JP2554733Y2 - 自動車用カップホルダー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車用カップホルダ
ー、特に種々の外径のカップに対応できる自動車用カッ
プホルダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、カップホルダーの未使用時の
外観性及びスペースの有効利用等を考慮して、インスト
ルメントパネルにスライド可能に取付けられたカップホ
ルダーが存在する。

【０００３】かかるカップホルダーは、フロアーコンソ
ールの数センチ上方のインストルメントパネル（インス
トルメントパネルの下部中央付近）に、カップの挿入口
を有するホルダー部材をスライド可能に装着し、カップ
を載置する台座として上記フロアーコンソールを利用し
たものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構造のカップホルダーにあっては、上記ホルダー部材
に形成されたカップ挿入口が、太い缶あるいは太いカッ
プを基準として形成されているため、細身の缶を置いた
場合には、該カップの安定性に欠けるものであった。

【０００５】本考案は、上述した従来のカップホルダー
の構造が有する課題に鑑みなされたものである。

【０００６】本考案は、上述した課題を解決するため、
インストルメントパネルの下部中央付近に形成した孔
に、大径のカップ挿入口を有する矩形のホルダー部材
と、小径のカップ挿入口を有する矩形のホルダー部材
と、矩形のカップの台座部材とを上方から順に配設し、
これら各部材の左右両端面に長溝を設けるとともに、上
記孔内の左右両側面に上記長溝に嵌入する突状を設け、
該長溝の端部と突状を当接させて、上記各部材を前後方
向にスライドできる範囲を規制し、また上記台座部材の
中央先端面の下部と、上段のホルダー部材の中央先端面
の下部と、下段のホルダー部材の中央先端面の上部に各
々切欠きを設けた。

【０００７】なおここで、上記部材の中央先端面の先端
とは、上記部材の車体の後方側端面をいう。

【０００８】

【作用】本考案にかかるカップホルダーは、大径及び小
径のカップ挿入口を各々有するホルダー部材を装着して
いるため、太い缶あるいは太いカップを保持させる場合
には、大径のカップ挿入口を有するホルダー部材をイン
ストルメントパネルから引き出し、使用する。また、細
身の缶を保持させる場合には、小径のカップ挿入口を有
するホルダー部材を使用する。

【０００９】なお、カップのホルダー部材とは別に、そ
の下方にカップの台座部材をもスライド可能にインスト
ルメントパネルに装着した構造のものにあっては、該台
座部材がその上方に位置するホルダー部材のカップ挿入
口から挿入されたカップを受けることができ、従来の如
くフロアーコンソールをカップの台座として使用する必
要がなくなり、インストルメントパネルの任意の位置に
装着可能なカップホルダーとなる。また、長溝と突状を
組合わせ、かつ、該長溝の端部と突状を当接させて、上
記各部材の前後方向にスライドできる範囲を規制するこ
とから、長溝の一端部が突状に当接することにより、各
部材の収納時に、該各部材がほぼ孔の開口に面一になる
ように規制することができ、長溝の他端部に突状が当接
することにより、各部材の使用時にこれを孔から引きだ
したとき、各部材が孔から脱落しないように規制するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を、添付図面に従って
詳細に説明する。

【００１１】ここで、図１はインストルメントパネルの
正面図であって、図中１はインストルメントパネル、２
は該インストルメントパネル１の下部中央付近に装着さ
れた本考案にかかるカップホルダーである。

【００１２】カップホルダー２の構造は、図２〜図６に
示したように、インストルメントパネル１の下部中央付
近に形成された孔３に、前後方向にスライド可能に装着
された３枚の矩形平板４，５，６により構成されてい
る。

【００１３】上段の矩形平板４には、その板面中央付近
に２個並行して太い缶あるいはカップを挿入し得る大径
のカップ挿入口７，７が穿設され、中段の矩形平板５に
は、細身の缶を挿入し得る小径のカップ挿入口８，８が
穿設され、各々カップの上方を保持するホルダー部材と
して形成されている。また、下段の矩形平板６には、上
記カップ挿入口７，７または８，８より挿入されたカッ
プの横スベリを防止するため、その板面に円形の凹部
９，９が形成されたカップを受ける台座部材が形成され
ている。

【００１４】上記矩形平板４，５，６を、インストルメ
ントパネル１に形成された孔３内にスライド可能に装着
する構造は、図５に示されているように上記孔３内の左
右両側面から内方に突出する突条１０，１０と、各々の
矩形平板４，５，６の左右両端面に形成された溝１１，
１１との組合せにより形成され、該溝１１，１１の前端
及び後端には、上記突条１０，１０との当接部が形成さ
れ、装着した矩形平板４，５，６がインストルメントパ
ネル１から抜け落ちたり、またインストルメントパネル
１内に入り過ぎないように構成されている。

【００１５】なお、図中１２は上記矩形平板４，５，６
の引き出し操作を容易にするため、該矩形平板４，５，
６の先端面に形成された切欠き部である。

【００１６】本考案にかかるカップホルダー２は、上述
した如き構造のものであるため、細身の缶Ａを保持させ
る場合には、図４に示したように中段及び下段の矩形平
板５，６に形成された切欠き部１２，１２を握持し、該
矩形平板５，６をインストルメントパネル１の孔３内か
ら引き出し、矩形平板５に穿設された小径のカップ挿入
口８，８を利用してカップＡを挿入し、矩形平板６の上
に載置することにより使用する。

【００１７】また、太い缶あるいはカップＢを保持させ
る場合には、図５に示したように上段及び下段の矩形平
板４，６を各々の切欠き部１２，１２を握持することに
よりインストルメントパネル１から引き出し、使用す
る。

【００１８】カップホルダー２の未使用時においては、
上記各々の矩形平板４，５，６をインストルメントパネ
ル１内に収納し、外観性及びスペースの有効利用を図
る。また、各部材の把持部が各部材の先端面から突出し
ていないので、スペース的に邪魔になることがない。ま
た、本実施例では、切欠きの位置を上記のようにしたこ
とで、例えば中段の矩形平板５と下段の矩形平板６を引
き出すときは、２本の指で両部材を引き出すことができ
る。上段の矩形平板４を引き出すときは、手の平を上に
して１本の指で引き出すことができ、下段の矩形平板６
を引き出すときは、親指で中段の矩形平板５を押さえ
て、他の指の平で下段の矩形平板６を引き出すことがで
きる。特に、車内では、乗員が正面を向いて座席に座っ
ているので、片手で操作しやすくしており、カップホル
ダーが中央に位置しているので、運転席でも助手席でも
容易に操作することができる。各矩形平板４〜６の切欠
きがこれ以外の位置にあるとき、例えば、上段の矩形平
板４の切欠きを、中央上部に設けたときに、上段の矩形
平板４を引き出すときは下段と上段の矩形平板４，６を
把持して引き出すが、このときに中段の矩形平板５も一
緒に引き出してしまう。また、下段の矩形平板６の切欠
きを中央上部に設けたときは、下段の矩形平板６の切欠
き部を押し付けるようにして、引き出さなければなら
ず、その押圧力で指が滑ってしまい取り出しにくい。

【００１９】以上、本考案の一実施例につき説明した
が、本考案は既述の実施例に限定されるものではなく、
本考案の技術的思想に基づいて、各種の変形及び変更が
可能である。

【００２０】例えば、上記実施例においては、矩形平板
４，５に各々２個のカップ挿入口７，７または８，８を
穿設したホルダー部材につき説明したが、１個でも、ま
た逆に３個以上のカップ挿入口を穿設したものであって
も良い。

【００２１】また、矩形平板４，５，６を、インストル
メントパネル１にスライド可能に装着する構造は、一例
を示したにすぎず、既知の種々の構造を利用してスライ
ド可能に装着し得るものである。

【００２２】

【考案の効果】本考案にかかるカップホルダーは、イン
ストルメントパネルの下部中央付近に、大径のカップ挿
入口を有するホルダー部材と、小径のカップ挿入口を有
するホルダー部材とを、各々前後方向にスライド可能に
装着したため、保持させたいカップの径に合わせて使用
するホルダー部材を選択すれば、小径、大径を問わずカ
ップを安定して保持させることができる。

【００２３】また、上記のカップのホルダー部材とは別
に、その下方にカップの台座部材をもスライド可能にイ
ンストルメントパネルに装着すれば、インストルメント
パネルの任意の位置に装着可能なカップホルダーを提供
できる。また、ホルダー部材及び台座部材を収納すると
きは、インストルメントパネル面と面一にすることがで
き、見栄えも良く、各部材を引き出すための把持部とし
て、切欠きを用いているが、各部材を容易に引き出すこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるカップホルダーを装着したイン
ストルメントパネルの正面図である。

【図２】本考案にかかるカップホルダーをインストルメ
ントパネル内に収納した状態を示した斜視図である。

【図３】本考案にかかるカップホルダーを段階的にイン
ストルメントパネルから引き出した状態を示した斜視図
である。

【図４】本考案にかかるカップホルダーによって細身の
缶を保持させた状態を示した斜視図である。

【図５】本考案にかかるカップホルダーによって太い缶
を保持させた状態を示した斜視図である。

【図６】図５のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル ２ カップホルダー ３ 孔 ４，５ 矩形平板（ホルダー部材） ６ 矩形平板（台座部材） ７ 大径のカップ挿入口 ８ 小径のカップ挿入口 ９ 円形の凹部 １０ 突条 １１ 溝 １２ 切欠き Ａ 細身の缶 Ｂ 太い缶

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インストルメントパネルの下部中央付近
   に形成した孔に、大径のカップ挿入口を有する矩形のホ
   ルダー部材と、小径のカップ挿入口を有する矩形のホル
   ダー部材と、矩形のカップの台座部材とを上方から順に
   配設し、これら各部材の左右両端面に長溝を設けるとと
   もに、上記孔内の左右両側面に上記長溝に嵌入する突状
   を設け、該長溝の端部と突状を当接させて、上記各部材
   を前後方向にスライドできる範囲を規制し、また上記台
   座部材の中央先端面の下部と、上段のホルダー部材の中
   央先端面の下部と、下段のホルダー部材の中央先端面の
   上部に各々切欠きを設けたことを特徴とする自動車用カ
   ップホルダー。