JP2516411B2 - 自動車に使用されるパワ―・ステアリング・システム - Google Patents

自動車に使用されるパワ―・ステアリング・システム

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JP2516411B2
JP2516411B2 JP63253096A JP25309688A JP2516411B2 JP 2516411 B2 JP2516411 B2 JP 2516411B2 JP 63253096 A JP63253096 A JP 63253096A JP 25309688 A JP25309688 A JP 25309688A JP 2516411 B2 JP2516411 B2 JP 2516411B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、車速感応特性および負荷感応特性を備
え、さらに、応答性を改善する、所謂、応答遅れ補正特
性を備えるところの自動車に使用されるパワー・ステア
リング・システムに関する。
背景技術 一般に、自動車では、パワー・ステアリングが備えら
れ、ドライバの操舵力を補ってきているが、そのパワー
・ステアリングは、自動車の据切り時には重すぎ、ま
た、自動車の走行時には軽すぎる傾向にあり、特に、車
速が大きくなる程、操舵力が軽くなり、そして、応答遅
れが増加され、自動車の高速走行時の操縦安定性の許容
度が減少される傾向にあった。すなわち、通常のパワー
・ステアリングは、操舵力に関するのみで、応答遅れに
ついて配慮されないのが現状である。
発明の目的・課題 この発明の目的・課題は、操舵力を負荷に適合させ、
そして、応答遅れを改善するところの自動車に使用され
るパワー・ステアリング・システムの提供にある。
この発明の他の目的・課題は、操舵力を負荷に適合さ
せ、そして、応答遅れを改善し、加えて、操舵力を車速
に適合させ、据切り時や低速走行時には、操舵を軽く
し、また、高速走行時には、操舵を重くするところの自
動車に使用されるパワー・ステアリング・システムの提
供にある。
目的・課題に係る構成上の発明の概要:請求する発明の
内容 上述の目的・課題に関連して、この発明の自動車に使
用されるパワー・ステアリング・システムは、先ず、圧
油が、自動車の操舵方向に関連して、油圧反力型コント
ロール・バルブで方向制御されてオイル・ポンプからメ
イン・ブースタの一対のシリンダ室に選択的に供給さ
れ、同時に、そのメイン・ブースタの一対のシリンダ室
からオイル・リザーバに選択的に戻され、また同時的
に、その油圧反力型コントロール・バルブの一対の反力
室に選択的に供給され、負荷相当圧油が、その自動車の
走行速度および操舵方向に関連して、ロード・センシン
グ・バルブを動作させてそのメイン・ブースタの一対の
シリンダ室からそのサブ・ブースタの一対のシリンダ室
に流れる圧油をそのロード・センシング・バルブに方向
制御させ、そして、応答補正圧油が、その自動車の高速
走行および操舵方向に関連して、圧油注入弁で方向制御
されてそのサブ・ブースタの一対のシリンダ室および油
圧反力型コントロール・バルブの一対の反力室に互いに
逆に対応されて同時的に注入されるところに構成され、
そのロード・センシング・バルブがその負荷相当圧油で
ハンドル切り換え動作されて、そのメイン・ブースタの
一対のシリンダ室からそのサブ・ブースタの一対のシリ
ンダ室に圧油を連動的に供給し、そのサブ・ブースタを
そのメイン・ブースタに連動的に動作させて操舵力を負
荷に適合させ、同時的に、その圧油注入弁で方向制御さ
れて注入されるところのその応答補正圧油が、そのサブ
・ブースタおよび油圧反力型コントロール・バルブを互
いに逆の関係で動作させて応答遅れを小さくすると同時
に、操舵力の低下を抑制するところにあり、また、この
発明の自動車に使用されるパワー・ステアリング・シス
テムは、上述の構成にあって、反力圧油が、その自動車
の走行速度に関連して差圧調整弁で調整されてその油圧
反力型コントロール・バルブの一対の反力室間に流れる
ところの構成を備え、その反力室間に流れるところのそ
の反力圧油が、その自動車の走行速度に応じてその差圧
調整弁で絞り調整されて操舵力をその走行速度、所謂、
車速に適合させるところにある。
具体例の説明 以下、この発明に係る自動車に使用されるパワー・ス
テアリング・システムの特定された具体例について、図
面を参照して説明する。
図は、トラックに適用されたこの発明の自動車に使用
されるパワー・ステアリング・システムの具体例10を概
略的に示している。
このパワー・ステアリング・システム10は、一対の前
輪(図示せず)を操舵するところのリンケージ型に製作
され、メイン・ブースタ11、サブ・ブースタ12、オイル
・ポンプ13、油圧反力型コントロール・バルブ14、フロ
ー・コントロール・バルブ15、オイル・リザーバ16、圧
油設定弁17、差圧調整弁18、ロード・センシング・バル
ブ19、一対の圧油注入弁20,21、コントロール・ユニッ
ト22、車速センサ23、および操舵力センサ24を含み、ま
たさらには、ステアリング・ホイール(図示せず)、ス
テアリング・シャフト(図示せず)、ギア・ボックス
(図示せず)、ピットマン・アーム(図示せず)、コン
ペンセーティング・ロッド(図示せず)、リンク・レバ
ー(図示せず)、ドラック・リンク(図示せず)、およ
びナックル・アーム(図示せず)を含んで構成され、そ
のロード・センシング・バルブ19が、そのトラックの走
行速度および操舵方向に関連されてあって、そのメイン
・ブースタ11の一対のシリンダ室34,35内の圧油である
ところの負荷相当圧油でバルブ切り換え動作され、圧油
が、そのメイン・ブースタ11の一対のシリンダ室34,35
からそのサブ・ブースタ12の一対のシリンダ室44,45
に、また、その逆に方向制御され、負荷に応じて、その
サブ・ブースタ12がそのメイン・ブースタ11に連動的に
動作されて負荷に適合された操舵力が得られるように、
また、同時的に、そのコントロール・ユニット22が、そ
の車速センサ23および操舵力センサ24から信号を入力し
てその差圧調整弁18および圧油注入弁20,21に流れる電
流を制御し、その差圧調整弁18が、その油圧反力型コン
トロール・バルブ14の一対の反力室間に流れる反力圧油
を調整して車速に適合された油圧反力、すなわち、操舵
力が得られ、そして、その圧油注入弁20,21が、そのト
ラックの高速走行および操舵方向に関連して、応答補正
圧油をそのサブ・ブースタ12の一対のシリンダ室44,45
に選択的に注入してそのサブ・ブースタ12が駆動され、
そして、応答遅れが小さくされるように、同時にまた、
そのサブ・ブースタ12の一対のシリンダ室44,45に逆に
対応されたその油圧反力型コントロール・バルブ14の一
対の反力室58,59にその応答補正圧油を選択的に注入し
てその油圧反力型コントロール・バルブ14が駆動され、
そして、操舵力の低下が抑制されるように動作する。
そのように、このパワー・ステアリング・システム10
は、リンク機構の部分と油圧回路の部分とより構成され
てあるので、その油圧回路の部分について、詳述する。
そのメイン・ブースタ11は、内部にシリンダ・ボア31
を形成したシリンダ・ボディ30と、そのシリンダ・ボア
31内に往復摺動可能に嵌め合わせられてそのシリンダ・
ボア31内に一対のシリンダ室34,35を区画するピストン3
2と、そのピストン32に固定され、そのシリンダ・ボデ
ィ30の両端において、外側に両端側を対応させて出し入
れ可能に伸長しているピストン・ロッド33とより構成さ
れ、そのシリンダ・ボディ30をそのリンク・レバーに、
そのピストン・ロッド33をシャシ・フレーム(図示せ
ず)にそれぞれ回転可能に連結してある。
そのシリンダ・ボディ30は、そのシリンダ室34,35に
対応してそのシリンダ・ボア31に開口されたオイル・ポ
ート36,37およびシリンダ・インターロック・ポート38,
39を備え、また、その油圧反力型コントロール・バルブ
14、圧油設定弁17、差圧調整弁18、ロード・センシング
・バルブ19、および圧油注入弁20,21を組み付け、外部
配管が省かれるように製作されてある。
さらに、そのシリンダ・ボディ30は、そのオイル・ポ
ート36,37をその油圧反力型コントロール・バルブ14の
シリンダ・ポート53,54,55に連絡させる主油圧通路102,
103,104と、そのシリンダ・インターロック・ポート38,
39をそのロード・センシング・バルブ19の圧力ポート8
4,85に連絡させるシリンダ・インターロック油圧通路10
7,108と、油圧リード通路110,111と、そのサブ・ブース
タ12のオイル・ポート46,47をそのロード・センシング
・バルブ19の出力ポート87,88に連絡させる補助油圧通
路105,106と、圧油注入通路112とを備えている。
そのように構成されたこのメイン・ブースタ11では、
そのピストン32の動きが、そのシリンダ・ボディ30およ
びピストン・ロッド33の動きになって、そのリンク・レ
バー、ドラック・リンク、およびナックル・アームを経
て、前車軸(図示せず)の両端に揺動可能に連結された
一対の前輪軸(図示せず)に伝達され、そのようにし
て、このメイン・ブースタ11は、その前輪軸に回転可能
に支持されたその一対の前輪を操舵する。
そのサブ・ブースタ12は、内部にシリンダ・ボア41を
形成したシリンダ・ボディ40と、そのシリンダ・ボア41
内に往復摺動可能に嵌め合わせられてそのシリンダ・ボ
ア41内に一対のシリンダ室44,45を区画するピストン42
と、そのピストン42に固定され、そのシリンダ・ボディ
40の両端において、外側に両端側を対応させて出し入れ
可能に伸長しているピストン・ロッド43とより構成さ
れ、そのシリンダ・ボディ40をそのシャシ・フレーム
に、そのピストン・ロッド43をそのナックル・アームに
それぞれ回転可能に連結してある。
このサブ・ブースタ12は、そのメイン・ブースタ11か
ら分離された構造に製作され、その前輪側に非常に近い
箇所に配置されたので、応答遅れが効果的に縮小され
た。
そのようにして、そのサブ・ブースタ12は、そのメイ
ン・ブースタ11が伸び動作する際に、縮み動作するよう
に、そして、そのメイン・ブースタ11が縮み動作する際
に、伸び動作するように、そのシリンダ・ボディ40をそ
のシャシ・フレームに、そのピストン・ロッド43をその
ナックル・アームにそれぞれ回転可能に連結させてある
ので、このサブ・ブースタ12の一対のシリンダ室44,45
は、そのメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35とその
油圧反力型コントロール・バルブ14の一対の反力室58,5
9との対応関係から見て、互いに逆に対応されてその油
圧反力型コントロール・バルブ14の一対の反力室58,59
に接続されている。
すなわち、このパワー・ステアリング・システム10で
は、そのメイン・ブースタ11の一対のシリンダ室34,35
は、その油圧反力型コントロール・バルブの一対の反力
室58,59に互いに順に対応されてあり、一方、そのサブ
・ブースタ12の一対のシリンダ室44,45は、その油圧反
力型コントロール・バルブ14の一対の反力室58,59に互
いに逆に対応されてある。
また、そのサブ・ブースタ12は、そのメイン・ブース
タ11に別置型に製作されたが、そのメイン・ブースタ11
に抱き合わせたツイン・シリンダ構造に製作されてもよ
い。勿論、そのような構造に製作され、そして、その前
輪側に非常に近い箇所に配置されるところのこのサブ・
ブースタ12は、後に詳述される動作説明から理解される
ように、ステアリング・ダンパとしても機能する。
そのシリンダ・ボディ40は、そのシリンダ室44,45に
対応してそのシリンダ・ボア41に開口されたオイル・ポ
ート46,47を備えそのオイル・ポート46,47がその補助油
圧通路105,106でそのロード・センシング・バルブ19の
出力ポート87,88に対応して接続されてある。勿論、そ
の補助油圧通路105,106は、一部分が配管からそれぞれ
構成され、その配管がそのオイル・ポート46,47に接続
されてある。
そのオイル・ポンプ13は、そのトラックに搭載された
ディーゼル・エンジン(図示せず)によって駆動され、
そのメイン・ブースタ11およびサブ・ブースタ12に圧油
を供給するために、その油圧反力型コントロール・バル
ブ14のポンプ・ポート51にそのオイル・リザーバ16を接
続するところのその油圧回路の供給側油圧配管100に配
置され、そのオイル・リザーバ16内の油を汲み上げ、加
圧し、そのディーゼル・エンジンの回転数にほぼ比例し
た圧油の吐出量が得られるようにしている。勿論、その
オイル・ポンプ13は、既存のパワー・ステアリングに使
用されるオイル・ポンプであるので、それの構造につい
ては説明を省略する。
その油圧反力型コントロール・バルブ14は、一対の反
力室58,59を備えたスプール・バルブに構成されてその
メイン・ブースタ11のシリンダ・ボディ30に組み込ま
れ、スプール・シャフト120をそのコンペンセーティン
グ・ロッドに連結し、そのピットマン・アーム、ステア
リング・ギア・ボックス、およびステアリング・シャフ
トを介して、そのステアリング・ホイールでバルブ切り
換え操作され、また、その油圧回路においては、そのメ
イン・ブースタ11にそのオイル・ポンプ13およびオイル
・リザーバ16を接続する配管、すなわち、供給側油圧配
管100、戻り側油圧配管101、および主油圧通路102,103,
104に配置され、そのオイル・ポンプ13から吐き出され
た圧油を方向制御し、そのメイン・ブースタ11に供給
し、また、そのメイン・ブースタ11で作業した圧油を方
向制御し、そのオイル・ポンプ13の吸込み側であるその
オイル・リザーバ16にその圧油を戻す。
その油圧反力型コントロール・バルブ14は、バルブ・
ボディ48と、そのバルブ・ボディ48のバルブ・ボア49に
往復摺動可能に配置されたスプール50とを含み、そのス
プール50が、そのスプール・シャフト120、コンペンセ
ーティング・ロッド、ピットマン・アーム、ステアリン
グ・ギア・ボックス、およびステアリング・シャフトを
介してそのステアリング・ホイールでそのバルブ・ボア
49内に往復摺動され、そのメイン・ブースタ11の一対の
シリンダ室34,35に流れる圧油を切り換え、その切換え
動作に伴って、そのシリンダ室34,35からそのオイル・
リザーバ16にその戻り側油圧配管101を経て戻される圧
油を方向制御する。
そのバルブ・ボディ48は、所定の内径および長さを有
するバルブ・ボア49を内部に形成し、また、一方の側
(図において、上方の側)に所定の間隔を置いてそのバ
ルブ・ボア49に連絡されたポンプ・ポート51およびタン
ク・ポート52を形成し、他方の側(図において、下方の
側)にほぼ等間隔で離され、そのバルブ・ボア49に連絡
された3つのシリンダ・ポート53,54,55を形成してい
る。
そのポンプ・ポート51は、供給側油圧配管100を介し
て、そのオイル・ポンプ13の吐出側に接続され、また、
そのタンク・ポート52は、その戻り側油圧配管101を介
して、そのオイル・リザーバ16に接続され、さらに、そ
のシリンダ・ポート53,54,55は、主油圧通路102,103,10
4を介してそのメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35に
接続されている。
そのポンプ・ポート51およびタンク・ポート52は、ま
た、そのバルブ・ボア49の内周面において開口をリング
溝56,57にそれぞれ形成してある。
さらに、そのバルブ・ボディ48は、その反力室58,59
に対応して、そのバルブ・ボア49の両端に開口された一
対の圧油注入ポート60,61を形成している。勿論、それ
ら圧油注入ポート60,61は、後に詳述される差圧調整弁1
8でその反力室58,59間の圧力差、所謂、差圧が調整され
る際の反力ポートとして機能する。
そのスプール50は、両端面に開口されたボア62,63を
備え、そのバルブ・ボア49に往復摺動可能に配置され、
そのように、そのバルブ・ボア49に嵌め合わせられた状
態で、そのボア62,63は、そのバルブ・ボア49内におい
て、そのスプール50の両側に形成された一対の反力室5
8,59の容積を大きくする。
また、このスプール50は、そのバルブ・ボア49内に往
復摺動する際、自身の摺動方向に応じて、その反力室5
8,59の何れか一方に圧油を供給する一対の反力連通ポー
ト64,65を備えている。
特に、そのスプール50は、その反力連通ポート64,65
に関して、軸方向に所定の間隔を置いたスプール溝66,6
7,68を外周面に形成している。
勿論、そのスプール溝67,68には、その反力室58,59に
連通した反力連通ポート64,65が対応して開口されてあ
り、その結果、その反力連通ポート64,65は、そのスプ
ール50の動きに伴われたバルブ・ボア49内におけるその
スプール溝67,68の位置によって、そのシリンダ・ポー
ト54,55をその反力室58,59に連絡し、また、そのスプー
ル溝66は、そのポンプ・ポート51をそのシリンダ・ポー
ト53に連絡する。
さらに、そのスプール50は、ステアリング操作に応動
して、そのバルブ・ボア49内に往復摺動されるように、
そのバルブ・ボディ48を貫通して、そのバルブ・ボア49
内に伸長されたスプール・シャフト120の先端にスプー
ルのほぼ中央(スプール・センタ)を連結している。勿
論、そのスプール・シャフト120は、後端をそのコンペ
ンセーティング・ロッドに連結してある。
そのフロー・コントロール・バルブ15は、その油圧回
路において、そのオイル・ポンプ13およびオイル・リザ
ーバ16にその油圧反力型コントロール・バルブ14を接続
する油圧配管、すなわち、供給側油圧配管100および戻
り側油圧配管101に配置されている。
そのフロー・コントロール・バルブ15は、そのオイル
・ポンプ13の吐出側に接続されるポンプ・ポート70、そ
の油圧反力型コントロール・バルブ14のポンプ・ポート
51側に接続されるコントロール・バルブ・ポート71、お
よびそのオイル・ポンプ13の吸込み側に接続されるリタ
ーン・ポート72を備えたケーシング69と、そのケーシン
グ69内に往復摺動可能に配置されたオイル・リターン・
コントロール・スプール(図示せず)とを含む構成で、
そのポンプ・ポート70側に送られる圧油の流量を調整し
て、所定の流量をそのコントロール・バルブ・ポート71
側に送り、また、その圧油の余剰流量をそのリターン・
ポート72からそのオイル・リザーバ16にコントロール・
バルブ・バイパス119を経て戻すようにしている。
勿論、そのフロー・コントロール・バルブ15は、既存
のパワー・ステアリングに使用されるフロー・コントロ
ール・バルブと同様な構造に製作されたもので、その構
造の詳細な説明は省略する。
その圧油設定弁17は、その油圧反力型コントロール・
バルブ14とそのフロー・コントロール・バルブ15その間
で、その供給側油圧配管100に配置され、上流側におい
て、その供給側油圧配管100内に流れる圧油の圧力を所
定の値以上に保ち、その上流側におけるその供給側油圧
配管100から高い圧力の圧油、すなわち、応答補正圧油
が取り出せるようにしている。勿論、この圧油設定弁17
は、絞りに置き換え可能である。
その差圧調整弁18は、その圧油注入通路112が、その
圧油設定弁17の上流側において、その供給側油圧配管10
0に接続された配管113と、その油圧反力型コントロール
・バルブ14の反力室58,59の圧油注入ポート60,61に連絡
されてそのメイン・ブースタ11のシリンダ・ボディ30に
形成された一対の分岐通路114,115とよりなり、その分
岐通路114,115に絞り116,117をそれぞれ配置して構成さ
れ、また、反力調整通路118がその分岐通路114,115を互
いに連絡させてそのメイン・ブースタ11のシリンダ・ボ
ディ30に形成されてあるので、その反力調整通路118に
配置され、そして、そのトラックの走行速度、すなわ
ち、車速に関連してその反力室58,59間に流れる圧油量
を調整し、それら反力室58,59間の圧力差、所謂、差圧
を調整する。
その差圧調整弁18は、バルブ・ボア(図示せず)、お
よび、そのバルブ・ボアに連絡された一対のポート74,7
5を備えるバルブ・ボディ73と、そのバルブ・ボア内に
往復摺動可能に配置され、その往復摺動に応じてそのバ
ルブ・ボアに開口された通路の開口面積を変えるスプー
ル(図示せず)とより構成されている。
従って、そのスプールの往復摺動に応じて、そのポー
ト74,75間を流れる圧油の流量が調整され、換言するな
らば、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室
58,59間の差圧の調整がなされる。
勿論、その差圧調整弁18は、その一対のポート74,75
間を流れる圧油の流量を調整し得るものであれば、形態
は任意であり、例えば、ロータリ型に構成することも可
能である。
その差圧調整弁18は、電気アクチュエータ76によって
開閉される。すなわち、その電気アクチュエータ76は、
サーボ・モータで、その差圧調整弁18のスプールを往復
摺動させ、そのバルブ・ボアに開口されたその通路の開
口面積を変えるように、そのスプールに連結されてい
る。
勿論、その電気アクチュエータ76は、後に詳述される
コントロール・ユニット22に電気的に接続され、そのコ
ントロール・ユニット22からの出力電流によってそのス
プールを往復摺動させるものであれば、その形態は任意
であり、例えば、ステッピング・モータや電磁コイルを
その電気アクチュエータ76として使用することも可能で
ある。
そのロード・センシング・バルブ19は、そのメイン・
ブースタ11とそのサブ・ブースタ12との間で、そのメイ
ン・ブースタ11およびサブ・ブースタ12にそのシリンダ
・インターロック油圧通路107,108および補助油圧通路1
05,106で接続され、そのトラックの走行速度および操舵
方向に関連され、換言するならば、そのトラックの負荷
および操舵方向に相当するそのメイン・ブースタ11の圧
油の大きさおよび方向に応じてバルブ切り換動作され、
そのメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35からそのサ
ブ・ブースタ12のシリンダ室44,45に圧油を方向制御
し、同時的に、補助戻り油圧配管109を経てそのサブ・
ブースタ12のシリンダ室44,45からそのオイル・リザー
バ16に圧油を方向制御する。
そのロード・センシング・バルブ19は、図から理解さ
れるように、内部にバルブ・ボア78および一対のロード
・センシング室80,81を形成したバルブ・ボディ77と、
そのバルブ・ボア78に往復摺動可能に嵌め合わせられた
スプール79と、一対の圧力設定スプリング82,83とを含
んだ構造に製作された。
そのバルブ・ボディ77は、内部にそのバルブ・ボア78
およびそのバルブ・ボア78の両端に連絡されたその一対
のロード・センシング室80,81を形成し、所定の位置に
おいて、そのバルブ・ボア78に開口された一対の圧力ポ
ート84,85、排出ポート86、および一対の出力ポート87,
88を備え、さらに、そのロード・センシング室80,81に
開口された一対の圧力リード・ポート89,90を備えてい
る。
そして、このバルブ・ボディ77は、そのシリンダ・イ
ンターロック油圧通路107,108でその圧力ポート84,85を
そのメイン・ブースタ11のシリンダ・インターロック・
ポート38,39に接続し、また、その補助油圧通路105、10
6でその出力ポート87,88をそのサブ・ブースタ12のオイ
ル・ポート46,47に接続し、さらに、その補助戻り油圧
配管109でその排出ポート86をそのオイル・リザーバ16
に接続してある。
特に、このバルブ・ボディ77では、その圧力リード・
ポート89,90が、その油圧リード通路110,111でそのシリ
ンダ・インターロック油圧通路107,108に接続されて、
そのロード・センシング室80,81がそのメイン・ブース
タ11のシリンダ室34,35に対応して接続され、負荷相当
圧油であるところのそのメイン・ブースタ11のシリンダ
室34,35の圧油が、その対応したロード・センシング室8
0,81に導かれるようにしてある。
従って、そのスプール79が、そのメイン・ブースタ11
のシリンダ室34,35からそのロード・センシング室80,81
に導かれた圧油であるところのその負荷相当圧油でその
バルブ・ボア78に摺動されるに応じて、このロード・セ
ンシング・バルブ19は、そのサブ・ブースタ12のシリン
ダ室44,45をそのメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35
にインターロックさせ、そのメイン・ブースタ11からそ
のサブ・ブースタ12にその圧油を連動的に供給し、同時
に、そのサブ・ブースタ12からそのオイル・リザーバ16
にその圧油を戻すところにバルブ切り換え動作する。
そのスプール79は、両端面を受圧面91,92になし、そ
のロード・センシング室80,81の油圧をその対応された
受圧面91,92に受けるようにして、そのバルブ・ボア78
に往復摺動可能に嵌め合わせられてある。
そのスプール79は、また、自身の動きに応じて、その
圧力ポート84,85をその出力ポート87,88に切り換え接続
し、同時に、その出力ポート87,88をその排出ポート86
に切り換え接続するランド93,94,95を外周面に所定の間
隔で形成している。
その一対の圧力設定スプリング82,83は、コイル・ス
プリングからなり、そのロード・センシング室80,81に
配置され、そのスプール79の両端面、すなわち、その受
圧面91,92を押している。
特に、その圧力設定スプリング82,83は、スプリング
・シート96,97をそれぞれ介在させてそのスプール79の
受圧面91,92に押し、そのスプール79のニュートラル・
スプリングとしても機能している。勿論、そのスプリン
グ・シート96,97は穴明けされ、そのロード・センシン
グ室80,81内の圧油をそのスプール79の受圧面91,92に作
用させるようにしている。
その一対の圧油注入弁20,21は、2位置4方向電磁弁
に製作され、その対応する補助油圧通路105,106および
圧油注入通路112の分岐通路114,115に配置され、そし
て、そのトラックの高速走行および操舵方向に関連して
開閉され、応答補正圧油をそのサブ・ブースタ12の一対
のシリンダ室44,45および油圧反力型コントロール・バ
ルブ14の一対の反力室58,59に互いに逆に対応させて同
時的に注入する。
特に、その圧油注入弁20,21は、その絞り116,117の上
流側においてその分岐通路114,115に配置されてある。
それら圧油注入弁20,21は、ソレノイド・コイル98,99
をそのコントロール・ユニット22の出力回路に電気的に
接続し、そのコントロール・ユニット22で決定された電
流、所謂、そのコントロール・ユニット22で制御された
電流で動作され、その供給側油圧配管100のその圧油設
定弁17の上流側に流れる高い圧力の圧油であるところの
その応答補正圧油をそのサブ・ブースタ12のシリンダ室
44,45および油圧反力型コントロール・バルブ14の反力
室58,59に操舵方向に関連して互いに逆に対応され、そ
して、同時的に注入し、そのようにして、操舵に対する
応答遅れを小さくさせると同時に、操舵力の低下を抑制
させる。
すなわち、その圧油注入弁20,21は、図示の状態にあ
る時には、所謂、電流がそのコントロール・ユニット22
で制御され、その電流がそのソレノイド・コイル98,99
に流れない時には、換言するならば、その電流が零であ
る時には、その補助油圧通路105,106を生かすと同時
に、その圧油注入通路112を殺し、そして、そのコント
ロール・ユニット22で制御された電流が流れる時には、
その電流が流れる間、その圧油注入通路112の分岐通路1
14,115を選択的に生かすと同時に、その補助油圧通路10
5,106のそのロード・センシング・バルブ19側を選択的
に殺して、その補助油圧通路105,106のそのサブ・ブー
スタ12側をその圧油注入通路112の分岐通路114,115に選
択的に接続させ、そのサブ・ブースタ12のシリンダ室4
4,45および油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室
58,59に選択的に、かつ、直接的に注入されるところの
その応答補正圧油の時期および量を制御し、操舵に対す
る応答遅れを小さくし、同時に、操舵力の低下を抑制す
るところに制御する。
そのコントロール・ユニット22は、入力側をその車速
センサ23および操舵力センサ24にそれぞれ電気的に接続
し、また、出力側をその差圧調整弁18の電気アクチュエ
ータ76および圧油注入弁20,21のソレノイド・コイル98,
99にそれぞれ電気的に接続し、それらセンサ23,24から
の信号に応じて、その電気アクチュエータ76およびソレ
ノイド・コイル98,99に流れる電流を制御する。
すなわち、このコントロール・ユニット22は、その車
速センサ23および操舵力センサ24からの信号に応じてそ
の差圧調整弁18の電気アクチュエータ76に流れる電流を
制御してそのスプールをそのバルブ・ボア内に摺動さ
せ、そのバルブ・ボアに開口された通路の断面積を変
え、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室5
8,59には、車速に応じた油圧反力を発生させ、そのよう
にして、そのトラックの走行速度、所謂、車速に応じた
操舵力がその油圧反力型コントロール・バルブ14で得ら
れ、また、その操舵力センサ24からの信号に応じてその
圧油注入弁20,21のソレノイド・コイル98,99に流れる電
流を制御し、その圧油注入弁20,21を選択的にバルブ切
り換え動作させ、その応答補正圧油をそのサブ・ブース
タ12のシリンダ室44,45および油圧反力型コントロール
・バルブ14の反力室58,59に選択的に注入し、そのサブ
・ブースタ12および油圧反力型コントロール・バルブ14
の動作遅れを抑制させ、所謂、そのパワー・ステアリン
グ・システム10に応答遅れおよび操舵力の低下を回避さ
せるように、その差圧調整弁18および圧油注入弁20,21
を制御するところに構成されてある。勿論、このコント
ロール・ユニット22は、入力および出力回路、記憶回
路、演算回路、制御回路、および電源回路より構成さ
れ、その電源回路は、また、そのトラックのバッテリ
(図示せず)を共用している。
特に、このコントロール・ユニット22は、そのトラッ
クに関連して、車速に対応したシリンダ圧の最適値がそ
のメイン・ブースタ11に発生されるように、その油圧反
力型コントロール・バルブ14の反力室58,59間の差圧の
理想値を予め入力してあり、その車速センサ23から入力
された信号に基づいて演算し、その演算値とその最適値
とを比較し、その差圧調整弁18に流れる出力電流を制御
し、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室5
8,59間の差圧が予め入力された理想値に一致するよう
に、その差圧調整弁18の通路断面積を調節して、その車
速にこのパワー・ステアリング10を対応させる。
また、このコントロール・ユニット22は、操舵力の大
きさ、方向、および変化速さなどに応じて、そのサブ・
ブースタ12のシリンダ室44,45および油圧反力型コント
ロール・バルブ14の反力室58,59にその応答補正圧油を
注入する際の、その応答補正圧油の注入開始および注入
時間に相当するところのその圧油注入弁20,21の通電開
始および通電時間をハンドル切込みおよびハンドル戻し
の場合に応じて決定する。
そして、そのハンドル切込みの場合には、操舵力が零
からある所定の値になり、そして、その操舵力の時間的
変化、所謂、その操舵力の微分値がある所定の値に達す
ると、そのコントロール・ユニット22は、その圧油注入
弁20,21に出力電流を選択的に流し始め、また、その操
舵力が他の所定の値に達すると、若しくは、その操舵力
の微分値が負になると、そのコントロール・ユニット22
は、その圧油注入弁20,21に流れるその出力電流を切
り、そのようにして、その圧油注入弁20,21の通電開始
および通電時間を決定する。
一方、ハンドル戻しの場合には、その操舵力がある所
定の値、例えば、その操舵力の微分値が零になると、そ
のコントロール・ユニット22は、その圧油注入弁20,21
に出力電流を選択的に流し始め、また、その操舵力が他
の所定の値に達し、そして、その操舵力の微分値が、負
になると、その圧油注入弁20,21に流れるその出力電流
を切り、そのようにして、その圧油注入弁20,21の通電
開始および通電時間を決定する。
そのように、そのコントロール・ユニット22でそのハ
ンドル切込みおよびハンドル戻しに応じて、その圧油注
入弁20,21の通電開始および通電時間が決定され、その
コントロール・ユニット22が、その決定された通電開始
時期にその出力電流をその圧油注入弁20,21に選択的に
流し始め、そして、その決定された通電時間だけ、その
出力電流をその圧油注入弁20,21に選択的に流し、その
圧油注入弁20,21を選択的に動作し、その応答補正圧油
をそのサブ・ブースタ12のシリンダ室44,45および油圧
反力型コントロール・バルブ14の反力室58,59に選択的
に注入させ、そのハンドル操作に対するこのパワー・ス
テアリング・システム10の応答遅れを小さくし、操縦安
定性を向上させ、また、このパワー・ステアリング・シ
ステム10の操舵力の変動を抑制し、ハンドルのニュート
ラル状態を鮮明にさせる。
そのようにして、そのコントロール・ユニット22は、
このパワー・ステアリング・システム10において、車速
および操舵に適合された操舵力が得られ、ステアリング
・ホイールのニュートラル状態が安定され、そして、応
答性が補正されるように制御する。
その車速センサ23は、そのトラックの走行速度を検出
するもので、そのトラックに搭載されたトランスミッシ
ョン(図示せず)の出力軸に配置されてある。
その操舵力センサ24は、そのステアリング・ホイール
に加えられる操舵力の大きさおよび方向を検出するもの
で、そのステアリング・ホイールに組み込まれてある。
勿論、この操舵力センサ24は、そのステアリング・シャ
フトに配置されてもよい。
また、その車速センサ23および操舵力センサ24は、そ
のコントロール・ユニット22の入力回路にそれぞれ電気
的に接続され、そして、そのコントロール・ユニット22
の出力回路は、その差圧調整弁18の電気アクチュエータ
76および圧油注入弁20,21のソレノイド・コイル98,99に
電気的に接続されてある。
従って、その差圧調整弁18および圧油注入弁20,21は
その車速センサ23および操舵力センサ24から入力される
信号に応じて、そのコントロール・ユニット22によっ
て、通路断面積が変えられたり、また、通電開始および
通電時間が決められて選択的に動作される。
次に、上述されたパワー・ステアリング・システム10
の動作をそのトラックの走行状態に関連して説明する
に、そのディーゼル・エンジンが運転されているので、
そのオイル・ポンプ13が駆動され、そのオイル・ポンプ
13から吐き出された圧油は、そのフロー・コントロール
・バルブ15で流量調整され、そして、その圧油設定弁17
で設定圧に保たれ、その供給側油圧配管100に流れて、
その油圧反力型コントロール・バルブ14のポンプ・ポー
ト51に送られる。
そして、そのポンプ・ポート51に送られた圧油は、図
に示されるように、そのスプール50がニュートラル位置
に置かれると、その戻り側油圧配管101を経てそのタン
ク・ポート52からそのオイル・リザーバ16に戻される。
また、同時に、そのコントロール・ユニット22は、そ
の車速センサ23および操舵力センサ24から信号を入力
し、その差圧調整弁18の電気アクチュエータ76に流れる
出力電流を制御し、車速に応じてその油圧反力型コント
ロール・バルブ14の反力室58,59間の差圧を調節してそ
の車速に適合した油圧反力を得る態勢にあり、そして、
その圧油注入弁20,21に選択的に流す出力電流を決定
し、具体的には、その出力電流の通電開始時期および通
電時間を決定し、操舵に応じて、所謂、操舵力の大き
さ、方向、および変化速さに応じてそのサブ・ブースタ
12のシリンダ室44,45および油圧反力型コントロール・
バルブ14の反力室58,59にその応答補正圧油を選択的に
注入し、換言するならば、ハンドル切込みの場合には、
切込み方向において、その応答補正圧油をそのサブ・ブ
ースタ12に、そして、逆切込み方向において、その応答
補正圧油をその油圧反力型コントロール・バルブ14にそ
れぞれ加え、また、ハンドル戻しの場合には、戻し方向
において、その応答補正圧油をそのサブ・ブースタ12
に、そして、逆戻し方向において、その応答補正圧油を
その油圧反力型コントロール・バルブ14にそれぞれ加
え、操舵に対する応答遅れを小さくさせ、同時に、操舵
力の低下を抑制させる態勢にある。
そこで、そのトラックが操舵されながら高速走行する
際の、このパワー・ステアリング・システム10の応答遅
れの補正動作、および、操舵力の低下の抑制動作につい
て述べる。
先ず、そのステアリング・ホイールが、ニュートラル
状態から右に切り込み始められると、その右切りの操舵
力の大きさ、方向、および変化速さが、その操舵力セン
サ24で感知され、それが、その操舵力センサ24で電気信
号に変換されてそのコントロール・ユニット22に与えら
れるので、そのコントロール・ユニット22は、その電気
信号に応じて演算し、所謂、操舵力が所定の値になり、
その操舵力の微分値が所定の値に達したことを条件に、
その圧油注入弁20に流れる電流の通電開始時期を決定
し、その決定された電流をその圧油注入弁20のソレノイ
ド・コイル98に流し、その圧油注入弁20を動作させる。
従って、その圧油注入弁20が、その分岐通路114を生
かすと同時に、その補助油圧通路105のそのロード・セ
ンシング・バルブ19側を殺して、その補助油圧通路105
のそのサブ・ブースタ12側をその分岐通路114に連絡さ
せるので、高圧の応答補正圧油は、その圧油設定弁17の
上流側のその供給側油圧配管100からその圧油注入通路1
12および補助油圧通路105に流れてそのサブ・ブースタ1
2のシリンダ室44に注入され、同時に、その供給側油圧
配管100からその圧油注入通路112および分岐通路114に
流れてその油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室
58に注入され、しかも、その応答補正圧油が圧力をその
圧油のそれよりも高く保たせてあるので、そのサブ・ブ
ースタ12では、そのピストン42が、図において、そのシ
リンダ・ボディ40のシリンダ・ボア41内に左側に摺動を
始め、また、それに伴って、そのサブ・ブースタ12のシ
リンダ室45内の圧油は、その圧油注入弁21が動作されず
に、図示されたようにその補助油圧通路106を生かすの
で、途中、そのロード・センシング・バルブ19を経るよ
うにして、その補助油圧通路106および補助戻り油圧配
管109を流れてそのオイル・リザーバ16に戻され始め
る。
一方、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、
そのスプール50が、図において、そのバルブ・ボディ48
のバルブ・ボア49内に右側に摺動を始め、同時に、圧油
は、途中、その差圧調整弁18を経るようにして、その分
岐通路114、反力調整通路118、および、分岐通路115を
流れてその右側の反力室58からその左側の反力室59に移
動され始める。
そのようにして、そのサブ・ブースタ12が、そのメイ
ン・ブースタ11に先立って操舵力を発生し、そして、こ
のサブ・ブースタ12が、そのステアリング・ホイールの
右切りに追随してその一対の前輪を右方向に操舵し始
め、その結果、このパワー・ステアリング10では、応答
遅れが小さく補正され、同時に、フィード・バックされ
るそのサブ・ブースタ12の出力による操舵力の低下が、
その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室58に注
入されたその応答補正圧油で抑制される。
また、そのように、その応答補正圧油が、そのサブ・
ブースタ12のシリンダ室44に注入されている際にも、そ
のステアリング・ホイールは、さらに、右方向に切られ
て行くので、その油圧反力型コントロール・バルブ14の
スプール50は、そのステアリング・シャフト・ギア・ボ
ックス、ピットマン・アーム、および、コンペンセーテ
ィング・ロッドを介してそのステアリング・ホイールに
連結されたそのスプール・シャフト120でそのバルブ・
ボア49内に右側に摺動され、そのポンプ・ポート51およ
びシリンダ・ポート54は、ポート開口を開くようにし
て、そのスプール50のスプール溝67を介して互いに連絡
され、また、同時に、そのタンク・ポート52およびシリ
ンダ・ポート55は、ポート開口を開くようにして、その
スプール50のスプール溝68を介して互いに連絡され、そ
のオイル・ポンプ13から吐き出され、そのフロー・コン
トロール・バルブ15で流量調整され、そして、その圧油
設定弁17で所定の圧力に保たれた圧油は、その主油圧通
路104を経てそのメイン・ブースタ11のシリンダ室35に
多量に供給され始め、そのピストン32が、図において、
右側にさらに摺動され、同時に、そのメイン・ブースタ
11のシリンダ室34内の圧油は、その主油圧通路102,103
および戻り側油圧配管101を経てそのオイル・リザーバ1
6に多量に戻され始める。
そのようにして、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れた圧油が、そのメイン・ブースタ11に供給され、同時
に、その応答補正圧油が、そのサブ・ブースタ12に注入
されているので、そのメイン・ブースタ11およびサブ・
ブースタ12は、そのピストン32,42を互いに同期させ
て、図において、そのピストン32,42をそのシリンダ・
ボア31,41内に右側および左側に摺動させ、互いに協働
してその一対の前輪を右方向にさらに操舵させる。
さらに、そのステアリング・ホイールが右方向に切ら
れて行くと、そのコントロール・ユニット22は、その操
舵力センサ24で感知された操舵力の大きさ、方向、およ
び変化速さに応じて演算し、その演算値、すなわち、そ
の操舵力が所定の値に達し、その操舵力の微分値が負に
なったことを条件に、その圧油注入弁20に流れていると
ころのその電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット22によ
ってその電流が切られると、その圧油注入弁20は、図示
された状態に戻され、その圧油注入通路112および補助
油圧通路105を経てその圧油設定弁17の上流側のその供
給側油圧配管100からそのサブ・ブースタ12のシリンダ
室44に注入されているところのその応答補正圧油が止め
られるので、そのサブ・ブースタ12はロスト・モーショ
ン状態に置かれ、同時に、その圧油注入通路112を経て
その圧油設定弁17の上流側のその供給側油圧配管100か
らその油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室58に
注入されているところのその応答補正圧油も止められる
ので、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、そ
のスプール50が、図において、そのステアリング・シャ
フト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、およびコ
ンペンセーティング・ロッドを介してそのステアリング
・ホイールに連結されたそのスプール・シャフト120
で、そのバルブ・ボア49内にさらに右方向に摺動され続
け、そのスプール50の動きに伴って、そのメイン・ブー
スタ11のピストン32もまた、そのオイル・ポンプ13から
吐き出され、そして、その供給側油圧配管100を流れ、
途中、そのフロー・コントロール・バルブ15で流量調整
され、そして、その圧油設定弁17で所定の圧力に保たれ
てそのシリンダ室35に供給される圧油によって、図にお
いて、さらに、右方向に摺動され続け、そのメイン・ブ
ースタ11は、全体的に縮み、そのリンク・レバー、ドラ
ック・リンク、およびナックル・アームを介して、その
一対の前輪軸が、その前車軸の一対のキング・ピン(図
示せず)のまわりに揺動され、その一対の前輪軸上に回
転可能に支持されたその一対の前輪が、右方向に操舵さ
れる。
そして、そのステアリング・ホイールが、ニュートラ
ル位置に向けて戻され始めると、そのハンドル戻しの操
舵が、その操舵力センサ24で感知され、それが、その操
舵力センサ24で電気信号に変換されてそのコントロール
・ユニット22に与えられるので、そのコントロール・ユ
ニット22は、その電気信号に応じて演算し、所謂、その
操舵力の微分値が零になったことを条件(この場合に
は、その操舵力が所定の値に達し、そして、その操舵力
の微分値が負になったことを条件にしてもよい)に、そ
の圧油注入弁20に流れる電流の通電開始時期を決定し、
その決定された電流をその圧油注入弁21のソレノイド・
コイル99に流し、その圧油注入弁21を動作させる。
従って、その圧油注入弁21が、その分岐通路115を生
かすと同時に、その補助油圧通路106のそのサブ・ブー
スタ12側をその分岐通路115に連絡させるので、その高
圧の応答補正圧油は、その圧油設定弁17の上流側のその
供給側油圧配管100からその圧油注入通路112および補助
油圧通路106に流れてそのサブ・ブースタ12のシリンダ
室45に注入され、同時に、その供給側油圧配管100から
その圧油注入通路112に流れてその油圧反力型コントロ
ール・バルブ14の反力室59に注入され、しかも、その応
答補正圧油が圧力をその圧油のそれよりも高く保たせて
あるので、そのサブ・ブースタ12では、そのピストン42
が、図において、そのシリンダ・ボディ40のシリンダ・
ボア41内に右側に摺動を始め、また、それに伴って、そ
のサブ・ブースタ12のシリンダ室44内の圧油は、その圧
油注入弁20が動作されずに、図示されるように、その補
助油圧通路105を生かすので、途中、そのロード・セン
シング・バルブ19を経るようにして、その補助油圧通路
105および補助戻り油圧配管109を流れてそのオイル・リ
ザーバ16に戻され始める。
一方、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、
そのスプール50が、図において、そのバルブ・ボディ48
のバルブ・ボア49内に左側に摺動を始め、同時に、圧油
は、途中、その差圧調整弁18を経るようにして、その分
岐通路115、反力調整通路118、および、分岐通路114を
流れて、その左側の反力室59からその右側の反力室58に
移動され始める。
そのようにして、そのサブ・ブースタ12が、そのメイ
ン・ブースタ11に先立って操舵力を発生し、そして、こ
のサブ・ブースタ12が、そのステアリング・ホイールの
左方向の戻しに追随してその一対の前輪を左方向に戻し
始め、その結果、このパワー・ステアリング10では、応
答遅れが小さく補正され、同時に、フィード・バックさ
れるそのサブ・ブースタ12の出力による操舵力の低下
が、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室59
に注入されたその応答補正圧油で抑制される。
また、そのように、その応答補正圧油が、そのサブ・
ブースタ12のシリンダ室45に注入されている際にも、そ
のステアリング・ホイールは、さらに、左方向に切られ
て行くので、すなわち、ニュートラル位置に向けて戻さ
れて行くので、その油圧反力型コントロール・バルブ14
では、そのスプール50が、そのステアリング・シャフ
ト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、および、コ
ンペンセーティング・ロッドを介してそのステアリング
・ホイールに連結されたそのスプール・シャフト120で
そのバルブ・ボア49内において、左方向に摺動され、そ
のポンプ・ポート51およびシリンダ・ポート53は、ポー
ト開口を開くようにして、そのスプール50のスプール溝
66を介して互いに連絡され、また、同時に、そのタンク
・ポート52およびシリンダ・ポート54は、ポート開口を
開くようにして、そのスプール50のスプール溝67を介し
て互いに連絡され、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れ、そのフロー・コントロール・バルブ15で流量調整さ
れ、そして、その圧油設定弁17で所定の圧力に保たれた
圧油は、その主油圧通路102を経てそのメイン・ブース
タ11のシリンダ室34に多量に供給され始め、そのピスト
ン32が、前述の右切りされた位置から図のニュートラル
位置に向けてさらに摺動され、同時に、そのメイン・ブ
ースタ11のシリンダ室35内の圧油は、その主油圧通路10
4および戻り側油圧配管101を経てそのオイル・リザーバ
16に多量に戻され始める。
そのようにして、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れた圧油が、そのメイン・ブースタ11に供給され、同時
に、その応答補正圧油が、そのサブ・ブースタ12に注入
されているので、そのメイン・ブースタ11およびサブ・
ブースタ12は、そのピストン32,42を互いに同期させ、
そして、そのピストン32,42をそのシリンダ・ボア31,41
内において、前述の右切りされた位置から図のニュート
ラル位置に向けて、左側および右側に摺動させ、互いに
協働してその一対の前輪を直進位置に向けてさらに操舵
させる。
さらに、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻されて行くと、そのコントロール・ユニ
ット22は、その操舵力センサ24で感知された操舵力の大
きさ、方向、および変化速さに応じて演算し、その演算
値、すなわち、その操舵力が所定の値に達したことを条
件に、その圧油注入弁21に流れているその電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット22によ
ってその電流が切られると、その圧油注入弁21は、図示
された状態に戻され、その圧油注入通路112および補助
油圧通路106を経てその圧油設定弁17の上流側のその供
給側油圧配管100からそのサブ・ブースタ12のシリンダ
室45に注入されているところのその応答補正圧油が止め
られるので、そのサブ・ブースタ12はロスト・モーショ
ン状態に置かれ、同時に、その圧油注入通路112を経て
その圧油設定弁17の上流側のその供給側油圧配管100か
らその油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室59に
注入されているところのその応答補正圧油も止められる
ので、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、そ
のスプール50が、図において、そのステアリング・シャ
フト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、およびコ
ンペンセーティング・ロッドを介してそのスプール・シ
ャフト120でそのバルブ・ボア49内にさらに左方向に摺
動され続け、そして、そのニュートラル位置に摺動的に
戻され、そのスプール50の動きに伴って、そのメイン・
ブースタ11のピストン32もまた、そのオイル・ポンプ13
から吐き出され、そして、その供給側油圧配管100を流
れ、途中、そのフロー・コントロール・バルブ15で流量
調整され、そして、その圧油設定弁17で所定の圧力に保
たれてそのシリンダ室34に供給される圧油によって、図
において、さらに左方向に摺動され続け、さらには、そ
の供給側油圧配管100および主油圧通路102を経てそのオ
イル・ポンプ13からそのシリンダ室34に供給されるとこ
ろのその圧油と、そして同時的に、その主油圧通路104
および戻り側配管101を経てそのシリンダ室35からその
オイル・リザーバ16に戻されるところのその圧油とが、
それぞれ実質的になくなるので、そのピストン32は、図
示されたニュートラル位置に戻され、そのメイン・ブー
スタ11は、全体的に伸び、その結果、その一対の前輪軸
が、そのリンク・レバー、ドラック・リンク、およびナ
ックル・アームを介して、その前車軸の一対のキング・
ピンのまわりに揺動され、その一対の前輪軸上に回転可
能に支持されたその一対の前輪が、直進状態に戻され
る。
次いで、そのようにニュートラル状態に戻されたその
ステアリング・ホイールが、そのニュートラル状態から
左側に連続して切られると、同様にして、その左切りの
操舵力の大きさ、方向、および変化速さが、その操舵力
センサ24で感知され、それが、その操舵力センサ24で電
気信号に変換されてそのコントロール・ユニット22に与
えられるので、そのコントロール・ユニット22は、その
電気信号に応じて演算し、所謂、操舵力が所定の値にな
り、その操舵力の微分値が所定の値に達したことを条件
に、その圧油注入弁21に流れる電流の通電開始時期を決
定し、その圧油注入弁21のソレノイド・コイル99にその
電流を流し、その圧油注入弁21を動作させる。
従って、その圧油注入弁21が、その分岐通路115を生
かすと同時に、その補助油圧通路106のそのロード・セ
ンシング・バルブ19側を殺して、その補助油圧通路106
のそのサブ・ブースタ12側をその分岐通路115に連絡さ
せるので、高圧の応答補正圧油は、その圧油設定弁17の
上流側のその供給側油圧配管100からその圧油注入通路1
12および補助油圧通路106に流れてそのサブ・ブースタ1
2のシリンダ室45に注入され、同時に、その供給側油圧
配管100からその圧油注入通路112に流れてその油圧反力
型コントロール・バルブ14の反力室59に注入され、しか
も、その応答補正圧油が圧力をその圧油のそれよりも高
く保たせてあるので、そのサブ・ブースタ12では、その
ピストン42が、図において、そのシリンダ・ボディ40の
シリンダ・ボア41内に右側に摺動を始め、また、それに
伴って、そのサブ・ブースタ12のシリンダ室44内の圧油
は、その圧油注入弁20が動作されずに、図示されたよう
にその補助油圧通路105を生かすので、途中、そのロー
ド・センシング・バルブ19を経るようにして、その補助
油圧通路105および補助戻り油圧配管109を流れてそのオ
イル・リザーバ16に戻され始める。
一方、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、
そのスプール50が、図において、そのバルブ・ボディ48
のバルブ・ボア49内に左側に摺動を始め、同時に、圧油
は、途中、その差圧調整弁18を経るようにして、その分
岐通路115、反力調整通路118、および、分岐通路114を
流れてその左側の反力室59からその右側の反力室58に移
動され始める。
そのようにして、そのサブ・ブースタ12が、そのメイ
ン・ブースタ11に先立って操舵力を発生し、そして、こ
のサブ・ブースタ12が、そのステアリング・ホイールの
左切りに追随してその一対の前輪を直進状態から左方向
に操舵し始め、その結果、このパワー・ステアリング10
では、応答遅れが小さく補正され、同時に、フィード・
バックされるそのサブ・ブースタ12の出力による操舵力
の低下が、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反
力室59に注入されたその応答補正圧油で抑制される。
また、そのように、その応答補正圧油が、そのサブ・
ブースタ12のシリンダ室45に注入されている際にも、そ
のステアリング・ホイールは、さらに、左方向に切られ
て行くので、その油圧反力型コントロール・バルブ14の
スプール50は、そのステアリング・シャフト、ギア・ボ
ックス、ピットマン・アーム、および、コンペンセーテ
ィング・ロッドを介してそのステアリング・ホイールに
連結されたそのスプール・シャフト120でそのバルブ・
ボア49内に左側に摺動され、そのポンプ・ポート51およ
びシリンダ・ポート53は、ポート開口を開くようにし
て、そのスプール50のスプール溝66を介して互いに連絡
され、また、同時に、そのタンク・ポート52およびシリ
ンダ・ポート54は、ポート開口を開くようにして、その
スプール50のスプール溝67を介して互いに連絡され、そ
のオイル・ポンプ13から吐き出され、そのフロー・コン
トロール・バルブ15で流量調整され、そして、その圧油
設定弁17で所定の圧力に保たれた圧油は、その主油圧通
路102を経てそのメイン・ブースタ11のシリンダ室34に
多量に供給され始め、そのピストン32が、図において、
左側にさらに摺動され、同時に、そのメイン・ブースタ
11のシリンダ室35内の圧油は、その主油圧通路104およ
び戻り側油圧配管101を経てそのオイル・リザーバ16に
多量に戻され始める。
そのようにして、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れた圧油が、そのメイン・ブースタ11に供給され、同時
に、その応答補正圧油が、そのサブ・ブースタ12に注入
されているので、そのメイン・ブースタ11およびサブ・
ブースタ12は、そのピストン32,42を互いに同期させ
て、図において、そのピストン32,42をそのシリンダ・
ボア31,41内に左側および右側に摺動させ、互いに協働
してその一対の前輪を左方向にさらに操舵させる。
さらに、そのステアリング・ホイールが左方向に切ら
れて行くと、そのコントロール・ユニット22は、その操
舵力センサ24で感知された操舵力の大きさ、方向、およ
び変化速さに応じて演算し、その演算値、すなわち、そ
の操舵力が所定の値に達し、その操舵力の微分値が負に
なったことを条件に、その圧油注入弁21に流れていると
ころのその電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット22によ
ってその電流が切られると、その圧油注入弁21は、図示
された状態に戻され、その圧油注入通路112および補助
油圧通路106を経てその圧油設定弁17の上流側のその供
給側油圧配管100からそのサブ・ブースタ12のシリンダ
室45に注入されているところのその応答補正圧油が止め
られるので、そのサブ・ブースタ12はロスト・モーショ
ン状態に置かれ、同時に、その圧油注入通路112を経て
その圧油設定弁17の上流側のその供給側油圧配管100か
らその油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室59に
注入されているところのその応答補正圧油も止められる
ので、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、そ
のスプール50が、図において、そのステアリング・シャ
フト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、およびコ
ンペンセーティング・ロッドを介してそのステアリング
・ホイールに連結されたそのスプール・シャフト120
で、そのバルブ・ボア49内にさらに左側に摺動され、そ
のスプール50の動きに伴って、そのメイン・ブースタ11
のピストン32もまた、そのオイル・ポンプ13から吐き出
され、そして、その供給側油圧配管100を流れ、途中、
そのフロー・コントロール・バルブ15で流量調整され、
そして、その圧油設定弁17で所定の圧力に保たれてその
シリンダ室34に供給される圧油によって、図において、
さらに左側に摺動され、そのメイン・ブースタ11は、全
体的にさらに縮められ、そのリンク・レバー、ドラック
・リンク、およびナックル・アームを介して、その一対
の前輪軸が、その前車軸のその一対のキング・ピンのま
わりに揺動され、その一対の前輪軸上に回転可能に支持
されたその一対の前輪が、左方向に操舵される。
そして、そのステアリング・ホイールが、ニュートラ
ル位置に向けて戻され始めると、そのハンドル戻しの操
舵が、その操舵力センサ24で感知され、それが、その操
舵力センサ24で電気信号に変換されてそのコントロール
・ユニット22に与えられるので、そのコントロール・ユ
ニット22は、その電気信号に応じて演算し、所謂、その
操舵力の微分値が零になったことを条件(この場合に
は、その操舵力が所定の値に達し、そして、その操舵力
の微分値が負になったことを条件にしてもよい)に、そ
の圧油注入弁20に流れる電流の通電開始時期を決定し、
その決定された電流をその圧油注入弁20のソレノイド・
コイル98に流し、その圧油注入弁20を動作させる。
従って、その圧油注入弁20が、その分岐通路114を生
かすと同時に、その補助油圧通路105のそのサブ・ブー
スタ12側をその分岐通路114に連絡させるので、その高
圧の応答補正圧油は、その圧油設定弁17の上流側のその
供給側油圧配管100からその圧油注入通路112および補助
油圧通路105に流れてそのサブ・ブースタ12のシリンダ
室44に注入され、同時に、その供給側油圧配管100から
その圧油注入通路112に流れてその油圧反力型コントロ
ール・バルブ14の反力室58に注入され、しかも、その応
答補正圧油が圧力をその圧油のそれよりも高く保たせて
あるので、そのサブ・ブースタ12では、そのピストン42
が、図において、そのシリンダ・ボディ40のシリンダ・
ボア41内に左側に摺動を始め、また、それに伴って、そ
のサブ・ブースタ12のシリンダ室45内の圧油は、その圧
油注入弁21が動作されずに、図示されるように、その補
助油圧通路106を生かすので、途中、そのロード・セン
シング・バルブ19を経るようにして、その補助油圧通路
106および補助戻り油圧配管109を流れてそのオイル・リ
ザーバ16に戻され始める。
一方、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、
そのスプール50が、図において、そのバルブ・ボディ48
のバルブ・ボア49内に右側に摺動を始め、同時に、圧油
は、途中、その差圧調整弁18を経るようにして、その分
岐通路114、反力調整通路118、および、分岐通路115を
流れて、その右側の反力室58からその左側の反力室59に
移動され始める。
そのようにして、そのサブ・ブースタ12が、そのメイ
ン・ブースタ11に先立って操舵力を発生し、そして、こ
のサブ・ブースタ12が、そのステアリング・ホイールの
右方向の戻しに追随してその一対の前輪を右方向に戻し
始め、その結果、このパワー・ステアリング10では、応
答遅れが小さく補正され、同時に、フィード・バックさ
れるそのサブ・ブースタ12の出力による操舵力の低下
が、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室58
に注入されたその応答補正圧油で抑制される。
また、そのように、その応答補正圧油が、そのサブ・
ブースタ12のシリンダ室45に注入されている際にも、そ
のステアリング・ホイールは、さらに、右方向に切られ
て行くので、すなわち、ニュートラル位置に向けて戻さ
れて行くので、その油圧反力型コントロール・バルブ14
では、そのスプール50が、そのステアリング・シャフ
ト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、および、コ
ンペンセーティング・ロッドを介してそのステアリング
・ホイールに連結されたそのスプール・シャフト120で
そのバルブ・ボア49内において、右方向に摺動され、そ
のポンプ・ポート51およびシリンダ・ポート54は、ポー
ト開口を開くようにして、そのスプール50のスプール溝
67を介して互いに連絡され、また、同時に、そのタンク
・ポート52およびシリンダ・ポート55は、ポート開口を
開くようにして、そのスプール50のスプール溝68を介し
て互いに連絡され、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れ、そのフロー・コントロール・バルブ15で流量調整さ
れ、そして、その圧油設定弁17で所定の圧力に保たれた
圧油は、その主油圧通路104を経てそのメイン・ブース
タ11のシリンダ室35に多量に供給され始め、そのピスト
ン32が、前述の左切りされた位置から図のニュートラル
位置に向けてさらに摺動され、同時に、そのメイン・ブ
ースタ11のシリンダ室34内の圧油は、その主油圧通路10
2,103および戻り側油圧配管101を経てそのオイル・リザ
ーバ16に多量に戻され始める。
そのようにして、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れた圧油が、そのメイン・ブースタ11に供給され、同時
に、その応答補正圧油が、そのサブ・ブースタ12に注入
されているので、そのメイン・ブースタ11およびサブ・
ブースタ12は、そのピストン32,42を互いに同期させ、
そして、そのピストン32,42をそのシリンダ・ボア31,41
内において、前述の左切りされた位置から図のニュート
ラル位置に向けて、右方向および左方向に摺動させ、互
いに協働してその一対の前輪を直進位置に向けてさらに
操舵させる。
さらに、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻されて行くと、そのコントロール・ユニ
ット22は、その操舵力センサ24で感知された操舵力の大
きさ、方向、および変化速さに応じて演算し、その演算
値、すなわち、その操舵力が所定の値に達したことを条
件に、その圧油注入弁21に流れているその電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット22によ
ってその電流が切られると、その圧油注入弁20は、図示
された状態に戻され、その圧油注入通路112および補助
油圧通路105を経てその圧油設定弁17の上流側のその供
給側油圧配管100からそのサブ・ブースタ12のシリンダ
室44に注入されているところのその応答補正圧油が止め
られるので、そのサブ・ブースタ12はロスト・モーショ
ン状態に置かれ、同時に、その圧油注入通路112を経て
その圧油設定弁17の上流側のその供給側油圧配管100か
らその油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室58に
注入されているところのその応答補正圧油も止められる
ので、その油圧反力型コントロール・バルブ14では、そ
のスプール50が、図において、そのステアリング・シャ
フト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、およびコ
ンペンセーティング・ロッドを介してそのスプール・シ
ャフト120でそのバルブ・ボア49内にさらに右側に摺動
され続け、そして、そのニュートラル位置に摺動的に戻
され、そのスプール50の動きに伴って、そのメイン・ブ
ースタ11のピストン32もまた、そのオイル・ポンプ13か
ら吐き出され、そして、その供給側油圧配管100を流
れ、途中、そのフロー・コントロール・バルブ15で流量
調整され、そして、その圧油設定弁17で所定の圧力に保
たれてそのシリンダ室35に供給される圧油によって、図
において、さらに右側に摺動され続け、さらには、その
供給側油圧配管100および主油圧通路104を経てそのオイ
ル・ポンプ13からそのシリンダ室35に供給されるところ
のその圧油と、そして同時的に、その主油圧通路102,10
3および戻り側油圧配管101を経てそのシリンダ室34から
そのオイル・リザーバ16に戻されるところのその圧油と
が、それぞれ実質的になくなるので、そのピストン32
は、図示されたニュートラル位置に戻され、そのメイン
・ブースタ11は、全体的に縮み、その結果、その一対の
前輪軸が、そのリンク・レバー、ドラック・リンク、お
よびナックル・アームを介して、その前車軸の一対のキ
ング・ピンのまわりに揺動され、その一対の前輪軸上に
回転可能に支持されたその一対の前輪が、直進状態に戻
される。
その後に、操舵が連続して行なわれるならば、その操
舵に応じて前述のようにして、その応答補正圧油が、そ
のサブ・ブースタ12のシリンダ室44,45および油圧反力
型コントロール・バルブ14の反力室58,59に選択的に注
入され、そのパワー・ステアリング・システム10には、
応答遅れおよび操舵力の低下が改善される。
次には、そのトラックが据え切りされたり、極低速走
行で、幅寄せされ、また、切り返しされる際の、このパ
ワー・ステアリング・システム10が、操舵力を負荷に適
合させる動作について述べる。
今、その据切り、幅寄せ、および切返しのためにその
ステアリング・ホイールが操作されると、そのステアリ
ング・ホイールの操舵力は、そのステアリング・シャフ
ト、ギア・ボックス、ピットマン・アーム、および、コ
ンペンセーティング・ロッドを経てそのスプール・シャ
フト120に伝達される。
そして、その油圧反力型コントロール・バルブ14にお
いては、そのスプール50がそのスプール・シャフト120
によって、そのバルブ・ボア49内に左右方向の何れか一
方に摺動され、そのポンプ・ポート51がそのシリンダ・
ポート53,54の何れか一方に連絡され、その結果、その
オイル・ポンプ13から送られた圧油は、その主油圧通路
102-103,104の何れか一方に流れ、対応したメイン・ブ
ースタ11のシリンダ室34,35の何れか一方に供給され、
その際、そのメイン・ブースタ11においては、そのトラ
ックの重量に対応して、その前輪のための操舵力が発生
されるように、油圧が漸次高められ、そして、所定の圧
力値を越えるので、そのメイン・ブースタ11のシリンダ
室34,35においては、圧油に圧力差が生じ、それに伴っ
て、そのロード・センシング・バルブ19においても、そ
のメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35の圧油である
ところの負荷相当圧油をそのシリンダ・インターロック
油圧通路107,108および油圧リード通路110,111で導いた
そのロード・センシング室80,81間には、圧力差が生
じ、そのスプール79が、図において、そのメイン・ブー
スタ11のシリンダ室34,35に対応して、そのバルブ・ボ
ア78内に左右方向の何れか一方に摺動される。
そのように、そのスプール79が、そのバルブ・ボア78
内に左右方向の何れか一方に摺動されると、このロード
・センシング・バルブ19においては、その圧力ポート8
4,85の何れか一方が、そのメイン・ブースタ11のシリン
ダ室34,35に対応してその出力ポート87,88の何れか一方
に連絡され、その圧力ポート84,85の何れか他方が閉じ
られ、そして、その出力ポート87,88の何れか他方がそ
の排出ポート86に連絡される。
そのように、そのロード・センシング・バルブ19が切
り換え動作される結果、そのメイン・ブースタ11のシリ
ンダ室34,35の何れか一方の圧油は、その補助油圧通路1
05,106の何れか一方を流れてそのサブ・ブースタ12のシ
リンダ室44,45の何れか一方に対応して供給される。
そして、その際には、そのメイン・ブースタ11のシリ
ンダ室34,35の何れか他方の圧油は、その油圧反力型コ
ントロール・バルブ14によって、その主油圧通路102-10
3,104の何れか他方および戻り側油圧配管101を流れてそ
のオイル・リザーバ16に戻され、また、そのサブ・ブー
スタ12のシリンダ室44,45の何れか他方の圧油は、その
ロード・センシング・バルブ19によって、その補助油圧
通路105,106の何れか他方、補助戻り油圧配管109、およ
び戻り側油圧配管101を流れてそのオイル・リザーバ16
に戻される。
従って、そのメイン・ブースタ11は、そのオイル・ポ
ンプ13からの圧油で動作され、そして、そのサブ・ブー
スタ12は、そのメイン・ブースタ11からの圧油でそのメ
イン・ブースタ11に同期して動作され、その前輪がその
メイン・ブースタ11およびサブ・ブースタ12で操舵さ
れ、据切り、幅寄せ、および切返しが適性の操作力、す
なわち、極めて小さな操作力で円滑に行なわれる。所
謂、それら据切り、幅寄せ、および切返しが軽く行なわ
れる。
また、そのトラックが微速度で走行される場合にも、
上述と同様に、そのオイル・ポンプ13から送られた圧油
でそのメインおよびサブ・ブースタ11,12が同期的に動
作され、操舵が極めて小さな操作力で可能になる。
また、次には、そのトラックが微速度から上昇され、
通常の走行をする場合について述べる。
その通常の走行状態で、そのステアリング・ホイール
が操作されるならば、前述の場合と同じようにして、そ
のステアリング・ホイールの操作力がそのスプール・シ
ャフト120に伝達され、その油圧反力型コントロール・
バルブ14において、そのスプール50が図示されたそのバ
ルブ・ボア49内に左右方向の何れか一方に摺動される
と、その油圧反力型コントロール・バルブ14において、
そのポンプ・ポート51がそのシリンダ・ポート53,54の
何れか一方に連絡され、同時に、そのタンク・ポート52
がそのシリンダ・ポート54,55の何れか他方に連絡さ
れ、その結果、そのオイル・ポンプ13から送られた圧油
は、その主油圧通路102-103,104の何れか一方に流れ、
対応したそのメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35の
何れか一方に供給され、そして、そのピストン32は、そ
のシリンダ・ボア31内にそのシリンダ室34,35の何れか
一方からそのシリンダ室34,35の何れか他方に摺動さ
れ、そのピストンの動きに伴われて、そのメイン・ブー
スタ11のシリンダ室34,35の何れか他方の圧油は、その
主油圧通路102-103,104の何れか他方、および戻り側油
圧配管101を流れてそのオイル・リザーバ16に戻され
る。
この場合、その前輪が、軽く操舵できる状態に置かれ
ているので、そのメイン・ブースタ11においては、その
前輪のための操舵力を発生させる圧油は、所定の圧力値
よりも低く、そのメイン・ブースタ11のシリンダ室34,3
5間には、圧油に圧力差が生じているが、そのロード・
センシング・バルブ19において、そのメイン・ブースタ
11のシリンダ室34,35の圧油である負荷相当圧油をその
シリンダ・インターロック油圧通路107,108および油圧
リード通路110,111で導いたそのロード・センシング室8
0,81間の圧力差では、そのスプール79は、そのバルブ・
ボア78内に摺動されず、図示されるように、その一対の
圧力設定スプリング82,83によって、そのバルブ・ボア7
8内のニュートラル位置に保持され、その圧力ポート84,
85がそのスプール79で閉じられ、そして、その出力ポー
ト87,88がその排出ポート86に連絡される。
その結果、そのメイン・ブースタ11の圧油は、そのサ
ブ・ブースタ12に供給されなくなる。一方、そのサブ・
ブースタ12は、そのオイル・リザーバ16に連絡される。
そのようにして、そのメイン・ブースタ11には、その
オイル・ポンプ13から送られた圧油が供給されるが、そ
のサブ・ブースタ12には、そのメイン・ブースタ11の圧
油が供給されず、そのサブ・ブースタ12は、ロスト・モ
ーション状態、所謂、フリー状態になる。
従って、通常走行時の操舵は、そのメイン・ブースタ
11のみによって行なわれ、そのサブ・ブースタ12はその
メイン・ブースタ11による操舵に実質的に抵抗すること
なく、そのメイン・ブースタ11の操舵に自由に追従す
る。
次には、そのトラックが走行する際の、このパワー・
ステアリング・システム10が、操舵力を車速に適合させ
る動作について述べる。
今、そのトラックが低速で走行されるのであるなら
ば、そのコントロール・ユニット22が、その車速センサ
23から信号を入力し、その入力信号に応じて演算し、予
め入力された差圧の理想値と比較し、出力信号、すなわ
ち、出力電流を決定し、その差圧調整弁18の電気アクチ
ュエータ76に流れる電流を制御するので、その電気アク
チュエータ76が駆動され、その差圧調整弁18において
は、そのスプールがそのバルブ・ボア内に摺動され、そ
のバルブ・ボアに開口された通路の開口面積が広くされ
る。
そこで、その油圧反力型コントロール・バルブ14のス
プール50が操舵によって、そのバルブ・ボア内に何れか
一方に摺動されれば、そのスプール50の摺動方向に応じ
て、そのオイル・ポンプ13から送られた駆動圧油が、そ
のメイン・ブースタ11のシリンダ室34,35の何れか一
方、および、その油圧反力型コントロール・バルブ14の
反力室58,59の何れか一方に送られる。
例えば、そのスプール50が図において、右側に摺動さ
れるならば、そのポンプ・ポート51がそのスプール溝67
を介してシリンダ・ポート54に、そして、そのタンク・
ポート52がそのスプール溝68を介してシリンダ・ポート
55にそれぞれ連絡され、そのオイル・ポンプ13から吐き
出された圧油は、その主油圧通路104を経て、そのメイ
ン・ブースタ11のシリンダ室35に送られ、そのピストン
32が図において、右側に摺動され、そのメイン・ブース
タ11のシリンダ室34内の圧油は、その主油圧通路102,10
3および戻り側油圧配管101を経てそのオイル・リザーバ
16に戻される。
そのように、圧油が供給される際には、その圧油の一
部は、反力連通ポート64およびボア62を経てその反力室
58に送られる。
そのような操舵の際の反力は、その反力室58内の油圧
によって与えられるが、上述したように、低速走行時に
は、その差圧調整弁18の通路断面積が広くされているの
で、その反力室58内の圧油が、その反力調整通路118を
通り、その差圧調整弁18によって極端に絞られることな
く、他方の反力室59に流れる。
また、そのスプール50が、上述の方向に摺動されれ
ば、そのタンク・ポート52がそのスプール溝68に連絡さ
れ、その反力室59内の圧油は、そのボア63、反力連通ポ
ート65、スプール溝68、タンク・ポート52、および戻り
側油圧配管101を経てそのオイル・リザーバ16に戻され
る。
従って、その差圧調整弁18による圧力降下が小さくな
り、左右の反力室58,59内の圧力差が小さくなって、そ
の反力室58内の圧油はそのスプール50の摺動に大きな抵
抗にならず、言い換えれば、低速走行時の操舵は小さい
操作力で行なわれる。
また、その油圧反力型コントロール・バルブ14におけ
るそのスプール50が、図において、左側に摺動されるな
らば、そのポンプ・ポート51がそのスプール溝66に、そ
のタンク・ポート52がそのスプール溝67にそれぞれ連絡
され、そのオイル・ポンプ13から吐き出された圧油は、
主油圧通路102を経てそのメイン・ブースタ11のシリン
ダ室34に送られ、そのピストン32が、図において、左側
に摺動され、そのメイン・ブースタ11のシリンダ室35内
の圧油は、主油圧通路104および戻り側油圧配管101を経
てそのオイル・リザーバ16に戻される。
その反力室58内の圧油は、前述の場合とは逆に、その
分岐通路115、反力調整通路118、および分岐通路114を
通り、その差圧調整弁18に極端に絞られることなく、そ
の反力室58に送られ、その反力室58内の圧油は、そのボ
ア62、反力連通ポート64、スプール溝67、タンク・ポー
ト52、および戻り側油圧配管101を経てそのオイル・リ
ザーバ16に戻される。
従って、前述の場合と同様に、その差圧調整弁18によ
る圧力降下が小さくなり、左右の反力室58,59内の圧力
差が小さくなって、その反力室59内の圧油はそのスプー
ル50の摺動に対して大きな抵抗にならず、操舵は小さな
操作力で行なわれる。
また、そのトラックが高速で走行されるのであるなら
ば、そのコントロール・ユニット22は、その車速センサ
23から信号を入力し、その入力信号に応じて演算し、予
め入力された差圧の理想値と比較し、出力電流を決定
し、その差圧調整弁18の電気アクチュエータ76に流れる
電流を制御する。
従って、その電気アクチュエータ76が駆動され、その
差圧調整弁18において、そのスプールがそのバルブ・ボ
ア内に摺動され、そのバルブ・ボアに開口されたその通
路の開口面積が、車速に適合されて狭くされる。
前述の低速走行の場合と同様に、その油圧反力型コン
トロール・バルブ14のスプール50が操舵によって、何れ
か一方に摺動されれば、そのスプール50の摺動方向に応
じて、その圧油がそのメイン・ブースタ11のシリンダ室
34,35の何れか一方に送られ、そのピストン32が摺動さ
れ、また、その圧油の一部は、その反力室58,59の何れ
か一方に送られるが、その差圧調整弁18のバルブ・ボア
に開口されたその通路の開口面積が狭くされるので、そ
の差圧調整弁18による圧力降下が大きくなり、左右の反
力室58,59内の圧力差が大きくなり、その結果、その反
力室58,59の一方の圧油は、そのスプール50の摺動に対
して大きな抵抗になる。
そのようにして、高速走行時の操舵には比較的に大き
な操作力が要求され、走行安定性が向上される。
さらに、このトラックが据切りされる場合には、走行
速度が零であるので、その差圧調整弁18において、その
通路の開口面積が最大に広げられ、その反力室58,59の
相互の圧力差が極めて小さくなり、その結果、その据切
りは、極めて小さな操作力で行なわれる。
勿論、上述から理解されるこのパワー・ステアリング
・システム10が車速に操舵力を適合させる動作は、その
トラックの状態に応じて、前述されたところのそのパワ
ー・ステアリング・システム10が応答遅れを補正する動
作、および、負荷に操舵力を適合させる動作と同時的に
行なわれる。
発明の利便・利益 上述から理解されるように、既に提案され、使用され
てきているところの自動車に使用されるパワー・ステア
リングに比較していえば、この発明の自動車に使用され
るパワー・ステアリング・システムは、圧油が、自動車
の操舵方向に関連して、油圧反力型コントロール・バル
ブで方向制御されてオイル・ポンプからメイン・ブース
タの一対のシリンダ室に選択的に供給され、同時に、そ
のメイン・ブースタの一対のシリンダ室からオイル・リ
ザーバに選択的に戻され、また同時的に、その油圧反力
型コントロール・バルブの一対の反力室に選択的に供給
され、負荷相当圧油が、その自動車の走行速度および操
舵方向に関連して、ロード・センシング・バルブを動作
させてそのメイン・ブースタの一対のシリンダ室からそ
のサブ・ブースタの一対のシリンダ室に流れる圧油をそ
のロード・センシング・バルブに方向制御させ、そし
て、応答補正圧油が、その自動車の高速走行および操舵
方向に関連して、圧油注入弁で方向制御されてそのサブ
・ブースタの一対のシリンダ室および油圧反力型コント
ロール・バルブの一対の反力室に互いに逆に対応されて
同時的に注入されるところに構成されるので、この発明
の自動車に使用されるパワー・ステアリング・システム
では、そのロード・センシング・バルブがその自動車の
走行速度および、操舵方向に関連したその負荷相当圧油
でバルブ切り換え動作され、そのロード・センシング・
バルブの切換え動作に応じて、圧油がそのメイン・ブー
スタからそのサブ・ブースタに供給され、そして、その
サブ・ブースタがそのメイン・ブースタに連動的に動作
されて操舵力が負荷に適合され、また、その応答補正圧
油がその自動車の高速走行および操舵方向に関連して、
その圧油注入弁で方向制御されてそのサブ・ブースタに
注入され、そして、そのサブ・ブースタが、そのメイン
・ブースタに先立って操舵力を発生して操舵を行ない、
その結果、応答遅れが小さく補正され、また同時に、そ
の応答補正圧油が、その油圧反力型コントロール・バル
ブに注入され、そして、そのサブ・ブースタの出力のフ
ィード・バックによる操舵力の低下が、その油圧反力型
コントロール・バルブに注入されたその応答補正圧油で
抑制され、そのようにして、優れた負荷感応特性および
応答特性が得られ、また、この発明の自動車に使用され
るパワー・ステアリング・システムは、上述の構成にあ
って、反力圧油が、差圧調整弁で調整されてその油圧反
力型コントロール・バルブの一対の反力室間に流れると
ころに構成されるので、この発明の自動車に使用される
パワー・ステアリング・システムでは、また、その反力
圧油が車速に応じて、その差圧調整弁で絞り調整され、
そして、その反力室間に流れて操舵力が車速に適合さ
れ、そのようにして、優れた負荷感応特性、応答特性、
および速度感応特性が得られ、それら特性によって、操
作感および操縦安定性が改善され、操舵による疲労が軽
減され、加えて、オイル・ポンプの大型化が避けられ、
機関発生動力の無駄な消費が抑制され、機関の燃料消費
率が向上され、自動車にとって非常に有用であり、実用
的である。
発明と具体例との関係 先のように、図面を参照しながら説明されたこの発明
の具体例からして、この発明の属する技術の分野におけ
る通常の知識を有する者にとって、種々の設計的修正や
変更は容易に行われることであり、さらには、この発明
の内容が、その発明の課題を遂行ならしめる発明の成立
に必須であり、その発明の性質であるその発明の技術的
本質に由来し、そして、それを内在させると客観的に認
められる態様に容易に置き換えられる。
【図面の簡単な説明】
図は、トラックに適用されたこの発明の自動車に使用さ
れるパワー・ステアリング・システムの具体例を示す概
説図である。 11……メイン・ブースタ、12……サブ・ブースタ、13…
…オイル・ポンプ、14……油圧反力型コントロール・バ
ルブ、15……フロー・コントロール・バルブ、16……オ
イル・リザーバ、17……圧油設定弁、18……差圧調整
弁、19……ロード・センシング・バルブ、20,21……圧
油注入弁、22……コントロール・ユニット、23……車速
センサ、24……操舵力センサ、100……供給側油圧配
管、101……戻り側油圧配管、102,103,104……主油圧通
路、105,016……補助油圧通路、107,108……シリンダ・
インターロック油圧通路、109……補助戻り油圧配管、1
10,111……油圧リード通路、112……圧油注入通路、118
……反力調整通路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧油が、自動車の操舵方向に関連して、油
    圧反力型コントロール・バルブで方向制御されてオイル
    ・ポンプからメイン・ブースタの一対のシリンダ室に選
    択的に供給され、同時に、そのメイン・ブースタの一対
    のシリンダ室からオイル・リザーバに選択的に戻され、
    また同時的に、その油圧反力型コントロール・バルブの
    一対の反力室に選択的に供給され、 負荷相当圧油が、その自動車の走行速度および操舵方向
    に関連して、ロード・センシング・バルブを動作させて
    そのメイン・ブースタの一対のシリンダ室からそのサブ
    ・ブースタの一対のシリンダ室に流れる圧油をそのロー
    ド・センシング・バルブに方向制御させ、そして、 応答補正圧油が、その自動車の高速走行および操舵方向
    に関連して、圧油注入弁で方向制御されてそのサブ・ブ
    ースタの一対のシリンダ室および油圧反力型コントロー
    ル・バルブの一対の反力室に互いに逆に対応されて同時
    的に注入される ところの自動車に使用されるパワー・ステアリング・シ
    ステム。
  2. 【請求項2】圧油が、自動車の操舵方向に関連して、油
    圧反力型コントロール・バルブで方向制御されてオイル
    ・ポンプからメイン・ブースタの一対のシリンダ室に選
    択的に供給され、同時に、そのメイン・ブースタの一対
    のシリンダ室からオイル・リザーバに選択的に戻され、
    また同時的に、その油圧反力型コントロール・バルブの
    一対の反力室に選択的に供給され、 反力圧油が、その自動車の走行速度に関連して、差圧調
    整弁で調整されてその油圧反力型コントロール・バルブ
    の一対の反力室間に流れ、 負荷相当圧油が、その自動車の走行速度および操舵方向
    に関連して、ロード・センシング・バルブを動作させて
    そのメイン・ブースタの一対のシリンダ室からそのサブ
    ・ブースタの一対のシリンダ室に流れる圧油をそのロー
    ド・センシング・バルブに方向制御させ、そして、 応答補正圧油が、その自動車の高速走行および操舵方向
    に関連して、圧油注入弁で方向制御されてそのサブ・ブ
    ースタの一対のシリンダ室および油圧反力型コントロー
    ル・バルブの一対の反力室に互いに逆に対応されて同時
    的に注入される ところの自動車に使用されるパワー・ステアリング・シ
    ステム。
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