JP2604949Y2 - バン型車両におけるパッケージトレイの支持構造 - Google Patents

バン型車両におけるパッケージトレイの支持構造

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JP2604949Y2
JP2604949Y2 JP1993066915U JP6691593U JP2604949Y2 JP 2604949 Y2 JP2604949 Y2 JP 2604949Y2 JP 1993066915 U JP1993066915 U JP 1993066915U JP 6691593 U JP6691593 U JP 6691593U JP 2604949 Y2 JP2604949 Y2 JP 2604949Y2
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喜美 石田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、バン型車両におけるパ
ッケージトレイの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、バン型車両には後部の荷室に
略平板状のパッケージトレイを装備したものがあるが、
従来このパッケージトレイ30は、図9に示すように荷
室両側部のサイドトリムに設けられた四箇所のホルダー
31〜31に、パッケージトレイ本体の両側部に二本づ
つ設けられた支持ピン32〜32を上方から嵌め込んで
支持することでほぼ水平の状態に支持して棚として用い
る構成としたものが一般的であった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のパッケージトレー30の支持構造にあっては、パ
ッケージトレイ30を荷室から外して収納する場合に
は、図示するように四箇所のホルダー31〜31から全
ての支持ピン32〜32を外してパッケージトレイ30
の全体を取り外す必要があるため面倒であり、また取り
外したパッケージトレイ30の収納場所が特に設けられ
ていない場合には収納場所を探す必要があるという不便
があった。
【0004】そこで、本考案は、収納時の煩わしさがな
く、また収納場所をいちいち探す必要もないバン型車両
におけるパッケージトレイの支持構造を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は請求
項1に記載した構成の支持構造とした。この支持構造に
よれば、第2支持ピンが第2受け部に保持されてほぼ水
平の使用位置にある状態から、第2支持ピンを第2受け
部から外して、第1支持ピンを前後方向案内部から上下
方向案内部に移動させるとともに、当該パッケージトレ
イを第1支持ピンを中心にして上方または下方に約90
°回転させて第2支持ピンを第3受け部に支持させるこ
とにより、このパッケージトレイはほぼ起立した収納位
置に保持される。このように、従来のように支持ピンの
全てを受け部から外してパッケージトレイの全体を取り
外す必要はなく、第2支持ピンだけを外せば当該パッケ
ージトレイを収納できるのでその収納の際の使い勝手が
良くなる。また、ほぼ起立した状態に収納されるので、
例えば後部座席のシートバックの背面にほぼ沿った状態
に収納できる。更に、第1ないし第3受け部はパッケー
ジトレイの製作時において当該パッケージトレイと一体
成形により設けられるので、従来に比して部品点数を減
らすことができ、また組立て時の工数を低減できる。
又、嵌込み口を経て第1支持ピンを第1受け部から外す
こともできるので、従来のように全ての支持ピンを受け
部から外してパッケージトレイを完全に取り外すことも
でき、当該パッケージトレイの収納時における使い勝手
がさらに向上する。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【実施例】次に、本考案の実施例を図1ないし図7に基
づいて説明する。図1ないし図5は第1実施例を示して
いる。図1は、バン型車両の荷室における右側部のサイ
ドトリム3を示している。一方、この右サイドトリム3
に対抗して荷室の左側部にもサイドトリムが配置されて
いるのであるが、以下説明する構成は左右対象であるの
で、図示した右側についてのみ説明する。この左右のサ
イドトリム間にほぼ水平に支持された状態がパッケージ
トリム10の使用位置とされる。なお、このパッケージ
トリム10そのものは従来のものに比して特に変更を要
するものではなく、図4に示すように略平板状をなし、
その左右両側部にはそれぞれ前後寄りの二箇所に支持ピ
ン11,12が側方へ突き出すようにして取付けられた
構成とされている。
【0012】さて、このサイドトリム3の、荷台フロア
4から所定の高さの位置には、当該サイドトリム3と一
体成形により第1受け部1と第2受け部2が設けられて
いる。この第1受け部1と第2受け部2は、車両の前後
方向に一定の間隔をおいて設けられており、第1受け部
1は車両前後方向の前寄り(図示手前側)に位置し、第
2受け部2は車両後部の開口部5寄りに位置している。
【0013】第1受け部1は、図2に示すようにサイド
トリム3との一体成形により張出し形成された壁部1a
を略L字状に周回形成して同壁部1aの内周側に前記第
1支持ピン11の径とほぼ同じ幅の溝部を形成してなる
もので、車両の前後方向に沿った前後方向案内部1b
と、この前後方向案内部1bの前端からほぼ直交して上
方に延びる上下方向案内部1cとからなる略L字状の案
内レールとされている。なお、上記前後方向案内部1b
は、後述するようにパッケージトレイ10を起立させて
その後端をフロア4に最も近づけた状態(図5の分図
(d) 参照)において第1支持ピン11の位置より低い位
置となるようそのフロア4からの高さが設定されてい
る。
【0014】前後方向案内部1bの後端上部には、上側
の壁部1aが一部欠落されてなる嵌込み口1dが設けら
れており、この嵌込み口1dを経てパッケージトリム1
0の前側(図4において手前側)の支持ピン11が溝部
内に挿入される。挿入された支持ピン11は前後方向案
内部1bおよび上下方向案内部1cを移動可能かつ回転
可能な状態でこの第1受け部1に支持される。なお、図
示省略した左側の第1受け部も同様である。
【0015】第2受け部2は、図3に示すようにサイド
トリム3の一部が上方に開口する略U字状に盛上がり形
成されてなるもので、両壁部2a,2a間にパッケージ
トリム10の第2支持ピン12が上方から嵌め込まれて
受けられるようになっている。なお、第2支持ピン12
の嵌込み口を形成する両壁部2a,2aの上端間の幅は
支持ピン12の径より若干狭くなっている。また、両壁
部2a,2a間の盛上がり基部側には溝部2bが形成さ
れており、これによって両壁部2a,2aには開閉方向
に一定の弾性が付与され、この第2受け部2に第2支持
ピン12を嵌め込む際には両壁部2a,2aが開き方向
に移動しやすく、弾性力に抗して嵌め込まれた状態にお
いては第2支持ピン12が振動等によっては外れにくく
なるようになっている。
【0016】以上のように構成された第1受け部1と第
2受け部2で第1および第2支持ピン11,12を受け
ることにより当該パッケージトレイ10がほぼ水平状態
の使用位置に支持されるのであるが、この使用位置とし
た状態においては、第1支持ピン11は第1受け部1の
前後方向案内部1bの後端寄りに位置するよう、第1お
よび第2支持ピン11,12の間隔あるいは第1および
第2受け部1,2の間隔等が設定されている。
【0017】次に、図1に示すようにサイドトリム3の
前寄り下部にはホイールハウスを覆うボックス部3aが
一体成形により膨出形成されているが、このボックス部
3aの膨出基部付近であって第1受け部1の下方には、
上記第2受け部2と同じ形状および弾性を有した第3受
け部6が同じく一体成形により設けられている。ただ
し、この第3受け部6は、第2受け部2が上方に向けて
開口されているのに対して後方に向けて開口されてお
り、従って、この第3受け部6に対して第2支持ピン1
2は後方から嵌め込まれるようになっている。すなわ
ち、第2受け部が使用位置用であるのに対して、この第
3受け部6はパッケージトレイ10を収納しておく時に
用いられるもので、第2支持ピン12を第2受け部2か
ら外して当該パッケージトレイ10を第1支持ピン1を
中心にして下方へ回転させ、然る後、第2支持ピン12
をこの第3受け部6に嵌め込んでおくことで、パッケー
ジトレイ10はほぼ起立姿勢の収納位置に保持される。
【0018】以上説明した支持構造によれば、パッケー
ジトレイ10は以下のようにして使用位置に保持され、
また収納位置に収納される。図5には、使用位置にある
パッケージトレイ10を収納する際の手順が示されてい
る。分図(a) はパッケージトレイ10がほぼ水平姿勢で
ある使用位置に支持された状態を示し、この状態におい
て第1支持ピン11は第1受け部1の前後方向案内部1
bの後端部に位置し、かつ第2支持ピン12は第2受け
部2に嵌め込まれて支持されている。
【0019】このような使用位置から当該パッケージト
レイ10を収納するには、先ず分図(b) に示すようにパ
ッケージトレイ10の後端を上方へ付勢して第2受け部
2から外す。するとパッケージトレイ10は第1支持ピ
ン11を中心にして回転可能となるのであるが、このま
までは第2受け部2が邪魔になって下方には回転できな
い。そこで、第2受け部2から外した後適度に上方へ回
転させた状態で前方(図示左方)にスライドさせる。こ
れにより第1支持ピン11は前後方向案内部1bの後端
部から前端部へ移動し、上下方向案内部1cの下端部に
到る。この時点でパッケージトレイ10の後端部(図示
右端部)は第2受け部2の上方よりも相対的に前方に移
動し、従って当該パッケージトレイ10は第2受け部2
に干渉することなく下方へ回転可能となる。
【0020】こうした後、分図(c) に示すように第1支
持ピン11を上下方向案内部1cの上方へ向けて摺動さ
せてパッケージトレイ10の前部を持ち上げつつ、パッ
ケージトレイ10をこの第1支持ピン11を中心にして
下方へ回転させる。このように操作することによりパッ
ケージトレイ10は徐々に起立移動され、最終的に分図
(d) に示すように第1支持ピン11が上下方向案内部1
cの上端部にまで移動される。この時点で、第2支持ピ
ン12は第3受け部6に嵌め込み可能な位置に至ってい
るので、この第2支持ピン12を第3受け部6に嵌め込
めば、パッケージトレイ10は図示するほぼ起立した収
納位置に保持される。ここで、図示は省略したが左右両
ボックス部3a間に後部シートが配置されている場合に
は、パッケージトレイ10はシートバックの背面にほぼ
沿った状態に収納される。なお、パッケージトレイ10
を収納位置から使用位置にセットするには上記したと逆
の手順により操作すればよい。
【0021】以上説明したようにパッケージトレイ10
は第2支持ピン12を外すだけで収納でき、第1支持ピ
ン11,11は外す必要がない。すなわち、当該パッケ
ージトレイ10を従来のように完全に取り外すことなく
収納できるので、その収納の際の使い勝手がよくなる。
【0022】また、第1ないし第3受け部1,2,6は
サイドトリム3と一体成形により設けられているので、
別部品とした場合に比して部品点数を減らすことがで
き、従ってその組付け性が改善され、またコストの低下
を図ることができる。
【0023】さらに、第1受け部1には嵌込み口1dが
設けられており、この嵌込み口1dを経て第1支持ピン
11を当該第1受け部1から外すことができるので、従
来のようにパッケージトレイ10全体を取り外すことも
でき、従ってパッケージトレイ収納時の使い勝手がさら
に向上する。
【0024】次に、本考案の第2実施例を図6ないし図
8に基づいて説明する。この第2実施例では、上記第1
実施例における第1受け部1に相当する第1受け部20
と第3受け部6に相当する第3受け部21以外について
は同様であるので、その説明を省略するとともに図では
同位の符号を付して示した。
【0025】本例における第1受け部20は、上下方向
案内部20bが前後方向案内部20aの前端からほぼ直
交して下方へ設けられている点以外は第1実施例におけ
る第1受け部1と同様である。上下方向案内部20b
は、前記第1実施例における上下方向案内部1cよりも
長く形成されており、図示は省略したがその下端部は荷
台フロア4近傍にまで至っている。なお、前後方向案内
部20aの後端上部には同じく嵌込み口20cが設けら
れている。
【0026】一方、この第1受け部20の上方であっ
て、上下方向案内部20cの延在方向のほぼ同一線上に
は第3受け部21が同じくサイドトリム3と一体成形に
より設けられている。この第2実施例における第3受け
部21も第1実施例における第3受け部6と同様にその
開口部は後方に向けた姿勢で形成され、また溝部によっ
て開閉方向に適度な弾性が付与されている。
【0027】このような支持構造によれば、パッケージ
トレイ10は次のようにして使用位置に支持され、また
収納位置に収納される。図8の分図(a) はパッケージト
レイ10が使用位置に支持された状態を示しており、こ
の状態においては第2支持ピン12が第2支持部2に嵌
め込まれている一方、第1支持ピン11は第1受け部2
0の前後方向案内部20aの後端部(図示右端部)に支
持されている。この使用位置に支持されたパッケージト
レイ10を収納するには、先ず分図(b) に示すようにパ
ッケージトレイ10の後端を上方へ付勢して第2受け部
2から外し、然る後、パッケージトレイ10を前方(図
示左方)にスライドさせつつ、第1支持ピン11を中心
にしてさらに上方へ回動させる。第1支持ピン11が前
後方向案内部20aの前端に至った後は、分図(c) に示
すように引き続きこの第1支持ピン11を上下方向案内
部20bに沿って下方へ摺動させつつ当該パッケージト
レイ10を上方へ回転させる。こうして第1支持ピン1
1を下方へ移動させつつパッケージトレイ10を上方へ
回転させてほぼ垂直に起立した状態とし、然る後、分図
(d) に示すように第2支持ピン12を第3受け部21に
嵌め込む。なお、この時点で第1支持ピン11は上下方
向案内部20bのほぼ下端に位置されている。以上でパ
ッケージトレイ10はほぼ起立した収納位置に保持され
るのであり、この収納位置から使用位置にするには上記
したと逆の手順により操作すればよい。
【0028】以上説明したように、本例の支持構造によ
っても第2支持ピン12だけを外せば足り、パッケージ
トレイ10の全体を外すことなくこのパッケージトレイ
10を収納できるので従来に比してその使い勝手はよく
なり、またいちいち収納場所を探す必要もない。また、
本例における第1ないし第3受け部20,2,21もパ
ッケージトレイ3との一体成形により設けられ、かつ第
1受け部20にも嵌込み口20cが設けられているの
で、前記した第1実施例と同様の作用効果を奏する。
【0029】さらに、本例の場合、パッケージトレイ1
0を上方へ回転させる構成であるので、例えば図示する
ようにパッケージトレイ10の下方に荷物22が積み込
まれている場合であってもわざわざこの荷物22を移動
等させることなくパッケージトレイ10を僅かな隙間に
簡単に収納することができ、実用上大変使い勝手の良い
パッケージトレイとすることができる。
【0030】
【考案の効果】請求項1記載の考案によれば、パッケー
ジトレイを従来のように完全に取り外すことなく収納で
きるので、その収納の際の使い勝手がよくなる。
【0031】請求項2記載の考案によれば、第1ないし
第3受け部はサイドトリムと一体成形により設けられて
いるので、別部品とした場合に比して部品点数を減らす
ことができ、従ってその組付け性が改善され、またコス
トの低下を図ることができる。
【0032】請求項3記載の考案によれば、嵌込み口1
dを経て第1支持ピン11を第1受け部1から外すこと
もできるので、従来のようにパッケージトレイの全体を
取り外して収納することもでき、従ってパッケージトレ
イ収納時の使い勝手がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示し、右側のサイドトリ
ムの斜視図である。
【図2】第1受け部の斜視図である。
【図3】第2受け部の斜視図である。
【図4】パッケージトレイの斜視図である。
【図5】パッケージトレイを収納する際の操作手順を示
した側面図である。
【図6】本考案の第2実施例を示し、右側のサイドトリ
ムの斜視図である。
【図7】第2実施例における第1受け部の斜視図であ
る。
【図8】第2実施例におけるパッケージトレイの収納手
順を示した側面図である。
【図9】従来のパッケージトレイの斜視図である。
【符号の説明】
1…第1受け部 1b…前後方向案内部、1c…上下方向案内部 2…第2受け部 3…サイドトリム 6…第3受け部 10…パッケージトリム 11…第1支持ピン 12…第2支持ピン 20…第1受け部(第2実施例) 21…第3受け部(第2実施例) 22…荷物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−22735(JP,A) 実開 昭60−92646(JP,U) 実開 昭61−165849(JP,U) 実開 昭56−79448(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 7/08 B60R 5/04

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略平板状をなし、左右両側部にはそれぞ
    れ前部寄りの第1支持ピンと後部寄りの第2支持ピンが
    左右同軸に側方へ突出して設けられてなるパッケージト
    レイのバン型車両の荷室における支持構造であり、 前記荷室側部の左右両サイドトリムに、 前後方向案内部とその前端に上方若しくは下方に屈曲す
    る上下方向案内部とを有するL字状をなし、前記第1支
    持ピンを回転可能かつ一定の範囲で前後方向および上下
    方向に移動可能、かつ嵌込み口を経て着脱可能に支持す
    る第1受け部と、 前記第1支持ピンが前記前後方向案内部で支持され、当
    該パッケージトレイがほぼ水平の使用位置にある時に前
    記第2支持ピンを着脱可能に保持するための第2受け部
    と、 前記第1支持ピンが前記上下方向案内部で支持され、当
    該パッケージトレイがほぼ起立した収納位置にある時に
    前記第2支持ピンを着脱可能に保持するための第3受け
    部を、一体成形により 設けたことを特徴とするバン型車両にお
    けるパッケージトレイの支持構造。
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