JP2004091259A - セメント配合物及びその使用方法 - Google Patents

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Yohei Inaba
稲葉 洋平
Harumoto Momose
百瀬 晴基
Tetsushi Kanda
閑田 徹志
Taiga Kawamata
川俣 大雅
Hirotoshi Takagi
高木 浩敏
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Kajima Corp
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Kajima Corp
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Abstract

【課題】本発明の目的は、低温条件下だけでなく、夏場等の比較的温度が高い条件下においても、空気連行性及び耐凍結融解性が低下することなく、優れた低乾燥収縮性を有するセメント配合物を提供することである。
【解決手段】収縮低減剤、空気連行性混和剤及びセメントを含有するセメント配合物であって、前記収縮低減剤が、下記の一般式(1)
RO(AO)H   (1)
(式中、Rは、炭素数4のアルキル基を表わし、AOは、炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表わし、nは、1〜20の数を表わす。)
で表わされる化合物であり、且つ、前記収縮低減剤2質量部、普通ポルトランドセメント100質量部及び水55質量部を混合して得られるセメントペーストの上澄み液の25℃における表面張力が、35〜40mN/mとなる収縮低減剤であることを特徴とするセメント配合物である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント配合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント配合物は、土木・建築構造物、ボックスカルバート等のコンクリート製品等に広く使用されている。水は凍結すると体積が増加するため、セメント硬化体中の水分が凍結すると硬化体中に大きな膨張圧が発生し、凍結・融解を繰り返すことにより硬化体の組織を破壊し、セメント硬化体のひび割れや強度低下を引き起こす。このため、セメント配合物中に微細で独立した空気泡を連行することにより、硬化体中の水分の凍結による膨張圧を緩和し、耐凍結融解性を向上させることが行われている。配合物中の空気量は、一般的に、3〜6%、より好ましくは4.5〜6%が適切であるとされており、空気量を増加させるため、セメント配合物を混和する際に、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等の空気連行性混和剤が添加されている。
【0003】
また、セメント配合物は、凝結硬化後の乾燥時に体積が減少し収縮するという性質がある。このような乾燥時の収縮は、セメント硬化体のひび割れの原因となる場合があり、乾燥時の収縮を低減させるための混和剤として、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物等の収縮低減剤が用いられており、特開平9−52743号公報、特開平11−180747号公報、特開平11−228198号公報、特開平11−302056号公報、特開平11−302061号公報、特表平11−501278号公報等では、空気連行性混和剤と収縮低減剤とを併用したセメント配合物が開示されている。
一般的に、収縮低減剤は、低界面活性の化合物であるために、空気連行性混和剤と併用すると空気連行性を低下させてしまうという欠点がある。これに対して、特開平11−349367号公報、特表2000−516567号公報及び特開2002−60263号公報には、空気連行性混和剤と収縮低減剤とを併用し、低乾燥収縮性、空気連行性及び耐凍結融解性に優れたセメント配合物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セメント配合物中の空気量は、温度による影響が大きく、特に夏場等の比較的温度が高い条件下では極端に減少し、空気連行性混和剤の空気連行性も低下してしまう。このような条件下で収縮低減剤を使用した場合には更に空気量が減少してしまうために、従来知られたセメント混合物の中には、このような比較的温度が高い条件下において、低乾燥収縮性、空気連行性及び耐凍結融解性をいずれも満足するようなセメント配合物はなかった。
従って、本発明の目的は、低温条件下だけでなく、夏場等の比較的温度が高い条件下においても、低乾燥収縮性、空気連行性及び耐凍結融解性に優れたセメント配合物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは鋭意検討し、収縮低減剤、空気連行性混和剤及びセメントを含有するセメント配合物において、特定の構造及び物性を有する収縮低減剤を用いることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、収縮低減剤、空気連行性混和剤及びセメントを含有するセメント配合物であって、前記収縮低減剤が、下記の一般式(1)
RO(AO)H   (1)
(式中、Rは、炭素数4のアルキル基を表わし、AOは、炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表わし、nは、1〜20の数を表わす。)
で表わされる化合物であり、且つ、前記収縮低減剤2質量部、普通ポルトランドセメント100質量部及び水55質量部を混合して得られるセメントペーストの上澄み液の25℃における表面張力が、35〜40mN/mとなる収縮低減剤であることを特徴とするセメント配合物である。
本発明は、空気量が3〜6容量%である前記セメント配合物である。
本発明は、セメント100質量部に対して、収縮低減剤の含有量が0.05〜8質量部、空気連行性混和剤の含有量が0.001〜5質量部である前記セメント配合物である。
また、本発明は、前記セメント配合物を、25℃を超える温度にて混練し、打ち込みを行うセメント配合物の使用方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
(収縮低減剤の構造)
本発明のセメント配合物に用いる収縮低減剤は、下記の一般式(1)
RO(AO)H   (1)
で表わされる構造を有する化合物である。
一般式(1)において、Rは、炭素数4のアルキル基を表わす。炭素数4のアルキル基としては、例えば、ブチル、イソブチル、2級ブチル及びターシャリブチルが挙げられ、それらの中でも、ブチル、イソブチル及びターシャリブチルが好ましく、ブチル及びターシャリブチルが更に好ましく、ターシャリブチルが最も好ましい。
AOは、炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表わす。炭素数2又は3のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基が挙げられる。AOが、オキシプロピレン基である場合は、−CHCHCHO−、−CH(CH)CHO−又は−CHCH(CH)O−の何れでも良い。AOが、2種以上のオキシアルキレン基である場合は、少なくとも1種はオキシエチレン基であることが好ましい。この場合、(AO)部分中のオキシエチレン基の含量は、20〜80モル%であることが好ましく、30〜75モル%であることが更に好ましく、30〜70モル%であることが最も好ましい。(AO)部分中のオキシエチレン基の含量が、20モル%よりも少ない場合又は80モル%よりも多い場合には、十分な収縮低減効果が得られない場合がある。
重合度nは、1〜20の数であり、好ましくは2〜15であり、最も好ましくは2〜10である。重合度nが、これらの範囲外である場合は、十分な収縮低減効果が得られない。
【0007】
(収縮低減剤の物性)
本発明のセメント配合物に用いる収縮低減剤は、この収縮低減剤2質量部、普通ポルトランドセメント100質量部及び水55質量部を混合して得られるセメントペーストの上澄み液の、25℃における表面張力が35〜40mN/mとなる収縮低減剤でなければならない。特に、表面張力が38〜40mN/mとなる収縮低減剤が好ましい。表面張力が、上記範囲以外の場合には、空気連行性混和剤の空気連行性、特に高温の条件下における空気連行性が低下する。表面張力測定に用いる上澄み液は、上記混合比のセメントペーストを混合後、直ぐに遠心分離等の方法により分離させた後に採取しても良いが、セメントペーストを2時間程度静置した後に分離した上澄み液の測定値が安定しており好ましい。なお、表面張力は、界面活性剤の一般的測定法であるウィルヘルミー法により測定することができる。
【0008】
(収縮低減剤の製造方法)
本発明のセメント配合物に用いる収縮低減剤は、炭素数4の飽和アルコールにアルキレンオキシドを付加重合させるか、又は、炭素数4の飽和アルコール1モルに対して、1又2モルのアルキレンオキシドを付加した化合物に、アルキレンオキシドを付加重合させることにより得られる。
本発明において使用することができるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド(1,2−エポキシプロパン)又はオキセタン(1,3−エポキシプロパン)等が挙げられる。
本発明において使用することができる炭素数4の飽和アルコールとしては、ブタノール、イソブタノール、2級ブタノール又はターシャリブタノールが挙げられる。
本発明において使用することができる、炭素数4の飽和アルコール1モルに対して、1又2モルのアルキレンオキシドを付加した化合物としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル等が挙げられる。
付加させるアルキレンオキシドの重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレンオキサイド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。AOが2種以上のオキシアルキレン基である場合の重合形態は、ランダム共重合又はエチレンオキシド/プロピレンオキシドの順で行われるブロック共重合であることが好ましい。
また、本発明のアルキレンオキシドの付加重合により得られる収縮低減剤は、通常、単一の化合物ではなく、複数の化合物からなる混合物であり、重合度nは、混合物の平均値を表わす。したがって、構造式が同一であっても、反応触媒、反応条件、精製条件等により、混合物の組成や分布が異なる場合があり、表面張力等の物性が異なるために、空気連行性に違いがでる場合がある。特に、n=0の成分が不純物として含まれている場合や、n=1でAOがオキシプロピレン基である成分が一定量以上含まれている場合には、空気連行性が低下する場合があることから、n=0の成分は0.01質量%以下であることが好ましく、n=1でAOがオキシプロピレン基である成分は、2質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。
【0009】
(セメント配合物)
本発明のセメント配合物は、収縮低減剤、空気連行性混和剤及びセメントを含有する配合物である。使用するセメントの種類、混練方法や条件等によって異なるが、収縮低減剤の含有量は、セメント100質量部に対して、0.05〜8質量部が好ましく、0.3〜5質量部が更に好ましく、0.7〜3質量部が最も好ましい。
本発明のセメント配合物に使用できる空気連行性混和剤は、セメント配合物に微細な独立気泡を連行できる混和剤であり、直径250μm以下、好ましくは20〜200μmの独立気泡を3〜6容量%連行できるものが良い。このような空気連行性混和剤としては、JIS A6204(コンクリート用化学混和剤)のAE剤、AE減水剤若しくは高性能AE減水剤及びそれらと同等の性能を有する化合物があげられ、市販品を使用することもできる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。使用するセメントの種類、混練方法や条件等によって異なるが、空気連行性混和剤の含有量は、セメント100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜2質量部が更に好ましく、0.1〜1質量部が最も好ましい。
AE剤としては、例えば、脂肪酸塩、樹脂酸塩、ナフテン酸塩等の石鹸系AE剤;高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル系AE剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル等のエーテル系AE剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系AE剤等のノニオン系AE剤;ベタイン系AE剤、イミダゾリンベタイン系AE剤等の両性界面活性剤系AE剤等が挙げられる。なお、これらの中には、起泡剤としての機能を有するものもある。
AE減水剤としては、例えば、主成分としてリグニンスルホン酸塩若しくはその誘導体、オキシ有機酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオール複合体、高級アルコールのスルホン酸塩等を含む化合物等が挙げられる。また、これらの化合物が主成分であれば、前述したAE剤が一部に含有されていてもよい。
高性能AE減水剤としては、例えば、主成分としてポリカルボン酸エーテル類、変性リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、芳香族アミノスルホン酸塩、変性ナフタレンスルホン酸塩、変性メチロールメラミン縮合物、メラミンスルホン酸塩等を含む化合物等が挙げられる。また、これらの化合物が主成分であれば、前述したAE剤又はAE減水剤が一部に含有されていてもよい。
本発明のセメント配合物に用いられるセメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超速硬ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメント、またはこれらのセメントと、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石粉等の混和材を組み合わせたセメント、さらには高ビーライト系セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、自硬性セメント、石灰スラグセメント、高硫酸塩スラグセメント、キーンスセメント、ポゾランセメント、油井セメント、高硫酸塩スラグセメント、アルミナセメント、マグネシアセメント、耐酸セメント、超速硬セメント、ローマンセメント、白セメント、マグネシアセメント、水滓セメント、カルシウムアルミネート、ジェットセメント、石膏等の特殊セメントなどをあげることができる。これらのセメントは必要に応じて1種または2種以上組み合わせて用いる場合もある。
本発明のセメント硬化体が、優れた耐凍結融解性を発揮するためには、本発明のセメント配合物の空気量が、3〜6容量%であることが好ましく、4〜6容量%であることが更に好ましく、4.5〜6容量%であることが最も好ましい。空気量が、3容量%未満の場合には耐凍結融解性が不十分となる場合があり、6容量%を超える場合には、セメント硬化体の、圧縮強度、曲げ強度等の物理的強度が低下する場合がある。空気量を3〜6容量%にするためには、混練方法や条件、空気連行性混和剤の種類及び量を適宜、調整しなければならない。セメント配合物中の空気量は、JIS A1116、JIS A1118又はJIS A1128に記載された方法により測定することができる。
【0010】
本発明のセメント配合物は、一般に使用されているバッチミキサー等で混練して製造されるが、必要に応じて、更に公知のセメント用混和材及び混和剤を配合できる。このような混和材及び混和剤としては、例えば、砂、小石、砂利、砕石、木片、パルプ、人工骨材等の骨材;減水剤、空気量調節剤、凝結遅延剤、凝結・硬化促進剤、流動化剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、膨張材、保水剤、増粘剤、防錆剤、防水剤、水溶性高分子、顔料、着色料等が挙げられる。
【0011】
(セメント配合物の使用)
本発明のセメント配合物は、耐凍結融解性が求められる種々の土木・建築構造物、コンクリート製品等に広く使用できる。また、本セメント配合物は、25℃を超える温度で混練し、打ち込みを行う場合に好適であり、特に暑中コンクリートとして好適に使用できる。ここで、暑中コンクリートとは、日本建築学会基準JASS5(鉄筋コンクリート工事)に定めるところの暑中コンクリートに該当する環境条件であり、具体的には、混練、運搬及び打ち込みを行う場合の1日の平均気温又は日別平滑平年値が25℃を超えるセメント配合物である。
【0012】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無い限り重量基準である。以下の表中、「EO」はオキシエチレン基の、[PO]はオキシプロピレン基の略であり、「(EO)−(PO)」はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合を表わし、「(EO)/(PO)」はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダム共重合を表わす。
【0013】
〔合成例1〕
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えたステンレス製加圧反応装置に、ブタノール74g及び触媒として水酸化カリウム3gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、エチレンオキシド233gとプロピレンオキシド232gとの混合物を、100〜150℃で2時間かけてフィードし、フィード終了後、130℃で5時間熟成した。熟成終了後、常法により触媒を除去した後、100℃で10hPa以下に1時間減圧することにより、低沸点物を除去して、収縮低減剤(1)を得た。
【0014】
〔合成例2〕
ブタノール74gの代わりにエチレングリコールモノイソブチルエーテル118gを用い、エチレンオキシド88gとプロピレンオキシド116gとの混合物をフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(2)を得た。
【0015】
〔合成例3〕
ブタノール74gの代わりにエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル118gを用い、混合物の代わりにプロピレンオキシド110gのみをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(3)を得た。
【0016】
〔比較合成例1〕
エチレンオキシド119gとプロピレンオキシド116gとの混合物をフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(4)を得た。
【0017】
〔比較合成例2〕
ブタノール74gの代わりにエチレングリコールモノブチルエーテル118gを用い、混合物の代わりにプロピレンオキシド116gのみをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(5)を得た。
【0018】
〔比較合成例3〕
エチレンオキシド88gをフィードし、次いでプロピレンオキシド116gをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(6)を得た。
【0019】
〔比較合成例4〕
プロピレンオキシド116gをフィードし、次いでエチレンオキシド132gをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(7)を得た。
【0020】
〔比較合成例5〕
エチレンオキシド220gとプロピレンオキシド116gとの混合物をフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(8)を得た。
【0021】
〔比較合成例6〕
混合物の代わりにエチレンオキシド88gのみをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(9)を得た。
【0022】
〔比較合成例7〕
ブタノール74gの代わりにプロピレングリコールモノターシャリーブチルエーテル132gを用い、混合物の代わりにプロピレンオキシド58gのみをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(10)を得た。
【0023】
〔比較合成例8〕
ブタノール74gの代わりにメタノール32gを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(11)を得た。
【0024】
〔比較合成例9〕
ブタノール74gの代わりにプロピレングリコール76gを用い、混合物の代わりにプロピレンオキシド348gのみをフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、収縮低減剤(12)を得た。
【0025】
<表面張力試験>
下記の配合のセメントペーストをJIS R5201の8(凝結試験)に準拠し、混練した後、フタ付きガラス製容器に充填し、室温で静置した。2時間静置後、セメントペーストが分離して得られる上澄み液を採取し、ウィルヘルミー法にて、25℃における上澄み液の表面張力を測定した。結果を表1に示す。
配合;
収縮低減剤            2質量部
普通ポルトランドセメント   100質量部
水(水道水)          55質量部
【表1】
Figure 2004091259
【0026】
<収縮低減性試験>
下記の配合にて、実施例(1)〜(3)及び比較例(1)〜(10)のセメント配合物を20℃にて混練し、JIS A6202 (付21.コンクリート用膨張材)の附属書2「膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法」に準拠して、セメント硬化体の長さの変化率を求めた。尚、打設後1週間、硬化体は封緘養生とし、その後20℃、RH60%の環境下で乾燥させている。打設直後の硬化体の長さに対する材齢187日の硬化体の長さの変化率を、長さ変化率とした。結果を表2に示す。表中、長さ変化率は+が膨張、−が収縮を示す。
配合;
収縮低減剤             1.7質量部
普通ポルトランドセメント      100質量部
水(水道水)             48質量部
石鹸系AE剤        0〜0.018質量部*
ホ゜リカルホ゛ン酸エーテル系高性能AE減水剤  0.7質量部
粗骨材(硬質砂岩)         273質量部
細骨材(静岡産川砂)        219質量部
膨張材               5.6質量部
*混練後の空気量が約4.5%になるようにAE剤量を調整した。
【表2】
Figure 2004091259
【0027】
<空気連行性試験>
下記の配合にて、実施例(4)〜(6)及び比較例(11)〜(24)のセメント配合物を20℃にて混練し、JIS A1128に準拠し、セメント配合物中の空気量を測定した。結果を表3に示す。同様に、30℃にて混練して得られた実施例(7)〜(9)及び比較例(25)〜(38)のセメント配合物中の空気量の測定結果を表4に示す。
配合;
収縮低減剤             1.7質量部
普通ポルトランドセメント      100質量部
水(水道水)             48質量部
石鹸系AE剤     0.003〜0.12質量部
ホ゜リカルホ゛ン酸エーテル系高性能AE減水剤  0.7質量部
粗骨材(硬質砂岩)         273質量部
細骨材(静岡産川砂)        219質量部
【0028】
【表3】
Figure 2004091259
【表4】
Figure 2004091259
上記の結果から明らかなように、比較例(11)〜(38)と比べて、本発明の実施例(4)〜(9)のセメント配合物は空気連行性に優れていることが分かる。これは、混練温度30℃の場合の実施例(7)〜(9)において特に顕著である。
【0029】
<気泡間隔係数の測定>
上記の空気連行性試験において、混練温度30℃で連行空気量が比較的多かった、実施例(7)〜(9)及び比較例(32)〜(38)のセメント配合物について、ASTM C457に準じて、セメント硬化体の気泡間隔係数を測定した。結果を表5に示す。
尚、気泡間隔係数とは、セメント硬化体中の隣り合う気泡間の平均間隔を示す指標であり、気泡間隔係数が小さいほど、気泡間距離が小さく、硬化体中の水分の凍結による膨張圧が緩和されやすくなる。したがって、気泡間隔係数が小さいほど耐凍結融解性に優れていることを表わす。
【表5】
Figure 2004091259
上記の結果から明らかなように、比較例(32)、(34)〜(38)と比べて、本発明の実施例(7)〜(9)のセメント硬化体の気泡間隔係数が小さく、耐凍結融解性に優れていることが分かる。
【0030】
【発明の効果】
本発明のセメント配合物は、低乾燥収縮性、空気連行性及び耐凍結融解性に優れており、夏場等の比較的温度が高い条件下においても、空気連行性があまり低下しないことから、特に、暑中コンクリートとして好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 収縮低減剤、空気連行性混和剤及びセメントを含有するセメント配合物であって、前記収縮低減剤が、下記の一般式(1)
    RO(AO)H   (1)
    (式中、Rは、炭素数4のアルキル基を表わし、AOは、炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表わし、nは、1〜20の数を表わす。)
    で表わされる化合物であり、且つ、前記収縮低減剤2質量部、普通ポルトランドセメント100質量部及び水55質量部を混合して得られるセメントペーストの上澄み液の25℃における表面張力が、35〜40mN/mとなる収縮低減剤であることを特徴とするセメント配合物。
  2. 空気量が、3〜6容量%である請求項1に記載のセメント配合物。
  3. セメント100質量部に対して、収縮低減剤の含有量が0.05〜8質量部、空気連行性混和剤の含有量が0.001〜5質量部である請求項1又は2に記載のセメント配合物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のセメント配合物を、25℃を超える温度にて混練し、打ち込みを行うセメント配合物の使用方法。
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