JP6689676B2 - 水硬性組成物用分散剤組成物 - Google Patents

水硬性組成物用分散剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水硬性組成物用分散剤組成物、及び水硬性組成物に関する。
水硬性組成物用の分散剤は、セメント粒子を分散させることにより、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させ、水硬性組成物の作業性等を向上させるために用いる化学混和剤である。分散剤としては、従来、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のナフタレン系分散剤、カルボン酸とアルキレングリコール鎖を有する単量体との共重合体等のポリカルボン酸系分散剤、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミン系分散剤等が知られている。
ナフタレン系分散剤は、ポリカルボン酸系分散剤と比較して、材料や温度の変化に対する流動性発現の効果の変動が少なく、また得られる水硬性組成物の粘性が比較的低く、水硬性組成物の製造に際して使い易いという特徴がある。
一方、ポリカルボン酸系分散剤は、ナフタレン系分散剤と比較して、比較的低い水/セメント比の水硬性組成物に対しても、良好な分散性を発現できるという特徴がある。しかし、特許文献1〜3で課題とされているように、ポリカルボン酸系分散剤の効果発現には温度依存性があり、夏場等の高温下と冬場等の低温下では、流動性や材料分離抵抗性といった効果が変動する傾向がある。
ナフタレン系分散剤とポリカルボン酸系分散剤とを併用すれば、比較的低い水/セメント比の水硬性組成物に対し良好な分散性を発現しつつ温度依存性の課題を解消できることが考えられるが、実際は特許文献4、5に記載されているように、ナフタレン系分散剤とポリカルボン酸系分散剤とを併用すると、流動性が低下し、実用に耐えるような水準の分散剤を得ることはできなかった。
特開2003−321264号公報 特開2007−210877号公報 特開2011−207669号公報 特開2006−169078号公報 特開2006−168305号公報
本発明は、水硬性組成物に対する流動性付与効果を維持しつつ混練時の温度依存性が小さい水硬性組成物用分散剤組成物及び水硬性組成物を提供する。
本発明は、(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、
(B)カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下の重合物と、
(C)カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物と、
を含有する水硬性組成物用分散剤組成物に関する。
また本発明は、水硬性粉体と、
水と、
(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、
(B)カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位とアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下の重合物と、
(C)カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物と、
を含有する水硬性組成物に関する。
また本発明は、(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、
(B)カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下の重合物と、
(C)カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物と、
を含有する無機粉体用分散剤組成物に関する。
本発明によれば、水硬性組成物に対する流動性付与効果を維持しつつ混練時の温度依存性が小さい水硬性組成物用分散剤組成物及び水硬性組成物が提供される。
<水硬性組成物用分散剤組成物>
(A)成分はナフタレン系分散剤として機能し得る。また、(B)成分はポリカルボン酸系分散剤として機能し得る。(B)成分がリン酸基を有している場合も同様に機能し得る。ナフタレン系分散剤とポリカルボン酸系分散剤は併用すると増粘し、分散性が低下する。これはナフタレン系分散剤のナフタレン環とポリカルボン酸系分散剤のポリアルキレンオキシ基(AO鎖)とが会合するため分散剤が見かけ上高分子量化して増粘し、会合することによりセメントへの吸着が阻害され分散性が低下すると考えられる。さらに(C)成分を併用すると(C)成分がナフタレン環と相互作用を示すことでナフタレン環とAO鎖との会合が解消又は弱められ、増粘が抑制されると考えられる。そして、ナフタレン系分散剤とポリカルボン酸系分散剤が、それぞれ異なった吸着形態でセメントに吸着し分散性を発揮する結果、ナフタレン系分散剤及びポリカルボン酸系分散剤単独では得られない性能が得られると考えられる。(C)成分はナフタレン系分散剤水溶液に可溶でカチオン性官能基を有する化合物であり、(C)成分とナフタレン環との相互作用は親水性と疎水性、及びπ電子とカチオンのバランスによるものと考えられる。
<(A)成分>
(A)成分は、ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物である。
(A)成分としては、好ましくはナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又はその塩である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、性能を損なわない限り、単量体として、例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、クレオソート油、タール、メラミン、尿素、スルファニル酸及び/又はこれらの誘導体などのような、ナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合させてもよい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、例えば、マイテイ150、デモール N、デモール RN、デモール MS、デモールSN−B、デモール SS−L(いずれも花王株式会社製)、セルフロー 120、ラベリン FD−40、ラベリン FM−45(いずれも第一工業株式会社製)などのような市販品を用いることができる。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは80,000以下、より更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは30,000以下である。そして、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上、より更に好ましくは5,000以上である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は酸の状態あるいは中和物であってもよい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の分子量は下記条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
[GPC条件]
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー)
溶離液:30mM CHCOONa/CHCN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の製造方法は、例えば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとを縮合反応により縮合物を得る方法が挙げられる。前記縮合物の中和を行ってもよい。また、中和で副生する水不溶解物を除去してもよい。具体的には、ナフタレンスルホン酸を得るために、ナフタレン1モルに対して、硫酸1.2〜1.4モルを用い、150〜165℃で2〜5時間反応させてスルホン化物を得る。次いで、該スルホン化物1モルに対して、ホルムアルデヒドとして0.95〜0.99モルとなるようにホルマリンを85〜95℃で、3〜6時間かけて滴下し、滴下後95〜105℃で縮合反応を行う。さらに、得られる縮合物の水溶液は酸性度が高いので貯槽等の金属腐食を抑制する観点から、得られた縮合物に、水と中和剤を加え、80〜95℃で中和工程を行うことができる。中和剤は、ナフタレンスルホン酸と未反応硫酸に対してそれぞれ1.0〜1.1モル倍添加することが好ましい。また、中和により生じる水不溶解物を除去することができ、その方法として好ましくは濾過による分離が挙げられる。これらの工程によって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。この水溶液は、そのまま(A)成分の水溶液として使用することができる。更に必要に応じて該水溶液を乾燥、粉末化して粉末状のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩を得ることができ、これを粉末状の(A)成分として使用することができる。乾燥、粉末化は、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等により行うことができる。
<(B)成分>
(B)成分は、カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位とアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下の重合物である。
重合物とは付加重合、縮合重合によって得られる化合物である。付加重合としては不飽和結合を有するモノマーを反応させる手法である、ラジカル重合、イオン重合等が挙げられる。縮合重合としては芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合を代表とする、アルデヒド類による付加縮合等が挙げられる。
(B)成分のカルボン酸基は、−COOM(Mは、対イオンを示す。)で表される基である。カルボン酸基は、カルボキシ基及び塩となっているカルボキシ基から選ばれる基である。
また、(B)成分のリン酸基は、−OPO(OM)(OM)(M、Mは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンを示す。)で表される基である。リン酸基は、リン酸基及び塩となっているリン酸基から選ばれる基である。
ここで、M、M、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオン、アミンなどが挙げられる。
(B)成分のアルキレンオキシ基は、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が挙げられる。これらは、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基等、2以上のアルキレンオキシ基が付加重合したものが好ましい。
(B)成分は、カルボン酸基を有するモノマー単位を含む重合物、及びカルボン酸基を有するモノマー単位とリン酸基を有するモノマー単位とを含む重合物から選ばれる重合物が好ましい。
(B)成分としては、例えば、不飽和結合を有するリン酸基及び/又はカルボン酸化合物と不飽和結合を有するアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する化合物との付加重合物、カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位とアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
(B)成分の重量平均分子量は1,000以上1,000,000以下であり、水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、好ましくは500,000以下、更に好ましくは150,000以下、より更に好ましくは100,000以下である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール)により測定することができる。
例えば(B)成分としては、
(1)アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸、水酸基を有してもよい炭素数1以上、3以下の(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和基を有するリン酸エステルから選ばれる1種以上とを共重合した共重合物、
(2)ポリアルキレングリコールと不飽和アルコールのエーテル化合物と、ジカルボン酸及びジカルボン酸無水物から選ばれる1種以上とを共重合した共重合物、が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートの意味であり、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である。
カルボン酸基を有するモノマー単位としては、付加重合可能な不飽和結合を有するモノカルボン酸及び付加重合可能な不飽和結合を有するジカルボン酸から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられ、メタクリル酸、及びアクリル酸から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が好ましい。無水マレイン酸等の無水化合物や、マレイン酸モノエステル等のハーフエステルをモノマーとするモノマー単位であってもよい。
リン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位としては、付加重合可能な不飽和結合を有するリン酸化合物及び縮合重合可能な芳香族官能基を有するリン酸化合物から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル、ポリアルキレレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル、及びフェノキシエタノールホスフェートから選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられ、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル、及びフェノキシエタノールホスフェートから選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が好ましい。また、これらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩であってもよい。
アルキレンオキシ基を有するモノマー単位としては、付加重合可能な不飽和結合とアルキレンオキシ基を有する化合物に由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリアルキレングリコールと不飽和アルコールのエーテル化合物から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。アルキレンオキシ基を有するモノマー単位としては、具体的には、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、プロポキシポリエチレングリコール、プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化物、アリルアルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、イソプレノールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、ビニルアルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、アクリル酸のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、並びにメタクリル酸のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物から選ばれるモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。
(B)成分のアルキレンオキシ基を有するモノマー単位は、該モノマー単位あたりのアルキレンオキシ基の平均付加モル数が、分散性向上の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは20以上であり、そして、好ましくは150以下、より好ましく130以下である。
また、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位としては、下記一般式(B1)で表されるモノマーに由来するモノマー単位が好ましい。
Figure 0006689676
〔式中、R1bは、水素原子又はメチル基を表す。AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数を表す。Zはエーテル基(−O−)又はエステル基(−COO−)を表す。R2bは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。〕
(B)成分の具体例を以下に示す。
(b1)メタクリル酸とメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートとを構成モノマーとして含む重合物
該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、メタクリル酸が40モル%以上90モル%以下であることが好ましい。また、該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートが10モル%以上60モル%以下であることが好ましい。また、該重合物の重量平均分子量は、分散性向上の観点から、10,000以上100,000以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール)により測定することができる。
(b2)ポリオキシエチレンモノフェニルエーテルとフェノキシエタノールホスフェートとを構成モノマーとして含むホルムアルデヒド重縮合物
該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、ポリオキシエチレンモノフェニルエーテルが10モル%以上70モル%以下であることが好ましい。また、該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、フェノキシエタノールホスフェートが30モル%以上90モル%以下であることが好ましい。また、該重合物の重量平均分子量は、分散性向上の観点から、5,000以上10,0000以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール)により測定することができる。
<(C)成分>
(C)成分は、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物である。
(C)成分は、分散性向上の観点から、好ましくは炭素数8以上18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤及び炭素数8以上18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有する両性界面活性剤から選ばれる1種以上であり、より好ましくは炭素数8以上18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤から選ばれる1種以上である。
炭素数8以上18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有するカチオン性界面活性剤及び炭素数8以上18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有する両性界面活性剤において、炭素数8以上18以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)は、置換基を含む長鎖炭化水素基を含む。
置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。置換基を含む長鎖炭化水素基は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。例えば、置換基としては、エーテル基(−O−)、エステル基(−COO−)、アミド基(−NHCO−)、アミン基(−NH−)又は硫酸エステル基(−OSO−)等が挙げられる。
長鎖炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、炭化水素の水素原子の1つ、2つ又は3つが置換されたアリール基などが挙げられる。長鎖炭化水素基は、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
長鎖炭化水素基がアルキル基である場合、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。
長鎖炭化水素基がアルケニル基である場合、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。
長鎖炭化水素基は、経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
長鎖炭化水素基は、水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
長鎖炭化水素基の具体例を挙げると、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
長鎖炭化水素基の他の具体例を挙げると、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
長鎖炭化水素基の他の具体例を挙げると、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基、及び、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
本発明の(C)成分としては、下記一般式(C1)で表される化合物、下記一般式(C2)で表される化合物、下記一般式(C3)で表される化合物、下記一般式(C4)で表される化合物、下記一般式(C5)で表される化合物及び下記一般式(C6)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物であることが好ましい。
Figure 0006689676
〔式中、
11、R12、R13、R14は、同一又は異なって、それぞれ、炭化水素基、
21は、炭化水素基、
31,R32、R33、R34、R35は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭化水素基、
41,R42,R43は、同一又は異なって、それぞれ、炭化水素基、
51、R52、R53は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基
54は、アニオン基を有する置換基
61は、炭化水素基、
mは、1以上3以下の数
、X 、X は、同一又は異なって、それぞれ、対イオン、
は、水素原子又は陽イオン、
を表す。〕
〔(C1)〕
化合物(C1)は、前記一般式(C1)で表される化合物である。
一般式(C1)中のR11、R12、R13、R14は、これらのうち少なくとも1つが炭素数5以上30以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)であり、残りが炭素数1以上5以下の炭化水素基(以下、短鎖炭化水素基ともいう)が好ましい。これらの炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、前記<(C)成分>で示したものと同様である。
一般式(C1)中、長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、オクチル基、デシル基、ラウリル基(ドデシル基)、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基(ドデシル基)、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基(ドデシル基)、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C1)中、短鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは1以上、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下である。短鎖炭化水素基は、具体的には、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、芳香族アルキル基及びアルキレンオキシ基から選ばれる基が挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくは直鎖アルキル基及びアルキレンオキシ基から選ばれる基であり、より好ましくは直鎖アルキル基である。なお短鎖炭化水素基が芳香族アルキル基の場合、短鎖炭化水素基の炭素数に芳香族の炭素数は含まれない。
一般式(C1)中、X は、対イオンであり、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオンから選ばれる陰イオン基が好ましく、ハロゲン化物イオンから選ばれる陰イオン基がより好ましく、塩化物イオンが更に好ましい。
化合物(C1)の具体例としては、ジメチルラウリルアンモニウムカチオン、トリメチルミリスチルアンモニウムカチオン、トリメチルパルミチルアンモニウムカチオン、トリメチルステアリルアンモニウムカチオン、トリメチルオレイルアンモニウムカチオン、トリメチルオクチルアンモニウムカチオン、トリ(ポリオキシエチレン)ラウリルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくはトリメチルラウリルアンモニウムカチオン及びトリメチルオレイルアンモニウムカチオンから選ばれる1種以上である。
〔(C2)〕
化合物(C2)は、前記一般式(C2)で表される化合物である。
一般式(C2)中のR21は、炭素数3以上30以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)が好ましい。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、前記<(C)成分>で示したものと同様である。
一般式(C2)中、長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、ブチル基、2−エチルへキシル、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C2)中、X は、対イオンであり、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン及びアルキル硫酸イオンから選ばれる陰イオン基が好ましく、ハロゲン化物イオンから選ばれる陰イオン基がより好ましく、塩化物イオンが更に好ましい。
化合物(C2)の具体例としては、アルキルピリジニウムカチオンから選ばれる1種以上であり、ブチルピリジニウムカチオン等が挙げられるが、分散性向上の観点から、好ましくはラウリルピリジニウムカチオン及びオクチルピリジニウムカチオンから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはラウリルピリジニウムカチオンである。
〔(C3)〕
化合物(C3)は、前記一般式(C3)で表される化合物である。
一般式(C3)中のR31、R32、R33、R34、R35は、これらのうち少なくとも1つが炭素数6以上30以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)であることが好ましく、残りが水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基(以下、短鎖炭化水素基ともいう)であることが好ましい。これらの炭化水素基は、置換基を有する炭化水素基を含む。
置換基は、前記<(C)成分>で示したものと同様である。
一般式(C3)中、長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上、そして、安定性の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは18以下である。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C3)中、短鎖炭化水素基の炭素数は分散性向上の観点から、好ましくは1以上、そして、好ましくは4以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1以下である。短鎖炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基及びイソプロピル基から選ばれる基が挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくはメチル基及びエチル基から選ばれる基であり、より好ましくはメチル基である。
一般式(C3)中、X は、対イオンであり、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオンから選ばれる陰イオン基が好ましく、ハロゲン化物イオンから選ばれる陰イオン基がより好ましく、塩化物イオンが更に好ましい。
化合物(C3)としては、1-ヘキシル3-メチルイミダゾリムカチオン、1-ヘキシル3-エチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ドデシル3-エチルイミダゾリウムカチオン、などが挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくは1-ヘキシル3-メチルイミダゾリムカチオン、1-ヘキシル3-エチルイミダゾリウムカチオン及び1-ドデシル3-エチルイミダゾリウムカチオンから選ばれる1種以上であり、より好ましくは1-ヘキシル3-メチルイミダゾリムカチオン及び1-ドデシル3-エチルイミダゾリウムカチオンから選ばれる1種以上であり、更に好ましくは1-ヘキシル3-メチルイミダゾリムカチオンである。
〔(C4)〕
化合物(C4)は、前記一般式(C4)で表される化合物である。
一般式(C4)中のR41、R42、R43は、これらのうち少なくとも1つが炭素数5以上30以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)であることが好ましく、残りが炭素数1以上4以下の炭化水素基(以下、短鎖炭化水素基ともいう)であることが好ましい。これらの炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、前記<(C)成分>で示したものと同様である。
一般式(C4)中、長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ラウロイル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ラウロイル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ラウロイル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C4)中、短鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは1以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。短鎖炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基及びプロピル基から選ばれる基が挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくはメチル基及びエチル基から選ばれる基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物(C4)としては、ジメチルラウリルアミンオキシド、ラウロイルジメチルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキシド、ジメチルオレイルアミンオキシド、その他アルキルアミンオキシドなどが挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくはジメチルラウリルアミンオキシド、ラウロイルジメチルアミンオキサイド、メチルオレイルアミンオキシド及びジメチルステアリルアミンオキシドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはジメチルラウリルアミンオキシド又はラウロイルジメチルアミンオキサイド、である。
〔(C5)〕
化合物(C5)は、前記一般式(C5)で表される化合物である。
一般式(C5)中のR51、R52、R53は、これらのうち少なくとも1つが炭素数6以上30以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)であることが好ましく、残りが水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基(以下、短鎖炭化水素基ともいう)であることが好ましい。これらの両炭化水素基は、置換基を有さない炭化水素基と置換基を有する炭化水素基を含む。置換基を有する炭化水素基はR51、R52、R53のいずれか1つが好ましい。
置換基は、前記<(C)成分>で示したものと同様である。
一般式(C5)中のR54はアニオン基を有する含む置換基である。アニオン基としては、例えば、スルホン酸基、硫酸エステル基、カルボン酸基、りん酸基等が挙げられる。
長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C5)中、短鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは1以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。短鎖炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基及びプロピル基から選ばれる基が挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくはメチル基及びエチル基から選ばれる基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物(C5)としては、ジメチルラウリルアミノアセテートベタイン、ジメチルアミノスルホベタインなどが挙げられ、分散性向上の観点から、好ましくはジメチルラウリルアミノアセテートベタインである。
〔(C6)〕
化合物(C6)は、前記一般式(C6)で表される化合物である。
一般式(C6)中のR61は、炭素数9以上23以下の炭化水素基(以下、長鎖炭化水素基ともいう)が好ましい。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、前記<(C)成分>で示したものと同様である。
一般式(C6)中、長鎖炭化水素基の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは23以下、より好ましくは17以下である。
更に具体的には、長鎖炭化水素基としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C6)中、mは1以上3以下の数であり、好ましくは1である。Mは、水素原子又は陽イオンであり、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンが好ましく、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンがより好ましい。
化合物(C6)の具体例としては、ココアンホ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
(C)成分は、化合物(C1)、化合物(C2)、化合物(C3)、化合物(C4)、化合物(C5)及び化合物(C6)に属する化合物の1種以上であってもよい。(C)成分は、分散性向上の観点から、(C1)及び(C4)から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
<水硬性組成物用分散剤組成物の組成等>
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(A)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有する。
なお、水硬性組成物用分散剤組成物について、固形分とは、水以外の成分をいう。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(B)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(C)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは6質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、強度発現性の観点から、(A)成分と(B)成分の質量比が、(A)/(B)で、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、分散性向上の観点から、(A)成分と(C)成分の質量比が、(A)/(C)で、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、分散性向上の観点から、(A)成分と(B)成分の合計と(C)成分との質量比が、(C)/〔(A)+(B)〕で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.15以上、より更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下、より更に好ましくは0.3以下である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、更に、(D)消泡剤〔以下、(D)成分という〕を含有することができる。
(D)成分としては、非イオン界面活性剤系消泡剤が好ましい。(D)成分としては、シリコーン系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、エーテル系消泡剤が好ましく、シリコーン系消泡剤ではジメチルポリシロキサンがより好ましく、脂肪酸エステル系消泡剤ではポリアルキレングリコール脂肪酸エステルがより好ましく、エーテル系消泡剤ではポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより好ましい。
(D)成分としては、強度低下を抑制できる観点から、脂肪酸エステル系消泡剤が好ましい。
シリコーン系消泡剤は水と相溶性のある乳化タイプが好ましく、そのような乳化タイプのものとしては、KM−70、KM−73A〔何れも信越シリコーン(株)〕、TSAシリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)、FSアンチフォームシリーズ〔東レ・ダウコーニング(株)〕、アンチフォームE−20〔花王(株)〕等の市販品が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤のうちポリアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、レオドールTW−L120〔花王(株)〕、ニコフィックス、フォームレックス〔何れも日華化学(株)〕等の市販品が挙げられる。
エーテル系消泡剤のうちポリアルキレングリコールアルキルエーテルとしては、消泡剤No.1、消泡剤No.5〔何れも花王(株)〕、アデカプルロニックシリーズ〔(株)アデカ〕等の市販品が挙げられる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(D)成分を、固形分中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、起泡抑制及び破泡の観点から、(C)成分と(D)成分の質量比が、(D)/(C)で、好ましくは0.00001以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、従来のセメント分散剤、水溶性高分子化合物、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、防腐剤などの成分〔(A)〜(D)成分に該当するものを除く〕を更に含有することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、形態が、液体、固体の何れでもよい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物が液体の場合は、水を含有することが好ましい。
水硬性組成物用分散剤組成物が液体である場合、水の含有量は、取り使いのしやすさの観点から、該組成物中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、水硬性組成物の流動性を向上する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が液体である場合、(A)成分の含有量は、分散性の観点から、該組成物中、好ましくは3質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
また、(B)成分の含有量は、分散性の観点から、該組成物中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
更に、(C)成分の含有量は、分散性及び起泡性制御の観点から、該組成物中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が液体である場合、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計の含有量は、分散性と取扱い性の観点から、該組成物中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
〔無機粉体用分散剤組成物〕
本発明の無機粉体用分散剤組成物に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。また、本発明の無機粉体用分散剤組成物は、(D)成分の消泡剤を含有することができる。(D)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
無機粉体としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。無機粉体のうち、水硬性粉体に対して用いるものが、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物である。
(1)セメント、石膏などの水硬性粉体
(2)フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、けい酸白土などのポソラン作用を持つ粉体
(3)石炭灰、高炉スラグ、けい藻土などの潜在水硬性粉体
(4)カオリン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、セリサイト、ベントナイトなどのケイ酸塩
(5)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛などの炭酸塩
(6)硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩
(7)ストロンチウムクロメート、ピグメントイエローなどのクロム酸塩
(8)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸マグネシウムなどのモリブデン酸塩
(9)アルミナ、酸化アンチモン、酸化チタニウム、酸化コバルト、四酸化三鉄、三酸化ニ鉄、四酸化三鉛、一酸化鉛、酸化クロムグリーン、三酸化タングステン、酸化イットリウムなどの金属酸化物
(10)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、メタチタン酸などの金属水酸化物
(11)炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化チタンなどの金属炭化物
(12)窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、チタン酸バリウム、サチンホワイト、カーボンブラック、グラファイト、クロムイエロー、硫化水銀、ウルトラマリン、パリスブルー、チタニウムイエロー、クロムバーミリオン、リトポン、アセト亜ヒ酸銅、ニッケル、銀、パラジウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの、上記(1)〜(11)に分類されない他の無機粉体
本発明の無機粉体用分散剤組成物は、無機粉体スラリーに用いることができる。無機粉体スラリーは、無機粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有するスラリーである。無機粉体が水硬性粉体である場合、スラリーは、本発明の水硬性組成物である。
本発明のスラリーに用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
無機粉体スラリーとしては、例えば無機粉体として高炉スラグを使用したスラリー(以下、高炉スラグスラリーという)が挙げられる。高炉スラグスラリーは、高炉スラグ100質量部に対して、本発明の無機粉体用分散剤組成物を、固形分で0.01質量部以上5.0質量部含有することが好ましい。高炉スラグスラリーは、高炉スラグ100質量部に対して、水を、好ましくは40質量部以上、より好ましくは45質量部以上、そして、好ましくは250質量部、より好ましく230質量部以下含有する。また、高炉スラグスラリーは、(D)成分を含有することが好ましい。高炉スラグスラリーは、(C)成分と(D)成分の質量比が、(D)/(C)で、好ましくは0.00001以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
〔水硬性組成物〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する水硬性組成物を提供する。(A)成分と、(B)成分と、(C)成分は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を添加して用いて水硬性組成物を調製してもよく、それぞれを別々に水硬性粉体と水とを含む系に添加して水硬性組成物を調製してもよい。
本発明の水硬性組成物に使用される水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくは普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントである。また、セメント等に高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポゾラン作用及び/または潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。
本発明の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)、通常W/Pと略記されるが、粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕が、水が少ない配合でも流動性を発現できる点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
本発明の水硬性組成物に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、より更に好ましくは0.4質量部以上、より更に好ましくは0.5質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、より更に好ましくは0.07質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.02質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.7質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを合計で、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物は、強度発現の観点から、(A)成分と(B)成分の質量比が、(A)/(B)で、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下である。
本発明の水硬性組成物は、分散性向上の観点から、(A)成分と(C)成分の質量比が、(A)/(C)で、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下である。
本発明の水硬性組成物は、分散性向上の観点から、(A)成分と(B)成分の合計と、(C)成分との質量比が、(C)/〔(A)+(B)〕で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.15以上、より更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下、より更に好ましくは0.3以下である。
本発明の水硬性組成物は、更に、(D)成分として、消泡剤を含有することができる。消泡剤の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。(D)成分を用いる場合、本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(D)成分を、好ましくは0.0005質量部以上、より好ましくは0.00025質量部以上、更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.075質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下含有する。本発明の水硬性組成物は、起泡抑制及び破泡の観点から、(C)成分と(D)成分の質量比が、(D)/(C)で、好ましくは0.00001以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有することが好ましい。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用してもよく、単一の種類のものを使用してもよい。
水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1000kg/m以上であり、そして、好ましくは2000kg/m以下、より好ましくは1800kg/m以下、更に好ましくは1700kg/m以下である。
水硬性組成物としては、コンクリート等が挙げられる。なかでもセメントを用いたコンクリートが好ましい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。
本発明の水硬性組成物は、更にその他の成分を含有することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、等〔(A)〜(D)成分に該当するものを除く〕が挙げられる。
〔水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを混合する、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法を提供する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。更に、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分とを混合して、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分を含有する水硬性組成物用分散剤組成物を製造することもできる。(D)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を製造する方法として好適である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分と水とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法が挙げられる。この場合、(A)成分と(B)成分と(C)成分と水との混合は、性能を低下させない範囲で任意の方法で行うことができる。例えば、(C)成分の凝固点以上に加熱した(A)成分の水溶液、(C)成分の凝固点以上に加熱した(B)成分の水溶液、及び(C)成分を攪拌機で混合する方法や、(A)成分、(B)成分及び(C)成分をそれぞれ水に溶解させ、(A)成分の水溶液、(B)成分の水溶液及び(C)成分の水溶液を混合する方法のように行うことができる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを混合する水硬性組成物の製造方法を提供する。
本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
更に、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分を混合して、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分を含有する水硬性組成物用分散剤組成物を製造することもできる。(D)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、及び水硬性組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、より更に好ましくは0.4質量部以上、より更に好ましくは0.5質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、より更に好ましくは0.07質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.02質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.7質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを合計で、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、作業性の観点から、(A)成分と(B)成分とを、(A)/(B)の質量比が、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下となるように混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、分散性向上の観点から、(A)成分と(C)成分とを、(A)/(C)質量比が、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下となるように混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、作業性の観点から、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを、(A)成分と(B)成分の合計と(C)成分との質量比が、(C)/〔(A)+(B)〕で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.15以上、より更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下、より更に好ましくは0.3以下となるように混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、更に、(D)成分として、消泡剤を混合してもよい。消泡剤の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。(D)成分を用いる場合、本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(D)成分を、好ましくは0.0005質量部以上、より好ましくは0.00025質量部以上、更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.075質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(A)成分、(B)成分及び(C)成分とセメント等の水硬性粉体とを円滑に混合する観点から、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と水とを予め混合し、水硬性粉体と混合することが好ましい。水を含有する本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を用いることができる。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、セメント等の水硬性粉体と、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物とを混合する方法が好ましい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、粉末であっても液体であってもよく、水硬性粉体に対して、(A)成分、(B)成分、(C)成分、さらには(D)成分が、前述の添加量となるように添加されることが好ましい。具体的には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を、水硬性粉体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.15質量部以上、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下混合する。
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
得られた水硬性組成物は、更に、水硬性組成物を型枠に充填し養生し硬化させる。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために加熱養生し、硬化を促進させてもよい。ここで、加熱養生は、40℃以上、80℃以下の温度で水硬性組成物を保持して硬化を促進することができる。
本発明により、
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを混合して水硬性組成物を調製する工程
調製された前記水硬性組成物を型枠に充填、養生、硬化させる工程、及び、
硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、
を有する硬化体の製造方法が提供される。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、この硬化体の製造方法にも適用することができる。
コンクリート製品である型枠を用いる水硬性組成物の硬化体としては、土木用製品では、護岸用の各種ブロック製品、ボックスカルバート製品、トンネル工事等に使用されるセグメント製品、橋脚の桁製品等が挙げられ、建築用製品では、カーテンウォール製品、柱、梁、床板に使用される建築部材製品等が挙げられる。
〔分散性能の向上方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)とを混合して水硬性組成物を調製する際に、(C)成分を添加する、(A)成分及び(B)成分の水硬性粉体に対する分散性能の向上方法を提供する。(A)成分と(B)成分は、それぞれ、水硬性粉体用の分散剤として知られ、その分散性能によって水硬性組成物の流動性が向上する。しかし、(A)成分と(B)成分とを併用しても流動性は向上しないばかりか、逆に流動性は著しく低下する。本発明では、(C)成分を添加することにより、(A)成分と(B)成分を併用した場合よりも、水硬性組成物の流動性が向上する。すなわち、(C)成分を添加することで、(A)成分及び(B)成分を併用した分散剤の水硬性粉体に対する分散性能を向上させるといえる。
本発明の分散性能の向上方法に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の分散性能の向上方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の分散性能の向上方法に適宜適用することができる。
<実施例1及び比較例1>
(1)モルタルの調製
モルタルミキサー(株式会社ダルトン製 万能混合撹拌機 型式:5DM−03−γ)を用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りをモルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて10秒行い、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を含む練り水(W)を加えた。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて120秒間本混練りして、モルタルを調製した。
モルタルの配合条件は、いずれのモルタルも、セメント400g、細骨材700gであり、水/セメント比(W/C)は30質量%とした。
成分は以下のものである。
・水(W):上水道水を用いた。
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント/住友大阪セメント=1/1、質量比) 密度3.16g/cm
・細骨材(S):城陽産山砂 密度2.55g/cm
・(A)成分:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、重量平均分子量15,000
・(B)成分:メタクリル酸ナトリウム塩/メトキシポリエチレングリコール(23)モノメタクリレート共重合物(モル比70/30、重量平均分子量50000)
・(C)成分:表1中に記載のものを用いた。
・(D)成分:フォームレックス797(脂肪酸エステル系消泡剤)、日華化学株式会社製、上記モルタル配合に0.05g添加した。
(2)流動性の評価
JIS R 5201の試験方法に従って、調製したモルタルのフローを測定した。ただし、落下運動を与える操作は行っていない。モルタルフローの測定は、接水(水硬性粉体(セメント)と水が最初に接触した時点)から3分経過後に行った。結果を表1に示した。
Figure 0006689676
*1 添加量:セメント100質量部に対する添加量(質量部)
*2 合計添加量:セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計の添加量(質量部)
比較例1−1〜1−4より、(A)成分と(B)成分は、これらを単独で使用した場合、各成分の添加量を増加させると、モルタルフローが向上することが分かる。
しかし、比較例1−5,1−6より、(A)成分と(B)成分を併用した場合、各成分の添加量を増加させても、モルタルフローが向上しないことが分かる。
実施例1−1〜1−15より、(C)成分の添加により、(A)成分と(B)成分とを併用した場合でも、比較例1−5,1−6に比べ、モルタルフローが向上することが分かる。
<実施例2及び比較例2>
実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。ただし、モルタルの配合条件は、いずれのモルタルも、セメント400g、細骨材700gであり、水/セメント比(W/C)は35質量%とした。またモルタルフローは。温度が22℃又は33℃のモルタルについて測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006689676
*1 添加量:セメント100質量部に対する添加量(質量部)
*2 合計添加量:セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計の添加量(質量部)
*3 添加量比:22℃における必要添加量を100質量%としたときの添加量の相対値(質量%)
比較例2−1より、(A)成分は、モルタル温度33℃では、所定の流動性(200mm)を得るために必要な添加量が、モルタル温度22℃に比べ減少することがわかる。
比較例2−2より、(B)成分は、モルタル温度33℃では、所定の流動性を得るために必要な添加量が、モルタル温度22℃に比べ増加することがわかる。
しかし、比較例2−3、2−4より、(A)成分と(B)成分を単純に併用した場合、モルタル温度22℃でモルタルの流動性が大きく低下し、所定の流動性が得られないことがわかる。
これに対し、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを組み合わせた実施例2−1では、モルタル温度22℃及び33℃で流動性の低下が生じず、また、所定の流動性を得るために必要な添加量がほぼ同じであった。
なお、表には示していないが、比較例2−3、2−4ではモルタル温度33℃でもモルタルの流動性が大きく低下し、所定の流動性が得られない。

Claims (13)

  1. (A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する、重量平均分子量5,000以上の高分子化合物と、
    (B)カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下の重合物と、
    (C)カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物と、
    を含有する水硬性組成物用分散剤組成物。
  2. (C)が、下記一般式(C1)で表される化合物、下記一般式(C2)で表される化合物、下記一般式(C3)で表される化合物、下記一般式(C4)で表される化合物、下記一般式(C5)で表される化合物及び下記一般式(C6)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
    Figure 0006689676


    〔式中、
    11、R12、R13、R14は、同一又は異なって、それぞれ、炭化水素基、
    21は、炭化水素基、
    31,R32、R33、R34、R35は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭化水素基、
    41,R42,R43は、同一又は異なって、それぞれ、炭化水素基、
    51、R52、R53は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基、
    54は、アニオン基を有する置換基、
    61は、炭化水素基、
    mは、1以上3以下の数
    、X 、X は、同一又は異なって、それぞれ、対イオン、
    は、水素原子又は陽イオン、
    を表す。〕
  3. 更に、(D)消泡剤を含有する、請求項1又は2記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  4. (A)が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩である、請求項1〜3の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  5. (A)と(C)の質量比(A)/(C)が、1.5以上20以下である、請求項1〜4の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  6. 水硬性粉体と、
    水と、
    (A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する、重量平均分子量5,000以上の高分子化合物と、
    (B)カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位とアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下の重合物と、
    (C)カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の化合物と、
    を含有する水硬性組成物。
  7. (C)が、下記一般式(C1)で表される化合物、下記一般式(C2)で表される化合物、下記一般式(C3)で表される化合物、下記一般式(C4)で表される化合物、下記一般式(C5)で表される化合物及び下記一般式(C6)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物である、請求項6記載の水硬性組成物。
    Figure 0006689676


    〔式中、
    11、R12、R13、R14は、同一又は異なって、それぞれ、炭化水素基、
    21は、炭化水素基、
    31,R32、R33、R34、R35は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭化水素基、
    41,R42,R43は、同一又は異なって、それぞれ、炭化水素基、
    51、R52、R53は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基
    54は、アニオン基を有する置換基
    61は、炭化水素基、
    mは、1以上3以下の数
    、X 、X は、同一又は異なって、それぞれ、対イオン、
    は、水素原子又は陽イオン、
    を表す。〕
  8. 更に、(D)消泡剤を含有する、請求項6又は7に記載の水硬性組成物。
  9. (A)が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩である、請求項6〜8の何れか1項記載の水硬性組成物。
  10. 水硬性粉体100質量部に対して、(A)を0.1質量部以上10質量部以下含有する、請求項6〜9の何れか1項記載の水硬性組成物。
  11. 水硬性粉体100質量部に対して、(B)を0.02質量部以上10質量部以下含有する、請求項6〜10の何れか1項記載の水硬性組成物。
  12. 水硬性粉体100質量部に対して、(C)を0.001質量部以上5質量部以下含有する、請求項6〜11の何れか1項記載の水硬性組成物。
  13. (A)と(C)の質量比(A)/(C)が、3以上20以下である、請求項6〜12の何れか1項記載の水硬性組成物。
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