JP2563396B2 - セメントの凝結遅延方法 - Google Patents

セメントの凝結遅延方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセメントの凝結遅延方法に関する。
〔従来の技術および問題点〕 地熱発生地域、油井なども含めた熱帯地域や、暑中に
おけるコンクリートの打設やマスコンクリートの打設で
は、セメントの水和反応が活性となり、セメントの硬化
が速くなり、そのために、打設に支障をきたしたり、硬
化後にコールドジョイントや熱応力によるひびわれなど
の原因となっている。この防止策として、遅延剤や超遅
延剤として知られるグルコン酸塩やケイフッ化物等を添
加して凝結を遅延させる方法が取られている。
しかし、これら遅延剤は添加量が比較的微量でかつ遅
延効果が大きいために、凝結調節が難しく、添加量を誤
ると不硬になったり、強度が発現しないことがあり、問
題点が多い。また、遅延剤の種類によっては長期間遅延
するため、過剰に添加すると、初期にこわばりを生じ、
異常凝結を起こす問題もある。
〔問題を解決するための手段〕 本発明者らは、前記従来の問題点を解決するために鋭
意研究を重ねたところ、次のような知見を得るに至っ
た。
セメントの水和遅延剤は従来から数多く知られている
が、実際にはクエン酸、ショ糖、グルコン酸塩やケイフ
ッ化物などが用いられている。これらの遅延剤は添加量
が少量であり、効果が著しく大きいために、硬化時間を
コントロールするのが比較的困難である。
これに対し、本発明者は、種々の遅延剤を検討した結
果、フェノールカルボン酸エステルは、アルカリ性物質
の添加によりセメントに対する遅延効果を大きく変化さ
せることができ、遅延の程度はフェノールカルボン酸エ
ステルとアルカリ性物質との比と、添加量とにより大き
く変化することを見い出した。この理由は明らかではな
いが、フェノールカルボン酸エステルがアルカリ性で加
水分解、酸化などの反応を起こし、より遅延性の大きな
低分子化合物に変化するためと考えられる。従来、フェ
ノールカルボン酸エステルを遅延剤としてセメントに添
加した例は2、3あるが、このようにアルカリ性物質の
添加量により遅延作用が大きく異なることは知られてい
ない。そのため、遅延剤としての特徴が生かされなかっ
たと考えられる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであ
る。
すなわち、本発明は、セメント100重量部に対して、
フェノールカルボン酸エステル0.01〜3重量部とアルカ
リ性物質0.01〜1重量部を添加することを特徴とするセ
メントの凝結遅延方法である。以下に本発明をさらに詳
しく説明する。
用いられるフェノールカルボン酸エステルとは、サリ
チル酸メチル等のサリチル酸エステルや、第1図に示す
ように、フェノール性カルボン酸と糖とがエステル結合
したgallotannin(1)やcorilagin(2)chebulagic a
cid(3),chebulinic acid(4)などの物質を主成分
とする物質や、タンニン酸として知られるm−ガロイル
没食子酸や没食子酸アルキルエステルなどのカルボン酸
とアルコール性水酸基あるいはフェノール性水酸基とか
らなる物質、などである。これらの物質は加水分解によ
り遅延性の大きなサリチル酸や、没食子酸やエラーグ酸
や糖になることが知られている。また、これらの物質は
酸性およびアルカリ性で加水分解を起こしやすいことが
よく知られている。
前記アルカリ性物質とは、ナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属やカルシウムなどのアルカリ土類金属の水
酸化物や炭酸塩、水酸化アンモニウムや炭酸アンモニウ
ム、等である。
さらに、この添加剤は他の混和剤すなわち、リグニン
系のAE減水剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
等の減水剤やリグニン系、オキシカルボン酸塩系、ケイ
フッ化物などの従来から知られている遅延剤と併用して
も良い。
用いることのできるセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、早強ポル
トランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白
色ポルトランドセメントやシリカセメント、フライアッ
シュセメント、高炉セメントなどの混合セメント、ある
いは、モノカルシウムアルミネートを主成分とするアル
ミナセメントやC11A7CaF2を主成分とする超速硬セメン
ト、カルシウムスルフォアルミネートを主成分とする特
殊セメントなどである。
また、本発明による添加剤(フェノールカルボン酸エ
ステル)は、セメント100重量部に対して0.01〜3重量
部添加し、アルカリ性物質はセメント100重量部に対し
て0.01〜1重量部添加する。好ましい添加量はセメント
の種類により大きく異なるが、普通ポルトランドセメン
トの場合、フェノールカルボン酸エステルは0.1〜1.0重
量部、アルカリ性物質は0.1〜0.5重量部の範囲である。
また、フェノールカルボン酸エステルとアルカリ性物
質との配合比は、所定の範囲(10:90〜99:1)にある時
に効果を発揮する。
本発明においては、フェノールカルボン酸エステル
は、粉体にして前もってセメントと混合してもよいし、
水溶性なので混練水に溶解して使用してもよい。また、
アルカリ性物質は混練水に溶解してもよいし、セメント
と混合しておいて用いてもよい。
混練により気泡を生じる場合にはシリコーン系泡消
剤、アルコール系泡消剤を添加することもできる。
さらに、メチルセルロース、その他のポリマーと併用
してもよい。
〔作用〕
フェノールカルボン酸エステルのセメントに対する水
和遅延作用は、アルカリ性物質がない場合には比較的小
さいが、アルカリ性物質の添加に伴い著しく大きくな
る。本発明はこのフェノールカルボン酸エステルがアル
カリ性物質の存在により水和遅延作用が著しく大きくな
ることを利用したものである。
すなわち、一定量のフェノールカルボン酸エステルと
アルカリ性物質を遅延の程度により、セメントに添加し
て混練する。これによって、任意の条件に凝結調節する
ことができ、セメントモルタルあるいはセメントコンク
リートを得ることができる。硬化するまでの時間は、セ
メントの種類と、フェノールカルボン酸エステルの量
と、フェノールカルボン酸エステルの量とアルカリ性物
質の量との比とにより異なるが、硬化後の硬化体の強度
は無添加の硬化体より大きくなり、長期強度も大きくな
る。
〔実施例1〕 20℃において、〜;市販通常ポルトランドセメン
ト520gと豊浦標準砂1040gとを、タンニン酸(市販品)
およびアルカリ性物質(NaOH)を溶解した混練水で混練
(W/C:55%)したものを作成し、これらをそれぞれ、4
×4×16cm型枠に成型した。この各々を20℃の恒温槽に
入れ、硬化時間の確認と、3日、7日、28日強度の測定
を行なった。
これに対し、対照例として、;無添加のセメントモ
ルタルと、、;グルコン酸ナトリウムのみを溶解し
た混練水で混練し、成型したセメントモルタルと,、
;グルコン酸ナトリウムとアルカリ性物質とを溶解し
た混練水で混練し、成型したセメントモルタルとを作成
し、同様にして硬化時間と強度とを測定した。なお、こ
れら対照例におけるセメントの配合は実施例と同様であ
る。結果を表1に示す。
〔実施例2〕 、;ジェットセメント(住友セメント株式会社)
520gと豊浦標準砂1040gとにマイティ100(花王社製高性
能減水剤)をセメント100重量部に対して0.8重量部添加
したものを、没食子酸プロピルおよびアルカリ性物質
(Ca(OH))を添加した混練水で混練した(W/C:55
%)。これらをそれぞれ、4×4×16cm型枠に成型し
た。得られた各成型品を20℃の恒温槽に移して、硬化時
間と、3時間後および1日後の強度を測定した。これに
対し、対照例として、;没食子酸プロピルのみ添加の
セメントモルタルと、;クエン酸ナトリウムのみを添
加したセメントモルタルとを作成し、それぞれ同様にし
て硬化時間および強度を測定した。
結果を表2に示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明に係るセメントの凝結遅
延方法は、セメント100重量部に対して、フェノールカ
ルボン酸エステル0.01〜3重量部とアルカリ性物質0.01
〜1重量部を添加することを特徴とするものであり、本
発明によれば、目的とする遅延程度に応じて、一定量の
フェノールカルボン酸エステルとアルカリ性物質をセメ
ントに添加して混練することによって、セメントを任意
の時間経過後に任意の条件に凝結調節することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に使用される加水分解性タンニン化合物
の代表例の化学構造式である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント100重量部に対して、フェノール
    カルボン酸エステル0.01〜3重量部とアルカリ性物質0.
    01〜1重量部を添加することを特徴とするセメントの凝
    結遅延方法。
  2. 【請求項2】フェノールカルボン酸エステルが没食子酸
    エステルであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載のセメントの凝結遅延方法。
  3. 【請求項3】フェノールカルボン酸エステルとアルカリ
    性物質との比が10:90〜99:1であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のセメント凝結遅延方法。
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