JP2005335994A - 食品添加コンクリート、医薬品添加コンクリート、およびコンクリート用添加材 - Google Patents

食品添加コンクリート、医薬品添加コンクリート、およびコンクリート用添加材 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境汚染の心配がなく、人体への健康被害も発生させる虞のない、再利用可能な抗菌性等を有するコンクリートを提供する。
【解決手段】 コンクリートに緑茶、唐芥子等の食品、あるいはクレゾール石鹸液等の医薬を含有させることにより、コンクリートに抗菌性、あるいは抗カビ性、あるいは防虫性を付与する。かかる構成のコンクリートは、細菌類やカビ等が発生し易い箇所のコンクリート躯体、コンクリート構造物に適用することで、発生する細菌によるコンクリート劣化、あるいは発生するカビ等の住居環境の健康被害を抑制することができる。併せて、添加物自体が食品あるいは医薬品であるため、かかるコンクリートの再利用に際しても環境汚染等の虞がない。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリートに関し、特に、抗菌、抗カビ、防虫効果等を有するコンクリートに関する。
建築、土木分野では、コンクリート構造がごく当たり前に採用されている。例えば、身近には、高層ビルやマンション等の集合住宅の躯体構造等がよく知られ、その強度、簡便さ、長年の使用実績等の観点から、コンクリート構造がごく当たり前に採用されている。
しかし、近年、ごく当たり前に採用されていたコンクリート構造にも、細かに観察すると、種々の問題点が潜んでいることが分かってきた。その一つに、コンクリート構造物が湿気の多い環境下に構築された場合には、コンクリート構造物の表面に細菌が繁殖したり、カビが生える等して、コンクリートを劣化させることが挙げられる。
下水処理施設等のコンクリート構造物では、例えば、汚泥施設、水道管等の水が滞留し易い環境下で、コンクリートの石膏化が進み、コンクリート構造物の劣化が早まるとの報告がある。かかる石膏化も、構築環境から発生する硫化水素が、硫黄酸化細菌等の細菌により酸化されて硫酸となり、かかる硫酸がコンクリート中のカルシウムと反応して石膏化が進むのが原因と言われている。
また、湿気の多い地盤環境にマンションを構築した場合には、1階部分等の低層階の室内のコンクリート壁にカビが異常発生する場合が見られる。室内のコンクリート壁表面は通常は壁紙等で内装が施されているが、カビはその内装の壁紙表面にまで出てくる場合もあり、衛生環境の点から問題があるとの指摘がある。
そこで、近年、コンクリートを細菌類やカビから守ることが必要であるとの認識が、徐々に広まりつつある。例えば、コンクリートを細菌類、カビから守るために、光触媒等のように表面処理する方法が知られている。表面処理の効果が薄れてきた場合には、補修工事を行うようにして、定期的なメンテナンスを行っている。
一方、かかる表面処理では、定期的なメンテナンス等が必要であるため、かかるメンテナンスの手間を省くため、メンテナンスフリーを目指して、コンクリート自体に抗菌性等を付与しようとする提案もある。抗菌性を持つコンクリートは、地下ピットや下水処理施設等、劣悪な環境下に使用することが想定されたものが多く、抗菌性を有する物質として重金属が用いられている。例えば、特許文献1に重金属を使用した例が開示されている。
特開平06−016461号公報
上記の如く、細菌類によるコンクリート劣化は、社会的にも問題であり、短期間でメンテナンスの必要性が生じる。また、劣化に至らないまでも、室内のコンクリート壁にカビが発生する等の現象は、住居環境として、その衛生的な面からも多いに問題である。近年、アトピー性皮膚炎等の種々のアレルギー疾患が問題となっているが、室内のカビ等は、かかるアレルギー疾患を悪化する原因の一つとも言われている。
コンクリート自体に抗菌性を持たせることで、かかる問題点の解消を図る技術が前記の如く提案されてはいるが、しかし、抗菌性付与のために使用する重金属に関しては別の問題が発生することに本発明者は気がついた。
すなわち、下水処理施設等のように特殊な環境下であれば、人が普段に居住する生活空間とは異なり、人体に対する重金属汚染の虞はそれ程考慮しなくても済むかも知れない。しかし、マンション等の室内の壁に使用するコンクンリートに重金属を混ぜることは、人体への影響を考えると安易には行えない。
さらに、近年は、建築廃材の再利用が盛んに進められ、コンクリート構築物の解体等により発生するコンクリート破砕材も、積極的に2次用途として利用されるようになってきた。しかし、重金属が混練されている場合には、重金属汚染の影響を考慮しなければならず、2次用途としてのコンクリート破砕材の利用には躊躇することとなる。場合によっては、再生材としての利用が不可能になり、敢えて使用することは自然環境に悪影響を及ぼすこととなる。
成る程、重金属を用いることでコンクリートに抗菌性を付与する技術は極めて優れたものではあるが、重金属の健康被害等の重金属汚染を考慮すると、現状では、どうしても抗菌性を有するコンクリートの使用可能範囲が限定されてしまうことは否めない。
本発明の目的は、環境汚染の心配がなく、人体への健康被害も発生させる虞のない、再利用可能な抗菌性等を有するコンクリートを提供することにある。
単にコンクリートに発生する細菌類、カビ等に対処するだけであれば、毒性の強い物質をコンクリートに混練すればよいが、しかし、住居環境に使用しても居住者の健康安全が図れ、且つ、廃材としての利用にも環境汚染等の懸念がない物質を探すとすれば、どのような基準で物質を探索すればよいのか、適当な前例がないため迷った。
本発明者は、そこで、物質探索の一つの基準として、居住者の健康安全を第1に考えるという観点から、極めて厳しい基準ではあるが、添加物質に関しては人が食べても安全であるとの視点を基準に採用した。食品とは全く関係の無い建築、土木において、かかる採用基準は、極めて厳しいもので、これまでに類を見ないものであるが、本発明者は、敢えてかかる基準を採用することで、健康安全を確実に確保し得る途を採った。
即ち、食品として使用できることを基準とすれば、万が一コンクリートに混練した抗菌性物質が口に入ったとしても、緊急を要する程の健康被害が発生するとは俄には考えにくい。また、日々、微量ずつ、呼吸等を通して人の体に入ったとしても、健康被害に通じるとは俄には考えにくい。
そこで、食品として安全に使用できることを基準として、コンクリートに抗菌性等を付与し得る物質を探し、緑茶、唐芥子等が極めて有効なことを見出した。かかる食品は、食品としての観点からは、その抗菌性等が詳細に調べられているが、コンクリートの添加材として有効が否かは全く予見することはできず、本発明者の実験により初めて有効であることが確認され、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、食品をコンクリートに含有させることで、抗菌性、抗カビ性、防虫性の少なくとも何れかの性質が前記コンクリートに付与されていることを特徴とする食品添加コンクリートである。かかる構成においては、前記食品とは、緑茶、あるいは唐芥子、あるいはカテキン、あるいはカプサイシンであることを特徴とする。
このように本発明者は、多数の食品を調査する中で、上記食品に抗菌性等を付与するコンクリート添加材として機能が優れていることを初めて見出したが、食品としては使用できないものの、医薬品等として認可された薬品を用いるのも安全性の観点からは、本発明の趣旨に適うものと考え、薬局等で市販されている消毒薬がコンクリートへの抗菌性付与に有効であることを確認し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、医薬品をコンクリートに含有させることで、抗菌性、抗カビ性、防虫性の少なくとも何れかの性質が前記コンクリートに付与されていることを特徴とする医薬品添加コンクリートである。前記医薬品とは、クレゾール石鹸液であることを特徴とする。
かかる構成の発明は、見方を変えれば、従来は食品として、あるいは医薬品としての用途のみが専ら知られていたものに対して、かかる従来の使用状態では全く予見すら出来ない分野への用途を見出したものと見ることもできる。
すなわち、本発明は、コンクリートに含有させることで、前記コンクリートに抗菌性、抗カビ性、防虫性の少なくとも何れかの性質を付与し、別途食品として、あるいは医薬品としても使用可能であることを特徴とするコンクリート用添加材である。かかるコンクリート用添加材は、緑茶、あるいは唐芥子、あるいはカテキン、あるいはカプサイシン、あるいはクレゾール石鹸液であることを特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明では、コンクリートへの抗菌性、抗カビ性、防虫性の何れかの性質付与を、食品添加あるいは医薬品添加により図っているので、重金属添加によりコンクリートに抗菌性を付与する場合とは異なり、コンクリートの使用に基づく人体への悪影響、あるいはコンクリートの再利用における環境汚染を起こすことがない。
コンクリートに抗菌性等を付与する食品あるいは医薬品は、コンクリートに練り込んでいるため、コンクリート表面に抗菌性等の処理を行う場合とは異なり、仮に表面の抗菌性等の効果が薄れても、表面直下の下層での抗菌性等は維持されているため表面の効果を補うことができ、効果を長期にわたり持続することで、メンテナンスの必要頻度を下げることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は、従来、食品あるいは医薬品としてのみ扱われていたものをコンクリートに練り込むことで、コンクリートに抗菌性等の新たな性質を発現させるものである。添加量は、コンクリート本来の性質を損なわない範囲で行うことが必要で、コンクリート混和剤の添加量を一つの目安として、その範囲内で効果等の発現状況を勘案して決めればよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、医薬品として使用されていたものをコンクリートに練り込むことで、コンクリートに抗菌性、抗カビ性を付与する構成について説明する。
かかる医薬品としては、例えば、アルカリ性のフェノール系消毒薬であるクレゾール石鹸液を用いた。クレゾール石鹸液は、低毒性で、低濃度で細菌を減殺し、有機物が存在するときも効力の低下が少なく、安定した持続力が期待できる。薬局等で市販され、比較的容易に、安価に入手することもでき、調達コストの面でも有利である。
クレゾール石鹸液のコンクリートへの添加は、コンクリート本来の性質を損なわない範囲で行うことが必要で、例えば、セメント質量に対して、0.3〜1.0重量%の割合で添加するのが好ましい。0.3重量%未満では添加量が少なく効果の発現が十分に確認できない場合も想定され、一方、1.0重量%を越える場合には強度低下と刺激臭の発生とが想定され、本発明者は、上記0.3重量%以上、1.0重量%以下が好ましいと判断した。添加に際しては、界面活性作用ために空気量が増加してしまう虞があるので、混和剤との併用には注意が必要である。混和剤との併用に際しては、消泡剤を添加するようにすればよい。
かかる要領でコンクリートにクレゾール石鹸液を混練したコンクリートでは、前記の如く抗菌性、抗カビ性を示し、細菌によるコンクリート表面の劣化を遅くすることができることが確認された。そのため、コンクリート劣化に伴うメンテナンスの減少にもつながる。
本実施の形態で使用する上記構成のコンクリートは、地下ピットや下水・排水処理施設等、細菌類の影響やカビが生え易い環境に有効に用いることができる。
尚、本実施の形態では、クレゾール石鹸液を使用した場合について説明したが、クレゾールの他にも、例えば、アルカリ性抗菌・滅菌剤を使用しても構わない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、食品として使用されていたものをコンクリートに練り込むことで、コンクリートに抗菌性、抗カビ性を付与する構成について説明する。
かかる食品としては、例えば、緑茶が有効であることを本発明者は見出した。緑茶の使用には、微粉末状にして用いればよい。すなわち微粉末緑茶を、例えば、セメント質量に対して、1.0〜5.0重量%の割合で添加するのが好ましい。1.0重量%未満では添加量が少なく効果の発現が十分に確認できない場合も想定され、一方、5.0重量%を越える場合には強度低下と、併せてコスト増となることが想定され、本発明者は、上記1.0重量%以上、5.0重量%以下が好ましいと判断した。
かかる要領でコンクリートに緑茶を混練したコンクリートでは、抗菌性、抗カビ性を示し、コンクリート表面におけるカビ等の繁殖防止に有効であることが確認された。そのため、衛生的な住環境の保持に効果がある。
本実施の形態で使用する上記構成のコンクリートは、湿度の高い住居等で結露によるカビおよびカビ臭が予想される場合、かかる住居等の躯体コンクリートとして有効に使用することができる。居室空間を構成するコンクリート壁、梁等に使用すれば、カビの発生が未然に防げ、居住者のアレルギー疾患の誘因、あるいはアレルギー疾患の悪化の予防に有効と考えられる。
緑茶に含有されているカテキンが、効果を発揮するものと思われる。カテキンは、緑茶に含まれる渋みの成分であり、抗菌・消臭・抗酸化・紫外線吸収・インフルエンザ等の病原菌にも殺菌効果がある。室内の結露によるカビ防止や消臭効果、コンクリート表面に付着した細菌類に対する抗菌効果が期待できる。
また、上記説明では、微粉末緑茶を直接にコンクリートに混練する場合について説明したが、カテキンを直接添加しても構わない。カテキンを直接添加する場合には、微粉末緑茶の場合とは異なり、例えば、セメント質量に対して、0.15〜0.75重量%の割合で添加するのが好ましい。0.15重量%未満では添加量が少なく効果の発現が十分に確認できない場合も想定され、一方、0.75重量%を越える場合には強度低下と、併せてコスト増とが想定され、本発明者は、上記0.15重量%以上、0.75重量%以下が好ましいと判断した。
カテキンを添加したコンクリートも、上記微粉末緑茶を添加したコンクリートと同様に、抗菌性、抗カビ性を有することが確認された。
尚、本実施の形態では、緑茶、カテキンを使用した場合について説明したが、これ以外にも、例えば、抗菌性、抗カビ性を有する緑茶以外の茶類でも構わない。
(実施の形態3)
本実施の形態では、食品として使用されていたものをコンクリートに練り込むことで、コンクリートに防虫性を付与する構成について説明する。
かかる食品としては、例えば、唐芥子が有効であることを本発明者は見出した。唐芥子の使用には、微粉末状にして用いればよい。すなわち微粉末唐芥子を、例えば、セメント質量に対して、1.0〜5.0重量%の割合で添加するのが好ましい。1.0重量%未満では添加量が少なく効果の発現が十分に確認できない場合も想定され、一方、5.0重量%を越える場合には強度低下、刺激臭の発生、コスト増が想定され、本発明者は、上記1.0重量%以上、5.0重量%以下が好ましいと判断した。
かかる要領でコンクリートに唐芥子を混練したコンクリートでは、防虫性を示し、防虫に基づく忌避効果があることが確認された。
本実施の形態で使用する上記構成のコンクリートは、食料品倉庫や木造住居の床下等の害虫被害を防止する場合に有効に使用することができる。食料品倉庫のスラブ、基礎、1階壁のコンクリートや、住居の基礎コンクリートに使用すると、シロアリ等害虫の侵入防止に有効な効果が期待できる。
唐芥子に含有されているカプサイシンが効果を発揮するものと考えられ。カプサイシンは唐芥子に含まれる成分であり、虫除けに有効に使用することができる。
上記説明では、微粉末唐芥子を直接にコンクリートに混練する場合について説明したが、カプサイシンを直接添加しても構わない。カプサイシンを直接添加する場合には、微粉末唐芥子の場合とは異なり、例えば、セメント質量に対して、0.01〜0.05重量%の割合で添加するのが好ましい。0.01重量%未満では添加量が少なく効果の発現が十分に確認できない場合も想定され、一方、0.05重量%を越える場合には強度低下、刺激臭の発生、コスト増が想定され、本発明者は、上記0.01重量%以上、0.05重量%以下が好ましいと判断した。カプサイシンを添加したコンクリートも、上記微粉末唐芥子を添加したコンクリートと同様の防虫性効果が得られた。
本実施例では、上記実施の形態で説明したクレゾール石鹸液、微粉末緑茶、微粉末唐芥子を添加したコンクリートについて、実際に使用可能か否かを強度試験の観点から調査した。
クレゾール石鹸液、微粉末緑茶、微粉末唐芥子を普通セメントモルタル(水セメント比40%)に添加して供試体を作成し、圧縮強度試験を実施した。
供試体は、直径50mm、高さ100mmの円筒形鋼製型枠を使用し、上記クレゾール石鹸液、微粉末緑茶、微粉末唐芥子のそれぞれにつき各4本作製した。内訳は、材齢1w、4w、13w各1本と観察用1本である。
各添加物1種類につき、モルタル1リットル(セメント400g、水160g、骨材、混和剤)を使用した。クレゾール石鹸液は、練り混ぜ水が160倍液になるように1ml添加し、緑茶と唐芥子の微粉末はセメントの1%の4gを添加した。モルタルミキサーで、ほぼ3分間練り混ぜ、即型枠へ詰めた。翌日脱型し、封緘養生した。
材齢4週(4w)の圧縮強度試験を実施したところ、つぎのような結果が得られた。すなわち、無添加の場合:71.6(N/mm2)、微粉末唐芥子添加の場合:39.0(N/mm2)、微粉末緑茶添加の場合:68.8(N/mm2)、クレゾール石鹸液添加の場合:41.0(N/mm2)であった。
無添加に比べ、微粉末唐芥子とクレゾール石鹸液は強度が下がった。これは、界面活性作用および発泡作用のために空隙が多いことが原因と考えられ、特にクレゾール石鹸液はAE剤と同じ働きをするので、空気量が増加してしまったものと考えられる。混和剤との併用には、前述の如く注意が必要である。一方、微粉末緑茶添加の場合は、97%の強度を維持していた。
クレゾール石鹸液添加、微粉末緑茶添加、微粉末唐芥子添加の観察用供試体は、厚さ1cmにスライスし、培地を塗ったシャーレにカビ菌(クラドスポリウム属のカビで、俗称としてクロカビと呼ばれているカビ菌)と共に入れた。気温30℃、湿度90.95%の暗室に置き、カビの成長具合を観察した。
試験後4週間が経過した段階では、添加しない無添加の場合には、コンクリート片の周囲は勿論、無添加のコンクリート片上にもカビが生えていた。一方、本発明に係わる添加した供試体のコンクリート片には、直にカビが生えることはなかった。添加した供試体の場合には、供試体を避けるようにその周囲にカビの成長は認められるものの、供試体自体にはカビが生えなかった。この内、唐芥子を添加した場合が、特にカビの成長が少なかった。
上記抗カビと同様に、微粉末唐芥子添加場合には、防虫性の効果も認められた。明らかに、微粉末唐芥子を添加することで、防虫性がコンクリートに付与されたことが確認された。
かかる結果から、クレゾール石鹸液添加、微粉末緑茶添加、微粉末唐芥子添加のコンクリートは、強度的にも十分に使用に耐えることができ、且つ、抗菌性、抗カビ性、防虫性に優れていることが確認され、本発明の有効性が検証された。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態では、微粉末緑茶、微粉末唐芥子等を単独で混合した場合を例に挙げて説明したが、微粉末緑茶、微粉末唐芥子、クレゾール石鹸液のいずれか2種、あるいは3種全部を適宜複合して混合添加するようにしても構わない。
また、食品あるいは医薬品として用いるものではないが、ヒノキチオール等の樹木より採取可能な天然芳香成分も、抗菌性、抗カビ性を有する範囲で添加するようにしても構わない。かかる天然芳香成分は、近年、入浴剤等に配合され、安全に使用されているため、コンクリート用添加材として有効に使用できるものである。
本発明は、コンクリートに抗菌性、抗カビ性、防虫性を付与する技術分野で有効に利用することができる。

Claims (6)

  1. 食品をコンクリートに含有させることで、抗菌性、抗カビ性、防虫性の少なくとも何れかの性質が前記コンクリートに付与されていることを特徴とする食品添加コンクリート。
  2. 請求項1記載の食品添加コンクリートにおいて、
    前記食品とは、緑茶、あるいは唐芥子、あるいはカテキン、あるいはカプサイシンであることを特徴とする食品添加コンクリート。
  3. 医薬品をコンクリートに含有させることで、抗菌性、抗カビ性、防虫性の少なくとも何れかの性質が前記コンクリートに付与されていることを特徴とする医薬品添加コンクリート。
  4. 請求項3記載の医薬品添加コンクリートにおいて、
    前記医薬品とは、クレゾール石鹸液であることを特徴とする医薬品添加コンクリート。
  5. コンクリートに含有させることで、前記コンクリートに抗菌性、抗カビ性、防虫性の少なくとも何れかの性質を付与し、別途食品として、あるいは医薬品としても使用可能であることを特徴とするコンクリート用添加材。
  6. 請求項5記載のコンクリート用添加材は、緑茶、あるいは唐芥子、あるいはカテキン、あるいはカプサイシン、あるいはクレゾール石鹸液であることを特徴とするコンクンリート用添加材。





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