上、より更に好ましくは20以上、より更に好ましくは50以上、そして、経済的な観点から、200以下、好ましくは150以下、より好ましくは100以下の数である。
一般式(B2)及び(B4)中、M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
M、M、及びMは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
M、M、及びMは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
一般式(B3)中、X、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。炭化水素基は、好ましくはアルキル基である。X、及びXは、それぞれ、好ましくは水素原子である。
本発明は、一般式(B1)、(B2)、(B3)及び(B4)の構造をこれらの好ましい事項に置き換えて定義された化合物を(B)成分とする発明を包含する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、流動性向上の観点から、(B)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、より更に好ましくは45質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、流動性向上の観点から、(A)成分と(B)成分の質量比が、(B)/[(A)+(B)]で、好ましくは0.020以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.04以上、より更に好ましくは0.05以上、より更に好ましくは0.06以上であり、そして、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、より更に好ましくは0.2以下である。(B)/[(A)+(B)]の質量比は、(B)成分の含有量/[(A)成分の含有量+(B)成分の含有量]の質量比である。なお、前記質量比は、イオン交換クロマトグラフィーやH−NMRなどを用いて測定した結果から算出することができる。
<その他の成分>
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、更に、(C)消泡剤〔以下、(C)成分という〕を含有することができる。
(C)成分としては、シリコーン系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、エーテル系消泡剤、ポリアルキレンオキシド系消泡剤、アルキルリン酸エステル系消泡剤、及びアセチレングリコール系消泡剤から選ばれる1種以上の消泡剤が挙げられる。
消泡剤、更に脂肪酸エステル系消泡剤及びエーテル系消泡剤のHLB(デイビス法)は、0未満が好ましい。また、消泡剤、更に脂肪酸エステル系消泡剤及びエーテル系消泡剤のHLB(グリフィン法)は、8以下が好ましい。また、消泡剤の1質量%水懸濁液は、目視で分離又は白濁していることが好ましい。また、消泡剤の1質量%水懸濁液の濁度は、100NTU以上であることが好ましい。また、消泡剤は、起泡性が無いことが好ましい。なお、前記1質量%水懸濁液の濁度は、ポータブル濁度計TN100IR(ニッコー・ハンセン株式会社製)を用いて測定することができる。
(C)成分としては、シリコーン系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、及びエーテル系消泡剤から選ばれる1種以上の消泡剤が好ましい。
シリコーン系消泡剤は、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
脂肪酸エステル系消泡剤は、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルが好ましい。
エーテル系消泡剤は、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルが好ましい。
ポリアルキレンオキシド系消泡剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体が好ましい。
アルキルリン酸系消泡剤では、リン酸トリブチル、リン酸イソトリブチル、ナトリウムオクチルホスフェートが好ましい。
アセチレングリコール系消泡剤では2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール又はそのアルキレンオキシド付加物が好ましい。
シリコーン系消泡剤は、水と相溶性のある乳化タイプが好ましい。水と相溶性のある乳化タイプのシリコーン系消泡剤の市販品としては、KM−70、KM−73A〔何れも信越シリコーン(株)〕、TSAシリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)、FSアンチフォームシリーズ〔東レ・ダウコーニング(株)〕、アンチフォームE−20〔花王(株)〕等が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤であるポリアルキレングリコール脂肪酸エステルの市販品としては、レオドールTW−L120〔花王(株)〕、ニコフィックス、フォームレックス〔何れも日華化学(株)〕等が挙げられる。
エーテル系消泡剤であるポリアルキレングリコールアルキルエーテルの市販品としては、消泡剤No.1、消泡剤No.5、消泡剤No.8〔何れも花王(株)〕や、SNデフォーマー15−P、フォーマスターPC〔何れもサンノプコ(株)〕、アデカプルロニックシリーズ〔(株)アデカ〕等が挙げられる。
ポリアルキレンオキシド系消泡剤のうちポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドのブロック共重合体の市販品としては、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、例えばPLURONIC(商標)製品〔BASF社〕等が挙げられる。
アセチレングリコール系消泡剤の市販品としては、SURFYNOL(商標)400シリーズ〔エアープロダクツアンドケミカルズ社〕等が挙げられる。
(C)成分としては、強度低下を抑制できる観点から、脂肪酸エステル系消泡剤が好ましい。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(C)成分を、固形分中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下含有する。
一般に、起泡性の高い化合物は、コンクリートなどの水硬性組成物に添加することで、系内に泡が連行されて、JIS A−6204に記載のAE減水剤のように流動性が向上することがある。一方で、一般に、消泡剤は、コンクリートなどの水硬性組成物中に巻き込まれた泡を消すことができるため、水硬性組成物の硬化体の空隙が減少し、強度の低下を防ぐことができる。そのため、(B)成分のような起泡性の高い化合物と消泡剤を併用することは、強度低下を抑制する観点からは好ましいが、流動性を向上する観点からは好ましくないと考えられていた。しかし、本発明では、消泡剤を用いても、水硬性組成物の流動性を維持したまま強度の低下を抑制することができるため、泡による流動性の向上とは異なる効果が得られる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、従来のセメント分散剤、水溶性高分子化合物、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、防腐剤などの成分〔(A)〜(C)成分に該当するものを除く〕を含有することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、形態が、液体、固体の何れでもよい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物が液体の場合は、水を含有することが好ましい。
水硬性組成物用分散剤組成物が水を含有する液体である場合の水の含有量は、水硬性組成物を調製する際の作業性の観点から、該組成物中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、経済性の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が水を含有する液体である場合の(A)成分の含有量は、水硬性組成物の流動性を向上する観点から、該組成物中、好ましくは7質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは89質量%以下、より好ましくは84質量%以下、更に好ましくは79質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が水を含有する液体である場合の(B)成分の含有量は、水硬性組成物の流動性を向上する観点から、該組成物中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは11質量%以上であり、そして、好ましくは83質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が水を含有する液体である場合の(A)成分と(B)成分の合計の含有量は、水硬性組成物の流動性を向上する観点から、該組成物中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が水を含有する液体であり、(C)成分を含有する場合の(C)成分の含有量は、消泡性の観点から、該組成物中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
〔無機粉体用分散剤組成物〕
本発明の無機粉体用分散剤組成物に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の無機粉体用分散剤組成物では、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である。この質量比の好ましい範囲は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物と同じである。
本発明の無機粉体用分散剤組成物に用いられる(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
無機粉体としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。無機粉体のうち、水硬性粉体に対して用いるものが、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物である。
(1)セメント、石膏などの水硬性粉体
(2)フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、けい酸白土などのポソラン作用を持つ粉体
(3)石炭灰、高炉スラグ、けい藻土などの潜在水硬性粉体
(4)カオリン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、セリサイト、ベントナイトなどのケイ酸塩
(5)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛などの炭酸塩
(6)硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩
(7)ストロンチウムクロメート、ピグメントイエローなどのクロム酸塩
(8)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸マグネシウムなどのモリブデン酸塩
(9)アルミナ、酸化アンチモン、酸化チタニウム、酸化コバルト、四酸化三鉄、三酸化ニ鉄、四酸化三鉛、一酸化鉛、酸化クロムグリーン、三酸化タングステン、酸化イットリウムなどの金属酸化物
(10)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、メタチタン酸などの金属水酸化物
(11)炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化チタンなどの金属炭化物
(12)窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、チタン酸バリウム、サチンホワイト、カーボンブラック、グラファイト、クロムイエロー、硫化水銀、ウルトラマリン、パリスブルー、チタニウムイエロー、クロムバーミリオン、リトポン、アセト亜ヒ酸銅、ニッケル、銀、パラジウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの、上記に(1)〜(11)に分類されない他の無機粉体
本発明の無機粉体用分散剤組成物は、無機粉体スラリーに用いることができる。無機粉体スラリーは、無機粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分とを含有するスラリーであって、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である。無機粉体が水硬性粉体である場合、スラリーは、本発明の水硬性組成物である。
本発明のスラリーに用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。また、本発明のスラリーでは、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である。この質量比の好ましい範囲は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物と同じである。
無機粉体スラリーとしては、例えば無機粉体として高炉スラグを使用したスラリー(以下、高炉スラグスラリーという)が挙げられる。高炉スラグスラリーは、高炉スラグ100質量部に対して、本発明の無機粉体用分散剤組成物を、固形分で0.01質量部以上5.0質量部含有することが好ましい。高炉スラグスラリーは、高炉スラグ100質量部に対して、水を、好ましくは40質量部以上、より好ましくは45質量部以上、そして、好ましくは250質量部、より好ましく230質量部以下含有する。また、高炉スラグスラリーは、(C)成分を含有することが好ましい。高炉スラグスラリーは、(B)成分と(C)成分の質量比が、(C)/(B)で、好ましくは0.00001以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
〔水硬性組成物〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分とを含有する水硬性組成物であって、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、水硬性組成物を提供する。
本発明の水硬性組成物には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物に使用される水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくは普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントである。また、セメント等に高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポソラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。
本発明の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)、通常W/Pと略記されるが、粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕が、10質量%以上、又は15質量%以上であり、そして、500質量%以下、又は400質量%以下、又は200質量%以下、又は100質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、又は50質量%以下である。
水/水硬性粉体比は、水が少ない配合でも流動性を発現できる点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、地盤改良用セメントミルクなどの高い強度が求められない用途に対応できる点から、好ましくは500質量%以下、より好ましくは400質量%以下、更に好ましくは200質量%以下、より更に好ましくは100質量%以下である。
水/水硬性粉体比は、水が少ない配合でも流動性を発現できる点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、コンクリート製品などの比較的高い強度が求められる用途に対応できる点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
本発明の水硬性組成物に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、より更に好ましくは0.04質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.0002質量部以上、更に好ましくは0.0003質量部以上、より更に好ましくは0.0004質量部以上、より更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは7質量部以下、より更に好ましくは6質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、より更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、更に、(C)成分として、消泡剤を含有することができる。消泡剤の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。(C)成分を用いる場合、本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.00005質量部以上、より好ましくは0.00025質量部以上、更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.075質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有することが好ましい。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1000kg/m以上であり、そして、好ましくは2000kg/m以下、より好ましくは1800kg/m以下、更に好ましくは1700kg/m以下である。
水硬性組成物としては、コンクリート等が挙げられる。なかでもセメントを用いたコンクリートが好ましい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。
本発明の水硬性組成物は、更にその他の成分を含有することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、等が挙げられる。
〔水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法であって、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)成分と(B)と成分を混合する、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法を提供する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。更に、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを混合して、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物を製造することもできる。(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法では、(B)/[(A)+(B)]の質量比は、(B)成分の混合量/[(A)成分の混合量+(B)成分の混合量]の質量比に置き換えることができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を製造する方法として好適である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法としては、(A)成分と(B)成分と水とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法が挙げられる。この場合、(A)成分と(B)成分と水との混合は、性能を低下させない範囲で任意の方法で行うことができる。例えば、(B)成分の凝固点以上に加熱した(A)成分の水溶液及び(B)成分を攪拌機で混合する方法や、(A)成分及び(B)成分をそれぞれ水に溶解させ、(A)成分の水溶液と(B)成分の水溶液とを混合する方法を用いることができる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分とを混合する水硬性組成物の製造方法であって、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)成分と(B)と成分を混合する、水硬性組成物の製造方法を提供する。
本発明では、(A)成分と(B)成分とを別々に水硬性粉体と混合して水硬性組成物を製造しても良いが、予め(A)成分と(B)成分とを混合して、水硬性粉体と混合するのが好ましい。水硬性組成物の製造では、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を用いることがより好ましい。
本発明の水硬性組成物の製造方法には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物及び水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(B)/[(A)+(B)]の質量比は、(B)成分の混合量/[(A)成分の混合量+(B)成分の混合量]の質量比に置き換えることができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
更に、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを混合して、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物を製造することもできる。(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、及び水硬性組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、より更に好ましくは0.04質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.0002質量部以上、更に好ましくは0.0003質量部以上、より更に好ましくは0.0004質量部以上、より更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは7質量部以下、より更に好ましくは6質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、より更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、更に、(C)成分として、消泡剤を混合しても良い。消泡剤の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。(C)成分を用いる場合、本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.00005質量部以上、より好ましくは0.00025質量部以上、更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.075質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(A)成分及び(B)成分とセメント等の水硬性粉体とを円滑に混合する観点から、(A)成分、(B)成分と水とを予め混合し、水硬性粉体と混合することが好ましい。水を含有する本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を用いることができる。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、セメント等の水硬性粉体と、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物とを混合する方法が好ましい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、粉末であっても液体であってもよい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、水硬性粉体に対して、(A)成分、(B)成分、更には(C)成分が、前述の添加量となるように添加されることが好ましい。具体的には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を固形分の質量部として、水硬性粉体100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは0.9質量部以下混合する。
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
得られた水硬性組成物は、更に、水硬性組成物を型枠に充填し養生し硬化させる。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために加熱養生し、硬化を促進させても良い。ここで、加熱養生は、40℃以上80℃以下の温度で水硬性組成物を保持して硬化を促進することができる。
本発明により、
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分とを混合して水硬性組成物を調製する工程であって、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)成分と(B)と成分を混合する工程、
調製された前記水硬性組成物を型枠に充填し、養生し、硬化させる工程、及び、
硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、
を有する硬化体の製造方法が提供される。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、この硬化体の製造方法にも適用することができる。
コンクリート製品である型枠を用いる水硬性組成物の硬化体としては、土木用製品では、護岸用の各種ブロック製品、ボックスカルバート製品、トンネル工事等に使用されるセグメント製品、橋脚の桁製品等が挙げられ、建築用製品では、カーテンウォール製品、柱、梁、床板に使用される建築部材製品等が挙げられる。
〔分散性能の向上方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分とを混合して水硬性組成物を調製する際に、(B)成分を、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように添加する、(A)成分の水硬性粉体に対する分散性能の向上方法を提供する。(A)成分は水硬性粉体用の分散剤として知られ、その分散性能によって水硬性組成物の流動性が向上する。そして、(B)成分を前記質量比で併用することにより、(A)成分を単独で用いた場合よりも、水硬性組成物の流動性が向上する。すなわち、(B)成分を前記質量比で添加することで、(A)成分の水硬性粉体に対する分散性能を向上させるといえる。
本発明の分散性能の向上方法に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の分散性能の向上方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の分散性能の向上方法に適宜適用することができる。
また、本発明の分散性能の向上方法では、(B)成分を、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように添加する。この質量比の好ましい範囲は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物と同じである。
<実施例1及び比較例1>
(1)モルタルの調製
モルタルミキサー(株式会社ダルトン製 万能混合撹拌機 型式:5DM−03−γ)を用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りをモルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて10秒行い、(A)成分、(B)成分、及び消泡剤を含む練り水(W)を加えた。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて120秒間本混練りしてモルタルを調製した。
モルタルの配合条件は、セメント400g、細骨材700g、水/セメント比(W/C)は45質量%とした。
用いた成分は以下のものである。
・水(W):上水道水(水温22℃)
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント/住友大阪セメント=1/1、質量比) 密度3.16g/cm
・細骨材(S):城陽産山砂 密度2.55g/cm
・(A)成分:リグニンスルホン酸Na塩(マスターポゾリスNo.70、BASF社製)、表中、分散剤Aと表示した。
・(B)成分:表1に示す化合物を用いた。表1の化合物のかっこ内の数字は、エチレンオキサイド平均付加モル数であり、一般式(B1)中のn、一般式(B2)中のp、一般式(B)、(B)中のq+rを示す。なお、表1では、(B)成分に該当しない化合物も便宜的に(B)成分の欄に示した。
・消泡剤:フォームレックス797(日華化学社製)を上記モルタル配合に0.05g添加した。
(2)流動性の評価
JIS R 5201の試験方法に従って、調製したモルタルのフローを測定した。ただし、落下運動を与える操作は行っていない。結果を表1に示した。
Figure 0006713389
*1 添加量:セメント100質量部に対する(A)成分又は(B)成分の添加量(質量部)(以下の実施例、比較例でも同様)
*2 Rの炭素数:一般式(B1)〜(B4)中のRに相当する基の炭素数(以下の実施例、比較例でも同様)
*3 合計添加量:セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の添加量(質量部)(以下の実施例、比較例でも同様)
<実施例2及び比較例2>
実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。ただし、(B)成分として表2の化合物を用い、セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の添加量は0.8質量部とした。結果を表2に示した。
Figure 0006713389
<実施例3及び比較例3>
実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。ただし、モルタルの配合条件の水/セメント比(W/C)は水の量を変更して35質量%とし、セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の添加量は1.5質量部とした。結果を表3に示した。
Figure 0006713389
<実施例4及び比較例4>
実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。ただし、(B)成分として表4の化合物を用い、セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の添加量は0.80質量部(一部の比較例では0.72質量部)とした。結果を表4に示した。
Figure 0006713389
*1 ポリオキシエチレン(13)ジスチレン化フェニルエーテル:モノスチレン化物、ジスチレン化物、及びトリスチレンスチレン化物を含み、平均組成がジスチレン化物となるもの。
<実施例5及び比較例5>
実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。ただし、(A)成分として下記分散剤Bを用い、セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分の合計の添加量は0.40から0.70質量部とした。結果を表5に示した。
分散剤B:メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物(マイテイ150V−2、花王(株)製)
Figure 0006713389

Claims (14)

  1. (A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含み、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、水硬性組成物用分散剤組成物。
    Figure 0006713389

    〔式中、
    Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
    Xは、O又はCOOであり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  2. 更に、(C)消泡剤を含有する、請求項1記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  3. (A)が、リグニンスルホン酸又はその塩である、請求項1又は2記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  4. 水硬性粉体と、水と、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する水硬性組成物であって、
    (B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、
    水硬性組成物。
    Figure 0006713389

    〔式中、
    Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
    Xは、O又はCOOであり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  5. 更に、(C)消泡剤を含有する、請求項4記載の水硬性組成物。
  6. (A)が、リグニンスルホン酸又はその塩である、請求項4又は5記載の水硬性組成物。
  7. 水硬性粉体100質量部に対して、(A)を0.001質量部以上10質量部以上含有する、請求項4〜6の何れか1項記載の水硬性組成物。
  8. 水硬性粉体100質量部に対して、(B)を0.0001質量部以上10質量部以上含有する、請求項4〜7の何れか1項記載の水硬性組成物。
  9. (A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法であって、
    (B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)と(B)とを混合する、
    水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法。
    Figure 0006713389

    〔式中、
    Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
    Xは、O又はCOOであり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  10. 水硬性粉体と、水と、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する水硬性組成物の製造方法であって、
    (B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように、(A)と(B)とを混合する、
    水硬性組成物の製造方法。
    Figure 0006713389

    〔式中、
    Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
    Xは、O又はCOOであり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  11. 水硬性粉体と、水と、(A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを混合して水硬性組成物を調製する際に、
    (B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を、(B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下となるように添加する、
    (A)の水硬性粉体に対する分散性能の向上方法。
    Figure 0006713389

    〔式中、
    Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
    Xは、O又はCOOであり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  12. (A)リグニンスルホン酸、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、及びそれらの塩から選ばれる1種以上の化合物と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物とを含有する無機粉体用分散剤組成物であって、
    (B)/〔(A)+(B)〕の質量比が0.02以上0.7以下である、
    無機粉体用分散剤組成物。
    Figure 0006713389

    〔式中、
    Rは、炭素数10以上27以下の炭化水素基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    nは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上200以下の数であり、
    Xは、O又はCOOであり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  13. 更に、(C)消泡剤を含有する、請求項12記載の無機粉体用分散剤組成物。
  14. (A)が、リグニンスルホン酸又はその塩である、請求項12又は13記載の無機粉体用分散剤組成物。
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