JP2023020194A - 化粧板の製造方法及び前記製造方法に用いる転写シート - Google Patents

化粧板の製造方法及び前記製造方法に用いる転写シート Download PDF

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Natsuo Sugita
祥太 西根
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Abstract

【課題】、凹凸感に優れた化粧板を簡易に製造する方法を提供する。【解決手段】下記の工程を有する化粧板の製造方法。工程1:第1基材である水溶性基材の一方の面側の一部に、離型層を形成する。前記第1基材の前記一方の面内において、前記離型層を形成する領域を第1領域、前記離型層を形成しない領域を第2領域とする。前記第1基材の前記一方の面側の前記第2領域に、樹脂層を形成することにより、前記第1基材、前記離型層及び前記樹脂層を有する第1積層体を得る。工程2:前記第1積層体の前記離型層を有する側の面に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材を含む第2基材を重ねることにより、第2積層体を得る。工程3:前記第2積層体の両面を鏡面板で挟んだ状態で熱プレスすることにより、前記未硬化の熱硬化性樹脂の一部を前記第2領域の前記樹脂層に染み込ませる。工程4:前記鏡面板間から前記第2積層体を取り出した後、前記第1基材である前記水溶性基材を、水を含む液体を用いて除去する。【選択図】なし

Description

本開示は、化粧板の製造方法及び前記製造方法に用いる転写シートに関する。
テーブル及びカウンター等の家具、壁及び床等の住宅用建材等の表面には、強度、硬さ及び耐熱性等に優れた化粧板が積層される場合がある。かかる化粧板としては、高圧メラミン樹脂化粧板、低圧メラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレート樹脂化粧板、ポリエステル化粧板、グアナミン樹脂化粧板、フェノール樹脂化粧板等の熱硬化性樹脂化粧板が挙げられる。
熱硬化性樹脂化粧板等の化粧板には、高級感を示す意匠が求められている。例えば、化粧板の表面に凹凸形状を形成して、化粧板に視覚的な立体感を付与することにより、化粧板に高級感を付与している。
表面に凹凸形状を有する化粧板としては、エンボス処理した化粧板が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、特許文献1及び2のようなエンボス処理では、模様ごとにエンボス版が必要であり、コストがかかり製造が困難であるという問題がある。また、特許文献1及び2の化粧板は、エンボスによる凹凸形状と、絵柄とを同調させることが困難であり、高度な意匠性を付与しにくいという問題がある。
一方、エンボス版を用いない表面凹凸形状を有する化粧板として、特許文献3の化粧板が提案されている。
特開2015-193209号公報 特開2017-87544号公報 国際公開第2016/148091号
特許文献3の化粧板は、紙質基材と、紙質基材の表面の一部に設けられた、電離放射線硬化性樹脂の硬化物を含む離型層と、紙質基材の表面の残部に設けられた、メラミン樹脂の硬化物を含む表面層とを備えるものである。特許文献3の化粧板は、紙質基材の表面の一部に離型層を設ける工程、紙質基材にメラミン樹脂の未硬化物を含浸させるとともにメラミン樹脂の未硬化物により離型層を被覆した後、加熱することによりメラミン樹脂の未硬化物を熱硬化させる工程、及び、離型層を被覆する硬化樹脂層を剥離する工程を含む方法により製造される。この結果、特許文献3の化粧板は、離型層を有する箇所と有さない箇所とに標高差が形成され、表面凹凸形状が形成される。
特許文献3の化粧板の製造方法は、紙質基材、離型層及びメラミン樹脂の硬化物層を含む積層体を得た後、前記積層体から、離型層を被覆する硬化樹脂層を剥離する工程を有する。特許文献3の化粧板の製造方法では、紙質基材の材質によって、離型層を被覆する硬化樹脂層を剥離する工程における剥離性が異なるという問題がある。剥離性が異なると、得られた化粧板の品質を安定させることが困難となる。また、紙質基材を変更した場合でも、化粧板を構成する他の層の材質を変更したり、製造条件を変更したりすれば、剥離性を調整し得るが、前述した調整には多大な労力を要する。
本開示は、このような状況下になされたものであり、凹凸感に優れた化粧板を簡易に製造する方法、及び前記製造方法に用いる転写シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示は、下記[1]~[2]の化粧板の製造方法及び転写シートを提供する。
[1]下記の工程1~工程4を有する、化粧板の製造方法。
工程1:第1基材である水溶性基材の一方の面側の一部に、離型層を形成する。前記第1基材の前記一方の面内において、前記離型層を形成する領域を第1領域、前記離型層を形成しない領域を第2領域とする。前記第1基材の前記一方の面側の前記第2領域に、樹脂層を形成することにより、前記第1基材、前記離型層及び前記樹脂層を有する第1積層体を得る。
工程2:前記第1積層体の前記離型層を有する側の面に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材を含む第2基材を重ねることにより、第2積層体を得る。
工程3:前記第2積層体の両面を鏡面板で挟んだ状態で熱プレスすることにより、前記未硬化の熱硬化性樹脂の一部を前記第2領域の前記樹脂層に染み込ませる。
工程4:前記鏡面板間から前記第2積層体を取り出した後、前記第1基材である前記水溶性基材を、水を含む液体を用いて除去する。
[2]水溶性基材の一方の面側の一部に離型層を有し、前記水溶性基材の前記一方の面側であって、前記離型層を有さない箇所に樹脂層を有する、転写シート。
本開示によれば、凹凸感に優れた化粧板を簡易に製造することができる。また、本開示によれば、凹凸感に優れた化粧板の製造に適した転写シートを提供することができる。
本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板の一実施形態を示す模式斜視図である。 本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板の一実施形態を示す模式断面図である。 本開示の化粧板の製造方法に関して、第1積層体を得た状態の一実施形態を示す模式断面図である。 本開示の化粧板の製造方法に関して、第2積層体を得た状態の一実施形態を示す模式断面図である。
[化粧板の製造方法]
本開示の化粧板の製造方法は、下記の工程1~工程4を有する。
工程1:第1基材である水溶性基材の一方の面側の一部に、離型層を形成する。前記第1基材の前記一方の面内において、前記離型層を形成する領域を第1領域、前記離型層を形成しない領域を第2領域とする。前記第1基材の前記一方の面側の前記第2領域に、樹脂層を形成することにより、前記第1基材、前記離型層及び前記樹脂層を有する第1積層体を得る。
工程2:前記第1積層体の前記離型層を有する側の面に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材を含む第2基材を重ねることにより、第2積層体を得る。
工程3:前記第2積層体の両面を鏡面板で挟んだ状態で熱プレスすることにより、前記未硬化の熱硬化性樹脂の一部を前記第2領域の前記樹脂層に染み込ませる。
工程4:前記鏡面板間から前記第2積層体を取り出した後、前記第1基材である前記水溶性基材を、水を含む液体を用いて除去する。
本開示の化粧板の製造方法を理解しやすくするために、まず、本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板の概要を説明する。
図1は、本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板の一実施形態を示す模式斜視図である。図2は、本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板の一実施形態を示す模式断面である。
図1及び図2の化粧板500において、符号S1は、化粧板の第1積層体100側の最表面を示している。但し、図1では、第1積層体等の化粧板を構成する層を省略している。
図1及び図2の化粧板500は、面内に第1領域A1及び第2領域A2を有している。第1領域A1は、工程1において離型層を形成する領域であり、第2領域A2は、工程1において離型層を形成しない領域である。
図2の化粧板500は、第1領域では、第2基材200側から、第1絵柄層41、プライマー層30及び離型層20をこの順に有している。図2の化粧板500は、第2領域では、第2基材200側から、第1絵柄層42及びプライマー層30をこの順に有している。
化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率と、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率とを、異なる値とすることにより、第1領域の表面反射率と、第2領域の表面反射率とに差を生じさせることができる。このため、第1領域と第2領域との間に明暗差を生じさせることができる。そして、この明暗差により、第1領域と第2領域との標高差が十分でなくても、化粧板の表面の凹凸感を良好にすることができる。
本開示の化粧板の製造方法で得られる化粧板は、上述した屈折率の関係を満たしやすいため、表面の凹凸感を良好にしやすくできる。
本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板の形状としては、特に制限はない。化粧板の形状としては、平板形状、曲面を有する形状、三次元立体形状等が挙げられる。本開示の化粧板の製造方法をより簡易にするため、化粧板の形状は平板状であることが好ましい。
以下、図2~図4を用いながら、工程1~工程4を説明する。
<工程1>
工程1では、第1基材10である水溶性基材11の一方の面側の一部に、離型層20を形成する。第1基材の前記一方の面内において、離型層を形成する領域を第1領域、離型層を形成しない領域を第2領域とする。図2~図4において、符号A1が第1領域、符号A2が第2領域に相当する。
さらに、工程1では、第1基材10の前記一方の面側の第2領域に、樹脂層を形成する。樹脂層は、第2領域のみに形成してもよいし、第2領域及び第1領域に形成してもよい。第1領域に樹脂層を形成する場合、樹脂層は、第1領域の離型層上に形成することが好ましい。言い換えると、第1領域に樹脂層を形成する場合、樹脂層は、離型層の第1基材とは反対側に形成することが好ましい。
図2~図4では、プライマー層30及び絵柄層40が樹脂層に相当する。図2~図4では、第2領域及び第1領域に樹脂層を形成している。
《第1基材(水溶性基材)》
本開示の化粧板の製造方法では、第1基材として水溶性基材を用いる。
水溶性基材は、離型層及び樹脂層を形成する際の支持体としての役割を果たす。
水溶性基材は、工程4において、水を含む溶液により除去される。水溶性基材は、水溶性もしくは水膨潤性を有するものであれば、工程4において除去できる。水溶性基材は、例えば、水洗、あるいは、水洗にブラッシングを組み合わせることにより除去できる。
水溶性基材を構成する樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-イタコン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びアルギン酸ナトリウム等の各種の水溶性樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。水溶性基材は、水溶性樹脂に対して、マンナン、キサンタンガム、グアーガム等のゴム成分が添加されていてもよい。
上述した樹脂の中でもポリビニルアルコールが好ましい。すなわち、水溶性基材は、ポリビニルアルコールフィルムが好ましい。ポリビニルアルコールフィルムは、澱粉及びゴム等の添加剤を含有していてもよい。
ポリビニルアルコールフィルムは、ポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、及び添加剤の配合量等を変えることにより、フィルムの強度、工程4における除去のしやすさ等を調節することができる。
水溶性基材の厚みは、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましく、30μm以上50μm以下がさらに好ましい。
水溶性基材の厚みが10μm以上であると、膜の均一性が良好で、かつ生産安定性が高い。水溶性基材の厚みが100μm以下であると、工程4での除去作業を容易にしやすくできる。
《離型層》
離型層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。
離型層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことにより、未硬化の熱硬化性樹脂が離型層に染み込むことを抑制しやすくできる。このため、化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層には未硬化の熱硬化性樹脂が殆ど含まれない。一方、化粧板の最表面を構成する層のうち、第2領域に相当する層には未硬化の熱硬化性樹脂が含まれる。このため、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率と、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率とを、異なる値としやすくできる。
化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層は離型層であることが好ましい。
離型層の全固形分に対して、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることがよりさらに好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられる。また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性化合物としては、電離放射線硬化性化合物として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、より質感の高い意匠性及びより優れた表面特性を得る観点から、アクリロイル基を有するアクリレートモノマーが好ましい。
より質感の高い意匠性及びより優れた表面特性を得るため、多官能性(メタ)アクリレートの官能基数は、好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレート;が好ましく挙げられる。中でも、より質感の高い意匠性及びより優れた表面特性を得るため、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール系重合性モノマーが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとを併用することが特に好ましい。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
より質感の高い意匠性及びより優れた表面特性を得るため、重合性オリゴマーの官能基数は、好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。
重合性オリゴマーの重量平均分子量は、より質感の高い意匠性及びより優れた表面特性をため、及び、離型層の形成のしやすさのため、500以上が好ましく、より好ましくは1,000以上であり、上限として好ましくは80,000以下、より好ましくは50,000以下である。本明細書において、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
電離放射線硬化性樹脂組成物が紫外線硬化タイプの場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。
離型層は、反応性シリコーン化合物及び反応性フッ素化合物等の反応性離型剤を含むことが好ましい。離型層が反応性離型剤を含むことにより、未硬化の熱硬化性樹脂が離型層に染み込むことをより抑制しやすくできる。反応性離型剤の中でも反応性シリコーン化合物が好ましい。
反応性シリコーン化合物としては、ポリシロキサン構造を基本構造とするものが挙げられ、更に少なくとも1つの反応性官能基を有する。反応性官能基としては電離性放射線硬化性官能基が好ましい。
反応性シリコーン化合物は、その側鎖及び末端の少なくともいずれかに有機基が導入された変性シリコーンオイルが好ましく、両末端に有機基が導入された変性シリコーンオイルがより好ましい。有機基としては、より質感の高い意匠性を得る観点から、(メタ)アクリル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルビノール基、フェノール基、カルボキシル基等の反応性官能基、ポリエーテル基、アラルキル基、フロロアルキル基、アルキル基、脂肪酸アミド基、フェニル基等の非反応性基官能基等が好ましく挙げられる。中でも反応性官能基が好ましく、特に(メタ)アクリル基が好ましい、すなわち特に(メタ)アクリル変性シリコーンオイルが好ましい。また、これらの有機基は窒素原子、硫黄原子、水酸基、アルキル基等の置換基を有していてもよい。
反応性離型剤の含有量は、離型層を形成する樹脂成分全量に対し、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以上2質量%以下である。反応性離型剤の含有量が上記範囲内であると、効率的に反応性離型剤の添加効果が得られる。
離型層は、無機フィラー及び有機フィラー等のフィラーを含んでいてもよい。後述する屈折率の関係をn1<n2とした場合、離型層にフィラーを含有させることにより、より凹凸感を良好にしやすくできる。
離型層は、更に、紫外線吸収剤、光安定剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、レベリング剤及び消泡剤等の添加剤を含有してもよい。
離型層の厚みは、0.5μm以上7.0μm以下が好ましく、1.1μm以上6.0μm以下がより好ましく、1.5μm以上5.0μm以下がさらに好ましい。
離型層の電離放射線硬化性樹脂組成物は、少なくとも工程3を開始する前に硬化することが好ましく、工程1において離型層用インキを塗布した直後に硬化することがより好ましい。
離型層は、離型層を構成する成分を含む離型層用インキを、第1基材上に塗布し、必要に応じて乾燥及び硬化することにより、形成できる。塗布手段は、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の汎用の塗布手段が挙げられる。
工程1において、離型層は、樹脂層よりも先に形成することが好ましい。
《樹脂層》
工程1では、第1基材10の前記一方の面側の第2領域に、樹脂層を形成する。樹脂層は、第2領域のみに形成してもよいし、第2領域及び第1領域に形成してもよい。第1領域に樹脂層を形成する場合、樹脂層は、第1領域の離型層上に形成する。言い換えると、第1領域に樹脂層を形成する場合、樹脂層は、離型層の第1基材とは反対側に形成する。
図2~図4では、プライマー層30及び絵柄層40が樹脂層に相当する。図2~図4では、第2領域及び第1領域に樹脂層を形成している。
第2領域の全面積に対する、第2領域に形成する樹脂層の面積の比(第2領域に形成する樹脂層の面積/第2領域の全面積)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、0.95以上がさらに好ましく、1.00が元も好ましい。
工程1において、樹脂層としては、プライマー層及び絵柄層から選ばれる少なくとも何れかを形成することが好ましい。
樹脂層として、プライマー層及び絵柄層を形成する場合、第1基材側から、プライマー層及び絵柄層をこの順に形成することが好ましい。
-プライマー層-
プライマー層は、例えば、離型層と絵柄層との密着性を良好にするために形成される。なお、第1基材である水溶性基材と離型層との密着性を良好にするために、基材と離型層との間にプライマー層を形成してもよい。
プライマー層を形成する樹脂材料としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
プライマー層は、密着性を良好にするため、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を実質的に含有しないことが好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を実質的に含有しないことにより、プライマー層に未硬化の熱硬化性樹脂を染み込ませやすくできる。このため、化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率と、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率とを、異なる値としやすくできる。
本明細書において、「プライマー層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を実質的に含有しない」とは、プライマー層の全固形に対する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の割合が1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは全く含有しないことである。
プライマー層の厚みは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは0.3μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上3μm以下である。
-絵柄層-
絵柄層は、化粧板の意匠性を高めるため、必要に応じて形成される。
本明細書において、第1領域の絵柄層を第1絵柄層、第2領域の絵柄層を第2絵柄層と称する場合がある。
第1絵柄層のパターンは、意匠性を高めるため、離型層のパターンに同調させることが好ましい。例えば、離型層を形成するグラビア印刷版と、第1絵柄層を形成するグラビア印刷版とのパターンを同一にすれば、離型層と第1絵柄層とを同調しやすくできる。第2絵柄層のパターンは、離型層のパターンと相補的なパターンであることが好ましい。
絵柄層は、例えば、着色剤及びバインダー樹脂を含む絵柄層用インキを用いた印刷により形成することができる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;パール顔料、金属粒子及び金属鱗片等の光輝性顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケル-アゾ錯体、フタロシアニンブルー等の有機顔料;染料;等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
絵柄層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を実質的に含有しないことが好ましい。絵柄層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を実質的に含有しないことにより、絵柄層に未硬化の熱硬化性樹脂を染み込ませやすくできる。このため、化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率と、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率とを、異なる値としやすくできる。
本明細書において、「絵柄層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を実質的に含有しない」とは、絵柄層の全固形に対する電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物の割合が1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは全く含有しないことである。
絵柄層の厚みは、目的とする意匠性を考慮して、0.1μm以上20μm以下程度の範囲で適宜調整することができる。
プライマー層及び絵柄層等の樹脂層は、各層を構成する成分を含むインキを、塗布し、必要に応じて乾燥及び硬化することにより、形成できる。塗布手段は、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の汎用の塗布手段が挙げられる。
上述した工程1により、第1基材、離型層及び樹脂層を有する第1積層体100が得られる(図3)。
<工程2>
工程2では、図4に示すように、第1積層体100の離型層20を有する側の面に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材201を含む第2基材200を重ねることにより、第2積層体300を得る。
《第2基材》
第2基材は、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材を含む。
未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材は、例えば、紙基材及び繊維基材等の樹脂を含浸しやすい基材に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸したものが挙げられる。樹脂含浸基材は、例えば、紙基材及び繊維基材等の樹脂を含浸しやすい基材を、未硬化の熱硬化性樹脂を含む組成物に浸すことにより、得ることができる。
未硬化の熱硬化性樹脂を含む組成物は、未硬化の熱硬化性樹脂以外の成分を含んでいてもよい。未硬化の熱硬化性樹脂以外の成分としては、紫外線吸収及び光安定剤等の添加剤、熱可塑性樹脂、溶剤及び水等が挙げられる。未硬化の熱硬化性樹脂を含む組成物は、水を含むことが好ましい。すなわち、未硬化の熱硬化性樹脂を含む組成物は、未硬化の熱硬化性樹脂の水分散液であることが好ましい。
未硬化の熱硬化性樹脂を含む組成物の樹脂全量に対して、硬化性樹脂は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることがよりさらに好ましい。
未硬化の熱硬化性樹脂は、化粧板の完成時点では、熱硬化性樹脂の硬化物とすることが好ましい。例えば、後述の工程3により、未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化性樹脂の硬化物とすることができる。
―樹脂含浸基材の基材―
樹脂含浸基材の基材としては、紙基材、繊維基材、樹脂基材等が挙げられ、これらの中でも、樹脂を含浸しやすい、紙基材及び繊維基材が好ましく、紙基材がより好ましい。
紙基材としては、例えばクラフト紙、チタン紙、リンター紙、樹脂含浸紙、薄葉紙、和紙等が挙げられる。
繊維基材としては、例えば不織布、織布が挙げられ、例えばガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機繊維で構成される繊維基材、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の各種合成樹脂の有機繊維で構成される繊維基材、またこれらの複合体等の基材が挙げられる。
樹脂含浸基材の基材の厚みは、未硬化の熱硬化性樹脂の含浸性、機械的強度、取扱性のため、10μm以上200μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以上150μm以下、さらに好ましくは30μm以上120μm以下である。基材として紙基材を用いる場合、同様の目的で、坪量は、20g/m以上150g/m以下が好ましく、より好ましくは30g/m以上100g/m以下である。
―熱硬化性樹脂―
樹脂含浸基材の熱硬化性樹脂は、その一部は基材に残存して硬化し、他の熱硬化性樹脂は、樹脂層に染み込んで硬化する。このため、本開示の化粧板の製造方法により得られる化粧板は、第1領域と第2領域の屈折率差が生じ、高い意匠性を発現しやすくできるとともに、機械的強度を向上しやすくできる。
硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、メラミン-尿素樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が好ましく挙げられる。これらの中でも、メラミン樹脂、尿素樹脂、メラミン-尿素樹脂、グアナミン樹脂、スルホンアミド樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。また、熱硬化性樹脂の中でも、メラミン樹脂、メラミン-尿素樹脂、フェノール樹脂が好ましく、特にメラミン樹脂が好ましい。
硬化性樹脂としてメラミン系樹脂を使用する場合、下記の手法により、第1領域及び第2領域のメラミン系樹脂の染み込みの差を評価できる。
化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれるトリアジン骨格の含有量をTA1、第2領域に相当する層に含まれるトリアジン骨格の含有量をT2と定義する。TA1<TA2であれば、化粧板の最表面を構成する層のうち、第2領域に相当する層にメラミン系樹脂が多く染み込んでいるといえる。
硬化性樹脂として、メラミン系樹脂以外の樹脂を用いた場合でも、樹脂に特有の骨格の含有量を定量分析することにより、第1領域及び第2領域の硬化性樹脂の染み込みの差を評価できる。
上述した未硬化の熱硬化性樹脂は、化粧板の完成時点では、熱硬化性樹脂の硬化物とすることが好ましい。
第2基材200は、コア層202上に樹脂含浸基材201を有する積層基材であってもよい。コア層を有することにより、化粧板の強度を高めることができる。
コア層としては、熱硬化性樹脂の未硬化物を含む未硬化樹脂組成物を含浸した、繊維基材又は紙基材等が挙げられる。
コア層に用いられる繊維基材、紙基材の種類としては、樹脂含浸基材の基材として例示したものが挙げられる。コア層に用いられる繊維基材、紙基材の坪量は、好ましくは100g/m以上300g/m以下、より好ましくは150g/m以上250g/m以下である。
コア層の熱硬化性樹脂としては、樹脂含浸基材に含浸させる熱硬化性樹脂として例示したものと同じものが挙げられる。熱硬化性樹脂の中でもフェノール樹脂が好ましい。すなわち、コア層としては、フェノール樹脂含浸紙が好ましい。
フェノール樹脂含浸紙としては、例えば坪量150g/m以上250g/m以下のクラフト紙に、フェノール樹脂を含浸率20%以上60%以下となるように含浸させて、100℃以上140℃以下で乾燥させることにより製造したものが挙げられる。
<工程3>
工程3では、第2積層体の両面を鏡面板で挟んだ状態で熱プレスすることにより、未硬化の熱硬化性樹脂の一部を第2領域の樹脂層に染み込ませる。
工程3においては、樹脂含浸基材から押し出された未硬化の熱硬化性樹脂の一部は、第2領域の樹脂層に染み込む。第1領域に樹脂層を有する場合、第1領域の樹脂層にも未硬化の熱硬化性樹脂は染み込む。その一方、工程3においては、樹脂含浸基材から押し出された未硬化の熱硬化性樹脂は、第1領域の離型層に殆ど染み込まない。このため、本開示の化粧板の製造方法により得られた化粧板は、化粧板の最表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率と、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率とを、異なる値とすることにより、第1領域の表面反射率と、第2領域の表面反射率とに差を生じさせることができる。このため、第1領域と第2領域との間に明暗差を生じさせることができる。そして、この明暗差により、第1領域と第2領域との標高差が十分でなくても、化粧板の表面の凹凸感を良好にすることができる。
未硬化の熱硬化性樹脂は、工程3の最中に硬化させることができる。硬化した熱硬化性樹脂は、例えば、第2領域の樹脂層、第1領域の樹脂層、第2基材に含まれている。
熱プレスの圧力は、10kg/cm以上300kg/cm以下であることが好ましく、50kg/cm以上200kg/cm以下であることがより好ましく、80kg/cm以上150kg/cm以下であることが更に好ましい。この範囲内で熱プレスすることにより、第2領域の樹脂層に未硬化の熱硬化性樹脂が染み込み、かつ、第2領域の水溶性基材には未硬化の熱硬化性樹脂の染み込みが抑制され、かつ、第1領域の離型層には未硬化の熱硬化性樹脂の染み込みが抑制されるため、第1領域と第2領域とに屈折率差を生じさせやすくできる。
熱プレス温度は、優れた機械強度を得るため、10℃以上300℃以下であることが好ましく、80℃以上200℃以下であることがより好ましく、100℃以上180℃以下であることが更に好ましい。
熱プレスの時間は、化粧板の厚み及び未硬化の熱硬化性樹脂の種類によって適宜調整することができる。熱プレス時間は、例えば、1分以上60分以下であることが好ましく、5分以上30分以下であることがより好ましく、8分以上20分以下であることが更に好ましい。
<工程4>
工程4では、鏡面板間から第2積層体を取り出した後、第1基材である水溶性基材を、水を含む液体を用いて除去する。
第1基材である水溶性基材は、例えば、水洗、あるいは、水洗にブラッシングを組み合わせることにより除去できる。
本開示の化粧板の製造方法により得られた化粧板は、下記の屈折率差及び標高差を満たすことが好ましい。
<屈折率差>
化粧板の第1積層体側の最表面を第1表面と定義する。第1表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率をn1、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率をn2と定義した際に、n1≠n2であることが好ましい。
n1≠n2とすることにより、第1領域の表面反射率と、第2領域の表面反射率とに差を生じさせることができるため、第1領域と第2領域との間に明暗差を生じさせることができる。そして、この明暗差により、第1領域と第2領域との標高差が十分でなくても、化粧板の表面の凹凸感を良好にすることができる。
n1とn2との大小関係は、n1の方が大きくてもよいし、n2の方が大きくてもよい。n1及びn2の何れが大きくても、第1領域と第2領域との間に反射率差に基づく明暗差を生じさせることができるため、化粧板の表面の凹凸感を良好にすることができる。n1<n2とした場合、離型層にフィラーを含有させることにより、より凹凸感を良好にしやすくできる。
化粧板の表面の凹凸感をより良好にするためには、n1とn2の差を大きくすることが好ましい。|n1-n2|は、0.02以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.07以上であることがより好ましく、0.10以上であることがより好ましく、0.12以上であることがより好ましい。
第1領域を構成する樹脂と第2領域を構成する樹脂との組み合わせの自由度を高くするため、及び、化粧板の実用的な強度を維持しやすくするため、|n1-n2|は、0.20以下であることが好ましく、0.18以下であることがより好ましく、0.16以下であることがさらに好ましい。
n1及びn2は、例えば実施例記載の方法により決定することができる。
本明細書において、屈折率差は、特に断りのない限り、波長589nmにおける屈折率を意味する。
n1及びn2の値は、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の種類、及び、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の種類、により調整することができる。本開示の化粧板の製造方法では、未硬化の熱硬化性樹脂の一部を第2領域の樹脂層に染み込ませる一方で、第1領域では、離型層が未硬化の熱硬化性樹脂の染み込みを抑制することにより、n1とn2とに差を生じさせている。
以下、n1とn2とに差を生じさせることにより、第1領域の表面反射率と、第2領域の表面反射率とに差が生じる理由を説明する。
空気の屈折率をn0、空気中から第1領域の表面への光の入射角をφとしたとき、n0、n1及びφより、第1領域の表面反射率R1は、下記式1’及び式1’’で表すことができる。R1、R1は、それぞれ、P偏光成分に対する反射率、S偏光成分に対する反射率である。
R1=tan{φ-sin-1(n0sinφ/n1)}/tan{φ+sin-1(n0sinφ/n1)} [式1’]
R1=sin(φ-sin-1(n0sinφ/n1))/sin(φ+sin-1(n0sinφ/n1)) [式1’’]
上記式は、光学分野では周知であるが、例えば、下記文献等に記載されている。
「サイエンスライブラリ物理学=9 光学」昭和55年9月30日初版第2刷発行、発行所 株式会社サイエンス社の20~29頁
同樣に、空気中から第2領域の表面への光の入射角をφとすると、n0、n2及びφより、第2領域の表面反射率R1は、下記式2’及び式2’’で表すことができる。R2、R2は、それぞれ、P偏光成分に対する反射率、S偏光成分に対する反射率である。
R2=tan{φ-sin-1(n0sinφ/n2)}/tan{φ+sin-1(n0sinφ/n2)} [式2’]
R2=sin(φ-sin-1(n0sinφ/n2))/sin(φ+sin-1(n0sinφ/n2)) [式2’’]
第1領域及び第2領域への光の入射角φが0度の場合、P偏光とS偏光との区別がなくなり、第1領域の反射率及び第2領域の反射率は、下記式1’’’及び式2’’’で表すことができる。
第1領域表面の光の反射率R1=(n1-n0)/(n1+n0) [式1’’’]
第2領域表面の光の反射率R2=(n2-n0)/(n2+n0) [式2’’’]
空気の屈折率はほぼ1のため、n0=1と近似すると、[式1’’’]及び[式2’’’]は更に、下記式1A及び式2Aで近似できる。

第1領域表面の光の反射率R1=(n1-1)/(n1+1) [式1A]
第2領域表面の光の反射率R2=(n2-1)/(n2+1) [式2A]
以上の式から明らかなように、n1<n2の場合にはR1<R2となり、n1>n2の場合にはR1>R2となる。
n1及びn2の値は、第1表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の種類、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の種類屈により調整することができる。本開示の化粧板の製造方法では、未硬化の熱硬化性樹脂の一部を第2領域の樹脂層に染み込ませる一方で、第1領域では、離型層が未硬化の熱硬化性樹脂の染み込みを抑制することにより、n1とn2とに差を生じさせている。
<標高差>
化粧板の前記第1積層体側の最表面を第1表面と定義する。第1表面の標高に関して、第1領域に相当する箇所の標高と、第2領域に相当する箇所の標高との標高差が1.0μm以下であることが好ましい。
化粧板の表面の標高に差がありすぎる場合、化粧板の表面の屈折率差に基づく凹凸感の発現が損なわれる場合がある。このため、標高差を1.0μm以下とすることにより、化粧板の表面の凹凸感を良好にしやすくできる。
また、化粧板の表面の標高に差がありすぎる場合、化粧板の表面の凹部に汚れがたまりやすくなり、防汚性が低下する傾向がある。このため、標高差を1.0μm以下とすることは、防汚性を良好にしやすい点でも好ましい。
標高差は、可視光の最大波長である0.8μm以下がより好ましく、さらに好ましくは0.6μm以下、よりさらに好ましくは可視光の最小波長である0.4μm以下である。
本開示の化粧板の製造方法では、第1積層体の支持体として機能する第1基材を除去するため、上記標高差を小さくしやすくできる。
本明細書において「標高」とは、化粧板の厚み方向を意味する。図1及び図2では、z方向が化粧板の厚み方向に相当する。
第1領域の標高と第2領域の標高との差は、例えば実施例記載の方法により決定することができる。
<第1領域及び第2領域の配置>
化粧板の面内において、第1領域及び第2領域の配置は任意であるが、例えば、両者の面積及びパターン等を以下のようにすることが好ましい。
―面積―
化粧板の第1表面において、第1領域の面積をS1、第2領域の面積をS2と定義する。化粧板の第1表面に対するS1及びS2の割合は、求める意匠性に応じて調整できる。
第1表面の全面積に対する、S1及びS2の合計の割合は、質感を良好にするため、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることが最も好ましい。
S1とS2との比[S1/S2]は、求める意匠性に応じて調整できるが、凹凸感をより良好にするため、0.10以上9.00以下であることが好ましく、0.25以上4.00以下であることがより好ましく、0.40以上2.50以下であることがさらに好ましい。
―模様、パターン―
意匠性を高めるために、第1領域及び第2領域の2つの領域により、所定の模様を形成することが好ましい。
所定の模様としては、木目模様、寄木模様、石目模様、タイル貼模様、布地模様、レザー模様、砂目模様、幾何学模様等が挙げられる。例えば、第1領域のパターンを木目導管パターンとして、第2領域のパターンを木肌パターンとすることにより、2つの領域のパターンの組み合わせにより、木目模様を形成することができる。
模様による意匠性を高めるため、第1領域又は第2領域が絵柄層を有することが好ましく、第1領域及び第2領域が絵柄層を有することがより好ましい。
第1領域及び第2領域の幅及び長さは、特に制限はなく、意匠に応じて適宜決定すればよい。
本開示の化粧板の製造方法は、凹凸感が良好な化粧板を簡易に製造することができる。
従来の特許文献3の化粧板の製造方法、剥離フィルムを剥離する工程が必要であるが、本開示の化粧板の製造方法では、剥離工程は不要である。剥離フィルムを剥離する場合、化粧板を構成する層の材質によって、剥離性が異なる。このため、特許文献3の製造方法では、材料を変更するごとに、適切な剥離性を得るための製造条件を変更することが必要であった。また、特許文献3の製造方法では、化粧板を構成する所定の材料を変更した場合に、適切な剥離性を得るために他の材料を変更しなければならない場合があった。さらに、特許文献3の製造方法では、剥離フィルムはゴミとなるため環境に良くないという問題がある。
一方、本開示の化粧板の製造方法は、剥離工程が不要であるため、上述したような剥離を原因とする問題を抑制することができる。
<被着材>
本開示の化粧板の製造方法により得られた化粧板は、被着材と積層して一体化して用いてもよい。
被着材は、基材を基準として、1以上の層とは反対側に位置することが好ましい。
被着材としては、木質板、セメント板、セラミックス板、金属板、樹脂板及びFRP板等が挙げられる。
<用途>
本開示の化粧板の製造方法により得られた化粧板は、凹凸感に優れる。また、本開示の化粧板の製造方法により得られた化粧板は、防汚性も良好にしやすい。このため、本開示の化粧板は、そのまま、あるいは、成形加工等を施すことにより、カウンター及び机等の天板;家具;台所製品のキャビネット;ドア;等の建築物の内装材、建築物の外装材等に用いられる。
[転写シート]
本開示の転写シートは、水溶性基材の一方の面側の一部に離型層を有し、前記水溶性基材の前記一方の面側であって、前記離型層を有さない箇所に樹脂層を有する、ものである。
本開示の転写シートは、例えば、本開示の化粧板の製造方法の第1積層体として使用することができる。
本開示の転写シートは、上述した本開示の化粧板の製造方法で用いる第1積層体の実施形態と同様の実施形態とすることができる。
例えば、本開示の転写シートは、樹脂層を、さらに、離型層の水溶性基材とは反対側に有することが好ましい。また、本開示の転写シートにおいて、樹脂層は、プライマー層及び絵柄層から選ばれる少なくとも何れかであることが好ましい。また、本開示の転写シートにおいて、離型層は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。
次に、本開示を実施例により、さらに詳細に説明するが、本開示は、この例によってなんら限定されるものではない。
1.測定及び評価
実施例及び比較例で得られた化粧板に関して、下記の項目を測定及び評価した。測定及び評価の環境は、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下とした。
1-1.屈折率
化粧板の第1表面を構成する層のうち、第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率であるn1、第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率であるn2を、JIS K 7142:2014のB法(液浸によるベッケ法)に準拠して測定した。
1-2.凹凸感
実施例及び比較例で得られた化粧板について、蛍光灯の照明下で、任意の成人20人に、凹凸感を有するか否かについて目視評価をさせた。そして、下記の基準で評価した。
A:立体感の高い意匠性を有すると答えた人が18人以上であった。
B:立体感の高い意匠性を有すると答えた人が11人以上17人以下であった。
C:立体感の高い意匠性を有すると答えた人が6人以上10人以下であった。
D:立体感の高い意匠性を有すると答えた人が5人以下であった。
1-3.標高差
化粧板の第1表面に関して、第1領域に相当する箇所の標高と、第2領域に相当する箇所の標高とを測定した。各領域で10箇所測定を行い、10箇所の平均値を各領域の標高とした。第1領域に相当する箇所の標高から、第2領域に相当する箇所の標高を引き、標高差を算出した。
1-4.耐汚染性
実施例及び比較例で得られた化粧板の表面に、JIS S60377に準拠した黒色の油性ペン(寺西化学工業社のマジックインキ、品番:ML-T1)で直線を筆記した。5分間放置した後、乾拭きし、化粧板表面に残った筆記跡の程度について、以下の基準にて目視評価した。
A:筆記跡は確認されなかった。
B:筆記跡が若干確認されたものの、実用上問題のない程度であった。
C:筆記跡が確認された。
2.離型層用インキの調製
電離放射線硬化性モノマー(東亞合成株式会社製、アロニックスM400)60質量部、反応性シリコーン(信越化学株式会社製、X-22-164B)0.9質量部、及びメチルエチルケトン(丸善石油化学株式会社)40質量部を、プロセスホモジナイザーPH91(株式会社エスエムテー製)を用いて、回転数2000rpmで1時間撹拌して、離型層用インキを調製した。
3.化粧板の製造
[実施例1]
第1基材として、水溶性フィルム(ポリビニルアルコールフィルム、三菱ケミカル社、商品名:ハイセロンC-300、厚み40μm)を準備した。
前記水溶性フィルムの一方の面側の一部に、上記「2」の離型層用インキをグラビアコート法で塗布し、165kVの加速電圧にて3Mradの電子線照射により硬化し、厚み3μmの離型層を形成した。離型層のパターンは、幅30μm、長さ50mmの独立部をランダムに配置したパターンとした。離型層を形成した領域は第1領域、離型層を形成していない領域は第2領域である。
次いで、第1領域及び第2領域上に、アクリルウレタン樹脂を含むプライマー層用インキを塗布、乾燥し、厚み1μmのプライマー層を形成した。
次いで、プライマー層上の第1領域に相当する箇所に、アクリル系樹脂及び着色剤を含む第1絵柄層用インキを塗布、乾燥し、厚み3μmの第1絵柄層を形成した。さらに、プライマー層上の第2領域に相当する箇所に、アクリル系樹脂及び着色剤を含む第2絵柄層用インキを塗布、乾燥し、厚み3μmの第2絵柄層を形成した。第1絵柄層及び第2絵柄層により、木目柄が形成されている。
以上の工程により、第1基材(水溶性フィルム)と、離型層と、樹脂層(プライマー層及び絵柄層)とを有する、第1積層体を得た。
次いで、含浸装置を用いて、基材(建材用チタン紙原紙、KJ特殊紙株式会社製の商品名「PM-67P」、坪量:80g/m、厚さ:100μm)を、下記の組成物に含浸させた。含浸は、未硬化組成物が80g/m(乾燥時)の割合となるようにした。次いで、乾燥することにより、樹脂含浸紙を得た。前述した乾燥は、樹脂含浸紙の表面の粘性がなくなる時点で終了した。すなわち、樹脂含浸紙の内部には水分を残存させた。
次いで、樹脂含浸紙と、下記のコア層とを積層し、コア層及び樹脂含浸紙を含む第2基材を得た。
<熱硬化性樹脂の液状未硬化組成物>
・メラミンホルムアルデヒド樹脂 60質量部
・水 35質量部
・イソプロピルアルコール 5質量部
<コア層>
クラフト紙に、フェノール樹脂からなる液体状の未硬化樹脂組成物を含浸して得られた、坪量245g/mのフェノール樹脂含浸コア紙(太田産業株式会社製、太田コア)を2枚重ねたもの。
次いで、第1積層体の離型層を有する側の面と、第2基材の樹脂含浸紙側の面とを重ねることにより、第2積層体を得た。
第2積層体を2枚の鏡面板で挟み、熱プレス機を用いて、圧力100kg/cm、成型温度150℃で10分間の条件にて加熱成型した。
本工程の際に、樹脂含浸紙から押し出された未硬化の熱硬化性樹脂の一部は、第2領域及び第1領域の樹脂層に染み込んだ。その一方、本工程の際に、樹脂含浸紙から押し出された未硬化の熱硬化性樹脂は、第1領域の離型層に殆ど染み込んでいない。
また、本工程の完了後においては、熱硬化性樹脂の殆どは硬化が完了していた。
次いで、鏡面板間から第2積層体を取り出した後、第1基材である水溶性基材を、水で洗い流し、実施例1の化粧板を得た。
[比較例1]
基材(建材用チタン紙原紙、KJ特殊紙株式会社製の商品名「PM-67P」、坪量:80g/m、厚さ:100μm)上に、印刷インキ(DICグラフィックス株式会社製、「オーデSPTI」)を用いて、グラビア印刷により厚さ3μmの第一装飾層(木目の導管部分)及び第二装飾層(木目の木肌部分)を形成した。
次いで、第一装飾層上に、下記の第一硬化物層形成用の硬化性樹脂組成物1を印刷し、電子線(加圧電圧:165KeV、3Mrad(30kGy))を照射して硬化させて、厚みt1が15.0μmの第一硬化物層を形成してなる積層体Aを得た。
次いで、積層体Aを下記の第二硬化物層形成用の硬化性樹脂組成物に含浸し、乾燥させてなる積層体Bを得た(乾燥時の硬化樹脂組成物の量が80g/mとなるように含浸)。
次いで、積層体Bの基材とは反対側の面(未硬化の第二硬化物層を有する側の面)上に、下記の剥離フィルムを積層し、積層体Bの基材側の面に、補強層(クラフト紙にフェノール樹脂からなる液体状の未硬化樹脂組成物に含浸させて得られた坪量245g/mのフェノール樹脂含浸コア紙(太田産業株式会社製、太田コア)を3枚重ねたもの)を積層してなる積層体Cを得た。
次いで、積層体Cの両面を鏡面板で挟み(補強層側に鏡面板、剥離フィルム側にエンボス板を配置)、熱プレス機を用いて、成形温度:150℃、成形圧力:100kg/cmで10分間、加熱加圧成形を行った。成形後、2枚の鏡面板の間から積層体Cを取り出し、積層体Cから剥離用フィルムを剥離することにより、比較例1の化粧板を得た。
なお、積層体Cから剥離フィルムを剥離除去する際に、剥離フィルムとともに第二硬化物層のうち第一硬化物層上の第二硬化物層が除去され、凹状の第1領域が形成された。また、第一硬化物層を有さない箇所には第二硬化物層が残存してなる凸状の第2領域が形成された。
[比較例2]
第一硬化物層を形成しない以外は、比較例1と同様にして、比較例2の化粧板を得た。比較例2の化粧板は、基材の第一装飾層及び第二装飾層上の全面に、厚みが均一な第二硬化物層を有し、第1領域と第2領域との区別がないものである。
Figure 2023020194000001
実施例1の化粧板の製造方法では、凹凸感に優れる化粧板を簡易な方法で製造することができた。
一方、比較例1の化粧板の製造方法は、凹凸感に優れる化粧板を得られるものの、剥離工程を有するため、適切な剥離性を得るための製造条件の調整が困難であり、化粧板を簡易に製造できるとはいえないものであった。比較例2の化粧板の製造方法は、得られた化粧板の表面に屈折率差が異なる領域を有していないため、凹凸感に乏しいものであった。
10 第1基材
11 水溶性基材
20 離型層
30 プライマー層
40 絵柄層
41 第1絵柄層
42 第2絵柄層
100 第1積層体
200 第2基材
201 樹脂含浸基材
202 コア層
300 第2積層体
500 化粧板
A1 第1領域
A2 第2領域
S1 第1表面

Claims (13)

  1. 下記の工程1~工程4を有する、化粧板の製造方法。
    工程1:第1基材である水溶性基材の一方の面側の一部に、離型層を形成する。前記第1基材の前記一方の面内において、前記離型層を形成する領域を第1領域、前記離型層を形成しない領域を第2領域とする。前記第1基材の前記一方の面側の前記第2領域に、樹脂層を形成することにより、前記第1基材、前記離型層及び前記樹脂層を有する第1積層体を得る。
    工程2:前記第1積層体の前記離型層を有する側の面に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した樹脂含浸基材を含む第2基材を重ねることにより、第2積層体を得る。
    工程3:前記第2積層体の両面を鏡面板で挟んだ状態で熱プレスすることにより、前記未硬化の熱硬化性樹脂の一部を前記第2領域の前記樹脂層に染み込ませる。
    工程4:前記鏡面板間から前記第2積層体を取り出した後、前記第1基材である前記水溶性基材を、水を含む液体を用いて除去する。
  2. 前記工程1において、前記樹脂層を前記第1領域の前記離型層上にも形成する、請求項1に記載の化粧板の製造方法。
  3. 前記工程1において、前記樹脂層として、プライマー層及び絵柄層から選ばれる少なくとも何れかを形成する、請求項1又は2に記載の化粧板の製造方法。
  4. 前記水溶性基材がポリビニルアルコールフィルムである、請求項1~3の何れかに記載の化粧板の製造方法。
  5. 前記離型層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1~4の何れかに記載の化粧板の製造方法。
  6. 前記工程2の前記第2基材が、コア層上に前記樹脂含浸基材を有する積層基材である、請求項1~5の何れかに記載の化粧板の製造方法。
  7. 前記化粧板の前記第1積層体側の最表面を第1表面と定義する。前記第1表面を構成する層のうち、前記第1領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率をn1、前記第2領域に相当する層に含まれる樹脂の屈折率をn2と定義した際に、n1≠n2である、請求項1~6の何れかに記載の化粧板の製造方法。
  8. |n1-n2|が0.02以上0.20以下である、請求項7に記載の化粧板の製造方法。
  9. 前記化粧板の前記第1積層体側の最表面を第1表面と定義する。前記第1表面の標高に関して、前記第1領域に相当する箇所の標高と、前記第2領域に相当する箇所の標高との標高差が1.0μm以下である、請求項1~8の何れかに記載の化粧板の製造方法。
  10. 水溶性基材の一方の面側の一部に離型層を有し、前記水溶性基材の前記一方の面側であって、前記離型層を有さない箇所に樹脂層を有する、転写シート。
  11. 前記樹脂層を、さらに、前記離型層の前記水溶性基材とは反対側に有する、請求項10に記載の転写シート。
  12. 前記樹脂層が、プライマー層及び絵柄層から選ばれる少なくとも何れかである、請求項10又は11に記載の転写シート。
  13. 前記離型層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項10~12の何れかに記載の転写シート。
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