JP2509552Y2 - 車両用カップホルダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は車両用カップホルダに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、図６に示すような構造をもつ車両
用カップホルダが知られている。これにおいては、車両
の内装部材１′に組付けられるリテーナ２′に対し、ホ
ルダ本体１１′がホルダ位置と収納位置とに出入可能に
組付けられる。ホルダ本体１１′には、カップ受体２
１′がカップ受承位置と格納位置とにピン２２′を中心
として回動可能に支持され、ホルダ本体１１′がホルダ
位置まで引出されたときに、カップ受体２１′が自重や
ばねによってカップ受承位置に向けて回動される。そし
て、カップ受体２１′は、同カップ受体２１′の端面に
形成されたストッパ面２４′がホルダ本体１１′の上板
１２′下面に当接することで、カップ受承位置に保持さ
れる。

【０００３】さらに、カップ受体２１′がカップ受承位
置に配置された状態にあるときに、そのカップ受体２
１′のカップ受承面２３′が略水平状をなすように、カ
ップ受体２１′のストッパ面２４′の傾斜角度が設定さ
れる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、車両の内装
部材は車種ごとにそれぞれ異なり、その内装部材に組付
けられるリテーナ２′に対するホルダ本体１１′の出入
れ角度が異なる場合がある。すなわち、図６に示すよう
に、内装部材１′に組付けられるリテーナ２′に対しホ
ルダ本体１１′が略水平方向に出入れされる構造の車両
用カップホルダにおいて、図７に示すように、内装部材
１０１′に対しリテーナ２′が前後方向に傾斜して組付
けられると、そのリテーナ２′に対しホルダ本体１１′
が前後方向に傾斜して出入れされる。すると、ホルダ本
体１１′がホルダ位置まで引出され、カップ受体２１′
のストッパ面２４′がホルダ本体１１′の上板１２′下
面に当接するカップ受承位置にカップ受体２１′が配置
された状態において、そのカップ受け面２３′が前後方
向に傾斜するため、カップ類４′を安定よく受承するこ
とができなくなる。このため、従来の車両用カップホル
ダにおいては、内装部材１′又は１０１′に対するリテ
ーナ２′の組付け角度、すなわち、ホルダ本体１１′の
出入角度が異なるに対しては共通して使用することがで
きない。

【０００５】この考案の目的は、前記した従来の問題点
に鑑み、内装部材に対するリテーナの組付け角度（ホル
ダ本体の出入角度）が種々異なる場合においても、カッ
プ受体のカップ受承面を略水平状になるようにカップ受
体のストッパ角度を調整可能とすることで、カップホル
ダを共通して使用することができる車両用カップホルダ
を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この考案は、車両の内装部材に組付けられるリテー
ナにはカップ類の外周を取出可能に保持するホルダ本体
がホルダ位置と収納位置とに出入可能に組付けられ、前
記ホルダ本体には前記カップ類の底面を受承するカップ
受承面を有するカップ受体がカップ受承位置と格納位置
とに回動可能に支持され、前記ホルダ本体と前記カップ
受体との間には、そのカップ受体がカップ受承位置に配
置されたときに同カップ受体のカップ受承面が略水平状
をなすように前記ホルダ本体に対するカップ受体のスト
ッパ角度を調整するストッパ角度調整手段が設けられ、
前記ストッパ角度調整手段は、前記ホルダ本体の下面に
進退可能に組付けられたストッパ角度調整体によって構
成され、そのストッパ角度調整体の前端部には前記ホル
ダ本体の下面とカップ受体との間に挿脱可能に差込まれ
る傾斜状の調整面が形成されている。

【０００７】

【作用】前記したように構成される車両用カップホルダ
において、ストッパ角度調整手段によってカップ受体の
ストッパ角度を調整することで、リテーナの取付角度が
種々異なる場合においても、前記カップ受体がカップ受
承位置に配置されたときには、そのカップ受承面が略水
平状をなす。このため、前記カップ受体のカップ受承面
によってカップ類の底面が安定よく受承される。特に、
前記カップ受体のストッパ角度を調整する場合、ストッ
パ角度調整手段を構成しているストッパ角度調整体がホ
ルダ本体の下面に沿って進退され、同ストッパ角度調整
体の前端部に形成された傾斜状の調整面がホルダ本体に
カップ受体との間に挿脱されることで、カップ受け体の
ストッパ角度が容易にかつ手早く調整される。

【０００８】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図１〜図４にし
たがって説明する。図１と図２において、車両の内装部
材としてのインストルメントパネル１には前方及び後方
に開口する収納室を有して方形箱形状に形成されるリテ
ーナ２が適宜の取付手段によって組付けられる。リテー
ナ２の収納室には、該収納室の左右両側に設けられたガ
イドレール３に案内されて出入れされるホルダ本体１１
が組付けられる。

【０００９】ホルダ本体１１は、上板１２、両側板１５
及び前面板１６を一体に有して、前記リテーナ２の収納
室に出入可能に収納される。ホルダ本体１１の上板１２
の前側寄りにはカップ類４の外周を取出可能に保持する
左右の両カップ挿入孔１３が貫設されている。さらに、
ホルダ本体１１の上板１２の奥側端部には、リテーナ２
に対しホルダ本体１１を引出し端まで引出してホルダ位
置に配置したときに、リテーナ２の上板の奥側端面に係
合する左右の両抜止片１４が突設されている。ホルダ本
体１１の前面板１６には、ホルダ本体１１を出入れ操作
するための取手１７が形成されている。

【００１０】ホルダ本体１１の両側板１５の前後方向略
中央部には、先端部にカップ受承面２３を有するカップ
受体２１が、その基端部の左右両側面から突出されたピ
ン２２において回動可能に支持されている。前記カップ
受体２１は、ホルダ本体１１がホルダ位置に向けて引出
されたときに、カップ類４の底面を受承するカップ受承
位置までピン２２を中心としかつ自重によって回動され
る。さらに、カップ受体２１は、ホルダ本体１１が元の
収納位置まで押込まれたときに、リテーナ２の底板部前
端面に当接しながらホルダ本体１１内に格納される格納
位置までピン２２を中心として回動されるようになって
いる。

【００１１】さらに、カップ受体２１の基端面には、傾
斜面をなすストッパ面２４が形成されている。そして、
カップ受体２１がカップ受承位置に配置されたときに、
そのストッパ面２４がストッパ角度調整手段としてのス
トッパ角度調整体２７又は、ホルダ本体１１の上板１２
下面に当接することで、カップ受体２１がカップ受承位
置に配置保持されるようになっている。

【００１２】ホルダ本体１１とカップ受体２１との間に
は、そのカップ受体２１がカップ受承位置に配置された
ときに同カップ受体２１のカップ受承面２３が略水平状
をなすようにホルダ本体１１に対するカップ受体２１の
ストッパ角度を調整するストッパ角度調整手段としての
ストッパ角度調整体２７が組付けられる。

【００１３】この実施例において、ストッパ角度調整体
２７は、長孔２８とボルト２９、ナット３０によってホ
ルダ本体１１の上板１２下面の奥側寄り部分に進退可能
に組付けられる。このストッパ角度調整体２７の前端に
は、ホルダ本体１１の上板１２下面と、カップ受体２１
のストッパ面２４との間に挿脱可能に差込まれてカップ
受体２１のストッパ角度を調整するための傾斜状の調整
面２７ａが形成されている。

【００１４】この実施例は上述したように構成される。
したがって、カップホルダを使用する場合、ホルダ本体
１１を、その抜止片１４がリテーナ２の上板の奥側端面
に係合するホルダ位置まで引出すと、カップ受体２１
は、そのストッパ面２４がストッパ角度調整体２７の調
整面２７ａに当接するカップ受承位置までピン２２を中
心としかつ自重によって回動する。前記カップ受体２１
がカップ受承位置に配置された状態において、カップ受
体２１のカップ受承面２３は、あらかじめストッパ角度
調整体２７の進退調整によって略水平状をなすように角
度調整される。このため、ホルダ本体１１のカップ挿入
孔１３に挿通されるカップ類４の底面が前記カップ受体
２１のカップ受承面２３に安定よく受承される。

【００１５】図３に示すように、車種が異なる車両に設
置されるインストルメントパネル１０１に対し、リテー
ナ２が斜めに組付けられ、ホルダ本体１１が傾め前方に
出入れされる場合、ストッパ角度調整体２７をホルダ本
体１１の上板１２下面とカップ受体２１のストッパ面２
４との間から抜け出る後退端位置まで後退させる。前記
したようにカップ受体２１のストッパ角度が調整された
状態のもとで、ホルダ本体１１がホルダ位置まで斜め前
方に引出されると、カップ受体２１は、そのストッパ面
２４がホルダ本体１１の上板１２下面に当接するカップ
受承位置に配置され、そのカップ受承面２３が略水平状
をなす。

【００１６】なお、図４に示すように、ストッパ角度調
整体２７の調整面２７ａにリテーナ２の取付角度に対応
した目盛３２を表示することで、ホルダ本体１１に対す
るストッパ角度調整体２７の組付け作業を容易かつ手早
く正確に行うことができる。

【００１７】

【考案の効果】以上述べたように、この考案によれば、
ストッパ角度調整手段によってカップ受体のストッパ角
度を所望とする角度に調整することができるため、内装
部材に対するリテーナの組付け角度（ホルダ本体の出入
角度）が種々異なる場合においても、カップ受体がカッ
プ受承位置に配置されたときには、そのカップ受承面を
略水平状になし得、カップ類の底面を安定よく受承する
ことができる。この結果、形式の異なる車両の内装部材
に対し、カップホルダを共通化して使用することができ
部品共通化によるコスト低減を図ることができる。特
に、前記カップ受体の角度調整は、ストッパ角度調整手
段を構成しているストッパ角度調整体をホルダ本体の下
面に沿って進退させ、その前端部の傾斜状の調整面をホ
ルダ本体の下面とカップ受体との間に挿脱することで、
容易にかつ手早く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の車両用カップホルダを分
解して示す斜視図である。

【図２】同じく側断面図である。

【図３】同じくリテーナが斜めに組付けられた状態を示
す側断面図である。

【図４】同じくストッパ角度調整体を示す斜視図であ
る。

【図５】従来の車両用カップホルダを示す側断面図であ
る。

【図６】同じくリテーナが斜めに組付けられた状態を示
す側断面図である。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル（内装部材） ２ リテーナ ４ カップ類 １１ ホルダ本体 ２１ カップ受体 ２３ カップ受承面 ２４ ストッパ面 ２７ ストッパ角度調整体（ストッパ角度調整手段）２７ａ 調整面

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の内装部材に組付けられるリテーナ
   にはカップ類の外周を取出可能に保持するホルダ本体が
   ホルダ位置と収納位置とに出入可能に組付けられ、 前記ホルダ本体には前記カップ類の底面を受承するカッ
   プ受承面を有するカップ受体がカップ受承位置と格納位
   置とに回動可能に支持され、 前記ホルダ本体と前記カップ受体との間には、そのカッ
   プ受体がカップ受承位置に配置されたときに同カップ受
   体のカップ受承面が略水平状をなすように前記ホルダ本
   体に対するカップ受体のストッパ角度を調整するストッ
   パ角度調整手段が設けられ、 前記ストッパ角度調整手段は、前記ホルダ本体の下面に
   進退可能に組付けられたストッパ角度調整体によって構
   成され、そのストッパ角度調整体の前端部には前記ホル
   ダ本体の下面とカップ受体との間に挿脱可能に差込まれ
   る傾斜状の調整面が形成されている ことを特徴とする車
   両用カップホルダ。