JPH10287159A - 自動車のリヤシート格納構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のリヤシート格納構造の簡単化を図
る。 【解決手段】リヤシート１のシートバック１Ｂを後方に
向け略水平位置まで回動倒伏させ、該シートバック１Ｂ
の上方を覆うリヤボード４Ｂとリヤシート１のシートク
ッション１Ａ上方を覆うフロントボード４Ａとから成る
着脱自在なフロアボード４によって車室後部にフラット
面を形成して、このフラット面上に荷物を積載すること
ができるのでラゲッジルームスペースを拡大することが
できる。また、該フロアボード４の下方にリヤシート１
を格納するようにしてあるため、構造の簡単化を図るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のリヤシー
ト格納構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】前席の後方に２列目，３列目のリヤシー
トを持つ自動車の中には、この３列目シートを後方回動
させてリヤフロアパネルに形成したシート格納部に収容
格納するようにしたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来のリヤシート
格納構造では、シートバックを一旦、前方に回動させて
シートクッション上に重ね、これら二層状態となったシ
ートクッションとシートバックとを一体的にシートクッ
ションの後部のヒンジ部分を支点として略１８０度後方
に回動させ、リヤフロアパネルに形成したシート格納部
に収納するようにしてあるため、前記ヒンジ部分をはじ
めリヤシートの構造そのものが複雑となって、コスト的
に不利となってしまう。

【０００４】また、前述のように二層状態にしたシート
クッションおよびシートバックを一体的に格納できるだ
けの深さを持ったシート格納部をリヤフロアパネルに形
成する必要があるため、専用のリヤフロアパネルが必要
となり益々コスト的に不利となってしまうばかりでな
く、スペアタイヤパンをリヤフロアパネルに形成するこ
とができず、スペアタイヤを３列目シート側部に立てて
搭載するようにしてあるため、該３列目シートの車幅方
向の寸法を規制してしまうという不具合があった。

【０００５】そこで、本発明はリヤシートの構造を複雑
にしたり、リヤフロアパネルを専用化することなくリヤ
シートをリヤフロアパネル上に展開状態に格納できて、
その上側に荷物の積載を可能にして、ラゲッジルームス
ペースを拡大することができる自動車のリヤシートの格
納構造を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１にあっては、リ
ヤシートのシートバックを後方に向け略水平位置まで回
動倒伏可能にし、かつ、該シートバックを回動倒伏した
状態でシートバックの上方を覆うリヤボードと、このリ
ヤボードに接続されてリヤシートのシートクッション上
方を覆うフロントボードとから成る着脱自在なフロアボ
ードによって車室後部にフラット面を形成すると共に、
該フロアボードの下方にリヤシートを格納するようにし
たことを特徴としている。

【０００７】請求項２にあっては、請求項１に記載のリ
ヤボードの前端にフロントボードの後端を接続したこと
を特徴としている。

【０００８】請求項３にあっては、請求項１に記載のリ
ヤボードの下面にスライドレールを設け、該スライドレ
ールによってフロントボードをリヤボード下方にスライ
ド自在に格納出来るように接続したことを特徴としてい
る。

【０００９】請求項４にあっては、請求項１〜３に記載
のリヤフロアパネルのリヤシート後側部にスペアタイヤ
パンを有すると共に、このスペアタイヤパン上方に該ス
ペアタイヤパンを閉塞し、かつ、後方へ回動倒伏したシ
ートバックを受容するトランクトレイを着脱自在に配設
して、シートバックを起立させた際に、該トランクトレ
イの上方をフロアボードで閉塞して、これらフロアボー
ドとトランクトレイとの間にサブトランクルームを構成
し得るようにしたことを特徴としている。

【００１０】請求項５にあっては、請求項１〜４に記載
のシートクッションの後端部上側に近接して配設される
車幅方向梁部材と、該車幅方向梁部材と略同じ高さでリ
ヤフロアパネルの両側に配設される一対の前後方向梁部
材とを備え、これら梁部材によってフロアボードを支持
するようにしたことを特徴としている。

【００１１】

【発明の効果】請求項１によれば、リヤシートのシート
バックを後方に向け略水平位置まで回動倒伏可能にし、
かつ、該シートバックを回動倒伏した状態でシートバッ
クの上方を覆うリヤボードと、このリヤボードに接続さ
れてリヤシートのシートクッション上方を覆うフロント
ボードとから成る着脱自在なフロアボードによって車室
後部にフラット面を形成して、このフラット面上に荷物
を積載することができるため、ラゲッジルームスペース
を拡大することができる。

【００１２】また、このフロアボードの下方にリヤシー
トを格納するようにしてあるため、リヤシートを比較的
構造の簡単な汎用のリクライニング機構つきのものを用
いることができると共に、リヤフロアパネルもシート格
納部を形成した専用のものを用いずに汎用のリヤフロア
パネルを用いることができて、前記リヤシートを展開状
態に格納することができるので、コストを大幅に低下す
ることができる。

【００１３】また、前述のようにリヤフロアパネルとし
てはフラットな、もしくは、スペアタイヤパンを凹設し
た汎用のリヤフロアパネルを用いることができるため、
スペアタイヤの搭載については、スペアタイヤパンを形
成したものにあっては該スペアタイヤパンにスペアタイ
ヤを格納でき、またフラットなものにあっては、リヤフ
ロアパネル下方にスペアタイヤを搭載することが可能と
なるため、リヤシートの車幅方向の寸法を十分に確保す
ることができる。

【００１４】請求項２によれば、請求項１の効果に加え
て、リヤボードの前端にフロントボードの後端を接続し
てあるため、構造を簡単化することができコスト的に有
利に得ることができる。

【００１５】請求項３によれば、請求項１の効果に加え
て、リヤボードの下面にスライドレールを設け、該スラ
イドレールによってフロントボードをリヤボード下方に
スライド自在に格納出来るように接続してあるため、フ
ロントボードをリヤボード下面の格納位置からシートク
ッション上方を覆う引き出し位置までスライド移動させ
るだけでよく、シート格納時の作業性を格段に向上する
ことができる。

【００１６】請求項４によれば、請求項１〜３の効果に
加えて、リヤフロアパネルのリヤシート後側部にスペア
タイヤパンを有すると共に、このスペアタイヤパン上方
に該スペアタイヤパンを閉塞し、かつ、後方へ回動倒伏
したシートバックを受容するトランクトレイを着脱自在
に配設して、シートバックを起立させた際に、該トラン
クトレイの上方をフロアボードで閉塞して、これらフロ
アボードとトランクトレイとの間にサブトランクルーム
を構成し得るようにしてあるため、このようにシートバ
ックを起立させた際には、該サブトランクルームを物品
の収納スペースとして利用することができる。

【００１７】請求項５によれば、請求項１〜４の効果に
加えて、シートクッションの後端部上側に近接して配設
される車幅方向梁部材と、該車幅方向梁部材と略同じ高
さでリヤフロアパネルの両側に配設される一対の前後方
向梁部材とを備え、これら梁部材によってフロアボード
を支持するようにしてあるため、該フロアボードを確実
に支持することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
と共に詳述する。

【００１９】図１，２において、１は車両の後方に配設
される３列目のリヤシートで、該リヤシート１はリヤフ
ロアパネル２上に配置したシートクッション１Ａと、該
シートクッション１Ａの後側上端にヒンジ部材３を介し
て接続され、後方に向け略水平位置まで回動倒伏可能な
シートバック１Ｂとで形成してある。

【００２０】４は、前記シートバック１Ｂを回動倒伏し
た状態でシートバック１Ｂの上方を覆うリヤボード４Ｂ
と、リヤシート１のシートクッション１Ａ上方を覆うフ
ロントボード４Ａとから成る着脱自在なフロアボードを
示しており、該フロアボード４によって車室後部にフラ
ット面を形成すると共に、このフロアボード４の下方に
リヤシート１を格納するようにしてある。

【００２１】特にこの実施形態では、該リヤボード４Ｂ
の前端にフロントボード４Ａの後端を回動展開可能に接
続してある。

【００２２】また、前記リヤフロアパネル２のリヤシー
ト１の後側部にスペアタイヤパン５を下向きに膨出成形
して、このスペアタイヤパン５の上方に該スペアタイヤ
パン５を閉塞し、かつ、後方へ回動倒伏したシートバッ
ク１Ｂを受容するトランクトレイ６を着脱自在に配設し
てあり、前述のシートバック１Ｂを起立させた際に、該
トランクトレイ６の上方を前記フロアボード４により閉
塞して、これらフロアボード４とトランクトレイ６との
間にできる空間部分をサブトランクルーム７として利用
することができるようにしてある。

【００２３】前述のシートクッション１Ａの後端部上側
に車幅方向梁部材８を近接配置してある。

【００２４】この車幅方向梁部材８の中央一般部分８ａ
は、シートクッション１Ａの後側部上端と略同じ高さに
設定してあるが、該車幅方向梁部材８の両側部８ｂ，８
ｂでは、前述のシートバック１Ｂの後方への回動に伴
う、シートクッション１Ａとシートバック１Ｂとを接続
するヒンジ部材３の干渉を避けるため、下方に向けオフ
セットして形成し、その下面をリヤフロアパネル２の一
般部上面に接合してある。

【００２５】なお、ヒンジ部材３は車幅方向梁部材８
が、シートバック１Ｂが回動倒伏した際には、シートク
ッション１Ａの後端部と倒伏時のシートバック１Ｂ前端
部との間に入るように、シートバック１Ｂとシートクッ
ション１Ａとを連結するものである。

【００２６】さらに、前記車幅方向梁部材８の中央一般
部分８ａと略同じ高さの一対の前後方向梁部材９を、リ
ヤフロアパネル２の両側に配設してある。

【００２７】該前後方向梁部材９はその前端９ａ，９ａ
をフロア面まで下向きにオフセットして形成されて、そ
の下面をリヤフロアパネル２の一般部上面に接合してあ
ると共に、後端９ｂ，９ｂの下面をリヤフロアパネル２
の後部に立ち上がり形成され、リヤエンドパネル１０に
続く上面に接合してある。

【００２８】この前後方向梁部材９の略中央部分の上面
には、前述のトランクトレイ６の側縁部６ａ，６ａをの
せて、該前後方向梁部材９でトランクトレイ６を支持し
てあり、さらに、この前後方向梁部材９と前記車幅方向
梁部材８の上面で、トランクトレイ６の上方を閉塞する
前記フロアボード４を支持するようにしてある。

【００２９】以上の実施形態の構造によれば、リヤシー
ト１のシートバック１Ｂを後方に向け略水平位置まで回
動倒伏可能にし、かつ、該シートバック１Ｂを回動倒伏
した状態でシートバック１Ｂの上方を覆うリヤボード４
Ｂと、このリヤボードの前端に回動展開可能に接続され
てリヤシート１のシートクッション１Ａ上方を覆うフロ
ントボード４Ａとから成る着脱自在なフロアボード４に
よって車室後部にフラット面を形成して、このフラット
面上に荷物を積載することができるため、ラゲッジルー
ムスペースを拡大することができる。

【００３０】また、このフロアボード４の下方にリヤシ
ート１を格納するようにしてあるため、リヤシート１を
比較的構造の簡単な汎用のリクライニング機構つきのも
のを用いることができると共に、リヤフロアパネル２も
シート格納部を形成した専用のものを用いずに汎用のリ
ヤフロアパネルを用いることができて、前記リヤシート
１を展開状態に格納することができるので、コストを大
幅に低下することができる。

【００３１】特にこの実施形態の構造によれば、リヤボ
ード４Ｂの前端にフロントボード４Ａの後端を回動展開
可能に接続してあるため、構造を簡単化することができ
コスト的に有利に得ることができる。

【００３２】また、スペアタイヤパン５を凹設した汎用
のリヤフロアパネル２を用いることができるため、図外
のスペアタイヤの搭載については、スペアタイヤパン５
に図外のスペアタイヤを格納することができるので、リ
ヤシート１の側部に図外のスペアタイヤを立てて搭載す
るようなことがなく、該リヤシート１の車幅方向の寸法
も十分に確保することができる。

【００３３】リヤフロアパネル２のリヤシート１後側部
に下向きに膨出成形したスペアタイヤパン５の上方に
は、該スペアタイヤパン５を閉塞し、かつ、後方へ回動
倒伏したシートバック１Ｂを受容するトランクトレイ６
を着脱自在に配設して、シートバック１Ｂを起立させた
際に、該トランクトレイ６の上方をフロアボード４で閉
塞して、これらフロアボード４とトランクトレイ６との
間にサブトランクルーム７を構成し得るようにしてある
ため、このようにシートバック１を起立させた際には該
サブトランク７を物品の収納スペースとして利用するこ
とができる。

【００３４】さらに、シートクッション１Ａの後端部上
側に近接して配設される車幅方向梁部材８と、該車幅方
向梁部材８と略同じ高さでリヤフロアパネル２の両側に
配設される一対の前後方向梁部材９とを備え、これら梁
部材８，９によってフロアボード４を支持するようにし
てあるため、該フロアボード４を確実に支持することが
できる。

【００３５】なお、前記実施形態ではリアフロアパネル
２を汎用のリヤフロアパネルとしてスペアタイヤパン５
を下向きに膨出形成したものを用いているが、フラット
なリヤフロアパネルを用いて、その下側にスペアタイヤ
を搭載するようにしてもよい。

【００３６】図３〜８は本発明の第２実施形態を示すも
ので、この実施形態にあっては前記図１，２に示した第
１実施形態のフロアボード４のリヤボード４Ｂの下面に
スライドレール１１を設けて、該スライドレール１１に
よりフロントボード４Ａをリヤボード４Ｂ下方の格納位
置と、シートクッション１Ｂ上方を覆う引き出し位置と
にスライド移動可能に支持するようにしてある。

【００３７】特にこの実施形態にあっては、リヤボード
４Ｂの後端部を下向きに湾曲整形させてバックドア開口
部下端１５を低めに設定し、バックドア開口を大きくし
て荷物の積み卸し作業性の向上を図っている。

【００３８】１２は前記第１実施形態の９に対応する前
後方向梁部材で、この実施形態では該前後方向梁部材１
２はボディサイド１３に設けてあり、この前後方向梁部
材１２の上面でフロアボード４を支持するようにしてあ
る。

【００３９】１４は前記第１実施形態の２に対応するリ
ヤフロアパネルを示している。

【００４０】この第２実施形態における３列目リヤシー
ト１の具体的な格納方法は、図５〜８に示すように、先
ずフロアボード４をその後端を支点として後方に回動さ
せる。

【００４１】次に、シートクッション１Ｂを後方に向け
略水平位置まで回動倒伏させリヤフロアパネル１４上に
格納する。

【００４２】そして、前記フロアボード４を元の位置に
戻してシートバック１Ｂの上方を該フロアボード４で覆
う。

【００４３】その後、フロアボード４のリヤボード４Ｂ
下面にスライド格納してあるフロントボード４Ａを前方
に引き出して、シートクッション１Ａ上方を覆う。

【００４４】従って、この実施形態の構造によれば、リ
ヤボード４の下面にスライドレール１１を設け、該スラ
イドレール１１によってフロントボード４Ａをリヤボー
ド４Ｂ下方にスライド自在に格納出来るように接続して
あるため、フロントボード４Ａをリヤボード４Ｂ下面の
格納位置からシートクッション１Ａ上方を覆う引き出し
位置までスライド移動させるだけでよく、シート格納時
の作業性を格段に向上することができる。

【００４５】なお、この第２実施形態においては省略し
てあるが、前述の第１実施形態のようにフロアボード４
の前端部分を支える車幅方向梁部材８を設けても良いこ
とは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す斜視図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面説明図。

【図３】本発明の第２実施形態を示す斜視図。

【図４】図３のＢ−Ｂ線に沿う断面説明図。

【図５】本発明の第２実施形態の作動説明図１。

【図６】本発明の第２実施形態の作動説明図２。

【図７】本発明の第２実施形態の作動説明図３。

【図８】本発明の第２実施形態の作動説明図４。

【符号の説明】

１リヤシート １Ａシートクッション １Ｂシートバック ２，１４リヤフロアパネル ４フロアボード ４Ａフロントボード ４Ｂリヤボード ５スペアタイヤパン ６トランクトレイ ７サブトランクルーム ８車幅方向梁部材 ９，１２前後方向梁部材 １１スライドレール

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リヤシートのシートバックを後方に向け
   略水平位置まで回動倒伏可能にし、かつ、該シートバッ
   クを回動倒伏した状態でシートバックの上方を覆うリヤ
   ボードと、このリヤボードに接続されてリヤシートのシ
   ートクッション上方を覆うフロントボードとから成る着
   脱自在なフロアボードによって車室後部にフラット面を
   形成すると共に、該フロアボードの下方にリヤシートを
   格納するようにしたことを特徴とする自動車のリヤシー
   ト格納構造。
2. 【請求項２】 リヤボードの前端にフロントボードの後
   端を接続したことを特徴とする請求項１に記載の自動車
   のリヤシート格納構造。
3. 【請求項３】 リヤボードの下面にスライドレールを設
   け、該スライドレールによってフロントボードをリヤボ
   ード下方にスライド自在に格納出来るように接続したこ
   とを特徴とする請求項１に記載の自動車のリヤシート格
   納構造。
4. 【請求項４】 リヤフロアパネルのリヤシート後側部に
   スペアタイヤパンを有すると共に、このスペアタイヤパ
   ン上方に該スペアタイヤパンを閉塞し、かつ、後方へ回
   動倒伏したシートバックを受容するトランクトレイを着
   脱自在に配設して、シートバックを起立させた際に、該
   トランクトレイの上方をフロアボードで閉塞して、これ
   らフロアボードとトランクトレイとの間にサブトランク
   ルームを構成し得るようにしたことを特徴とする請求項
   １〜３の何れかに記載の自動車のリヤシート格納構造。
5. 【請求項５】 シートクッションの後端部上側に近接し
   て配設される車幅方向梁部材と、該車幅方向梁部材と略
   同じ高さでリヤフロアパネルの両側に配設される一対の
   前後方向梁部材とを備え、これら梁部材によってフロア
   ボードを支持するようにしたことを特徴とする請求項１
   〜４の何れかに記載の自動車のリヤシート格納構造。