JP2528353B2 - 自動車に使用されるパワ―・ステアリング・システム - Google Patents

自動車に使用されるパワ―・ステアリング・システム

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JP2528353B2
JP2528353B2 JP25147088A JP25147088A JP2528353B2 JP 2528353 B2 JP2528353 B2 JP 2528353B2 JP 25147088 A JP25147088 A JP 25147088A JP 25147088 A JP25147088 A JP 25147088A JP 2528353 B2 JP2528353 B2 JP 2528353B2
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valve
booster
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reaction force
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冨士男 籾山
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日野自動車工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、互いに別置きされる2つのブースタを備
えるところの自動車に使用されるパワー・ステアリング
・システムに関する。
背景技術 一般に、自動車では、パワー・ステアリングが普及さ
れてきているが、この種のパワー・ステアリングは、感
度を上げると応答遅れが小さくなり、操縦性が向上され
る反面、応答の大きさが増加され、ハンドルが過敏にな
る傾向にあった。
そのようなことから、車速感応型パワー・ステアリン
グが提案され、自動車の走行速度に応じて操舵力が変化
され、自動車の高速走行域では、操舵力が重くなり、す
なわち応答の大きさが減少される反面、応答遅れが増加
する傾向にあった。そして、この応答の遅れの増加を抑
制しようとすると、操舵力が変動され、操舵に違和感が
生じた。
発明の目的・課題 この発明の目的・課題は、操舵力の変動を抑制し、そ
して、応答の遅れおよび応答の大きさを改善して操縦安
定性を向上させ、併せて、生産およびオプションに容易
に対応可能にするところの自動車に使用されるパワー・
ステアリング・システムの提供にある。
目的・課題に係る構成上の発明の概要: 請求する発明の内容 上述の目的・課題に関連して、この発明の自動車に使
用されるパワー・ステアリング・システムは、圧油が、
操舵方向に関連して、油圧反力型コントロール・バルブ
で方向制御されてオイル・ポンプから主ブースタの一対
のシリンダ室に選択的に供給され、同時的に、その主ブ
ースタの一対のシリンダ室からオイル・リザーバに選択
的に戻され、そして、応答補正圧油がハンドル切り始め
およびハンドル戻し始めには、その主ブースタに別置き
される補助ブースタの一対のシリンダ室において、応答
の大きさを増加させる方向に対応されるそのシリンダ室
と、その油圧反力型コントロール・バルブの一対の反力
室において、応答の大きさを減少させる方向に対応され
るその反力室とに圧油注入弁でそれぞれ注入され、その
応答補正圧油によってその補助ブースタに応答の大きさ
を増加させ、そして、車輪をハンドル操作に追随させて
応答の遅れを小さくさせ、同時に、その油圧反力型コン
トロール・バルブには、その増加された応答の大きさの
フィード・バックによる操舵力の変動をその応答補正圧
油で抑制するところにあり、また、この発明の自動車に
使用されるパワー・ステアリング・システムは、圧油が
操舵方向に関連して、油圧反力型コントロール・バルブ
で方向制御されてオイル・ポンプから主ブースタの一対
のシリンダ室に選択的に供給され、同時的に、その主ブ
ースタの一対のシリンダ室からオイル・リザーバに選択
的に戻され、そして、応答補正圧油が、ハンドル切り始
めには、その主ブースタに別置きされる補助ブースタの
一対のシリンダ室において、応答の大きさを増加させる
方向に対応されるそのシリンダ室と、その油圧反力型コ
ントロール・バルブの一対の反力室において、応答の大
きさを減少させる方向に対応されるその反力室とに圧油
注入弁でそれぞれ注入され、また、ハンドル戻しには、
ハンドルが実質的に戻されるまで、その補助ブースタの
一対のシリンダ室において、応答の大きさを増加させる
方向に対応されるそのシリンダ室と、その油圧反力型コ
ントロール・バルブの一対の反力室において、応答の大
きさを減少させる方向に対応されるその反力室とにその
圧油注入弁でそれぞれ注入され、その応答補正圧油によ
ってその補助ブースタに応答の大きさを増加させ、そし
て、車輪をハンドル操作に追随させて応答の遅れを小さ
くさせ、同時に、その油圧反力型コントロール・バルブ
には、その増加された応答の大きさのフィード・バック
による操舵力の変動をその応答補正圧油で抑制し、加え
て、その応答補正圧油でハンドル戻しを円滑にするとこ
ろにある。
具体例の説明 以下、この発明に係る自動車に使用されるパワー・ス
テアリング・システムの望ましい具体例について、図面
を参照して説明する。
図は、中型トラックに適用されたこの発明の自動車に
使用されるパワー・ステアリング・システムの具体例10
を概略的に示している。
そのパワー・ステアリング・システム10は、主ブース
タ11、補助ブースタ12、オイル・ポンプ13、油圧反力型
コントロール・バルブ14、フロー・コントロール・バル
ブ15、オイル・リザーバ16、圧油設定弁17、差圧調整弁
18、圧油注入弁19、コントロール・ユニット20、ステア
リング・ホイール(図示せず)、ステアリング・シャフ
ト(図示せず)、セクタ・ギア21、セクタ・ギア・シャ
フト22、ピットマン・アーム23、ドラック・リンク24、
ナックル・アーム(図示せず)、車速センサ25、および
操舵力センサ26を含み、それら主ブースタ11、補助ブー
スタ12、オイル・ポンプ13、油圧反力型コントロール・
バルブ14、フロー・コントロール・バルブ15、オイル・
リザーバ16、圧油設定弁17、差圧調整弁18、および圧油
注入弁19が、供給側油圧配管90、その供給側油圧配管90
の分岐管92、戻り側油圧配管91、その戻り側油圧配管91
の分岐管93、ブースタ連通路94,95,96、ブースタ側圧油
注入通路97,98、コントロール・バルブ側圧油注入通路9
9,100、および、反力調整通路102などで油圧回路に接続
されて構成され、そのコントロール・ユニット20が、そ
の車速センサ25および操舵力センサ26から信号を入力し
てその差圧調整弁18、および圧油注入弁19に流れる電流
を制御し、その油圧反力型コントロール・バルブの一対
の反力室間に流れる圧油を絞り調整して車速に適合され
た油圧反力、すなわち、操舵力が得られるように、ま
た、同時的に、ハンドル切り始めおよびハンドル戻し始
めの際、その補助ブースタには、応答の大きさを増加さ
せる方向に、そして、その油圧反力型コントロール・バ
ルブには、応答の大きさを減少させる方向に応答補正圧
油をそれぞれ注入してその補助ブースタに応答の遅れを
小さくさせるように、そして、それに併せて、その補助
ブースタで増加された応答の大きさのフィード・バック
による操舵力の変動をその油圧反力型コントロール・バ
ルブに抑制させるように動作し、そのトラックの前車軸
(図示せず)の両端に揺動可能に連結された一対の前輪
軸(図示せず)を操舵し、その前輪軸に回転可能に支持
された一対の前輪(図示せず)を動力操舵および手動操
舵可能にしている。勿論、そのドラック・リンク24に連
結されたところのナックル・アームは、その前車軸の両
端にナックル(図示せず)およびキング・ピン(図示せ
ず)を介して揺動可能に連結されたその一対の前輪軸の
一方に連結されてあり、また、その一対の前輪軸はタイ
・ロッド(図示せず)および一対のタイ・ロッド・アー
ム(図示せず)を介して互いに連結されてある。
その主ブースタ11は、内部にシリンダ・ボア31を形成
し、そして、その油圧反力型コントロール・バルブ14を
組み込んだシリンダ・ボディ30と、そのシリンダ・ボア
31内に往復揺動可能に嵌め合わせられてそのシリンダ・
ボア31内に一対のシリンダ室33,34を区画するラック・
ピストン32とより組み立てられてある。
そのシリンダ・ボディ30には、そのシリンダ室33,34
に対応されてそのシリンダ・ボア31に開口された一対の
オイル・ポート35,36が穴明けされてあり、また、その
オイル・ポート35,36をその油圧反力型コントロール・
バルブ14に連絡させたブースタ連通路94−95,96が形成
されてある。
そのラック・ピストン32は、ラック37をそのセクタ・
ギア21に噛み合わせ、そのセクタ・ギア21を回転させる
ようにしている。勿論、そのセクタ・ギア21は、そのセ
クタ・ギア・シャフト22に固定的に支持されてあって、
そのラック・ピストン32の往復運動を回転運動に変え、
そのようにして、その主ブースタ11に発生された操舵力
をそのナックル・アームにそのピットマン・アーム23お
よびドラック・リンク24を経て伝達可能にする。
また、そのラック・ピストン32は、ウォーム・シャフ
ト38をボール・スクリュ結合してあって、しかも、その
ウォーム・シャフト38がトーション・バー(図示せず)
およびスタブ・シャフト39を介してそのステアリング・
シャフトに連結されてあるので、そのステアリング・ホ
イールでそのシリンダ・ボディ30のシリンダ・ボア31内
に往復摺動されてマニュアル操作も可能にしてある。
その補助ブースタ12は、内部にシリンダ・ボア42を形
成したシリンダ・ボディ41と、そのシリンダ・ボア42内
に往復摺動可能に嵌め合わせられてそのシリンダ・ボア
42内に一対のシリンダ室44,45を区画するピストン43
と、そのピストン43に一端を固定し、そして、そのシリ
ンダ・ボディ41のロッド・カバー47において、他端側を
外側に出し入れ可能に伸長させているピストン・ロッド
46とより組み立てられ、そのシリンダ・ボディ41のヘッ
ド48をそのピットマン・アーム23にピボット連結し、そ
して、そのピストン・ロッド46の他端をそのトラックの
シャシ110にピボット連結してある。
そのシリンダ・ボディ41には、そのシリンダ室44,45
に対応されてそのシリンダ・ボア42に開口された一対の
オイル・ポート49,50が穴明けされてあり、そのオイル
・ポート49,50は、そのブースタ側圧油注入通路97,98で
その圧油注入弁19に接続されてある。勿論、そのブース
タ側圧油注入通路97,98には、配管が使用された。
そのオイル・ポンプ13は、そのトラックに搭載された
ディーゼル・エンジン(図示せず)によって駆動され、
その主ブースタ11および補助ブースタ12に圧油および応
答補正圧油を供給するために、その油圧反力型コントロ
ール・バルブ14をそのオイル・リザーバ16に接続する供
給側油圧配管90に配置され、そのオイル・リザーバ16か
ら油を汲み上げ、加圧し、そのディーゼル・エンジンの
回転数にほぼ比例した圧油の吐出し量が得られるように
してある。勿論、そのオイル・ポンプ13は、既存のパワ
ー・ステアリングに使用されるオイル・ポンプと同様に
製作されたので、その説明については、省略する。
その油圧反力型コントロール・バルブ14は、一対の反
力室59,60を備えたスプール・バルブに製作され、その
主ブースタ11のシリンダ・ボディ30に組み付けられてそ
の主ブースタ11に一体的に組み立てられてある。
この油圧反力型コントロール・バルブ14は、内部にバ
ルブ・ボア52を形成し、そして、その主ブースタ11のシ
リンダ・ボディ30に組み付けられたバルブ・ボディ51
と、そのバルブ・ボア52内に往復摺動可能に嵌め込ま
れ、そのバルブ・ボア52の両端部分をその反力室59,60
に形成するスプール53とを含み、そのステアリング・ホ
イールが回転されるに応じて、そのスタブ・シャフト39
とそのトーション・バーとの相対的回転によって、その
スプール53がそのバルブ・ボア52内に往復摺動されてバ
ルブ切換え動作が行なわれる構造に製作され、また、そ
の油圧回路においては、その主ブースタ11にそのオイル
・ポンプ13およびオイル・リザーバ16を接続するところ
のその供給側油圧配管90、戻り側油圧配管91、およびブ
ースタ連通路94,95,96に配置されてある。そして、この
油圧反力型コントロール・バルブ14は、そのステアリン
グ・ホイールが回転されるに応じてそのスプール53をそ
のバルブ・ボア52内に摺動させて、そのオイル・ポンプ
13から吐き出され、そのフロー・コントロール・バルブ
15で流量制御されたところのその圧油を方向制御し、そ
の主ブースタ11に供給し、また、その主ブースタ11で作
業した圧油を方向制御し、そのオイル・リザーバ16に戻
す。
そのバルブ・ボディ51は、所定の内径および長さを有
するバルブ・ボア52を内部に形成し、また、一方の側
(図において、上方の側)には、所定の間隔を置いてそ
のバルブ・ボア52に開口されたポンプ・ポート54および
タンク・ポート55を形成し、そして、他方の側(図にお
いて、下方の側)には、ほぼ等間隔に離されてそのバル
ブ・ボア52に開口された3つのシリンダ・ポート56,57,
58を形成してあり、さらに、その反力室59,60に対応さ
れてそのバルブ・ボア52の両端に連絡された一対の反力
ポート61,62および一対の圧油注入ポート63,64を形成し
てある。
そのポンプ・ポート54およびタンク・ポート55は、そ
のバルブ・ボア52の内周面における開口をリング溝65,6
6にそれぞれ加工してある。
また、そのポンプ・ポート54は、その供給側油圧配管
でそのオイル・ポンプ13の吐出し側に接続され、そし
て、そのタンク・ポート55は、戻り側油圧配管91でその
オイル・リザーバ16に接続され、さらに、そのシリンダ
・ポート56,57,58は、そのブースタ連通路94,95,96でそ
の主ブースタ11のオイル・ポート35,36に接続されてあ
る。
さらに、その一対の反力ポート61,62は、その反力調
整通路102で互いに接続され、圧油がその反力室59,60間
に移動可能にしてある。勿論、その反力調整通路には、
後に詳述されるように、その差圧調整弁18が配置されて
その反力室59,60間に流れる圧油が、その差圧調整弁18
で絞り調整される。
そのスプール53は、両端面に開口されたボア67,68を
備え、そのバルブ・ボア52に往復摺動可能に配置されて
ある。
そして、そのようにして、そのスプール53が、そのバ
ルブ・ボア52に嵌め合わせられた状態では、そのボア6
7,68は、そのバルブ・ボア内において、そのスプール53
の両端に形成されるその反力室59,60の容積を大きくす
る。
また、そのスプール53は、そのポンプ・ポート54およ
びタンク・ポート55をそのシリンダ・ポート56,57,58に
切り換え接続するために、軸方向に所定の間隔を置いた
スプール溝69,70,71を外周面に形成してある。
さらに、そのスプール53は、その対応された反力室5
9,60およびスプール溝70,71に開口された一対の反力室
連通ポート72,73を備え、その一対の反力室連通ポート7
2,73は、そのスプール53が、そのバルブ・ボア52内に往
復摺動される際に、そのスプール53の摺動方向に応じて
圧油をその反力室59,60の何れか一方に供給可能にし、
同時に、そのスプール53の動きに伴われたそのバルブ・
ボア52内におけるそのスプール溝70,71の位置によっ
て、そのシリンダ・ポート57,58をその反力室59,60に連
絡する。勿論、そのように、そのスプール53が、そのバ
ルブ・ボア52内に摺動されるに伴われて、そのスプール
溝69は、そのポンプ・ポート54をそのシリンダ・ポート
56に連絡する。
またさらに、そのスプール53は、そのステアリング・
ホイールが回転されるに応じて、そのバルブ・ボア52内
に往復摺動されるために、そのバルブ・ボディ51を貫通
して、そのバルブ・ボア52内に伸長されたスプール・シ
ャフト40の先端にスプール・センタ(スプールの長さ方
向のほぼ中央位置)を連結させてある。勿論、そのスプ
ール・シャフト40は、スリーブ(図示せず)が、外周面
にねじ切りされてそのトーション・バーに固定的に支持
され、そして、リング(図示せず)が、そのスリーブに
ねじ結合されてそのスタブ・シャフト39とそのトーショ
ン・バーとの相対的回転によって、そのリングが、その
スリーブ上に往復移動される構造になっているので、根
元をそのリングに連結させてある。
そのような構造に製作され、そして、そのオイル・ポ
ンプ13から吐き出され、そのフロー・コントロール・バ
ルブ15で流量調整された圧油をその主ブースタ11のシリ
ンダ室33,34に供給し、同時に、その主ブースタ11で作
業した圧油をその主ブースタ11のシリンダ室33,34から
そのオイル・リザーバ16に戻すために、そのポンプ・ポ
ート54がその供給側油圧配管90でそのフロー・コントロ
ール・バルブ15のコントロール・バルブ・ポート76に、
そのタンク・ポート55がその戻り側油圧配管91でそのオ
イル・リザーバ16に、そして、そのシリンダ・ポート5
6,57,58がそのブースタ連通路94,95,96でその主ブース
タ11のオイル・ポート35,36にそれぞれ接続されてある
ので、この油圧反力型コントロール・バルブ14は、その
ステアリング・ホイールが回転されると、そのステアリ
ング・シャフトに連結されたそのスタブ・シャフト39と
そのスタブ・シャフト39にピン連結されたそのトーショ
ン・バーとの間に相対的回転が生じ、そして、その相対
的回転でそのリングがそのスリーブ上に移動されると、
そのリングに連結されたそのスプール・シャフト40によ
って、そのスプール53が、そのバルブ・ボア52内に摺動
され、そのようにして、バルブ切換え動作される。
そのフロー・コントロール・バルブ15は、そのオイル
・ポンプ13およびオイル・リザーバ16にその油圧反力型
コントロール・バルブ14を接続するところのその供給側
および戻り側油圧配管90,91を配置されてある。
このフロー・コントロール・バルブ15は、内部にバル
ブ・ボア(図示せず)を形成し、そして、そのバルブ・
ボアに開口されたポンプ・ポート75、コントロール・バ
ルブ・ポート76、および、リターン・ポート77を備えた
ケーシング74と、そのバルブ・ボアに往復摺動可能に嵌
め合わせられたオイル・リターン・コントロール・スプ
ール(図示せず)とを含んで製作され、そして、そのポ
ンプ・ポート75をそのオイル・ポンプ13の吐出し口に、
そのコントロール・バルブ・ポート76をその油圧反力型
コントロール・バルブ14のポンプ・ポート54にその供給
側油圧配管90でそれぞれ接続され、また、そのリターン
・ポート77をその戻り側油圧配管91にコントロール・バ
ルブ・バイパス101で接続させてある。
そして、このフロー・コントロール・バルブ15は、そ
のオイル・ポンプ13から吐き出され、そして、そのポン
プ・ポート75に送られた圧油の流量を調整して所定の流
量をそのコントロール・バルブ・ポート76に送り、ま
た、その圧油の余剰流量をそのリターン・ポート77から
そのオイル・リザーバ16にそのコントロール・バルブ・
バイパス101および戻り側油圧配管91を経て戻すように
している。勿論、このフロー・コントロール・バルブ15
は、既存のパワー・ステアリングに使用されるフロー・
コントロール・バルブと同様な構造に製作されてあるの
で、その構造の詳細な説明は省略する。
その圧油設定弁17は、その油圧反力型コントロール・
バルブ14とそのフロー・コントロール・バルブ15との間
で、その供給側油圧配管90に配置され、そのフロー・コ
ントロール・バルブ15で流量が調整されて上流側でその
供給側油圧配管90内に流れる圧油を所定の値以上の圧力
に保たせ、その油圧反力型コントロール・バルブ14に
は、圧油が流れ、一方、その上流側でその供給側油圧配
管90からは、高い圧力の圧油、すなわち、応答補正圧油
が取り出せるようにしている。勿論、この圧油設定弁17
は、絞りに置き換え可能である。
その差圧調整弁18は、その反力調整通路102に配置さ
れ、その反力室59,60間に流れる圧油量を調整し、それ
ら反力室59,60内の圧力を調整する。
この差圧調整弁18は、内部にバルブ・ボア(図示せ
ず)を形成し、そして、互いに向かい合ってそのバルブ
・ボアに開口された一対のポート79,80を備えたバルブ
・ボディ78と、そのバルブ・ボアに往復摺動可能に嵌め
合わせられ、その往復摺動に応じて、そのポート79,80
の開口面積を変えるスプール(図示せず)とを含んで製
作された。
従って、そのスプールの往復摺動に応じて、そのポー
ト79,80間に流れる圧油の流量が調整され、換言するな
らば、その油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室
59,60内の圧力が調整される。
勿論、その差圧調整弁18は、その一対のポート79,80
間に流れる圧油の流量を調整し得るものであれば、形態
は任意であり、例えば、ロータリ型に製作されてもよ
い。
また、その差圧調整弁18は、電気アクチュエータ81で
開閉される。すなわち、その電気アクチュエータ81は、
サーボ・モータで、その差圧調整弁18のスプールを往復
摺動させ、そのバルブ・ボアに開口されたそのポート7
9,80の開口面積を変えるように、そのスプールに連結さ
れてある。勿論、この電気アクチュエータ81は、後述さ
れるコントロール・ユニット20に電気的に接続され、そ
のコントロール・ユニット20で制御された電流によって
駆動される。
その電気アクチュエータ81は、その差圧調整弁18の形
態に応じて、適宜のモータが使用可能で、例えば、ステ
ッピング・モータ、電磁コイルなどが使用できる。
その圧油注入弁19は、内部にバルブ・ボア(図示せ
ず)を形成し、そのバルブ・ボアに開口された圧力ポー
ト83、排出ポート84、および一対の出力ポート85,86を
備えたバルブ・ボディ82と、その圧力ポート83および排
出ポート84をその出力ポート85,86に切り換え接続し、
また、その圧力ポート83および排出ポート84を遮断して
その出力ポート85,86を互いに接続するスプール(図示
せず)と、そのバルブ・ボア内にそのスプールを摺動さ
せるソレノイド・コイル87,88とを含んだ3位置4方向
電磁弁である。
また、この圧油注入弁19では、その圧力ポート83が、
その圧油設定弁17の上流側でその供給側油圧配管90にそ
の分岐管92で、その排出ポート84が、その油圧反力型コ
ントロール・バルブ14の下流側で、その戻り側油圧配管
91にその分岐管93でそれぞれ接続され、また、その出力
ポート85,86が、その補助ブースタ12のオイル・ポート4
9,50にそのブースタ側圧油注入通路97,98で接続され、
その出力ポート85,86が、また、その油圧反力型コント
ロール・バルブ14の圧油注入ポート64,63にそのコント
ロール・バルブ側圧油注入通路99,100で接続され、さら
に、そのソレノイド・コイル87,88がそのコントロール
・ユニット20の出力回路に電気的に接続されてある。
そして、この圧油注入弁19は、そのコントロール・ユ
ニット20で決定された電流で駆動され、その圧油設定弁
17の上流側で、その供給側油圧配管90から取り出され、
その補助ブースタ12のシリンダ室44,45およびその油圧
反力型コントロール・バルブ14の反力室59,60に選択的
に注入されるその応答補正圧油の時期および量を制御す
る。
勿論、この圧油注入弁19は、ハンドル切り始めおよび
ハンドル戻し始めの際、その補助ブースタ12の一対のシ
リンダ室44,45において、応答の大きさを増加させる方
向に対応されたそのシリンダ室44あるいは45にその応答
補正圧油を注入して、その補助ブースタ12に応答の大き
さを増加させ、そして、その前輪をハンドル操作に追随
させて応答の遅れを小さくさせ、同時に、その油圧反力
型コントロール・バルブ14の一対の反力室59,60におい
て、応答の大きさを減少させる方向に対応されたその反
力室60あるいは59にその応答補正圧油を注入し、その主
ブースタ11がその油圧反力型コントロール・バルブ14で
駆動されるに先立って、その補助ブースタ12が、その応
答補正圧油で応答の大きさを増加させる方向に駆動され
るので、その補助ブースタ12の操舵力がその油圧反力型
コントロール・バルブ14にフィード・バックされ、そし
て、その補助ブースタ12で増加された応答の大きさのフ
ィード・バックによって生じるところの操舵力の変動を
抑制し、操舵上の違和感を回避する。
そのコントロール・ユニット20は、その車速センサ25
および操舵力センサ26に入力側をそれぞれ電気的に接続
し、また、その差圧調整弁18の電気アクチュエータ81お
よび圧油注入弁19のソレノイド・コイル87,88に出力側
をそれぞれ電気的に接続し、その車速センサ25および操
舵力センサ26から信号を入力し、その入力された信号に
応じて、その差圧調整弁18および圧油注入弁19に流す出
力電流を決定し、その出力電流をその電気アクチュエー
タ81およびソレノイド・コイル87,88に流し、その差圧
調整弁18および圧油注入弁19を駆動し、その差圧調整弁
18には、そのポート79,80の開口面積を変えさせ、ま
た、その圧油注入弁19には、操舵力の大きさ、方向、お
よび、変化速さなどに応じて決定された時間だけ開放さ
せる。
勿論、このコントロール・ユニット20は、入力および
出力回路、記憶回路、演算回路、制御回路、および電源
回路から構成され、その電源回路は、そのトラックのバ
ッテリ(図示せず)を共用している。
特に、このコントロール・ユニット20は、そのトラッ
クに関連して、車速に対応したシリンダ圧の最適値がそ
の主ブースタ11に発生されるように、その油圧反力型コ
ントロール・バルブ14の反力室59,60間の差圧の理想値
を予め入力してあり、その車速センサ25から入力された
信号に基づいて演算し、その演算値とその最適値とを比
較し、その差圧調整弁18に流れる出力電流を制御し、そ
の油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室59,60間
の差圧が予め入力された理想値に一致するように、その
差圧調整弁18のポート79,80の開口面積を調節して、そ
の車速にこのパワー・ステアリング・システム10を対応
させる。
また、このコントロール・ユニット20は、操舵力の大
きさ、方向、および変化速さなどに応じて、その油圧反
力型コントロール・バルブ14の反力室59,60に応答補正
圧油を注入する際の、その応答補正圧油の注入開始およ
び注入時間に相当するところのその圧油注入弁19の通電
開始および通電時間をハンドル切込みおよびハンドル戻
しの場合に応じて決定している。
そして、そのハンドル切込みの場合には、操舵力が零
からある所定の値になり、しかも、その操舵力の時間的
変化、所謂、その操舵力の微分値がある所定の値に達す
ると、そのコントロール・ユニット20は、その圧油注入
弁19のソレノイド・コイル87,88に出力電流を選択的に
流し始め、また、その操舵力が他の所定の値に達する
と、若しくは、その操舵力の微分値が負になると、その
コントロール・ユニット20は、その圧油注入弁19のソレ
ノイド・コイル87,88に選択的に流れているその出力電
流を切り、そのようにして、その圧油注入弁19の通電開
始および通電時間を決定する。
一方、ハンドル戻しの場合には、その操舵力がある所
定の値、例えば、その操舵力の微分値が零になると、そ
のコントロール・ユニット20は、その圧油注入弁19のソ
レノイド・コイル87,88に出力電流を選択的に流し始
め、また、その操舵力の微分値が負になると、その圧油
注入弁19に流れているその出力電流を切り、そのように
して、その圧油注入弁19の通電開始および通電時間を決
定する。
そのように、そのコントロール・ユニット20によっ
て、そのハンドル切込みおよびハンドル戻しに応じて、
その圧油注入弁19の通電開始および通電時間が決定さ
れ、そのコントロール・ユニット20が、その決定された
通電開始時期にその出力電流をその圧油注入弁19のソレ
ノイド・コイル87,88に選択的に流し始め、そして、そ
の決定された通電時間だけ、その出力電流をその圧油注
入弁19のソレノイド・コイル87,88に選択的に流し、そ
の圧油注入弁19はバルブ切換え動作させ、そのコントロ
ール・バルブ側圧油注入通路99,100でその油圧反力型コ
ントロール・バルブ14の圧油注入ポート63,64にその圧
油注入弁19の出力ポート85,86を選択的に連絡させ、そ
の補助ブースタ12がハンドル操作に対応して応答の大き
さを増加させる方向に駆動されるのに伴って、その補助
ブースタ12によるその増加された応答の大きさ、すなわ
ち、操舵力がフィード・バックされるその油圧反力型コ
ントロール・バルブ14には、その応答の大きさを減少さ
せる方向に対応されたその反力室59,60に選択的に注入
し、そして、操舵力の変動を抑制させる。
上述のように、そのコントロール・ユニット20は、動
作し、このパワー・ステアリング・システム10におい
て、車速に適合された操作力が得られ、そして、応答遅
れが補正されるように、その差圧調整弁18、および圧油
注入弁19を制御する。
その車速センサ25は、そのトラックの走行速度を検出
するもので、そのトラックに搭載されたトランスミッシ
ョン(図示せず)の出力軸に配置されてある。
その操舵力センサ26は、そのステアリング・ホイール
に加えられる操舵力の大きさおよび方向を検出するもの
で、そのステアリング・ホイールに組み込まれてある。
勿論、この操舵力センサ26は、そのステアリング・シャ
フトに配置されてもよい。
また、その車速センサ25および操舵力センサ26は、そ
のコントロール・ユニット20の入力回路に電気的に接続
されてある。
次に、上述されたパワー・ステアリング・システム10
の動作をそのトラックの走行状態に関連して述べる。
今、そのディーゼル・エンジンが運転されているの
で、そのオイル・ポンプ13が駆動され、そのオイル・ポ
ンプ13が駆動され、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れた圧油は、そのフロー・コントロール・バルブ15で流
量調整され、そして、その圧油設定弁17で設定圧に保た
れ、その供給側油圧配管90に流れて、その油圧反力型コ
ントロール・バルブ14のポンプ・ポート54に送られる。
そして、そのポンプ・ポート54に送られた圧油は、図
に示されるように、そのスプール53が、ニュートラル位
置に置かれるならば、その戻り側油圧配管91を経てその
タンク・ポート55からそのオイル・リザーバ16に戻され
る。
また、同時に、そのコントロール・ユニット20は、そ
の車速センサ25および操舵力センサ26から信号を入力
し、その差圧調整弁18の電気アクチュエータ81に流れる
出力電流を制御し、車速に応じてその油圧反力型コント
ロール・バルブ14の反力室59,60間の差圧を調節してそ
の車速に適合した油圧反力、所謂、操舵力を得る態勢に
あり、そして、その圧油注入弁19のソレノイド・コイル
87,88に選択的に流れる出力電流を決定し、具体的に
は、その出力電流の通電開始時期および通電時間を決定
し、ハンドル切り始めおよびハンドル戻し始めの際に、
操舵力の大きさ、方向、および、変化速さに応じて、そ
の補助ブースタ12には、応答の大きさを増加させる方向
に対応されたそのシリンダ室44あるいは45にその応答補
正圧油を注入して操舵に対する応答の遅れを小さくする
に併せて操舵力を補ない、そして、同時に、その油圧反
力型コントロール・バルブ14には、応答の大きさを減少
させる方向に対応されたその反力室59あるいは60にその
応答補正圧油を注入してその補助ブースタ12で増加され
た応答の大きさのフィード・バックによって生じるとこ
ろの操舵力の変動を抑制する態勢にある。
そこで、そのトラックが操舵されながら走行する際
の、このパワー・ステアリング・システム10の応答補正
動作について述べる。
先ず、そのステアリング・ホイールが右に切り込み始
められると、その右切りの操舵力の大きさ、方向、およ
び変化速さが、その操舵力センサ26で感知され、それ
が、その操舵力センサ26で電気信号に変換されて、その
コントロール・ユニット20に与えられるので、そのコン
トロール・ユニット20は、その電気信号に応じて演算
し、所謂、操舵力が所定の値になり、その操舵力の微分
値が所定の値に達したことを条件に、その圧油注入弁19
に流れる出力電流の通電開始時期を決定し、その圧油注
入弁19のソレノイド・コイル87にその出力電流を流し、
図において、そのスプールをそのバルブ・ボア内に右側
に摺動させ、その圧力ポート83をその出力ポート86に、
その排出ポート84をその出力ポート85にそれぞれ連絡さ
せる。
従って、高圧の応答補正圧油が、その分岐管92および
ブースタ側圧油注入通路98を経てその供給側油圧配管90
のその圧油設定弁17の上流側からその補助ブースタ12の
シリンダ室45に注入され、同時に、そのコントロール・
バルブ側圧油注入通路100を経てその油圧反力型コント
ロール・バルブ14の反力室59にも注入される。
そのようにして、その補助ブースタ12には、ハンドル
切り始めに、その応答補正圧油が応答の大きさを増加さ
せる方向に対応されたそのシリンダ室45に注入されるの
で、そのピストン43は、そのシリンダ・ボア42内に図示
されたニュートラル位置から右側に速やかに摺動され始
め、同時に、そのシリンダ室44内の圧油は、そのブース
タ側圧油注入通路97、分岐管93、および戻り側油圧配管
91を経てそのオイル・リザーバ16に戻され始め、この補
助ブースタ12は、全体的に伸長されるように駆動され、
そして、その主ブースタ11に先立ってその前輪を右方向
に操舵を始め、応答遅れを小さくする。
また、同時に、その油圧反力型コントロール・バルブ
14では、そのハンドル切り始めに、その応答補正圧油
が、応答の大きさを減少させる方向に対応されたその反
力室59に注入されるので、そのスプール53は、そのバル
ブ・ボア52内に図示されたニュートラル位置から左側に
摺動され始め、そして、その反力室60内の圧油は、その
反力調整通路102を経てその反力室59に流れ始める状態
に置かれ、その結果、この油圧反力型コントロール・バ
ルブ14は、その補助ブースタ12によって増加された応答
の大きさ、所謂、その補助ブースタ12の右切り操舵力
が、フィード・バックされ、そのフィード・バックされ
た右切りの操舵力でそのスプール53が、そのバルブ・ボ
ア52内に図示されたニュートラル位置から右方向に摺動
され、そして、それに伴って、そのステアリング・ホイ
ールがその右切りの操舵力に引き摺られることが、その
注入された応答補正圧油で阻止されるように、働き、そ
して操舵力の変動が抑制される。
また、そのように、その応答補正圧油が、その補助ブ
ースタ12のシリンダ室45および油圧反力型コントロール
・バルブ14の反力室59に注入されている際にも、そのス
テアリング・ホイールが、さらに、右側に切られて行く
ので、その油圧反力型コントロール・バルブ14におい
て、そのスプール53は、そのポンプ・ポート54およびシ
リンダ・ポート57のポート開口を互いに対応させて広く
開かせるように、また、同時に、そのタンク・ポート55
およびシリンダ・ポート58のポート開口を互いに対応さ
せて広く開かせるように、そのステアリング・シャフ
ト、スタブ・シャフト39、トーション・バー、スリー
ブ、およびリングを介してそのステアリング・ホイール
で駆動されるところのそのスプール・シャフト40でその
バルブ・ボア52内にさらに右側に摺動され、そのポンプ
・ポート54およびシリンダ・ポート57は、そのスプール
溝70を介して互いに連絡され、そして、それと同時的
に、そのタンク・ポート55およびシリンダ・ポート58は
そのスプール溝71を介して互いに連絡され、そのオイル
・ポンプ13から吐き出され、そして、そのフロー・コン
トロール・バルブ15で流量調整された圧油は、そのブー
スタ連通路96を経てその主ブースタ11のシリンダ室34に
多量に供給され始め、そのラック・ピストン32が、図に
おいて、そのスプール53の動きを追随するように、その
シリンダ・ボア31内に右側に摺動され、それに伴って、
その主ブースタ11のシリンダ室33内の圧油は、そのブー
スタ連通路94−95、および戻り側油圧配管91を経てその
オイル・リザーバ16に多量に戻され始める。
そのように、その主ブースタ11が駆動され始めると、
その油圧反力型コントロール・バルブ14がその主ブース
タ11のシリンダ・ボディ30に組み込まれてあるので、そ
のラック・ピストン32は、そのスプール53の動きに追随
するように、そのシリンダ・ボア31内に連続的に摺動さ
れ、その主ブースタ11の動きが、また、その油圧反力型
コントロール・バルブ14に連続的にフィード・バックさ
れる。
従って、そのスプール53が、動きを止めると、そのラ
ック・ピストン32は、そのスプール53の移動距離に対応
された距離だけそのシリンダ・ボア31内に対応して移動
されて止まり、この場合には、そのポンプ・ポート54お
よびタンク・ポート55がそのスプール53で閉じられ、そ
のラック・ピストン32は右側に摺動された状態に相当す
る状態に保たれる。
勿論、そのように、その圧油がその主ブースタ11のシ
リンダ室34に供給され始めると、その圧油の一部分は、
その反力連通ポート72およびボア67を経てその反力室59
にも送られる。
また、そのような動きを始めたところのその主ブース
タ11によって、すなわち、そのラック・ピストン32によ
って、そのセクタ・ギア21は、図において、時計方向に
回転され始め、そのセクタ・ギア・シャフト22、ピット
マン・アーム23、ドラック・リンク24、およびナックル
・アームを介してその前輪軸がそのキング・ピンのまわ
りに回転され始め、その前輪軸上に回転可能に支持され
たその前輪が、その補助ブースタ12にも協働されて右方
向に操舵され始める。
さらに、そのステアリング・ホイールが、右方向に回
転されて行くと、所謂、右方向に連続的に切られて行く
と、そのコントロール・ユニット20は、その操舵力セン
サ26で感知された操舵力の大きさ、方向、および変化速
さに応じて演算し、その演算値、すなわち、その操舵力
が所定の値に達し、その操舵力の微分値が負になったこ
とを条件に、その圧油注入弁19のソレノイド・コイル87
に流れているその出力電流を切る。
そのようにして、そのコントロール・ユニット20によ
って、その出力電流が切られると、そのスプールが、そ
のバルブ・ボア内にセンタ位置に摺動されてその圧力ポ
ート83および排出ポート84が遮断され、同時に、その出
力ポート85,86が互いに連絡され、その結果、その補助
ブースタ12のシリンダ室45および油圧反力型コントロー
ル・バルブ14の反力室59に注入されているところのその
応答補正圧油が止められるので、その補助ブースタ12
は、そのシリンダ室44,45がその圧油注入弁19およびブ
ースタ側圧油注入通路97,98で互いに連絡されて、ロス
ト・モーション状態に置かれ、一方、その油圧反力型コ
ントロール・バルブ14においては、そのスプール53は、
図において、そのステアリング・シャフト、スタブ・シ
ャフト39、トーション・バー、スリーブ、およびリング
を介してそのステアリング・ホイールで駆動されるとこ
ろのそのスプール・シャフト40でそのバルブ・ボア52内
に右側に摺動され続ける。すなわち、そのスプール53
は、そのバルブ・ボア52内に右切り方向に摺動され続け
る。また、この場合、そのロスト・モーション状態に置
かれるその補助ブースタ12は、このパワー・ステアリン
グ・システム10のステアリング・ダンパとして機能して
いる。勿論、そのように、ステアリング・ダンパとして
機能するこの補助ブースタ12は、その前輪側に非常に近
い箇所に配置されるのが望ましい。
そして、そのスプール53の動きを追随するように、そ
の主ブースタ11においては、そのオイル・ポンプ13から
吐き出され、そして、そのフロー・コントロール・バル
ブ15で流量調整された圧油が、そのブースタ連通路96を
経てそのシリンダ室34に供給され続け、そのラック・ピ
ストン32は、図において、その圧油によって、そのシリ
ンダ・ボア31内に右側に摺動され続ける。すなわち、そ
のラック・ピストン32は、右切り方向において、そのシ
リンダ・ボア31内に摺動され続ける。
そして、そのラック・ピストン32の動きによって、そ
のセクタ・ギア21が、図において、時計方向に回転さ
れ、そのセクタ・ギア・シャフト22、ピットマン・アー
ム23、ドラック・リンク24、およびナックル・アームを
介してその前輪軸が、そのキング・ピンのまわりに回転
され、その前輪軸上に回転可能に支持されたその前輪
は、右方向に操舵される。
そこで、そのステアリング・ホイールがニュートラル
位置に向けて戻され始めると、そのハンドル戻しの操舵
が、その操舵力センサ26で感知され、それがその操舵力
センサ26で電気信号に変換されて、そのコントロール・
ユニット20に与えられるので、そのコントロール・ユニ
ット20は、その電気信号に応じて演算し、その操舵力の
微分値が零になったことを条件(この場合には、その操
舵力が所定の値に達してあって、その操舵力の微分値が
負になったことを条件にしてもよい)に、その圧油注入
弁19に流れる出力電流の通電開始時期を決定し、その圧
油注入弁19のソレノイド・コイル88にその出力電流を流
し、図において、そのスプールをそのバルブ・ボア内に
右側に摺動させ、その圧力ポート83をその出力ポート85
に、その排出ポート84をその出力ポート86にそれぞれ連
絡させる。
従って、その高圧の応答補正圧油が、その分岐管92お
よびブースタ側圧油注入通路97を経てその供給側油圧配
管90のその圧油設定弁17の上流側からその補助ブースタ
12のシリンダ室44に注入され、同時に、そのコントロー
ル・バルブ側圧油注入通路99を経てその油圧反力型コン
トロール・バルブ14の反力室60にも注入される。
そのようにして、その補助ブースタ12には、ハンドル
戻し始めに、その応答補正圧油が応答の大きさを増加さ
せる方向に対応されたそのシリンダ室44に注入されるの
で、そのピストン43は、前述のその主ブースタ11が右切
りされた位置に対応された位置から図示のニュートラル
位置に向けて、すなわち、左側に向けて速やかに摺動さ
れ始め、同時に、そのシリンダ室45内の圧油は、そのブ
ースタ側圧油注入通路98、分岐管93、および戻り側油圧
配管91を経てそのオイル・リザーバ16に戻され始め、こ
の補助ブースタ12は、全体的に縮むように駆動され、そ
して、その主ブースタ11に先立ってその前輪を左方向に
操舵を始め、すなわち、戻し方向に操舵を始め、応答遅
れを小さくする。
また、同時に、その油圧反力型コントロール・バルブ
14では、そのハンドル戻し始めに、その応答補正圧油
が、応答の大きさを減少させる方向に対応されたその反
力室60に注入されるので、そのスプール53は、前述の右
切りされた位置から図示のニュートラル位置に向けてそ
のバルブ・ボア52内に速やかに摺動され始め、そして、
その反力室59内の圧油は、その反力調整通路102を経て
その反力室60に流れ始める状態に置かれ、その結果、こ
の油圧反力型コントロール・バルブ14は、その補助ブー
スタ12によって増加された応答の大きさ、すなわち、そ
の補助ブースタ12の戻し操舵力がフィード・バックさ
れ、そのフィード・バックされた戻し操舵力でそのスプ
ール53が、前述の右切りされた位置から図示のニュート
ラル位置に向けてそのバルブ・ボア52内に摺動され、そ
して、それに伴って、そのステアリング・ホイールがそ
の戻し操舵力に引き摺られることが、その注入された応
答補正圧油で阻止されるように、働き、操舵力の変動を
抑制する。
また、そのように、その応答補正圧油が、その補助ブ
ースタ12のシリンダ室44、および油圧反力型コントロー
ル・バルブ14の反力室60に注入されている際にも、その
ステアリング・ホイールが、さらに、戻されて行くの
で、所謂、ハンドルのニュートラル位置に向けて戻され
て行くので、その油圧反力型コントロール・バルブ14に
おいて、そのスプール53は、そのポンプ・ポート54およ
びシリンダ・ポート56のポート開口を互いに対応させて
広く開かせるように、また、同時に、そのタンク・ポー
ト55およびシリンダ・ポート57のポート開口を互いに対
応させて広く開かせるように、そのステアリング・シャ
フト、スタブ・シャフト39、トーション・バー、スリー
ブ、およびリングを介してそのステアリング・ホイール
で駆動されるところのそのスプール・シャフト40でその
バルブ・ボア52内に図示のニュートラル位置に向けてさ
らに左側に摺動され、そのポンプ・ポート54およびシリ
ンダ・ポート56は、そのスプール溝69を介して互いに連
絡され、そして、それと同時的に、そのタンク・ポート
55およびシリンダ・ポート57はそのスプール溝70を介し
て互いに連絡され、そのオイル・ポンプ13から吐き出さ
れ、そして、そのフロー・コントロール・バルブ15で流
量調整された圧油は、そのブースタ連通路94を経てその
主ブースタ11のシリンダ室33に多量に供給され始め、そ
のラック・ピストン32が、図において、そのスプール53
の動きを追随するように、そのシリンダ・ボア31内に左
側に摺動され、それに伴って、その主ブースタ11のシリ
ンダ室34内の圧油は、そのブースタ連通路96、および戻
り側油圧配管91を経てそのオイル・リザーバ16に多量に
戻され始める。
そのように、その主ブースタ11が駆動され始めると、
その油圧反力型コントロール・バルブ14がその主ブース
タ11のシリンダ・ボディ30に組み込まれてあるので、そ
のラック・ピストン32は、そのスプール53の動きに追随
するように、そのシリンダ・ボア31内に連続的に摺動さ
れ、その主ブースタ11の動きが、また、その油圧反力型
コントロール・バルブ14に連続的にフィード・バックさ
れる。
勿論、そのように、その圧油が、その主ブースタ11の
シリンダ室33に供給され始めると、その圧油の一部分
は、そのスプール溝69、シリンダ・ポート56、ブースタ
連通路94,95、シリンダ・ポート58、スプール溝71、反
力連通ポート73、およびボア68を経てその反力室60にも
送られる。
また、そのような動きがその主ブースタ11に始められ
ると、そのラック・ピストン32によって、そのセクタ・
ギア21は、図において、反時計方向に回転され始め、そ
のセクタ・ギア・シャフト22、ピットマン・アーム23、
ドラック・リンク24、および、ナックル・アームを介し
てその前輪軸がそのキング・ピンのまわりに回転され始
め、その前輪軸上に回転可能に支持されたその前輪がそ
の補助ブースタ12にも協働されて戻し方向に操舵され始
める。
さらに、そのステアリング・ホイールが、左方向に回
転されて行くと、換言するならば、ハンドルのニュート
ラル位置に向けて戻されて行くと、そのコントロール・
ユニット20は、その操舵力センサ26で感知された操舵力
の大きさ、方向、および変化速さに応じて演算し、その
演算値、すなわち、その操舵力が所定の値に達したこと
を条件に、その圧油注入弁19のソレノイド・コイル88に
流れているその出力電流を切る。
そのコントロール・ユニット20によって、その出力電
流が切られると、そのスプールが、そのバルブ・ボア内
にセンタ位置に摺動されてその圧力ポート83および排出
ポート84が遮断され、同時に、その出力ポート85,86が
互いに連絡され、その結果、その補助ブースタ12のシリ
ンダ室44および油圧反力型コントロール・バルブ14の反
力室60に注入されているところのその応答補正圧油が止
められるので、その補助ブースタ12は、そのシリンダ室
44,45がその圧油注入弁19およびブースタ側圧油注入通
路97,98で互いに連絡されてロスト・モーション状態に
置かれ、一方、その油圧反力型コントロール・バルブ14
においては、そのスプール53は、図において、そのステ
アリング・シャフト、スタブ・シャフト39、トーション
・バー、スリーブ、およびリングを介してそのステアリ
ング・ホイールで駆動されるところのそのスプール・シ
ャフト40でそのバルブ・ボア52内に左側に摺動され続け
る。すなわち、そのスプール53は、そのバルブ・ボア52
内に戻し方向に摺動され続ける。
そして、そのスプール53の動きを追随するように、そ
の主ブースタ11においては、そのオイル・ポンプ13から
吐き出され、そして、そのフロー・コントロール・バル
ブ15で流量調整された圧油が、そのブースタ連通路94を
経てそのシリンダ室33に供給され続け、そのラック・ピ
ストン32は、図において、その圧油によって、そのシリ
ンダ・ボア31内に左側に摺動され続ける。すなわち、そ
のラック・ピストン32は、右切りに対する戻し方向にお
いて、そのシリンダ・ボア31内に摺動され続ける。
そして、そのラック・ピストン32の動きによって、そ
のセクタ・ギア21が、図において、反時計方向に回転さ
れ、そのセクタ・ギア・シャフト22、ピットマン・アー
ム23、ドラック・リンク24、および、ナックル・アーム
を介してその前輪軸が、そのキング・ピンのまわりに回
転され、その前輪軸上に回転可能に支持されたその前輪
は、右切りに対する戻し方向(左方向)に操舵され、そ
して、そのスプール53が図のニュートラル位置に戻され
ると、その前輪は、直進状態に戻される。
その後に引き続いて操舵が行なわれると、このパワー
・ステアリング・システム10では、そのステアリング・
ホイールが、右方向に回転されてから戻されるか、若し
くは、左方向に回転されてから戻されるかに応じて、前
述の動作が行なわれるか、若しくは、それに逆の動作が
行なわれ、また、そのステアリング・ホイールが、右方
向に回転されてから戻され、そして、連続して左方向に
回転されてから戻されるか、若しくは、左方向に回転さ
れてから戻され、そして、連続して右方向に回転されて
から戻されるかに応じて、前述の動作とそれに逆の動作
との組み合わせが行なわれる。
次には、そのトラックの車速に操舵力を適合させるた
めのこのパワー・ステアリング・システム10の動作につ
いて述べる。
今、そのトラックが低速で走行されると、そのコント
ロール・ユニット20が、その車速センサ25から信号を入
力し、その入力信号に応じて演算し、予め入力された差
圧の理想値と比較し、出力電流を決定し、その出力電流
をその差圧調整弁18の電気アクチュエータ81に流するの
で、その電気アクチュエータ81が駆動され、その差圧調
整弁18においては、そのスプールがそのバルブ・ボア内
に摺動され、そのバルブ・ボアに開口されたそのポート
79,80の開口面積を広く開かせる。
そこで、その油圧反力型コントロール・バルブ14にお
いて、そのステアリング・ホイールが回転されるに伴っ
て、そのスプール53が、そのバルブ・ボア52内に左右方
向の何れか一方に摺動されると、そのスプール53の摺動
方向に応じて、そのオイル・ポンプ13から吐き出され、
そして、そのフロー・コントロール・バルブ15で流量調
整された圧油は、その主ブースタ11のシリンダ室33,34
の何れか一方、および、その油圧反力型コントロール・
バルブ14の反力室59,60の何れか一方にそれぞれ送られ
る。
例えば、そのスプール53が、図において、そのバルブ
・ボア52内に右側に摺動されるならば、そのポンプ・ポ
ート54が、そのスプール溝70を介してそのシリンダ・ポ
ート57に連絡され、同時的に、そのタンク・ポート55
が、そのシリンダ・ポート58に連絡され、そのオイル・
ポンプ13から吐き出され、そして、そのフロー・コント
ロール・バルブ15で流量調整された圧油は、そのブース
タ連通路96を経てその主ブースタ11のシリンダ室34に送
られ、図において、そのラック・ピストン32は、そのシ
リンダ・ボア31内に右側に摺動され、そして、その主ブ
ースタ11のシリンダ室33内の圧油は、そのラック・ピス
トン32の動きに伴われてそのブースタ連通路94−95およ
び戻り側油圧配管91を経てそのオイル・リザーバ16に戻
される。
そのように、その圧油が供給される際には、その圧油
の一部分は、その反力連通ポート72およびボア67を経て
その反力室59に送られる。
そのような操舵の際には、反力はその反力室59内の油
圧によって与えられる。
そして、上述されたように、低速走行時には、その差
圧調整弁18のポート79,80の開口面積が広く開かれてい
るので、その反力室59内の圧油は、その差圧調整弁18を
通り、その差圧調整弁18で極端に絞られることなく、他
方の反力室60に流れる。
一方、そのスプール53が、上述の方向に摺動されるに
伴って、そのタンク・ポート55がそのスプール溝71に連
絡されるので、その反力室60内の圧油は、その反力連通
ポート73からその戻り側油圧配管91を経てそのオイル・
リザーバ16に戻される。
従って、その差圧調整弁18による圧力降下が小さくな
り、その反力室59,60間の差圧が小さくなって、その反
力室59内の圧油は、そのスプール53の摺動に大きな抵抗
にならず、言い換えれば、低速走行時の操舵は小さな操
作力で行なわれる。
また、その油圧反力型コントロール・バルブ14におい
て、そのスプール53が、図において、そのバルブ・ボア
52内に左側に摺動されるならば、そのポンプ・ポート54
が、そのスプール溝69を介してそのシリンダ・ポート56
に連絡され、同時的に、そのタンク・ポート55が、その
スプール溝70を介してそのシリンダ・ポート57に連絡さ
れ、そのオイル・ポンプ13から吐き出され、そして、そ
のフロー・コントロール・バルブ15で流量調整された圧
油は、そのブースタ連通路94を経てその主ブースタ11の
シリンダ室33に送られ、図において、そのラック・ピス
トン32は、そのシリンダ・ボア31内に左側に摺動され、
そして、その主ブースタ11のシリンダ室34内の圧油は、
そのラック・ピストン32の動きに伴われてそのブースタ
連通路96および戻り側油圧配管91を経てそのオイル・リ
ザーバ16に戻される。
そのように、その圧油が供給される際には、その圧油
の一部分は、そのスプール溝69、シリンダ・ポート56、
ブースタ連通路94−95、シリンダ・ポート58、スプール
溝71、反力連通ポート73、およびボア68を経てその反力
室60に送られる。
そして、その反力室60内の圧油は、前述の場合とは逆
に、その差圧調整弁18を通り、その差圧調整弁18で極端
に絞られることなく、その反力室59に流れる。
一方、そのスプール53が、上述の方向に摺動されるに
伴って、そのタンク・ポート55がそのスプール溝70に連
絡されるので、その反力室59内の圧油は、その反力連通
ポート72からその戻り側油圧配管91を経てそのオイル・
リザーバ16に戻される。
従って、前述の場合と同様に、その差圧調整弁18によ
る圧力降下が小さくなり、その反力室59,60間の差圧が
小さくなって、その反力室60内の圧油は、そのスプール
53の摺動に大きな抵抗にならず、操舵は小さな操作力で
行なわれる。
また、このトラックが高速で走行されると、そのコン
トロール・ユニット20は、その車速センサ25から信号を
入力し、その入力信号に応じて演算し、予め入力された
差圧の理想値と比較し、出力電流を決定し、その出力電
流をその差圧調整弁18の電気アクチュエータ81に流す。
従って、その電気アクチュエータ81がその出力電流で
駆動され、その差圧調整弁18においては、そのスプール
がそのバルブ・ボア内に摺動され、そのバルブ・ボアに
開口されたそのポート79,80の開口面積を狭まく開かせ
る。
前述の低速走行の場合と同様に、その油圧反力型コン
トロール・バルブ14において、そのステアリング・ホイ
ールが回転されるに伴って、そのスプール53が、そのバ
ルブ・ボア52内に左右方向の何れか一方に摺動される
と、そのスプール53の摺動方向に応じて、そのオイル・
ポンプ13から吐き出され、そして、そのフロー・コント
ロール・バルブ15で流量調整された圧油は、その主ブー
スタ11のシリンダ室33,34の何れか一方、および、その
油圧反力型コントロール・バルブ14の反力室59,60の何
れか一方にそれぞれ送られるが、その差圧調整弁18で
は、そのバルブ・ボアに開口されたそのポート79,80の
開口面積が狭く開かれているので、その差圧調整弁18に
よる圧力降下が大きくなり、その反力室59,60間の差圧
が大きくなり、その結果、その反力室59,60の一方の圧
油は、そのスプール53の摺動に大きな抵抗になる。
そのようにして、高速走行時の操舵には、比較的に大
きな操舵力が要求され、操縦安定性が向上される。
さらに、そのトラックが据切りされる場合には、走行
速度が零であるので、その差圧調整弁18において、その
バルブ・ボアに開口されたそのポート79,80の開口面積
が最大に開かれるので、その反力室59,60間の差圧は極
めて小さくなり、その結果、その据切りは極めて小さな
操作力で行なわれる。
勿論、上述の車速に操舵力を適合させるためのそのパ
ワー・ステアリング・システム10の動作は、前述のその
パワー・ステアリング・システム10の応答補正動作と同
時的に行なわれる。
前述されたパワー・ステアリング・システム10は、応
答補正圧油が、ハンドル切り始めおよびハンドル戻し始
めの際、その補助ブースタ12には、応答の大きさを増加
させる方向に対応されたそのシリンダ室44あるいは45
に、同時に、その油圧反力型コントロール・バルブ14に
は、応答の大きさを減少させる方向に対応されたその反
力室60あるいは59にその圧油注入弁19でそれぞれ注入さ
れるものとして説明されたが、その応答補正圧油は、ハ
ンドル戻しの際、そのステアリング・ホイールがニュー
トラル位置に実質的に戻されるまで、その補助ブースタ
12には、応答の大きさを増加させる方向に対応されたそ
のシリンダ室44あるいは45に、同時に、その油圧反力型
コントロール・バルブ14には、応答の大きさを減少させ
る方向に対応されたその反力室60あるいは59にその圧油
注入弁19でそれぞれ注入することも可能で、この場合に
は、操舵力の変動がよりよく抑制され、応答遅れがより
よく改善され、そして、操縦安定性が一層向上され、そ
の結果、操舵が非常に円滑になる。
また、前述されたパワー・ステアリング・システム10
では、その補助ブースタ12が、その主ブースタ11をその
一対の前輪軸の一方のナックル・アームにそのドラック
・リンク24を介して連結されたそのピットマン・アーム
23に連結されたものとして説明されたが、それら主ブー
スタ11および補助ブースタ12は、その一対の前輪軸にそ
れぞれナックル・アームを取り付け、それらナックル・
アームに対応させて連結させることも可能である。
発明の利便・利益 上述から理解されるように、既に提案され、使用され
てきているところの自動車のパワー・ステアリングに比
較していえば、この発明の自動車に使用されるパワー・
ステアリング・システムは、圧油が、操舵方向に関連し
て、油圧反力型コントロール・バルブで方向制御されて
オイル・ポンプから主ブースタの一対のシリンダ室に選
択的に供給され、同時的に、その主ブースタの一対のシ
リンダ室からオイル・リザーバに選択的に戻され、そし
て、応答補正圧油が、ハンドル切り始めおよびハンドル
戻し始めには、その主ブースタに別置きされる補助ブー
スタの一対のシリンダ室において、応答の大きさを増加
させる方向に対応されるそのシリンダ室と、その油圧反
力型コントロール・バルブの一対の反力室において、応
答の大きさを減少させる方向に対応されるその反力室と
に圧油注入弁でそれぞれ注入されるところにあり、ま
た、その応答補正圧油が、ハンドル切り始めには、その
主ブースタに別置きされる補助ブースタの一対のシリン
ダ室において、応答に大きさを増加させる方向に対応さ
れるそのシリンダ室と、その油圧反力型コントロール・
バルブの一対の反力室において、応答の大きさを減少さ
せる方向に対応されるその反力室とに圧油注入弁でそれ
ぞれ注入され、また、ハンドル戻しには、ハンドルが実
質的に戻されるまで、その補助ブースタの一対のシリン
ダ室において、応答の大きさを増加させる方向に対応さ
れるそのシリンダ室と、その油圧反力型コントロール・
バルブの一対の反力室において、応答の大きさを減少さ
せる方向に対応されるその反力室とにその圧油注入弁で
それぞれ注入されるところにあるので、この発明の自動
車に使用されるパワー・ステアリング・システムでは、
ハンドル操作の際の操舵力の変動が抑制され、そして、
ハンドル操作に対する応答の遅れが改善され、それに伴
って、操縦安定性が向上され、そして、操舵が非常に円
滑になり、併せて、生産およびオプションに容易に対応
することが可能になり、自動車にとって非常に有用であ
る。
発明と具体例との関係 先のように、図面を参照しながら説明されたこの発明
の具体例からして、この発明の属する技術の分野におけ
る通常の知識を有する者にとって、種々の設計的修正や
変更は容易に行われることであり、さらには、この発明
の内容が、その発明の課題を遂行ならしめる発明の成立
に必須であり、その発明の性質であるその発明の技術的
本質に由来し、そして、それを内在させると客観的に認
められる態様に容易に置き換えられる。
【図面の簡単な説明】
図は、中型トラックに適用されたこの発明の自動車に使
用されるパワー・ステアリング・システムの具体例を示
す概説図である。 11…主ブースタ、12…補助ブースタ、14…油圧反力型コ
ントロール・バルブ、18…差圧調整弁、19…圧油注入
弁、90…供給側油圧配管、91…戻り側油圧配管、94,95,
96…ブースタ連通路、97,98…ブースタ側圧油注入通
路、99,100…コントロール・バルブ側圧油注入通路、10
2…反力調整通路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧油が、操舵方向に関連して油圧反力型コ
    ントロール・バルブで方向制御されてオイル・ポンプか
    ら主ブースタの一対のシリンダ室に選択的に供給され、
    そして同時的にその主ブースタの一対のシリンダ室から
    オイル・リザーバに選択的に戻され、そして、 応答補正圧油が、ハンドル切り始めおよびハンドル戻し
    始めには、その主ブースタの別に置かれる補助ブースタ
    の一対のシリンダ室において応答の大きさを増加させる
    方向に対応するそのシリンダ室に圧油注入弁で注入さ
    れ、そして同時にその油圧反力型コントロール・バルブ
    の一対の反力室において応答の大きさを減少させる方向
    に対応するその反力室にその圧油注入弁で注入される ところの自動車に使用されるパワー・ステアリング・シ
    ステム。
  2. 【請求項2】圧油が、操舵方向に関連して油圧反力型コ
    ントロール・バルブで方向制御されてオイル・ポンプか
    ら主ブースタの一対のシリンダ室に選択的に供給され、
    そして同時的にその主ブースタの一対のシリンダ室から
    オイル・リザーバに選択的に戻され、そして、 応答補正圧油が、ハンドル切り始めには、その主ブース
    タの別に置かれる補助ブースタの一対のシリンダ室にお
    いて応答の大きさを増加させる方向に対応するそのシリ
    ンダ室に圧油注入弁で注入され、そして同時にその油圧
    反力型コントロール・バルブの一対の反力室において応
    答の大きさを減少させる方向に対応するその反力室にそ
    の圧油注入弁で注入され、また、ハンドル戻しには、ハ
    ンドルが実質的に戻されるまでその補助ブースタの一対
    のシリンダ室において応答の大きさを増加させる方向に
    対応するそのシリンダ室にその圧油注入弁で注入され、
    そして同時にその油圧反力型コントロール・バルブの一
    対の反力室において応答の大きさを減少させる方向に対
    応するその反力室にその圧油注入弁で注入されるところ
    の自動車に使用されるパワー・ステアリング・システ
    ム。
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