JP7018043B2 - 水硬性組成物用添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物、及び水硬性組成物の製造方法に関する。
土木、建築などの分野では、土壌、セメントなどの様々な無機粒子を含有する組成物が様々な用途で用いられている。
コンクリート、モルタルなどの水硬性組成物は、例えば、セメント系固化材と砂、砂利などの骨材と水とを混合して調製される。一般に、水硬性組成物には、そのワーカビリティ、流動性、強度、凝結時間、硬化時間などを調整するために、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤などの、様々な化学混和剤が用いられる。
特許文献1には、高性能減水剤を添加したコンクリートのセメント分に対し、多価フェノール類又は多価フェノール類と糖類とを所定量添加する、高性能減水剤を添加したコンクリートのワーカビリティ改良法が開示されている。
特許文献2には、低熱ポルトランドセメントを含む結合材と、加水分解性タンニン化合物と、グルコン酸塩とからなる低発熱・低自己収縮型セメント組成物が開示されている。
特許文献3には、ニトロカテコール及び/又はシアノカテコールからなる水硬性組成物用添加剤が開示されている。
特許文献4には、所定量の速硬性セメントを含むセメント組成物100質量部に対し、カテコール、及び所定の置換カテコールから選ばれる1種以上のカテコール系硬化促進剤を、0.03~2質量部含有する、3Dプリンタ用セメント系材料が開示されている。
特開昭57-175765号公報 特開2002-241167号公報 特開2013-91583号公報 特開2018-52766号公報
水硬性組成物に用いられる骨材は、例えば、コンクリートの体積の約7割程度を占めるといわれており、その品質がコンクリートなどの水硬性組成物の諸性質に及ぼす影響は大きい。しかし、骨材は、天然資源から入手されることから、産地やロットによる品質のぶれが生じることが多い。例えば、同程度の粒度、粒径の骨材であっても、産地により、粘土の含有量が異なる場合がある。骨材の中の粘土の量は、水硬性組成物の性状、例えば、流動性などに影響を及ぼすことがある。そのため、骨材中の粘土の含有量によらず、安定した品質の水硬性組成物が得られることが望まれる。
水硬性組成物には、水硬性粉体用の分散剤が用いられることが多い。水硬性粉体用分散剤として、ポリカルボン酸エーテル系分散剤、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物系分散剤などが知られているが、本発明者らは、ポリカルボン酸エーテル系分散剤の性能が骨材中の粘土の影響をより受けやすいことを見出した。ポリカルボン酸エーテル系分散剤は、分散性、機能性、性能設計の自由度などに優れているため、骨材中の粘土の影響を受けずに使用できれば、利用価値は更に向上すると考えられる。
本発明は、粘土の含有量が異なる骨材を用いた場合でも、安定した流動性を水硬性組成物に付与できる、ポリカルボン酸エーテル系分散剤を用いた水硬性組成物用添加剤を提供する。
本発明は、(A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物、及び(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤を含有する、水硬性組成物用添加剤に関する。
また、本発明は、水硬性粉体、骨材、(A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物、(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤、及び水を含有する、水硬性組成物に関する。
また、本発明は、水硬性粉体、骨材、(A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物、(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤、及び水を混合する、水硬性組成物の製造方法に関する。
以下、(A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物を(A)成分、(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤を(B)成分として説明する。
本発明によれば、粘土の含有量が異なる骨材を用いた場合でも、安定した流動性を水硬性組成物に付与できる、ポリカルボン酸エーテル系分散剤を用いた水硬性組成物用添加剤が提供される。
<水硬性組成物用添加剤>
(A)成分のオルト位多価フェノール骨格を有する化合物は、同一の芳香環において2つの水酸基がオルト位に存在する構造を有する化合物である。(A)成分は、水酸基を2つ以上有する。また、(A)成分は、環状構造を1つ以上有する。芳香環はベンゼン環が好ましい。(A)成分をポリカルボン酸エーテル系分散剤と併用すると、粘土の含有量が異なる骨材を用いた場合でも、安定した流動性を水硬性組成物に付与することができる。
(A)成分は、好ましくは分子量100以上、更に好ましくは120以上である。また、(A)成分は、好ましくは分子量4000以下、更に好ましくは2000以下、より更に好ましくは1000以下、より更に好ましくは500以下である。
本発明は、(A)成分が、この範囲の分子量を有するオルト位多価フェノール骨格を有する化合物である、水硬性組成物用添加剤を含む。すなわち、本発明は、オルト位多価フェノール骨格を有する分子量100以上4000以下の化合物を含有する、水硬性組成物用添加剤を含む。
(A)成分としては、ピロカテコール構造又はピロガロール構造を有する化合物が挙げられる。
(A)成分としては、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、エーテル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する化合物、更に、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基及びエステル基から選ばれる1種以上の基を有する化合物が挙げられる。前記エステル基は、-COORで表される基である。Rは炭素数1以上6以下のアルキル基が挙げられる。前記エーテル基は、-O-で表される基である。前記炭化水素基は、アルキル基が好ましい。前記炭化水素基の炭素数は1以上8以下が好ましい。前記炭化水素基は、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。
(A)成分としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007018043000001
〔式中、Xは、水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる基であり、複数存在する場合、同一でも異なっていてもよい。nは0以上4以下の数である。〕
一般式(A1)中、Xは、水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、及びエステル基から選ばれる基が好ましい。
nは、0、1又は2が好ましい。
Xのスルホン酸基、カルボン酸基は、それぞれ、塩となっていてもよい。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩(1/2原子)などが挙げられる。
Xのエステル基は、-COORで表される基である。Rは炭素数1以上6以下のアルキル基が挙げられる。
(A)成分は、分散性を上げ、水硬性組成物の粘度を下げる観点では、水酸基を2つ有する二価フェノール型の化合物よりも、水酸基を3つ有する三価フェノール型の化合物の方が好ましい。また、その上で、水酸基以外の置換基を有することも好ましい。この観点で、一般式(A1)中、nが1でXが水酸基である化合物、及びnが2でXの一方が水酸基であり、Xの他方が水酸基以外の基である化合物から選ばれる化合物が挙げられる。
(A)成分は、静電斥力を付与し、水硬性組成物の粘度を下げる観点では、前記置換基として、ゼータ電位を付与できるようなアニオン基を有する化合物が好ましく、スルホン酸基を有する化合物がより好ましく、スルホン酸基を2つ以上、更に2つ有する化合物が更に好ましい。この観点で、一般式(A1)中、nが2で、2つのXが共にスルホン酸基である化合物が好ましい。
また、海成粘土など多価イオンが存在する組成物を対象とする場合は、(A)成分は、スルホン酸基又は非イオン性置換基を有することが好ましい。この観点で、一般式(A1)中、Xは、スルホン酸基、エステル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる基が好ましい。
一般式(A1)中、nが0である化合物又はnが1以上でXが水酸基以外の基、例えばスルホン酸基、カルボン酸基及びエステル基から選ばれる基である化合物は、ピロカテコール構造を有する化合物である。ピロカテコール構造を有する化合物として、例えば、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0007018043000002
一般式(A1)中、nが1でXが水酸基である化合物は、ピロガロール構造を有する化合物である。ピロガロール構造を有する化合物として、例えば、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0007018043000003
一般式(A1)中、nが2であり、Xの一方が水酸基であり、Xの他方がカルボン酸基及びエステル基から選ばれる基である化合物は、没食子酸構造を有する化合物である。没食子酸構造を有する化合物として、没食子酸、没食子酸塩、及び没食子酸エステルから選ばれる化合物が挙げられる。具体的には、例えば、下記の化合物が挙げられる。
Figure 0007018043000004
他の(A)成分として、芳香族オルト位多価ポリフェノールが挙げられる。芳香族オルト位多価ポリフェノールとしては、カテキンなどが挙げられる。
また、他の(A)成分として、芳香族オルト位多価縮合環化合物が挙げられる。芳香族オルト位多価縮合環化合物としては、オルト位多価ナフタレンが挙げられる。より具体的には、2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸又はその塩などが挙げられる。
本発明は、(A)成分が、ピロカテコール構造を有する化合物である添加剤を含む。
本発明は、(A)成分が、ピロガロール構造を有する化合物である添加剤を含む。
本発明は、(A)成分が、没食子酸構造を有する化合物である添加剤を含む。
また、本発明の添加剤として、下記一般式(A1-1)で表される化合物を含有する、水硬性組成物用添加剤が挙げられる。
Figure 0007018043000005
〔式中、Mは水素原子又はアルカリ金属、好ましくはアルカリ金属であり、n1は1以上4以下、好ましくは2以下、より好ましくは2の数である。〕
また、本発明の添加剤として、下記一般式(A1-2)で表される化合物を含有する、水硬性組成物用添加剤が挙げられる。
Figure 0007018043000006
〔式中、Xは、水酸基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる基、好ましくは水酸基、カルボン酸基、及びエステル基から選ばれる基であり、複数存在する場合、同一でも異なっていてもよい。n2は0以上、好ましくは1以上、そして、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の数である。〕
(B)成分のポリカルボン酸エーテル系分散剤としては、下記一般式(B1)で示される単量体(B1)と下記一般式(B2)で示される単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体が好ましい。
Figure 0007018043000007
〔式中、
1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
3b:水素原子又は-COO(AO)n1
4b:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
q:0以上2以下の数
p:0又は1
を示す。〕
Figure 0007018043000008
〔式中、
5b、R6b、R7b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
一般式(B1)中、R1bは、流動性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(B1)中、R2bは、流動性の観点から、メチル基が好ましい。
一般式(B1)中、R3bは、流動性の観点から、水素原子が好ましい。
一般式(B1)中、R4bは、流動性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。一般式(B1)中、pが0のとき、R4bは、水素原子が好ましい。
一般式(B1)中、AOは、流動性の観点から、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B1)中、n1は、AOの平均付加モル数であり、流動性の観点から、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、そして、300以下、好ましくは250以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、より更に好ましくは100以下、より更に好ましくは70以下、より更に好ましくは50以下、より更に好ましくは30以下である。
一般式(B1)中、流動性の観点から、pは、0が好ましい。pが0のとき、qは1又は2が好ましい。pが1のとき、qは0が好ましい。
単量体(B1)を製造する際に酸触媒としてスルホン酸を使用することがある。例えば、特開2008-214638号公報にそのような方法の記載がある。本発明の(B)成分を製造する際は、本発明の効果を損なわない限り、そのような方法で製造された単量体(B1)とスルホン酸とを含む混合物を、そのまま用いることができる。
一般式(B2)中、流動性の観点から、R5bは、水素原子が好ましい。
一般式(B2)中、流動性の観点から、R6bは、水素原子又はメチル基が好ましい。
一般式(B2)中、流動性の観点から、R7bは、水素原子が好ましい。
(CHCOOMについては、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
とMは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基である。
、Mのアルキル基、ヒドロアルキル基、及びアルケニル基は、それぞれ、炭素数1以上4以下が好ましい。
とMは、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、又はアルキルアンモニウム基が好ましく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)が更に好ましく、水素原子、又はアルカリ金属がより更に好ましい。
流動性の観点から、一般式(B2)中の(CHCOOMのrは、1が好ましい。
単量体(B1)を構成単量体として含む共重合体は、流動性の観点から、構成単量体中の単量体(B1)の合計量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
単量体(B1)と単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体は、流動性の観点から、構成単量体中の単量体(B1)と単量体(B2)の合計量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
単量体(B1)と単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体は、単量体(B1)と単量体(B2)の合計中の単量体(B2)の割合が、水硬性組成物の流動性の観点から、好ましくは40モル%以上、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、更に好ましくは80モル%以下である。
ポリカルボン酸エーテル系分散剤、更に単量体(B1)を構成単量体として含む共重合体、更に単量体(B1)と単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量は、水硬性組成物の流動性の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、更に好ましくは30,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは100,000未満、更に好ましくは80,000以下である。
ポリカルボン酸エーテル系分散剤、更に単量体(B1)を構成単量体として含む共重合体、更に単量体(B1)と単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、それぞれ、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC-8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(分子量既知の単分散ポリエチレングリコール、分子量87,500、250,000、145,000、46,000、24,000)
ポリカルボン酸エーテル系分散剤は、AOの平均付加モル数や単量体(B1)単量体(B2)の割合などが異なる分散剤を2種以上用いることもできる。
本発明の添加剤は、消泡剤を含有することができる。(A)成分が芳香環の置換基としてエステル基を有する化合物である場合は、消泡剤を含有すると本発明の効果がより向上する場合があるため、好ましい。
消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、エーテル系消泡剤、脂肪族アミン系消泡剤が好ましく、シリコーン系消泡剤ではジメチルポリシロキサンがより好ましく、脂肪酸エステル系消泡剤ではポリアルキレングリコール脂肪酸エステルがより好ましく、エーテル系消泡剤ではポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより好ましく、脂肪族アミン系消泡剤ではアルキルジメチルアミン又はその塩がより好ましい。
本発明の添加剤が消泡剤を含有する場合、消泡剤の含有量は、(A)成分に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
本発明の添加剤は、強度向上剤、遅延剤、(B)成分以外の分散剤、多価イオン不溶化剤、還元剤などを含有することができる。これらの成分は、各成分の使用目的などを考慮して、本発明の効果を損なわない範囲の量で含有することができる。
強度向上剤としては、アルカノールアミンが挙げられ、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが挙げられる。
遅延剤としては、オキシカルボン酸又はその塩が挙げられ、例えば、グルコン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、クエン酸又はその塩が挙げられる。
分散剤としては、有機系分散剤、無機系分散剤が挙げられる。有機系分散剤としては、ナフタレン系分散剤が挙げられ、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物又はその塩が挙げられる。また、無機系分散剤としては、リン酸塩類が挙げられ、例えば、ポリリン酸又はその塩、リン酸又はその塩、トリポリリン酸又はその塩が挙げられる。
多価イオン不溶化剤としては、無機炭酸塩が挙げられ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムが挙げられる。
本発明の添加剤中、(A)成分の含有量は、粘土耐性付与の観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
本発明の添加剤中、(B)成分の含有量は、作業性改善の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
本発明の添加剤は、粘土を含む水硬性組成物の作業性改善の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比である、(A)/(B)が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.05以上、そして、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.45以下である。
なお、本発明の添加剤は、水溶液など、適用しやすい形態で用いることができ、その場合、水などの希釈ないし増量ないし賦形などの目的で用いる成分は、添加剤の含有量から除外してよい。
本発明の添加剤は水溶液とした場合の粘度が低く、取り扱い性に優れ、また添加装置の自由度も高いものとなる。本発明の添加剤は、(A)成分を35質量%含有する水溶液とした場合の粘度が、10℃で、好ましくは150mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下、更に好ましくは50mPa・s以下、である。ここで、当該水溶液の粘度は、東機産業株式会社製TVB-10(B形粘度計)を用いM1ローター、12rpmの条件で測定されたものである。
本発明の添加剤は、水硬性組成物用であり、好ましくは粘土を含む骨材を用いた水硬性組成物用である。
〔水硬性組成物〕
本発明は、水硬性粉体、骨材、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する、水硬性組成物を提供する。
本発明の水硬性組成物に用いる(A)成分、(B)成分、任意成分の具体例、好ましい態様などは本発明の水硬性組成物用添加剤と同じである。
水硬性粉体とは水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくは普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントであり、またこれらに高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポソラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。ここで、水硬性粉体が、セメントなどの水和反応により硬化する物性を有する粉体の他、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。また、水和反応により硬化する物性を有する粉体が、高強度混和材を含有する場合、高強度混和材の量も水硬性粉体の量に算入する。これは、水硬性粉体の質量が関係する質量部や質量比などにおいても同様である。
骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203-2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JISA0203-2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
本発明の(A)成分を(B)成分を組み合わせて用いることにより、骨材中の粘土の含有量が変動しても、安定した流動性を水硬性組成物に付与することができる。そのため、骨材として、粘土を含有する骨材を用いることができる。粘土を含有する骨材は、粘土の含有量が、骨材中、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。本発明では、JIS A 1103で測定された骨材中の微粒分量を、骨材中の粘土の含有量とすることができる。
本発明の水硬性組成物は、耐粘土性付与の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更により好ましくは0.02質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、更により好ましくは0.1質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、作業性改善の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、粘土を含む水硬性組成物の作業性改善の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比である、(A)/(B)が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.05以上、そして、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.45以下である。
本発明の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)、通常W/Pと略記されるが、水硬性粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕が、強度発現性と作業性の観点から、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上、そして、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下である。
水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1,000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1,000kg/m以上であり、そして、好ましくは2,000kg/m以下、より好ましくは1,800kg/m以下、更に好ましくは1,700kg/m以下である。
本発明の水硬性組成物は、消泡剤を含有することが好ましい。本発明の水硬性組成物は、消泡剤を、(A)成分に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、他の任意成分として、遅延剤、硬化促進剤、AE剤、膨張剤、起泡剤、増粘剤、流動化剤、発泡剤、防水剤などを含有することができる。
本発明の水硬性組成物を、公知の方法で硬化させることで硬化体を得ることができる。水硬性組成物の硬化は、硬化体の用途、形状などを考慮して実施できる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明の水硬性組成物の製造方法は、水硬性粉体、骨材、(A)成分、(B)成分、及び水を混合する、水硬性組成物の製造方法である。これらの成分の混合は、公知の方法で行うことができる。本発明の水硬性組成物の製造方法では、本発明の水硬性組成物用添加剤を用いてもよい。また、本発明の水硬性組成物の製造方法は、本発明の水硬性組成物の製造方法であってよい。
本発明の水硬性組成物の製造方法に用いる水硬性粉体、骨材、(A)成分、(B)成分、任意成分の具体例、好ましい態様などは、本発明の水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物と同じである。
本発明の水硬性組成物の製造方法は、成分を混合する順序に縛られるものではないが、より手軽に高い効果を得る方法として、好ましい混錬方法としては、水硬性粉体と骨材とを混合し、次いで、(A)成分及び/又は(B)成分及び水を含有する混練液を混合する方法が挙げられる。例えば、水硬性粉体と粗骨材と細骨材とを所定時間、例えば5秒以上60秒秒以下、混合し、(A)成分、(B)成分及び水を含む混練液を混合する方法が挙げられる。混合は、公知のミキサーで行うことができる。前記混練液は、水溶液又は水懸濁液であってよい。また、(A)成分を予め骨材、例えば粗骨材と細骨材と混合してなじませておき、次いで水硬性粉体を混合、例えば前記所定時間で混合し、次いで(B)成分及び水を含有する混練液を混合する方法も挙げられる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(A)成分、(B)成分を、水硬性粉体に対して、それぞれ、本発明の水硬性組成物で述べた範囲となるように混合することができる。また、骨材、例えば、粘土を前記範囲で含有する骨材を、本発明の水硬性組成物で述べた範囲となるように混合することができる。
すなわち、本発明の水硬性組成物の製造方法では、耐粘土性付与の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更により好ましくは0.02質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、更により好ましくは0.1質量部以下混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、作業性改善の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法は、粘土を含む水硬性組成物の作業性改善の観点から、(A)成分の混合量と(B)成分の混合量との質量比である、(A)/(B)が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.05以上、そして、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.45以下である。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、消泡剤を混合することが好ましい。消泡剤は、例えば、前記混練液に含有させて混合することができる。消泡剤は、(A)成分に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、施工性の観点から、水と水硬性粉体とを、水/水硬性粉体比(質量%)が、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上、そして、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下となるように混合する。
実施例1及び比較例1
(1)モルタルの調製
表1のモルタル配合でモルタルを調製した。モルタルは、JIS R 5201に規定されるモルタルミキサーを使用して、約半量の細骨材、セメント、残部の細骨材の順にモルタルミキサーに投入した後、空練り(60rpm、10秒)を行い、そこに前もって調製した練り水を添加し、混練(60rpm、120秒)して調製した。その際、表2に示す割合で細骨材の一部を粘土で置換した。練り水は、上水道水に、表2の(A)成分、(B)成分、及び消泡剤を混合して調製し、温度を21.5℃とした。消泡剤は、消泡剤NO.21(花王株式会社)を10質量%の濃度で含む消泡剤水溶液を0.1g添加した。
<モルタル配合>
・セメント(C):太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメントと住友大阪セメント株式会社製普通ポルトランドセメントの1:1混合物、比重3.16
・細骨材(S):砂、京都府城陽産、表面乾燥状態、表乾比重2.50
・粘土:笠岡粘土、表2に示す割合で細骨材の一部を置換した。
・(A)成分:表2に示す成分
・(B)成分:分散剤1、メタクリル酸と、メタクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルのエステル(ポリエチレングリコール部分の重量平均分子量1000)との共重合物(共重合比率:メタクリル酸/メタクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルのエステル=75/25(mol%))のナトリウム中和塩、重量平均分子量50000
・水(W):上水道水を用いた練り水
Figure 0007018043000009
(2)モルタルの流動性の評価
(1)で調製した混練直後のモルタルを、JIS R 5201に記載のフローコーン(上径70mm×下径100mm×高さ60mm)に充填し、モルタルフローを測定してモルタル流動性の指標とした。結果を表2に示した。
Figure 0007018043000010
比較例1-1に比べ、(B)成分の添加量が同じ実施例1-1は、(A)成分を使用することで流動性(モルタルフロー)が増大している。(B)成分の添加量が同じ比較例1-2と実施例1-2でも同様の傾向がみられる。
比較例1-3は、比較例1-1の細骨材の一部を粘土置換したため、比較例1-1に対して更に流動性が低下している。
一方で、実施例1-3は、(A)成分を使用しているため、細骨材である砂の一部を粘土置換しているにもかかわらず、実施例1-1と比べて、ほとんど流動性が低下していない。
実施例2及び比較例2
モルタル配合を表3の通りとし、(A)成分として表4の成分を、また、(B)成分として下記分散剤2を、それぞれ、表4の量で用い、粘土の置換量を表4の量として、実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。結果を表4に示した。
・(B)成分:分散剤2、アクリル酸とイソプレノールエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド平均付加モル数50)との共重合物(共重合比率:アクリル酸/イソプレノールエチレンオキサイド付加物=80/20(mol%))のナトリウム中和塩、重量平均分子量34000
Figure 0007018043000011
Figure 0007018043000012
比較例2-1では、細骨材の一部を粘土に置換したため、比較例2-2に比べ(B)成分の添加量が多いにもかかわらず、流動性(モルタルフロー)が低くなっている。
実施例2-1から2-7は、(B)成分と共に(A)成分を使用しているため、比較例2-2のモルタルフローからの変動が少なく、細骨材の粘土置換に伴う流動性の低下を低減できている。
参考例2-1~2-3は、分散剤としてNSFを用いた場合の流動性を示すものである。参考例2-1で示したように、NSFは、細骨材の一部を粘土に置換しても、一定フローを得るための必要添加量があまり変化せず、性能が骨材中の粘土含有量に影響されにくいことがわかる。また、参考例2-3で示したように、NSFに本発明の(A)成分を使用すると、モルタルフローはむしろ小さくなり、流動性の向上効果をもたらさないことがわかる。
実施例3及び比較例3
(A)成分として表5の成分を表5の量で用い、(B)成分の添加量を表5の通りとし、粘土の置換量を表5の量として、実施例2と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。結果を表5に示した。表5には、同じ(A)成分を用いた例で粘土を置換しなかった例とのモルタルフローの差も示した。なお、表5では、(A)成分に該当しない化合物も便宜的に(A)成分の欄に示した。
Figure 0007018043000013
この例は、(A)成分と(B)成分の添加量を同じにして、細骨材の粘土置換率を変化させて評価を行ったものである。
比較例3-1では、粘土置換率が大きくなるにつれて流動性が大幅に低下している。
比較例3-2、3-3は、オルト位に水酸基を有しておらず(A)成分に該当しない構造の多価フェノール化合物を用いた評価結果を示しており、粘土置換率に応じて流動性が低下することがわかる。
一方、(A)成分を用いている実施例3-1~3-4では、粘土置換率が変動した場合の流動性の低下が抑制されている。
実施例3-1~3-4と比較例3-2、3-3の結果から、(A)成分のように、オルト位多価フェノール骨格を有する化合物にのみ、本発明の効果が得られることが確認できる。

Claims (18)

  1. (A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物であって、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、エーテル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する化合物〔以下、(A)成分という〕、及び(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤〔以下、(B)成分という〕を含有する、水硬性組成物用添加剤。
  2. (A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比である、(A)/(B)が、0.001以上1以下である、請求項1記載の水硬性組成物用添加剤。
  3. (A)成分が、ピロカテコール構造又はピロガロール構造を有する化合物である、請求項1又は2記載の水硬性組成物用添加剤。
  4. (B)成分が、下記一般式(B1)で示される単量体(B1)と下記一般式(B2)で示される単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1~の何れか1項記載の水硬性組成物用添加剤。
    Figure 0007018043000014

    〔式中、
    1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
    3b:水素原子又は-COO(AO)n1
    4b:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
    AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
    n1:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
    q:0以上2以下の数
    p:0又は1
    を示す。〕
    Figure 0007018043000015

    〔式中、
    5b、R6b、R7b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
    、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
    r:0以上2以下の数
    を示す。〕
  5. 消泡剤を含有する、請求項1~の何れか1項記載の水硬性組成物用添加剤。
  6. 粘土を含む骨材を用いた水硬性組成物用である、請求項1~の何れか1項記載の水硬性組成物用添加剤。
  7. 水硬性粉体、骨材、(A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物であって、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、エーテル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する化合物〔以下、(A)成分という〕、(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤〔以下、(B)成分という〕、及び水を含有する、水硬性組成物。
  8. 骨材が、粘土を含む骨材である、請求項記載の水硬性組成物。
  9. (A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比である、(A)/(B)が、0.001以上1以下である、請求項又は記載の水硬性組成物。
  10. (A)成分が、ピロカテコール構造又はピロガロール構造を有する化合物である、請求項の何れか1項に記載の水硬性組成物。
  11. (B)成分が、下記一般式(B1)で示される単量体(B1)と下記一般式(B2)で示される単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項10の何れか1項記載の水硬性組成物。
    Figure 0007018043000016

    〔式中、
    1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
    3b:水素原子又は-COO(AO)n1
    4b:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
    AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
    n1:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
    q:0以上2以下の数
    p:0又は1
    を示す。〕
    Figure 0007018043000017

    〔式中、
    5b、R6b、R7b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
    、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
    r:0以上2以下の数
    を示す。〕
  12. 消泡剤を含有する、請求項11の何れか1項記載の水硬性組成物。
  13. 水硬性粉体、骨材、(A)オルト位多価フェノール骨格を有する化合物であって、芳香環の置換基として、オルト位の水酸基以外の水酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基、エーテル基、及び炭素数1以上12以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する化合物、(B)ポリカルボン酸エーテル系分散剤、及び水を混合する、水硬性組成物の製造方法。
  14. 骨材が、粘土を含む骨材である、請求項13記載の水硬性組成物の製造方法。
  15. (A)成分の混合量と(B)成分の混合量との質量比である、(A)/(B)が、0.001以上1以下である、請求項13又は14記載の水硬性組成物の製造方法。
  16. (A)成分が、ピロカテコール構造又はピロガロール構造を有する化合物である、請求項1315の何れか1項に記載の水硬性組成物の製造方法。
  17. (B)成分が、下記一般式(B1)で示される単量体(B1)と下記一般式(B2)で示される単量体(B2)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1316の何れか1項記載の水硬性組成物の製造方法。
    Figure 0007018043000018

    〔式中、
    1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
    3b:水素原子又は-COO(AO)n1
    4b:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
    AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
    n1:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
    q:0以上2以下の数
    p:0又は1
    を示す。〕
    Figure 0007018043000019

    〔式中、
    5b、R6b、R7b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
    、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロアルキル基又はアルケニル基
    r:0以上2以下の数
    を示す。〕
  18. 消泡剤を混合する、請求項1317の何れか1項記載の水硬性組成物の製造方法。
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