JP2516387B2 - 自動車に使用されるパワ―・ステアリング - Google Patents

自動車に使用されるパワ―・ステアリング

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JP2516387B2
JP2516387B2 JP62336515A JP33651587A JP2516387B2 JP 2516387 B2 JP2516387 B2 JP 2516387B2 JP 62336515 A JP62336515 A JP 62336515A JP 33651587 A JP33651587 A JP 33651587A JP 2516387 B2 JP2516387 B2 JP 2516387B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明に関係ある分野 この発明は、自動車に使用されるパワー・ステアリン
グに関し、殊に、応答性を改善するパワー・ステアリン
グに関する。
背景技術 一般に、自動車では、パワー・ステアリングが普及さ
れてきているが、この種のパワー・ステアリングは、感
度を上げると応答遅れが小さくなり、操縦性が向上され
る反面、ハンドル角に対するタイヤ切れ角およびヨーレ
イト、すなわち、応答の大きさが増し、ハンドルが過敏
になる傾向があった。
また、その種のパワー・ステアリングではパワー・シ
リンダおよびコントロール・バルブの何れか一方に圧油
を注入して、応答性(応答の大きさおよび応答の遅れを
含む)の補正を図ろうとすると、構造上、操舵力が変動
され、それに伴って操舵に異和感を生じ、特にハンドル
のニュートラル状態が不鮮明になる傾向にあった。
発明の課題 この発明の課題は、ハンドル操作に対する応答の大き
さ(ゲイン)および応答の遅れ(位相)を小さくし、操
舵力の変動を抑制し、ハンドルのニュートラル状態を鮮
明になし、そして、操縦安定性を向上させるところの自
動車に使用されるパワー・ステアリングの提供にある。
課題に相応する発明の概要・請求する発明の内容 上述の課題に関連して、この発明の自動車に使用され
るパワー・ステアリングは、前輪を操舵するパワー・シ
リンダと、供給側油圧配管および戻り側油圧配管でオイ
ル・ポンプの吐出し側および吸込み側に接続され、ま
た、一対の主油圧通路でそのパワー・シリンダに接続さ
れて操舵に応じてそのパワー・シリンダに給排される駆
動圧油を方向制御するコントロール・バルブと、その供
給側油圧配管に配置される圧力設定弁と、その主油圧通
路と、その供給側油圧配管のその圧力設定弁の上流側に
接続される応答性補正油圧通路とをそのパワー・シリン
ダに切り替え接続する一対の圧油注入弁と、逆止弁を有
し、そして、その圧油注入弁をバイパスしてその主油圧
通路に接続される一対の補助油圧通路とを含み、そし
て、ハンドルの切り始めおよび戻し始めの際、その切り
始め側および戻し始め側になるその圧油注入弁が、その
主油圧通路を遮断してその応答性補正油圧通路をそのパ
ワー・シリンダに接続し、そして、その補助油圧通路を
経てそのコントロール・バルブからそのパワー・シリン
ダに駆動圧油を供給しながらその応答性補正油圧通路を
経てその圧力設定弁の上流側からそのパワー・シリンダ
に応答性補正圧油を注入し、そして、その注入された応
答性補正圧油がそのパワー・シリンダからオイル・リザ
ーバに逃れることを阻止し、ハンドル操作に対する応答
の大きさ(ゲイン)および応答の遅れ(位相)を小さく
し、そして、操舵力の変動を抑制し、加えて、ハンドル
のニュートラル状態を鮮明にするところである。
また、この発明の自動車に使用されるパワー・ステア
リングでは、その応答の大きさ(ゲイン)は、操舵力と
ヨーレイトとの比に、そして、その応答の遅れ(位相)
は、その操舵力とそのヨーレイトとの位相にそれぞれ定
義される。
具体例の説明 以下、この発明に係る自動車に使用されるパワー・ス
テアリングの特定された具体例について、図面を参照し
て説明する。
第1および2図は、トラックに適用されるこの発明の
自動車に使用されるパワー・ステアリングの具体例10を
概説的に示している。
このパワー・ステアリング10は、一対の前輪(図示せ
ず)を操舵するパワー・シリンダ11と、供給側油圧配管
77および戻り側油圧配管78でオイル・ポンプ12の吐出し
側および吸込み側に接続され、また、一対の主油圧通路
19−20,21でそのパワー・シリンダ11に接続されて操舵
に応じてそのパワー・シリンダ11に給排される駆動圧油
を方向制御するコントロール・バルブ13と、その供給側
油圧配管77に配置される圧力設定弁18と、その主油圧通
路19−20,21と、その供給側油圧配管77のその圧力設定
弁18の上流側に接続される応答性補正油圧通路22,23と
をそのパワー・シリンダ11に切り替え接続する一対の圧
油注入弁24,25と、逆止弁28,29を有し、そして、その圧
油注入弁24,25をバイパスしてその主油圧通路19−20,21
に接続される一対の補助油圧通路26,27とを含み、そし
て、ハンドルの切り始めおよび戻し始めの際、その切り
始め側および戻し始め側になるその圧油注入弁24,25
が、その主油圧通路19−20,21を遮断してその応答性補
正油圧通路22,23をそのパワー・シリンダ11に接続し、
そして、その補助油圧通路26,27を経てそのコントロー
ル・バルブ13からそのパワー・シリンダ11に駆動圧油を
供給しながらその応答性補正油圧通路22,23を経てその
圧力設定弁18の上流側からそのパワー・シリンダ11に応
答性補正圧油を注入するところである。
さらに全体的に述べると、そのパワー・ステアリング
10は、その一対の前輪を操舵するリンケージ型に製作さ
れ、そして、ナックル・アーム(図示せず)、ドラック
・リング(図示せず)、リンク・レバー(図示せず)、
コンペンセーティング・ロッド(図示せず)、ピットマ
ン・アーム(図示せず)、ステアリング・ギア・ボック
ス(図示せず)、ハンドル・シャフト(ステアリング・
シャフトであって、図示せず)、ハンドル(ステアリン
グ・ホイールであって、図示せず)、一対のシリンダ室
44,45を備えるそのパワー・シリンダ11、そのオイル・
ポンプ12、一対の反力室56,57を備えるそのコントロー
ル・バルブ13、フロー・コントロール・バルブ14、オイ
ル・リザーバ15、そのコントロール・バルブ13の一対の
反力室56,57を互いに連絡する反力調整通路16、その反
力室56,57のためにその反力調整通路16に配置される差
圧調整弁17、そのコントロール・バルブ13とそのフロー
・コントロール・バルブ14との間でその供給側油圧配管
77に配置されるその圧油設定弁18、その圧油設定弁18の
上流側においてその供給側油圧配管77に一端を接続し、
他端をその主油圧通路19−20,21に接続可能にするその
一対の応答性補正油圧通路22,23、その主油圧通路19−2
0,21とその応答性補正油圧通路22,23とをそのパワー・
シリンダ11のシリンダ室44,45に切り替え接続するその
一対の圧油注入弁24,25、その逆止弁28,29を有し、その
圧油注入弁24,25をバイパスするその一対の補助油圧通
路26,27、そして、入力側を車速センサ31および操舵力
センサ32に、出力側をその差圧調整弁17および圧油注入
弁24,25にそれぞれ電気的に接続されたコントロール・
ユニット30を含んで構成され、そのコントロール・ユニ
ット30が、その車速センサ31および操舵力センサ32から
信号を入力してその差圧調整弁17および圧油注入弁24,2
5に流れる電流を制御し、車速に適合された油圧反力が
得られ、また、操舵に対する応答性補正に関しては、ハ
ンドルの切り始めおよび戻し始めにおいて、その主油圧
通路19−20,21でそのコントロール・バルブ13を経てそ
のパワー・シリンダ11に供給された駆動圧油が遮断され
てその駆動圧油が、その補助油圧通路26,27でそのコン
トロール・バルブ13を経てそのパワー・シリンダ11に供
給可能になり、そして、そのような状態で、その際に、
応答性補正圧油が、その応答性補正油圧通路22,23でそ
のパワー・シリンダ11に注入されて応答の大きさ(ゲイ
ン)および応答の遅れ(位相)が小さくされるところで
動作する。
そのように、そのパワー・ステアリング10は、リンク
機構に構成される部分と、油圧回路に構成される部分と
よりなるもので、その油圧回路に構成される部分につい
て、詳述するに、そのパワー・シリンダ11は、そのコン
トロール・バルブ13を組み込み、そのコントロール・バ
ルブ13のシリンダ・ポート53,54,55に接続されるオイル
・ポート46,47を開口させたシリンダ・ボア41を有する
シリンダ・ボディ40と、そのシリンダ・ボア41内に往復
摺動可能に嵌め合わせられ、そのオイル・ポート46,47
に対応して接続された一対のシリンダ室44,45をそのシ
リンダ・ボア41内に形成するピストン42と、そのピスト
ン42に固定され、そのシリンダ・ボディ40の両端におい
て外側に両端側を対応させて出し入れ可能に伸長してい
るピストン・ロッド43とより構成され、そのシリンダ・
ボディ40をそのリンク・レバーに、そのピストン・ロッ
ド43をシャン・フレーム(図示せず)にそれぞれ回転可
能に連結している。
また、このパワー・シリンダ11は、そのシリンダ室44
のオイル・ポート46をそのコントロール・バルブ13のシ
リンダ・ポート53,55に接続する主油圧通路19,20と、そ
のシリンダ室45のオイル・ポート47をそのコントロール
・バルブ13のシリンダ・ポート54に接続する主油圧通路
21とを備えている。
そのように構成されたそのパワー・シリンダ11では、
そのピストン42の動きが、そのシリンダ・ボディ40およ
びピストン・ロッド43の動きになって、そのリンク・レ
バー、ドラック・リンク、およびナックル・アームを経
て、前車軸(図示せず)の両端に揺動可能に連結された
一対の前輪軸(図示せず)に伝達され、そのようにし
て、そのパワー・シリンダ11は、その前輪軸に回転可能
に支持されたその一対の前輪を操舵する。
そのオイル・ポンプ12は、そのトラックに搭載された
内燃機関(図示せず)によって駆動され、そのパワー・
シリンダ11に駆動圧油を供給するために、そのコントロ
ール・バルブ13のポンプ・ポート51にオイル・リザーバ
15を接続するところのその油圧回路の供給側油圧配管77
に配置され、そのオイル・リザーバ15内の油を吸い上
げ、加圧し、その内燃機関の回転数にほぼ比例した駆動
圧油の吐出量が得られるようにしている。勿論、そのオ
イル・ポンプ12は、既存のパワー・ステアリングに使用
されるオイル・ポンプと同様な構造に製作されたもの
で、その説明については、省略する。
そのコントロール・バルブ13は、油圧反力型のスプー
ル・バルブに構成されて、そのパワー・シリンダ11のシ
リンダ・ボディ40に組み込まれ、スプール・シャフト80
をそのコンベンセーティング・ロッドに連結し、そのピ
ットマン・アーム、ステアリング・ギア・ボックス、お
よびステアリング・シャフトを介して、そのステアリン
グ・ホイールでバルブ操作され、また、その油圧回路に
おいては、そのパワー・シリンダ11にそのオイル・ポン
プ12およびオイル・リザーバ15を接続する配管、すなわ
ち、供給側油圧配管77、戻り側油圧配管78、および主油
圧通路19,20,21に配置され、そのオイル・ポンプ12から
吐出された駆動圧油を方向制御し、そのパワー・シリン
ダ11に供給し、また、そのパワー・シリンダ11で作業し
た駆動圧油を方向制御し、そのオイル・ポンプ12の吸込
み側であるそのオイル・リザーバ15にその駆動圧油を戻
す。
そのコントロール・バルブ13は、バルブ・ボディ48
と、そのバルブ・ボディ48のスプール・ボア49に往復摺
動可能に配置されたスプール50とを含み、そのスプール
50がそのスプール・シャフト80、コンベンセーティング
・ロッド、ピットマン・アーム、ステアリング・ギア・
ボックス、およびステアリング・シャフトを介してその
ステアリング・ホイールでそのスプール・ボア49内に往
復摺動され、そのパワー・シリンダ11の一対のシリンダ
室44,45に流れる圧油を切り替え、その切替え動作に伴
って、そのシリンダ室44,45からそのオイル・リザーバ1
5に戻される圧油を方向制御する。
そのバルブ・ボディ48は、所定の内径および長さを有
するスプール・ボア49を内部に形成し、また、一方の側
(第1図において、上方の側)に所定の間隔を置いてそ
のスプール・ボア49に連絡されたポンプ・ポート51およ
びタンク・ポート52を形成し、他方の側(第1図におい
て、下方の側)にほぼ等間隔で離され、そのスプール・
ボア49に連絡された3つのシリンダ・ポート53,54,55を
形成している。
そのポンプ・ポート51は、供給側油圧配管77を介し
て、そのオイル・ポンプ12の吐出側に接続され、また、
そのタンク・ポート52は、その戻り側油圧配管78を介し
て、そのオイル・リザーバ15に接続され、さらに、その
シリンダ・ポート53,54,55は、主油圧通路19,20,21を介
してパワー・シリンダ11のシリンダ室44,45に接続され
ている。
さらに、そのバルブ・ボディ48は、そのスプール・ボ
ア49内において、そのスプール50の両側にそれぞれ形成
された反力室56,57を互いに連絡するのに使用される一
対の反力ポート58,59を形成している。
そのスプール50は、両端面に開口されたボア60,61を
備え、そのスプール・ボア49に往復摺動可能に配置さ
れ、そのように、そのスプール・ボア49に嵌め合わせら
れた状態で、そのボア60,61は、そのスプール・ボア49
内において、そのスプール50の両側に形成された一対の
反力室56,57の容積を大きくする。
また、このスプール50は、そのスプール・ボア49内に
往復摺動する際、自身の摺動方向に応じて、その反力室
56,57の何れか一方に圧油を供給する一対の反力連通ポ
ート62,63を備えている。
特に、そのスプール50は、その反力連通ポート62,63
に関して、軸方向に所定の間隔を置いたスプール軸64,6
5,66を外周面に形成している。
勿論、そのスプール溝65,66には、その反力室56,57に
連通した反力連通ポート62,63が対応して開口されてあ
り、その結果、その反力連通ポート62,63は、そのスプ
ール50の動きに伴われたスプール・ボア49内におけるそ
のスプール溝65,66の位置によって、そのシリンダ・ポ
ート54,55をその反力室56,57に連絡し、また、そのスプ
ール溝64は、そのポンプ・ポート51をそのシリンダ・ポ
ート53に連絡する。
さらに、そのスプール50は、ステアリング操作に応動
して、そのスプール・ボア49内に往復摺動されるよう
に、そのバルブ・ボディ48を貫通して、そのスプール・
ボア49内に伸長されたスプール・シャフト80の先端にス
プールのほぼ中央(スプール・センタ)を連結してい
る。勿論、そのスプール・シャフト80は、後端をそのコ
ンペンセーティング・ロッドに連結してある。
そのフロー・コントロール・バルブ14は、その油圧回
路において、そのオイル・ポンプ12およびオイル・リザ
ーバ15にそのコントロール・バルブ13を接続する油圧配
管、すなわち、供給側油圧配管77および戻り側油圧配管
78に配置されている。
そのフロー・コントロール・バルブ14は、そのオイル
・ポンプ12の吐出側に接続されるポンプ・ポート68、そ
のコントロール・バルブ13のポンプ・ポート51側に接続
されるコントロール・バルブ・ポート69、およびそのオ
イル・ポンプ12の吸込み側に接続されるリターン・ポー
ト70を備えたケーシング67と、そのケーシング67内に往
復摺動可能に配置されたオイル・リターン・コントロー
ル・スプールとを含む構成で、そのポンプ・ポート68側
に送られる駆動圧油の流量を調整して、所定の流量をそ
のコントロール・バルブ・ポート69側に送り、また、そ
の駆動圧油の余剰流量をそのリターン・ポート70からそ
のオイル・リザーバ15にコントロール・バルブ・バイパ
ス79を経て戻すようにしている。
勿論、そのフロー・コントロール・バルブ14は、既存
のパワー・ステアリングに使用されるフロー・コントロ
ール・バルブと同様な構造に製作されたもので、その構
造の詳細な説明は省略する。
その反力調整通路16は、一端を反力ポート58に、他端
を反力ポート59にそれぞれ接続し、それら反力室56,57
を互いに連絡し、そのコントロール・バルブ13における
そのスプール50の動きに応じて、反力室56,57の間に圧
油の移動を可能にする。
その差圧調整弁17は、その反力調整通路16に配置さ
れ、その反力室56,57間に流れる圧油量を調整し、それ
ら反力室56,57間の圧力差を調整する。
その差圧調整弁17は、スプール・チャンバ(図示せ
ず)、および、そのスプール・チャンバに連絡された一
対のポート72,73を備えるバルブ・ボディ71と、そのス
プール・チャンバ内に往復摺動可能に配置され、その往
復摺動に応じてそのスプール・チャンバ内の通路断面積
を変えるスプールとより構成されている。
従って、そのスプールの往復摺動に応じて、そのポー
タ72,73間を流れる圧油の流量が調整され、換言するな
らば、そのコントロール・バルブ13の反力室56,57間の
差圧の調整がなされる。
勿論、その差圧調整弁17は、その一対のポート72,73
間を流れる圧油の流量を調整し得るものであれば、形態
は任意であり、例えば、ロータリ型に構成することも可
能である。
その差圧調整弁17は、電気アクチュエータ74によって
開閉される。すなわち、その電気アクチュエータ74は、
サーボ・モータで、その差圧調整弁17のスプールを往復
摺動させ、そのスプール・チャンバ内の通路断面積を変
えるように、そのスプールに連結されている。
勿論、その電気アクチュエータ74は、後述するコント
ロール・ユニット30に電気的に接続され、そのコントロ
ール・ユニット30からの出力電流によってそのスプール
を往復摺動させるものであれば、その形態は任意であ
り、例えば、ステッピング・モータや電磁コイルをその
電気アクチュエータ74として作用することも可能であ
る。
その圧油設定弁18は、上流側におけるその供給側油圧
配管77内に流れる駆動圧油の圧力を所定の値以上に保
ち、その上流側におけるその供給側油圧配管77から高い
圧力の圧油、所謂、応答性補正圧油を取り出し得るよう
にしている。勿論、この圧油設定弁18は、絞りに置き換
え可能である。
その一対の応答性補正油圧通路22,23は、油圧配管か
らなり、その油圧配管22,23は、一端がその圧油設定弁1
8の上流側においてその供給側油圧配管77に接続され、
そして、他端がその主油圧通路19,21に対応されてその
主油圧通路19,21に伸長され、その圧油注入弁24,25でそ
の主油圧通路19,21に切り替え接続されてあって、その
圧油設定弁18の上流側におけるその供給側油圧配管77内
に流れる高い圧力の圧油であるところの駆動圧油がその
パワー・シリンダ11のシリンダ室44,45に供給可能にさ
れてある。
その一対の圧油注入弁24,25は、オール・ポート・ブ
ロック型2位置4方向電磁弁で、その対応する主油圧通
路19,21にそれぞれ配置され、また、その対応する応答
性補正油圧通路22,23の他端を接続し、その主油圧通路1
9,21および応答性補正油圧通路22,23をそのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室44,45に切り替え接続する。勿
論、その圧油注入弁24,25は、ソレノイド・コイル75,76
をそのコントロール・ユニット30の出力回路に電気的に
接続し、そのコントロール・ユニット30で決定された出
力電流、換言するならば、そのコントロール・ユニット
30で制御された電流で駆動され、その圧油設定弁18の上
流側におけるその供給側油圧配管77からそのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室44,45に直接的に供給される圧油
の時期および量を制御する。
その一対の補助油圧通路26,27は、その対応する圧油
注入弁24,25をバイパスし、その圧油注入弁24,25の上流
側および下流側において、その主油圧通路19,21に接続
され、そして、逆止弁28,29を備え、その圧油注入弁24,
25が選択的に駆動され、その圧油注入弁24,25によっ
て、その主油圧通路19,21が選択的に遮断されて、その
応答性補正油圧通路22,23がそのパワー・シリンダ11の
シリンダ室44,45に選択的に接続されてその応答性補正
圧油がそのパワー・シリンダ11のシリンダ室44,45に選
択的に注入される際、そのコントロール・バルブ13で方
向制御された駆動圧油がそのパワー・シリンダ11のシリ
ンダ室44,45に供給可能にされるところにある。すなわ
ち、その補助油圧通路26,27は、そのコントロール・バ
ルブ13で方向制御されたところのその駆動圧油がそのパ
ワー・シリンダ11のシリンダ室44,45に供給可能に保た
れて、その応答性補正圧油をそのパワー・シリンダ11の
シリンダ室44,45に注入可能にするところにある。勿
論、その補助油圧通路26,27はその逆止弁28,29を備える
ので、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室44,45から
そのコントロール・バルブ13に流れる圧油は阻止され
る。
そのコントロール・ユニット30は、その車速センサ31
および操舵力センサ32に入力側をそれぞれ電気的に接続
し、また、その差圧調整弁17の電気アクチュエータ74お
よびその圧油注入弁24,25のソレノイド・コイル75,76に
出力側をそれぞれ電気的に接続し、その車側センサ31お
よび操舵力センサ32から信号を入力し、その入力された
信号に応じて、その差圧調整弁17および圧油注入弁24,2
5のための出力電流を決定し、その出力電流をその電気
アクチュエータ74およびソレノイド・コイル75,76に流
し、その差圧調整弁17を開閉動作させ、その際のその差
圧調整弁17においては、通路断面積を変え、また、その
圧油注入弁24,25を選択的に開閉させ、その際のその圧
油注入弁24,25においては、操舵力の大きさ、方向、お
よび変化速さなどに応じて決定さえる時間だけ開放させ
る。
勿論、そのコントロール・ユニット30は、入力および
出力回路、記憶回路、演算回路、制御回路、および電源
回路から構成され、その電源回路は、そのトラックのバ
ッテリ(図示せず)を共用している。
特に、このコントロール・ユニット30は、そのトラッ
クに関連して、車速に対応したパワー・シリンダ圧の最
適値がそのパワー・シリンダ11に発生されるように、そ
のコントロール・バルブ13の反力室56,57間の差圧の理
想値を予め入力してあり、その車速センサ31から入力さ
れた信号に基づいて演算し、その演算値とその最適値と
を比較し、その差圧調整弁17に流れる出力電流を制御
し、そのコントロール・バルブ13の反力室56,57間の差
圧が予め入力された理想値に一致するように、その差圧
調整弁17の通路断面積を調節して、その車速にこのパワ
ー・ステアリング10を対応させる。
また、このコントロール・ユニット30は、操舵力の大
きさ、方向、および変化速さなどに応じて、そのパワー
・シリンダ11のシリンダ室44,45に応答性補正圧油を注
入する際の、その応答性補正圧油の注入開始および注入
時間に相当するところのその圧油注入弁24,25の通電開
始および通電時間をハンドル切込みおよびハンドル戻し
の場合に応じて決定している。
そして、そのハンドル切込みの場合には、操舵力が零
からある所定の値になり、そして、その操舵力の時間的
変化、所謂、その操舵力の微分値がある所定の値に達す
ると、そのコントロール・ユニット30は、その圧油注入
弁21,22に出力電流を選択的に流し始め、また、その操
舵力が他の所定の値に達すると、若しくは、その操舵力
の微分値が負になると、そのコントロール・ユニット30
は、その圧油注入弁24,25に流れるその出力電流を切
り、そのようにして、その圧油注入弁24,25の通電時間
および通電時間を決定する。
一方、ハンドル戻しの場合には、その操舵力がある所
定の値、例えば、その操舵力の微分値が零になると、そ
のコントロール・ユニット30は、その圧油注入弁24,25
に出力電流を選択的に流し始め、また、その操舵力が他
の所定の値に達し、そして、その操舵力の微分値が、負
になると、その圧油注入弁24,25に流れるその出力電流
を切り、そのようにして、その圧油注入弁24,25の通電
開始および通電時間を決定する。
そのように、そのコントロール・ユニット30でそのハ
ンドル切込みおよびハンドル戻しに応じて、その圧油注
入弁24,25の通電開始および通電時間が決定され、その
コントロール・ユニット30が、その決定された通電開始
時期にその出力電流をその圧油注入弁24,25に選択的に
流し始め、そして、その決定された通電時間だけ、その
出力電流をその圧油注入弁24,25に選択的に流し、その
圧油注入弁24,25を選択的に駆動し、その主油圧通路19,
21を選択的に遮断し、同時に、その応答性補正油圧通路
22,23をそのパワー・シリンダ11のシリンダ室44,45に選
択的に連絡させ、そのハンドル操作に対するこのパワー
・ステアリング10の応答の大きさおよび応答の遅れを小
さくし、タイヤ切れ角およびヨーレイトの増大を抑制
し、操縦性および安定性を向上させ、また、このパワー
・ステアリング10の操舵力の変動を抑制し、ハンドルの
中空状態を鮮明にさせる。
そのようにして、そのコントロール・ユニット30は、
このパワー・ステアリング10において、車速および操舵
に適合された操舵力が得られ、ハンドルのニュートラル
状態が安定され、そして、応答性が補正されるように制
御する。
その車速センサ31は、そのトラックの走行速度を検出
するもので、そのトラックに搭載されたトランスミッシ
ョン(図示せず)の出力軸に配置されてある。
その操舵力センサ32は、そのステアリング・ホイール
に加えられる操舵力の大きさおよび方向を検出するもの
で、そのステアリング・ホイールに組み込まれてある。
勿論、この操舵力センサ32は、そのステアリング・シャ
フトに配置されてもよい。
また、その車速センサ31および操舵力センサ32は、そ
のコントロール・ユニット30の入力回路にそれぞれ電気
的に接続され、そして、そのコントロール・ユニット30
の出力回路は、その差圧調整弁17の電気アクチュエータ
74および圧油注入弁21,22のソレノイド・コイル75,76に
電気的に接続されてある。
従って、その差圧調整弁17および圧油注入弁24,25は
その車速センサ31および操舵力センサ32から入力される
信号に応じて、そのコントロール・ユニット30によっ
て、通路断面積が変えられたり、また、通電開始および
通電時間が決められて選択的に駆動される。
次に、上述されたパワー・ステアリング10の動作をそ
のトラックの走行状態に関連して述べるに、その内燃機
関が運転されているので、そのオイル・ポンプ12が駆動
され、そのオイル・ポンプ12から吐き出された駆動圧油
は、そのフロー・コントロール・バルブ14で流量調整さ
れ、そして、その圧油設定弁18で設定圧に保たれ、その
供給側油圧配管77に流れて、そのコントロール・バルブ
13のポンプ・ポート51に送られる。
そして、そのポンプ・ポート51に送られた駆動圧油
は、第1図に示されるように、そのスプール50がニュー
トラル位置に置かれるならば、その戻り側油圧配管78を
経てそのタンク・ポート52からそのオイル・リザーバ15
に戻される。
また、同時に、そのコントロール・ユニット30は、そ
の車速センサ31および操舵力センサ32から信号を入力
し、その差圧調整弁17の電気アクチュエータ74に流れる
出力電流を制御し、車速に応じてそのコントロール・バ
ルブ13の反力室56,57間の差圧を調節してその車速に適
合した油圧反力を得る態勢にあり、そして、その圧油注
入弁24,25に選択的に流す出力電流を決定し、具体的に
は、その出力電流の通電開始時期および通電時間を決定
し、操舵に応じて、所謂、操舵力の大きさ、方向、およ
び変化速さに応じてそのパワー・シリンダ11のシリンダ
室44,45に応答性補正圧油を選択的に注入し、換言する
ならば、ハンドル切込みの場合には、切込み方向の補正
圧油をそのパワー・シリンダ11に加え、また、ハンドル
戻しの場合には、戻し方向の補正圧油をそのパワー・シ
リンダ11に加えて、操舵に対する切遅れを小さくする、
所謂、操舵に対する応答遅れを小さくする態勢にある。
そこで、そのトラックが操舵されながら走行する際
の、このパワー・ステアリング10の応答性補正動作につ
いて述べる。ところで、容易に理解されるように、今、
ハンドル操作が第2図に示された操舵力線図に操作さ
れ、すなわち、ステアリング・ホイールが、連続的に右
切りされ、そして、戻され、次いで、左切りされ、そし
て、戻されるように操舵されて、そのトラックが道路上
に走行する場合を例に述べる。
先ず、そのステアリング・ホイールが第2図の操舵力
センサ出力特性線のニュートラル状態から右に切り込み
始められると、その右切りの操舵力の大きさ、方向、お
よび変化速さが、その操舵力センサ32で感知され、それ
がその操舵力センサ32で電気信号に変換されて、そのコ
ントロール・ユニット30に与えられるので、そのコント
ロール・ユニット30は、その電気信号に応じて演算し、
所謂、操舵力が所定の値になり、その操舵力の微分値が
所定の値に達したことを条件に、その圧油注入弁25に流
れる出力電流の通電開始時期を決定し、その圧油注入弁
25のソレノイド・コイル76にその出力電流を流し、その
圧油注入弁22を駆動する。
従って、その圧油注入弁25が、その主油圧通路21を遮
断し、その応答性補正油圧通路23をそのパワー・シリン
ダ11のシリンダ室45に連絡するので、高圧の応答性補正
圧油は、その圧油設定弁18の上流側におけるその供給側
油圧配管77からその応答性補正油圧通路23に流れ、そし
て、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室45に注入さ
れ、そのパワー・シリンダ11では、そのピストン42が、
第1図において、右側に摺動を始め、また、同時的に、
そのパワー・シリンダ11のシリンダ室44内の駆動圧油
は、その圧油注入弁24が駆動されずに、第1図に示され
るように、その主油圧通路19,20をそのシリンダ室44に
連絡させ、そして、その応答性補正油圧通路22をそのシ
リンダ室44から遮断され、しかも、その駆動圧油の圧力
がその応答性補正圧油のそれよりも低いので、その主油
圧通路19,20および戻り側油圧配管78を経てそのオイル
・リザーバ15に戻され始め、その結果、そのパワー・シ
リンダ11は、応答性が補正され、すなわち応答遅れが小
さくされて、そのステアリング・ホイールの右切りに追
随して駆動され、その一対の前輪を右方向に操舵し始め
る。
また、そのように応答性補正圧油が、そのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室45に注入されている際、そのステ
アリング・ホイールは、さらに、右方向に切られて行く
ので、そのコントロール・バルブ13のスプール50がその
ステアリング・シャフト、ステアリング・ギア・ボック
ス、ピットマン・アーム、およびコンペンセーティング
・ロッドを介してそのステアリング・ホイールで駆動さ
れるスプール・シャフト80で右側に摺動され、そのポン
プ・ポート51およびシリンダ・ポート54はポート開口を
漸次広く開かせながらそのスプール50のスプール溝65を
介して互いに連絡され、また、同時的に、そのタンク・
ポート52およびシリンダ・ポート55は、ポート開口を漸
次広く開かせながらそのスプール50のスプール溝66を介
して互いに連絡され、そのオイル・ポンプ12から吐き出
された駆動圧油は、その補助油圧通路27を経てそのパワ
ー・シリンダ11のシリンダ室45に多量に供給され始め、
そのピストン42が、第1図において、右側にさらに摺動
され、同時的に、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室
44内の駆動圧油は、その主油圧通路19,20および戻り側
油圧配管78を経てそのオイル・リザーバ15に多量に戻さ
れ始める。
さらに、そのステアリング・ホイールが右方向に切ら
れて行くと、そのコントロール・ユニット30は、その操
舵力センサ32で感知された操舵力の大きさ、方向、およ
び変化速さに応じて演算し、その演算値、すなわち、そ
の操舵力が所定の値に達し、その操舵力の微分値が負に
なったことを条件に、その圧油注入弁25に流れているそ
の出力電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット30によ
ってその出力電流が切られると、その圧油注入弁25は第
1図に示された状態に戻され、その応答性補正油圧通路
23を経てその圧油設定弁18の上流側のその供給側油圧配
管77からそのパワー・シリンダ11のシリンダ室45に注入
されているところのその応答性補正圧油が止められるの
で、そのスプール50は、第1図において、そのステアリ
ング・シャフト、ステアリング・ギア・ボックス、ピッ
トマン・アーム、およびコンペンセーティング・ロッド
を介してそのステアリング・ホイールで駆動されるスプ
ール・シャフト80でさらに右側に摺動され、そのスプー
ル50の動きに伴って、そのパワー・シリンダ11のピスト
ン42もまた、そのオイル・ポンプ12から吐き出され、そ
して、その主油圧通路21を経てそのシリンダ室45に供給
される駆動圧油によって、第1図において、さらに、右
側に摺動され、そのパワー・シリンダ11は全体的に伸長
され、そのリンク・レバー、ドラック・リンク、ナック
ル・アームを介して一対の前輪軸(図示せず)が一対の
キング・ピン(図示せず)のまわりに揺動され、その一
対の前輪軸上に回転可能に支持されたその一対の前輪が
右方向に操舵される。
そして、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻され始めると、そのハンドル戻しの操舵
が、その操舵力センサ32で感知され、それがその操舵力
センサ32で電気信号に変換されて、そのコントロール・
ユニット30に与えられるので、そのコントロール・ユニ
ット30は、その電気信号に応じて演算し、所謂、その操
舵力の微分値が零になったことを条件(この場合には、
その操舵力が所定の値に達し、そして、その操舵力の微
分値が負になったことを条件にしてもよい)に、その圧
油注入弁24に流れる出力電流の通電開始時期を決定し、
その圧油注入弁24のソレノイド・コイル75にその出力電
流を流し、その圧油注入弁24を駆動する。
従って、その圧油注入弁24が、その主油圧通路19,20
を遮断し、その応答性補正油圧通路22をそのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室44に連絡するので、高圧の応答性
補正圧油は、その圧油設定弁18の上流側におけるその供
給側油圧配管77からその応答性補正油圧通路22に流れ、
そして、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室44に注入
され、そのパワー・シリンダ11では、そのピストン42
が、第1図において、左側に摺動を始め、また、この際
には、その圧油注入弁25が駆動されずに、第1図に示さ
れるように、その主油圧通路21をそのシリンダ室45に連
絡させ、そして、その応答性補正油圧通路23をそのシリ
ンダ室45から遮断させているので、そのオイル・ポンプ
12から吐き出された駆動圧油は、そのシリンダ室44に送
られているが、しかし、その応答性補正圧油の圧力がそ
の駆動圧油のそれよりも高く設定されてあるので、その
応答性補正圧油は、そのシリンダ室44に注入され続け、
そのパワー・シリンダ11は、その応答性補正圧油で応答
性が補正され、すなわち、応答遅れが小さくされて、そ
のステアリング・ホイールの戻しに追随して駆動され、
その一対の前輪をニュートラル位置に向けて、所謂、戻
し方向に操舵し始める。
また、そのような応答性補正圧油が、そのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室44に注入されている際、そのステ
アリング・ホイールは、さらに、ニュートラル位置に向
けて戻されて行くので、そのコントロール・バルブ13に
おいては、そのスプール50が、そのステアリング・シャ
フト、ステアリング・ギア・ボックス、ピットマン・ア
ーム、およびコンペンセーティング・ロッドを介してそ
のステアリング・ホイールで駆動されるスプール・シャ
フト80で前述の右切りされた位置から第1図のニュート
ラル位置に向けて摺動され、そのポンプ・ポート51およ
びシリンダ・ポート53はポート開口を漸次狭く開かせる
ようにして、そのスプール50のスプール溝64を介して互
いに連絡され、また、そのタンク・ポート52およびシリ
ンダ・ポート54も同時的に、ポート開口を漸次狭く開か
せるようにして、そのスプール50のスプール溝65を介し
て互いに連絡されるので、そのオイル・ポンプ12から吐
き出され、そして、その供給側油圧配管77および主油圧
通路21を経てそのパワー・シリンダ11のシリンダ室45に
送られている駆動圧油が漸次減少され始め、また、この
際には、その主油圧通路19がその圧油注入弁24で遮断さ
れているので、その応答性補正圧油がそのパワー・シリ
ンダ11のシリンダ室44に注入され続け、そのパワー・シ
リンダ11において、そのピストン42は、第1図に示され
た位置に向けて摺動的に移動される。
さらに、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻されて行くと、そのコントロール・ユニ
ット30は、その操舵力センサ32で感知された操舵力の大
きさ、方向、および変化速さに応じて演算し、その演算
値、すなわち、その操舵力が所定の値に達したこと、所
謂、その応答性補正油圧が所定の値に達したことを条件
に、その圧油注入弁24に流れているその出力電流を切
る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット30によ
って、その出力電流が切られると、その圧油注入弁24は
第1図に示された状態に戻され、その応答性補正油圧通
路22を経てその圧油設定弁18の上流側のその供給側油圧
配管77からそのパワー・シリンダ11のシリンダ室44に注
入されているところのその応答性補正圧油が止められる
ので、そのスプール50は、第1図において、そのステア
リング・シャフト、ステアリング・ギア・ボックス、ピ
ットマン・アーム、およびコンペンセーティング・ロッ
ドを介してそのステアリング・ホイールで駆動されるそ
のスプール・シャフト80で、換言するならば、そのステ
アリング・ホイールで与えられる操舵力で、さらにニュ
ートラル位置に摺動的に戻され、そのスプール50の動き
に伴って、そのパワー・シリンダ11のピストン42もま
た、そのオイル・ポンプ12から吐き出され、そして、そ
の主油圧通路19を経てそのシリンダ室44に供給される駆
動圧油によって第1図において、さらに、左側に摺動さ
れ続け、さらには、その供給側油圧配管77および主油圧
通路19を経てそのシリンダ室44に供給される駆動圧油
が、そして、同時的に、その主油圧通路21および戻り側
油圧配管78を経てそのシリンダ室45からそのオイル・リ
ザーバ15に戻される駆動圧油が、それぞれ実質的になく
なるので、そのピストン42は、第1図に示された位置に
戻され、そのパワー・シリンダ11は全体的に縮み、その
一対の前輪軸が、そのリンク・レバー、ドラック・リン
ク・ナックル・アームを介してそのキング・ピンのまわ
りに揺動され、その一対の前輪軸上に回転可能に支持さ
れた一対の前輪が直進状態に戻される。
次いで、そのように戻されたそのステアリング・ホイ
ールが第2図の操舵力センサ出力特性線のニュートラル
状態から左に連続して切られるならば、同様にして、そ
の左切りの操舵力の大きさ、方向、および変化速さが、
その操舵力センサ32で感知され、それがその操舵力セン
サ32で電気信号に変換されて、そのコントロール・ユニ
ット30に与えられるので、そのコントロール・ユニット
30は、その電気信号に応じて演算し、所謂、操舵力が所
定の値になり、その操舵力の微分値が所定の値に達した
ことを条件に、その圧油注入弁24に流れる出力電流の通
電開始時期を決定し、その圧油注入弁24のソレノイド・
コイル75にその出力電流を流し、その圧油注入弁24を駆
動する。
従って、その圧油注入弁24が、その主油圧通路19,20
を遮断し、その応答性補正油圧通路22をそのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室44に連絡するので、高圧の応答性
補正圧油は、その圧油設定弁18の上流側におけるその供
給側油圧配管77からその応答性補正油圧通路22に流れ、
そして、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室44に注入
され、そのパワー・シリンダ11では、そのピストン42
が、第1図において、左側に摺動を始め、また、同時的
に、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室45内の駆動圧
油はその圧油注入弁25が駆動されずに、第1図に示され
るように、その主油圧通路21をそのシリンダ室45に連絡
させ、そして、その応答性補正油圧通路23をそのシリン
ダ室45から遮断させているので、その主油圧通路21およ
び戻り側油圧配管78を経てそのオイル・リザーバ15に戻
され始め、その結果、そのパワー・シリンダ11は応答性
が補正され、すなわち、応答遅れが小さくされて、その
ステアリング・ホイールの左切りに追随して駆動され、
その一対の前輪を左方向に操舵し始める。
また、そのように応答性補正圧油が、そのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室44に注入されている際、そのステ
アリング・ホイールは、さらに、左方向に切られて行く
ので、そのコントロール・バルブ13のスプール50がその
ステアリング・シャフト、ステアリング・ギア・ボック
ス、ピットマン・アーム、およびコンペンセーティング
・ロッドを介してそのステアリング・ホイールで駆動さ
れるスプール・シャフト80の左側に摺動され、そのポン
プ・ポート51およびシリンダ・ポート53はポート開口を
漸次広く開かせながらそのスプール50のスプール溝64を
介して互いに連絡され、また、同時的に、そのタンク・
ポート52およびシリンダ・ポート54は、ポート開口を漸
次広く開かせながらそのスプール50のスプール溝65を介
して互いに連絡され、そのオイル・ポンプ12から吐き出
された駆動圧油は、その補助油圧通路26を経てそのパワ
ー・シリンダ11のシリンダ室44に多量に供給され始め、
そのピストン42が、第1図において、左側にさらに摺動
され、同時的に、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室
45内の駆動圧油は、その主油圧通路21および戻り側油圧
配管78を経てそのオイル・リザーバ15に多量に戻され始
める。
さらに、そのステアリング・ホイールが左方向に切ら
れて行くと、そのコントロール・ユニット30は、その操
舵力センサ32で感知された操舵力の大きさ、方向、およ
び変化速さに応じて演算し、その演算値、すなわち、そ
の操舵力が所定の値に達し、その操舵力の微分値が負に
なったことを条件に、その圧油注入弁24に流れているそ
の出力電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット30によ
ってその出力電流が切られると、その圧油注入弁24は第
1図に示された状態に戻され、その応答性補正油圧通路
22を経てその圧油設定弁18の上流側のその供給側油圧配
管77からそのパワー・シリンダ11のシリンダ室44に注入
されているところのその応答性補正圧油が止められるの
で、そのスプール50は、第1図において、そのステアリ
ング・シャフト、ステアリング・ギア・ボックス、ピッ
トマン・アーム、およびコンペンセーティング・ロッド
を介してそのステアリング・ホイールで駆動されるスプ
ール・シャフト80でさらに左側に摺動され、そのスプー
ル50の動きに伴って、そのパワー・シリンダ11のピスト
ン42もまた、そのオイル・ポンプ12から吐き出され、そ
して、その主油圧通路19を経てそのシリンダ室44に供給
される駆動圧油によって、第1図において、さらに、左
側に摺動され、そのパワー・シリンダ11は全体的に縮
み、そのリンク・レバー、ドラック・リンク、ナックル
・アームを介して一対の前輪軸(図示せず)が一対のキ
ング・ピン(図示せず)のまわりに揺動され、その一対
の前輪軸上に回転可能に支持されたその一対の前輪が左
方向に操舵される。
そして、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻され始めると、そのハンドル戻しの操舵
が、その操舵力センサ32で感知され、それがその操舵力
センサ32で電気信号に変換されて、そのコントロール・
ユニット30に与えられるので、そのコントロール・ユニ
ット30は、その電気信号に応じて演算し、所謂、その操
舵力の微分値が零になったことを条件(この場合には、
その操舵力が所定の値に達し、そして、その操舵力の微
分値が負になったことを条件にしてもよい)に、その圧
油注入弁25に流れる出力電流の通電開始時期を決定し、
その圧油注入弁25のソレノイド・コイル75にその出力電
流を流し、その圧油注入弁25を駆動する。
従って、その圧油注入弁25が、その主油圧通路21を遮
断し、その応答性補正油圧通路23をそのパワー・シリン
ダ11のシリンダ室45に連絡するので、高圧の応答性補正
圧油は、その圧油設定弁18の上流側におけるその供給側
油圧配管77からその応答性補正油圧通路23は流れ、そし
て、そのパワー・シリンダ11のシリンダ室45に注入さ
れ、そのパワー・シリンダ11では、そのピストン42が、
第1図において、右側に摺動を始め、また、この際に
は、その圧油注入弁24が駆動されずに、第1図に示され
るように、その主油圧通路19,20をそのシリンダ室44に
連絡させ、そして、その応答性補正油圧通路22をそのシ
リンダ室44から遮断させているので、そのオイル・ポン
プ12から吐き出された駆動圧油は、そのシリンダ室44に
送られているが、しかし、その応答性補正圧油の圧力が
その駆動圧油のそれよりも高く設定されてあるので、そ
の応答性補正圧油は、そのシリンダ室45に注入され続
け、そのパワー・シリンダ11は、その応答性補正圧油で
応答性が補正され、すなわち、応答遅れが小さくされ
て、そのステアリング・ホイールの戻しに追随して駆動
され、その一対の前輪をニュートラル位置に向けて、所
謂、戻し方向に操舵し始める。
また、そのように応答性補正圧油が、そのパワー・シ
リンダ11のシリンダ室45に注入されている際、そのステ
アリング・ホイールは、さらに、ニュートラル位置に向
けて戻されて行くので、そのコントロール・バルブ13に
おいては、そのスプール50が、そのステアリング・シャ
フト、ステアリング・ギア・ボックス、ピットマン・ア
ーム、およびコンペンセーティング・ロッドを介してそ
のステアリング・ホイールで駆動されるスプール・シャ
フト80で前述の左切りされた位置から第1図のニュート
ラル位置に向けて摺動され、そのポンプ・ポート51およ
びシリンダ・ポート54はポート開口を漸次狭く開かせる
ようにして、そのスプール50のスプール溝65を介して互
いに連絡され、また、そのタンク・ポート52およびシリ
ンダ・ポート55も同時的に、ポート開口を漸次狭く開か
せるようにして、そのスプール50のスプール溝66を介し
て互いに連絡されるので、そのオイル・ポンプ12から吐
き出され、そして、その供給側油圧配管77および主油圧
通路21を経てそのパワー・シリンダ11のシリンダ室44に
送られている駆動圧油が漸次減少され始め、また、この
際には、その主油圧通路21がその圧油注入弁25で遮断さ
れているので、その応答性補正圧油がそのパワー・シリ
ンダ11のシリンダ室45に注入され続け、そのパワー・シ
リンダ11において、そのピストン42は、第1図に示され
た位置に向けて摺動的に移動される。
さらに、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻されて行くと、そのコントロール・ユニ
ット30は、その操舵力センサ32で感知された操舵力の大
きさ、方向、および変化速さに応じて演算し、その演算
値、すなわち、その操舵力が所定の値に達したこと、所
謂、その応答性補正油圧が所定の値に達したことを条件
に、その圧油注入弁25に流れているその出力電流を切
る。
特に、この場合、第2図のその操舵力センサ出力特性
線から理解されるように、操舵力が大きく、そして、そ
の操舵力が所定の値に達するまでに時間がかかったの
で、その応答性補正圧油の注入時間が長くなった。
そのようにして、そのコントロール・ユニット30によ
って、その出力電流が切られると、その圧油注入弁25は
第1図に示された状態に戻され、その応答性補正油圧通
路23を経てその圧油設定弁18の上流側のその供給側油圧
配管77からそのパワー・シリンダ11のシリンダ室45に注
入されているところのその応答性補正圧油が止められる
ので、そのスプール50は、第1図において、そのステア
リング・シャフト、ステアリング・ギア・ボックス、ピ
ットマン・アーム、およびコンペンセーティング・ロッ
ドを介してそのステアリング・ホイールで駆動されるそ
のスプール・シャフト80で、換言するならば、そのステ
アリング・ホイールで与えられる操舵力で、さらにニュ
ートラル位置に摺動的に戻され、そのスプール50の動き
に伴って、そのパワー・シリンダ11のピストン42もま
た、そのオイル・ポンプ12から吐き出され、そして、そ
の主油圧通路21を経てそのシリンダ室45に供給される駆
動圧油によって第1図において、さらに、右側に摺動さ
れ続け、さらには、その供給側油圧配管77および主油圧
通路21を経てそのシリンダ室45に供給される駆動圧油
が、そして、同時的に、その主油圧通路19,20および戻
り側油圧配管78を経てそのシリンダ室44からそのオイル
・リザーバ15に戻される駆動圧油が、それぞれ実質的に
なくなるので、そのピストン42は、第1図に示された位
置に戻され、そのパワー・シリンダ11は全体的に伸び、
その一対の前輪軸が、そのリンク・レバー、ドラック・
リンク、ナックル・アームを介してそのキング・ピンの
まわりに揺動され、その一対の前輪軸上に回転可能に支
持されたその一対の前輪が直進状態に戻される。
その後に、操舵が連続して行なわれるならば、前述の
ようにして、その応答性補正圧油が、そのステアリング
・ホイールの切込みより戻し方向に対応するそのパワー
・シリンダ11のシリンダ室44,45に選択的に注入され
る。
従って、第2図および3図に示されたこのパワー・ス
テアリング10および通常のパワー・ステアリングの操舵
角、実舵角、ロール角、ヨーレイト、および横向き加速
度特性線を比較するならば、そのパワー・ステアリング
10では、操舵角、実舵角、ロール角、ヨーレイト、およ
び横向き加速度が、その通常のパワー・ステアリングの
それらよりも改善される。
また、その結果から、ハンドル操作に対する応答の大
きさおよび応答の遅れが小さくなり、すなわち、応答性
が改善され、そして、操舵力の変動が抑制されてハンド
ルのニュートラル状態が鮮明になることやタイヤ切れ角
の増大が抑制されることも第2図から理解され、操舵性
および安全性が向上されたことが第2図から理解され
る。
次には、そのトラックの車速に応じたこのパワー・ス
テアリング10の動作について述べるに、今、そのトラッ
クが低速で走行されるのであるならば、そのコントロー
ル・ユニット30がその車速センサ31から信号を入力し、
その入力信号に応じて演算し、予め入力された差圧の理
想値と比較し、出力信号、すなわち、出力電流を決定
し、その出力電流をその差圧調整弁17の電気アクチュエ
ータ74に流すので、その電気アクチュエータ74が駆動さ
れ、その差圧調整弁17においては、そのスプールがその
スプール・チャンバ内に摺動され、そのスプール・チャ
ンバ内に通路断面積が広くされる。
そこで、そのコントロール・バルブ13のスプール50が
操舵によって、何れか一方に摺動されれば、そのスプー
ル50の摺動方向に応じて、そのオイル・ポンプ12から吐
き出された圧油がそのパワー・シリンダ11のシリンダ室
44,45の何れか一方、および、そのコントロール・バル
ブ13の反力室56,57の何れか一方に送られる。
例えば、そのスプール50が第1図において、右側に摺
動されるならば、そのポンプ・ポート51がそのスプール
溝65を介してシリンダ・ポート54に、そして、そのタン
ク・ポート52がそのスプール溝66を介してシリンダ・ポ
ート55にそれぞれ連絡され、そのオイル・ポンプ12から
吐き出された駆動圧油は、その主油圧通路21、若しく
は、その補助油圧通路27を経て、そのパワー・シリンダ
11のシリンダ室45に送られ、そのピストン42が第1図に
おいて、右側に摺動され、そのパワー・シリンダ11のシ
リンダ室44内の駆動圧油は、その主油圧通路19,20およ
び戻り側油圧配管78を経てそのオイル・リザーバ15に戻
される。
そのように、駆動圧油が供給される際には、その駆動
圧油の一部は、反力連通ポート62およびボア60を経てそ
の反力室56に送られる。
そのような操舵の際の反力は、その反力室56内の油圧
によって与えられるが、上述したように、低速走行時に
は、その差圧調整弁17の通路断面積が広くされているの
で、その反力室56内の圧油が、その反力調整通路16を通
り、その差圧調整弁17によって極端に絞られることな
く、他方の反力室57に流れる。
また、そのスプール50が、上述の方向に摺動されれ
ば、そのタンク・ポート52がそのスプール溝66に連絡さ
れ、その反力室57内に圧油は、その戻り側油圧配管78を
経てそのオイル・リザーバ15に戻される。
従って、その差圧調整弁17による圧力降下が小さくな
り、左右の反力室56,57内の圧力差が小さくなって、そ
の反力室56内の圧油はそのスプール50の摺動に大きな抵
抗にならず、言い換えれば、低速走行時の操舵は小さい
操作力で行なわれる。
また、そのコントロール・バルブ13におけるそのスプ
ール50が、第1図において、左側に摺動されるならば、
そのポンプ・ポート51がそのスプール溝64に、そのタン
ク・ポート52がそのスプール溝65にそれぞれ連絡され、
そのオイル・ポンプ12から吐き出された駆動圧油は、主
油圧通路19、若しくは、その補助油圧通路26を経てその
パワー・シリンダ11のシリンダ室44に送られ、そのピス
トン42が、第1図において、左側に摺動され、そのパワ
ー・シリンダ11のシリンダ室45内の圧油は、主油圧通路
21および戻り側油圧配管78を経てそのオイル・リザーバ
15に戻される。
その反力室57内の圧油は、前述の場合とは逆に、その
反力調整通路16を通り、その差圧調整弁17に極端に絞ら
れることなく、その反力室56に送られ、その反力室56内
の圧油はボア60、反力連通ポート62、スプール溝65、タ
ンク・ポート52、および戻り側油圧配管78を経てそのオ
イル・リザーバ15に戻される。
従って、前述の場合と同様に、その差圧調整弁17によ
る圧力降下が小さくなり、左右の反力室56,57内の圧力
差が小さくなって、その反力室57内の圧油はそのスプー
ル50の摺動に対して大きな抵抗にならず、操舵は小さな
操作力で行なわれる。
また、そのトラックが高速で走行されるのであるなら
ば、そのコントロール・ユニット30は、その車速センサ
31から信号を入力し、その入力信号に応じて演算し、予
め入力された差圧の理想値と比較し、出力電流を決定
し、その出力電流をその差圧調整弁17の電気アクチュエ
ータ74に流す。
従って、その電気アクチュエータ74がその出力電流で
駆動され、その差圧調整弁17において、そのスプールが
そのスプール・チャンバ内に摺動され、そのスプール・
チャンバ内の通路断面積が車速に適合されて狭くされ
る。
前述の低速走行の場合と同様に、そのコントロール・
バルブ13のスプール50が操舵によって、何れか一方に摺
動されれば、そのスプール50の摺動方向に応じて、その
圧油がそのパワー・シリンダ11のシリンダ室44,45の何
れか一方に送られ、そのピストン42が摺動され、また、
その圧油の一部は、その反力室56,57の何れか一方に送
られるが、その差圧調整弁17のスプール・チャンバ内の
通路断面積が狭くされるので、その差圧調整弁17による
圧力降下が大きくなり、左右の反力室56,57内の圧力差
が大きくなり、その結果、その反力室56,57の一方の圧
油は、そのスプール50の摺動に対して大きな抵抗にな
る。
そのようにして、高速走行時の操舵には比較的に大き
な操作力が要求され、走行安定性が向上される。
さらに、このトラックが据切りされる場合には、走行
速度が零であるので、その差圧調整弁17において、通路
断面積が最大に広げられ、その反力室56,57の相互の圧
力差が極めて小さくなり、その結果、その据切りは、極
めて小さな操作力で行なわれる。
勿論、上述した車速に対するそのパワー・ステアリン
グ10の動作は、前述のパワー・ステアリング10の補正動
作と同時的に行なわれる。
前述されたパワー・ステアリング10は、その主油圧通
路19,20,21および応答性補正油圧通路22,23が、その圧
油注入弁24,25でそのパワー・シリンダ11のシリンダ室4
4,45に切り替え接続され、そして、その逆止弁28,29を
備えるところのその補助油圧通路26,27が、その圧油注
入弁24,25をバイパスしてその主油圧通路19,20,21に接
続されたものとして説明されたが、その主油圧通路19,2
0,21および応答性補正油圧通路22,23が、それぞれその
パワー・シリンダ11のシリンダ室44,45に接続され、そ
の主油圧通路19,20,21にはそれぞれ2方向電磁弁が配置
され、また、その応答性補正油圧通路22,23には、それ
ぞれ2方向電磁圧油注入弁が配置され、そして、その逆
止弁28,29を備えたところのその補助油圧通路26,27がそ
のパワー・シリンダ11のオイル・ポート46,47とそのコ
ントロール・バルブ13のシリンダ・ポート53,54,55とに
接続され、それら2方向電磁弁および2方向電磁圧油注
入弁がそのコントロール・ユニット30で制御され、駆動
されてもかまわない。
また、前述されたパワー・ステアリング10は、そのト
ラックの前輪を操舵するものとして説明されたが、この
パワー・ステアリング10は、乗用車やバスにも適用可能
であり、さらには、それらの自動車において、後車軸が
ステア型に構成されるならば、そのパワー・ステアリン
グ10は後輪の操舵にも適用可能であり、その場合には、
前輪を操舵するパワー・ステアリングに対して、低速走
行では逆位相で同期され、また、高速走行では、同位相
で同期されるようにセットするのが望ましい。
さらに、前述のパワー・ステアリング10は、リンケー
ジ型に製作されたが、このパワー・ステアリング10は、
インテグラル型、セミ・インテグラル型などの種々の型
に製作可能である。
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特
定された具体例から明らかであるように、この発明の属
する技術の分野における通常の知識を有する者にとっ
て、この発明の内容は、その発明の性質(nature)およ
び本質(substance)に由来し、そして、それらを内在
させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化さ
れる。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応
し(be commensurate with)、そして、その発明の成
立に必須である。
発明の便益 上述から理解されるように、この発明の自動車に使用
されるパワー・ステアリングは、前輪を操舵するパワー
・シリンダと、供給側油圧配管および戻り側油圧配管で
オイル・ポンプの吐出し側および吸込み側に接続され、
また、一対の主油圧通路でそのパワー・シリンダに接続
されて操舵に応じてそのパワー・シリンダに給排される
駆動圧油を方向制御するコントロール・バルブと、その
供給側油圧配管に配置される圧力設定弁と、その主油圧
通路と、その供給側油圧配管のその圧力設定弁の上流側
に接続される応答性補正油圧通路とをそのパワー・シリ
ンダに切り替え接続する一対の圧油注入弁と、逆止弁を
有し、そして、その圧油注入弁をバイパスしてその主油
圧通路に接続される一対の補助油圧通路とを含み、そし
て、ハンドルの切り始めおよび戻し始めの際、その切り
始め側および戻し始め側になるその圧油注入弁が、その
主油圧通路を遮断してその応答性補正油圧通路をそのパ
ワー・シリンダに接続し、そして、その補助油圧通路を
経てそのコントロール・バルブからそのパワー・シリン
ダに駆動圧油を供給しながらその応答性補正油圧通路を
経てその圧力設定弁の上流側からそのパワー・シリンダ
に応答性補正圧油を注入するので、この発明の自動車に
使用されるパワー・ステアリングでは、その応答性補正
圧油が、圧油をそのオイル・ポンプの吸込み側に逃がす
通路を遮断した状態に置かれるそのパワー・シリンダの
シリンダ室に注入されることによってその注入された応
答性補正圧油が、そのパワー・シリンダからそのオイル
・リザーバに逃れることが阻止されてそのパワー・シリ
ンダがその応答性補正圧油によって効果的に駆動され、
ハンドル操作に対する応答の大きさ(ゲイン)および応
答の遅れ(位相)が小さくなり、そして、操舵力の変動
が抑制され、特に、ハンドルのニュートラル状態が鮮明
になり、そして、操縦安定性が向上され、その結果、自
動車にとって非常に有用で実用的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、トラックに適用されたこの発明の自動車に使
用されるパワー・ステアリングの具体例を示す概説図、
第2図は、第1図に示されたパワー・ステアリングの特
性図、および第3図は、通常(従来)のパワー・ステア
リングの特性図である。 11……パワー・シリンダ、12……オイル・ポンプ、13…
…コントロール・バルブ、14……フロー・コントロール
・バルブ、15……オイル・リザーバ、16……反力調整通
路、17……差圧調整弁、18……圧油設定弁、19,20,21…
…主油圧通路、22,23……応答性補正油圧通路、24,25…
…圧油注入弁、26,27……補助油圧通路、28,29……逆止
弁、30……コントロール・ユニット、31……車速セン
サ、32……操舵力センサ、77……供給側油圧配管、78…
…戻り側油圧配管。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪を操舵するパワー・シリンダと、 供給側油圧配管および戻り側油圧配管でオイル・ポンプ
    の吐出し側および吸込み側に接続され、また、一対の主
    油圧通路でそのパワー・シリンダに接続されて操舵に応
    じてそのパワー・シリンダに給排される駆動圧油を方向
    制御するコントロール・バルブと、 その供給側油圧配管に配置される圧力設定弁と、 その主油圧通路の途中に配置され、そして、そのコント
    ロール・バルブに連通する主油圧通路と、その供給側油
    圧配管のその圧力設定弁の上流側に接続される応答性補
    正油圧通路とをそのパワー・シリンダに切り替え接続す
    る一対の圧油注入弁と、 逆止弁を有し、そして、その圧油注入弁をバイパスして
    その主油圧通路に接続される一対の補助油圧通路とを含
    み、そして、 ハンドルの切り始め、また、戻し始めの際、その一対の
    圧油注入弁においてその切り始めに対応する圧油注入
    弁、また、その戻し始めに対応する圧油注入弁が、その
    主油圧通路を遮断してその応答性補正油圧通路をそのパ
    ワー・シリンダに接続し、そして、その補助油圧通路を
    経てそのコントロール・バルブからそのパワー・シリン
    ダに駆動圧油を供給しながらその応答性補正油圧通路を
    経てその圧力設定弁の上流側からそのパワー・シリンダ
    に応答性補正圧油を注入する ところの自動車に使用されるパワー・ステアリング。
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