JP2536853B2 - 改善された表面特性を有する化粧パネル - Google Patents

改善された表面特性を有する化粧パネル

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JP2536853B2 JP22227186A JP22227186A JP2536853B2 JP 2536853 B2 JP2536853 B2 JP 2536853B2 JP 22227186 A JP22227186 A JP 22227186A JP 22227186 A JP22227186 A JP 22227186A JP 2536853 B2 JP2536853 B2 JP 2536853B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野: 本発明は、樹脂で含浸された紙シート(1)と、心層
(13)と、この心層の片面または両面に位置した (A)第1の外層としての化粧層(2)または (B)第1の外層としての化粧層(2)および第2の外
層としての透明層(6)とからなり、 かつ第1の外層としての化粧層(2)と心層(13)との
間に紙シート(1)が位置している化粧パネル、および
その製造法に関する。この型のパネルは、建築工業にお
いて室内装飾または外装用に使用され、この場合には、
外装用パネルまたは自立ユニットとしてその厚さに応じ
て使用される。
従来の技術: これまで使用されてきた化粧パネルは、例えば“高圧
積層板”(H.P.L.パネル)と呼ばれるようなプラスチッ
ク化粧パネル(DIN 16926)である。それは、樹脂で含
浸されかつ高温条件で圧縮された心層としての積重ねた
紙、および樹脂で含浸した化粧紙からなる上層から構成
されている。このパネルは、それが鉱酸によって、殊に
10%よりも高い濃度で10分間よりも長い暴露時間で攻撃
されるという欠点を有する。更に、標準の実施態様にお
いて、上層に使用される樹脂のタイプは加水分解に敏感
であるので、前記パネルは、不適当な耐候性を示す。従
って、この型のパネルは、化学研究所の作業台として使
用することができるかまたは酸で清浄化しなければなら
ない湿式電池の製造に限定されて使用することができる
にすぎない。このパネルを外装の目的に使用する場合に
は、付加的に費用のかかる処置により耐候性の効果を改
善することが必要である。
しかし、プラス地区を基礎とする積層板およびパネ
ル、例えばポリエステルまたはアクリレートパネルは、
特に引裂きに敏感であり、かつ不適当な耐有機溶剤性を
示す。この理由により、この積層板およびパネルは、前
記用途にはあまり適当でない。
公知の刊行物を構成しない欧州特許出願第85105851.1
号明細書は、特に外装への使用目的、室内装飾の構成お
よび特殊な家具の製造に好適であり、加水分解に対して
安定でありかつ屋外暴露、鉱酸および有機溶剤の作用に
対して適当な抵抗性を示す表面を有し、かつ高い表面硬
度をも有する化粧パネルに関する。この化粧パネルは、
心層および片面または両面上の化粧層から構成されてい
る。2つのパネルの少なくとも最も外部の層は、主に放
射線によって重合されかつ不飽和アクリレートおよび不
飽和メタクリレートよりなる群から選択された1種類ま
たはそれ以上の成分から形成された合成樹脂から構成さ
れている。この層は、特に高い表面硬度を有する。この
層は、なお少なくとも1.5Nの引裂き荷重で耐引裂性を示
す(DIN 53799、パート10)。このパネルの製造法にお
いて、放射線によって重合させることができる成分より
なる液状表面層は、支持体に塗布されかつその後に放射
線によって重合されている。このパネル表面は、放射線
によって重合された表面層を支持体と一緒に高められた
温度で圧縮する後工程後にまでは所望の性質を有しな
い。
しかし、この化粧パネルは、一定の光沢度を示す、し
ばしば望ましくない性質を有する。型押された分離媒体
を高温条件下で最終圧縮に使用する場合、分離媒体の表
面に一致して型押されている表面組織、例えばユズ肌と
同様に表面組織をパンル表面に与えることができること
は明らかであり、その表面光沢は、以前同様に極めて高
い。また、公知の艶消剤、例えば二酸化珪素顔料をパネ
ルの最も外部の層に添加することにより、実際の目的に
とって光沢は減少されない。それというのも、放射線重
合後に最初なお梨地艶消しされている顔料含有表面は、
パネルをその後に高温条件下で圧縮に暴露すると直ちに
再び説明できないほどに光沢を増すからである。
発明が解決しようとする課題 従って、本発明の課題は、耐候性、耐酸性および耐溶
剤性を有しかつ高い表面硬度および僅かにすぎない表面
光沢を有する化粧パネルを記載することである。
課題を解決するための手段 この課題は、 第1の外層としての化粧層2および第2の外層として
の透明層6が不飽和アクリレートおよび不飽和メタクリ
レートよりなる群から選択された1種類またはそれ以上
の成分を放射線によって重合させた合成樹脂から構成さ
れており、該両側層がDIN 53799、パート10で定義され
ている引掻荷重少なくとも1.5ニュートン、有利に2〜
7ニュートンの耐引掻性を有しかつDIN 67530で定義さ
れている、入射角85゜で50以下の範囲内のリフレクトメ
ーター値を有することを特徴とする、改善された表面特
性を有する化粧パネルにより達成され、ならびに 樹脂で含浸された紙シート1と、心層13と、この心層
の片面または両面に位置した第1の外層としての化粧層
2とからなり、かつ第1の外層としての化粧層2と心層
13との間に紙シート1が位置し、第1の外層としての化
粧層2が不飽和アクリレートおよび不飽和メタクリレー
トよりなる群から選択された1種類またはそれ以上の成
分を放射線によって重合させた合成樹脂から構成されて
おり、該外層がDIN 53799、パート10で定義されている
引掻荷重少なくとも1.5ニュートン、有利に2〜7ニュ
ートンの耐引掻性を有しかつDIN 67530で定義されてい
る、入射角85゜で50以下の範囲内のリフレクトメーター
値を有する化粧パネルを製造する方法の場合には、第1
工程で不飽和アクリレートおよび不飽和メタクリレート
よりなる群から選択された1種類またはそれ以上の放射
線重合可能な成分を含有する第1の外層としての化粧層
2を紙シート1に塗布し、該表面層上に粗面を有するフ
ィルム3を圧着させ、その後に第2工程で放射線によっ
て重合させ、該フィルムを除去し、第2工程後に放射線
によって重合させた第1の外層としての化粧層2を高め
られた温度で紙シート1および心層13と一緒に圧縮させ
ることを特徴とする、改善された表面特性を有する化粧
パネルの製造法によって解決され、また樹脂で含浸され
た紙シート1と、心層13と、この心層の片面または両面
に位置した第1の外層としての化粧層2および第2の外
層としての透明層6とからなり、 かつ第1の外層としての化粧層2と心層13との間に紙
シート1が位置し、第1の外層としての化粧層2および
第2の外層としての透明層6が不飽和アクリレートおよ
び不飽和メタクリレートよりなる群から選択された1種
類またはそれ以上の成分を放射線によって重合させた合
成樹脂から構成されており、該両外層がDIN 53799、パ
ート10で定義されている引掻荷重少なくとも1.5ニュー
トン、有利に2〜7ニュートンの耐引掻性を有しかつDI
N 67530で定義されている、入射角85゜で50以下の範囲
内のリフレクトメーター値を有する化粧パネルを製造す
る方法の場合には、第1工程で不飽和アクリレートおよ
び不飽和メタクリレートよりなる群から選択された1種
類またはそれ以上の放射線重合可能な成分を含有する第
1の外層としての化粧層2および第2の外層としての透
明層6を順次に紙シート1に塗布し、該表面層上に粗面
を有するフィルム3を圧着させ、その後に第2工程で放
射線によって重合させ、該フィルムを除去し、第2工程
後に放射線によって重合させた第1の外層としての化粧
層2と第2の外層としての透明層6を高められた温度で
紙シート1および心層13と一緒に圧縮させることを特徴
とする、改善された表面特性を有する化粧パネルの製造
法によって解決され、ならびに 樹脂で含浸された紙シート1と、心層13と、この心層
の片面または両面に位置した第1の外層としての化粧層
2および第2の外層としての透明層6とからなり、 かつ第1の外層としての化粧層2と心層13との間に紙
シート1が位置し、第1の外層としての化粧層2および
第2の外層としての透明層6が不飽和アクリレートおよ
び不飽和メタクリレートよりなる群から選択された1種
類またはそれ以上の成分を放射線によって重合させた合
成樹脂から構成されており、該両外層がDIN 53799、パ
ート10で定義されている引掻荷重少なくとも1.5ニュー
トン、有利に2〜7ニュートンの耐引掻性を有しかつDI
N 67530で定義されている、入射角85゜で50以下の範囲
内のリフレクトメーター値を有する化粧パネルを製造す
る方法の場合には、第1工程で不飽和アクリレートおよ
び不飽和メタクリレートよりなる群から選択された1種
類またはそれ以上の放射線重合可能な成分を含有する第
1の外層としての化粧層2を紙シート1上に塗布し、他
方、粗面を有するフィルム3上に第2の外層としての透
明層6を塗布し、両者を化粧層2と透明層6が接するよ
うに圧着させ、その後に第2工程で放射によって重合さ
せ、第2工程後に放射線によって重合させた化粧層2と
透明層6を高められた温度で紙シート1と一緒に圧縮
し、この圧縮の後に該フィルムを除去し、紙シート1
と、放射線によって重合された第1の外層としての化粧
層2と、第2の外層としての透明層6とを一緒に心層13
上に圧着させることを特徴とする、改善された表面特性
を有する化粧パネルの製造法によって解決され;特許請
求の範囲第2項から第5項までのいずれか1項は、特に
このパネルの実施態様に関し、かつ同第7項から第10項
までのいずれか1項ならびに第12項また第14項までのい
ずれか1項、ならびに第16項から第18項までのいずれか
1項は、前記パネルの製造法の実施態様に関する。この
パネルは、意図した使用目的に達した表面形状および表
面組織を有するシート状ユニットであり、かつ例えば曲
がった形状を有することもできる。本発明の範囲内でパ
ネルは、シート材料を意味することもできる。
DIN 53799、パート10には、耐引掻性の測定方法が規
定されており、この場合には、ダイヤモンド針がパネル
表面上に目で見ることのできる引掻き傷を生じるような
力を測定する。これは、ダイヤモンド針の作動直後に評
価される。それというのも、表面層が弾性であることの
結果として、表面が引っ掻かれた後に表面変形は徐々に
回復しうるからである。耐引掻性は、表面硬度の1つの
基準である。また、なおそれ自体でまとまったマークを
3つの試験体もしくは試料表面上に生じさせる最も最少
の重量の力Nは、亀裂応力に対する挙動の基準と見なさ
れる。
意外なことに、パネルの少なくとも1つの外部表面に
放射線によって重合された合成樹脂の特殊な層を有する
前記化粧パネルは、従来公知のパネルに比して優れた耐
候性を有するだけでなく、驚異的にも改善された表面硬
度を有することが見い出された。更に、この化粧パネル
が酸および有機溶剤に対して殆んど安定であることは評
価できる。
DIN67530には、型RB/ドクター・ランゲ(Dr.Lange)
リフレクトメーターの使用によりリフレクトメーター値
をパネル表面の光沢度の測定可能な表示度数として測定
する方法が規定されている。この標準規格の記載と同様
にして測定されたリフレクトメーター値は、試験試料の
表面に対する光学特性値を構成し、かつ表面の光沢度と
の関係式を有する。これに関連して、光沢度は純粋に物
理的な量ではなく、生理的および心理的に考慮すること
によって制限された量でもあることを心に留めておかな
ければならない。従って、光沢度を直接に測定すること
は不可能であるが、“光沢力”すなわち表面の反射特性
により印象付けられた光沢の表面分布は、原理的に適当
な方法で測定することができる。リフレクトメーター値
は、光沢力の1つの基準として使用することができる。
それというのも、このリフレクトメーター値は、本質的
に表面の反射特性によって定められているからである。
このリフレクトメーター値は、1つの標準に関連させた
ものであり、この場合一次標準としては、全ての平らな
艶出された黒色のガラス板が適当であり、このガラス板
の屈折率は、小数点以下第3位まで知られている。基準
値としてのn=1.567の屈折率の場合には、3つの標準
の入射角の全てに関してリフレクトメーター値は100で
あるように設定することができることが確認されてい
る。
前記の標準規格によって定義されたリフレクトメータ
ー系は、標準規格ASTMD523−67に記載の設計に基づいて
形成されている。入射角20゜、60゜および85゜は任意に
選択される。
この測定のための20゜での配置は、入射角60゜でのリ
フレクトメーター値が70を越える試験試料のために使用
され、また、測定のための85゜での配置は、入射角60゜
でのリフレクトメーター値が30を下廻る試験試料のため
に使用される。
リフレクトメーターにおいて、光源は、絞りの開口内
に同心的に画像が形成されるように配置されている。光
線は、前記した入射角(20゜,60゜または85゜)でパネ
ル表面に衝突し、かつ散乱するように反射される。絞り
を通過する光束は、絞りの後方に位置した光電検出器に
より測定される。
心層はパネルの支持体機能を有する。それは、例えば
木材から構成されている。また、例えばポリ塩化ビチ
ル、ポリエチレンまたはポリスチレンを基礎とするプラ
スチックからなるかまたは金属例えば鋼、アルミニウ
ム、銅、黄銅または他の合金からなるパネルまたはシー
ト材料は、心層として好適である。放射線によって重合
された合成樹脂の層は、前記心層の表面上にまさに位置
しているか、または接着フィルムもしくは接着部により
心層に結合しているかまたは有利に例えばフェノール−
ホルムアルデヒドもしくはレソルシノール−ホルムアル
デヒド前縮合物のような接着促進合成樹脂により心層に
結合している。接着部は、単に接着剤層であるにすぎ
ず、接着フィルムは、接着剤で塗布されてるかまたは含
浸されている担持層である。接着促進剤は、それ自体が
接着剤であることなしに2種類の異なる材料の結合を促
進する物質である。
更に、心層は、紙シート材料、殊に硫酸塩クラフト紙
から構成することができ、このクラフト紙は、H.P.L.シ
ートに常用され、熱硬化樹脂、殊にフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂で含浸され、かつ高温条件下で圧縮され
ている。所望されるパネルの厚さに応じて、1〜約100
枚のシートは、互いに上面で高温条件下で圧縮されてい
る。
また、心層は、圧力下で圧縮されかつ鉱物繊維、ガラ
ス繊維、プラスチック繊維または繊維混合物、有利にセ
ルロースから構成された不織布またはマットから構成さ
せることもできる。セルロース含有繊維層は、例えばラ
ンダムに分布された木繊維または木片である。木材およ
び/またはセルロース繊維から構成された不織布または
マットは、合成樹脂を繊維に塗布し、この樹脂被覆した
繊維を乾燥し、生成物を繊維マットの形状にし、かつこ
のマットに圧力の影響下に前圧縮を行なうことによって
製造される(欧州特許出願公開第0081147号明細書)。
必要に応じて、前記の繊維含有心層の外部表面上に位
置した、熱硬化性のアミノプラスト樹脂またはフェノプ
ラスト樹脂を含有するアンダークロスが存在する。この
アンダークロスは、例えば顔料を添加したかまたは顔料
を添加してない不織布または紙から構成されている。
1つの好ましい実施態様の場合には、繊維含有心層上
または前記のアンダークロス層上に放射線によって重合
された合成樹脂の層がそのまま続き、この合成樹脂層
は、化粧されており、すなわち染料を添加した結果とし
て特別の光学効果または装飾効果を示す。また、放射線
によって重合された合成樹脂の化粧層上には澄明の、す
なわち透明で染料不含の、放射線によって重合された合
成樹脂層が存在することができ、この合成樹脂層は、パ
ネルの最も外部の表面を形成するが、この合成樹脂の澄
明な層を省略することは全く可能であり、したがってさ
らに合成樹脂の化粧層は、最も外部の層を形成する。
合成樹脂の化粧層の代りに、染料を添加したプラスチ
ックフィルムおよび/または印刷したプラスチックフィ
ルムを基礎とするかまたは紙を基礎とする化粧層を使用
することもでき;この化粧層は、通常顔料を添加した化
粧紙、染料を添加した化粧紙および/または印刷した化
粧紙から構成されている。放射線によって重合された合
成樹脂の、この場合には透明で染料を含まない層は、プ
ラスチックフィルム上または化粧紙上に位置している。
化粧紙は、この目的のために常用される熱硬化性合成樹
脂、殊にアミノプラスト樹脂を含有し、かつH.P.L.パネ
ルに典型的な硫酸塩クラフト紙から形成されたかまたは
ランダムに分布されかつフェノール樹脂で処理した木材
またはセルロース繊維から形成された心層上に位置して
いる。
放射線によって重合された合成樹脂の最も上部の層を
得るのに予想される化合物は、フリーラジカル機構によ
って化学線で重合させることができかつ化合物それ自体
または一緒になって重合可能な混合物中に存在するアク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを包含す
る。好ましい成分は、多官能性プレポリマー、すなわち
ポリ不飽和プレポリマーである。この主要成分の他に、
共重合可能な混合物は、必要に応じて、希単量体または
希低重合体として記載されている、希釈作用を有する他
の成分を含有する。多官能性プレポリマーの混合物中の
量比は、共重合可能な成分の全重量に対して50〜100重
量%、殊に60〜90重量%である。低粘度(20℃で100ポ
アズ未満)のプレポリマーは、希釈を生じる単量体また
は低重合体なしに使用される。
使用された成分は、フリーラジカル機構によって化学
線の作用下で強い重合傾向を有する。適当な化学線は、
近UV範囲内の光線または高エネルギー放射線、例えば電
子粒子線またはX線である。フリーラジカル機構によっ
て重合させることができるプレポリマーは、多官能性の
不飽和脂肪族または芳香族アクリレートまたはメタクリ
レート、有利に不飽和ポリエステルアクリレート低重合
体および殊に脂肪族ウレタンアクリレート低重合体であ
る。また、芳香族ウレタンアクリレート低重合体は、耐
引掻性表面被膜を生じるのだけれども、この表面被膜
は、外装に使用した際に数時間後に黄変する。
プレポリマーの他に、モノアクリレート、ジアクリレ
ート、トリアクリレート、テトラアクリレート、ペンタ
アクリレートもしくはヘキサアクリレートまたはモノメ
タクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレー
ト、テトラメタクリレート、ペンタメタクリレートもし
くはヘキサメタクリレート、有利にジアクリレートまた
はトリアクリレートは、付加的に適当な単量体または低
重合体としてフリーラジカル機構によって共重合させる
ことができる混合物中に使用される。これらのモノアク
リレートないしヘキサアクリレートまたはモノメタクリ
レートないしヘキサメタクリレートは、それぞれ1〜6
個のOH基を有するポリオールと、アクリル酸またはメタ
クリル酸とのエステルであり、したがってそれぞれポリ
オールアクリレートまたはポリオールメタクリレートと
しても知られている。適当なジアクリレートは、アクリ
ル酸と、脂肪族2価アルコール、殊にエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリ
コール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまた
はネオペンチルグリコールとのエステル、アクリル酸
と、脂肪族エーテルアルコール、殊にジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリ
コールとのエステル、アクリル酸と、上記の脂肪族アル
コールおよびエーテルアルコールのオキシアルキル化さ
れた化合物とのエステル、またはアクリル酸と、芳香族
シヒドロキシ化合物、殊にビスフェノールA、ピロカテ
コール、レソルシノール、ヒドロキノン、p−キシレン
グリコールまたはp−ヒドロキシベンジルアルコールと
のエステルである。好ましいジアクリレートは、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレートおよび1,4−ブタンジオールジア
クリレートである。好ましいトリアクリレートは、トリ
メチロールプロパントリアクリレートおよびペンタエリ
トリトールトリアクリレートである。
また、既述したウレタンアクリレート低重合体および
不飽和ポリエステルアクリレート低重合体の他に、適当
な多官能性プレポリマーは、有利にフリーラジカル機構
によって共重合させることができる混合物中で前記のジ
アクリレートまたはトリアクリレートと一緒に使用され
る、エポキシアクリレート低重合体およびシリコーン−
アクリレート低重合体である。
プレポリマーは、自体公知の化合物であり、かつ例え
ばヒドロキシル基が統計的に共重合体鎖に沿って分布し
ているヒドロキシル化された共重合体から得られる。統
計的に不飽和のアクリル共重合体は、この共重合体から
ヒドロキシル基をアクリル酸でエステル化することによ
って得られる。半末端基不飽和アクリル共重合体は、ヒ
ドロキシル化された共重合体を製造する際に鎖の末端に
ヒドロキシル基を有することによって得られるウレタン
アクリレート低重合体は、ヒドロキシル基を有する(メ
ト)アクリル酸エステル、例えばヒドロキシエチルメタ
クリレートを、多官能性イソシアネート、有利にジイソ
シアネートと反応させることによって得られる。ジイソ
シアネートまたはポリイソシアネートは、有利に単量体
ジイソシアネート、またはポリイソシアネートの化学量
論的過剰量を含有するジオール、ポリエーテルジオール
またはポリエーテルジオールの反応生成物であることが
できる。
多官能性プレポリマーがその化学的性質のために原樹
脂として重合可能な混合物に最も重要である場合には、
それは硬化した表面層の性質を決定する。添加されたモ
ノアクリレートないしヘキサアクリレートまたはモノメ
タクリレートないしヘキサメタクリレートは、希釈単量
体または低重合体として、硬化させるべき混合物の粘度
を調節することを可能し、通常20〜100ポアズ(20℃)
の粘度範囲内にあり、かつ完全にフリーラジカル重合に
貢献する。放射すると、被膜は、プレポリマーの二重結
合と、存在することができる希釈単量体または低重合体
の二重結合との間にフリーラジカル重合によって硬化さ
れる。
硬化を化学線の影響下で実施する場合には,UV光線を
吸収しかつラジカルの形成によってフリーラジカル重合
の開始を簡易化する光重合開始剤を添加することが必要
である。しかし、硬化を電子ビームで実施する場合に
は、光重合開始剤は全く不必要である。光重合開始剤の
大部分は、芳香環と共役の少なくとも1個のカルボニル
基を有する。幾つかの成分から構成された光重合開始剤
系は通常使用されている。
更に、放射線によって重合される合成樹脂は、所望の
装飾的性質、機械的性質および物理的表面特性を達成す
るために必要に応じて適当な添加剤、例えば可塑剤、充
填剤、無金属有機顔料、耐磨耗性を改善する薬剤および
安定剤を含有する。これらの物質は、例えば硫酸バリウ
ム、珪酸塩、酸化アルミニウムおよび光安定性顔料を包
含する。
化粧パネルは放射線によって重合させることができる
液状化合物を被覆すべき支持体に、例えば吹付塗布、注
型、ドクターナイフ系、ローラー印刷またはスクリーン
印刷によって塗布することによって製造される。化粧層
に塗布した場合には、塗布された層は透明である。しか
し、この層それ自体は、化粧させることもでき、さらに
着色され、かつ非化粧紙層上に位置しているかまたはま
さに心層上に位置している。もう1つの実施態様におい
て、放射線によって重合させることができるが、化粧さ
れてなく透明である付加的な層は、放射線による硬化後
に合成樹脂のこの化粧層にも塗布される。
従って、放射線によって重合させることができる化合
物を塗布するのに使用される支持体は、紙層、化粧紙層
であるかまたは木材、プラスチック、金属もしくはその
後に得られるパネルの心を形成する積重ねた他の繊維含
有層を基礎とする上記の心層である。有利に硫酸塩クラ
フト紙から構成されているかまたは木材および/または
セルロース繊維からなる不織布から構成されている積重
ねた繊維含有層は、H.P.L.パネルに常用の熱硬化性の前
硬化した樹脂、殊にフェノール−ホルムアルデヒド樹脂
を含有するが、場合によっては付加的に積重ね物上に存
在することができる紙シート材料は、アミノプラスト樹
脂または殊にフェノプラスト樹脂を含有する。熱硬化性
樹脂の含量は、特別の層に対して20〜250重量%であ
る。
繊維含有層または紙層の浸漬または含浸は、例えば熱
硬化性樹脂を含有する溶液または分散液の浴中に浸漬さ
せることによって実施されるか、または計量系により塗
布するか吹付塗布することによって実施される。溶剤ま
たは分散剤は、使用される合成樹脂に応じてアルコール
水、水性アセトンまたは水性である。また、それは、20
重量%までの難燃剤を含有することができる。更に、樹
脂の所望量は、例えばローラーにより掻き取りまたは絞
り出しによって分布される。
支持体の熱硬化性樹脂は、放射線によって重合させる
ことができる化合物の意図する支持体への塗布前に常法
で前硬化され、かつ乾燥される。
放射線によって重合させることができる化合物から構
成された、最も外部の、なお液状の層は、プラスチック
もしくは紙のシートもしくはパネルによって被覆されて
いるかまたはプラスチックの幾つかの層もしくはプラス
チックおよび紙の層からなる複合フィルムによって被覆
されており、粗面組織を有し、かつ化学線に対して十分
に透明でなければならない。被覆を目的としたフィルム
またはパネルは、あまり多孔質表面を有していてはなら
ない。それというのも、さもなければ放射線によってな
お重合しうる液状化合物は表面中に浸透するであろうと
いう危険が存在するからである。この場合には、重合後
にフィルムまたはパネルをもはや除去することは不可能
である。この最も外側の液状層それ自体は、化粧されて
いてもよくかつ染料を含有することができるか、または
化粧されていなくともすなわち透明であることができ、
かつさらに化粧層上または放射線によって重合された合
成樹脂の化粧層上に位置していてもよい、好ましくは、
0.1mmまでの厚さを有するフィルムが使用される。それ
というのも、厚い被覆は、電子ビームまたはUV線にとっ
て不適当に透明であるか、または比較的長い露光時間を
必要とするからである。一般には、厚さ20〜60μのフィ
ルムが使用される。それというのも、一面でこのフィル
ムは、放射にとって適当に透明であり、他面でそれは適
当な機械的強度を有するからである。このフィルムは、
簡易化のために、以下フィルムまたは被覆フィルムとし
て記載される。
プラスチックフィルムは、殊に二軸延伸によって配向
されたポリエステルまたはポリプロピレンフィルムから
構成されている。被覆を目的とするフィルムの粗い組織
は、顔料を少なくとも外部表面に隣接して添加すること
によって得られる。この表面粗さは、フィルムの表面中
の高さに依存するが、その高さは、フィルムの厚さに比
して極く僅かであり、かつせいぜい数マイクロメートル
の範囲内にある。顔料は、例えば無機粒子、殊に酸化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、二酸
化珪素、二酸化チタンまたはガラスミクロビーズから構
成されているか、またはフィルムのプラスチックと不相
容性でありかつフィルム中に粒子として分散される有機
プラスチック粒子から構成されている。顔料は、通常0.
1〜20μの粒径を有し、この場合この平均粒径は、0.1〜
4μの範囲内にある。この顔料の濃度は、フィルムの重
量に対して0.01〜10重量%である。フィルム中のこの顔
料の濃度および粒径は、プラスチックフィルムの所望の
表面粗さに適合するように調節される。
放射線によってなお重合しうる液状層への被覆フィル
ムの適用は、まずこの液状層を上記の方法で支持体に塗
布し、次にそれに被覆フィルムを設けることによって行
われ、この場合被覆フィルムの表面の粗面側は、重合可
能な液状層との接触を生じる。しかし、まず重合可能な
液状層を被覆フィルムの表面の粗面側に塗布し、次に被
覆フィルムをこの液状層と一緒に支持体に適用すること
も可能である。
表面の粗さは、放射線によって重合させるべき層の表
面に転写され、次にこの層の表面は、被覆フィルムの表
面組織の形をとり、かつ艶消の表面を生じる。この結果
は全く驚異的なものである。それというのも、最終製品
の表面光沢は、実際の目的に対し最終的な圧縮過程で型
押された分離媒体を使用することによってももはや減少
されることがないからである。
放射線によって惹起される重合は、例えば光重合開始
剤のようなフリーラジカルの形式に常用の源を使用する
ことによって開始させることができるか、または熱のみ
を供給することによって開始させることができ光重合可
能な層が光重合開始剤を含有する場合には、重合は、水
銀灯の下を通過させることによって開始される。酸素の
不在は、UV線による硬化には不必要である。重合可能な
化合物の硬化に使用される電子ビームは、150〜350KeV
に相当するエネルギーを有するのに適当である。電子加
速器のエネルギーは、形成させるべき合成樹脂層の厚
さ、必要とされる放射線量および処理時間または処理が
実施される速度によって定められる。
電子ビームを加速するために使用される装置は、市場
で入手しうるものである。これは、“走査器型”および
“直線陰極型”として公知の加速器である。フリーラジ
カルは、重合可能な層の成分との相互作用によって形成
される。この硬化過程は、通常室温で実施される。実際
に電子ビームにより硬化させるには、この過程は、不活
性の雰囲気中、すなわち実質的に酸素不含の雰囲気中で
実施する必要がない。それというのも、重合可能な表面
層は、その上に置かれているプラスチックフィルムによ
って保護されているからである。
被覆フィルムは、重合が放射線によって行われた後に
除去することができる。しかし、また過程が完結するま
で、すなわち高温条件下で圧縮させた後にまで被覆フィ
ルムを除去しないか、またはこの被覆フィルムを完成パ
ネル用のケーシングとして使用することは可能である。
支持体が十分に可撓性である場合には、それは貯蔵のた
めに巻取られるかまたは直ちに所望の大きさに切断され
る。放射線によって重合された樹脂を含有する支持体が
紙層からのみ構成されている場合には、この紙層は、心
層を形成する積重ねた繊維含有層上に置かれている。ま
た、付加的にこの積重ねた繊維含有層の下面にこのタイ
プの支持体を設けることもできる。
こうして得られる、繊維含有心層および放射線によっ
て重合された表面層ならびに必要に応じて紙または化粧
紙の中間に位置した層から構成された層の束は、H.P.L.
パネルの製造の常法と同様に高温条件下で圧縮され、化
粧パネルを生じ、その経過中に熱硬化性樹脂は硬化され
る。温度は有利に120℃〜210℃であり、圧力は10〜100
バールの範囲内にあり、かつ処理時間は1〜30分間であ
る。しかし、心層が木材、プラスチックまたは金属板か
ら構成されている場合には、温度および圧力は、通常80
℃および5バールの値に減少させることができる。
圧縮は、公知の固定された、フロー型(flowtype)ま
たは連続圧縮装置中で実施される。心層中の繊維含有層
の数および厚さまたは心層の厚さは、パネルの使用目的
に応じて選択され、この場合3〜25mmのパネルの厚さ
は、意図した使用目的に応じて外装への適用に必要とさ
れる。放射線によって重合された合成樹脂の層を含有す
る多数のパネルがプレス機(この場合、心層は少ない厚
さを有するのが経済的に有利である。)中で互いに他の
上面に積重ねられている場合には、個々のパネルは、互
いにそのつど分離媒体により分離されている。分離媒体
は、例えば紙層、プラスチックフィルムまたは金属板で
ある。分離媒体が粗い表面組織、すなわち標高または凹
みを有する場合には、この粗い組織は、特別のパネルの
隣接した外部層に与えられ、この場合既に存在する艶消
の微細な組織は保持される。放射過程で既に確立され
た、パネル表面上の光沢度を、実際の目的のために分離
媒体によりさらに変えることはできない。
得られた化粧パネルは、意外なことに、特別の耐候性
および著しい耐引掻性を示し、これらの特性は、恐らく
種々の樹脂間の予想できない相互作用により可能となっ
たか、または恐らく高温条件下で圧縮した際にフリーラ
ジカルによって重合しうる化合物のその後の架橋により
可能となったのであろう。耐引掻性および耐薬品性は、
意外なことに、放射線によって重合させることができる
同じ化合物の被膜を受容するパネルの場合よりも実質的
に高く、この場合この被膜は、高温条件下で圧縮するこ
となしにフリーラジカル機構で放射線により重合させた
にすぎない。更に、パネルの表面は、艶消剤を表面層に
使用する場合であっても達成することができないような
著しく減少した光沢を有する。
実施例: 次に、本発明を第1図〜第3a図および下記の実施例に
つき詳説する。百分率は重量百分率である。
同じ機構を有する部材は、図面中で同じ番号で示し
た。第1図の場合、部分的に硬化した合成樹脂を含有す
る硫酸塩クラフト紙1は、染料を含有しかつ放射線によ
って重合させることができる液状層を備える。層2は、
プラスチックフィルム3によって被覆されかつ装置4中
で電子ビームにより硬化される。第2図の場合、染料含
有層5は、放射線によって重合させることができる透明
の液状層6を備える際に既に放射線によって部分的に硬
化されている。プラスチックフィルム3は、層6に適用
される。第3図は、プラスチックフィルム3上に位置し
た、放射線によって重合させることができる透明の液状
層6も存在する点でのみ第1図と相違する。図面中で、
案内ローラーは7,8,9および10で示され、被覆装置は11
および12で示されている。第1図、第2図及び第3図の
層配置による圧縮パネル14は、第1a図および第3a図に認
めることができる。心を形成する積重ね物は13で示され
ている。
例1 第1図に示したように、プレポリマーとしての脂肪族
ウレタンアクリレート低重合体85重量部、希釈単量体と
してのヘキサンジオールジアクリレート15重量部および
無金属有機顔料10重量部の放射線によって重合しうる混
合物から構成されたペースト状液体2(25℃で粘度50ポ
アズ)を、熱硬化性フェノールホルムアルデヒド樹脂で
最初に含浸した硫酸塩クラフト紙1(適用した樹脂量70
%)に塗布し、樹脂がローラーにより部分的に硬化した
後に、連続フィルム(層厚約80μ)を形成させる。その
直後に、平均粒径39μの炭酸カルシウム8重量%を含有
する艶消した、二軸延伸されたポリプロピレン単層フィ
ルム3を放射線によって重合しうる化合物から構成され
た前記フィルムに適用し、このフィルムを圧力を使用す
ることなしに室温で電子ビームにより実質的に均一にな
るように架橋させる。吸収された放射線量は60kGyであ
る。
プラスチックフィルムを除去した後、放射線によって
共重合された合成樹脂の外層2を有する紙1をそのつど
50枚重ねた紙シートから構成された積重ね物13の外面上
に位置させる。この紙シートは、熱硬化性フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂で予め含浸し、この樹脂は、部分
的に硬化していた。層の束を2枚の型押金属シート間で
プレス機中で150℃および80バールで10分間圧縮する。
束は次の構成を有する: 予め含浸した紙層1上の外層としての化粧層2(無金
属有機顔料を含有する放射線によって重合された合成樹
脂)、 心層13としての50の紙ウエブ(フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂で含浸した)、 予め含浸した紙層1上の外層としての化粧層2(無金
属有機顔料を含有する放射線によって重合された合成樹
脂)。
厚さ10mmでありかつ両面が化粧されている得られるパ
ネル14は、3.0Nよりも高い耐引掻性を有する(DIN5379
9、パート10)。このパネルは、加水分解に対して安定
であり、かつ100時間の水中での煮沸後に全く変化を示
さない。このパネルの表面は、6時間の処理時間の間濃
鉱酸によって攻撃されない(DIN53230)。このパネルの
耐光堅牢度は等級8級を示す(DIN54004)。このパネル
の耐候性は、ASTM G53−84の記載と同様に測定され、
この場合4時間UV/4h CON(縮合時間)の時間サイクル
は、50℃の試験温度で1500時間維持される。化粧表面
は、20〜22のリフレクトメーター値、入射角60゜に相当
するかまたは44〜45のリフレクトメーター値、入射角85
゜に相当する低い表面光沢を示す(DIN67530)。屋外暴
露の後、パネルは、光沢の点で全く変色も変化も示さな
い。
例2 例1の粘稠の放射線重合可能な染料含有液体2を、例
1の記載と同様に前硬化したフェノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂を含有する硫酸塩クラフト紙1に塗布し、かつ
電子ビームにより本質的に均一になるように架橋させ
る。吸収された放射線量は5〜10kGyである。最初に塗
布した層と同じ化合物(染料は別とする)を含有する透
明の、すなわち染料不含の放射線重合可能な液体から構
成されたもう1つの層6を、第2図に示すようにローラ
ーまたは回転スクリーン印刷により、放射線によって重
合された合成樹脂の化粧層5が位置している紙の表面に
塗布する。この層6は、約20μの層厚を有する連続フィ
ルムを形成する。この第2の層を塗布した直後に、延伸
によって艶消しされた、二軸延伸されたポリエチレンテ
レフタレート単層フィルム3を湿潤層6上に位置させ
る。硬化を電子ビームにより例1と同様に実施する。吸
収された放射線量は60kGyである。プラスチックフィル
ム3を除去した後、放射線によって共重合された合成樹
脂の外層6を有する紙1を、そのつど50枚重ねた紙シー
トから構成された積重ね物13の外面に置いた。この紙シ
ートは、予め熱硬化性フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂で含浸し、かつこの樹脂は、部分的に硬化させておい
た。層の束を2つの金属シートの間でプレス機中で150
℃および80バールで10分間圧縮させる。これは次の構成
を有する: −最も外部の層としての透明層6(放射線によって重合
された合成樹脂)、 −予め含浸した紙層1上の2つの層としての化粧層5
(無金属有機顔料を含有する放射線によって重合される
合成樹脂)、 −心層13としての50の紙ウエブ(フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂で含浸した)、 −化粧層5(無金属有機顔料を含有する放射線によって
重合された合成樹脂)、および −予め含浸した紙層1上の2つの層の、最も外部の層と
しての透明層6(放射線によって重合された合成樹
脂)。
得られる化粧パネル14は、2.0Nよりも高い耐引掻性を
有する(DIN53799、パート10)。この化粧パネルの表面
は、6時間の処理時間の間に濃鉱酸によって攻撃されな
い。このパネルの耐光堅牢度は等級8級を示す(DIN540
04)。このパネルは、リフレクトメーター値22〜24、入
射角60゜およびリフレクトメーター値44〜45、入射角85
゜に相当する表面光沢を有する(DIN67530)。
例3 例1の、放射線重合可能な化合物から構成された、ペ
ースト状の染料含有液体2を、最初に熱硬化性フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂で含浸した硫酸塩クラフト紙
1(適用した樹脂量70%)に塗布し、樹脂が部分的に硬
化された後に連続フィルム(層厚約80μ)を形成させる
(第3図参照)。
同じ放射線重合可能な化合物から構成されたペースト
状の染料不含の液体から構成された透明層6を、艶消し
たポリプロピレンプラスチックフィルムに塗布する(層
厚約20〜40μ)。次に、紙1およびプラスチックフィル
ム3をシートまたはウエブの形で一方を他方の上面に配
置し、したがって2つの液状層2および6を互いに接触
させる。この場合には、空気の混入が形成されないよう
に注意しなければならない。重合可能な化合物をプラス
チックフィルム3を介して液状層2および6上に衝突す
る電子ビームにより架橋させる。吸収された放射線量は
60kGyである。プラスチックフィルム3を除去した後、
重合された表面層2および6を有する紙1を後処理し、
例2の記載と同様に紙積重ね物13と一緒に高温条件下で
圧縮することによって化粧パネル14を生じる。
実施例中の放射線によって重合された合成樹脂の層
は、なお高温条件下で圧縮する前の約0.7〜0.9ニュート
ンの範囲内の比較的低い耐引掻性の値を示す。パネルの
実質的に高い表面硬度は、意外なことに、放射線によっ
て重合された合成樹脂層を本発明により高温条件下で圧
縮させた後にのみ得られる。
DIN67530に記載されたようなドクター・ランゲ(Dr.L
ange)型RBレフレクトメーターを用いて測定されたリフ
レクトメーター値は、電子ビームでの硬化を実施させる
際に艶消プラスチックフィルムが不在である場合、入射
角20゜で45〜47であり、かつ入射角60゜で約83である。
このリフレクトメーター値は、例えばユズ肌の表面組織
と同様の表面組織をパネルの最も外部の層に与える型押
圧縮部材を、高温条件下での圧縮に使用する場合、入射
角20゜で37〜41の値を生じ、かつ入射角60゜で約79の値
を生じる。入射角20゜で約30〜36、かつ入射角60゜で約
75のなおさらに低いリフレクトメーター値は、艶消剤を
表面層に添加することによって達成することができる。
しかし、本発明による特に低い光沢値は、合成樹脂層の
重合に使用される特殊な基準によってのみ達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、例1に記載の連続的方法の実施例を示す略
図、第1a図は、第1図によるパネルを示す部分的横断面
図、第2図は、例2に記載の連続的方法の実施例を示す
略図、第3図は、例3に記載の連続的方法の実施例を示
す略図、かつ第3a図は、第3図によるパネルを示す部分
的横断面図である。 1……紙シート、2……第1の外層としての化粧層、3
……フィルム、4……硬化装置、5……液状表面層、6
……第2の外層としての透明層、7,8,9,10……案内ロー
ラー、11,12……被覆装置、13…心層、14……パネル

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂で含浸された紙シート(1)と、心層
    (13)と、この心層の片面または両面に位置した (A)第1の外層としての化粧層(2)または (B)第1の外層としての化粧層(2)および第2の外
    層としての透明層(6)とからなり、 かつ第1の外層としての化粧層(2)と心層(13)との
    間に紙シート(1)が位置している化粧パネルにおい
    て、第1の外層としての化粧層(2)および第2の外層
    としての透明層(6)が不飽和アクリレートおよび不飽
    和メタクリレートよりなる群から選択された1種類また
    はそれ以上の成分を放射線によって重合させた合成樹脂
    から構成されており、該両外層がDIN 53799、パート10
    で定義されている引掻荷重少なくとも1.5ニュートン、
    有利に2〜7ニュートンの耐引掻性を有しかつDIN 675
    30で定義されている、入射角85゜で50以下の範囲内のリ
    フレクトメーター値を有することを特徴とする、改善さ
    れた表面特性を有する化粧パネル。
  2. 【請求項2】合成樹脂がプレポリマーとしてのエポキシ
    −アクリレートまたはシリコーン−アクリレート低重合
    体、有利にポリエステルアクリレート低重合体および殊
    にウレタンアクリレート低重合体または相当するメタク
    リレート低重合体を放射線によって重合させたものであ
    る、特許請求の範囲第1項記載の化粧パネル。
  3. 【請求項3】プレポリマーがジアクリレートまたはトリ
    アクリレートと一緒に放射線によって重合させた脂肪族
    ウレタンアクリレート低重合体である、特許請求の範囲
    第2項記載の化粧パネル。
  4. 【請求項4】合成樹脂がポリオールまたはエーテル−ポ
    リオールのアクリレート、必要に応じてモノアクリレー
    ト、テトラアクリレート、ペンタアクリレートおよび/
    またはヘキサアクリレートと一緒に、有利にポリオール
    またはエーテル−ポリオールのジアクリレートまたはト
    リアクリレート、または相当するメタクリレートを放射
    線によって重合させたものである、特許請求の範囲第1
    項記載の化粧パネル。
  5. 【請求項5】紙シート(1)が少なくとも1つのセルロ
    ース含有繊維層である、特許請求の範囲第1項記載の化
    粧パネル。
  6. 【請求項6】樹脂で含浸された紙シート(1)と、心層
    (13)と、この心層の片面または両面に位置した第1の
    外層としての化粧層(2)とからなり、かつ第1の外層
    としての化粧層(2)と心層(13)との間に紙シート
    (1)が位置し、第1の外層としての化粧層(2)が不
    飽和アクリレートおよび不飽和メタクリレートよりなる
    群から選択された1種類またはそれ以上の成分を放射線
    によって重合させた合成樹脂から構成されており、該外
    層がDIN 53799、パート10で定義されている引掻荷重少
    なくとも1.5ニュートン、有利に2〜7ニュートンの耐
    引掻性を有しかつDIN 67530で定義されている、入射角
    85゜で50以下の範囲内のリフレクトメーター値を有する
    化粧パネルの製造法において、第1工程で不飽和アクリ
    レートおよび不飽和メタクリレートよりなる群から選択
    された1種類またはそれ以上の放射線重合可能な成分を
    含有する第1の外層としての化粧層(2)を紙シート
    (1)に塗布し、該表面層上に粗面を有するフィルム
    (3)を圧着させ、その後に第2工程で放射線によって
    重合させ、該フィルムを除去し、第2工程後に放射線に
    よって重合させた第1の外層としての化粧層(2)を高
    められた温度で紙シート(1)および心層(13)と一緒
    に圧縮させることを特徴とする、改善された表面特性を
    有する化粧パネルの製造法。
  7. 【請求項7】第1の外層としての化粧層(2)は二酸化
    珪素含有顔料以外の有色顔料および/または他の化粧用
    添加剤を含有する、特許請求の範囲第6項記載の方法。
  8. 【請求項8】紙シート(1)は熱硬化性の部分的に硬化
    した合成樹脂を含有する、特許請求の範囲第6項または
    第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】放射線によって重合させた第1の外層とし
    ての化粧層(2)を80℃〜220℃の温度および5〜100バ
    ールの圧力で紙シート(1)と一緒に圧縮させる、特許
    請求の範囲第6項から第8項までのいずれか1項に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】紙シート(1)がセルロース含有繊維層
    の積重ね物である、特許請求の範囲第6項記載の方法。
  11. 【請求項11】樹脂で含浸された紙シート(1)と、心
    層(13)と、この心層の片面または両面に位置した第1
    の外層としての化粧層(2)および第2の外層としての
    透明層(6)とからなり、 かつ第1の外層としての化粧層(2)と心層(13)との
    間に紙シート(1)が位置し、第1の外層としての化粧
    層(2)および第2の外層としての透明層(6)が不飽
    和アクリレートおよび不飽和メタクリレートよりなる群
    から選択された1種類またはそれ以上の成分を放射線に
    よって重合させた合成樹脂から構成されており、該両外
    層がDIN 53799、パート10で定義されている引掻荷重少
    なくとも1.5ニュートン、有利に2〜7ニュートンの耐
    引掻性を有しかつDIN 67530で定義されている、入射角
    85゜で50以下の範囲内のリフレクトメーター値を有する
    化粧パネルの製造法において、 第1工程で不飽和アクリレートおよび不飽和メタクリレ
    ートよりなる群から選択された1種類またはそれ以上の
    放射線重合可能な成分を含有する第1の外層としての化
    粧層(2)および第2の外層としての透明層(6)を順
    次に紙シート(1)に塗布し、該表面層上に粗面を有す
    るフィルム(3)を圧着させ、その後に第2工程で放射
    線によって重合させ、該フィルムを除去し、第2工程後
    に放射線によって重合させた第1の外層としての化粧層
    (2)と第2の外層としての透明層(6)を高められた
    温度で紙シート(1)および心層(13)と一緒に圧縮さ
    せることを特徴とする、改善された表面特性を有する化
    粧パネルの製造法。
  12. 【請求項12】第1の外層としての化粧層(2)は二酸
    化珪素含有顔料以外の有色顔料および/または他の化粧
    用添加剤を含有する、特許請求の範囲第11項記載の方
    法。
  13. 【請求項13】放射線によって重合させた第1の外層と
    しての化粧層(2)および第2の外層としての透明層
    (6)を80℃〜220℃の温度および5〜100バールの圧力
    で紙シート(1)と一緒に圧縮させる、特許請求の範囲
    第11項または第12項に記載の方法。
  14. 【請求項14】紙シート(1)がセルロース含有繊維層
    の積重ね物である、特許請求の範囲第11項記載の方法。
  15. 【請求項15】樹脂で含浸された紙シート(1)と、心
    層(13)と、この心層の片面または両面に位置した第1
    の外層としての化粧層(2)および第2の外層としての
    透明層(6)とからなり、 かつ第1の外層としての化粧層(2)と心層(13)との
    間に紙シート(1)が位置し、第1の外層としての化粧
    層(2)および第2の外層としての透明層(6)が不飽
    和アクリレートおよび不飽和メタクリレートよりなる群
    から選択された1種類またはそれ以上の成分を放射線に
    よって重合させた合成樹脂から構成されており、該両外
    層がDIN 53799、パート10で定義されている引掻荷重少
    なくとも1.5ニュートン、有利に2〜7ニュートンの耐
    引掻性を有しかつDIN 67530で定義されている、入射角
    85゜で50以下の範囲内のリフレクトメーター値を有する
    化粧パネルの製造法において、 第1工程で不飽和アクリレートおよび不飽和メタクリレ
    ートよりなる群から選択された1種類またはそれ以上の
    放射線重合可能な成分を含有する第1の外層としての化
    粧層(2)を紙シート(1)上に塗布し、他方、粗面を
    有するフィルム(3)上に第2の外層としての透明層
    (6)を塗布し、両者を化粧層(2)と透明層(6)が
    接するように圧着させ、その後に第2工程で放射線によ
    って重合させ、第2工程後に放射線によって重合させた
    化粧層(2)と透明層(6)を高められた温度で紙シー
    ト(1)と一緒に圧縮し、この圧縮の後に該フィルムを
    除去し、紙シート(1)と、放射線によって重合された
    第1の外層としての化粧層(2)と、第2の外層として
    の透明層(6)とを一緒に心層(13)上に圧着させるこ
    とを特徴とする、改善された表面特性を有する化粧パネ
    ルの製造法。
  16. 【請求項16】第1の外層としての化粧層(2)は二酸
    化珪素含有顔料以外の有色顔料および/または他の化粧
    用添加剤を含有する、特許請求の範囲第15項記載の方
    法。
  17. 【請求項17】放射線によって重合させた第1の外層と
    しての化粧層(2)および第2の外層としての透明層
    (6)を80℃〜220℃の温度および5〜100バールの圧力
    で紙シート(1)と一緒に圧縮させる、特許請求の範囲
    第15項または第16項に記載の方法。
  18. 【請求項18】紙シート(1)がセルロース含有繊維層
    の積重ね物である、特許請求の範囲第15項記載の方法。
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