JP2010150085A - セメント組成物用収縮低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメント硬化体の外観向上に優れ、収縮低減効果ならびに凍結融解抵抗性を有するセメント組成物用収縮低減剤および該収縮低減剤を含有するセメント混和剤を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(1)で表される少なくとも一種の化合物を含み、且つ該化合物のうち140℃の沸点を有するものの含有割合は、該化合物全体の質量に基づいて5質量%未満であることを特徴とする、セメント組成物用収縮低減剤。
RO−(AO)n−H (1)
(式中、Rはメチル基又はエチル基を表し、(AO)nは1〜7モルのエチレンオキシドと0〜4モルのプロピレンオキシドとの重合により構成されたポリオキシアルキレン基を表し、nは1乃至11の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明はモルタルやコンクリート等のセメント類の収縮低減剤に関する。更に詳しくは、セメント硬化体表面の外観を良好に維持させることができる、収縮低減効果及び凍結融解抵抗性を有するセメント組成物用収縮低減剤、並びに該収縮低減剤を含有するセメント混和剤に関する。
硬化コンクリートは水とセメントとの反応よりなる水硬性組成物であり、その硬化過程において水分の蒸発または水和に伴う水分の損失が生じ、コンクリート収縮の発生につながる。硬化コンクリートの収縮は部材内でのひずみを生じ、やがては部材面でのひび割れにつながり、漏水等によるコンクリート構造物の劣化を促進し、ひいては構造的欠陥に繋がる虞がある。
また、セメント硬化体中の水分移動や、外部への水分蒸散などにより硬化体表面に発生する白華現象(エフロレッセンス)は、コンクリート構造物の美観を損なうだけでなく、施工時の初期欠陥やひび割れ発生、中性化等の変状の有無を表わすことがあるために注意が必要である。
このような硬化過程におけるコンクリート収縮等への対策として、収縮低減剤の使用が提案されている。例えば、特許文献1には、炭素原子数1ないし4の低級アルコールのアルキレンオキシド付加物をセメント用収縮低減剤として使用することが記載されている。また、特許文献2には、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物の、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合比率を最適化することで、より収縮低減効果に優れた収縮低減剤が得られることが記載されている。さらに、特許文献3には収縮低減剤のセメントスラリー中での分散状態を改善し、起泡性を低減することで硬化体の強度低下を防止できることが記載されている。
一方、セメント硬化体の表面外観を向上させる従来の手段としては、ポリエチレングリコールのポリプロピレンオキシド付加物および/またはエチレンジアミンポリエチレンオキシド付加物のポリプロピレンオキシド付加物を含有する表面美観改良剤(特許文献4)や、脂肪酸アルカリ金属塩を用いた液状のエフロレッセンス防止剤(特許文献5)が提案されている。
特公昭56−51148号公報 特開2001−163653号公報 特開2003−171155号公報 特開平11−199290号公報 特開2000−128597号公報
これまで提案されたセメント用収縮低減剤は、上述の文献にも示されているように、セメント硬化体の収縮低減や、または硬化体の強度の低下などを抑制することを主目的とするものであった。
近年、実際にコンクリートを打設し硬化した後、経時的使用を経て発生する、硬化体の表面外観の問題、例えばコンクリート表面に網目状に発生するひび(硬化体の表面を溝状に走る、従来問題とされたひび割れとは異なる)や白華の発生状態、汚れに対する抵抗性などが新たな問題として浮上してきた。
また、コンクリート硬化体の凍結・融解によって硬化体表面に網目状や亀甲模様状のひびが発生し、その後の更なる凍結・融解作用によってひびの開き幅が拡大し、ついには硬
化体全体の強度低下につながることから、寒冷地などにおいてはコンクリートの凍結融解抵抗性の改善も重要な課題となっている。しかしながら、従来のセメント収縮低減剤の中には、コンクリートに混和するとそのコンクリートの凍結融解抵抗性を低下させるものもあり、凍結融解抵抗性に悪影響を与えないセメント用収縮低減剤が求められていた。
本発明はこれまでの収縮低減効果を勿論備えた上で、「経時使用を通して良好な表面外観の維持」ならびに「凍結融解抵抗性の改良」という新たな課題を解決する観点の下、新規な製品設計によってセメント用収縮低減剤の性能を改良すべくなされたものであって、長年に亘る使用を経てもセメント硬化体の表面外観を良好に維持でき、また寒冷地での使用においてセメント硬化体の凍結融解抵抗性の低下を有効に抑制できる、収縮低減剤および該収縮低減剤を含有するセメント混和剤を提供することを課題とする。
本発明者等は収縮低減効果と凍結融解抵抗性の維持という複数の性能の発現の程度について検討し、研究を進めた結果、低級アルコールのアルキレンオキシド付加化合物において、低級アルコールの種類やアルキレンオキシドの付加モル数を限定し、さらに低沸点分の化合物の含有量を抑制したものを収縮低減剤として適用することにより、硬化時のコンクリート収縮は勿論のこと、硬化後の経時的な使用を経てコンクリート表面に発生する網目状ひび等の表面性状の劣化を有効に抑制でき、優れた外観を維持することができるコンクリート硬化体が得られること、しかも、寒冷地での使用における凍害の発生を効果的に防止できることを見出した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される少なくとも一種の化合物を含み、且つ該化合物のうち140℃以下の沸点を有するものの含有割合は、該化合物全体の質量に基づいて5質量%未満であることを特徴とする、セメント組成物用収縮低減剤に関する。
RO−(AO)n−H (1)
(式中、Rはメチル基又はエチル基を表し、(AO)nは1〜7モルのエチレンオキシドと0〜4モルのプロピレンオキシドとの重合により構成されたポリオキシアルキレン基を表し、nは1乃至11の整数を表す。)
さらに本発明は、前記セメント組成物用収縮低減剤、並びに、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤、AE剤、起泡剤、消泡剤、養生剤、撥水剤、凝結促進剤及び凝結遅延剤からなる群から選択される少なくとも一種の他のコンクリート添加剤を含有することを特徴とする、セメント混和剤に関する。
本発明により、硬化過程における収縮やひび割れ、並びにコンクリート硬化後に長期間の使用を経て進行する硬化体表面の収縮欠陥ならびにひび等の外観劣化の発生を有効に低減・抑制することができる、セメント組成物用収縮低減剤を提供することができる。
しかも本発明のセメント組成物用収縮低減剤は、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性の低下を有効に抑制することができる。
また本発明のセメント混和剤は、コンクリートに混和させることにより、減水効果等とともに、そのコンクリートを長期間に亘って外観の劣化を抑制でき、且つ、硬化体の凍結融解抵抗性を著しく改良することができるという効果を発揮することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
上記一般式(1)で表される化合物において、Rはメチル基又はエチル基を表す。
また上記(AO)nは、1〜7モルのエチレンオキシドと、0〜4モルのプロピレンオキシドとの重合により構成されたポリオキシアルキレン基を表し、nは該オキシアルキレ
ン基の重合数であって1〜11の数を表すものである。
上記化合物において、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの重合形態は特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体またはランダム/ブロック共重合体のいずれの形態でも良いが、ブロック共重合体であることが好ましい。
好ましくはポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルであることが望ましい。
また本発明のセメント組成物用収縮低減剤は、そこに含まれる化合物の沸点が140℃以下の化合物の含有率が5質量%未満であることを特徴とし、好ましくは該含有率は3質量%以下であることが望ましい。このような沸点が140℃以下の化合物としては、例えば前記一般式(1)で表される化合物の製造時に未反応の成分あるいは副生成物として生成する成分が挙げられる。
こうした化合物の含有率を5質量%未満、とりわけ3質量%以下とすることにより、コンクリート硬化体表面に発生する、粗大な空気孔の数を減少でき、また収縮ひびを低減でき、長期間経過後の硬化体の表面性状の向上につながる。
140℃以下の化合物の含有率を低減させるには従来公知の方法が利用可能であるが、例えば、前記式(1)で表される化合物の製造後に未精製の反応溶液を蒸留することにより、該化合物の含有割合を低減させることができる。
前記一般式(1)で表される化合物と共にセメント組成物用収縮低減剤に配合され得るその他の成分としては、汎用的に使用される収縮低減剤が挙げられる。例えば、炭素原子数1ないし8のアルキル基またはアルケニル基を有し、炭素原子数2ないし4のアルキレンオキシドの平均付加モル数が1ないし20モルのポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル類;炭素原子数1ないし8のアルキレン基またはアルケニル基を有し、炭素原子数2ないし4のアルキレンオキシドの平均付加モル数が1ないし20モルのポリオキシアルキレングリコール類;或いは、炭素原子数1ないし8のアルキル基またはアルケニル基を有し、炭素原子数2ないし4のアルキレンオキシドの平均付加モル数が1〜20モルのポリオキシアルキレンジアルキルエーテル類などが挙げられる。
これら併用される化合物の配合比は前記一般式(1)化合物との質量比で、一般式(1)で表される化合物(質量):併用される化合物(質量)=50:50〜99:1の割合で、好ましくは70:30〜99:1である。
本発明のセメント組成物用収縮低減剤は、セメント類に配合して使用される。セメントとしては、特に限定はなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、超速硬ポルトランドセメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、自硬性セメント、石灰スラグセメント、高炉セメント、高硫酸塩スラグセメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント、ポゾランセメント、アルミナセメント、ローマンセメント、白セメント、マグネシアセメント、水滓セメント、カルシウムアルミネート、シリカセメント、シリカフュームセメント、ジェットセメント、石膏等が挙げられる。
また、これらのセメントに、砂、小石、石灰等を配合したコンクリート(コンクリート製品、生コンクリート、軽量コンクリート)やモルタルに、本発明の収縮低減剤を用いることができる。
本発明のセメント組成物用収縮低減剤の配合量はコンクリートの設計配合などにより異
なるが、通常、セメントの質量に対して0.1〜3質量%が好ましい。但しコンクリートの材料、配合条件により異なるので本発明のコンクリート用収縮低減剤及び収縮低減剤組成物の添加量はこれに限定されるものではない。
本発明のセメント組成物用収縮低減剤の使用態様は特に限定されず、従来公知の収縮低減剤と同様の使用態様、例えば、セメント類の練り水に添加して使用する態様、セメント類を混練しながらそこに添加する態様、シリカ等の吸油性粉体に吸収させて固体状とし、それをセメント類に添加する態様、或いは、半硬化したセメント硬化体表面に塗布して含浸させる態様等を適用できる。
本発明のセメント組成物用収縮低減剤は、他のセメント用添加剤と混和し、所謂セメント混和剤の形態として使用することもできる。配合され得る他のセメント用添加剤としては、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤、AE剤、起泡剤、消泡剤、養生剤、撥水剤、凝結促進剤、凝結遅延剤等が挙げられる。
これらのほか、増粘剤、膨張材、防錆剤、有機繊維、無機繊維、有機ポリマー、顔料など、セメント組成物に通常用いる種々の混和材料を使用できる。
次に実施例に基づいて本発明をより詳しく説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例並びに比較例において使用した一般式(1)で表される化合物は下記表1に示す通りである。なお表1中、「EO」はオキシエチレン基、「PO」はオキシプロピレン基を表し、EO、PO欄の数字は平均付加モル数を表す。
なお下記表における「沸点140℃以下の化合物の割合(質量%)」は、ガスクロマトグラフィーによって測定した値である。以下に測定条件を示す。
[ガスクロマトグラフィー測定条件]
機種:島津製作所(株)製 GC−14A
カラム:GLサイエンス社製 OV−17
昇温プログラム:100℃→300℃(10℃/1分)、インジェクション 330℃、ディテクタ 340℃
キャリアガス:窒素ガス、40ml/分
注入量:1μl
Figure 2010150085
[モルタル試験]
JIS R 5201の規定に従い、下記表2に示すモルタル配合にてモルタルを調製
し、モルタル試験に供した。
詳細には、モルタルの練り混ぜにはホバートミキサーを使用し、はじめに水とセメントを低速で30秒間練り混ぜたのち、砂を投入し低速で30秒練り混ぜた。なお、下記実施例及び比較例において添加した上記化合物は、セメント質量に対して一律2質量%の添加量で練り水と共に加えた。その後高速で30秒練り混ぜたのちに撹拌を停止し、90秒間静置した。静置開始から15秒間で容器の壁に付着したモルタルを掻き落とし、静置後、高速で60秒練り混ぜを行った。ここでモルタルの空気量は7〜9%となるように、適宜AE剤と消泡剤にて調整した。
Figure 2010150085
<モルタルフロー及び空気量>
モルタルフローの測定にはJISコーンを使用し、空気量の測定には、全質量方式を採用し、メスシリンダーを用いて測定し、下記式により空気量を算出した。結果を表3に示す。
空気量(%)=[1−(モルタル質量)/(配合から求める空気量0%でのモルタル質量
)]×100
<収縮低減率及び乾燥質量減少率>
収縮低減率の測定は、JIS R 5201に従い、4×4×16cmの型枠に充填して作製したモルタルの供試体を用いて行なった。硬化後の供試体を24時間後に脱型し、その後1週間の水中養生(20℃)を行った。水中養生終了後、JIS A 1129−2記載のコンタクトゲージ方法にて供試体の寸法を測定し、これを基準値とした。その後、供試体を温度20℃、湿度60%の条件にて保存し、材齢56日に再度供試体の寸法を測定し、長さ変化率を算出した。さらに、長さ変化率の測定と並行して、モルタル供試体の質量変化も測定した。
収縮低減率の値は、前述のモルタル供試体の長さ変化率と、ブランクとして収縮低減剤を使用していないモルタル供試体の長さ変化率を用いて、下記式により算出した。結果を表3に示す。尚、収縮低減率の値が大きい供試体ほど、収縮を抑制できていることを意味する。
収縮低減率(%)=[1−(実施例・比較例の長さ変化率)/(ブランク長さ変化率)]×100
乾燥質量減少率は、測定開始時の各供試体の質量と、試験後の供試体質量の値を用い、下記式により算出した。結果を表3に示す。なお、乾燥質量減少率が小さい供試体ほど、供試体中の水分逸散を抑制できていることを意味する。
乾燥質量減少率(%)=(供試体の質量変化量)/(試験開始時の供試体質量)×100
<凍結融解抵抗性(凍結融解前後の質量減少率)>
凍結融解抵抗性の評価には、凍結融試験解前後の質量減少率の値を用いた。この測定に
はJIS A 1148 A法(水中凍結水融解法)を参考にした簡易法を採用した。
詳細には、まず上記収縮低減率及び乾燥質量低減率の測定と同様の型枠、方法にて供試体を作成し、水中養生を行なった。その後供試体表面の水分を軽く拭き取り、凍結融解前の供試体質量を測定した。この後、+20℃〜−20℃の温度範囲で温度を上下させ、供試体の凍結と融解を繰り返し、1回の凍結と融解を1サイクルとし、計60サイクルの凍結融解試験を行った。なお、凍結並びに融解工程以下のとおりである。
・凍結工程:1時間かけて+20℃から−20℃まで降下し、−20℃を7時間保持する。
・融解行程:1時間かけて−20℃から+20℃まで上昇し、+20℃を3時間保持する。
なお、温度の誤算範囲は±2℃以内とする。
凍結融解試験終了後、供試体の表面の水分を軽く拭き取り、質量を測定し、試験前よりの質量減少率を下記式より算出した。結果を表3に示す。ここで求める質量減少率が小さい供試体ほど、凍結融解に対する抵抗性が高いと評価できる。
質量減少率(%)=[(試験前供試体質量)−(試験後供試体質量)]/(試験前供試体質量)×100
<外観変化:白華発生及び空気孔の有無>
供試体の全面の表面外観を目視にて観察し、白華の発生を確認した。結果を表4に示す。
また、前記供試体の型枠接触面のうち、2側面及び底面の3面につき、目視にて直径1mm以上の粗大な空気孔と直径1mm以下の微小な空気孔の個数を計測した。結果を表4に示す。この空気孔測定における外観の判定基準は、粗大な空気孔の数が多く、微小な空気孔の数が少ないほど、表面外観の状態が悪いと評価できる。
Figure 2010150085
Figure 2010150085
表3及び表4に示すように、本発明のセメント組成物用収縮低減剤を使用した実施例1ないし実施例3のモルタルは、収縮低減剤を使用していない比較例1並びに沸点140℃以下の化合物の含有割合が高い収縮低減剤を使用した比較例2ないし比較例3のモルタルと同程度もしくはそれ以上に、材齢56日後も収縮低減率、乾燥質量減少率が低いとする結果が得られた。また、凍結・融解サイクルを経た後も質量減少が少なく、凍結融解抵抗性が高いとする結果が得られた。
また、実施例1ないし実施例3のモルタルは、表面の空気孔粗大な空気孔数に比べて微小な空気孔数が多いという結果が得られ、表面性状に優れるコンクリート硬化体を得られことが確認された。
すなわち、本発明のセメント組成物用収縮低減剤は、収縮低減効果と凍結融解による影響防止効果とを均衡してともに良好に発揮することができ、且つ、経時的な使用を通してコンクリート硬化体の表面外観を良好に維持させることができることが確認された。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される少なくとも一種の化合物を含み、且つ該化合物のうち140℃以下の沸点を有するものの含有割合は、該化合物全体の質量に基づいて5質量%未満であることを特徴とする、セメント組成物用収縮低減剤。
    RO−(AO)n−H (1)
    (式中、Rはメチル基又はエチル基を表し、(AO)nは1〜7モルのエチレンオキシドと0〜4モルのプロピレンオキシドとの重合により構成されたポリオキシアルキレン基を表し、nは1乃至11の整数を表す。)
  2. 請求項1記載のセメント組成物用収縮低減剤、並びに、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤、AE剤、起泡剤、消泡剤、養生剤、撥水剤、凝結促進剤及び凝結遅延剤からなる群から選択される少なくとも一種の他のコンクリート添加剤を含有することを特徴とする、セメント混和剤。
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